(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128407
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】釣竿先保護具及び釣竿
(51)【国際特許分類】
A01K 87/00 20060101AFI20220825BHJP
【FI】
A01K87/00 640B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022006496
(22)【出願日】2022-01-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0023293
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0082025
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】000237385
【氏名又は名称】富士工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大村 一仁
【テーマコード(参考)】
2B019
【Fターム(参考)】
2B019AA05
2B019AG01
2B019AG02
2B019AG03
(57)【要約】
【課題】前方方向に伸長、及び後方方向に収縮するように連結され、釣糸ガイドが取り付けられている複数の竿体に取付可能な釣竿先保護具が提供される。
【解決手段】
この釣竿先保護具は、複数の竿体(110)に取り付けられるように構成される取付体(210)と、複数の竿体の少なくとも最前方竿体(111)の前方部分及び最前方竿体に取り付けられている釣糸ガイド(134,135)を収容して覆うように構成され、取付体に前後方向(FR)に移動可能に嵌合される筒状体(220)と、取付体に固定され、取付体を複数の竿体のうちの一つに結合させるように構成されるバンド(230)とを含み、取付体は、最前方竿体に取り付けられた釣糸ガイドの後方に位置する釣糸ガイド(131等)の通過を許容するように前後方向に切り欠かれている通過スリット(211)を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方方向に伸長、及び後方方向に収縮するように連結され、釣糸ガイドが取り付けられている複数の竿体に取付可能な釣竿先保護具であって、
前記後方方向に収縮している前記複数の竿体に取り付けられるように構成される取付体と、
前記複数の竿体の少なくとも最前方竿体の前方部分及び前記最前方竿体に取り付けられている釣糸ガイドを収容して覆うように構成され、前記取付体に前後方向に移動可能に嵌合される筒状体と、
前記取付体に固定され、前記取付体を前記複数の竿体のうちの一つに結合させるように構成されるバンドとを、含み、
前記取付体は、前記最前方竿体に取り付けられた前記釣糸ガイドの後方に位置する前記釣糸ガイドの通過を許容するように前記前後方向に切り欠かれている通過スリットを有する、
釣竿先保護具。
【請求項2】
前記筒状体は、前記釣糸ガイドの前記竿体への取付のための取付部の硬度より低い硬度を有する弾性材料からなる、
請求項1に記載の釣竿先保護具。
【請求項3】
前記筒状体の前記前後方向での位置が可変されるように前記筒状体が前記取付体に嵌合される、
請求項1に記載の釣竿先保護具。
【請求項4】
前記取付体は、前記筒状体の一部を前記筒状体の周方向に取り囲む内周面を有し、
前記筒状体は、前記内周面にスライド可能に接触する外周面を有し、
前記筒状体は、前記外周面で前記取付体に前記前後方向にスライド可能に嵌合されるように構成された、
請求項3に記載の釣竿先保護具。
【請求項5】
前記取付体は、前記通過スリットを限定するように前記取付体の内側に曲がった一対のエッジ部を有し、
前記筒状体は、前記外周面に、前記一対のエッジ部がそれぞれ係合される一対の段差部を有する、
請求項4に記載の釣竿先保護具。
【請求項6】
前記取付体は、前記前後方向に形成されたスライドスリットを有し、
前記筒状体は、前記スライドスリットに嵌合され、前記スライドスリットに沿ってスライド可能なスライド突起を有する、
請求項1に記載の釣竿先保護具。
【請求項7】
前記筒状体の前記前後方向でのスライド範囲は10mm~60mmである、
請求項6に記載の釣竿先保護具。
【請求項8】
前記取付体は、前記前後方向に形成された一対のスライドスリットを有し、
前記筒状体は、前記一対のスライドスリットのうちの一つのスライドスリットにスライド可能に嵌合されるスライド突起と、前記一対のスライドスリットのうちのもう一つのスライドスリットに臨む雌ネジとを有し、
前記筒状体は、前記もう一つのスライドスリットを通じて前記雌ネジに結合される固定ネジにより前記取付体に固定可能な、
請求項1に記載の釣竿先保護具。
【請求項9】
前記筒状体は、前記筒状体の前端から前記筒状体の後端にわたって切り欠かれており、且つ釣糸が前記筒状体を通過するように形成される釣糸スリットを有する、
請求項1に記載の釣竿先保護具。
【請求項10】
前方方向に伸長、及び後方方向に収縮するように連結された複数の竿体と、
前記複数の竿体に取り付けられた複数の釣糸ガイドと、
前記後方方向に収縮している前記複数の竿体に取付可能な、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の前記釣竿先保護具と、を含む、
釣竿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、釣竿の竿先を保護するために用いられる釣竿先保護具及びこれを含む釣竿に関するものである。
【背景技術】
【0002】
振出式釣竿(telescopic type fishing rod)は、順次嵌められる複数の竿体を有する。複数の竿体は、釣竿の長手方向に伸長及び収縮するように順次連結されている。釣糸を案内するための釣糸ガイドが各竿体に取り付けられる。
【0003】
釣人が振出式釣竿を携帯したり用いない時、振出式釣竿は、複数の竿体が収縮した状態に維持される。収縮状態にある複数の竿体で穂先側(tip side)に位置する竿体と釣糸ガイドを保護するために、釣竿先保護具が収縮状態の複数の竿体に取り付けられる。
【0004】
一例として、日本特許公報第5947970号(特許文献1)は、複数の竿体が収縮している振出式釣竿に用いられる釣竿先保護具を開示している。前記特許文献1が開示している従来の釣竿先保護具は、収縮状態の複数の竿体で穂先側に位置する竿体と、これに取り付けられた釣糸ガイドを覆う筒状体からなる。
【0005】
従来の釣竿先保護具の筒状体は、剛性を有するプラスチック材料からなり、射出成形によって製造される。釣竿先保護具が取り付けられた釣竿が筒状体の前端から地面に落下する時、または、釣竿の後端から釣竿先保護具側に衝撃が加えられる時に、釣糸ガイドは筒状体に激しく接触し得る。その場合、筒状体が衝撃を吸収できず、釣糸ガイドの樹脂体が傷つき得る。また、筒状体が衝撃を吸収できなければ、穂先側に位置する釣糸ガイドのセラミック製のガイドリングが破損することもあり得る。
【0006】
釣糸ガイドの数と大きさが釣竿の長さまたは形態によって異なる、多様な振出式釣竿が用いられている。しかし、一つの大きさを有する筒状体からなる従来の釣竿先保護具は、多様な振出式釣竿に共通して用いられるのが難しい。例えば、一つの大きさを有する筒状体が、複数の竿体の収縮長さが短い振出式釣竿に用いられれば、穂先側に位置する竿体と釣糸ガイドが筒状体の前端に動けるようにする空間が筒状体内に存在する。この空間により、筒状体が収縮状態の複数の竿体に取り付けられた状態で、釣糸ガイドが振動により筒状体内で動き得る。そうすると、釣糸ガイドは筒状体によって保護されることができず、釣糸ガイドの樹脂体が傷ついたり釣糸ガイドのガイドリングが破損し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
開示された実施例は、前述した従来の問題のうち少なくとも一つ以上を解決した釣竿先保護具を提供する。一実施例によると、釣糸ガイドの傷つきと破損を防止しながら収縮状態の複数の竿体に取り付けられる釣竿先保護具が提供される。一実施例によると、釣糸ガイドの樹脂体の硬度より低い硬度を有する筒状体が釣糸ガイドを覆って釣糸ガイドに加えられる衝撃を吸収できる釣竿先保護具が提供される。一実施例によると、収縮状態の複数の竿体に取り付けられた状態で穂先側に位置する釣糸ガイドが動けるようにする空間を解消できる釣竿先保護具が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
開示された実施例の一側面は、釣竿に用いられる釣竿先保護具に関する。一実施例による釣竿先保護具は、前方方向に伸長、及び後方方向に収縮するように連結され、釣糸ガイドが取り付けられている複数の竿体に取付可能である。釣竿先保護具は、取付体と筒状体とバンドとを含む。取付体は、後方方向に収縮している複数の竿体に取り付けられるように構成される。筒状体は、複数の竿体の少なくとも最前方竿体の前方部分及び最前方竿体に取り付けられた釣糸ガイドを収容して覆うように構成される。筒状体は、取付体に前後方向に移動可能に嵌合される。バンドは取付体に固定され、取付体を複数の竿体のうち一つに結合させるように構成される。取付体は通過スリットを有し、通過スリットは最前方竿体に取り付けられた釣糸ガイドの後方に位置する釣糸ガイドの通過を許容するように前後方向に切り欠かれている。
【0010】
一実施例において、筒状体は、釣糸ガイドの竿体への取付のための取付部の硬度より低い硬度を有する弾性材料からなる。
【0011】
一実施例において、筒状体の前後方向での位置が可変されるように筒状体が取付体に嵌合される。
【0012】
一実施例において、取付体は筒状体の一部を筒状体の周方向に取り囲む内周面を有し、筒状体は取付体の内周面にスライド可能に接触する外周面を有する。筒状体は、外周面で取付体に前後方向にスライド可能に嵌合されるように構成される。取付体は、通過スリットを限定するように取付体の内側に曲がった一対のエッジ部を有し得、筒状体は外周面に、一対のエッジ部がそれぞれ係合される一対の段差部を有し得る。
【0013】
一実施例において、取付体は、前後方向に形成されたスライドスリットを有し、筒状体は、スライドスリットに嵌合され、スライドスリットに沿ってスライド可能なスライド突起を有する。
【0014】
一実施例において、筒状体の前後方向でのスライド範囲は10mm~60mmであり得る。
【0015】
一実施例において、取付体は、前後方向に形成された一対のスライドスリットを有する。筒状体は、一対のスライドスリットのうちの一つのスライドスリットにスライド可能に嵌合されるスライド突起と、一対のスライドスリットのうちのもう一つのスライドスリットに臨む雌ネジとを有する。筒状体は、前記もう一つのスライドスリットを通じて雌ネジに結合される固定ネジによって取付体に固定可能である。
【0016】
一実施例において、筒状体は、筒状体の前端から筒状体の後端にわたって切り欠かれている釣糸スリットを有する。釣糸スリットは、釣糸が筒状体を通過するように形成される。
【0017】
開示された実施例のもう一つの側面は釣竿に関する。一実施例による釣竿は、前方方向に伸長、及び後方方向に収縮するように連結された複数の竿体と、複数の竿体に取り付けられた複数の釣糸ガイドと、一実施例による釣竿先保護具とを含む。釣竿先保護具は、後方方向に収縮している複数の竿体に取付可能である。
【発明の効果】
【0018】
一実施例による釣竿先保護具は、収縮状態の複数の竿体に取り付けられ、少なくとも最前方竿体に取り付けられる釣糸ガイドの傷つきと破損を防止する。一実施例による釣竿先保護具は、釣糸ガイドの樹脂製の取付部の硬度より低い硬度を有する筒状体を有する。これにより、筒状体は釣糸ガイドの樹脂製の取付部に加えられる衝撃を吸収することができる。一実施例による釣竿先保護具では、筒状体は取付体に対して前後方向にスライド可能に嵌合され、筒状体の前後方向の位置が取付体に対して可変される。従って、筒状体の取付体に対する前後方向の位置が、収縮状態の複数の竿体で最前方竿体に取り付けられる釣糸ガイドが筒状体内で動けるようにする空間を解消するように調節され得る。また、一実施例による釣竿先保護具は、前後方向での位置が可変される筒状体により、複数の竿体の収縮長さが互いに異なる多様な振出式釣竿に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本開示の一実施例による釣竿を示す側面図である。
【
図2】
図1に示す釣竿の前方部分と釣糸ガイドを示す側面図である。
【
図3】
図1に示す釣竿と、一実施例による釣竿先保護具を示す側面図である。
【
図4】
図3に示す釣竿の一部と、
図3に示す釣竿先保護具の縦断面形状を示す図である。
【
図5】一実施例による釣竿先保護具の斜視図である。
【
図9】
図6の9-9線に沿って取った断面図である。
【
図10】一実施例による釣竿先保護具の筒状体のスライド移動を示す側面図である。
【
図11】一実施例による釣竿先保護具の筒状体のスライド移動を示す平面図である。
【
図12】一実施例による釣竿先保護具が釣竿の収縮した竿体に取り付けられた状態で筒状体のスライド移動を示す側面図である。
【
図13】もう一つの実施例による釣竿先保護具を示す側面図である。
【
図16】さらに他の実施例による釣竿先保護具を示す斜視図である。
【
図20】
図16に示す釣竿先保護具が一実施例による釣竿に取り付けられている状態を示す平面図である。
【
図21】
図16に示す釣竿先保護具が一実施例による釣竿に取り付けられている状態を示す一部側面図であり、
図20の21-21線に沿った釣竿先保護具の断面形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の実施例は、本開示の技術的思想を説明する目的で例示されたものである。本開示による権利範囲が、以下に提示される実施例やこれらの実施例に関する具体的説明で限定されるものではない。
【0021】
本開示に用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、異なって定義されない限り、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般に理解される意味を有する。本開示に用いられる全ての用語は、本開示をさらに明確に説明する目的で選択されたものであり、本開示による権利範囲を制限するために選択されたものではない。
【0022】
本開示で用いられる「含む」、「備える」、「有する」等のような表現は、当該表現が含まれる語句または文章で異なって言及されない限り、他の実施例を含む可能性を内包する開放形用語(open-ended terms)として理解されるべきである。
【0023】
本開示で記述された単数形の表現は、異なって言及しない限り、複数形の意味を含み得、これは請求の範囲に記載された単数形の表現にも同様に適用される。
【0024】
本開示で用いられる「第1」、「第2」等の表現は、複数の構成要素を相互に区分するために用いられ、当該構成要素の順序または重要度を限定するものではない。
【0025】
本開示において、ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いたり、「結合されて」いると言及される場合、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に連結され得たり、結合され得るものとして、または新たな他の構成要素を介して連結され得たり、結合され得るものとして理解されるべきである。
【0026】
本開示で記載される寸法と数値は、記載された寸法と数値のみに限定されるものではない。異なって特定されない限り、このような寸法と数値は、記載された値及びこれを含む同等の範囲を意味するものとして理解され得る。
【0027】
本開示において、前方方向は釣竿の先端(tip)に向かう方向(
図1において符号FDで指す方向)を意味し、後方方向は釣竿の後端(butt)に向かう方向(
図1において符号RDで指す方向)を意味する。前後方向は、前方方向と後方方向を含む。上方方向と下方方向は、図面に示された配向を基準とする。
【0028】
以下、添付の図面を参照し、実施例を説明する。添付の図面において、同一または対応する構成要素には同一の参照符号が付与されている。また、以下の実施例の説明において、同一または対応する構成要素を重複して記述することが省略され得る。しかし、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素がある実施例に含まれないものとして意図されはしない。
【0029】
図1~
図4を参照する。
図1は、本開示の一実施例による釣竿を示す側面図であり、
図2は、
図1に示す釣竿の前方部分と釣糸ガイドを示す側面図である。
図3は、
図1に示す釣竿と、本開示の一実施例による釣竿先保護具を示す側面図である。
図4は、
図3に示す釣竿の一部と、
図3に示す釣竿先保護具の縦断面形状を示す。
【0030】
釣竿(100)は、釣竿の細長い形状を維持しながら弾力的に撓むことができる構造物である複数の竿体(110)を含む。複数の竿体(110)のうちの一つは細長い管状の部材であり得、複数の竿体(110)のうちのもう一つは細長いが、中が空いていない円筒状の部材であり得る。複数の竿体(110)は振出式(telescopic type)により連結され得る。前記振出式の連結は、一つの竿体が、後方方向(RD)に、その次に位置し、それより大きい内径を有するもう一つの竿体の内部に嵌められることを意味する。前記振出式の連結により順次長手方向に連結される複数の竿体(110)が、釣竿(100)のメインボディーを構成する。前記振出式の連結により、複数の竿体(110)は、前方方向(FD)に伸長、及び後方方向(RD)に収縮するように連結される。即ち、順次連結された複数の竿体は、その全長が伸長するように前方方向(FD)に伸長し得、その全長が縮むように後方方向(RD)に収縮し得る。
図1~
図4は、後方方向に収縮している複数の竿体を示す。
【0031】
図1~
図4に示す複数の竿体は、釣竿のチップ側(tip side)から釣竿のバット側(butt side)に順に配置される、最前方竿体(111)、中間竿体(112)及び最後方竿体(113)からなり得る。釣竿のチップ側に最前方竿体(111)が位置し、最前方竿体(111)は複数の竿体(110)で最小の直径を有する。最前方竿体(111)は、当該技術分野で1番竿または穂先竿として参照され得る。中間竿体(112)は、当該技術分野で2番竿として参照され得る。中間竿体(112)は、最前方竿体(111)の外径より大きい内径を有する。釣竿のバット側(butt side)に最後方竿体(113)が位置し、最後方竿体(113)は、当該技術分野で元竿として参照され得る。最後方竿体(113)は、中間竿体(112)の外径より大きい内径を有する。
図1と
図2は、1番竿、2番竿、元竿のような3つの竿体を示しているが、他の実施例の釣竿は2つまたは4つ以上の竿体を有することもできる。
【0032】
釣人はバット側に位置する最後方竿体(113)をつかむことができる。リールシート(120)が最後方竿体(113)に取り付けられる。リールシート(120)には釣糸(図示せず)を放出したり巻いたりするためのリール(図示せず)が取り外し可能に取り付けられ得る。仕掛けをキャストする時に釣糸はリールから放出され、魚を釣り上げる時に釣糸はリールに巻かれる。
【0033】
釣竿(100)は、複数の竿体(110)に取り付けられる複数の釣糸ガイド(131,132,133,134,135)を含む。釣糸ガイド(131)は最後方竿体(113)に取り付けられ得、釣糸ガイド(132,133)は中間竿体(112)に取り付けられ得る。最前方竿体(111)には釣糸ガイド(134,135)が取り付けられ得る。釣糸ガイド(131,132,133,134,135)は、釣糸を竿体に沿って案内する。各釣糸ガイドは、釣糸を通過させるように形成され、セラミック材料からなるガイドリング(136)と、竿体への取付のための取付部(137)と、取付部(137)に結合され、ガイドリング(136)を支持する金属製のフレーム(138)を含む。
【0034】
釣糸ガイド(131,132,133,134)の取付部(137)は樹脂材料からなり、竿体に取り付けられるように環状または短いパイプ状に形成される。釣糸ガイド(131,132,133,134)の取付部(137)は、竿体が取付部(137)を貫通した状態で竿体に沿ってスライド可能である。例えば、竿体が取付部(137)を貫通した状態で取付部(137)を後方方向に移動させ、取付部(137)と竿体の外周面が締まり嵌めされれば、釣糸ガイドが竿体に固定されることができる。複数の竿体が後方方向(RD)に収縮するにつれ、釣糸ガイドは取付位置から逸脱して各竿体の前方部分に位置することができる。
図2は、収縮状態にある複数の竿体(110)で釣糸ガイド(133,134,135)が各竿体の前方部分に配置される状態を示す。
【0035】
最前方竿体(111)に取り付けられる釣糸ガイド(134)において、取付部(137)はそれぞれ異なるサイズを有し得、ガイドリングは同一のサイズを有し得る。釣糸ガイド(135)は、当該技術分野でトップガイド(top guide)として参照され得る。釣糸ガイド(135)は、最前方竿体(111)の前端に取り付けられ、最前方竿体(111)から前方方向(FD)に突出する。
【0036】
一実施例によると、複数の釣糸ガイド(131,132,133,134,135)のうち後方方向(RD)に位置する釣糸ガイド(131,132)は、比較的に大きい大きさを有する。釣糸ガイド(133)は、釣糸ガイド(131,132)より小さい大きさを有する。釣糸ガイド(134)は、同一の大きさのガイドリングを有しながら、釣糸ガイド(133)より小さい大きさを有する。
【0037】
釣竿(100)は、複数の竿体(110)に取り付けられる一実施例による釣竿先保護具(以下、簡単に「保護具」という)を含む。保護具(200)は、後方方向(RD)に収縮している複数の竿体(110)に取り外し可能に取り付けられ得る。
【0038】
保護具(200)は、収縮している複数の竿体(110)において、竿先側に位置する竿体と、これに取り付けられている釣糸ガイドを収容して覆うように構成される。
図4を参照すると、保護具(200)は、後方方向(RD)に収縮している複数の竿体(110)において竿先側に位置する、最前方竿体(111)の前方部分、中間竿体(112)の前方部分及び最前方竿体(111)と中間竿体(112)に取り付けられた釣糸ガイド(133,134,135)を収容して覆う。また、保護具(200)は、釣糸ガイド(131,132)を露出させながら、釣糸ガイド(133,134,135)を収容して覆う。従って、保護具(200)は、釣糸ガイド(133,134,135)を保護し、釣糸ガイド(133,134,135)の傷つきと破損を防止する。
図4に示すように、複数の竿体が収縮した状態で、釣糸ガイド(134)と釣糸ガイド(135)は稠密に配置されながら竿先側に位置する。以下、後方方向に収縮している複数の竿体において竿先側に位置する、最前方竿体(111)の前方部分と釣糸ガイド(134,135)は、竿先部(141)として参照される。一実施例による保護具(200)は、釣竿の収縮状態で(即ち、複数の竿体の収縮状態で)、少なくとも竿先部(141)を保護するように複数の竿体(110)に取り付けられ得る。
【0039】
一実施例による保護具(200)は、取付体(210)と、筒状体(220)と、バンド(230)を含む。取付体(210)は、後方方向(RD)に収縮している複数の竿体(110)に取り付けられるように構成される。筒状体(220)は、取付体(210)に前後方向(FR)に移動可能に嵌合されるように構成される。筒状体(220)は、収縮している複数の竿体(110)において少なくとも最前方竿体(111)の前方部分及び最前方竿体(111)に取り付けられた釣糸ガイド(134,135)を収容して覆うように構成される。
【0040】
取付体(210)は、収縮状態にある複数の竿体(110)に取り付けられ、筒状体(220)を移動可能に支持する部材である。取付体(210)は、収縮状態にある複数の竿体(110)の全長の一部に対応するように長く形成され得る。取付体(210)は、収縮状態にある複数の竿体(110)のうちの一つ(例えば、最後方竿体(113))に取り外し可能に結合される。取付体(210)に固定されるバンド(230)が取付体(210)を最後方竿体(113)に取り外し可能に結合させるように構成される。一例として、取付体(210)が複数の竿体(110)に平行に配置された状態で、バンド(230)を最後方竿体(113)の外周面に沿って巻き、バンド(230)を取付体(210)に締付けることにより、取付体(210)が収縮状態の複数の竿体に結合され得る。
【0041】
筒状体(220)は、収縮状態の複数の竿体(110)において、最前方竿体(111)の前方部分、最前方竿体(111)に取り付けられた釣糸ガイド(134,135)、中間竿体(112)の前方部分及び中間竿体(112)に取り付けられた釣糸ガイド(133)を収容して覆う。収縮状態の複数の竿体(110)において、筒状体(220)は、少なくとも最前方竿体(111)の前方部分及び最前方竿体(111)に取り付けられた釣糸ガイド(134,135)を収容して覆う。これにより、筒状体(220)は、釣糸ガイド(134,135)を外部の衝撃から保護し、釣糸ガイド(134,135)の傷つきと破損を防止する。
【0042】
図5~
図21を参照して、また、必要な場合、
図4を参照して、本開示の実施例による保護具が以下に説明される。
【0043】
図5は、一実施例による保護具の斜視図である。
図6、
図7及び
図8は、それぞれ
図5に示す保護具の側面図、平面図及び背面図である。
図9は、
図6の9-9線に沿って取った断面図である。
図5~
図9を参照する。
【0044】
一実施例による保護具(200)は、収縮状態にある複数の竿体に取り付けられるように構成される取付体(210)と、収縮状態にある複数の竿体及びこれに取り付けられている釣糸ガイドを収容して覆うように構成される筒状体(220)と、取付体(210)を収縮状態にある複数の竿体のうちの一つの竿体に結合させるように構成されるバンド(230)を含む。筒状体(220)は、取付体(210)に前後方向(FR)に移動可能に嵌合される。取付体(210)は、筒状体(220)を部分的に取り囲むように構成される。従って、筒状体(220)の一部が取付体(210)により取り囲まれる状態で、筒状体(220)は取付体(210)に沿って前後方向(FR)に移動可能に取付体(210)に嵌合される。
【0045】
取付体(210)は、樹脂材料からなり得、射出成形によって一体に製造され得る。一実施例によると、取付体(210)は、筒状から上側の一部が前後方向(FR)に切り欠かれている形状に形成されており、上側が開放されている略C字状の横断面形状を有し得る。これにより、取付体(210)は、前後方向(FR)に切り欠かれている通過スリット(211)を有する。また、取付体(210)は、筒状体(220)を筒状体の周方向(CD)に部分的に取り囲むように形成されている。取付体(210)は、筒状体(220)の一部を筒状体の周方向(CD)に取り囲む内周面(212)(
図9参照)を有する。
【0046】
一実施例によると、取付体(210)は、筒状体(220)を周方向(CD)に部分的に取り囲んで支持するように構成された支持部(213)と、支持部(213)から後方方向(RD)に延びる締結部(214)を含む。通過スリット(211)が支持部(213)の上側に設けられている。支持部(213)は、収縮状態にある複数の竿体と、これらに取り付けられた釣糸ガイドの取付部を取り囲む形状に形成されている。支持部(213)の内周面が取付体(210)の内周面(212)(
図9参照)となる。支持部(213)の前端が取付体の前端(215)となる。
【0047】
通過スリット(211)は、支持部(213)の上側で前後方向(FR)に切り欠かれており、前後方向(FR)に空き空間として形成されている。保護具(200)が収縮状態にある複数の竿体に取り付けられる時、通過スリット(211)は、複数の釣糸ガイドのうち一部の通過を許容し、前記一部の釣糸ガイドを露出させる。例えば、
図4に示すように、取付体(210)が、収縮状態にある複数の竿体(110)に結合される時、通過スリット(211)は、筒状体(220)が釣糸ガイド(133,132,131)に近接するように釣糸ガイド(133,132,131)の通過を許容する。釣糸ガイド(133,132,131)は、最前方竿体(111)に取り付けられた釣糸ガイド(134,135)の後方に位置する。釣糸ガイド(133,132,131)は、通過スリット(211)を通じて筒状体(220)の後端付近に位置する。釣糸ガイド(131,132)の上側部分(ガイドリング及びガイドリングを支持するフレーム)が通過スリット(211)を通じて保護具(200)の外部に露出する。最前方竿体(111)に取り付けられる釣糸ガイド(134,135)が筒状体(220)の内部に収容される。また、中間竿体(112)に取り付けられる釣糸ガイド(133)は、筒状体(220)の内部に収容され得る。
【0048】
取付体(210)と筒状体(220)が結合された状態で、筒状体の一部が通過スリット(211)に位置する。支持部(213)は、筒状体(220)の一部を露出させながら、筒状体(220)の外周面を部分的に取り囲むように構成される。支持部(213)は、通過スリット(211)を限定する一対のエッジ部(216)を有し、一対のエッジ部(216)は前後方向(FR)に配置される。また、支持部(213)は、エッジ部(216)で筒状体(220)の外周面(225)に係合されるように構成される。
図8と
図9に示すように、一対のエッジ部(216)は、取付体(210)の内側(支持部(213)の内側)に向かうように曲がって前記通過スリットを限定する。一対のエッジ部(216)は、筒状体(220)の外周面(225)に係合される。
【0049】
締結部(214)は、支持部(213)の下端から後方方向(RD)に延びる。
図6に示すように、保護具を側方から見る時、締結部(214)は支持部(213)の高さより小さい高さを有する。一実施例による保護具(200)は、竿体にバンド締付け方式で取り付けられ得、バンド締付けのための部材は締結部(214)に配置され得る。取付体(210)は、筒状体(220)の後端付近で前記バンド締付けのための部材により、収縮状態にある複数の竿体に取り外し可能に結合され得る。
【0050】
前記バンド締付けのための部材として、保護具(200)はバンド(230)を含む。バンド(230)は、取付体(210)を収縮状態にある複数の竿体のうちの一つ(例えば、
図4に示す最後方竿体(113))に結合させるように構成される。バンド(230)は、取付体(210)の後端付近で締結部(214)に固定され得る。バンド(230)は、ゴムのような弾性材料からなる。バンド(230)は、その基端部(231)を締結部(214)に嵌め合わせることにより、締結部(214)に固定され得る。バンド(230)には複数の締結孔(232)が貫通しており、締結部(214)の下面には締結突起(217)(
図4参照)が突出する。取付体(210)を収縮状態にある複数の竿体に平行に配置させた状態で、バンド(230)を最後方竿体(113)の外周面に沿って巻き、締結孔(232)に締結突起(217)を嵌め合わせる。バンド(230)は、取付体(210)を最後方竿体(113)に締め付けながら取付体(210)を複数の竿体に結合させる。これにより、保護具(200)が収縮状態にある複数の竿体に取り付けられ得る。
【0051】
一実施例による保護具は、バンド(230)が取付体(210)に固定された状態で、または、バンド(230)が取付体(210)から分離された状態で提供されることもできる。取付体(210)を複数の竿体に取り付ける方式が、バンド(230)を用いる前述した例に限定されるわけではなく、多様な方式によって保護具(200)が複数の竿体に取り付けられ得る。
【0052】
筒状体(220)は、略円筒状に形成されている。筒状体(220)は、弾性材料からなり得、前記弾性材料はゴムまたは熱可塑性エラストマーであり得る。また、筒状体(220)を構成する前記弾性材料は、釣糸ガイドの樹脂製の取付部(例えば、
図4に示す釣糸ガイド(134)の取付部(137)及び釣糸ガイド(133)の取付部(137))の硬度より低い硬度を有する。一例として、前記弾性材料からなる筒状体(220)の硬度は、ショアA(Shore A)で30°~90°であり得る。従って、保護具(200)が複数の竿体に取り付けられれば、釣糸ガイドの取付部の硬度より低い硬度を有し、軟性を有する筒状体(220)が釣糸ガイドを覆う。筒状体(220)は、釣糸ガイドの樹脂製の取付部に加えられる衝撃を吸収することができ、釣糸ガイドの傷つきと破損を防止することができる。
【0053】
筒状体(220)は、閉鎖された前端(221)と、開放されており、後方方向(RD)に前端(221)の反対側に位置する後端(222)を有する。筒状体(220)は、その内側に収容空間(S1)(
図4及び
図8参照)を有し、収容空間(S1)は収縮状態にある複数の竿体のうち竿先側に位置する竿体と釣糸ガイドを収容して覆う。一実施例によると、筒状体の収容空間(S1)は、筒状体の円筒部(223)と膨出部(224)により限定される。円筒部(223)は、略円筒状を有し、前端(221)と後端(222)が円筒部(223)のそれぞれの端に形成される。膨出部(224)は、円筒部(223)の上側で上方に膨出し、後端(222)の一部が膨出部(224)の端に形成される。筒状体(220)は、膨出部(224)が通過スリット(211)内に位置して上方に突出するように、取付体(210)に嵌合されている。
【0054】
図4に示すように、収縮状態にある複数の竿体(110)において最前方竿体(111)の前方部分、釣糸ガイド(134)及び釣糸ガイド(135)、中間竿体(112)の前方部分、および釣糸ガイド(133)が収容空間(S1)に挿入されて収容されるように、筒状体(220)が取付体(210)に対して位置し得る。一実施例による保護具(200)は、釣糸ガイド(131,132)を通過スリット(211)を通じて露出させながら、筒状体(220)により釣糸ガイド(133,134,135)を収容して覆う。釣糸ガイド(134)より大きなサイズを有するが、釣糸ガイド(132)より小さなサイズを有する釣糸ガイド(133)は、膨出部(224)の下に位置し、膨出部(224)により覆われる。即ち、膨出部(224)は、竿体に取り付けられる複数の釣糸ガイドのうちの一つを覆う。最前方竿体(111)に取り付けられ、同一のサイズのガイドリングを有する釣糸ガイド(134)が収容空間(S1)に収容される。釣糸ガイド(134)の後方向に位置する釣糸ガイド(133)が筒状体(220)により覆われる。従って、一実施例による保護具(200)は、同一のサイズのガイドリングを有する複数の釣糸ガイドが最前方竿体に配置される釣竿に容易に適用されることができる。
【0055】
筒状体(220)は、取付体(210)に前後方向(FR)に移動可能に嵌合されるように構成されている。一実施例によると、筒状体(220)は、円筒部(223)が取付体の支持部(213)により部分的に取り囲まれた状態で前後方向(FR)にスライド可能に取付体(210)に嵌合されるように構成されている。筒状体の円筒部(223)が取付体の支持部(213)にスライド可能に嵌合される。円筒部(223)が取付体(210)に対してスライド可能なので、筒状体(220)の取付体(210)に対する前後方向(FR)での位置が可変される。
【0056】
筒状体(220)は、取付体(210)に面接触を通じて嵌合され得、接触する面のスライド移動によって取付体(210)に対して移動され得る。
図8と
図9を参照すると、一実施例による保護具の筒状体(220)は、取付体の内周面(212)にスライド可能に接触する外周面(225)を有する。円筒部(223)の外周面が筒状体の外周面(225)になり得る。筒状体(220)は、外周面(225)で取付体(210)の内周面(212)に前後方向(FR)にスライド可能に嵌合されるように構成される。筒状体の外周面(225)は、前記通過スリットのため、取付体(210)の内周面(212)により部分的に取り囲まれる。筒状体(220)は、取付体の内周面(212)と筒状体の外周面(225)間のスライド可能な面接触を通じて、前後方向(FR)に取付体に対してスライド可能である。
【0057】
取付体(210)に形成された一対のエッジ部(216)が筒状体(220)の外周面(225)に係合される。筒状体(220)は外周面(225)に、取付体(210)の一対のエッジ部(216)にそれぞれ対応する一対の段差部(226)を有する。一例として、段差部(226)は、円筒部(223)と膨出部(224)間の境界部として形成され得る。取付体(210)の一対のエッジ部(216)が筒状体(220)の一対の段差部(226)にそれぞれ係合される。エッジ部(216)と段差部(226)が前後方向(FR)に配置され、上下に互いに係合されるので、取付体(210)の内周面(212)と筒状体(220)の外周面(225)が接触した状態で、筒状体(220)は取付体(210)に沿って前後方向(FR)にスライド可能である。筒状体(220)の外周面(225)が取付体(210)の内周面(212)に面接触で接触した状態で、筒状体(220)が取付体(210)に対して前後方向(FR)にスライド可能であり、筒状体(220)の位置が前後方向(FR)に可変される。筒状体(220)の取付体(210)からの上方移動は、上下に係合された一対のエッジ部(216)と、一対の段差部(226)により拘束される。
【0058】
一実施例による保護具は、筒状体のスライド移動を補助し、筒状体のスライド範囲を規制できる要素を筒状体と取付体に有し得る。これと関連し、
図6と
図9を参照すると、筒状体(220)は、一対のスライド突起(227)を有し得、取付体(210)は、一対のスライド突起(227)がスライド可能にそれぞれ嵌合される一対のスライドスリット(218)を有し得る。
【0059】
スライド突起(227)は、筒状体の円筒部(223)の各側面に形成されており、各側面から突出する。スライドスリット(218)は、取付体の支持部(213)を貫通しており、竿体の長手方向(または、前後方向(FR))に長く形成されている。
図9に示すように、筒状体(220)が取付体(210)に結合された状態で、スライド突起(227)がスライドスリット(218)に嵌合される。筒状体(220)が取付体(210)に対してスライドするにつれ、スライド突起(227)がスライドスリット(218)に沿ってスライドする。スライドスリット(218)にスライド突起(227)が嵌合された状態で筒状体(220)が取付体(210)に対してスライドするので、筒状体(220)のスライド移動がスライドスリット(218)とスライド突起(227)によりガイドされることができる。また、スライド突起(227)とスライドスリット(218)が筒状体(220)のスライド範囲を限定することができる。スライド突起(227)がスライドスリット(218)の前端または後端に当接すれば、前後方向(FR)での筒状体(220)のスライド移動が規制されることができる。
【0060】
他の例として、筒状体(220)は一つのスライド突起(227)を有することもでき、取付体(210)は一つのスライド突起(227)に対応する一つのスライドスリット(218)を有することもできる。更に他の例として、スライドスリット(218)は支持部(213)を貫通せず、溝として支持部(213)の内面に形成されることができ、スライド突起(227)はそのような溝の形態のスライドスリットに嵌合されることもできる。
【0061】
筒状体が取付体に対して前後方向にスライド可能なので、取付体に対する筒状体の前後方向での位置が可変され、筒状体の前後方向での位置は釣人によって調節されることができる。
図10~
図12は、取付体に対する筒状体のスライド移動の例を示す。
図10と
図11はそれぞれ、一実施例による保護具の筒状体のスライド移動を示す側面図及び平面図である。
図12は、一実施例による保護具が釣竿の収縮した竿体に取り付けられた状態で筒状体のスライド移動を示す側面図である。
【0062】
図10に示すように、筒状体(220)は取付体(210)に対して前後方向(FR)に(例えば、矢印(SD)の方向に)スライドすることができる。筒状体(220)の外周面と取付体(210)の内周面が接触した状態で、筒状体(220)はスライドすることができ、スライド突起(227)がスライドスリット(218)に沿ってスライドすることができる。これにより、取付体(210)に対する筒状体(220)の前後方向(FR)での位置が可変されることができる。即ち、筒状体(220)の前端(221)と取付体(210)の前端(215)間の距離が前方方向(FD)に大きくなるか、後方方向(RD)に小さくなるように調節され得る。従って、取付体(210)の支持部(213)から前方方向(FR)に突出する筒状体(220)の突出位置が多様に設定され得る。例えば、筒状体(220)が支持部(213)から大きく突出するように位置する場合、保護具(200)は複数の竿体の収縮長さが長い釣竿に適用され得る。筒状体(220)が支持部(213)から小さく突出するように位置する場合、保護具(200)は複数の竿体の収縮長さが短い釣竿に適用され得る。従って、一実施例による保護具は、複数の竿体の収縮長さが多様な種々の釣竿に共通して用いられることができる。
【0063】
一例として、筒状体(220)の前後方向(FR)でのスライド範囲(SR)は、10mm~60mmであり得る。スライド範囲(SR)は、収縮状態にある複数の竿体において最前方竿体に配置される釣糸ガイドの数、または、元竿(
図1と
図4に示す最後方竿体(113))の直径を考慮して定められ得る。筒状体(220)が10mm~60mmのスライド範囲(SR)を有する場合、保護具(200)は、収縮状態にある複数の竿体において3つ~6つの釣糸ガイドが最前方竿体に配置される場合に対応し得る。また、筒状体(220)が10mm~60mmのスライド範囲(SR)を有する場合、前記元竿の直径に合わせて保護具(200)のサイズを多様にすることができ、多様なサイズ別にスライド範囲が異なるように保護具が設計されることができる。
【0064】
筒状体(220)の前後方向での位置が可変されるので、釣人は、筒状体(220)の前端(221)が収縮状態にある複数の竿体における竿先部に近接するように、筒状体(220)の前後方向での位置を調節することができる。これにより、一実施例による保護具は、複数の竿体の収縮長さが互いに異なる多様な釣竿に竿先部を保護するように適用されることができる。また、一実施例による保護具(200)は、筒状体(220)の前端での内面と竿先部との間に前後方向に形成される、余裕空間を解消することができ、筒状体(220)の内部に位置する釣糸ガイドを更に高い信頼性で保護することができる。
【0065】
図12を参照する。筒状体の前端(221)が取付体の前端(215)から前方方向(FD)に相当な距離だけ離隔された状態で、即ち、筒状体の前端(221)が竿先部(141)の釣糸ガイド(135)より相当な距離だけ前方に突出した状態で、保護具(200)が収縮状態にある複数の竿体に取り付けられ得る。この場合、前端(221)での筒状体(220)の内面と竿先部(141)の釣糸ガイド(135)との間には、余裕空間(S2)が前後方向(FR)に(竿体の長手方向に)形成される。余裕空間(S2)が解消されなければ、竿先部(141)が筒状体の前端(221)に向かって移動し得、竿先部(141)に位置する釣糸ガイド(135,134)は振動により前後方向に動き得る。筒状体(220)が取付体(210)に対して後方方向(RD)にスライドするにつれ、余裕空間(S2)が解消されることができる。余裕空間(S2)が解消されるので、竿先部(141)に位置する釣糸ガイド(134,135)は、筒状体(220)内で移動することなく固定されることができる。
【0066】
もう一つの実施例による保護具を示す
図13~
図15を参照する。
図13と
図14はそれぞれ、もう一つの実施例による保護具を示す側面図及び背面図である。
図15は、
図13の15-15線に沿って取った断面図である。
【0067】
取付体(210)は、支持部(213)を貫通して前後方向(FR)に形成された一対のスライドスリット(218L、218R)を有する。筒状体(220)は、円筒部(223)の一側面に前述したスライド突起(227)を有する。スライド突起(227)は、一対のスライドスリットのうちの一つのスライドスリット(218R)にスライド可能に嵌合される。また、筒状体(220)は、スライド突起(227)の反対側の位置に配置される雌ネジ(241)を有する。雌ネジ(241)は、スライド突起(227)に対向するように円筒部(223)に埋め込まれ得る。雌ネジ(241)は、一対のスライドスリットのうちのもう一つのスライドスリット(218L)に臨むように形成される。保護具(200)は、雄ネジの形態を有する固定ネジ(242)を含み、固定ネジ(242)は雌ネジ(241)に螺合を通じて結合される。固定ネジ(242)は、スライドスリット(218L)を通じて雌ネジ(241)に結合され得る。固定ネジ(242)が雌ネジ(241)に結合されることにより、固定ネジ(242)のネジヘッドが、スライドスリット(218L)が形成された取付体(210)の部分を筒状体(220)に押圧することができる。これにより、筒状体(220)は取付体(210)に対して固定されることができる。釣人が筒状体(220)の前後位置を複数の竿体の収縮長さに適するように調節した状態で、筒状体(220)が固定ネジ(242)により取付体(210)に固定されることができる。
【0068】
図16~
図21は、更に他の実施例による保護具を示す。
図16は、更に他の実施例による保護具を示す斜視図である。
図17、
図18及び
図19はそれぞれ、
図16に示す保護具の側面図、平面図及び背面図である。
図20と
図21はそれぞれ、
図16に示す保護具が一実施例による釣竿に取り付けられている状態を示す平面図及び一部側面図である。
図16~
図21に示す実施例による保護具は、筒状体に釣糸スリットが形成されたことを除いては、前述した実施例の保護具の構成と類似の構成を有する。
【0069】
図16~
図19を参照すると、筒状体(220)は、前端(221)から後端(222)にわたって筒状体に切り欠かれている釣糸スリット(228)を有する。釣糸スリット(228)は、筒状体(220)を筒状体の幅方向で二等分するところに位置し得、筒状体(220)を貫通して形成されている。釣糸スリット(228)は、筒状体(220)の前端(221)(円筒部の前端)と筒状体(220)の後端(222)(円筒部及び膨出部の後端)にわたって形成されている。釣糸スリット(228)は、筒状体(220)の収容空間(S1)と筒状体(220)の外部が互いに通じるようにする。従って、釣糸スリット(228)は、釣糸ガイドを通過している釣糸が、筒状体(220)を筒状体の内部から外部に通過するように形成されている。
【0070】
図20と
図21を参照する。一実施例の釣竿は振出式釣竿であり、釣竿の複数の竿体(110)は伸長及び収縮可能である。釣糸(151)は、リール(図示せず)から延びる。仕掛け(152)が釣糸(151)の端に連結され、仕掛け(152)は釣り針、疑似餌のような部品で構成され得る。リールから仕掛け(152)まで続く釣糸(151)は、釣糸ガイド(131,132,133,134,135)のガイドリング(136)を通過する。保護具(200)は、収縮状態にある複数の竿体(110)に取り付けられる。例えば、釣糸(151)が釣糸スリット(228)を通過し、仕掛け(152)に隣接した釣糸の一部がバンド(230)により最後方竿体(113)に取り付けられた状態で、保護具(200)が複数の竿体(110)に取り付けられ得る。
【0071】
釣糸(151)が釣糸ガイド(131,132,133,134,135)のガイドリング(136)を通過している状態で、釣竿の携帯のために複数の竿体(110)が後方方向に収縮し得る。釣人は、収縮状態にある複数の竿体に保護具を取り付ける。また、釣人は、収縮状態にある複数の竿体の竿先部(141)が筒状体(220)内で動けるようにする余裕空間を解消するように、筒状体(220)を後方方向に移動させて筒状体(220)の前後方向での位置を調節することができる。余裕空間の解消のために筒状体(220)が後方方向に移動するにつれ、釣糸(151)の一部が筒状体の前端(221)と竿先部の釣糸ガイド(135)との間で筒状体(220)により屈曲し得る。釣糸(151)が屈曲した状態で所定期間放置されれば、屈曲状態を維持する傾向が釣糸(151)に起こる。このような釣糸(151)は、釣り途中の釣糸の絡みまたは切断といったトラブルを引き起こし易い。
【0072】
しかし、釣糸スリット(228)が筒状体(220)に形成されている保護具(200)が収縮状態にある複数の竿体に取り付けられ、筒状体(220)の前後方向での位置が調節されれば、釣糸(151)が釣糸ガイド(135)から釣糸スリット(228)を通じて筒状体(220)の外部に通過した状態で、筒状体(220)が竿先部(141)を収容することができる。即ち、筒状体(220)の前端と竿先部(141)との間に余裕空間がないように筒状体(220)の位置が調節されても、釣糸(151)は釣糸ガイド(135)の前方で屈曲することなく、釣糸スリット(228)を通じて筒状体(220)を通過することができる。従って、保護具(200)が竿体に取り付けられた状態で釣糸(151)が筒状体(220)内で屈曲することを防止することができる。
【0073】
以上、一部の実施例と添付の図面に示す例により、本開示の技術的思想が説明されたものの、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が理解し得る本開示の技術的思想及び範囲を逸脱しない範囲で、多様な置換、変形及び変更がなされ得るという点を知るべきである。また、そのような置換、変形及び変更は、添付の請求の範囲内に属するものと考えられるべきである。
【符号の説明】
【0074】
100 釣竿、110 複数の竿体、111 最前方竿体、131 釣糸ガイド、132 釣糸ガイド、133 釣糸ガイド、134 釣糸ガイド、135 釣糸ガイド、137 釣糸ガイドの取付部、151 釣糸、200 釣竿先保護具、210 取付体、211 通過スリット、212 取付体の内周面、216 エッジ部、218 スライドスリット、218L スライドスリット、218R スライドスリット、220 筒状体、221 筒状体の前端、222 筒状体の後端、225 筒状体の外周面、226 段差部、227 スライド突起、228 釣糸スリット、230 バンド、241 雌ネジ、242 固定ネジ、SR スライド範囲、FD 前方方向、RD 後方方向、FR 前後方向、CD 筒状体の周方向。