IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ディープインテント, インク.の特許一覧

特開2022-128436連続最適化による多数個別デジタル送信実績測定の為の自動的データ統合
<>
  • 特開-連続最適化による多数個別デジタル送信実績測定の為の自動的データ統合 図1
  • 特開-連続最適化による多数個別デジタル送信実績測定の為の自動的データ統合 図2
  • 特開-連続最適化による多数個別デジタル送信実績測定の為の自動的データ統合 図3
  • 特開-連続最適化による多数個別デジタル送信実績測定の為の自動的データ統合 図4
  • 特開-連続最適化による多数個別デジタル送信実績測定の為の自動的データ統合 図5
  • 特開-連続最適化による多数個別デジタル送信実績測定の為の自動的データ統合 図6A
  • 特開-連続最適化による多数個別デジタル送信実績測定の為の自動的データ統合 図6B
  • 特開-連続最適化による多数個別デジタル送信実績測定の為の自動的データ統合 図7A
  • 特開-連続最適化による多数個別デジタル送信実績測定の為の自動的データ統合 図7B
  • 特開-連続最適化による多数個別デジタル送信実績測定の為の自動的データ統合 図7C
  • 特開-連続最適化による多数個別デジタル送信実績測定の為の自動的データ統合 図8
  • 特開-連続最適化による多数個別デジタル送信実績測定の為の自動的データ統合 図9
  • 特開-連続最適化による多数個別デジタル送信実績測定の為の自動的データ統合 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128436
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】連続最適化による多数個別デジタル送信実績測定の為の自動的データ統合
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220825BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022024420
(22)【出願日】2022-02-21
(31)【優先権主張番号】17/182,200
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522066780
【氏名又は名称】ディープインテント, インク.
【氏名又は名称原語表記】DEEPINTENT, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ヴァソ ダキッチ
(72)【発明者】
【氏名】サラ ヒー
(72)【発明者】
【氏名】クリス パケット
(72)【発明者】
【氏名】パヴェル ロマノヴィスキ
(72)【発明者】
【氏名】ジェン ウェルテル
(72)【発明者】
【氏名】アントン ヤゾヴィスキー
(72)【発明者】
【氏名】サウラブ ガンディー
(72)【発明者】
【氏名】チンマイ クルカルニー
(72)【発明者】
【氏名】ヌップール アダティヤ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】オンライン健康管理広告キャンペーンの効果を測定する方法、システム及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】方法は、サービス提供者を指定するインプレッションデータと、広告キャンペーン集合のデジタルインプレッションを受理した消費者を表す消費者トークンとを、デマンドサイドプラットフォーム(DSP)から取得し、製品の処方箋に関係するトークン化請求データ記録集合をデータベースサーバから受理する。消費者トークン及び/又はサービス提供者識別子と関連するインプレッションデータをトークン化請求データ記録とリンクする測定対象キャンペーンを指定する統合測定記録の結果集合を、データベースサーバから更に受理する。統合測定記録に基づく集計分析レポートを生成及び提示する。
【選択図】図7A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実装方法であって、
測定サーバコンピュータを使用して、第1キャンペーン集合を指定するインプレッションデータを取得することであって、DSPにより実行される多様な複数のキャンペーンに前記第1キャンペーン集合が内含されることと、
前記測定サーバコンピュータを使用して、前記第1キャンペーン集合のデジタルインプレッションを受理した消費者を表す匿名化消費者トークンを含む複数の第1記録を取得することと、
データベースサーバで実行される分析命令を使用して、匿名化トークン化請求データ記録を包含するデータベースにアクセスすることであって、前記データ記録の各々が指定製品の処方箋に関する少なくとも一つの請求に関係して、前記消費者トークンの少なくとも一つを含有することと、
前記分析命令を使用して、前記請求データ記録及び消費者トークンで一以上のデータベース結合操作を実行して、前記多様な複数のキャンペーンのうち一以上の測定目標キャンペーンを指定する一以上の統合測定記録の結果集合を出力させることであって、前記一以上の測定目標キャンペーンが、前記消費者トークンの少なくとも一つと関連する少なくとも一つの請求データ記録での前記指定製品の前記処方箋と関連することと、
前記測定サーバコンピュータで、前記統合測定記録を前記データベースサーバから受理することと、
前記測定サーバコンピュータを使用して、一以上の分析レポートを生成して提示させることと、
前記測定サーバコンピュータを使用して、前記データベースサーバへのポストコールを実行して新規キャンペーンインプレッションデータを前記データベースサーバに登録することと、
を包含する方法。
【請求項2】
前記統合測定記録に基づいて、前記測定目標キャンペーンの為に伝達される広告の一つと関連する処方箋記入行動の変化を判断することであって、前記測定目標キャンペーンが前記消費者トークンと関連することと、前記変化を前記分析レポートで提示することとを更に包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の記録と前記匿名化トークン化請求データ記録とから選択される特徴を包含する訓練データ集合を使用して機械学習モデルを訓練して最適化モデルを作成することを更に包含し、前記機械学習モデルが、他のキャンペーンについての他の統合測定記録を受理すると共に、前記多様な複数のキャンペーンのうちのターゲットキャンペーンについて、前記DSPの一以上のパラメータの自動的調節に使用する為の予測入札値を出力するように訓練される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記最適化モデルを使用して、前記統合測定記録に基づいて前記一以上の測定対象キャンペーンの各々のコストを判断することと、これを受けて、一以上の構成パラメータを変更するように前記DSPに自動的に信号送信して、前記特定製品の処方箋について最低のコストを有する前記測定対象キャンペーンの少なくとも一つでの支払いを増加させることとを包含する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記最適化モデルを使用して、入札リクエストデータと、個人及び人口統計データを包含する属性データ集合とを受理して、入札値の予測を出力することと、前記最適化モデルからの入札値出力の予測を使用して前記DSPの入札部を更新することと、更新された前記入札部に基づいて前記DSPから一以上の広告を供与することとを更に包含する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
一以上の測定計算サーバデバイスによる実行時に、
前記測定サーバコンピュータを使用して、第1キャンペーン集合を指定するインプレッションデータを取得することであって、前記第1キャンペーン集合がDSPにより実行される多様な複数のキャンペーンに内含されることと、
前記測定サーバコンピュータを使用して、前記第1キャンペーン集合のデジタルインプレッションを受理した健康管理者(HCP)を表すHCP識別子を含む複数の記録を取得することと、
データベースサーバで実行される分析命令を使用して、匿名化トークン化請求データ記録を包含するデータベースにアクセスすることであって、前記データ記録の各々が、指定製品の処方箋に関する少なくとも一つの請求に関係して前記HCP識別子の少なくとも一つを内含することと、
前記分析命令を使用して、前記請求データ記録及びHCP識別子に一以上のデータベース結合操作を実行して、前記多様な複数のキャンペーンのうち一以上の測定目標キャンペーンを指定する一以上の統合測定記録の結果集合を出力させることであって、前記一以上の測定目標キャンペーンが、前記HCP識別子の少なくとも一つと関連する少なくとも一つの請求データ記録での前記指定製品の前記処方箋と関連することと、
前記測定サーバコンピュータで、前記統合測定記録を前記データベースサーバから受理することと、
前記測定サーバコンピュータを使用して、一以上の分析レポートを生成して提示させることと、
前記測定サーバコンピュータを使用して、前記データベースサーバへのポストコールを実行して、新規キャンペーンインプレッションデータを前記データベースサーバに登録することと、
を包含する方法を実施させる命令を記憶する一以上の非一時的記憶媒体。
【請求項7】
実行時に、前記測定目標キャンペーンの為に伝達される前記広告の一つと関連する処方箋記入行動の変化についての前記統合測定記録に基づく判断を前記一以上の測定計算サーバデバイスに実施させる命令シーケンスを更に包含し、前記測定目標キャンペーンが、前記HCP識別子と関連し、前記変化を前記分析レポートに提示する、請求項6に記載の記憶媒体。
【請求項8】
実行時に、前記複数の記録と前記匿名化トークン化請求データ記録とから選択される特徴を包含する訓練データ集合を使用する機械学習モデルの訓練を前記一以上の測定計算サーバデバイスに実施させて最適化モデルを作成する命令シーケンスを更に包含し、前記機械学習モデルが、前記多様な複数のキャンペーンのうちのターゲットキャンペーンの為に、他のキャンペーンについての他の統合測定記録を受理すると共に、前記DSPの一以上のパラメータの自動的調節での使用の為の予測入札値を出力するように訓練される、請求項6に記載の記憶媒体。
【請求項9】
実行時に、前記最適化モデルを使用して、前記統合測定記録に基づいて前記一以上の測定対象キャンペーンの各々のコストを判断し、これを受けて一以上の構成パラメータを変更するように前記DSPに自動的に信号送信して、前記特定製品の処方箋について最低コストを有する前記測定対象キャンペーンの少なくとも一つでの支払いを増加させることを、前記一以上の測定計算サーバデバイスに実施させる命令シーケンスを更に包含する、請求項8に記載の記憶媒体。
【請求項10】
実行時に、前記最適化モデルを使用して、入札リクエストデータと、個人及び人口統計データを包含する属性データ集合とを受理して、入札値の予測を出力することと、前記最適化モデルから出力される前記入札値予測を使用して前記DSPの入札部を更新することと、更新された前記入札部に基づいて前記DSPから一以上の広告を供与することとを前記一以上の測定計算サーバデバイスに実施させる命令シーケンスを更に包含する、請求項8に記載の記憶媒体。
【請求項11】
コンピュータシステムであって、
一以上のプロセッサと、
前記プロセッサのうち一以上に結合されて、前記一以上のプロセッサによる実行時に、
第1反復時に自動的に実行することと、
一以上の健康管理属性による第1集合と関連する第1キャンペーン集合を指定するインプレッションデータをデマンドサイドプラットフォーム(DSP)から取得することであって、前記第1キャンペーン集合が、前記DSPにより実行される多様な複数のキャンペーンに内含されることと、
前記第1健康管理属性集合と関連する前記第1キャンペーン集合のデジタルインプレッションを受理した消費者を表す匿名化消費者トークンを含む複数の第1記録を取得することと、
前記第1健康管理属性集合と関連する前記第1キャンペーン集合のデジタルインプレッションを受理した健康管理者(HCP)を表すHCP識別子を含む複数の第2記録を取得することと、
データベースサーバで実行される分析命令を使用して、匿名化トークン化請求データ記録を包含するデータベースにアクセスすることであって、前記データ記録の各々が、指定製品の処方箋に関する少なくとも一つの請求に関係して前記消費者トークンの少なくとも一つ及び/又は前記HCP識別子の少なくとも一つを含有することと、
前記分析命令を使用して、前記請求データ記録と前記消費トークンの少なくとも一つ及び/又は前記HCP識別子の少なくとも一つに一以上のデータベース結合操作を実行して、前記多様な複数のキャンペーンのうち一以上の測定目標キャンペーンを指定する一以上の統合測定記録の結果集合を出力させることであって、前記一以上の測定目標キャンペーンが、前記消費者トークンの少なくとも一つ及び/又は前記HCP識別子の少なくとも一つと関連する少なくとも一つの請求データ記録での前記指定製品の処方箋と関連することと、
前記統合測定記録を前記データベースサーバから受理することと、
前記統合測定記録に基づいて一以上の分析レポートを生成して提示させることと、
前記データベースサーバへのポストコールを実行して、新規キャンペーンインプレッションデータを前記データベースサーバに登録することと、
前記新規キャンペーンインプレッションデータを使用して一以上の第2反復で前記命令を自動的に実行することと、
を前記一以上のプロセッサに実施させるように作動可能な命令を記憶する一以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体と、
を具備するコンピュータシステム。
【請求項12】
前記記憶媒体が更に、前記プロセッサのうち一以上による実行時に、前記匿名化トークン化請求データ記録と複数の前記第1記録又は複数の前記第2記録のうち少なくとも一方とから選択される特徴を包含する訓練データ集合を使用して機械学習モデルを訓練して最適化モデルを作成することをシステムに実施させる命令を包含し、前記機械学習モデルが、前記多様な複数のキャンペーンのうちのターゲットキャンペーンの為に、他のキャンペーンについての他の統合測定記録を受理すると共に、前記DSPの一以上のパラメータの自動的調節での使用の為の予測入札値を出力するように訓練される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記記憶媒体が更に、前記プロセッサのうち一以上による実行時に、前記最適化モデルを使用して、前記一以上の測定対象キャンペーンの各々のコストを前記統合測定記録に基づいて判断することと、これを受けて一以上の構成パラメータを変更するように前記DSPに自動的に信号送信して、前記特定製品の処方箋についての最低コストを有する前記測定対象キャンペーンの少なくとも一つへの支払いを増加させることとをシステムに実施させる命令を包含する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記匿名化トークン化請求データ記録と、匿名化消費者トークンを有するインプレッションデータ記録の少なくとも一つの集合、及び/又は、HCP識別子を有するインプレッションデータ記録の少なくとも一つの集合に対する一以上のデータベース結合操作を前記データベースサーバで実行される前記分析命令に基づいて、前記結果集合が生成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記匿名化消費者トークンの一つにより表される特定の消費者の少なくとも一人、或いは、前記多様な複数のキャンペーンのうちの特定キャンペーンに露出される前記HCP識別子の一つにより表される特定のHCPと関連する適格受診対話の総数を測定することにより、前記統合測定記録に基づいて一以上の分析レポートを作成して提示させることをシステムに実施させる命令を前記記憶媒体が更に包含し、前記特定のキャンペーンの特定の製品が、前記特定の消費者又は前記特定のHCPに関する特定の請求データ記録で指定される、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一技術分野は、デジタル広告技術で使用されるコンピュータ実装デマンドサイドプラットフォーム(DSP)システムである。別の技術分野は、関係データベース、そして具体的には多様なデータ集合を記憶するテーブルの自動結合を記憶プログラム制御下で使用することである。
【背景技術】
【0002】
本節に記載されるアプローチは、追求が可能なアプローチであるが、必ずしも既に発想又は追求されたアプローチではない。それ故、他に指摘されなければ、本節に記載されるアプローチのいずれかが本節に含まれることのみをもって先行技術に値すると推定されるべきではない。
【0003】
デジタル広告技術(アドテク)は、ユーザコンピュータがどのメディア又はコンテンツにアクセスしているか、そしてどのデジタル広告ユニットがメディア、コンテンツ、又は他のロケーションを選択、送信、或いは配置するかを判断するのに、記憶プログラム制御下の分散型コンピュータシステムを使用する。アドテクシステムでは、ウェブサイト、モバイルデバイスフィード、そして他のアプリケーション内での電子アドユニットの配置についてのリアルタイム入札の為の高度な手段が発展してきた。しかしながら、このアドテクシステムは依然として多くの制限を受けている。
【0004】
多くの広告代理店、製薬会社、医療機器会社、保険会社、そして他の健康管理関連会社は、該当する健康管理者(HCP)及び消費者に対する健康管理製品及びサービスの広告インプレッションを向上させたいと考えている。インプレッション展開は、製品情報のターゲット化配信の為のデマンドサイドプラットフォーム(DSP)システムを必然的に伴う。適切なオンラインHCP識別情報、ターゲットとなり得る消費者、そして特定の製品及びサービスに関する情報をどこに伝達するかの判断は、無数のタイプの医療条件、HCP及びその実務履歴、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)に基づく患者プライバシー要件、そして健康管理産業の製品の多様性を考えると、難易度が高い。臨床医療データ、処方行動データ、米国健康管理者識別情報(NPI)データ、人口統計データ、認証、予約スケジュール管理、決済データ、そしてNPIに関係する他の情報は、概して、特定製品に関する情報を配信するのにどのHCPが最良適合であるかを判断する際の使用において代理店及び広告主には入手不可能であるか、或いはNPIに関する情報は充分に包括的でないか他のデータとの整合性がなく、それ故、実用性が制限される。故に、DSPシステムでは、このような配信が有益でない患者を担当するHCPに製品情報を配信する、及び/又は、有益である患者を担当する多くのHCPへの配信を逃すことが多い。
【0005】
データ販売者は大抵、オーディエンス区分を定義するデータをDSPに販売し得る。これらのアプローチでは、通常、ターゲットとなるオーディエンスについて最小限のカスタマイズのみが可能であるか、関連性を大きく低下させることになるカスタマイズの重大な遅延が生じ、特定のオーディエンス特性を示すように手動タグ設定されるクッキー又はデバイスデータのバケット又はセグメントに依存している。他のデータ提供者は、様々な属性を持つ多くのユーザがHCPのデータベースにどのように記録されるかについてカウント及び集計を提供するプラットフォームを介してデータを提示し、これらのプラットフォームはDSPを有さず、故にオーディエンスデータをDSPに転送する仲介物を必要とする。このアプローチには統合性が欠如しているので、広告との関与についてのHCP固有レポートのリアルタイム提供が妨げられる。更に、既存システムでは、ブラウザクッキー制限に基づいて個々のデータストアが使用されて、デジタル識別情報データを第三者データと一体化して、よりリアルタイムなカスタマイズと広告関連性とを可能にする安全な手法が用意されていない。
【0006】
更に、既存技術では、アド供与データを健康管理データ(実世界エビデンス)とデジタル的に組み合わせるか結合する効果的な手段は存在しないので、患者の成果及び健康管理者行動の変化に対する健康管理広告の効果を測定する効果的な手段は用意されず、販促反応及び/又は準リアルタイム臨床事象のキャンペーン測定に基づいて現在進行形でメッセージ送信がカスタマイズ及び最適化される。消費者とサービス提供者との間の対話と、オフラインの行動変化をオンラインのキャンペーンインプレッションデータとリンクさせる最小限の能力を含めて、或る広告が健康成果の改善にどのように繋がるかを測定する効果的な手法もない。HCP及び患者を対象とするキャンペーンの統合は非実用的であるか存在しない。このデータが判断され得る場合であっても、この成果を説明するキャンペーン測定に基づいてDSP又は入札を最適化する実際的な手法も効果的な手法もない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来の技術における課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付の請求項が発明の要約として機能し得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】保護データを使用する機械学習システムの安全な訓練及び配信の為のシステム例が描かれている。
図2】保護情報を安全に使用して機械学習システムを生成及び訓練する為のメッセージ線図例が描かれている。
図3】機械学習システムを保護環境で構築及び確認する為の方法例が描かれている。
図4】安全な環境を利用して機械学習システムを構築及び確認する為の方法例が描かれている。
図5】一実施形態が実装され得るコンピュータシステムが図示されたブロック線図である。
図6A】或る実施形態が実装され得る分散型コンピュータシステム例が図示されている。
図6B】或る最適化要素を含む図6Aのシステムが図示されている。
図7A】乃至
図7B】所与のキャンペーンについての測定管理プロセス例が図示されている。
図7C】DSP最適化実施形態における機能要素及びデータフロー例が図示されている。
図8】所与のキャンペーンについてのデータフロー例が図示されている。
図9】測定対象キャンペーンの分析レポートを提示する為のGUI例が図示されている。
図10】人工ニューラルネットワーク例が図示されている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
下記では、この概略に従って各節で実施形態例が記載される。
1.全体的概要
2.消費者直接取引のモデリング
2.1 構造例
2.2 プロセス概要
2.3 保護環境の実装
2.4 メディアサーバの実装
2.5 モデリングの実装
2.6 或る実施形態の長所
3. キャンペーンの実績測定及び最適化
4. 実装例
4.1 ハードウェア概要
4.2 人工ニューラルネットワーク
5. 拡張及び代替
【0011】
本明細書に開示される実施形態は例に過ぎず、本開示の範囲はこれに限定されない。特定の実施形態は、本明細書に記載される実施形態のコンポーネント、要素、特徴、機能、操作、又はステップの全て又は一部を含むか、何も含まない。本発明による実施形態は、方法、記憶媒体、システム、そしてコンピュータプログラム製品についての添付の請求項に詳しく開示され、一つの請求項カテゴリ、例えば方法に言及されるいかなる特徴も、別の請求項カテゴリ、例えばシステムにおいて、同様に請求され得る。添付の請求項の従属関係又は引用は、形式的な理由のみで選択される。しかしながら、先行請求項の意図的な引用(特に多数の従属関係)から得られる主題も請求されるので、請求項及びその特徴の何らかの組み合わせが開示され、添付の請求項で選択される従属関係に関わらず請求され得る。請求され得る主題は、添付の請求項に提示される特徴の組み合わせばかりでなく請求項の特徴の他の組み合わせを包含し、請求項に言及される各特徴は、請求項の他の特徴又は他の特徴組み合わせと組み合わされ得る。更に、本明細書に記載又は図示される実施形態及び特徴のいずれかは、個別の請求項において、及び/又は、本明細書に記載又は図示される実施形態又は特徴との、或いは添付の請求項の特徴のいずれかとの何らかの組み合わせにおいて請求され得る。
【0012】
1.全体的概要
健康管理マーケティングで使用されるコンピュータシステムは、歴史的に見て、広告を含むデジタルデータの送信を測定及び最適化するのに多様な技術に依存してきた。健康管理データでは、レイテンシ及びセキュリティの検討が必要とされる。それ故、オンライン健康管理広告キャンペーンの効果を測定する為の一般的な既存の解決法には一貫性がなく、単一のメディアプラットフォームに統合されていない。一部の測定システムは、長いデータリフレッシュ遅延、疑わしい精度、不充分な透明性を有し、メディアプラットフォームから独立して作動する。付加的に、ブラウザクロスドメイン追跡ポリシーの変更により、キャンペーンを測定する第三者測定の解決法について多くの課題が生じる。結果的に、健康管理マーケティング担当者は、オフラインの健康成果データに基づいてオンラインキャンペーンのリアルタイム最適化を行うのに苦労する。
【0013】
更に、サービス提供者を対象とすると共に消費者を対象とする統合キャンペーンの共同的及び相互的な効果を測定することは可能でなかった。統合キャンペーンは、類似のメッセージ送信によるサービス提供者及び消費者への広告伝達の意図的な調整を伴う。「サービス提供者」は一実施形態において健康管理者(「HCP」)を指し、「消費者」は同じ実施形態において患者を指す。しかしながら、他の実施形態では、健康管理以外の分野ではサービス提供者、そして患者以外の消費者が実装されてもよいが、プライバシーについての懸念も生じる。統合キャンペーンは、外来診療のような受診の前に消費者と提供者との共通理解を向上させるので、業界では評価されている。医薬品の安全性又は医薬品の有効性に関する同じメッセージを消費者と提供者とが受理している場合には、より多くのコンバージョンが発生することが証拠から示唆される。コンバージョンは、この文脈では処方箋の記入を包含し得る。本開示の実施形態では、DSP内で統合キャンペーンを計画、起動、そして測定するようにプログラムされた第1分散型コンピュータシステム又はプラットフォームが設けられるので、複数のブランドが単一のプラットフォーム内でこれらのキャンペーン全てを運営、測定、そして最適化できる。「DSP」は、この文脈ではデマンドサイドプラットフォーム又はアドサーバコンピュータを指し、「DSP」が言及される本開示の全ての例が、例えばアドを供与するがDSPは使用しないパブリッシャにより、DSPとして作用しないアドサーバを使用して実装され得る。
【0014】
マーケティング用途の為の個人健康情報の直接開示及び使用を防止するHIPAAのような法体制を順守する、健康管理活動の正確な会計処理を表す医療請求データを使用するように実施形態が構築される。実施形態において、広告ターゲット化とキャンペーン有効性測定の両方についての合法的使用を可能にしながらプライバシーを保護するように、或るデータが匿名化される。
【0015】
特定の実施形態では、患者成果及びHCP行動変化に対する健康管理広告の効果を測定するようにアド供与データが健康管理データと組み合わされる。この組み合わせデータは更に、これらの広告を受理した消費者とサービス提供者との間の対話を測定して、或るアドキャンペーンが健康成果の向上にどのように繋がるかを定量化するのに使用され得る。故にDSPは、タイムリーな情報を消費者及びそのサービス提供者に伝達して自身の健康について多くの情報に基づく決定を行うのを助ける健康管理キャンペーンを計画、起動、そして測定する能力を与える。そして、更に望ましい成果を達成することでサービス提供者及び消費者の為の統合キャンペーンの制御、カスタマイズ、そして伝達を可能にするように、測定された結果が使用されて特定のアドキャンペーンの様々なパラメータを調節及び最適化し得る。
【0016】
特定の実施形態において、方法は、測定サーバコンピュータにより、一以上の健康管理属性による第1集合と関連する第1キャンペーン集合のデジタルインプレッションを受理した消費者を表す複数の第1匿名化消費者トークンを指定するインプレッションデータを、DSPから取得することを含む。第1健康管理属性集合と関連する第1キャンペーン集合のデジタルインプレッションを受理したHCPを表す複数の第2HCP識別子を指定するインプレッションデータが更にDSPから取得される。第1キャンペーン集合は、DSPにより実行される多様な複数のキャンペーンに内含され得る。そしてデータベースサーバで実行される分析命令に基づいて、匿名化トークン化請求データ記録の集合が受理され、各データ記録は指定製品の処方箋に関する少なくとも一つの請求に関係しており、これらの命令の実行はデータプライバシー予防手段を備える安全な環境で行われ得る。この方法は更に、多様な複数のキャンペーンのうち一以上の測定対象キャンペーンを指定する一以上の統合測定記録の結果集合をデータベースサーバから受理することを含む。一以上の測定対象キャンペーンは、消費者トークンのうち少なくとも一つ、及び/又は、HCP識別子のうち少なくとも一つと関連する少なくとも一つの請求データ記録における指定製品の処方箋と関連し得る。最後に、この方法は、統合測定記録に基づいて一以上の分析レポートを生成して提示させることを含む。
【0017】
医薬品会社により運営されるようなアドキャンペーンの運営、測定、そして最適化については、或る技術的課題が存在する。一例として、健康管理マーケティング担当者は大抵、そのデジタルアドキャンペーンを運営するのに幾つかの異なる技術に依存しなければならない。しかしながら、健康管理データのレイテンシと、消費者データの管理にまつわる課題の独自性とを考慮すると、健康管理キャンペーンの有効性を測定する為の解決法には一貫性がないことが多く、単一のメディア購入プラットフォームに完全には統合されない。従来の測定製品は、長いデータリフレッシュ遅延、疑わしい精度、不充分な透明性を有し、使用されるメディア購入プラットフォームから独立して作動することが多い。更に、サービス提供者及び消費者についての統合キャンペーンの共同的及び相互的な効果を測定するプラットフォームが欠如していることには、別の技術的課題が存在する。また別の技術的課題は、ブラウザクロスドメイン追跡ポリシーでは、キャンペーンを測定しようとする第三者測定の解決法についての課題が生じるという事実に存する。これらの制限により、健康管理マーケティング担当者は、オフラインの健康成果データに基づいてキャンペーンのリアルタイム最適化を行うのに苦労し得る。
【0018】
本明細書に開示される或る実施形態は、これらの課題に対処する一以上の解決法と共に様々な技術的利点とを提供し得る。一例として、開示されるDSPでは、広告をターゲット化して伝達し、適時の類似メッセージ送信により関連する健康管理者及び消費者を選択するようにキャンペーンの意図的な調整を可能にする統合プラットフォームが提供され得る。例を挙げると、DSPは、特定の医薬品の効果を強調した主要検討ポイントを、HCPと患者との間の臨床診療又は対話に先立ってこの二者に伝達することを可能にする。このような統合キャンペーンは、患者及び提供者を、その受診/外来診療の前に特定の医薬品に関する関連のメッセージ送信と「同期化」できる。患者とHCPの両方が、(医薬品の安全性、その効果等のような)同じメッセージについて、この対話の前に考察する準備ができている場合には、こうして患者間での多数のコンバージョンが得られる結果となる。
【0019】
この統一的アプローチの結果、様々な技術的利点が得られる。一例として、実施形態の技術的利点の一つは、単一の統一的プラットフォーム内で統合キャンペーンを運営、管理、測定する能力を含み得る。実施形態の別の技術的利点は、適格患者とHCPとの間での対話を表すデータをエンティティが受理して、コンバージョンの推進又は患者行動の変化にこのマーケティングキャンペーンがどのような影響を及ぼすかを評価できることを含み得る。実施形態のまた別の技術的利点は、今後のキャンペーンについての効果及びターゲット化を高める為に、このデータを受けたキャンペーン最適化を自動化することを含み得る。本明細書に記載の或る実施形態は、上記の技術的利点のいずれも提供しないか、幾つかを提供するか、全てを提供し得る。本開示の図、記載、請求項を考慮すると、一以上の他の技術的利点が当業者には直ぐに明白になるだろう。
【0020】
2. 消費者直接取引のモデリング
2.1 構造例
図1には、保護データを使用する機械学習システムの安全な訓練及び配信の為のシステム例が描かれている。サーバコンピュータ110、請求プロセッサ130、属性データベース140、メディアサーバ150、そしてクライアント計算デバイス160が、一以上のネットワークを経て通信結合されている。ネットワークは、地上波又は衛星リンクを含む有線又は無線リンクのいずれかを使用する、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、相互接続ネットワーク、又はインターネットを含む一以上のデータ通信ネットワークの何らかの組み合わせを広く表す。図1の様々な要素の間でデータ交換を行う何らかの媒体又は機構により、ネットワークが実装され得る。図1の様々な要素は、直接(有線又は無線)通信リンクも有し得る。サーバコンピュータ110、請求プロセッサ130、属性データベース140、メディアサーバ150、クライアント計算デバイス160、そしてシステムの他の要素の各々は、ネットワークとの互換性を持つインタフェースを具備し、TCP/IP、ブルートゥース(登録商標)、CANプロトコル、そしてHTTP、TLS、その他のような高層プロトコルなどのネットワークを介した標準化通信プロトコルを使用するようにプログラム又は構成される。
【0021】
請求プロセッサ130は、請求データを受理及び記憶するように構成される一以上の計算システムを具備する。請求プロセッサ130は、請求データ132と識別情報134とを記憶する。請求データ132は、複数のパーソナルデータ記録についての一以上の状態値を識別するデータを包含する。例えば、請求データは、疾病及び関連健康問題についての国際統計分類(ICD)コード、医師診療行為用語(CPT)コードのような処置コード、健康管理者(HCP)と関連するコード、健康管理共通処置コーディングシステム(HCPCS)コード、処方箋についてのJコード又はNDCコードのような診断コードを識別する医療請求記録を包含し得る。状態値は、2型糖尿病の診断の為のICD-10コードのような特定コードの有無を包含し得る。請求データ132は、パーソナルデータ記録の氏名、住所、生年月日、又は他の識別情報のような識別情報134と関連し得る。請求プロセッサ130は識別情報134を使用し、本明細書に記載の方法を使用して暗号化トークン136を生成する。請求プロセッサ130は、暗号化トークン136を含む請求データ132をサーバコンピュータ110へ送る。付加的又は代替的に、請求プロセッサ130は請求データ132及び識別情報134をトークン化サーバへ送り、そしてこのサーバは、本明細書に記載の方法を使用して識別情報から暗号化トークン136を生成して、暗号化トークン及び請求データをサーバコンピュータ110へ送る。
【0022】
属性データベース140は、複数のパーソナルデータ記録についての属性情報を記憶するように構成される、関係データベース又は他の構造化データ記憶装置のようなデータストアを具備する。属性データベース140は、属性データ142と識別情報144とを記憶する。属性データ142は複数の値についての個別値を包含し得る。例えば、属性データベース140は、複数の行を記憶して複数の行の各々が異なるパーソナルデータ記録に対応すると共に、複数の列を記憶して複数の列の各々が異なる属性に対応する。属性は、年齢、身体活動レベル、体重、髪の色、及び/又は、眼の色のような個人情報、特定の検索語の存在、訪れたウェブサイト、又は他のインターネット履歴のようなオンライン検索履歴に関するデータ、或いは、ソーシャルネットワークアカウント又は他のメンバーシップのような一以上のオンラインアカウントに関するデータを含み得る。属性データ142は、パーソナルデータ記録の氏名、住所、生年月日、又は他の識別情報のような識別情報144と関連し得る。属性データベース140は識別情報144を使用し、本明細書に記載の方法を使用して暗号化トークン146を生成する。属性データベース140は暗号化トークン146を含む属性データ142をサーバコンピュータ110へ送る。付加的又は代替的に、属性データベース140は属性データ142と識別情報144とをトークン化サーバへ送り、そしてこのサーバは、本明細書に記載の方法を使用して識別情報から暗号化トークン146を生成し、暗号化トークンと属性データとをサーバコンピュータ110へ送る。
【0023】
サーバコンピュータ110は、一以上の機械学習システムを生成及び訓練するように構成される一以上の計算デバイスを具備する。サーバコンピュータ110は、物理サーバコンピュータ、及び/又は、クラウド計算などを通してデータセンターに記憶される仮想サーバインスタンスであり得る。サーバコンピュータ110は、保護環境112内で機械学習システムを生成及び訓練するように構成され得る。保護環境112は、サーバコンピュータ110のような一以上のサーバコンピュータ、一以上のローカルネットワーク、ロードバランサ、及び/又は、データ記憶装置を含み得るハードウェア又はソフトウェア環境を包含する。保護環境112は、ファイアウォール、或いはインターネットのようなネットワークを通した保護環境内の様々なシステム又はデバイスへのアクセスを制限する他のネットワークセキュリティシステムなどを通して、環境内に記憶されたデータを保護するように構成される。保護環境112は、本明細書で更に記載される或る基準を満たさない環境からデータをリリースしないように構成され得る。このようにして、保護環境は、HIPAAにより保護される医療請求のような秘密情報又は使用制限データなど、特定タイプの情報を保護する障壁として使用され得る。
【0024】
サーバコンピュータ110は、属性データベース140から受理した匿名化属性データ122と、請求プロセッサ130から受理した匿名化請求データ124とを記憶する。匿名化属性データ122と匿名化請求データ124とは、暗号化トークンにマッピングされるが識別情報を含まない属性及び請求をそれぞれ包含し得る。匿名化データを生成する方法が本明細書で更に記載される。サーバコンピュータ110は、匿名化属性データ122と匿名化請求データ124とを使用して、サーバコンピュータ110が記憶する匿名化訓練データ114を作成する。サーバコンピュータ110は更に、訓練データ確認命令115と機械学習生成訓練命令116と機械学習確認命令118とを記憶する。匿名化訓練データ114は複数の行として記憶されて、各行は多様なパーソナルデータ記録に対応する。複数のデータ行は、パーソナルデータ記録の多様な属性に対応する列と、診断コードなど、パーソナルデータ記録の状態値に対応する列とを含み得る。
【0025】
訓練データ確認命令115は、サーバコンピュータ110の一以上のプロセッサによる実行時に、訓練データ集合が一以上の基準を満たしているかどうかをサーバコンピュータ110に判断させ、訓練データ集合が一以上の基準を満たすかどうかに応じて応答動作を実施するコンピュータ可読命令を包含する。機械学習生成訓練命令116は、サーバコンピュータ110の一以上のプロセッサによる実行時に、一以上の命令に基づいてサーバコンピュータ110に機械学習システムを生成させると共に匿名化訓練データ114を使用して機械学習システムを訓練するコンピュータ可読命令を包含する。機械学習確認命令118は、サーバコンピュータ110の一以上のプロセッサによる実行時に、機械学習システムが一以上の基準を満たしているかどうかをサーバコンピュータ110に判断させると共に、訓練データ集合が一以上の基準を満たしているかどうかに応じて応答動作を実施させるコンピュータ可読命令を包含する。
【0026】
本明細書に記載のコンピュータ実行可能命令は、CPUの命令集合の機械実行可能コードであり、単独で、或いはJAVASCRIPT(登録商標)のスクリプト、他のスクリプト言語、そして他のプログラミングソーステキストとの組み合わせで、JAVA(登録商標),C,C++,OBJECTIVE-C,又は他の人間可読プログラミング言語又は環境で書かれたソースコードに基づいてコンパイルされ得る。別の実施形態において、プログラムによる命令は、図1のシステム又は別のリポジトリシステムにおいて、不揮発性RAM又はディスク記憶装置などの大容量記憶デバイスにデジタル的に記憶されるソースコードの一以上のファイル又はプロジェクトも表し、このリポジトリシステムは、コンパイル又は解釈される時に、実行可能命令について本明細書で記載される機能又は操作をコンピュータに実施させる実行可能命令を実行時に生成させる。言い換えると、図面は、実行ファイルへの後のコンパイル、或いはサーバ110による実行の為のバイトコードや同等物への解釈の為のソースコードをプログラマー又はソフトウェア開発者が整理及び配列するやり方を表している。
【0027】
サーバコンピュータ110は、機械学習生成訓練命令116と匿名化訓練データ114とを使用して、訓練済み機械学習命令システム117を生成する。例えば、サーバコンピュータ110は、一以上の命令に基づいて匿名化訓練データ114から訓練データ集合を生成し、訓練データ集合を使用して、一以上の命令に基づいてサーバコンピュータにより生成される機械学習システムを訓練する。サーバコンピュータ110は、訓練済み機械学習システム117をメディアサーバ150へ送る。
【0028】
メディアサーバ150は、リクエストを受けて一以上のクライアント計算デバイスへメディアを送るように構成される一以上のコンピュータを具備する。メディアサーバ150は、メディアアイテム152と、サーバコンピュータ110から受理した訓練済み機械学習システム156とを記憶する。メディアアイテム152は、クライアント計算デバイスに供与され得る一以上の画像、映像、又は他のメディアアイテムを包含する。メディアサーバ150はクライアント計算デバイス160と通信して、メディアアイテム152のうち一つのメディアアイテムをクライアント計算デバイス160へ送るかどうかを判断するように構成される。メディアサーバ150は、メディアサーバ150に記憶されたクライアント計算デバイス属性データ154を使用してメディアアイテムを送るかどうかを判断する。
【0029】
クライアント計算デバイス属性データ154は、クライアント計算デバイスに対応するパーソナルデータ記録に関連する属性のような、クライアント計算デバイス160に対応する一以上の属性を包含する。クライアント計算デバイス属性データ154は、クライアント計算デバイス160、属性データベース140、及び/又は、一以上の他の属性ソースから受理され得る。例えば、クライアント計算デバイス160に関する属性データのリクエストにより、属性データベース140へ送る識別情報をメディアサーバ150がクライアント計算デバイス160から受理し得る。
【0030】
図1には、明確な例を明示するという目的の為に、サーバコンピュータ110、属性データベース140、請求プロセッサ130、メディアサーバ150、そしてクライアント計算デバイス160の単一インスタンスが描かれているが、幾つかの実施形態において、図1のシステム及びデバイスは多様な複数のシステム又はデバイスを具備し得る。例えば、サーバコンピュータ110は、保護環境112内に記憶される属性データ、請求データ、訓練データ、及び/又は他の何らかのデータを記憶する複数のサーバコンピュータ及び/又は外部記憶デバイスを具備し得る。別の例として、サーバコンピュータ101が複数のメディアサーバ150と通信して、その各々が複数のクライアント計算デバイス160と通信してもよい。
【0031】
2.2 プロセス概要
図2には、保護情報を安全に使用して訓練済み機械学習システムを生成及び使用する為のメッセージ線図の例が描かれている。図2と本明細書に記載される他のフローチャートとは、単独で、或いは本明細書の文章でのプロセス及び機能の説明との組み合わせで、コンピュータ又はロジックをプログラミングして記載の機能を実装するのに使用され得るアルゴリズム、プラン、又は指示として作用し得る。言い換えると、本明細書の全ての文章テキストと全ての図面とは共に、このタイプの発明及び開示に適切な技量レベルを備える人の技量及び知識との組み合わせで、当業者がコンピュータをプログラミングして本明細書に記載の機能を実施するのに充分であるアルゴリズム、プラン、又は指示についての開示を提供することが意図されている。
【0032】
ステップ202で、請求プロセッサ130は請求データを記憶する。請求データは、本明細書で使用される際に、一以上のパーソナルデータ記録についての状態値データを指す。パーソナルデータ記録は、本明細書で使用の際に、個人に関する一以上の値を含む個人の記録を指す。故に、個人請求データ記録は個人の状態を識別すると共に、氏名、生年月日、社会保障番号、住所、又は他の識別情報などの識別情報を通して個人を識別する。個人の状態は、医療状態、個人状態、法的状態、又は請求データ記録に記憶され得る状態に関する他のデータ値を含み得る。例えば、個人請求データ記録は、医療専門家からの医療診断を含み得る。請求プロセッサの例は、医療専門家と保険代理店との間にあって診断又は処方箋などの保護データを包含して後で保険代理店に転送される医療記録を受理する仲介手段を包含し得る。
【0033】
ステップ204で、請求プロセッサ130はトークン化スキームを使用して請求データを匿名化する。例えば、請求プロセッサは、特定のハッシュ関数を使用して名、姓、ジップコード、生年月日のような特定の識別情報をハッシュ化してハッシュ化情報を暗号化することにより、データトークンを作成し得る。そして請求プロセッサは、データトークンを包含する匿名化請求データと、このデータトークンについての一以上の状態データ値とを作成し得る。実際的な例として、請求データ記録がパーソナルデータ記録についての氏名、ジップコード、生年月日、又は医療診断を包含する場合に、請求プロセッサ130は、識別情報を使用してトークンを生成し、このトークンと医療診断とを包含する匿名化データ記録を記憶する。パーソナルデータ記録についての識別情報からトークンが生成されるので、トークンは各パーソナルデータ記録について一意である。識別情報のハッシュ化とハッシュ化情報の暗号化とを通して生成されるデータトークンが本開示に記載されているが、識別情報から一意データトークンを生成する為のいかなる識別アルゴリズムスキームが使用されてもよい。
【0034】
ステップ206で、請求プロセッサ130は匿名化請求データをサーバコンピュータ110へ送る。例えば、請求プロセッサ130は、複数のトークンと、複数のトークンの各々についての対応の状態値とをサーバコンピュータ110へ送信し、このサーバコンピュータ110は匿名化請求データとしてこれらを記憶する。請求プロセッサ130は匿名化請求データを複数のデータ記録として送り、データ記録の各々は一意トークンを包含するが、何らかの識別情報は含有しない。
【0035】
ステップ208で、属性データベース140は属性データを記憶する。属性データは、本明細書で使用される際に、一以上のパーソナルデータ記録についての複数の属性データ値を指す。故に、個人属性データ記録は個人の複数の属性を識別すると共に、氏名、生年月日、社会保障番号、住所、又は他の識別情報のような識別情報を通して個人を識別する。属性は、個人情報、インターネット履歴情報、アカウント情報、又は他の記憶情報のようなパーソナルデータ記録に関する周知の情報を含み得る。実施形態において、属性データベース140は、一以上の属性についての特定のパーソナルデータ記録に属性データが利用不能である時など、数百の属性による部分集合に関する情報を記憶するデータ記録を含めて、数百の属性に関するデータを記憶し得る。
【0036】
ステップ210で、属性データベース140はトークン化スキームを使用して属性データを匿名化する。一実施形態において、属性データを匿名化するのに属性データベース140により使用されるトークン化スキームは、請求データを匿名化するのに請求プロセッサ130により使用されるものと同じトークン化スキームである。例えば、請求プロセッサにより使用されるトークン化スキームが名と姓とジップコードとを包含するストリングをハッシュ化するのに特定のハッシュ関数を使用することと、ハッシュ化ストリングを暗号化するのに特定の暗号化キーを使用することとを伴う場合には、属性データベース140により使用されるトークン化スキームも、同じストリングをハッシュ化するのに特定のハッシュ関数を使用し、同じ特定の暗号化キーを使用する同じハッシュ化ストリングを暗号化し得る。このようにして、請求プロセッサ130と属性データベース140の両方が情報を別々に匿名化するのにも関わらず、同じパーソナルデータ記録について請求プロセッサと属性データベース140の両方により同じトークンが作成される。付加的又は代替的に、請求プロセッサ130及び属性データベース140についてのトークンを生成するのに同じ方法を使用するトークン化サーバにより、トークン化が行われてもよい。そして属性データベース140は、各パーソナルデータ記録について一以上の属性のトークン及び値を包含する匿名化属性データを作成し得る。
【0037】
ステップ212で、属性データベース140は匿名化属性データをサーバコンピュータ110へ送る。例えば、属性データベース140は、複数のトークンと、複数のトークンの各々についての対応の属性値とをサーバコンピュータ110へ送り、サーバコンピュータ110は匿名化属性データとして記憶する。属性データベース140は匿名化属性データを複数のデータ記録として送り、各データ記録は一意トークンを包含するが識別情報は含有しない。
【0038】
ステップ214で、サーバコンピュータ110は属性データと請求データとを接合して接合データ集合とする。例えば、サーバコンピュータ110は複数のデータ行を生成して、各行が特定のパーソナルデータ記録に対応する。接合技術の一例は、属性データへの請求データの左結合を包含し、これにより全ての属性データを保持するが、属性データのトークンに対応するトークンと共に記憶された請求データのみを匿名化訓練データに記憶する。別の例として、サーバコンピュータ110は、特定のトークンを包含する請求データと、同じ特定のトークンを包含する属性データとを識別し得る。サーバコンピュータ110は特定のトークンについてのデータ行を生成し、データ行は、属性データに基づく複数の属性についての複数列と、請求データに基づく一以上の状態値についての一以上の列とを包含する。故に、各行は、パーソナルデータ記録についての属性データとパーソナルデータ記録についての請求データとを包含し、行はパーソナルデータ記録についての識別情報を含まない。
【0039】
図1を参照して記載されるシステム及び方法は識別情報のトークン化を含むが、他の実施形態において、識別情報はトークン化及び/又は暗号化されない。例えば、請求データ132と識別情報134と属性データ142と識別情報144とがサーバコンピュータへ直接的に送られ、サーバコンピュータは保護環境で、暗号化トークンを使用する代わりに識別情報を使用して二つのデータ集合を一緒に接合して、請求データを属性データに整合させる。
【0040】
ステップ218で、メディアサーバ150は、機械学習システムの為のサーバコンピュータ110へリクエストを送る。リクエストはサーバコンピュータ110のアプリケーションプログラミングインタフェースを通して送られ、接合データからの入力列及び出力列の識別を包含し得る。例えば、リクエストは、入力として使用される複数の属性による部分集合と、出力としての特定の状態値の存在とを識別し得る。リクエストは付加的に、ノード又は層の数など、機械学習システムの為のパラメータを含み得る。
【0041】
ステップ220で、サーバコンピュータ110は、リクエストに基づいて、接合されたデータから機械学習システムを生成する。例えば、サーバコンピュータ110は、記憶されたパラメータ、及び/又は、メディアサーバ150から受理したパラメータを使用して、ランダムフォレストモデル、ニューラルネットワーク、ロジスティック回帰、又はXGBoostアルゴリズムなどの勾配ブースティング決定木のような機械学習システムを生成し得る。そしてサーバコンピュータ110は、メディアサーバ150により識別された属性を入力として、また特定状態の状態値を出力として使用して、機械学習システムを訓練し得る。
【0042】
実際的な例として、メディアサーバコンピュータは、年齢、性別、平均検査数、体重、身長という5個の入力属性と、糖尿病診断の有無を示す出力状態値とを識別し得る。サーバコンピュータは属性データ及び請求データの対応列を識別し、これらの列のみを使用して訓練データ集合を生成し得る。付加的又は代替的に、列のデータが非数値的であるか異なるやり方で記憶され得るような列をサーバコンピュータが生成してもよい。例えば、サーバコンピュータ110に記憶される状態値列が、パーソナルデータ記録に対応する診断の為の一以上の診断コードを各行に含む場合には、特定の診断コードを行が含有しない場合の「0」値と、特定の診断コードを行が含有する場合の「1」とを列の各行に含有することにより、サーバコンピュータ110が特定の診断コードについての列を生成し得る。
【0043】
ステップ222で、サーバコンピュータ110は機械学習システムをメディアサーバ150へ送る。一実施形態において、サーバコンピュータ110は、メディアサーバ150へ機械学習システムを送る前に、本明細書に記載の方法を使用して、機械学習システムを訓練するのに使用される訓練データ集合のうち一以上、或いは、訓練済み機械学習システムを確認する。訓練済み機械学習システムは、機械学習システムについての重みマトリクスなど、メディアサーバ150により容易に使用可能な形で送られ得る。
【0044】
ステップ224で、メディアサーバ150は、機械学習システムを使用してクライアント計算デバイスへメディアを送るかどうかを判断する。例えば、メディアサーバ150は、クライアント計算デバイスについての属性データを受理し得る。属性データは、機械学習システムを訓練するのに使用される各属性の値を含有し得る。メディアサーバ150は、機械学習システムを使用してクライアント計算デバイスについての属性データから状態存在の尤度を計算し得る。状態存在の尤度に基づいて、メディアサーバ150は、関係メディアアイテムをクライアント計算デバイスへ送り得る。例えば、メディアサーバ150は、尤度が閾値より大きいかどうかを判断し、尤度が閾値より大きい場合に、クライアント計算デバイスに表示されるメディアアイテムを送る。
【0045】
更に、一実施形態において、ステップ214,224,又はプロセスの他の点の後で、先行ステップの結果に基づいて一以上の分析レポートをリクエストするように入力が受理され得る。リクエストされて図2のプロセスフロー内の点で生成され得るレポートの例が、図8図9に関係して本明細書の他の節に記載される。
【0046】
2.3 保護環境の実装
図3には、保護環境で機械学習システムを構築及び確認する為の方法例が描かれている。
【0047】
ステップ302で、保護環境内のサーバコンピュータは属性データと状態データとを記憶する。例えば、サーバコンピュータは複数のデータ列を記憶し、各列は、特定のパーソナルデータ記録の属性値を示す値を各行に含む多様な属性に対応する。サーバコンピュータは付加的に、ICD-10コードのような状態値を識別する一以上のデータ列を記憶し得る。
【0048】
ステップ304で、サーバコンピュータは、特定の入力及び出力を含む機械学習システムを生成する命令を受理する。命令は、どの属性を入力として、状態値の有無を出力として使用するかを識別し得る。例えば、命令は、年齢、性別、体重、身長についての入力と、2型糖尿病のICD-10コードの有無についての入力を指定し得る。命令は、層の数又はノードの数のような機械学習システムのパラメータも識別し得る。付加的又は代替的に、サーバコンピュータは、機械学習システムについてのパラメータを記憶する、及び/又は、機械学習システムが一以上の基準を満たせなかったことを受けて機械学習システムについてのパラメータを変更するように構成され得る。
【0049】
ステップ306で、サーバコンピュータは、記憶されたデータから訓練データ集合を生成する。例えば、サーバコンピュータは最初に、選択された入力の各々についての値を有するパーソナルデータ記録を識別し得る。例えば、一部のパーソナルデータ記録には「年齢」又は「性別」についての値が欠如しており、故に、命令が年齢及び性別を入力として識別した場合には訓練データ集合を生成するのに使用されない。サーバコンピュータは、入力としての属性値と出力としての状態値の有無とを含む複数のパーソナルデータ記録についての訓練データ集合を生成し得る。例えば、出力が特定のICD-10コードの存在を示すものとして指定された場合に、特定のICD-10コードを含むパーソナルデータ記録の出力が1に設定され、一方で特定のICD-10コードを含まないパーソナルデータ記録の出力は0に設定され得る。
【0050】
一実施形態において、訓練データ集合の生成は、訓練データ集合を生成するのに使用され得る記憶データの部分集合を選択することを包含する。例えば、3,000のデータ記録が必要な属性を含む場合に、サーバコンピュータは、機械学習システムを訓練するのに3,000未満のデータ記録を選択し得る。使用される記録の数は、受理された命令で識別される、及び/又は、記憶された百分率値であり得る。例を挙げると、サーバコンピュータは有効記録の半分のみを使用するように構成され得る。付加的又は代替的に、サーバコンピュータは、出力を含む最小数の記録が訓練に使用されて記録を含む最小数の記録が訓練に使用されないように記録を選択することにより、記憶された全てのパーソナルデータ記録を機械学習システムが覚えなくてもよいことが保証される。
【0051】
ステップ308で、サーバコンピュータは、データ集合が第1基準を満たすかどうかを判断する。第1基準は、出力について最小数の正の値のインスタンスを包含し得る。サーバコンピュータは、出力しての状態値を含むパーソナルデータ記録について少なくとも閾値数のインスタンスが用意されるかどうかを判断するように構成され得る。例えば、出力値が特定のICD-10コードである場合に、サーバコンピュータは、訓練データ集合を構築するのに使用され得る記憶データの少なくとも閾値数のデータ記録が特定のICD-10コードを包含するかどうかを判断し得る。閾値数は、サーバコンピュータに記憶されるか受理された命令で識別される値であり得る。第1基準は付加的又は代替的に、出力として状態値を含まないパーソナルデータ記録の最小数インスタンス、出力として状態値を含むパーソナルデータ記録と出力として状態値を含まないデータ記録との間の最小及び/又は最大比、及び/又は、状態値を含む及び/又は状態値を含まない訓練データ集合の生成に使用されなかった最小数の残余データ記録を含み得る。
【0052】
ステップ308は、訓練データ集合の生成前に実施され、これにより、記憶されたデータから生成される訓練データ集合が第1基準を満たすかどうかを判断し得る。例えば、第1基準が特定のICD-10コードの最小数インスタンスである場合に、サーバコンピュータは最初に、訓練データ集合を生成するのに使用され得る各データ記録を識別し、データ記録の数が最小数を満たすか超えているかどうかを判断し得る。一実施形態において、サーバコンピュータは、概して、訓練データ集合を構築するのに使用され得る記憶データが状態値の最小数インスタンスを含むかどうかの判断に加えて、記憶データが状態値の最小数インスタンスを含むかどうかを判断する。故に、サーバコンピュータは、識別された状態値を出力として使用する時に何らかのデータ集合が第1基準を満たすかどうかと、識別された状態値を出力として使用する時にリクエストされた属性を入力として使用する訓練データ集合が第1基準を満たすかどうかとを区別し得る。
【0053】
データ集合が第1基準を満たさない場合に、ステップ316でサーバコンピュータは機械学習システムのリクエストを拒否する。例えば、サーバコンピュータは、機械学習システムのリクエストを拒否するデータをリクエスト側計算デバイスへ送り得る。拒否は、第1基準が満たされなかったことを示すものであり得る。一実施形態において、拒否では、出力状態値の最小数インスタンスが存在するが、リクエスト入力についての属性値を包含する記録には存在しない時などに、多様な入力で第1基準が満たされるかどうかを付加的に識別する。
【0054】
データ集合が第1基準を満たす場合に、ステップ310で、サーバコンピュータは訓練データ集合を使用して機械学習システムを訓練する。例えば、サーバコンピュータは、機械学習システムのパラメータについて受理及び/又は記憶された値を使用して新規の機械学習システムを生成し得る。機械学習システムは、ロジスティック回帰モデル、ニューラルネットワーク、ランダムフォレストモデル、勾配ブースト決定木を包含し得る、及び/又は、分類問題を解決するのに使用され得る何らかの機械学習システムであり得る。一実施形態において、受理した命令は、複数タイプの機械学習システムから訓練すべき機械学習システムのタイプを指定する。例えば、サーバコンピュータは、複数の機械学習システムのいずれかを生成する為の命令を記憶し得る。サーバコンピュータは、複数の機械学習システムのうちどれが生成及び訓練を行うべきかを指定する命令を受理し得る。サーバコンピュータは、記憶されたパラメータ及び/又は受理されたパラメータを使用して機械学習システムを生成し、パーソナルデータ記録についての属性を入力として、特定の状態の有無を示す値を出力として使用して、機械学習システムを訓練し得る。
【0055】
ステップ312で、サーバコンピュータは、機械学習システムが第2基準を満たすかどうかを判断する。第2基準は機械学習システムの精度に関係し、これにより、機械学習システムが全ての入力を覚えなくてもよいことが保証される。例えば、第2基準は、状態を出力として含有する入力訓練データ集合についての出力を計算するのに機械学習システムを使用する時に計算される状態値の最大平均百分率見込みであり得る。
【0056】
一実施形態において、第2基準は、機械学習システムに基づくリスク母集団の最小割合を包含する。例えば、サーバコンピュータは、複数の入力データ集合についての出力を計算するのに訓練済み機械学習システムを使用し得る。入力データ集合は、機械学習システムを訓練するのに使用されなかった記憶データから生成されるデータ集合、機械学習システムを訓練するのに使用されたデータ集合、及び/又は、機械学習システムを生成及び訓練する初期命令により受理されたデータ集合を含み得る。そしてサーバコンピュータは、複数の入力データ集合からの正の出力の数、及び/又は、正の状態値の訓練データ集合インスタンスの数に基づいて、リスク母集団の割合を計算し得る。方程式の例は、
R=T/P
を包含し得る。上式において、Rはリスク母集団の割合であり、Tは出力値について真に正である訓練データ集合インスタンスの数であり、Pは複数の入力データ集合に機械学習システムを使用することによる積極的予測の数である。サーバコンピュータは、0.2など、第2基準としてのRの最大閾値を記憶し得る。故に、Rが0.2より大きい場合に、サーバコンピュータは、機械学習システムが第2基準を満たしていないと判断し得る。
【0057】
機械学習システムが第2基準を満たさない場合には、ステップ316で、サーバコンピュータが機械学習システムについてのリクエストを拒否する。例えば、サーバコンピュータは、機械学習システムのリクエストを拒否するデータをリクエスト側計算デバイスに送り得る。拒否は、第2基準が満たされなかったというものであり得る。一実施形態において、サーバコンピュータは、拒否を送った後に、機械学習システムを生成する別のリクエストを受理し得る。第1基準に基づいて拒否が受理された場合に、サーバコンピュータはステップ306に進む。第2基準に基づいて拒否が受理されて選択された入力及び出力が同じままである場合に、サーバコンピュータは、満たされていることが分かっている第1基準の検査をスキップし得る。例えば、第2リクエストは同じ入力及び出力を指定し得るが、リスク母集団の精度又は百分率を低下させようとして機械学習システムを訓練する為のパラメータを変更してもよい。サーバコンピュータは、新規パラメータを含む新規機械学習システムを生成し、同じ訓練データ集合で新規機械学習システムを訓練し、そして新規機械学習システムが第2基準を満たすかどうかを判断し得る。
【0058】
機械学習システムが第2基準を満たす場合には、ステップ314でサーバコンピュータが訓練済み機械学習システムをリクエスト側計算デバイスへ送る。例えば、サーバコンピュータは、全ての基準が満たされたとの判断を受けて、保護環境からリクエスト側デバイスへ訓練済み機械学習システムをリリースし得る。訓練済み機械学習システムは、訓練済み機械学習システムを作成するのに使用される訓練データのいずれかを含有せず、列の各々についての重み値を包含し、これによりパーソナルデータに基づいて訓練された機械学習システムをやはり提供しながらパーソナルデータの保護を行い得る。サーバコンピュータに記憶されたデータへの外部アクセスを許可することなくこれらのタスクを実施するようにサーバコンピュータが構成されるので、サーバコンピュータは保護情報又は個人情報を利用する為の手段を提供するが保護情報又は個人情報の内容は提供しない。
【0059】
2.4 メディアサーバの実装
図4には、安全な環境を利用して機械学習システムを構築及び確認する為の方法例が描かれている。
【0060】
ステップ402で、メディアサーバは、クライアント属性とターゲット状態と機械学習システムパラメータとを識別する。例えば、メディアサーバは、入力の為のクライアント属性を指定する入力と、出力としてのターゲット状態とを受理し得る。メディアサーバは付加的に、機械学習パラメータを指定する入力を受理し得る。付加的又は代替的に、メディアサーバは初期機械学習パラメータを記憶し得る。一実施形態において、メディアサーバは更に、構築すべき機械学習システムのタイプを指定する入力を受理する。
【0061】
ステップ404で、メディアサーバは、入力としての識別済みクライアント属性と、出力としてのターゲット状態と、機械学習システムパラメータとを含む機械学習システムを構築する命令を安全な環境へ送る。例えば、メディアサーバは、安全な環境で実行されるサーバコンピュータのAPIを通して、機械学習システムを構築する命令を送り、この命令は、入力として使用すべき属性と出力として使用すべき状態値とを識別する。
【0062】
任意のステップ406で、メディアサーバが拒否を受理した場合に、メディアサーバはこれを受けて、更新済み属性又はパラメータを含む命令を送る。訓練データ又は機械学習システムが一以上の基準を満たさなかった場合に、メディアサーバは拒否を受理し得る。メディアサーバはエラーメッセージを表示させて、サーバコンピュータへ送られるべき多様な入力、出力、及び/又はパラメータをリクエストし得る。一実施形態において、メディアサーバは、機械学習システムが一以上の基準を満たさなかったことに基づいてエラーが受理された時に、機械学習システムについてのパラメータを変更するように構成され得る。例えば、メディアサーバはノードの数又は層の数を、疑似ランダム的に、及び/又は、記憶された第2パラメータ集合に基づいて変更するように構成され得る。
【0063】
ステップ408で、メディアサーバは訓練済み機械学習システムを受理する。例えば、メディアサーバは、記憶された基準を機械学習システムが満たした時に、訓練済み機械学習システムを安全な環境から受理し得る。メディアサーバは、機械学習システムと、入力として使用される属性の識別子と、機械学習システムの出力として使用される状態とを記憶し得る。
【0064】
ステップ410で、メディアサーバはクライアント計算デバイスの属性を受理する。メディアサーバは、クライアント計算デバイスに特定のメディアアイテムを供与するかどうかを判断するように構成され得る。例えば、メディアサーバは、どの計算デバイスが糖尿病投薬治療についての広告を送るかを判断するように構成され得る。メディアサーバは、ステップ402~408に先立って、或いはその後に、クライアント計算デバイスの属性を受理し得る。例えば、メディアサーバは、クライアント計算デバイスへ送られるメディアについてのリクエストの受理に先立って複数のクライアント計算デバイスの属性を記憶し得る。
【0065】
付加的又は代替的に、メディアサーバは、クライアント計算デバイスから受理した情報に基づいて、属性データベースなど外部ソースに属性データをリクエストし得る。例えば、メディアサーバは、クライアント計算デバイスが特定のウェブページへ案内したことなどを受けて、クライアント計算デバイスにメディアを表示するリクエストを受理し得る。メディアサーバは付加的に、クライアント計算デバイスから、或いはクライアント計算デバイスの属性についてのリクエストによりメディアサーバが属性データベースを送り得る外部ソースから、データを受理し得る。リクエストは、機械学習システムを訓練するのに使用される属性を指定し得る。
【0066】
ステップ412で、メディアサーバは受理した属性と機械学習システムとを使用して状態の尤度を判断する。メディアサーバは機械学習システムへの入力として属性を使用して、状態の尤度を示す結果値又は目標値を計算する。故に、2型糖尿病の診断を出力として使用して機械学習システムが訓練された場合に、メディアサーバは入力された属性に基づいて2型糖尿病の尤度を計算するのに属性を使用し得る。サーバコンピュータは、メディアのリクエストの受理を受けて、及び/又は、リクエスト受理の前に、状態の尤度を計算し得る。例えば、サーバコンピュータは複数のクライアント計算デバイスについて尤度を計算して、後で使用されるように尤度値を記憶し得る。
【0067】
一実施形態において、メディアサーバは、単一のクライアント計算デバイスについてステップ402~412を複数回実施する。例えば、メディアサーバは複数の機械学習システムを保護環境にリクエストし、出力としての多様な状態値で各々が訓練される。メディアサーバは複数の訓練済み機械学習システムを使用して、各々が多様な状態に対応する複数の尤度値を計算する。メディアサーバは、クライアント計算デバイスへ送るべきなのはどのメディアアイテムであるかを判断する際に使用する為の複数の尤度値を記憶し得る。
【0068】
ステップ414では、状態の尤度に基づいて、クライアント計算デバイスへメディアアイテムを送るかどうかをメディアサーバが判断する。例えば、メディアサーバは、特定の状態に対応するメディアアイテムを記憶し得る。メディアサーバは、クライアント計算デバイスについての状態の尤度が、80%など記憶された閾値より大きいかどうかを判断し得る。尤度が記憶された閾値より大きい場合に、メディアサーバはクライアント計算デバイスへメディアアイテムを送り得る。尤度が記憶された閾値より大きくない場合に、メディアサーバは多様なメディアアイテムをクライアント計算デバイスへ送り得る。
【0069】
一実施形態において、メディアサーバは、複数の尤度値に基づいて複数のメディアアイテムの一つを選択する。例えば、メディアサーバは複数のメディアアイテムを記憶し、各々が一つ又は複数の状態に対応する。メディアサーバは、出力としての複数の状態の一つで各々が訓練された複数の機械学習システムを使用して、クライアント計算デバイスについての複数の状態尤度を計算し得る。メディアサーバは最高の尤度を持つ状態を識別して、識別された状態に対応するメディアアイテムを選択し得る。そしてメディアサーバは、選択されたメディアアイテムをクライアント計算デバイスへ送り得る。
【0070】
一実施形態において、メディアサーバは、状態の尤度を使用して一以上のメディアアイテムの値を判断し得る。例えば、メディアサーバは、1,000のメディアアイテムなど複数のメディアアイテムを、状態値を含むパーソナルデータ記録に対応するクライアント計算デバイスへ送るリクエストを受理し得る。特定のパーソナルデータ記録についての状態の尤度が50%である場合に、メディアサーバは、状態に対応するパーソナルデータ記録の二分の一として評価されるようにクライアント計算デバイスへのメディアアイテムの送信を評価する。故に、状態値を含むパーソナルデータ記録に対応するクライアント計算デバイスへ1,000のメディアアイテムが送られる為のリクエストであった場合には、状態値の50%尤度を持つパーソナルデータ記録に対応して2,000のメディアアイテムがクライアント計算デバイスへ送られるなど、送られるパーソナルデータ記録の値が1,000に相当するまで、メディアサーバがクライアント計算デバイスへメディアアイテムを送り得る。付加的又は代替的に、メディアサーバは状態の尤度を使用して、クライアント計算デバイスへのメディアアイテムの送信の価格を動的に決定し得る。例えば、状態値を持つパーソナルデータ記録に対応するクライアント計算デバイスへメディアアイテムを送る為の価格が$10である場合に、メディアサーバは、状態値の50%尤度を持つパーソナルデータ記録に対応するクライアント計算デバイスへメディアアイテムを送るのに$5を請求し得る。
【0071】
2.5 モデリングの実装
一実施形態において、本明細書に記載のシステム及び方法は、使用される情報を保護しながらパーソナルデータ記録の状態に対する特定の作用の効果を識別するのに使用され得る。例えば、サーバコンピュータは、保護環境内で、特定の状態を持つ識別済みパーソナルデータ記録の百分率と、メディアサーバなど外部計算デバイスからのリクエストに基づいてベネフィットを受理した識別済みパーソナルデータ記録の百分率とを判断し得る。実施形態が本明細書で更に記載される。
【0072】
一実施形態において、サーバコンピュータは、特定の状態を持つ識別済みパーソナルデータ記録の百分率を判断する。例えば、複数のクライアント計算デバイスへメディアアイテムを送った後に、メディアサーバは、クッキー識別子など、特定の状態に対応するメディアアイテムを受理した計算デバイスに対応する複数のパーソナルデータ記録についての識別子を記憶し得る。メディアサーバは、特定の状態の識別子及び識別情報をサーバコンピュータへ送り得る。一実施形態において、メディアサーバは、本明細書に記載の方法を使用して複数のパーソナルデータ記録の一意トークンを生成し、状態の識別情報を含むサーバコンピュータへ、生成された一意トークンを送る。サーバコンピュータは、パーソナルデータ記録へのクッキー識別子のマッピングなどを通して、受理された識別子を、保護環境で記憶されたパーソナルデータ記録に整合し得る。そしてサーバコンピュータは保護環境内において、識別子が特定の状態に対応するかどうかを各識別子について判断し得る。一例として、サーバコンピュータは、特定のICD-10コードが、パーソナルデータ記録に対応する行に挙げられているかどうかを判断し得る。サーバコンピュータは、特定の状態に対応する識別子の数及び/又は百分率を判断して、この数及び/又は百分率をメディアサーバへ送り得る。
【0073】
一実施形態において、サーバコンピュータは、数及び/又は百分率が第3基準を満たしたとの判断を受けて初めて識別子の数又は百分率を保護環境から送るように構成され得る。第3基準は、総識別子の最小数、特定の状態を持つ識別子の最大数及び/又は百分率、或いは特定の状態を持つ識別子の最小数又は百分率であり得る。第3基準を使用することにより、サーバコンピュータは、保護情報がメディアサーバにリリースされないことを保証し得る。
【0074】
一実施形態において、サーバコンピュータは、追加受理された請求データに基づいて一以上のパーソナルデータ記録についてのベネフィットを判断するように構成される。例えば、請求プロセッサは追加請求データをサーバコンピュータへ送り得る。サーバコンピュータは追加請求データを受理して、請求プロセッサにより生成された一意識別子などを通して、前に記憶された請求データと追加請求データを相関させる。サーバコンピュータは付加的に、特定の状態に対応するメディアアイテムを受理した計算デバイスに対応するパーソナルデータ記録の複数の識別子を包含するデータをメディアサーバから受理し得る。サーバコンピュータは、パーソナルデータ記録の複数の識別子と受理した追加請求データとから、ベネフィットを受理したパーソナルデータ記録の数及び/又は百分率を判断し得る。ベネフィットは、本明細書で使用される際に、有益なものと定義されたパーソナルデータ記録の状態の変化についてサーバコンピュータにより行われる判断を包含する。サーバコンピュータにより「ベネフィット」として使用されるものの定義が、本明細書で更に記載される。
【0075】
一実施形態において、ベネフィットはパーソナルデータ記録に対応する追加状態として定義される。例えば、サーバコンピュータは、送られたメディアアイテムに対応する投薬治療についての処方箋コードの識別情報をメディアサーバから受理し得る。サーバコンピュータは、メディアサーバから受理された識別子に対応するパーソナルデータ記録のいずれかが投薬治療についての処方箋コードを包含するかどうかを追加請求データから判断し得る。サーバコンピュータは、追加請求データの処方箋コードを包含するパーソナルデータ記録に対応する識別子の数及び/又は百分率を計算して、数及び/又は百分率をメディアサーバへ送り得る。
【0076】
ベネフィットは、対応のデータ記録における状態の除去又は変更としても定義され得る。例えば、特定の状態が将来的なデータ記録で除去されるものとして挙げられるか、重症度の低い疾病などメディアサーバにより識別された状態に変更された場合に、或いは、鎮痛剤の処方など多様な状態が除去されることにより疼痛管理がもう必要ではないことを示している場合に、ベネフィットが生じたと判断するようにサーバコンピュータが構成され得る。一実施形態において、ベネフィットは、診療回数の減少又は処方箋記入の減少など、請求数により定義され得る。
【0077】
一実施形態では、メディアサーバからのリクエストによりベネフィットが定義される。例えば、複数の識別子と、複数の識別子についての一以上の状態及び/又は状態変化とを包含するリクエストをサーバコンピュータへ送信し得る。実際的な例として、メディアサーバは、追加請求データの特定の状態の除去を含むパーソナルデータ記録に対応してメディアサーバにより送信される識別子の数及び/又は百分率の識別についてのリクエストを送信し得る。サーバコンピュータは、メディアサーバにより送信された識別子のうち、特定の状態に最初に対応する各識別子を識別し得る。そしてサーバコンピュータは、特定の状態に対応する識別子のうち、将来的な請求データで特定状態の除去が行われるのはどの識別子であるかを識別し得る。そしてサーバコンピュータは、将来的な請求における特定状態の除去を含む受理識別子の数又は百分率をメディアサーバへ送信し得る。
【0078】
2.6 或る実施形態の長所
本明細書に記載のシステム及び方法は、訓練データ集合及び機械学習システムを生成し、訓練データ集合を使用して機械学習システムを訓練する命令が、外部サーバコンピュータから受理される特定の技術的実装に特に適応化されることによる、機械学習システム使用の技術的特徴に寄与する。一方で、保護環境内のサーバコンピュータは機械学習システムを訓練及び確認するのに使用され、そしてこのシステムが、外部計算システムにより使用される保護環境からリリースされる。この機械学習システムに独自の技術的実装では、初期訓練データが外部デバイスのユーザには見られないようにサーバコンピュータで訓練及び確認を実施することにより、サーバコンピュータに記憶された情報について付加的なデータ保護が行われる。
【0079】
本明細書に記載のシステム及び方法では更に、サーバコンピュータの保護環境における機械学習システムの生成及び訓練を通して機械学習システムの実際的な適用が行われる。これらのシステム及び方法は、ユーザが見るか使用できる環境に保護情報を提供することなく保護情報を使用するという技術的問題を解決する特定の手段を提供する。記憶されたルールを使用して保護環境で機械学習システムを確認して、訓練データへのアクセスを伴わずに環境の外側からの機械学習システムの生成及び訓練を定義する為の手段を提供することにより、本明細書に記載のシステム及び方法は、訓練データにアクセスすることなく訓練データを保護する訓練済み学習システムをどのように提供するかという技術的問題に対する技術的解決法を提供する。
【0080】
3.キャンペーンの実績測定及び最適化
特定の実施形態では、患者成果及びHCP行動変化に対する健康管理広告の効果を測定するように、測定サーバコンピュータでアド供与データが健康管理データと組み合わされ得る。この組み合わせデータは更に、消費者とサービス提供者との間の対話を測定して或るアドキャンペーンが健康成果の向上にどのように繋がるかを定量化するのに使用され得る。故にDSPは、患者とそのHCPに情報を適時に提示してその健康についてより多くの情報による決定を行うのを助ける健康管理キャンペーンを計画、起動、そして測定する能力を提供する。そして測定結果は、更なる所望の結果を達成する為に特定のアドキャンペーンの様々なパラメータを調節及び最適化するのに使用され、こうしてHCP及び患者の為の単独又は統合キャンペーンの制御、カスタマイズ、そして伝達を可能にする。
【0081】
図6Aには、或る実施形態を実装する為の分散型コンピュータシステムの例が図示されている。図6Bには、或る最適化要素を含む図6Aのシステムが図示されている。
【0082】
一実施形態において、最初に図6Aを参照すると、分散型コンピュータシステム600は、DSP環境610と医療データリポジトリ(MDR)環境620と分析コード空間630とを具備する。一般的に、DSP環境610と医療データリポジトリ環境620と共に分析コード空間630は、個々の当事者の多様な計算ドメインを表すが、幾つかの実施形態では、これらが同じ計算デバイス、仮想機械インスタンス、ドメイン、エンティティ、又は計算センターを具備し得る。DSP環境610と医療データリポジトリ(MDR)環境620の各々は、以下の節で更に記載される機能を実行するようにプログラムされた少なくとも一つのコンピュータ、プロセス、プロセッサ、又は仮想機械インスタンスを公共又は民間のデータセンターに具備する。DSP環境610及び医療データリポジトリ(MDR)環境620において、コンピュータ又は仮想機械インスタンスは、一以上のネットワークリンクを介してそれぞれ直接的又は間接的に各環境内に示されている他の機能要素に通信結合される。分析コード空間630は、医療データリポジトリ環境620を実装する同じプロセッサ又はコンピュータで実行され得る実行可能命令集合を包含する。幾つかの実施形態で、分析コード空間630は、最初にDSP環境610と関連するエンティティにより作成されるが医療データリポジトリ環境620内で確実に実行されるカスタムコードを実行する為のドメインである。
【0083】
一実施形態において、DSP環境610は、サーバコンピュータ110に直接的又は間接的に通信結合されてサーバコンピュータ110と同じサーバ又は異なるサーバを使用して実行され得る測定サーバコンピュータを具備する。一実施形態において、DSP環境610は、広告キャンペーンでDSPにより伝達されるインプレッションを記述するデータを記憶するようにプログラムされるインプレッションデータベース612を具備する。一実施形態において、インプレッションデータベース612は、デバイス識別子(DI)、キャンペーン記述、キャンペーンの各部分(例えば、様々なインプレッションを供与する時刻、又はキャンペーンのステージの開始/終了時刻)についてのタイムスタンプのような列属性を含む記録613を記憶する。各DIは、消費者又はデバイスの他のユーザを表す匿名化トークンであり得る。他の実施形態において、記録613は、ハッシュ化メール、或いは消費者及び/又はHCPと関連してインプレッションデータにリンクされる他の識別子を使用してもよく、DIは必要とされない。
【0084】
一実施形態において、データベース612からの消費者のインプレッションデータは、一例ではDV(DI)tと記され得るDI値を匿名化ユーザデバイストークンにマッピングするようにプログラムされるデータマッピングプロセス614を使用して処理される。消費者とのオンライン対話を表すトークン化インプレッションデータを包含するデータマッピングプロセス614からの出力は、本明細書の他の節で更に記載される分析コード空間630のデータ結合操作632へプログラムに従って送られる。データベース612では、HCPに伝達されたインプレッションから、HCP識別子615が抽出され、データ結合操作632へプログラムに従って送信される。HCP識別子の例は、NPI、医療教育(ME)番号、又は特定の健康管理者の他の一意識別子を含む。
【0085】
幾つかの実施形態において、MDR環境620は、DSP環境610を所有、操作、及び/又は管理する第2エンティティから独立したエンティティにより所有、操作、及び/又は管理される。一実施形態において、DSP環境610は、広告キャンペーンについての追跡測定結果を記憶するようにプログラムされる測定結果データベース616を具備し得る。データベース616の為の測定結果データの生成は、本明細書の他の節に記載される。
【0086】
一実施形態において、MDR環境620は、保険会社、政府機関、又は他の支払者へのHCPの医療保険請求申請から導出又は複製される処方箋処置記録を記憶するようにプログラムされる請求データベース622を具備し得る。幾つかの実施形態において、請求データ記録は、患者のパーソナル識別情報、多数の患者の処方箋及び診断(Rx及びDx)データを含む。一例として、このRx及びDxデータは、診断(ICD-10)、医薬品(NDC)、又は医療処置(CPT)のコード、或いはサービス提供者及び消費者の処置、処方箋、又は他の受診についての請求を示す他の値を含み得る。データベース622が請求データ記録のパーソナル識別可能情報(PII)を記憶するので、データの開示又は無許可使用を防止する高セキュリティ技術がMDR620に施される。
【0087】
MDRは、PIIを匿名化トークン値にマッピングする為の専用アルゴリズムを実装し、DSP環境610のコンピュータ又はプロセスはMDR環境で実装されるアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を介してこれらのアルゴリズムにアクセスするかこれをコールする。MDR620は、請求データベース622の記録からNPIのようなHCP識別子を抽出するコードも実装する。これらの値は、健康管理者を識別するものであって消費者データのプライバシーを暗示するものではないのでトークン化を必要としないが、後のステップで記録を結合して、同じキャンペーンが同じ提供者及び消費者に届いてこのキャンペーンに関わる製品の処方箋又は請求と関連している時を識別する際に有益である。データマッピングプロセス614は、デバイス識別子の値を含むAPIコールをMDR環境620へ送信すると共に、マッピングされた匿名化トークン値を指定する応答を受理するようにプログラムされ得る。このアプローチで、下流のステップでは、データマッピングプロセス614からの所与のDIは、PII、他の有効データ、そしてMDR環境内で実行される専用アルゴリズムに基づいて、MDR環境620の内部で作成及び記憶される匿名化トークン値と整合し得る。更に、MDR環境620は請求データのHCP識別子を発見して、記録の結合及び整合に使用する為、後のステップにこれを提供するように作動する。
【0088】
一実施形態において、安全なMDR環境620内で、請求データを匿名化及びトークン化して匿名化トークン化記録を別のデータベース624に記憶するようにプログラムされるトークンプロセス623に請求データベース622が結合される。HCP識別子はまた、請求データベース622の記録から抽出されて、匿名化トークン化請求記録として、しかしトークン化を伴わずに、同じデータベース624に記憶される。例えば、データベース624の記録は、請求に関わる消費者を匿名化ベースでこのような請求とリンクさせるトークンを記憶し得るが、トークン化を伴わずにHCP識別子をそのまま記憶してもよい。或いは、請求データベース622の記録のHCP識別子又は他の属性は、従来の認識済みPIIから成るかどうかに関わらず、データベース624の記録に記憶する前に、トークン化、さもなければ匿名化され得る。一実施形態において、データベース624の記録はPIIを含まないが、図6A及び図6Bに記されているような消費者のトークン、例えばDV(D)tでコード化される。データベース624の記録の他の値は、請求データベース622のものと同じであり得る。所与のコードと関連する患者情報がHIPAA及び/又は他の法的要件を順守すべく匿名化されるように、データがトークン化され得る。
【0089】
分析コード空間630で、匿名化トークン化請求データベース624は、データベース624からの記録とデータマッピングプロセス614の出力とHCP識別子615との結合を実行するようにプログラムされ得るデータ結合操作632に連結される。例えば、データ結合操作632を介してデータベース624から受理されるデータ記録634は、データ結合操作632を介してデータマッピングプロセス614から受理されて、匿名化トークン及びHCP識別子615のようなキーの整合値に基づいて結合される記録638と整合され得る。HCP識別子615は従来から認識されているPIIから成るかどうかにかかわらず、請求データベース622から抽出されたHCP識別子とのデータ結合操作632を介した結合及び整合に先立って、トークン化或いは匿名化され得る。結果集合に対して一以上の分析操作を実行するようにプログラムされる分析操作636に、結果集合がプログラムに従って提供される。操作636の出力は、サービス提供者デバイスと消費者デバイスの両方に達したキャンペーン及びキャンペーンに関するメタデータを指定するデータ集合618である。操作636での分析は、オーディエンス品質の計算、リフト分析、又は他のメトリクスの計算と、DSPの連続的最適化に使用する為の最適化モデル652としてのDSP660へのエクスポートの為の機械学習モデル640の作成、訓練、及び検証とを含み得る。一実施形態では、検証に合格しており、入札リクエストデータの評価と他の節で更に記載される入札部の最適化での使用とを可能にするシステム内の論理位置を有することを除いて、最適化モデル652は機械学習モデルと同じであり得る。
【0090】
出力データベース618はDSP環境610においてデータベース616にエクスポートされるか他の形で送信され、測定結果として記憶され得る。分析コード空間630において、測定結果は分析レポートを生成するのに使用され、図6B図7Cに関係して他の節で更に記載されるように、このレポートは、最適化モデル652としてサーバコンピュータ110にロードされることが可能な予測値を出力して関係する広告キャンペーンのパラメータを調節できる機械学習モデル640を訓練するのに使用され得る。
【0091】
図7Aには、所与のキャンペーンについての測定及び管理プロセスの例が図示されている。図7Bには、所与のキャンペーンについての測定及び管理プロセスの例が図示されている。図7A図7Bの各々は、以下の一般的プロセスについての異なる実施形態を表す。ユーザ又はアカウントは、特定の健康管理者及び患者のオーディエンスをターゲットとするキャンペーン、或いは他の種類のサービス提供者及び消費者をターゲットとするキャンペーンを設定する。ターゲットオーディエンスは臨床属性として定義される。オーディエンスはDSPにロードされてアドキャンペーンに付加される。一実施形態において、各キャンペーンは、キャンペーンが統合測定レポートを受理すべきかどうかを一つの属性が指定するデータ集合を使用して表される。一実施形態において、レポートが使用されるように属性が設定される場合には、登録プロセスを通してレポートがインスタンス化される。新規レポートジョブが作成され、周期的にリフレッシュされて、主要レポート統計を更新し、図6に記載されるアーキテクチャを介して利用可能な臨床データとDSPデータを融合及び結合することによりレポートを伝達する。キャンペーンが終了すると、登録APIへのリクエストによりシステムが統計の収集及びレポートの更新を中止する。続いて、周期的な処理更新時にDSPデータが環境に投入される。各レポートは、幾つかの分析次元(「レポートピボット」)から成る。データは患者臨床データ及びHCP臨床データと組み合わされ、組み合わせデータ集合が様々なレポート分析プロセスで実行され、各レポートについての各レポートピボットを更新する。レポートは作成の度にワーキングデータベースに投入される。自動化プロセスが通知され、UIデータベースにデータをロードする。データは専用グラフィカルユーザインタフェース内で利用可能となる。図9は一例を示し、本明細書の他の節で更に記載される。一実施形態において、DSPは、コンバージョン又は処方箋当たりのコストが低いなど良好な実績が得られる広告及びインプレッションにはより多くの金額を支払うように、キャンペーンターゲット化を自動的に最適化する。
【0092】
最初に図7Aを参照すると、一実施形態において、図7Aのステップ又は操作は、DSP環境610と分析コード空間630とを実装するコンピュータの記憶プログラム命令を使用して実装され得る。一実施形態において、ステップ702で、一以上の健康管理属性による第1集合と関連する第1キャンペーン集合を指定するインプレッションデータを、DSPから取得するようにプロセスがプログラムされており、第1キャンペーン集合は、DSPにより実行される多様な複数のキャンペーンに内含される。
【0093】
ステップ704では、同じ第1健康管理属性集合と関連する第1キャンペーン集合のデジタルインプレッションを受理した消費者を表す匿名化消費者トークンを含む複数の第1記録を、インプレッションデータから取得するようにプロセスがプログラムされる。
【0094】
ステップ705では、第1健康管理属性集合と関連する第1キャンペーン集合のデジタルインプレッションを受理したHCPを表すHCP識別子を含む複数の第2記録をインプレッションデータから取得するようにプロセスがプログラムされる。
【0095】
ステップ706では、データサーバで実行される分析命令に基づいて、匿名化トークン化患者請求データ記録の集合を受理するようにプロセスがプログラムされ、各データ記録は、指定された製品の処方箋に関する少なくとも一つの請求に関係する。これらの記録はステップ704の記録との整合の基礎となる。
【0096】
ステップ707では、ステップ705の記録のHCP識別子を、匿名化トークン化患者請求データ記録集合のうちの請求データ記録のHCP識別子と整合させるようにプロセスがプログラムされ、データ記録の各々は、指定製品の処方箋に関する少なくとも一つの請求に関係する。記録の整合はステップ706で選択された記録のうち幾つかを含み得る。この点で、プロセスは、消費者プライバシーを充分に守るように、消費者がインプレッションを受理したキャンペーンの記録と、HCPがインプレッションを受理したキャンペーンの記録と、同じ患者及び/又はHCPに関わる請求の記録と共にキャンペーンに関わる同じ製品を整合させる。これらの整合ステップは従来の慣行では利用不能であった。任意であるが、DSPで自動的に更新又は修正され得る入札又は他のDSPパラメータを予測する為の分析出力に基づく機械学習モデルの訓練との組み合わせにおいて、インプレッション記録と関連するトークンと匿名化トークン化請求記録との整合のような分析、及び/又は、HCP識別子をインプレッション記録と整合させるというような分析と結合された、安全な環境で請求データをトークン化してインプレッションデータを同じようにトークン化する能力は、発明の時点で発明者らが発想する当該技術に対する重要な前進に当たる。本開示で提示される組み合わせでは、従来使用されなかったコンピュータ実行操作を使用してデータから新たな意味を抽出することが可能である。
【0097】
ステップ708では、多様な複数のキャンペーンのうち一以上の測定対象キャンペーンを指定する一以上の統合測定記録による結果集合をデータベースサーバから受理するようにプロセスがプログラムされ、一以上の測定対象キャンペーンは、消費者トークンのうち少なくとも一つ及び/又はHCP識別子のうち少なくとも一つと関連する少なくとも一つの請求データ記録における指定製品の処方箋と関連している。
【0098】
ステップ710では、統合測定記録に基づいて一以上の分析レポートを生成して提示させるようにプロセスがプログラムされる。特定の実施形態では、図7Aの方法の一以上のステップが適宜反復され得る。
【0099】
このプロセス全体の一つの特定例として、二つの広告キャンペーン(一つはHCP用、一つは患者用)がMDR環境620とリンクされて登録され得る。これらのキャンペーンは、新規の投薬治療についてのアドを、特定の健康状態(例えばCOPD)にある患者と、この特定の健康状態(COPD)にある患者の治療の専門家であるHCPに伝達するようにマーケティングされる。患者の為の広告キャンペーンのインプレッションデータがMDR環境に投入され、ここでCOPDにあることを示す診断コードを有するか、COPD用の投薬治療を受けていることを示す医薬品コード/NDCを有する患者の匿名化トークンを抽出するように分析命令が実行され得る。対照的に、HCP情報が非特定化される必要はないので、COPD状態と関連するHCPがNPI又は他の識別子により測定サーバコンピュータ610又はDSPシステム110で直接的に識別され得る。一例として、実務経験/専門分野の特定により、又はCOPD投薬治療についてNPIにより記入される処方箋/医薬品コードにより、ターゲット化HCPのNPIが識別され得る。故に、HCPの広告キャンペーンのインプレッションデータが、既に判断された全ての情報と共にMDR環境620へ直接的に投入され得る。一例として、サーバコンピュータ110は既に、NPIがターゲット化広告を供与したと判断している。
【0100】
これらのHCP及び患者キャンペーンがここでリンクされると、二つのキャンペーンの効果が患者/HCP行動の変化に関して判断され得る。一例として、MDR環境は、新規に広告される投薬治療についてのNDCコードと関連する処方箋の数の増加を監視し得る。特定の実施形態において、この数は非常に詳細なレベルで測定され得る。例えば、請求データベース622の記録に記されているように、新規に広告される投薬治療についての処方箋/処方箋記入行動の数の増加が判断され、インプレッションが患者のみに、HCPのみに、患者とHCPの両方に、或いは患者とHCPのいずれか又は両方に、これら二つの当事者の間の特定の受診が発生した時に近い時点で示され得る。
【0101】
特定の実施形態では、毎週など一定間隔でこの測定が更新され得る。この状況で、MDR環境620での消費者データがリフレッシュされ得る(例えば、所望のNDCコードを有する新規の処方箋、ターゲット患者とHCPとの間の適格受診を示す新規の診療コード、或いはCOPD診断を示す診断コードを有する新規の患者記録が判断され得る)。アドの適用範囲も判断され得る。一例として、アドが62%の適用範囲を有すると、記録された総診療機会のうち62%の患者又はHCPにアドが供与されることを意味する。同様に、DSP環境610では、広告キャンペーンについてのインプレッションデータがリフレッシュされ得る(例えば、COPDアドを受理したNPIの記録、様々なウェブサイトに表示されるアドの数、そしてインプレッションごとの総支払い額が判断され得る)。このデータはMDR環境620の分析コード空間630に投入され、ここで操作632を介して匿名化消費者データと結合され得る。そしてこのデータが、過去一週間でNDCコードについて記入される処方箋の数など、MDR環境620のリフレッシュデータと整合され得る。
【0102】
一実施形態において、広告キャンペーンの実績に関するデータは、広告キャンペーンのパラメータをどのように最適化及び更新するのが最適であるかを判断する機械学習アルゴリズムへ供給され得る。ここで図6Bを参照すると、一実施形態では、分析コード空間630の分析出力の全ての有効データに対して機械学習モデル640を訓練する実行可能なスクリプトを包含する機械学習モデル構築部に、分析操作636が結合され得る。ユーザデータ、入札リクエストデータ、分析操作636の結果は全て、機械学習モデル構築部と、その結果得られる機械学習モデル640の形でのその出力とに寄与し、この機械学習モデルは、最初に分析コード空間630内で構築され、最適化モデル652の一部としてDSP環境610にエクスポートされ得る。
【0103】
一実施形態において、最適化モデル652は、分析操作636を介して現実の臨床データ及びキャンペーンから導出された結果に基づいて、DSP660のキャンペーンの一以上のパラメータを自動的に修正するようにプログラムされる。キャンペーンパラメータの自動化修正の結果、ハイリターン広告費用(ROAS)、或いは処方箋や処置のような低コストのコンバージョンの形でのより効率的なメディア投資が得られる。例えば、DSP660の既存キャンペーンの入札リクエストデータと、分析操作636において成功と識別されたキャンペーンと関連する人口統計区分データとを入力として受理するプログラムによる最適化関数に、そして入札及び/又は区分の出力パラメータ値に結合された機械学習分類器を使用して、最適化モデル652がプログラムされ得る。例えば、モデル652の出力は、DSP660で構成されるアドリクエストの価格設定又は履行を推進し得る。
【0104】
最適化モデル652はUI616と連携して、最適化目標を指定するユーザ入力などの最適化入力を受理するようにプログラムされるグラフィカルユーザインタフェースを提示し得る。目標例は、処方箋全体についてのコスト、新規の処方箋についてのコスト、初回使用の処方箋についてのコスト、又はコストパーアクション(CPA(Cost per Action))に基づく最適化を含む。
【0105】
一例として、所望のNDCコードを含む処方箋の数の過去一週間の変化が、フォーマット、パブリッシャ/ウェブサイト、専門、地域、頻度等のような様々なパラメータと比較され得る。一例として、第1ウェブサイトからのインプレッションは比較的多数の処方箋が新規のCOPD医薬品について記入されることに繋がり、一方で、第2ウェブサイトに示されたインプレッションの結果として新規の処方箋の記入が比較的少ないと判断された場合には、第2ウェブサイトで支払われるインプレッションの数を減少するように自動的に支払いがシフトし、一方で、第1ウェブサイトで購入されるインプレッションの数は増加する。同様に、特定の地域で示されるインプレッションにより、新規のCOPD医薬品についてより多くの処方箋が記入されることになると判断される場合に、DSPシステムは、広告キャンペーンのターゲット化パラメータを精査して、同じウェブサイトに提示される場合でもその地理的ロケーションの患者/HCPへのインプレッションの提示に集中し得る。故に、第1の場所でアドをターゲット化するのに使用されるデータは、キャンペーンの実績を測定するのに使用されるのと同じデータであり、故に、所望の患者/HCPへの到達とキャンペーン自体の影響との精度向上及び最適化を可能にする。
【0106】
図7Cには、DSP最適化の実施形態における機能要素及びデータフローの例が図示されている。
【0107】
一実施形態において、DSP環境610内で、キャンペーンに関係するインプレッションについてのインプレッションデータ612がデータマッピング操作614を介して処理されて、HCP識別子615と共に分析コード空間630内の結合操作632へ伝達される。例えば、インプレッションログファイルは、この環境内での安全な処理の為の分析コード空間630へ転送され得る。幾つかの実施形態において、人口統計データ772も、インプレッションデータ612との組み合わせでDSP環境610から分析コード空間630へ転送され、インプレッションデータ612で表されるオーディエンス区分及び/又は消費者の人口統計的特性を記述する記録を包含する。人口統計データ772は、パブリッシャウェブサイトの値、アドが供与される時刻、又はデバイスタイプも包含し得る。
【0108】
幾つかの実施形態では、市販の匿名化トークン化ソフトウェアを使用してインプレッションデータ612と人口統計データ772とが転送前にトークン化され得る。DSP環境610から医療データリポジトリ630へのデータの転送は、モデル訓練に必要である特定の分野を選択することも含み得る。
【0109】
一実施形態において、組み合わされて結合データ632へ転送されるインプレッションデータ612と人口統計データ772とは、以下についての値又は属性を各々が有する複数の記録を包含する。
・インベントリのタイプ(「サイト」、「アプリ」)
・デバイスのタイプ(「スマートフォン」、「パーソナルコンピュータ」、「タブレット」)
・地域性パブリッシャ又は非地域性パブリッシャ(「真」又は「偽」)
・クリエイティブのタイプ(「バナー」又は「映像」)
・人口統計区分(所与のインプレッションについての人口統計区分のアレイ。区分値のシーケンスは“<segmentID>:1”s)
・GEOステート
・インベントリID
・ZIP3(3桁ジップコード)
【0110】
分析コード空間630内で、インプレッションデータ612と人口統計データ772とが、データ結合操作632に記されているように、匿名化トークン化請求データ624に結合される。一実施形態において、匿名化トークン及び/又はHCP識別子は結合操作で共通キーとして使用される。結合操作632の結果、結果ファイルの作成及び記憶が行われ得る。
【0111】
一実施形態において、操作776で、訓練の為に結果ファイルが用意される。操作778では、結果ファイルを訓練データ集合として使用して機械学習モデル640が訓練される。幾つかの実施形態において、操作776,778は図6A図6Bの分析実行操作636の一部を形成する。
【0112】
操作780で、訓練済み機械学習モデル640は、訓練済みモデルがデータプライバシー又は匿名化要件を順守しているかを検証するようにプログラムされ得る検証プロセスを受ける。例えば、検証では、患者又は健康管理データが関与する時に訓練済みモデルがHIPAAを順守しているかどうかについて対処され得る。
【0113】
検証が成功すると、図7Cの最適化モデル652及び経路784に表されているように、訓練済み機械学習モデル640がDSP環境610へエクスポート又は転送される。一実施形態において、DSP環境610は、ソフトウェアの機能要素として実装されて、本節及び他の節に更に記載されるやり方で実行するようにプログラムされる入札部774を包含する。入札部774は最適化モデル652をロードし、訓練済みモデルを使用して入札リクエストデータ790を評価し、キャンペーンに関係してDSPの操作を修正するのに使用され得る入札部774の入札値又は他のパラメータの予測を出力する結果となる。例えば、入札リクエストデータ790を入札部774へ伝達するウェブサイト788にデジタルアドを供与する過程で、消費者又はサービス提供者のユーザコンピュータ786が、ウェブサイト788、或いはデジタル広告が掲載される他のデバイスと繋がると仮定する。入札リクエストデータ790は人口統計データ772で補強され、モデルの評価又は実行での使用の為に最適化モデル652へ供給されて、例えば、処置又は製品の処方箋を消費者が受ける尤度、及び/又は、サービス提供者が処置又は製品の処方箋を提供する尤度のようなコンバージョンの尤度を予測する分類又は予測出力を生成し得る。故に、最適化モデル762をインポートした後に、入札部774は最適化モデル652を使用し、人口統計データ772と共にオープンリアルタイム入札(OpenRTBフィールド)を使用して、入来した入札リクエストデータ790を採点する。最適化モデル652の予測に基づいて、入札部774は入札価格を適宜調節し、経路792で消費者及び/又はサービス提供者のユーザコンピュータ786へ供与される関連性の高い広告をターゲット化して、コンバージョン改良又は他の目標に向けた最適化を行う。
【0114】
最適化モデル652からの出力予測が入札部774に自動的にロードされるか、DSP環境610にアクセスする管理ユーザがユーザインタフェースを通して再検討を実施し、構成変更を入札部774に手動で適用する。
【0115】
幾つかの実施形態において、入札データ、予測の出力、そして予測に基づくDSPの構成に関係する最適化モデル652の実行は、プログラムによる制御を使用して全自動化され得る。このアプローチ又は上に記載のアプローチを使用して、実施形態では、経路792を介してユーザコンピュータ786に広告を供与して目標との適合を向上させる為、新規に受理されたインプレッションデータ612に対する最適化モデル652の実行により入札部774の入札又は他のパラメータの迅速な更新が行われるフィードバックループを介して、入札部774の実績に対する連続的な最適化が実行され得る。故に、最適化のプロセスは、入札リクエストデータと人口統計データを読み取って、入札するかどうかとどれほど入札するかを入札部に判断させる最適化モデルにより入札が最適化されること、そしてこれらの最適化パラメータに基づいて出力を使用して広告を供与させることを含む。
【0116】
特定の一実装例において、最終的に最適化モデル652となるように操作778で訓練される機械学習モデル640は、勾配ブースト決定木を実装し得る。他の実施形態は、深層学習ニューラルネットワーク又は他の形の機械学習モデルを使用し得る。例えば、幾つかの実施形態では、モデルを実装するのにXGBoostライブラリが使用され得る。この実装について、操作776でのデータ準備は、XGBoostライブラリに適したフォーマットに結果データを変換することを包含し得る。一つのアプローチにおいて、医療記録又は商取引の有無に基づいて記録が変換されるか否かを指定するラベルが各記録に割り当てられる。二進値が使用され得る。更に、他の全てのデータ点は整数として表される。
【0117】
特定の一実装例において、操作776は、ラベル特徴1:1特徴2:1として表現され得るLibSVMフォーマットに訓練データ集合を変換することを包含し得る。値ラベル:1|0は、医療商取引記録と所与のインプレッション記録との間に整合が見られたかどうかを示すブールフラグであって、発見についての値(「1」)、或いは非発見についての値(「0」)を有し得る。LibSVMはXGBoostライブラリによりサポートされるフォーマットの一つに過ぎず、他の実施形態では他のフォーマットを使用して検査データ集合を提示し得る。
【0118】
更に、一実装例において、全ての特徴はmurmur3ハッシュアルゴリズムを使用してハッシュ化され、その後で数を更に減少させるように係数操作が実行される。ハッシュ操作はmurmur3(‘f01:<value>’)として表現され、f01は特徴の指数であり、<value>は特徴の値である。一例として、インベントリタイプ=“site”について、特徴は“166685:1”であり、166685は“f01:site”のmurmur3ハッシュである。“murmur3”アルゴリズムは使用され得るハッシュアルゴリズムの一例に過ぎず、他の実施形態では異なるハッシュアルゴリズムを使用し得る。
【0119】
適当な機械学習モデルの一例として、XGBoostは、勾配ブーストフレームワークを使用する決定木ベースのアンサンブルアルゴリズムである。構造データ又は表形式データに関わる予測問題では、決定木に基づくアルゴリズムが好適である。他の実施形態では、他の決定木モデル又は他の機械学習モデルで置き換えられ得る。一実施形態において、XGBoostライブラリは以下のパラメータで構成され得る。
・eta-過剰適合を防止するように更新に使用されるステップサイズ縮小
・max_depth-木の最大深さ
・num_round-ブースティングのラウンド数
・min_child_weight-子ノードに必要とされるインスタンス重み(ヘッセ行列)の最小和
・gamma-決定木の葉ノードで更に分割を行うのに必要な最小の損失削減
・objective-学習タスク及び対応の学習目的を指定
・tree_method-XGBoostに使用される木構造アルゴリズム。XGBoostは、分散型訓練の為のapprox、hist、及びgpu_histをサポートする。外部メモリの為の実験的確証はapprox及びgpu_histについて有効である。
・eval_metric-確認データの為の評価メトリクス。目的に従ってデフォルトメトリクスが割り当てられる(登録の為のrmse、分類の為のlogloss、ランキングの為の平均精度)
これらのパラメータの詳細な説明は、ドメインxgboost.readthedocs.ioのパス“/en/latest/”のファイル“parameter.html”に提示される。訓練結果又は評価結果の観察後にパラメータ値が調整されることにより、DSP660の連続最適化プロセスが得られる。
【0120】
図7Bには、所与のキャンペーンについての測定管理プロセス例が図示されている。
【0121】
明確な例を挙げることを目的として、コンピュータ、アカウント、又は要素732により表されるユーザがDSPシステム110のプランナ734と連携して、HCPを対象とすると共にHCPオーディエンスを定義するキャンペーンを定義すると仮定する。非同期的に、DSPの操作又はOps機能736は、患者を対象とする消費者キャンペーンを作成するのに使用される。消費者キャンペーンの定義は、患者モデリング環境740と連携して消費者オーディエンスを定義することを伴う。サービス提供者オーディエンスと消費者オーディエンスの両方を表すデータがDSP110にロードされる。キャンペーン設定プロセスは、例えば、オーディエンスモデリングと図1図2図3図4図5に関して上に記した他の技術とを使用して実行され得る。
【0122】
ブロック742では、一実施形態において、プロセスは、広告キャンペーンがDSPシステム110を通して統合監視レポート機能を実行可能にしたかどうかを判断する検査を実行する。機能が実行可能にならなかった場合に、DSPシステム110は上に記載のように実行して、統合レポートは実行されない。ブロック742が「真」又は「イエス」である場合には、制御はブロック744へ移る。
【0123】
ブロック744で、プロセスはキャンペーンが新規であるかどうかを検査するようにプログラムされている。「新規」は、この文脈において、キャンペーンについてのデータがMDR620に投稿又は登録されていないことを意味する。ブロック744が「真」又は「イエス」である場合には、制御がブロック746へ移り、新規キャンペーンがMDR環境620で登録され得る。登録は、一実施形態において、キャンペーンを記述するデータを包含するデータ集合748をMDR環境620へ転送する操作を実行することを包含する。例えば、POST操作は、JSON blob、パラメータ化HTTP、又はデータ集合748を含む他の構造化データ転送の形でデータを転送するのに使用され得る。一実施形態において、データ集合748は、組織、広告主、一以上のHCPキャンペーングループ、一以上のターゲットHCP数、一以上の患者キャンペーングループ、一以上の患者ターゲット属性、測定用メトリクスの一以上の識別子を指定する。分析コード空間630で実行されるカスタムコードは、登録操作を受けて、構成データベース751へのレポート又は他の出力の定義の送信を実行するようにプログラムされ得る。
【0124】
ブロック744の検査が「偽」又は「ノー」である場合には、一実施形態において、広告キャンペーンの実績についての分析レポートが更新されるべきかどうかを判断するようにプロセスがプログラムされるブロック750に制御が移る。ブロック750は、記憶された計画を調査して、計画によるレポート実行日に等しい時刻値にシステムクロック値が戻るかどうかを検査することを表す。一例として、DSP測定サーバ610は、デジタル的に記憶された実行計画に基づく広告キャンペーンの運営、測定、そして更新による第1反復を自動的に実行し得る。このような実行計画により、リクエスト時に、或いは毎週、毎日、又はリアルタイムなど一定間隔でレポートが生成される結果となる。或いは、ブロック750の検査は、CRONジョブ、或いは計画に従って実行されて指定時にMDR環境620への信号を起動させる他の計画ジョブを表し得る。
【0125】
ブロック750の検査が「偽」」又は「ノー」である場合には、広告キャンペーンの監視が継続し得る。ブロック750の検査が「真」又は「イエス」である場合には、一実施形態において、トークン化インプレッションデータとHCP識別子とがMDR環境620へ送られてデータベース624からのHCP識別子を含むトークン化請求データ記録と結合される操作632,636(図6)が実行され得る。幾つかの実施形態において、インプレッションに関するメタデータも送信されて結合操作で使用される。一実施形態では、ブロック752,753に記されているように、サービス提供者及び/又は消費者への実際のインプレッションから生じるキャンペーンインプレッションデータのレポートが生成されて、MDR環境620へ送信されるか掲示され得る。例えば、一以上の測定対象出力キャンペーンについては、多様な複数のキャンペーンのうちの特定キャンペーンと関連する第1インプレッションのインプレッションデータ集合が更新されて、更新済み第1インプレッションが生成される。一以上の健康管理属性による第1集合と関連する消費者を表す匿名化患者トークン集合が更新済み第1インプレッションに付加され、更新済み第1インプレッションと、付加された匿名化消費者トークン集合とに基づいて、特定のキャンペーンが更新され得る。続いて、デジタル的に記憶された実行計画に基づいて広告キャンペーンを運営、測定、そして更新する一以上の第2反復が、インプレッションデータベース612から新規に受理されたキャンペーンインプレッションデータを使用して実行され得る。特定の実施形態において、インプレッションデータ集合が更新され、図10に関して以下に記載されるような、人工ニューラルネットワークにより実施されるもののような機械学習アルゴリズムにより、更新済みの第1インプレッションデータが生成され得る。ブロック752に詳述されているように、例えばスクラッチパッドデータベース756から、キャンペーンインプレッションデータを獲得して、トークン化、匿名化、臨床/患者データとキャンペーンインプレッションデータを組み合わせ、レポート/分析ルーチンを実行し、ブロック754に更に表されているように更新済みレポートをスクラッチパッドデータベース756へ送信又は投入するように、更新プロセスがプログラムされ得る。
【0126】
一実施形態において、ブロック758では、レポートデータが提示の為に処理され、記憶の為にユーザインタフェース(UI)データベース760にロードされる。ブロック762では、記憶された分析レポートがユーザインタフェースを介して検索及び提示され得る。
【0127】
特定の実施形態において、測定サーバコンピュータは、一以上の健康管理属性による第1集合と関連する第1キャンペーン集合のデジタルインプレッションを受理した消費者を表す複数の第1匿名化消費者トークンを指定するインプレッションデータをデマンドサイドプラットフォーム(DSP)から取得し、第1キャンペーン集合は、DSPにより実行される多様な複数のキャンペーンに内含される。各匿名化消費者トークンは第1健康管理属性集合の第1健康管理属性にリンクされ、更に、匿名化トークン化請求データ記録の集合からの第1匿名化トークン化請求データ記録にリンクされ得る。更に、第1健康管理属性集合の少なくとも一つの臨床属性を使用して、第1キャンペーン集合の各キャンペーンがDSPで定義され得る。例として、各臨床属性はICD-10コード、CPTコード、又はNDCコードのいずれかであり得る。
【0128】
特定の実施形態において、測定サーバコンピュータは、第1健康管理属性集合と関連する第1キャンペーン集合のデジタルインプレッションを受理した健康管理者(HCP)を表す複数の第2健康管理者(HCP)識別子を指定するインプレッションデータをDSPから取得し得る。一例として、HCP識別子は米国健康管理者識別情報(NPI)値であり得る。
【0129】
特定の実施形態において、測定サーバコンピュータは、データベースサーバで実行される分析命令に基づいて、匿名化トークン化請求データ記録の集合を受理し、データ記録の各々は、指定製品の処方箋に関する少なくとも一つの請求に関係する。
【0130】
前述のアプローチを使用して、大規模なデータ集合が連続的に精査されて、キャンペーンについて適格であって、キャンペーンに露出され、結果的にコンバージョンが得られるサービス提供者及び/又は消費者を表す小規模なデータ集合となる。図8には、オーディエンスの連続的なフィルタリング及びフローダウンが発生して、結果的に実用的な成果測定が行われる所与のキャンペーンについてのレポート設定プロセスの例が図示されている。
【0131】
一実施形態において、図7Bについて上に記載されたキャンペーン定義及びオーディエンス定義プロセスは、最初に、キャンペーンについての測定目標値802と、適格患者804の第1データ集合と、適格HCP810の第2データ集合とを作成する結果を生じ得る。一実施形態において、測定結果は、国内規制又は請求を目的として医薬品を識別する一以上のNDC値に関して特定の医薬品を指定し得る。図8の例で、測定目標802では、0597-0295-60及び0597-0295-61のNDC値により識別されるSYNJARDYを指定する。更に、図8の例で、適格患者804は、HCPがICD10値「E11」を使用して請求をコード化する診断受診で識別された患者を包含し、一つの検査実行例で、このコードにより120万人の患者集合が得られた。適格HCP810は一般的に、非公式又は専用のソースからのターゲットリストから導出され、10,000以上のHCP識別子を包含し得る。
【0132】
適格患者データ集合804は最初に、リンク患者806の数までフィルタリングされ、これは、適格であって更にデータベースサーバ620からのデータにリンクした特定のトークンと関連している患者を意味する。リンク患者806は、露出患者808を識別するように再びフィルタリングされ、これはDSPからの露出データにより示されるようにアドに露出されたことが分かっている患者を意味する。この例で、露出患者データ集合808には約500,000の識別子がある。
【0133】
適格HCPデータベース810がフィルタリングされて、約6,000に上る露出HCP812が得られる。
【0134】
付加的又は代替的に、第1キャンペーン集合からのデータが取得され得る。一例として、このデータは、適格HCP(請求データ、処方箋データ、人口統計データ、実務経験/専門データ、又は図1に関して記した他の関連データにより判断されるターゲット化NPIを有するHCP)の数と、露出HCP(アドに露出されたHCP)の数とを含み得る。
【0135】
次に示されるのは、前に記載されたデータ結合操作を介して、適格患者804と適格HCP810との間の対話の総数を測定するように適格受診データ集合815が形成され、結果的に適格受診データ集合814が作成及び記憶される。図8の例で、データ集合814は、同じ臨床診療で対話した全てのHCPと患者とを表す10,000より少ない何らかの数のHCPを有するだろう。
【0136】
その結果得られるデータ集合は、対話が発生した時点の近くで測定目標802と関連するキャンペーンに適格患者と適格HCPのいずれかが露出された総回数を示す適格露出カウント値816を捕捉するように再び変換され得る。
【0137】
最後に、測定目標と関連する製品について患者が処方及び処置されるか、HCP又はサービス提供者が処方箋を記入したか処置を実施した総回数を示す露出変換カウント値818が形成され得る。図8の例で、値818は、SYNJARDYについてのNDCコードの一つでやはりコード化された適格及び露出記録、或いは測定目標802で識別される他の何らかのアイテムの集合を包含する。
【0138】
特定の実施形態において、測定サーバコンピュータは、多様な複数のキャンペーンのうち一以上の測定対象キャンペーンを識別する一以上の統合測定記録の結果集合をデータベースサーバから受理し、一以上の測定対象キャンペーンは、消費者トークンの少なくとも一つ及び/又はHCP識別子の少なくとも一つと関連する少なくとも一つの請求データ記録での指定製品の処方箋と関連する。
【0139】
特定の実施形態において、測定サーバコンピュータは、統合測定記録に基づく一以上の分析レポートを作成して提示させる。特定の実施形態において、請求データ記録、消費者トークン、インプレッションメタデータ、そしてHCP識別子に対する一以上のデータベース結合操作をデータベースサーバ/MDR環境620で実行する分析命令に基づいて、結果集合が生成され得る。一例として、一以上の分析レポートのこの生成及び提示は、適格受診での消費者トークンとHCP識別子との間の対話の総数を測定することを含み得る。別の例として、一以上の分析レポートのこの生成及び提示は、多様な複数のキャンペーンのうちの特定キャンペーンに特定の消費者トークン又は特定のHCP識別子が露出された時に適格受診での消費者トークンとHCP識別子との間での対話の総数を測定することを含み得る。また別の例として、一以上の分析レポートの生成及び提示は、特定の消費者トークン又は特定のHCP識別子が、多様な複数のキャンペーンのうちの特定キャンペーンに露出された時の消費者トークンとHCP識別子との間の対話の総数を測定することを含み、特定キャンペーンの特定製品が特定の消費者トークンに関する請求データ記録で指定される。
【0140】
また別の例として、一以上の分析レポートの生成及び提示は、多様な複数のキャンペーンのうちの特定キャンペーンと関連する第1デジタルインプレッションのタイムスタンプと、特定キャンペーンの第1測定対象キャンペーンとの間の経過時間を示すデータ値を生成することを含み得る。この値により、広告キャンペーンの主催者は、ターゲット処置での処置に先立ってHCP及び患者に供与される多様な頻度レベルのアドの効果及び重要性を判断することが可能である。第1インプレッションから第1測定目標までのこの経過時間の提示により、結果に影響するにはどの種類の頻度が必要かを主催者が理解することが可能になる。
【0141】
図9には、測定対象キャンペーンの分析レポートを提示する為のGUIディスプレイの例が図示されている。
【0142】
一実施形態において、GUI900は、状態パネル902、フィルタパネル904、サマリパネル906、グラフ910を包含するグラフパネル908、分析テーブル912、ファンネルデータパネル914、そしてツールバー916を包含する。一実施形態で、状態パネル902は、承認状態、オーディエンスタイプ、開始日、終了日、作成又は更新日、及び/又は、他のメタデータなど、GUI900の他の面に関する一以上のメタデータ値を表示するようにプログラムされる。図9の状態パネル902には値の例が見られる。
【0143】
一実施形態において、フィルタパネル904は、要素908,910,912で表されるデータのフィルタ基準の選択を受理して、指定されたフィルタ基準をデータに適用するようにプログラムされるGUIウィジェットを具備する。図9の例では、「今日(TODAY)」を指定するキャンペーンフィルタが選択され、これを受けて、システムは、現在の日付のみのデータをフィルタリングして、フィルタリング済みデータをGUI900の他の要素に提示するようにプログラムされる。一実施形態において、サマリパネル906は、消費者への総インプレッションを指定するカウント値、HCPへの総インプレッション、支払い値、そしてコスト値を包含する。一実施形態において、図6A図6Bの実行分析要素636は、分析コード空間630内で計算を実行して図9の要素についての基盤データを生成するようにプログラムされる。
【0144】
一実施形態において、グラフパネル908は、選択時にグラフ910を生成するか更新させるようにプログラムされる一以上のGUIウィジェットを包含する。図9の例で、GUIウィジェットは、メトリクスとしてのTRx及びNRx、「日次ビュー(Daily view)」、露出HCP及び患者によるグループ分けを指定する。グラフ910はこれらのパラメータを反映する。一実施形態では、多様なGUIウィジェットオプションの選択により、グラフ910を再計算及び更新する。
【0145】
一実施形態において、分析テーブル912は、「露出(Exposures)」、「キャンペーングループ(Campaign Groups)」」のラベルと、この例では他のラベルも付けられた複数の選択可能なタブを具備する。ラベルは、選択時に、多様なデータをテーブル912に表示させる実行可能リンクとしてプログラムされる。図9の例では、「露出」ラベルが選択され、テーブル912は、露出グループを指定する行と、これらのグループに関係する分析データとを包含する。ファンネルデータパネル914は、多様な分析基準と、露出カウント、診療機会カウント、そしてコンバージョンカウントなどの計算とに基づいて、個人、アカウント、又は記録についての連続的に狭くなるか小さくなるカウントを表示するようにプログラムされ得る。ツールバー916は、選択時に、グラフタイプ(線グラフ、棒グラフ、散布図等)の変更、ディスプレイズーム適用機能、その他のような機能をシステムに実行させる多様な複数の選択可能ディスプレイツールを表示するようにプログラムされ得る。
【0146】
前述の機能要素を使用して実行されるプログラムによる分析計算に基づいて、GUI900のデータは患者及び提供者処方箋記入行動データを様々な次元(クリエイティブ、パブリッシャ、フォーマット、オーディエンス等)で集約し、こうして広告キャンペーンを運営しているバイヤーが、様々なアド供与次元の長所及び実績を可視化して更なる最適化を行うことを可能にする。GUI900でレポートされるデータも、一以上の機械学習モデルを訓練して、入札部774(図7C)のようにDSP660の一以上の要素を更新する為に入札又は他の値を予測し、キャンペーン最適化を自動化する訓練データ集合として使用され得る。キャンペーン最適化の長所の一例は、多数の実施患者を有していないパブリッシャ又は地域でのアド費用を軽減することにより、キャンペーンをより効果的にすることである。
【0147】
GUI900のパネルは、レポート次元及び分析をスコアカードとして表示するようにプログラムされ得る。一例として、上記の変数及び/又は以下の分析のいずれかが示される。
HCPインプレッション:測定レポートにリンクされたHCPキャンペーンに伝達されるインプレッションの数。
露出HCP(及び達成%):(NPIレベルレポートから)アドに到達するHCPの数と最初のターゲットリストから到達したHCPの%(到達%)。
HCPアド費用:測定レポートにリンクされたHCPキャンペーンに伝達されるアドの総コスト。
CPM-HCP:測定レポートにリンクされたHCPキャンペーンに伝達されるアドの単位コスト。
患者インプレッション:測定レポートにリンクされた患者キャンペーンに伝達される総インプレッション。
露出患者(及び到達%とリンク%):(データベースサーバからのデータにリンクされた)アドに露出される患者の数。
患者アド費用:測定レポートにリンクされた患者キャンペーンに伝達されるインプレッションの総コスト。
CPM-患者:患者に伝達されるアドの単位コスト。
【0148】
これらの分析で、「総患者」は、ターゲットICD-10、CPT、又はNDCコードを有するものとして「適格」であるか「選択」される匿名化消費者トークンにより表される固有患者の数として定義され得る。特定の実施形態において、この値は“TARGET_ATTRIBUTES”など、キャンペーン設定中に提供されるブールロジックを介して計算され得る。この値は更に、「母集団%」測定基準を計算するのに使用され得る。同様に、「リンク患者」は、適格であって、データベースサーバからのデータにリンクされた特定のトークンと更に関連する患者の数として定義され得る。この値は、「リンク%」メトリクスを計算するのに使用され得る。特定の実施形態において、アド供与会社が患者キャンペーンの測定のみを希望する場合には、適格HCPについてのHCPが更なる計算に使用され得るが、「露出HCP」は0に設定されるだろう。
【0149】
パネルは、以下のいずれかを含む各分析レポートについてのレポート手段を表示するようにプログラムされ得る。
総費用:購入されたインプレッションについてのDSPからのアド費用の合計。
インプレッション:DSPからのインプレッションの合計。
診療機会:適格患者及び適格HCPが請求データ内で対話していることが観察された(例えば、2型糖尿病患者とターゲットのHCPとが請求を行った)ケース。
総処方数(TRx):指定時間にわたって特定の医薬品についてHCPにより記入される処方箋の総計。この値は、補充及び更新の為の処方箋(補充を切らした時に患者が入手する処方箋)を含み得る。対照的に、下記のNRx値は補充を含まないが更新を含み得る。
新規処方数(NRx):新規処方箋発行のカウント。NRxは補充を含まないが、更新を含み得る。NRxは、患者が前にその製品を使用していたかどうかがNRxメトリクスでは検討されないという点で、下記のNBRx値と異なる。
初回使用処方数(NBRx):前にその製品を使用していない処方薬の服用を開始した患者のカウント。
コストパーTRx(Cost Per TRx):インプレッションについて支払われる(DSPからの)広告費用の合計をTRxで割ったもの。
コストパーNRx(Cost Per NRx):インプレッションについて支払われる(DSPからの)広告費用の合計をNRxで割ったもの。
コストパーNBRx(Cost Per NBRx):インプレッションについて支払われる(DSPからの)広告費用の合計をNBRxで割ったもの。
総診療機会:(総患者のうちの)患者とターゲットHCPとが、データベースサーバ620からの請求データ記録で共に出現する回数(医薬品が処方される診療又は何らかの種類の機会があることを示す)。幾つかの実施形態において、「総診療機会」は、臨床関連の消費者とターゲットとなるサービス提供者とが請求データ記録に共に出現する回数、及び/又は、ターゲットとなる臨床関連の消費者と臨床関連のサービス提供者とが請求データ記録に共に出現する回数としてプログラムされ得る。
露出診療機会:診療機会が生じて診療機会のタイムスタンプより前にHCPと患者のいずれかがアドに露出された回数。
総コンバージョン:アドのターゲットとなるユーザにリンクされた(測定結果からの)コンバージョン事象の総数と共に、これらのコンバージョンの総コスト(全てのユーザについてのアド費用の合計をTRx量で割ったもの)。
新コンバージョン:アドのターゲットとなるユーザにリンクされた(測定結果からの)新規コンバージョン事象の総数と共に、これらのコンバージョンの総コスト(全てのユーザについてのアド費用の合計をNRx量で割ったもの)。
初回使用コンバージョン:アドのターゲットとなるユーザにリンクされた(測定結果からの)初回使用コンバージョンの総数と共に、これらのコンバージョンの総コスト(全てのユーザについてのアド費用の合計をNRx量で割ったもの)。
【0150】
レポートテーブルは、以下の分析のいずれかを表示し得る。
露出:露出HCP及び患者グループによるアドの相対的有効性を示すレポート。このレポートは以下の分析のいずれかを含み得る。
露出HCP及び患者:アドに露出された適格/ターゲットHCPと適格患者の両方がアドに露出された診療機会。
露出患者のみ:適格患者のみが露出された診療機会。
露出HCPのみ:適格HCPのみが露出された診療機会。
露出なし:適格HCPも適格患者も露出されなかった診療機会。
キャンペーン:多様なキャンペーンの実績と、これらのキャンペーンによるアドに露出されたユーザとを示すレポート。
フォーマット:インベントリタイプ(バナー、映像、CTV、音声、ネイティブ等)をソースとする多様なインベントリフォーマットの相対的実績を示すレポート。
デバイス:bidRequest.device.typeをソースとする多様なデバイスインプレッションの相対的実績を示すレポート。
インベントリ:多様なタイプのパブリッシャインベントリ(地域特有及び非地域特有)、個々のパブリッシャ等の相対的実績示すレポート。
オーディエンス:多様なオーディエンス内のユーザの相対的実績を示すレポート(患者用の一つのレポートとHCP用の別のレポートなど)。特定の実施形態において、このレポートはインプレッションのdataChargeをソースとし得る。
頻度:ターゲット処置による処置に先立ってHCP及び患者に供与されるアドの多様な頻度レベルの重要性について指針を与えるレポート。ここで第1インプレッションから第1測定結果までの経過時間は、(患者オーディエンスとHCPオーディエンスのような)様々なオーディエンスでの結果に影響を与えるのにどの種類の頻度が必要とされるかをバイヤーが理解するのに役立つ。
クリエイティブ:多様なクリエイティブによる成果推進の相対的業績について指針を与えるレポート。
医師:個別医師レベルの結果/行動を示すレポート。これはNPIレポートと類似しているが、個別医師レベルでの結果をより明確に示し得る。
専門性:HCPキャンペーンが有効である時の多様な専門家の実績を示すレポート。
患者:多様なモデル閾値と共に多様な人口統計区分の実績を示すレポート。
地域性:各州と共に各DMAの実績を示すレポート。
【0151】
これらの測定値は、広告キャンペーンの様々な成果を判断するのに使用され得る。特定の実施形態において、測定サーバコンピュータは、統合測定記録に基づいて、消費者トークン及びHCP識別子と関連する処方箋記入行動の変化を判断し、更にこの変化を分析レポートに提示し得る。続いて、記載された最適化プロセスを通して、測定サーバコンピュータは、この変化に基づいて、多様な複数のキャンペーンのうちの特定キャンペーンについて、DSPの一以上のパラメータを自動的に調節し得る。一例として、第1ウェブサイトでの購入インプレッションが第2サイトでのインプレッションより大きな処方箋記入行動の変化に繋がると判断された場合に、DSPは、第2ウェブサイトでより多くのインプレッションを購入する為に、広告キャンペーンでの資金調達を第1ウェブサイトから自動的にシフトさせ得る。特定の実施形態において、測定サーバコンピュータは、統合測定記録に基づいて、一以上の測定対象キャンペーンの各々のコストを判断し、これを受けて、特定の製品の最低処方箋コストを有する測定対象キャンペーンの少なくとも一つの費用を増加させるように一以上の構成パラメータを変更する信号をDSPに自動的に送信し得る。一例として、第1ウェブサイトへのインプレッションでコンバージョンが生じ、故にこの第1ウェブサイトでの購入インプレッションのコストより収入が低くなる(第1ウェブサイトでインプレッションを購入することにより広告キャンペーンで実際に金銭損失が起こる)場合には、第2ウェブサイトでのインプレッションの購入で支払われたものより大きな収入という結果を生じるインプレッションを示す第2ウェブサイトにより強く注目するように、DSPは自動的に支払いをシフトし得る。幾つかの実施形態で、最適化の実行は、特定のキャンペーン、特定のデバイス、特定の時刻、特定のパブリッシャ、又は他の属性への支払いを大きくするようにパラメータを更新することを包含できる。
【0152】
4. 実装例
4.1 コンピュータシステム概要
様々な実施形態によれば、本明細書に記載の技術は少なくとも一つの計算デバイスにより実装される。パケットデータネットワークのようなネットワークを使用して結合される少なくとも一つのサーバコンピュータ及び/又は他の計算デバイスの組み合わせを使用して、この技術が全体的又は部分的に実装され得る。計算デバイスは技術を実施するように配線され得るか、少なくとも一つの特定用途向け集積回路(ASIC)又は技術を実施するように永続的にプログラムされるフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のようなデジタル電子デバイスを含み得るか、ファームウェア、メモリ、他の記憶装置、又は組み合わせのプログラム命令に従ってこの技術を実施するようにプログラムされる少なくとも一つの汎用ハードウェアプロセッサを含み得る。このような計算デバイスは、カスタム配線ロジック、ASIC、又はFPGAをカスタムプログラミングと組み合わせて、記載の技術を達成し得る。計算デバイスは、サーバコンピュータ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピュータシステム、ハンドヘルドデバイス、モバイル計算デバイス、ウェアラブルデバイス、身体装着又は埋め込みデバイス、スマートフォン、スマート家電、インターネットワーキングデバイス、ロボット又は無人の地上又は空中ビークルなどの自律又は半自律デバイス、記載の技術を実装するように配線及び/又はプログラム論理を取り入れる他の電子デバイス、データセンターでの一以上の仮想計算マシン又はインスタンス、及び/又は、サーバコンピュータ及び/又はパーソナルコンピュータのネットワークであり得る。
【0153】
図5は、一実施形態が実装され得るコンピュータシステム例が図示されたブロック線図である。図5の例において、コンピュータシステム500と、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせでの開示技術を実装する為の命令が、コンピュータアーキテクチャ及びコンピュータシステム実装についての通信の為の、本開示に関連する技術の当業者に一般に使用されるのと同じ詳細レベルで、例えば四角又は円として概略的に表示されている。
【0154】
コンピュータシステム500は、電子信号経路を経てコンピュータシステム500のコンポーネントの間で情報及び/又は命令を通信する為のバス及び/又は他の通信機構を含み得る入力/出力(I/O)サブシステム502を含む。入出力サブシステム502は、入出力コントローラ、メモリコントローラ、そして少なくとも一つの入出力ポートを含み得る。電子信号経路は、例えば直線、一方向矢印、又は双方向矢印として、図面で概略的に表されている。
【0155】
少なくとも一つのハードウェアプロセッサ504は、情報及び命令を処理する為の入出力サブシステム502に結合される。ハードウェアプロセッサ504は、例えば、汎用マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ、及び/又は、埋め込みシステム若しくはグラフィック処理ユニット(GPU)、又はデジタル信号プロセッサ若しくはARMプロセッサのような専用マイクロプロセッサを含有し得る。プロセッサ504は、統合算術論理ユニット(ALU)を包含するか、独立ALUに結合され得る。
【0156】
コンピュータシステム500は、プロセッサ504により実行されるデータ及び命令を電子的かつデジタル的に記憶する為の入出力サブシステム502に結合される、メインメモリのようなメモリ506の一以上のユニットを含む。メモリ506は、様々な形のランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的記憶デバイスのような揮発性メモリを含み得る。プロセッサ504により実行される命令の実行中に一時変数又は他の中間情報を記憶するのにもメモリ506が使用され得る。プロセッサ504にアクセス可能な非一時的コンピュータ可読記憶媒体にこのような命令が記憶されると、命令に指定された操作を実施するようにカスタマイズされる専用マシンとしてコンピュータシステム500が具現化され得る。
【0157】
コンピュータシステム500は更に、リードオンリメモリ(ROM)508或いはプロセッサ504用の情報及び命令を記憶する為の入出力サブシステム502に結合される他の静的記憶デバイスのような不揮発性メモリを含む。ROM508は、消去可能PROM(EPROM)又は電子的消去可能PROM(EEPROM)など様々な形のプログラマブルROM(PROM)を含み得る。永続的な記憶装置510のユニットは、FLASH(登録商標)メモリのような様々な形の不揮発性RAM(NVRAM)、ソリッドステート記憶装置、CD-ROM又はDVD-ROMのような磁気ディスク又は光学ディスクを含有し、情報及び命令を記憶する為の入出力サブシステム502に結合され得る。記憶装置510は、プロセッサ504による実行時にコンピュータ実装方法に本明細書の技術を実行させる命令及びデータを記憶するのに使用され得る非一時的コンピュータ可読媒体の一例である。
【0158】
メモリ506、ROM508、又は記憶装置510の命令は、モジュール、方法、オブジェクト、機能、ルーチン、又はコールとして整理される一以上の命令集合を包含し得る。命令は、一以上のコンピュータプログラム、オペレーティングシステムサービス、又はモバイルアプリを含むアプリケーションプログラムとして整理され得る。命令は、オペレーティングシステム及び/又はシステムソフトウェア、マルチメディアをサポートする一以上のライブラリ、プログラミング又は他の機能、TCP/IP、HTTP、又は他の通信プロトコルを実装するデータプロトコル命令又はスタック、HTML、XML、JPEG、MPEG、又はPNGを使用してコード化されるファイルを解釈及び翻訳するファイル処理命令、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)、コマンドラインインタフェース、又はテキストユーザインタフェースの為のコマンドを翻訳又は解釈するユーザインタフェース命令、オフィススイート、インターネットアクセスアプリケーション、設計製造アプリケーション、グラフィックアプリケーション、オーディオアプリケーション、ソフトウェア工学アプリケーション、教育アプリケーション、ゲーム又は種々のアプリケーションのようなアプリケーションソフトウェアを包含し得る。命令は、ウェブサーバ、ウェブアプリケーションサーバ、又はウェブクライアントを実装し得る。命令は、構造化クエリ言語(SQL)又は非SQL、オブジェクトストア、グラフデータベース、フラットファイルシステム、又は他のデータ記憶装置を使用して、プレゼンテーション層、アプリケーション層、関係データベースシステムなどのデータ記憶層として整理され得る。
【0159】
コンピュータシステム500は、入出力サブシステム502を介して少なくとも一つの出力デバイス512に結合され得る。一実施形態において、出力デバイス512はデジタルコンピュータディスプレイである。様々な実施形態で使用され得るディスプレイの例は、タッチスクリーンディスプレイ又は発光ダイオード(LED)ディスプレイ又は液晶ディスプレイ(LCD)又は電子ペーパーディスプレイを含む。コンピュータシステム500は、他のタイプの出力デバイス512を代替的に、或いはディスプレイデバイスに加えて含み得る。他の出力デバイス512の例は、プリンタ、チケットプリンタ、プロッタ、プロジェクタ、サウンドカード又はビデオカード、スピーカ、ブザー又は圧電デバイス又は他の可聴デバイス、ランプ又はLED又はLCDインジケータ、触覚デバイス、アクチュエータ、又はサーボを含有する。
【0160】
少なくとも一つの入力デバイス514は、信号、データ、コマンド選択、又はジェスチャをプロセッサ504に通信する為の入出力サブシステム502に結合される。入力デバイス514の例は、タッチスクリーン、マイクロフォン、スチール及びビデオデジタルカメラ、英数字又は他のキー、キーパッド、キーボード、グラフィックタブレット、イメージスキャナ、ジョイスティック、クロック、スイッチ、ボタン、ダイヤル、スライド、及び/又は、力センサ、モーションセンサ、熱センサ、加速時計、ジャイロスコープ、及び慣性測定ユニット(IMU)センサなど様々なタイプのセンサ、及び/又は、セルラーやWiFiなどのワイヤレス、無線周波数(RF)又は赤外線(IR)送受信器、そして全地球測位システム(GPS)送受信器など様々なタイプの送受信器を含む。
【0161】
別のタイプの入力デバイスは、カーソル制御、或いはディスプレイスクリーン上のグラフィカルインタフェースでのナビゲーションなど他の自動化制御機能を入力機能の代替として、又は追加で実施し得る制御デバイス516である。制御デバイス516は、方向情報及びコマンド選択をプロセッサ504に通信する為と、ディスプレイ512でのカーソル移動を制御する為のタッチパッド、マウス、トラックボール、又はカーソル方向キーであり得る。入力デバイスは、平面上の位置をデバイスが指定できるようにする少なくとも二つの自由度を2本の軸線つまり第1軸線(例えばx)と第2軸線(例えばy)に有し得る。別のタイプの入力デバイスは、ジョイスティック、ワンド、コンソール、ステアリングホイール、ペダル、ギヤシフト機構、又は他のタイプの制御デバイスのような有線、無線、又は光学制御デバイスである。入力デバイス514は、ビデオカメラと深度センサなど、多様な入力デバイスの組み合わせを含有し得る。
【0162】
別の実施形態において、コンピュータシステム500は、出力デバイス512、入力デバイス514、そして制御デバイス516のうち一以上が省かれたモノのインターネット(IoT)を包含し得る。或いは、このような実施形態において、入力デバイス514は、一以上のカメラ、モーション検出器、温度計、マイクロフォン、地震検出器、他のセンサ又は検出器、測定デバイス、或いはエンコーダを包含し、出力デバイス512は、シングルラインLED又はLCDディスプレイのような専用ディスプレイ、一以上のインジケータ、ディスプレイパネル、メータ、バルブ、ソレノイド、アクチュエータ、或いはサーボを包含し得る。
【0163】
コンピュータシステム500はモバイル計算デバイスであり、入力デバイス514は、複数のGPS衛星の三角測量、コンピュータシステム500の地球物理学的ロケーションの緯度-経度値など、ジオロケーション又は位置データの判断及び生成が可能なGPSモジュールに結合される全地球測位システム(GPS)受信器を包含し得る。出力デバイス512は、位置レポートパケット、通知、パルス又は心拍信号を生成するか、単独で、或いはホスト524又はサーバ530に向けられる他のアプリケーション固有データとの組み合わせでコンピュータシステム500の位置を指定する他の反復的データを送信する為のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、そしてインタフェースを含み得る。
【0164】
カスタマイズ配線ロジック、少なくとも一つのASIC又はFPGA、ファームウェア及び/又はプログラム命令、或いはコンピュータシステムとの組み合わせでロード及び使用されるか実行された時にコンピュータシステムを専用マシンとして作動させるかそのようにプログラムするロジックを使用して、コンピュータシステム500は本明細書に記載の技術を実装し得る。一実施形態によれば、メインメモリ506に記憶される少なくとも一つの命令の少なくとも一つのシーケンスをプロセッサ504が実行すると、本明細書の技術がコンピュータシステム500により実施される。このような命令は、記憶装置510のような別の記憶媒体からメインメモリ506に読み込まれ得る。メインメモリ506に記憶される命令シーケンスの実行により、プロセッサ504は本明細書に記載のプロセスステップを実施する。代替実施形態において、ソフトウェア命令の代わりに、又はこれとの組み合わせで、配線回路が使用され得る。
【0165】
本明細書に記載の「記憶媒体」の語は、マシンを特定方式で作動させるデータ及び/又は命令を記憶する何らかの非一時的媒体を指す。このような記憶媒体は、不揮発性及び/又は揮発性媒体を包含し得る。不揮発性媒体は、例えば、記憶装置510のような光学又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メモリ506のような動的メモリを含む。記憶媒体の一般的な形は、例えば、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、フラッシュドライブ、磁気データ記憶媒体、何らかの光学又は物理データ記憶媒体、メモリチップ、その他を含む。
【0166】
記憶媒体は、送信媒体と別個であるがこれと併せて使用され得る。送信媒体は、記憶媒体の間での情報の転送に関与する。例えば、送信媒体は、入出力サブシステム502のバスを包含する配線を含む同軸ケーブルと銅線と光ファイバとを含む。送信媒体は、無線及び赤外線データ通信において生成されるような音波又は光波の形も取り得る。
【0167】
様々な形の媒体が、実行の為、プロセッサ504への少なくとも一つの命令による少なくとも一つのシーケンスの搬送に関わる。例えば、命令は最初に、遠隔コンピュータの磁気ディスク又はソリッドステートドライブで搬送され得る。遠隔コンピュータは、その動的メモリに命令をロードし、光ファイバ又は同軸ケーブル又はモデムを使用する電話回線のような通信リンクを経て命令を送る。コンピュータシステム500にローカル接続されたモデム又はルータは、通信リンクでデータを受理し、コンピュータシステム500により読み込まれるようにデータを変換する。例を挙げると、無線アンテナ又は赤外線検出器などの受信器は、無線又は光信号で搬送されるデータを受理し、データをバスに載せることなどにより適切な回路がデータを入出力サブシステム502に提供し得る。入出力サブシステム502はメモリ506へデータを搬送し、これからプロセッサ504が命令を検索して実行する。メモリ506により受理される命令は、プロセッサ504による実行の前又は後に記憶装置510に任意で記憶され得る。
【0168】
コンピュータシステム500は、バス502に結合される通信インタフェース518も含む。通信インタフェース518は、ネットワーク522或いはインターネット上の公共又は民間のクラウドなど、少なくとも一つの通信ネットワークに直接的又は間接的に接続されるネットワークリンク520に結合される双方向データ通信を行う。例えば、通信インタフェース518は、イーサネットネットワーキングインタフェース、サービス総合デジタルネットワーク(ISDN)、ケーブルモデム、衛星モデム、或いは対応タイプの通信回線、例えばイーサネットケーブル又は何らかの種類の金属ケーブル又は光ファイバ回線又は電話回線へのデータ通信接続を提供するモデムであり得る。ネットワーク522は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、キャンパスネットワーク、相互接続ネットワーク、又はその組み合わせを広く表す。通信インタフェース518は、互換性LANへのデータ通信接続を提供するLANカード、或いはセルラー無線電話無線ネットワーキング規格に従ってセルラーデータを送受信するように配線されるセルラー無線電話インタフェース、或いは衛星無線ネットワーキング規格に従ってデジタルデータを送受信するように配線される衛星無線インタフェースを包含し得る。このような実装において、通信インタフェース518は、様々なタイプの情報を表すデジタルデータストリームを搬送する信号経路を経て電気、電磁、又は光学信号を送受信する。
【0169】
ネットワークリンク520は一般的に、直接的に、或いは、例えば衛星、セルラー、Wi-Fi、又はブルートゥース技術を使用して、少なくとも一つの他のネットワークを通して他のデータデバイスに、電気、電磁、又は光学データ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク520は、ネットワーク522を通したホストコンピュータ524への接続を提供し得る。
【0170】
更に、ネットワークリンク520は、インターネットサービスプロバイダ(ISP)526により操作されるインターネットワーキングデバイス及び/又はコンピュータを介して、ネットワーク522を通した、又は他の計算デバイスへの接続を行い得る。ISP526は、インターネット528として表される世界規模のパケットデータ通信ネットワークを通したデータ通信サービスを提供する。サーバコンピュータ530はインターネット528に結合され得る。サーバ530は、何らかのコンピュータ、データセンター、ハイパーバイザを備えるか備えない仮想マシン又は仮想計算インスタンス、或いはドッカ-(DOCKER)又はクバネティス(KUBERNETES)のようなコンテナ化プログラムシステムを実行するコンピュータを広く表す。サーバ530は、一より多いコンピュータ又はインスタンスを使用して実装されると共に、ウェブサービスリクエスト、HTTPペイロードのパラメータを含むユニフォームリソースロケータ(URL)ストリング、APIコール、アプリサービスコール、又は他のサービスコールを送信することによりアクセス及び使用される電子デジタルサーバを表し得る。コンピュータシステム500及びサーバ530は、他のコンピュータ、処理クラスタ、サーバファーム、或いはタスクを実施するかアプリケーション又はサービスを実行するように協働するコンピュータの他の仕組みを含有する分散型計算システムの要素を形成し得る。サーバ530は、モジュール、方法、オブジェクト、機能、ルーチン、又はコールとして整理される一以上の命令集合を包含し得る。命令は、一以上のコンピュータプログラム、オペレーティングシステムサービス、又はモバイルアプリを含むアプリケーションプログラムとして整理され得る。命令は、オペレーティングシステム及び/又はシステムソフトウェア、マルチメディア、プログラミング、又は他の機能をサポートする一以上のライブラリ、TCP/IP、HTTP、又は他の通信プロトコルを実装するデータプロトコル命令又はスタック、HTML、XML、JPEG、MPEG、又はPNGを使用してコード化されるファイルを解釈又は翻訳する命令を処理するファイルフォーマット、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)、コマンドラインインタフェース、又はテキストユーザインタフェースの為のコマンドを翻訳又は解釈するユーザインタフェース命令、オフィススイート、インターネットアクセスアプリケーション、設計製造アプリケーション、グラフィックアプリケーション、オーディオアプリケーション、ソフトウェア工学アプリケーション、教育アプリケーション、ゲーム又は種々のアプリケーションのようなアプリケーションソフトウェアを包含し得る。サーバ530は、構造化クエリ言語(SQL)若しくは非SQL、オブジェクトストア、グラフデータベース、フラットファイルシステム、又は他のデータ記憶装置を使用して、プレゼンテーション層、アプリケーション層、関係データベースシステムなどのデータ記憶層が所在するウェブアプリケーションサーバを包含し得る。
【0171】
コンピュータシステム500は、ネットワーク、ネットワークリンク520、そして通信インタフェース518を通して、メッセージを送信し、プログラムコードを含むデータ及び命令を受信し得る。インターネット例において、サーバ530は、インターネット528、ISP526、ローカルネットワーク522、そして通信インタフェース518を通してアプリケーションプログラムについてリクエストされたコードを送信し得る。受信されたコードは、記憶装置510、又は後の実行の為の他の不揮発性記憶装置で受信及び/又は記憶される際に、プロセッサ504により実行され得る。
【0172】
本節に記載される命令の実行は、実行されてプログラムコード及びその現在活動から成るコンピュータプログラムのインスタンスの形でプロセスを実装し得る。オペレーティングシステム(OS)に応じて、プロセスは、命令を同時的に実行する多数の実行スレッドで構成され得る。この文脈において、コンピュータプログラムは受動的な命令集合体であるのに対して、プロセスはこれらの命令の実際の実行であり得る。幾つかのプロセスは同じプログラムと関連し得る。例えば、同じプログラムの幾つかのインスタンスの起動は大抵、一より多いプロセスが実行されていることを意味する。多数のプロセスにプロセッサ504を共有させるマルチタスクが実装され得る。各プロセッサ504又はプロセッサのコアは一度に単一のタスクを実行するが、コンピュータシステム500は、各タスクが終了するのを待つ必要なく、実行されるタスクの間で各プロセッサを切り替えるマルチタスク動作を実装するようにプログラムされ得る。一実施形態において、タスクが入力/出力操作を実施する時、切り替えられたことをタスクが示す時、或いはハードウェア中断時に、スイッチが実施され得る。タイムシェアリングは、コンテキストスイッチを迅速に実施して多数のプロセスの同時的実行の出現を同時に提供することにより、対話型ユーザアプリケーションについての高速応答を可能にするように実装され得る。一実施形態では、セキュリティ及び信頼性の為に、オペレーティングシステムは独立プロセスの間の直接通信を防止して、厳密なメディエーション及び制御が行われるプロセス間通信機能を提供し得る。
【0173】
4.2 人工ニューラルネットワーク
図10には、人工ニューラルネットワーク(「ANN」)1100の例が図示されている。特定の実施形態において、ANNは、一以上のノードを具備する計算モデルを指し得る。ANN1100の例は、入力層1110と隠れ層1120,1130,1140と出力層1150とを具備し得る。ANN1100の各層は、ノード1105又はノード1115のような一以上のノードを具備し得る。特定の実施形態において、ANNの各ノードはANNの別のノードに接続され得る。一例として、また限定としてではなく、入力層1110の各ノードは隠れ層1120の一以上のノードに接続され得る。特定の実施形態において、一以上のノードはバイアスノード(例えば、前の層のいずれかのノードに接続されず、これからの入力を受理しない層のノード)であり得る。特定の実施形態において、各層の各ノードは前又は次の層の一以上のノードに接続され得る。図10には、特定数の層、特定数のノード、特定のノード間接続を含む特定のANNが描かれているが、この開示では、適当な数の層、適当な数のノード、そして適当なノード間接続が考えられる。一例として、また限定としてではなく、図10には、入力層1110の各ノードと隠れ層1120の各ノードとの間の接続が描かれているが、入力層1110の一以上のノードは隠れ層1120の一以上のノードに接続されなくてもよい。
【0174】
特定の実施形態において、ANNはフィードフォワードANNであり得る(例えば、入力層から始まって連続層へ進む一方向にノード間の通信が進むサイクル又はループを含まないANN)。一例として、また限定としてではなく、隠れ層1120の各層への入力は、入力層1110の一以上のノードの出力を包含し得る。別の例として、また限定としてではなく、出力層1150の各ノードへの入力は、隠れ層1140の一以上のノードの出力を包含し得る。特定の実施形態において、ANNは深層ニューラルネットワーク(例えば、少なくとも二つの隠れ層を具備するニューラルネットワーク)であり得る。特定の実施形態において、ANNは深層残差ネットワークであり得る。深層残差ネットワークは、残差ブロックに整理される隠れ層を具備するフィードフォワードANNであり得る。第1残差ブロックの後の各残差ブロックへの入力は、前の残差ブロックの出力と前の残差ブロックの入力とに相関し得る。一例として、また限定としてではなく、残差ブロックNへの入力はF(x)+xであり、F(x)は残差ブロックN-1の出力であり、xは残差ブロックN-1への入力である。本開示には特定のANNが記載されているが、本開示では何らかの適当なANNが考えられる。
【0175】
特定の実施形態において、活性化関数はANNの各ノードに対応し得る。ノードの活性化関数は、所与の入力についてのノードの出力を定義し得る。特定の実施形態において、ノードへの入力は入力集合を包含し得る。一例として、また限定としてではなく、活性化関数は、恒等関数、バイナリステップ関数、ロジスティック関数、又は他の適当な関数であり得る。別の例として、そして限定としてではなく、ノードkについての活性化関数はシグモイド関数Fk(sk)=1/(1+e-sk)、双曲線正接関数Fk(sk)=(esk-e-sk)/(esk+e-sk)、整流器F(s)=max(0,s)、或いは他の何らかの適当な関数F(s)であり、sはノードkへの有効入力であり得る。特定の実施形態において、ノードに対応する活性化関数の入力は重み付けされ得る。各ノードは、重み付け入力に基づく対応の活性化関数を使用して出力を生成し得る。特定の実施形態において、ノード間の各接続は重みと関連し得る。一例として、また限定としてではなく、ノード1105とノード1115との間の接続1125は、0.4の重み付け係数を有し、これはノード1105の出力の0.4倍がノード1115への入力として使用されることを示し得る。別の例として、また限定としてではなく、ノードkの出力yはy=F(s)であり、Fはノードkに対応する活性化関数であり、sk=Σ(wjk)はノードkへの有効入力であり、xはノードkに接続されたノードjの出力であり、wjkはノードjとノードkと間の重み付け係数であり得る。特定の実施形態において、入力層のノードへの入力は、オブジェクトを表すベクトルに基づき得る。本開示ではノードの特定の入力及び出力が記載されるが、本開示では、ノードの任意の適当な入力及び出力が考えられる。また、本開示にはノード間の特定の接続及び重みが記載されるが、本開示ではノード間の任意の適当な接続及び重みが考えられる。
【0176】
特定の実施形態において、ANNは訓練データを使用して訓練され得る。一例として、また限定としてではなく、訓練データはANN1100への入力と予想出力とを包含し得る。別の例として、また限定ではなく、訓練データは、訓練オブジェクトを各々が表すベクトルと、各訓練オブジェクトについての予想ラベルとを包含し得る。特定の実施形態において、ANNの訓練は、目的関数を最適化することによりANNのノード間の接続と関連する重みを修正することを包含し得る。一例として、また限定としてではなく、訓練方法(例えば、共役勾配法、勾配降下法、確率的勾配降下法)は、(例えば、平方和誤差を最小化する費用関数を使用して)訓練目的を表す各ベクトル間の距離として測定される平方和誤差を逆伝播するのに使用され得る。特定の実施形態において、ANNはドロップアウト技術を使用して訓練され得る。一例として、また限定としてではなく、一以上のノードが訓練中に一時的に省略されてもよい(例えば、入力を受理せず出力を生成しない)。各訓練目的について、ANNの一以上のノードには省略される確率が幾らかある。特定の訓練目的について省略されるノードは、他の訓練目的について省略されるノードと異なり得る(例えば、ノードは目的ベースで一時的に省略され得る)。本開示には特定のやり方でのANNの訓練が記載されているが、本開示では任意の適当なやり方でのANNの訓練が考えられる。
【0177】
5. 拡張及び代替
前出の明細書には、実装ごとに変化し得る多数の特定の詳細を参照して開示の実施形態が記載されている。従って明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示と見なされる。本開示の範囲を示す唯一の排他的なものと、開示の範囲として出願人が意図しているものとは、一連の請求項の文字通りの範囲と、後の補正を含めてこのような請求項により特定の形で本出願から生じる請求項の同等範囲である。
【符号の説明】
【0178】
110 サーバコンピュータ
112 保護環境
114 匿名化訓練データ
115 訓練データ確認命令
116 機械学習生成訓練命令
117 訓練済み機械学習システム
118 機械学習確認命令
122 匿名化属性データ
124 匿名化請求データ
130 請求プロセッサ
132 請求データ
134 識別情報
136 暗号化トークン
140 属性データベース
142 属性データ
144 識別情報
146 暗号化トークン
150 メディアサーバ
152 メディアアイテム
154 クライアント計算デバイス属性データ
156 訓練済み機械学習システム
160 クライアント計算デバイス
500 コンピュータシステム
502 入出力サブシステム
504 プロセッサ
506 メモリ
508 ROM(リードオンリメモリ)
510 記憶装置
512 出力デバイス
514 入力デバイス
516 制御デバイス
518 通信インタフェース
520 ネットワークリンク
522 ネットワーク
524 ホスト
526 ISP(インターネットサービスプロバイダ)
528 インターネット
530 サーバ
600 分散型コンピュータシステム
610 DSP(デマンドサイドプラットフォーム)環境
612 インプレッションデータ
614 データマッピングプロセス
615 HCP(健康管理者)識別子
616 測定結果/UI(ユーザインタフェース)
620 医療データリポジトリ環境
622 Rx-Dx請求データベース
623 トークンプロセス
624 匿名化トークン化請求データ
630 分析コード空間
640 機械学習モデル
652 最適化モデル
772 人口統計データ
774 入札部
784 経路
786 ユーザコンピュータ
788 ウェブサイト
790 入札リクエストデータ
792 経路
1100 人工ニュートラルネットワーク
1105 ノード
1110 入力層
1115 ノード
1120 隠れ層
1125 接続
1130 隠れ層
1140 隠れ層
1150 出力層
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実装方法であって、
測定サーバコンピュータを使用して、第1キャンペーン集合を指定するインプレッションデータを取得することであって、DSPにより実行される多様な複数のキャンペーンに前記第1キャンペーン集合が内含されることと、
前記測定サーバコンピュータを使用して、前記第1キャンペーン集合のデジタルインプレッションを受理した消費者を表す匿名化消費者トークンを含む複数の第1記録を取得することと、
データベースサーバで実行される分析命令を使用して、匿名化トークン化請求データ記録を包含するデータベースにアクセスすることであって、前記データ記録の各々が指定製品の処方箋に関する少なくとも一つの請求に関係して、前記消費者トークンの少なくとも一つを含有することと、
前記分析命令を使用して、前記請求データ記録及び消費者トークンで一以上のデータベース結合操作を実行して、前記多様な複数のキャンペーンのうち一以上の測定目標キャンペーンを指定する一以上の統合測定記録の結果集合を出力させることであって、前記一以上の測定目標キャンペーンが、前記消費者トークンの少なくとも一つと関連する少なくとも一つの請求データ記録での前記指定製品の前記処方箋と関連することと、
前記測定サーバコンピュータで、前記統合測定記録を前記データベースサーバから受理することと、
前記測定サーバコンピュータを使用して、一以上の分析レポートを生成して提示させることと、
前記測定サーバコンピュータを使用して、前記データベースサーバへのポストコールを実行して新規キャンペーンインプレッションデータを前記データベースサーバに登録することと、
を包含する方法。
【請求項2】
前記統合測定記録に基づいて、前記測定目標キャンペーンの為に伝達される広告の一つと関連する処方箋記入行動の変化を判断することであって、前記測定目標キャンペーンが前記消費者トークンと関連することと、前記変化を前記分析レポートで提示することとを更に包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の記録と前記匿名化トークン化請求データ記録とから選択される特徴を包含する訓練データ集合を使用して機械学習モデルを訓練して最適化モデルを作成することを更に包含し、前記機械学習モデルが、他のキャンペーンについての他の統合測定記録を受理すると共に、前記多様な複数のキャンペーンのうちのターゲットキャンペーンについて、前記DSPの一以上のパラメータの自動的調節に使用する為の予測入札値を出力するように訓練される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記最適化モデルを使用して、前記統合測定記録に基づいて前記一以上の測定対象キャンペーンの各々のコストを判断することと、これを受けて、一以上の構成パラメータを変更するように前記DSPに自動的に信号送信して、前記特定製品の処方箋について最低のコストを有する前記測定対象キャンペーンの少なくとも一つでの支払いを増加させることとを包含する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記最適化モデルを使用して、入札リクエストデータと、個人及び人口統計データを包含する属性データ集合とを受理して、入札値の予測を出力することと、前記最適化モデルからの入札値出力の予測を使用して前記DSPの入札部を更新することと、更新された前記入札部に基づいて前記DSPから一以上の広告を供与することとを更に包含する、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
一以上の測定計算サーバデバイスによる実行時に、
前記測定サーバコンピュータを使用して、第1キャンペーン集合を指定するインプレッションデータを取得することであって、前記第1キャンペーン集合がDSPにより実行される多様な複数のキャンペーンに内含されることと、
前記測定サーバコンピュータを使用して、前記第1キャンペーン集合のデジタルインプレッションを受理した健康管理者(HCP)を表すHCP識別子を含む複数の記録を取得することと、
データベースサーバで実行される分析命令を使用して、匿名化トークン化請求データ記録を包含するデータベースにアクセスすることであって、前記データ記録の各々が、指定製品の処方箋に関する少なくとも一つの請求に関係して前記HCP識別子の少なくとも一つを内含することと、
前記分析命令を使用して、前記請求データ記録及びHCP識別子に一以上のデータベース結合操作を実行して、前記多様な複数のキャンペーンのうち一以上の測定目標キャンペーンを指定する一以上の統合測定記録の結果集合を出力させることであって、前記一以上の測定目標キャンペーンが、前記HCP識別子の少なくとも一つと関連する少なくとも一つの請求データ記録での前記指定製品の前記処方箋と関連することと、
前記測定サーバコンピュータで、前記統合測定記録を前記データベースサーバから受理することと、
前記測定サーバコンピュータを使用して、一以上の分析レポートを生成して提示させることと、
前記測定サーバコンピュータを使用して、前記データベースサーバへのポストコールを実行して、新規キャンペーンインプレッションデータを前記データベースサーバに登録することと、
を包含する方法を実施させる命令を記憶する一以上の非一時的記憶媒体。
【請求項7】
実行時に、前記測定目標キャンペーンの為に伝達される前記広告の一つと関連する処方箋記入行動の変化についての前記統合測定記録に基づく判断を前記一以上の測定計算サーバデバイスに実施させる命令シーケンスを更に包含し、前記測定目標キャンペーンが、前記HCP識別子と関連し、前記変化を前記分析レポートに提示する、請求項6に記載の記憶媒体。
【請求項8】
実行時に、前記複数の記録と前記匿名化トークン化請求データ記録とから選択される特徴を包含する訓練データ集合を使用する機械学習モデルの訓練を前記一以上の測定計算サーバデバイスに実施させて最適化モデルを作成する命令シーケンスを更に包含し、前記機械学習モデルが、前記多様な複数のキャンペーンのうちのターゲットキャンペーンの為に、他のキャンペーンについての他の統合測定記録を受理すると共に、前記DSPの一以上のパラメータの自動的調節での使用の為の予測入札値を出力するように訓練される、請求項6又は7に記載の記憶媒体。
【請求項9】
実行時に、前記最適化モデルを使用して、前記統合測定記録に基づいて前記一以上の測定対象キャンペーンの各々のコストを判断し、これを受けて一以上の構成パラメータを変更するように前記DSPに自動的に信号送信して、前記特定製品の処方箋について最低コストを有する前記測定対象キャンペーンの少なくとも一つでの支払いを増加させることを、前記一以上の測定計算サーバデバイスに実施させる命令シーケンスを更に包含する、請求項8に記載の記憶媒体。
【請求項10】
実行時に、前記最適化モデルを使用して、入札リクエストデータと、個人及び人口統計データを包含する属性データ集合とを受理して、入札値の予測を出力することと、前記最適化モデルから出力される前記入札値予測を使用して前記DSPの入札部を更新することと、更新された前記入札部に基づいて前記DSPから一以上の広告を供与することとを前記一以上の測定計算サーバデバイスに実施させる命令シーケンスを更に包含する、請求項8又は9に記載の記憶媒体。
【請求項11】
コンピュータシステムであって、
一以上のプロセッサと、
前記プロセッサのうち一以上に結合されて、前記一以上のプロセッサによる実行時に、
第1反復時に自動的に実行することと、
一以上の健康管理属性による第1集合と関連する第1キャンペーン集合を指定するインプレッションデータをデマンドサイドプラットフォーム(DSP)から取得することであって、前記第1キャンペーン集合が、前記DSPにより実行される多様な複数のキャンペーンに内含されることと、
前記第1健康管理属性集合と関連する前記第1キャンペーン集合のデジタルインプレッションを受理した消費者を表す匿名化消費者トークンを含む複数の第1記録を取得することと、
前記第1健康管理属性集合と関連する前記第1キャンペーン集合のデジタルインプレッションを受理した健康管理者(HCP)を表すHCP識別子を含む複数の第2記録を取得することと、
データベースサーバで実行される分析命令を使用して、匿名化トークン化請求データ記録を包含するデータベースにアクセスすることであって、前記データ記録の各々が、指定製品の処方箋に関する少なくとも一つの請求に関係して前記消費者トークンの少なくとも一つ及び/又は前記HCP識別子の少なくとも一つを含有することと、
前記分析命令を使用して、前記請求データ記録と前記消費トークンの少なくとも一つ及び/又は前記HCP識別子の少なくとも一つに一以上のデータベース結合操作を実行して、前記多様な複数のキャンペーンのうち一以上の測定目標キャンペーンを指定する一以上の統合測定記録の結果集合を出力させることであって、前記一以上の測定目標キャンペーンが、前記消費者トークンの少なくとも一つ及び/又は前記HCP識別子の少なくとも一つと関連する少なくとも一つの請求データ記録での前記指定製品の処方箋と関連することと、
前記統合測定記録を前記データベースサーバから受理することと、
前記統合測定記録に基づいて一以上の分析レポートを生成して提示させることと、
前記データベースサーバへのポストコールを実行して、新規キャンペーンインプレッションデータを前記データベースサーバに登録することと、
前記新規キャンペーンインプレッションデータを使用して一以上の第2反復で前記命令を自動的に実行することと、
を前記一以上のプロセッサに実施させるように作動可能な命令を記憶する一以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体と、
を具備するコンピュータシステム。
【請求項12】
前記記憶媒体が更に、前記プロセッサのうち一以上による実行時に、前記匿名化トークン化請求データ記録と複数の前記第1記録又は複数の前記第2記録のうち少なくとも一方とから選択される特徴を包含する訓練データ集合を使用して機械学習モデルを訓練して最適化モデルを作成することをシステムに実施させる命令を包含し、前記機械学習モデルが、前記多様な複数のキャンペーンのうちのターゲットキャンペーンの為に、他のキャンペーンについての他の統合測定記録を受理すると共に、前記DSPの一以上のパラメータの自動的調節での使用の為の予測入札値を出力するように訓練される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記記憶媒体が更に、前記プロセッサのうち一以上による実行時に、前記最適化モデルを使用して、前記一以上の測定対象キャンペーンの各々のコストを前記統合測定記録に基づいて判断することと、これを受けて一以上の構成パラメータを変更するように前記DSPに自動的に信号送信して、前記特定製品の処方箋についての最低コストを有する前記測定対象キャンペーンの少なくとも一つへの支払いを増加させることとをシステムに実施させる命令を包含する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記匿名化トークン化請求データ記録と、匿名化消費者トークンを有するインプレッションデータ記録の少なくとも一つの集合、及び/又は、HCP識別子を有するインプレッションデータ記録の少なくとも一つの集合に対する一以上のデータベース結合操作を前記データベースサーバで実行される前記分析命令に基づいて、前記結果集合が生成される、請求項11から13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記匿名化消費者トークンの一つにより表される特定の消費者の少なくとも一人、或いは、前記多様な複数のキャンペーンのうちの特定キャンペーンに露出される前記HCP識別子の一つにより表される特定のHCPと関連する適格受診対話の総数を測定することにより、前記統合測定記録に基づいて一以上の分析レポートを作成して提示させることをシステムに実施させる命令を前記記憶媒体が更に包含し、前記特定のキャンペーンの特定の製品が、前記特定の消費者又は前記特定のHCPに関する特定の請求データ記録で指定される、請求項11から14のいずれか一項に記載のシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0177
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0177】
5. 拡張及び代替
前出の明細書には、実装ごとに変化し得る多数の特定の詳細を参照して開示の実施形態が記載されている。従って明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示と見なされる。本開示の範囲を示す唯一の排他的なものと、開示の範囲として出願人が意図しているものとは、一連の請求項の文字通りの範囲と、後の補正を含めてこのような請求項により特定の形で本出願から生じる請求項の同等範囲である。
〔付記1〕
コンピュータ実装方法であって、
測定サーバコンピュータを使用して、第1キャンペーン集合を指定するインプレッションデータを取得することであって、DSPにより実行される多様な複数のキャンペーンに前記第1キャンペーン集合が内含されることと、
前記測定サーバコンピュータを使用して、前記第1キャンペーン集合のデジタルインプレッションを受理した消費者を表す匿名化消費者トークンを含む複数の第1記録を取得することと、
データベースサーバで実行される分析命令を使用して、匿名化トークン化請求データ記録を包含するデータベースにアクセスすることであって、前記データ記録の各々が指定製品の処方箋に関する少なくとも一つの請求に関係して、前記消費者トークンの少なくとも一つを含有することと、
前記分析命令を使用して、前記請求データ記録及び消費者トークンで一以上のデータベース結合操作を実行して、前記多様な複数のキャンペーンのうち一以上の測定目標キャンペーンを指定する一以上の統合測定記録の結果集合を出力させることであって、前記一以上の測定目標キャンペーンが、前記消費者トークンの少なくとも一つと関連する少なくとも一つの請求データ記録での前記指定製品の前記処方箋と関連することと、
前記測定サーバコンピュータで、前記統合測定記録を前記データベースサーバから受理することと、
前記測定サーバコンピュータを使用して、一以上の分析レポートを生成して提示させることと、
前記測定サーバコンピュータを使用して、前記データベースサーバへのポストコールを実行して新規キャンペーンインプレッションデータを前記データベースサーバに登録することと、
を包含する方法。
〔付記2〕
前記統合測定記録に基づいて、前記測定目標キャンペーンの為に伝達される広告の一つと関連する処方箋記入行動の変化を判断することであって、前記測定目標キャンペーンが前記消費者トークンと関連することと、前記変化を前記分析レポートで提示することとを更に包含する、付記1に記載の方法。
〔付記3〕
前記複数の記録と前記匿名化トークン化請求データ記録とから選択される特徴を包含する訓練データ集合を使用して機械学習モデルを訓練して最適化モデルを作成することを更に包含し、前記機械学習モデルが、他のキャンペーンについての他の統合測定記録を受理すると共に、前記多様な複数のキャンペーンのうちのターゲットキャンペーンについて、前記DSPの一以上のパラメータの自動的調節に使用する為の予測入札値を出力するように訓練される、付記1に記載の方法。
〔付記4〕
前記最適化モデルを使用して、前記統合測定記録に基づいて前記一以上の測定対象キャンペーンの各々のコストを判断することと、これを受けて、一以上の構成パラメータを変更するように前記DSPに自動的に信号送信して、前記特定製品の処方箋について最低のコストを有する前記測定対象キャンペーンの少なくとも一つでの支払いを増加させることとを包含する、付記3に記載の方法。
〔付記5〕
前記最適化モデルを使用して、入札リクエストデータと、個人及び人口統計データを包含する属性データ集合とを受理して、入札値の予測を出力することと、前記最適化モデルからの入札値出力の予測を使用して前記DSPの入札部を更新することと、更新された前記入札部に基づいて前記DSPから一以上の広告を供与することとを更に包含する、付記3に記載の方法。
〔付記6〕
一以上の測定計算サーバデバイスによる実行時に、
前記測定サーバコンピュータを使用して、第1キャンペーン集合を指定するインプレッションデータを取得することであって、前記第1キャンペーン集合がDSPにより実行される多様な複数のキャンペーンに内含されることと、
前記測定サーバコンピュータを使用して、前記第1キャンペーン集合のデジタルインプレッションを受理した健康管理者(HCP)を表すHCP識別子を含む複数の記録を取得することと、
データベースサーバで実行される分析命令を使用して、匿名化トークン化請求データ記録を包含するデータベースにアクセスすることであって、前記データ記録の各々が、指定製品の処方箋に関する少なくとも一つの請求に関係して前記HCP識別子の少なくとも一つを内含することと、
前記分析命令を使用して、前記請求データ記録及びHCP識別子に一以上のデータベース結合操作を実行して、前記多様な複数のキャンペーンのうち一以上の測定目標キャンペーンを指定する一以上の統合測定記録の結果集合を出力させることであって、前記一以上の測定目標キャンペーンが、前記HCP識別子の少なくとも一つと関連する少なくとも一つの請求データ記録での前記指定製品の前記処方箋と関連することと、
前記測定サーバコンピュータで、前記統合測定記録を前記データベースサーバから受理することと、
前記測定サーバコンピュータを使用して、一以上の分析レポートを生成して提示させることと、
前記測定サーバコンピュータを使用して、前記データベースサーバへのポストコールを実行して、新規キャンペーンインプレッションデータを前記データベースサーバに登録することと、
を包含する方法を実施させる命令を記憶する一以上の非一時的記憶媒体。
〔付記7〕
実行時に、前記測定目標キャンペーンの為に伝達される前記広告の一つと関連する処方箋記入行動の変化についての前記統合測定記録に基づく判断を前記一以上の測定計算サーバデバイスに実施させる命令シーケンスを更に包含し、前記測定目標キャンペーンが、前記HCP識別子と関連し、前記変化を前記分析レポートに提示する、付記6に記載の記憶媒体。
〔付記8〕
実行時に、前記複数の記録と前記匿名化トークン化請求データ記録とから選択される特徴を包含する訓練データ集合を使用する機械学習モデルの訓練を前記一以上の測定計算サーバデバイスに実施させて最適化モデルを作成する命令シーケンスを更に包含し、前記機械学習モデルが、前記多様な複数のキャンペーンのうちのターゲットキャンペーンの為に、他のキャンペーンについての他の統合測定記録を受理すると共に、前記DSPの一以上のパラメータの自動的調節での使用の為の予測入札値を出力するように訓練される、付記6に記載の記憶媒体。
〔付記9〕
実行時に、前記最適化モデルを使用して、前記統合測定記録に基づいて前記一以上の測定対象キャンペーンの各々のコストを判断し、これを受けて一以上の構成パラメータを変更するように前記DSPに自動的に信号送信して、前記特定製品の処方箋について最低コストを有する前記測定対象キャンペーンの少なくとも一つでの支払いを増加させることを、前記一以上の測定計算サーバデバイスに実施させる命令シーケンスを更に包含する、付記8に記載の記憶媒体。
〔付記10〕
実行時に、前記最適化モデルを使用して、入札リクエストデータと、個人及び人口統計データを包含する属性データ集合とを受理して、入札値の予測を出力することと、前記最適化モデルから出力される前記入札値予測を使用して前記DSPの入札部を更新することと、更新された前記入札部に基づいて前記DSPから一以上の広告を供与することとを前記一以上の測定計算サーバデバイスに実施させる命令シーケンスを更に包含する、付記8に記載の記憶媒体。
〔付記11〕
コンピュータシステムであって、
一以上のプロセッサと、
前記プロセッサのうち一以上に結合されて、前記一以上のプロセッサによる実行時に、
第1反復時に自動的に実行することと、
一以上の健康管理属性による第1集合と関連する第1キャンペーン集合を指定するインプレッションデータをデマンドサイドプラットフォーム(DSP)から取得することであって、前記第1キャンペーン集合が、前記DSPにより実行される多様な複数のキャンペーンに内含されることと、
前記第1健康管理属性集合と関連する前記第1キャンペーン集合のデジタルインプレッションを受理した消費者を表す匿名化消費者トークンを含む複数の第1記録を取得することと、
前記第1健康管理属性集合と関連する前記第1キャンペーン集合のデジタルインプレッションを受理した健康管理者(HCP)を表すHCP識別子を含む複数の第2記録を取得することと、
データベースサーバで実行される分析命令を使用して、匿名化トークン化請求データ記録を包含するデータベースにアクセスすることであって、前記データ記録の各々が、指定製品の処方箋に関する少なくとも一つの請求に関係して前記消費者トークンの少なくとも一つ及び/又は前記HCP識別子の少なくとも一つを含有することと、
前記分析命令を使用して、前記請求データ記録と前記消費トークンの少なくとも一つ及び/又は前記HCP識別子の少なくとも一つに一以上のデータベース結合操作を実行して、前記多様な複数のキャンペーンのうち一以上の測定目標キャンペーンを指定する一以上の統合測定記録の結果集合を出力させることであって、前記一以上の測定目標キャンペーンが、前記消費者トークンの少なくとも一つ及び/又は前記HCP識別子の少なくとも一つと関連する少なくとも一つの請求データ記録での前記指定製品の処方箋と関連することと、
前記統合測定記録を前記データベースサーバから受理することと、
前記統合測定記録に基づいて一以上の分析レポートを生成して提示させることと、
前記データベースサーバへのポストコールを実行して、新規キャンペーンインプレッションデータを前記データベースサーバに登録することと、
前記新規キャンペーンインプレッションデータを使用して一以上の第2反復で前記命令を自動的に実行することと、
を前記一以上のプロセッサに実施させるように作動可能な命令を記憶する一以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体と、
を具備するコンピュータシステム。
〔付記12〕
前記記憶媒体が更に、前記プロセッサのうち一以上による実行時に、前記匿名化トークン化請求データ記録と複数の前記第1記録又は複数の前記第2記録のうち少なくとも一方とから選択される特徴を包含する訓練データ集合を使用して機械学習モデルを訓練して最適化モデルを作成することをシステムに実施させる命令を包含し、前記機械学習モデルが、前記多様な複数のキャンペーンのうちのターゲットキャンペーンの為に、他のキャンペーンについての他の統合測定記録を受理すると共に、前記DSPの一以上のパラメータの自動的調節での使用の為の予測入札値を出力するように訓練される、付記11に記載のシステム。
〔付記13〕
前記記憶媒体が更に、前記プロセッサのうち一以上による実行時に、前記最適化モデルを使用して、前記一以上の測定対象キャンペーンの各々のコストを前記統合測定記録に基づいて判断することと、これを受けて一以上の構成パラメータを変更するように前記DSPに自動的に信号送信して、前記特定製品の処方箋についての最低コストを有する前記測定対象キャンペーンの少なくとも一つへの支払いを増加させることとをシステムに実施させる命令を包含する、付記12に記載のシステム。
〔付記14〕
前記匿名化トークン化請求データ記録と、匿名化消費者トークンを有するインプレッションデータ記録の少なくとも一つの集合、及び/又は、HCP識別子を有するインプレッションデータ記録の少なくとも一つの集合に対する一以上のデータベース結合操作を前記データベースサーバで実行される前記分析命令に基づいて、前記結果集合が生成される、付記11に記載のシステム。
〔付記15〕
前記匿名化消費者トークンの一つにより表される特定の消費者の少なくとも一人、或いは、前記多様な複数のキャンペーンのうちの特定キャンペーンに露出される前記HCP識別子の一つにより表される特定のHCPと関連する適格受診対話の総数を測定することにより、前記統合測定記録に基づいて一以上の分析レポートを作成して提示させることをシステムに実施させる命令を前記記憶媒体が更に包含し、前記特定のキャンペーンの特定の製品が、前記特定の消費者又は前記特定のHCPに関する特定の請求データ記録で指定される、付記11に記載のシステム。
【外国語明細書】