(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128442
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】デジタルバイザを有するヘルメット
(51)【国際特許分類】
A42B 3/18 20060101AFI20220825BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20220825BHJP
G02F 1/1347 20060101ALI20220825BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
A42B3/18
G02F1/13 505
G02F1/1347
G02F1/133 580
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022024513
(22)【出願日】2022-02-21
(31)【優先権主張番号】17/181,208
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シンユー ファン
(72)【発明者】
【氏名】ベンズン パイアス ワイズリー バブ
(72)【発明者】
【氏名】リウ レン
【テーマコード(参考)】
2H088
2H189
2H193
3B107
【Fターム(参考)】
2H088EA35
2H088EA37
2H088MA20
2H189AA35
2H189HA16
2H189MA15
2H193ZA37
2H193ZH04
2H193ZH07
2H193ZH15
2H193ZH37
2H193ZH39
2H193ZH52
2H193ZR16
3B107CA02
3B107DA12
3B107EA19
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ヘルメットならびにヘルメットのデジタルバイザを制御するための方法およびシステムを提供する。
【解決手段】ヘルメット10は、それぞれ透明度を変更するように構成された複数の液晶ディスプレイ(LCD)ピクセル17を有するバイザスクリーン14,16を含む。また、ヘルメットは、入射光を検出するように構成された光センサも含む。また、ヘルメットは、バイザスクリーンおよび光センサ18に接続されたコントローラも含む。コントローラは、入射光に基づいて、複数のLCDピクセルの透明度を変更するように構成されている。実施形態において、コントローラは、入射光の方向および/または強度に基づいて、LCDピクセルの透明度を変更することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルメットであって、
それぞれ透明度を変更するように構成された複数の液晶ディスプレイ(LCD)ピクセルを有するバイザスクリーンと、
入射光を検出するように構成された光センサと、
前記バイザスクリーンおよび前記光センサに接続されており、入射光に基づいて、前記複数のLCDピクセルの透明度を変更するように構成されたコントローラと
を備える、ヘルメット。
【請求項2】
前記コントローラは、入射光の大きさが閾値を超えたことに応答して、前記複数のLCDピクセルを透明状態から不透明状態へ変更するように構成されている、請求項1記載のヘルメット。
【請求項3】
前記コントローラは、プロセッサと、前記プロセッサに接続されたメモリとを含み、
前記メモリは、前記プロセッサにより作用された際に、入射光の大きさが第1の閾値を超えたことに応答して、前記プロセッサに、前記LCDピクセルの所定の第1のサブセットの透明度を変更させる、請求項1記載のヘルメット。
【請求項4】
前記メモリは、前記プロセッサにより作用された際に、入射光の大きさが第2の閾値を超えたことに応答して、前記プロセッサに、前記LCDピクセルの所定の第2のサブセットの透明度を変更させる、請求項3記載のヘルメット。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記光センサにより入射光の方向を特定し、
前記複数のLCDピクセルのサブセットの透明度を変更する
ように構成されており、前記サブセットは、特定された前記入射光の方向に基づいて選択される、
請求項1記載のヘルメット。
【請求項6】
前記コントローラは、
前記光センサにより入射光の位置を特定し、
前記複数のLCDピクセルの透明度を、第1のグループのLCDピクセルの透明度が第2のグループのLCDピクセルの透明度よりも低くなるように変更する
ように構成されており、前記第1のグループは、前記第2のグループよりも検出された前記入射光の位置の近くに位置する、
請求項1記載のヘルメット。
【請求項7】
前記コントローラは、前記光センサにより入射光の方向を特定し、前記バイザスクリーンを移行させて、前記LCDピクセルの一部が他のLCDピクセルよりも不透明である傾斜パターンを呈するように構成されており、前記傾斜パターンは、特定された前記入射光の方向に基づいている、請求項1記載のヘルメット。
【請求項8】
前記ヘルメットを着用しているライダーの目の画像をキャプチャするように構成されたカメラをさらに備え、
前記コントローラは、前記ライダーの目の位置および入射光の方向を特定するように構成されており、
前記コントローラは、LCDピクセルのサブセットを選択し、前記LCDピクセルのサブセットの透明度を低下させるように構成されており、前記LCDピクセルのサブセットの選択は、特定された前記目の位置および特定された前記入射光の方向に基づいている、
請求項1記載のヘルメット。
【請求項9】
ヘルメットのデジタルバイザを制御するための方法であって、
前記ヘルメットに関連付けられた光センサにより入射光の方向を検出するステップと、
前記入射光の方向に基づいて、前記デジタルバイザの複数の液晶ディスプレイ(LCD)ピクセルの少なくとも1つのグループの透明度を低下させることにより、前記ヘルメットのデジタルバイザを暗化するステップと
を含む、方法。
【請求項10】
前記方法は、前記光センサにより入射光の強度を検出するステップをさらに含み、
前記暗化するステップは、前記入射光の強度が閾値を超えたことに応答して実行される、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、検出された環境光が第2の閾値を下回ったことに応答して、前記デジタルバイザ内の前記LCDピクセルの全てを完全透過モードとするように命令するステップをさらに含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、前記入射光の強度の上昇に基づいて、前記デジタルバイザをさらに暗化するステップをさらに含む、請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記さらに暗化するステップは、前記グループの外側の追加のLCDピクセルの透明度を低下させるステップを含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記さらに暗化するステップは、前記LCDピクセルのグループの透明度をさらに低下させるステップをさらに含む、請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、
カメラにより、前記ヘルメットを着用しているライダーの目の画像をキャプチャすることと、
キャプチャされた前記画像を処理して、前記ライダーの目の位置を特定することと
をさらに含み、
前記LCDピクセルのグループの透明度を低下させるステップにおいて、前記LCDピクセルのグループは、前記ライダーの特定された前記目の位置と特定された環境光源の位置との間に位置する、
請求項9記載の方法。
【請求項16】
ヘルメットの電子バイザスクリーンを制御するためのシステムであって、
ヘルメット着用者の目を遮蔽するように構成されたバイザスクリーンであって、
(i)不透明状態で、当該バイザスクリーンの対応する領域を通過する光を遮断し、
(ii)透明状態で、当該バイザスクリーンの対応する領域を光が通過することを可能にする
ようにそれぞれ構成された複数の液晶ディスプレイ(LCD)ピクセルを有する、バイザスクリーンと、
ヘルメットに装着されて、入射光の方向を検出するように構成された光センサと、
前記LCDピクセルのグループを前記透明状態から前記不透明状態へ移行させるように構成されたコントローラと
を備え、前記グループは、前記コントローラによる前記入射光の方向に基づいて前記移行のために選択される、
システム。
【請求項17】
前記コントローラは、前記グループ内の前記LCDピクセルを、完全に透明と完全に不透明との間で均一な透明度レベルに設定するように構成されている、請求項16記載のシステム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記グループ内の前記LCDピクセルを、前記グループ内の種々の透明度レベルを有する予め記憶された透明度パターンに設定するように構成されており、前記予め記憶された透明度パターンは、前記入射光の方向に基づいている、請求項16記載のシステム。
【請求項19】
前記光センサは、前記入射光の強度を検出するように構成されており、前記コントローラは、前記LCDピクセルのグループを前記入射光の強度に基づく透明度レベルに設定するように構成されている、請求項16記載のシステム。
【請求項20】
前記システムは、前記ヘルメットに装着されて、前記ヘルメット着用者の前記目の位置を検出するように構成されたカメラをさらに備え、
前記グループは、前記目の位置に基づいて前記移行のために選択される、
請求項16記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、デジタルバイザを有するヘルメットに関する。
【0002】
発明の背景
オートバイ用ヘルメットは、典型的には、ライダーの目を覆い、保護するためのフェイスシールドを有する。多くの一般的なオートバイ用ヘルメットでは、ライダーの目に直接に伝わる日光の量を減らすために、フェイスシールドを着色するオプションが提供されている。一部のヘルメットは、フェイスシールドを覆うように跳ね下げることができる着色サンバイザを有する。一部のヘルメットモデルでは、バイザは、展開可能な2次シールドとしてヘルメットに内蔵されている。場合によっては、バイザは、ヘルメット上のボタンを使用することにより展開することができる。別のオプションとして、一部のヘルメットは、フェイスシールド自体に製造された着色機構を有する。
【0003】
発明の概要
一実施形態によれば、ヘルメットは、それぞれ透明度を変更するように構成された複数の液晶ディスプレイ(LCD)ピクセルを有するバイザスクリーンを含む。また、ヘルメットは、入射光を検出するように構成された光センサも含む。また、ヘルメットは、バイザスクリーンおよび光センサに接続されたコントローラも含む。コントローラは、入射光に基づいて複数のLCDピクセルの透明度を変更するように構成されている。
【0004】
別の実施形態によれば、ヘルメットのデジタルバイザを制御するための方法は、ヘルメットに関連付けられた光センサにより入射光の方向を検出するステップを含む。また、この方法は、入射光の方向に基づいてデジタルバイザの複数の液晶ディスプレイ(LCD)ピクセルの少なくとも1つのグループの透明度を低下させることにより、ヘルメットのデジタルバイザを暗化するステップも含む。
【0005】
別の実施形態によれば、ヘルメットの電子バイザスクリーンを制御するためのシステムは、ヘルメット着用者の目を遮蔽するように構成されたバイザスクリーンであって、(i)不透明状態で、バイザスクリーンの対応する領域を通過する光を遮断し、(ii)透明状態で、バイザスクリーンの対応する領域を光が通過することを可能にする、ようにそれぞれ構成された複数の液晶ディスプレイ(LCD)ピクセルを有するバイザスクリーンを含む。また、このシステムは、ヘルメットに装着されて、入射光の方向を検出するように構成された光センサも含む。また、このシステムは、LCDピクセルのグループを透明状態から不透明状態へ移行させるように構成されたコントローラも含む。ここで、このグループは、コントローラによる入射光の方向に基づいて移行のために選択される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態に係るデジタルバイザを有するヘルメットの斜視図である。
【
図2A】一実施形態に係るデジタルバイザの制御を可能にするヘルメット用のシステム設計の例を示す図である。
【
図2B】別の実施形態に係るデジタルバイザの制御を可能にするヘルメット用のシステム設計の例を示す図である。
【
図3A】全体が透明状態にあるデジタルバイザの少なくとも一部の簡略化されたブロック図である。
【
図3B】少なくとも一部の光の領域の通過を遮断するための不透明な部分領域を示すブロック図である。
【
図4A】デジタルバイザが着用者の目の前に下ろされている、一実施形態に係る不透明状態に制御されたバイザの領域を有するデジタルバイザを有するヘルメットの斜視図である。
【
図4B】着用者の目を覆う箇所から離れるように上げられているデジタルバイザを有する
図4Aのヘルメットの斜視図である。
【
図5A】一実施形態に係る検出された入射光の位置に基づいて、その透明度に傾斜パターンを呈するように制御されたデジタルバイザを有するヘルメットの正面図である。
【
図5B】別の実施形態に係る検出された入射光の位置に基づいて、その透明度に傾斜パターンを呈するように制御されたデジタルバイザを有するヘルメットの正面図である。
【
図6】一実施形態に係るデジタルバイザの制御を示すフロー図である。
【
図7】別の実施形態に係るデジタルバイザの制御を示すフロー図である。
【0007】
発明を実施するための形態
本開示の実施形態を本明細書に記載する。ただし、開示している実施形態は単に例示に過ぎず、他の実施形態は種々の代替的な形態をとりうると理解されたい。図面は必ずしも縮尺通りではなく、幾つかの特徴につき特定の構成要素の詳細を示すために誇張しまたは縮小したところがある。したがって、本明細書に開示された特定の構造的かつ機能的な詳細は限定として解釈されるべきではなく、単に、実施形態の種々の利用を当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。当業者に理解されるように、図のいずれか1つを参照して図示および説明される種々の特徴は、明示的に図示または説明されていない実施形態を形成するために1つ以上の他の図に図示されている特徴と組み合わせることができる。図示の特徴の組み合わせにより、典型的な用途のための代表的な実施形態が提供される。ただし、本開示の教示と一致する特徴の種々の組み合わせおよび修正が特定の用途または実現に望ましい場合がある。
【0008】
オートバイ用ヘルメットは、典型的には、ライダーの目を覆い、保護するためのフェイスシールドを有する。多くの一般的なオートバイ用ヘルメットでは、ライダーの目に直接に伝わる日光の量を減らすために、フェイスシールドを着色にする選択肢が提供される。一部のヘルメットは、フェイスシールドを覆うように跳ね下げることができる着色サンバイザを有する。一部のヘルメットモデルでは、バイザは、展開可能な2次シールドとしてヘルメットに内蔵されている。場合によっては、バイザは、ヘルメット上のボタンを使用することにより展開することができる。別のオプションとして、一部のヘルメットは、フェイスシールド自体に製造された着色機構を有する。
【0009】
これらのバイザの使用は運転中には煩わしく、ライダーがサンバイザを展開するまたは跳ね下ろすために、オートバイのハンドルバーから手を放す必要がある場合がある。これは危険となりうる。さらに、ライダーの目を保護するために、バイザが跳ね下げられまたは展開された場合に、必要以上に視野が暗くなることもある。これは、直射日光がフェイスシールドの特定の領域のみを通って到来している場合に、フェイスシールドを通して見た環境全体が着色されまたは暗化されることがあるからである。
【0010】
したがって、本明細書に記載する種々の実施形態によれば、デジタルバイザを備えたオートバイ用ヘルメットが提供される。デジタルバイザは、電子的に制御して、その透明度のレベルを変更することができるピクセルを含む。ヘルメットまたはオートバイ上のセンサ、例えば、カメラ、環境光センサ、アイトラッカ等を使用して、バイザの着色を制御することができる。例えば、1つ以上のセンサは、ヘルメットに対して太陽または明るい日光の方向を特定し、検出された光がライダーの目に直接に入ることを遮断すべく、デジタルバイザの対応する領域内のピクセルの不透明度を上昇させることができる。以下に、図面を参照しながら、更なる説明を提供する。
【0011】
図1に、一実施形態に係るヘルメット10が示されている。ヘルメットは、オートバイ用ヘルメットまたは自転車用ヘルメットでありうるが、本開示の教示はこれらのヘルメットに限定されない。また、ヘルメットは、航空機(パイロット)用ヘルメットまたは全地形車両(ATV)ドライバー、ダートバイクドライバー、デュアルスポーツドライバー、レースカードライバー(例えば、NASCAR、INDYCAR等)用ヘルメット等であってもよい。
【0012】
ヘルメット10は、パディング、衝撃吸収ライナー、または構造体および電子機器を含むことができる剛性の外側シェル12を含む。また、ヘルメットは、着用者の顔および目を遮蔽するように構成されたフェイスシールド14を含む。フェイスシールド14は、ヘルメットの残りの部分に対して移動できないよう、外側シェル12に対して固定されるかまたは他の方法でしっかりと取り付けられうる。すなわち、フェイスシールド14は、着用時に着用者の目を常に覆うための常時シールドである。なお、他の実施形態では、フェイスシールド14は可動であってもよい。フェイスシールド14は、例えば、取り外し可能に取り付けられるものであってもよく、または外側シェル12の内部で上下にスライドされるものであってもよい。
【0013】
また、ヘルメット10は、保護バイザ16を含む。この実施形態のバイザ16はフリップダウンバイザであり、これは、フェイスシールド14を覆うために跳ね下ろすまたは跳ね上げることが可能である。バイザ16は、
図1では、上げられた非使用位置にあって、ヘルメット10を着用している着用者の視界から外れた状態で示されている。バイザ16は、フェイスシールド14または着用者の目を覆うように下ろされる際に、着用者の目に対する日光またはぎらつきを低減するように遮光されまたは着色されうる。
【0014】
フェイスシールド14および/またはバイザ16のいずれか一方または両方は、デジタルスクリーンを備えることができる。
図1に示された実施形態は、示されたピクセル17のグリッドにより表されるデジタルスクリーンを有するフェイスシールド14およびバイザ16の両方を示している。なお、ピクセル17のグリッドは、縮尺通りでなく、例示の目的のために拡大されているところがある。各正方形ピクセル17は、個々のピクセル17のグループであってもよい。さらに、
図1では、フェイスシールド14およびバイザ16の両方がピクセル17のデジタルスクリーンを有するように示される。これは、単に例示的なものであり、当然ながら、フェイスシールド14および/またはバイザ16のいずれか一方または両方が本明細書に記載されたデジタル機能を含むことができる。したがって、本開示の目的で、「デジタルバイザ」または「バイザスクリーン」への言及は、本明細書に記載されたデジタル機能を備えたフェイスシールド14またはバイザ16のいずれも指す場合がある。すなわち、「デジタルバイザ」なる用語は、
図1のフェイスシールド14のようにヘルメット10に対して固定することができるもの、または
図1のフリップダウンバイザ16のようにヘルメット10に対して動かすことができるものを指す。
【0015】
多くの公知のフリップダウンバイザは、ヘルメット着用者にシェードを提供するという主な目的を有する。したがって、本明細書に記載されたデジタルバイザは、幾つかの実施形態では、フリップダウンバイザを完全に置き換えることができ、代わりに、フェイスシールド14自体にデジタルシェーディング技術を組み込むことができる。
【0016】
デジタルバイザは、フェイスシールド14またはバイザ16に組み込まれているかどうかにかかわらず、バイザの第1の部分が透明となり、バイザの第2の部分が不透明または非透明となるように、自動的に制御することができる。実施形態において、デジタルバイザまたはバイザスクリーンは液晶ディスプレイ(LCD)スクリーンであってもよく、ピクセル17はLCDピクセルであってもよい。バイザスクリーン内の個々のピクセル17または領域は、ドライバーの目のために日光が遮断されるよう、不透明となるように命令することができ、一方、バイザスクリーンの他の領域は、視野が維持されるように透明とすることができる。要するに、バイザスクリーン14,16の一部のみを不透明となるように命令し、一方、バイザスクリーン14,16の残りの部分を半透明となるように命令することができる。
【0017】
そのために、ヘルメット10は、入射光を検出するように構成された光センサ18を備える。光センサ18は、ヘルメット10内の環境光または入射光を検出することができる位置、例えばヘルメット10のクラウンまたは頂部に装着し、または他の形式で取り付けることができる。光センサ18は、環境光の強度および方向の両方を検出し、測定することができる。実施形態において、光センサ18は、コリメータまたは偏光子を利用して、光センサに対する入射光源の方向を決定する。実施形態において、光センサ18は、参照光源の相対位置に基づいた較正に使用される外部方向コンポーネントを有する。コリメータは、位置センシング光検出器と関連して、コリメートされた光ビームにより1つ以上の電極に誘起された電荷の量に関する情報を収集するために使用される。電極からの情報は、光の入射方向を導出するために使用される。実施形態において、光センサ18は、球形(例えば、半球形)表面上に分布された光検出器を実装しており、入射光によりどの光検出器が活性化されたかに基づいて、入射光の方向を決定する。実施形態において、光センサ18は、偏光フィルタを使用して、異なる方向からの光を一意に偏光し、検出された偏光の種類に基づいて、入射光の方向を検出する。代替的に、光センサ18は、誘電体層(または誘電体層のスタック)と、この誘電体層に対して結合された複数の光検出器と、誘電体層内に埋め込まれた不透明スラットの複数のスタックとを含む。ここで、誘電体層は、入射光に対して実質的に透明であり、光検出器は、誘電体層を通る入射光を検出し、不透明スラットのスタックは、誘電体層と光検出器との間の界面に対してほぼ平行である。不透明スラットのスタックは、不透明スラットの隣接するスタック間の光開口を画定し、不透明スラットのスタックの少なくとも一部は、不透明スラットの他のスタックに対してゼロ以外の角度で配置されている。要するに、光センサは、入射光の強度と方向との両方を検出し測定するように構成され、光センサは、このための各種の構造的形態のうちの1つをとることができる。
【0018】
図2A~
図2Bに、ヘルメットのバイザスクリーンの制御の実施形態のフローチャートまたはシステム図が示されている。
図1と共に
図2Aの実施形態を参照すると、ヘルメット10は光センサ18を含む。光センサ18により出力された信号は、プロセッサ20に送られる。当該プロセッサは、光センサ18およびメモリ(または記憶装置)22およびデジタルバイザスクリーン24(フェイスシールド14および/またはバイザ16に組み込まれている場合がある)に通信可能に接続されている。プロセッサ20は、デジタルバイザスクリーン24の半透明度または不透明度を変更するために、メモリ22に記憶された命令を実行するようにプログラムされている。特に、スクリーン24は、グリッド形状に配置された複数の独立して動作可能なLCDピクセルおよび/またはLCDシャッタを有する液晶ディスプレイ(LCD)スクリーンであることができる。各ピクセルは、プロセッサ20により選択的に、少なくとも2つの光学状態、すなわち(1)各ピクセルがスクリーン24の各領域の光の通過を遮断する不透明状態および(2)各ピクセルがスクリーン24の各領域の光の通過を可能にする透明状態のうちの一方において動作するように構成されている。ただし、任意の数の中間的な光学状態も可能である場合もあることが理解されるであろう。プロセッサ20はこのようにスクリーン24を制御すべく動作するため、プロセッサ20を「コントローラ」と称することもでき、またはスクリーン24のピクセルを制御する動作を物理的に実行する別個のコントローラに接続することもできる。さらに、不透明状態と透明状態とは、必ずしも100%不透明な特性および100%透明な特性をそれぞれ示すものではない。そうでなく、不透明状態は、単に、透明状態に比べて、多くの光が各領域を通過することを遮断するものである。スクリーン24は、代わりに、LCDピクセル以外の技術を利用することができ、シャッタスクリーンは、その光学的透明度を調整するために、電気的、磁気的かつ/または機械的に制御可能なシャッタピクセルを有する任意のタイプのパネルを利用できることが理解されるであろう。例えば、スクリーン24は、オフ(例えば透明)、オン(例えば黒色などの暗色)となるように制御可能な発光ダイオード(LED)のグリッドを含むことができる。
【0019】
スクリーン24がプロセッサ20により操作可能なLCDスクリーンである場合、スクリーン24は、実施形態によれば、以下のように動作させることができる。スクリーン自体は、白色照明システムがガラスのすぐ後ろに配置された、液晶を有するガラスの薄い層を備えることができる。各単一ピクセルは、複数(例えば3つ)の「サブピクセル」により構成されていることができ、各サブピクセルは、異なる色、例えば、赤色、青色および緑色を生成することができる。電流によりアクティブ化されると、サブピクセルは「シャッタ」として機能する。電流の強度に応じて、ピクセルは、多かれ少なかれ「閉じた状態」となる。この遮断(または部分的遮断)は、光の通過に対して垂直に行われる。これらの3つの層の混合により、スクリーン24上に見える実際の最終色が作り出される。同様に、3つ全てのサブピクセルが「開いた状態」(または「非着色」)にある場合には、バックライトは変更なしにサブピクセルを通過する。この場合、結果として、ピクセルの領域の透明なドットが生じる。このように、ある領域を透明にするには、その領域におけるLCDピクセルが通電される。
【0020】
また、スクリーン24は、プロセッサ20により操作可能な有機発光ダイオード(OLED)スクリーンであることができる。このような実施形態では、スクリーンは、発光層および導電層を有するアドレス指定可能なLEDセットの両側に2つのガラス層を含むことができる。電気的インパルスが導電層を通って移動し、発光層で光を生成する。このように、ある領域を透明にするには、単にOLEDスクリーンへの通電が行われない。ただし、OLEDは、直射日光を効果的に遮断することにとって有益でありうる暗色(例えば黒色)の形成が困難である。
【0021】
LCDおよびOLEDスクリーンに関する上で提示した例は、デジタルバイザスクリーン24として使用可能な透明ディスプレイの単なる例であると理解されたい。他の利用可能な技術もスクリーン24として利用することができる。プロセッサ20およびメモリに記憶された命令により制御されるように、本明細書に記載の例示的なスクリーン技術のいずれかを利用して、スクリーンは、(1)スクリーンの領域が不透明であって日光の少なくとも一部を遮断する不透明状態と(2)領域がスクリーン24の各領域の光の通過を可能にする透明状態との間で変化するように構成されている。
【0022】
プロセッサ20は、中央処理装置(CPU)、ディスプレイコントローラおよび/またはグラフィックス処理装置(GPU)の機能を実装する1つ以上の集積回路を含むことができる。幾つかの例では、プロセッサ20は、CPUとGPUとの機能を一体化したシステムオンチップ(SoC)である。SoCは、場合により、他のコンポーネント、例えば記憶装置22等を単一の一体化デバイスに含むことができる。他の例では、CPUとGPUとは、周辺接続装置、例えばPCIエクスプレスまたは他の適切な周辺データ接続部を介して相互に接続されている。一例では、CPUは、命令セットを実装する市販の中央処理装置、例えばx86、ARM、PowerまたはMIPS命令セットファミリのうちの1つである。プロセッサは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルロジックデバイス、ステートマシン、論理回路、アナログ回路、デジタル回路またはメモリ内に存在するコンピュータ実行可能命令に基づいて信号(アナログまたはデジタル)を操作する任意の他のデバイスから選択される1つ以上のデバイスを含むことができる。
【0023】
本明細書に記載したプロセスおよび論理フローは、入力データに対して動作させて出力を形成することでアクションを実行するために、1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラマブルプロセッサにより実行することができる。また、このプロセスおよび論理フローは、専用論理回路、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)または特定用途向け集積回路(「ASIC」)によっても実行することができ、装置はこれらとしても実装することができる。このような専用回路は、汎用プロセッサでない場合であっても、コンピュータプロセッサと称することができる。
【0024】
仕様にかかわらず、動作中に、プロセッサ20は、メモリまたは記憶装置22から取り出される記憶されたプログラム命令を実行する。記憶装置22は、プロセッサ20によりアクセスされると、スクリーン24の1つ以上のピクセル17またはピクセル17の領域の半透明度および/または不透明度を変更するための命令の実行を可能にするように構成されうる。記憶装置22は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(「SRAM」)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(「DRAM」)、フラッシュメモリ、キャッシュメモリまたは情報を記憶可能な任意の他の装置を含む(が、これらに限定されない)、単一のメモリデバイスまたは複数のメモリデバイスを含むことができる。不揮発性メモリは、ソリッドステートメモリ、例えば、NANDフラッシュメモリ、磁気および光記憶媒体またはデジタルバイザスクリーン24が非アクティブ化されまたは電力を失ったときにデータを保持する任意の他の適切なデータ記憶デバイスを含む。不揮発性記憶装置に存在するプログラムは、オペレーティングシステムまたはアプリケーションを含みまたはその一部であることができ、また、これを、Java、C、C++、C#、Objective C、Fortran、Pascal、Java Script、Python、PerlおよびPL/SQLのいずれかを単独でまたは組み合わせで含む(が、これらに限定されない)各種のプログラミング言語および/または技術を使用して作成されたコンピュータプログラムからコンパイルしまたは解釈実行することができる。揮発性メモリは、デジタルバイザスクリーンの動作中に、プログラム命令およびデータを記憶するスタティックおよびダイナミックランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。メモリ22は、プロセッサ20によりアクセスされると、プロセッサ20に、1つ以上のピクセル17を選択することによりデジタルバイザスクリーン24を変更させて透明度を調整するように構成されている。1つ以上のピクセル17の選択は、その1つ以上のピクセル17に対して命令された不透明度または透明度のレベルと共に、光センサ18から受信された信号、例えば入射光の方向および大きさに基づく。
【0025】
図3Aは、透明状態にあるデジタルバイザスクリーン24の簡略化されたブロック図であり、
図3Bは、不透明状態にあるスクリーン24の領域を有するスクリーン24の簡略化されたブロック図である。これらの図に示されたバイザスクリーン24は、バイザスクリーン24全体の一部分のみを表し、また縮尺通りでないところがある。例えば、これらの図に示されたスクリーン24は、32個のピクセル17のアレイを有する。ただし、実際には、バイザスクリーン24全体では、より多くの(例えば、数百または数千の)ピクセルを含むことができる。ピクセル17のアレイは、グリッド形状に配列されている。この実施形態では、ピクセルのグリッドは、4つの列および8つの行に配列されたS1~S32(すなわち、4×8グリッド形状)と標識付けされたピクセルを含む。ただし、スクリーン24は、任意の適切な数の行および列に配置された任意の数のピクセル17を含みうることが理解されるであろう。さらに、ピクセルは、種々の形状およびサイズのピクセルを有する非矩形および/または不規則な形状で配置することができる。
【0026】
少なくとも1つの実施形態では、バイザスクリーン16は、ピクセル17のアレイ(S1~S32)を取り囲みかつ/または収容し、ピクセル17のアレイを一緒に固定しかつ/または保持するように構成された境界またはベゼル30を含む。バイザスクリーン24は、これらのピクセルを有するLCDスクリーンであってもよいが、当然ながら、他の実施形態では、ピクセルおよび/または光源のタイプを変更することができる。ピクセル17は、個々のピクセルおよび/またはピクセル17の行もしくは列を制御するドライバ回路に接続可能である。
【0027】
また、バイザスクリーン24は、コントローラまたはプロセッサ20を個々のピクセル17および/またはドライバ回路に接続し、ドライバ回路を個々のピクセルに接続し、かつ/またはバイザスクリーン24を電源に接続するように構成された電子コネクタ32も含むことができる。コントローラまたはプロセッサ20およびドライバ回路は、適切な電圧、電流、データおよび/または他の信号を、コネクタ32を介してバイザスクリーン24に提供して、ピクセル17を動作させ、その光学状態を制御する(すなわち、各ピクセルが不透明状態にあるかまたは透明状態にあるかを制御する)ように構成されうる。幾つかの実施形態では、特定のデータ(例えば、どのピクセルが不透明であり、どのピクセルが透明であるかの識別)または他の信号が、コネクタ32を介してピクセル17からプロセッサまたはコントローラ20に送り返される。
【0028】
図3Aに、ピクセル17のアレイ全体が透明状態にあるバイザスクリーン24が示されている。
図3Bには、ピクセル32の少なくとも一部(S12~S15,S18~S21およびS28~S31)が不透明状態にあるスクリーン24が示されている。バイザスクリーン24のこの不透明領域は、
図4~
図5(これらの図については以下に説明する)における不透明領域に対応することができる。上述したように、このことは、ピクセル17を不透明または「閉じた状態」とし、これにより環境光源(例えば、太陽)からの光を透過させないように少なくとも部分的に遮断することにより達成することができる。
【0029】
コントローラまたはプロセッサ20は、透明モードから不透明モードへの移行のために、透明モードにあるバイザスクリーン16の残り部分を維持しつつ、バイザスクリーン16の領域を選択する。これにより、ヘルメット着用者の目を陰にすることに役立つバイザスクリーン16の領域が暗化され、一方で不必要に視野を妨害しないよう、入射光(例えば日光)に対して位置合わせされていない領域は暗化されない。これにより、バイザスクリーン16に対して、局所化された領域を暗化する制御が可能となり、視野を不必要に暗化することなく、特に着用者の目を陰にすることに役立つ。
【0030】
暗化のためにコントローラもしくはプロセッサ20により選択される特定のピクセル17および/またはコントローラもしくはプロセッサ20により命令される暗化の量は、入力(例えば、光センサ18からの信号)または幾つかの入力に基づくことができる。
図2Aに、光センサ18がこの選択のための主入力として機能する簡略化された実施形態が示されており、
図2Bに、追加の入力能力が図示されるより複雑な実施形態が示されている。例えば、示されている実施形態では、システムまたはヘルメット10は、内向きカメラ40、外向きカメラ42およびアイトラッカのうちの1つ以上を含むことができる。
【0031】
内向きカメラ40は、ヘルメット10内に、ヘルメット着用時に着用者の顔に面するような位置に装着されることができる。内向きカメラ40は、着用者の顔の少なくとも1つの位置、例えば、着用者の目の照明レベルを検出するように構成されていることができる。例えば、内向きカメラは、ピクセル17が透明モードから不透明モードへ移行するときに、着用者の顔に適用される影の変化をモニタリングすることができる。入射光の方向に基づいてコントローラ20がピクセル17の特定のグループを暗化するように命令する場合、内向きカメラ40は、着用者の顔の色の変化を検出することができる。適切な影が配置されることを保証するために、カメラ40およびこれに関連付けられたプロセッサは、着用者の目の検出された位置に影が適用されたことを保証することができる。すなわち、内向きカメラ40は、着用者の目の上に影が維持されるように、システム上のチェックとして機能することができる。不透明モードに移行するように選択されたピクセル17が所望の位置、例えば内向きカメラ40により検出された着用者の目の上に影を配置しない場合、コントローラは他のピクセルを選択することができる。
【0032】
また、内向きカメラ40は、デジタルバイザスクリーンシステムの起動時に、どのピクセル17を不透明モードへ移行させるかの制御に使用することができる。幾つかの実施形態では、コントローラ20は、関心対象である少なくとも1つの位置のベースライン照明レベルを特定するように構成されている。特に、コントローラ20は、着用者の顔またはとりわけ、着用者の目におけるベースライン照明レベルを特定するように構成されうる。コントローラ20は、バイザスクリーン24の各ピクセルを不透明状態で動作させるべきかまたは透明状態で動作させるべきかを特定するために、各画像フレーム内の照明レベルと特定されたベースライン照明レベルとを比較することにより、照明レベルの変化を特定するように構成されうる。ベースライン照明レベルおよび検出される変化は、着用者の特徴、例えば、皮膚の色、目の色、顔の毛、顔の特徴等、および着用者が身に着けているもの、例えばサングラス、眼鏡または他の光を遮る物品に応じて変化することが理解されるであろう。さらに、検出された照明レベルの変化は、照明環境の変化またはバイザスクリーン24のピクセルのうちの1つ以上のピクセルの光学状態の変化の結果である場合があることも理解されるであろう。
【0033】
コントローラ20は、内向きカメラ40により検出された少なくとも1つの関心位置の照明レベルおよび/または照明レベルの変化が所定の閾値を超えたことに応答して、バイザスクリーン24の少なくとも1つのピクセル17を不透明状態で動作させるように構成されうる。少なくとも1つの実施形態では、コントローラ20は、所定の閾値を超えるヘルメット着用者の顔の照明レベルおよび/もしくは照明レベルの変化に応答して、またはとりわけ所定の閾値を超える着用者の目の照明レベルおよび/もしくは照明レベルの変化に応答して、バイザスクリーン24の少なくとも1つのピクセル17を不透明状態で動作させるように構成されている。
【0034】
コントローラ20は、少なくとも1つの関心位置に当たる光を遮断するように、不透明状態で作動させるバイザスクリーン24の少なくとも1つのピクセルを選択するように構成されていることができる。特に、少なくとも1つの実施形態では、コントローラ20は、着用者の顔またはとりわけ着用者の目に当たる光が遮断されるよう、不透明状態で動作させるバイザスクリーン24の少なくとも1つのピクセル17を選択するように構成されている。このように、コントローラ20は、バイザスクリーン24のピクセル17を動作させて、少なくとも1つの関心位置、例えばカメラ40により検出された着用者の顔および/または目の照明レベルを低減するように構成されている。
【0035】
外向きカメラ42を、光センサ18と共にまたはその代わりに利用することができる。外向きカメラ42は、入射光の位置、例えば太陽の位置または太陽光反射を検出するように構成されうる。外向きカメラ42からの入射太陽光を検出するための種々の実施形態が企図される。例えば、キャプチャされた画像から日光の方向についての強度分布をマッピングする回帰関数を実装することができる。ヘルメット10に対する日光または検出された入射光の位置に基づいて、コントローラ20は、不透明モードへの移行のために(またはより不透明とするために)、ピクセル17のうちの1つ以上を選択することができる。選択されたピクセル17は、入射光の位置に対応していてもよい。例えば、入射光が着用者の前方かつ右側に位置するものとして検出された場合、暗化のために選択されるピクセル17は(着用者の視点から見て)バイザスクリーン24の右上隅に位置しうる。この種のプロセスを、入射光の位置および/または強度を特定するために光センサ18が利用される、
図2Aに示された実施形態においても利用することができる。
【0036】
また、ヘルメット10または制御システムは、アイトラッカ44も含むことができる。アイトラッカ44は、着用者の目の位置を検出しかつ追跡するように構成されたサブシステムであることができる。アイトラッカサブシステム44は、カメラ、例えば内向きカメラ40を含むことができる。また、アイトラッカ44は、着用者の目に近赤外光のパターンを作り出すように構成されたプロジェクタも含むことができる。アイトラッカのカメラは、着用者の目の高解像度画像と目に投影されたパターンとを撮影することができる。ついで、機械学習、画像処理および/または数学的アルゴリズムを使用して、目の位置および注視点を特定することができる。このため、アイトラッカは、目の位置だけでなく、目が見ている場所も特定することができる。この情報に基づいて、プロセッサ20は、着用者の目が見ている方向と位置合わせされた暗化のための1つ以上のピクセル17を選択することができる。ドライバーが異なる位置を見たりまたは注視したりすると、これに応じて、バイザスクリーン24は、着用者が見ている領域に位置合わせされたピクセル17を暗化することができ、一方で残りのピクセルを透明状態に維持することができる。
【0037】
内向きカメラ40が利用される実施形態では、顔認識または目の検出により、どのピクセルを暗化するかを指示することができる。一実施形態では、カメラ40によりキャプチャされた画像からの画像データが、顔検出、顔位置合わせ、3D再構成等を含むことができる顔認識のために分析される。例えば、記憶装置22は、顔認識モデルまたは他の同様のモデルを含むことができる。顔認識モデルは、例えば、OpenFaceまたは同様の利用可能な機械学習モデルであることができる。モデルは、例えばDLIBまたはOpenCVからの予め訓練されたモデルであってもよい。画像は、最初、顔を検出して顔の周りにバウンディングボックスを配置するために分析されうる。検出された顔は、ニューラルネットワーク用に変換可能である。例えば、OpenFaceでは、DLIBのリアルタイム姿勢推定をOpenCVのアフィン変換と共に使用して、クロッピングのために各画像上の同じ位置に目および下唇を現すことを試みる。一般的に顔が表された超球面上に顔を表現する(または埋め込む)ために、ディープニューラルネットワークを使用することができる。クラスタリング、類似性検出、および分類タスクを、顔認識タスクを完了させるために実装することができる。顔認識モデルは、関連付けられたプロセッサがリアルタイムでキャプチャされた画像におけるドライバーの目の存在および位置を知ることを可能にしうる。プロセッサは、不透明となったときにヘルメット着用者の目への入射光または直射日光を遮断するバイザスクリーン24内の対応するピクセル(またはピクセルのグループ)と画像データ内の特定の目の位置とを関連付けるように較正可能または予め訓練可能である。また、この較正は、太陽の位置も考慮に入れることができる。例えば、システムの較正は、入力として、(例えば、光センサ18から検出された)入射光の位置およびヘルメット着用者の検出された目の位置を受け取ることができ、入射光が着用者の目に直接に入ることを遮断するために、バイザスクリーン24の対応する領域に対して不透明状態に移行するように命令することができる。
【0038】
選択されたピクセルが不透明となって、着用者の顔に影を投影すると、カメラ40または他のセンサは、運転者の顔に影が存在することを検出して、影が着用者の目の検出された位置に位置合わせされることを保証することができる。
【0039】
ヘルメット着用者の目の存在および位置を検出するための顔認識モデルの上記の説明は一例に過ぎない。他の顔認識モデルも存在し、同様の機能、すなわち着用者の目の位置、入射光の位置および強度を検出し、バイザスクリーン24の対応する領域を暗化して、入射光が着用者の目に直接に入る位置以外の位置でスクリーン24を通過できるようにする機能を実行するように実装することができる。
【0040】
カメラ40の代わりにまたはこれに加えて、サーマルセンサを利用することができる。このような実施形態では、サーマルカメラは、着用者の頭部からの熱を検出することができ、対応する制御アルゴリズムまたは機械学習システムは、サーマルカメラからの熱の特徴に基づいて、着用者の目の存在および位置と共に、着用者の頭部の存在および位置を検出することができる。
【0041】
本明細書において説明しているように、暗化のためのピクセルの選択および暗化の量を含むデジタルバイザスクリーン24の制御は、幾つかの入力に基づいて、コントローラ20により命令することができる。一実施形態では、光センサ18は、コントローラ20に入力を供給する唯一のセンサである。他の実施形態では、内向きカメラ40、外向きカメラ42、アイトラッカ44等を含む1つ以上の他のセンサを設けることができる。
【0042】
図4A~
図4Bに、暗化のために選択されたピクセル17の一部を有するヘルメット10の実施形態が示されている。この実施形態では、ヘルメット10は、(例えば、入射光の方向および強度を検出するように構成された)上記の光センサ18を含み、バイザ24の制御のためにコントローラ20に入力を提供する他のセンサはない。一方、他の実施形態では、上述したようなセンサが提供される。
【0043】
図4A~
図4Bを参照すると、
図4Aに、着用者の目を覆うように下ろされたバイザ(例えば、デジタルバイザスクリーン24を有する)を備えたヘルメット10が示されており、
図4Bに、下にあるフェイスシールド14または着用者の目が露出される開口部を露出させるために上げられたデジタルバイザスクリーン24が示されている。ここでも、バイザスクリーン24はLCDピクセル17のグリッドを伴って示されており、これらは例示の目的で拡大されている。コントローラ20(図示せず)は、ヘルメット10内に位置することができる。ピクセルのサブセットまたはグループ50は暗化されまたは不透明モードへ移行されるように、コントローラ20により選択される。グループ50の外側の残りのピクセル17は暗化されずまたは透過モードにある。
【0044】
ピクセルのグループ50を、光センサ18からの出力信号に基づいて、コントローラ20により暗化されるように命令することができる。例えば、光センサ18は、太陽から発せられた入射光を検出することができる。光センサ18は、上記の実施形態によれば、入射光の角度または方向を検出することができる。また、光センサ18は、入射光の大きさまたは明るさを検出することもできる。入射光がヘルメットの真正面から来ていることを光センサ18が検出した場合、コントローラ20は、着用者の目が直射日光から遮られるように、暗化される特定のピクセルグループ、この場合には着用者の目がある場所の真正面にあるピクセルグループ50を選択することができる。残りのピクセル17は、視野と干渉しないように透明のままとすることができる。これにより、影が投影され、必要な場所のみ光が遮断される。
【0045】
他の実施形態では、暗化のために選択されたピクセルグループは、バイザスクリーン24の一方の側に位置する。例えば、ヘルメットが向いている方向の右側ほぼ45度から入射光が来ていると検出された場合、暗化のために選択されたピクセルグループは全て、(ヘルメット着用者の視点から見て)バイザスクリーン24の右側に位置することができ、バイザスクリーン24の左側のピクセル17はいずれも暗化されない。
【0046】
光センサ18は、入射光の水平角度および垂直角度(すなわち縦方向および横方向)の両方を検出し、検出された角度または位置に関連するピクセルの対応するグループを暗化することができる。したがって、入射光の相対角度が変化するにつれて、暗化されるピクセルも同様に変化する。例えば、ヘルメット着用者が、オートバイをターンさせるかまたは自身の頭部を回転させた場合、光センサ18は、太陽の異なる位置を検出し、これに対応して、暗化されるピクセル17のグループを変化させるであろう。例示的な例として、太陽がヘルメットのわずかに左にあると検出された場合、(ヘルメット着用者の視点から見て)中心のわずかに左に位置するピクセルグループをコントローラ20により選択し、不透明モードとなるように命令することができる。ヘルメット着用者が自身の頭部を左に90度回転させた場合には、太陽はヘルメットの右にあると検出されるであろう。このため、コントローラ20は、(ヘルメット着用者の視点から見て)バイザの左側のピクセルが透明となり、代わってバイザスクリーン24の右側のピクセルグループが不透明モードへ移行するように、バイザスクリーン24を変更することになる。
【0047】
ヘルメット10を、所定の入射光角により、ピクセル17の対応する所定のグループが暗化されるように較正することができる。このことは、メモリ22に記憶することができる。例えば、環境光の検出された入射角に基づいて、コントローラまたはプロセッサ20にピクセル17の特定のグループを不透明モードに移行させるためのルックアップテーブルを、メモリに記憶させることができる。
【0048】
また、バイザスクリーン24は、傾斜パターンを呈するように制御可能であり、この場合、入射光の方向に最も近い領域の多数のピクセルが暗化され、入射光の方向から離れた方向の少数のピクセルが暗化される。すなわち、バイザスクリーン24の暗化の性質は、所望の位置において最も強く、その所望の位置から離れる方向でフェードアウトされる。所望の位置は、光センサ18により検出された入射光の方向に基づくことができる。
【0049】
図5Aを参照すると、光センサ18は、(ヘルメット着用者の視点から見て)ヘルメットの右側から来る入射光を検出する。この検出された入射光の方向に基づいて、コントローラ20は、(ヘルメット着用者の視点から見て)バイザスクリーン24の右側の種々のピクセルに対して不透明状態を呈するように命令し、一方、ヘルメットの右側から離れるにつれて多数のピクセルが透明状態となるようにする。この場合も、検出された入射光の方向を変化させる入射光に対してヘルメットが回転すると、傾斜パターンは、不透明状態にあるピクセルの最も集中した領域がヘルメットに対して検出された入射光の方向と位置合わせされるように、対応して変化することができる。
【0050】
図5Bを参照すると、光センサ18は、ヘルメットの上方から来る入射光を検出している。検出されたこの入射光の方向に基づいて、コントローラ20は、(ヘルメット着用者の視点から見て)バイザスクリーン24の上側の種々のピクセルが不透明状態を呈し、一方、他の多くのピクセルがバイザスクリーン24の下部に向かって透明状態となるように命令する。
【0051】
また、コントローラ20は、入射光の強度に応じて、不透明状態にあるピクセルの数を増大させまたはピクセルの暗さをより増大するようにプログラムすることもできる。上述したように、光センサ18は、入射光の強度または大きさ(例えば明るさ)を特定する能力を有する。検出された入射光の強度に基づいて、コントローラは、デジタルバイザスクリーン24を対応するように暗化することができる。例えば、一実施形態では、コントローラは、第1の閾値(例えば、50ルーメン)を超える入射光の大きさに応答して、ピクセルの第1のサブセットの暗さを増大し、第1の閾値より大きい第2の閾値(例えば、80ルーメン)を超える入射光の大きさに応答して、ピクセルの第2のサブセットの暗さを増大するようにプログラムすることができる。すなわち、入射光が明るいほど不透明となるように制御されうるピクセルが多くなる。別の実施形態では、ピクセルは、0%から100%の不透明度の間で制御することができ、したがって、任意の所与のピクセルの不透明度の量を入射光の明るさに基づいて変動させることができる。すなわち、入射光が明るいほど、既に不透明なピクセルをより不透明に制御することができる。
【0052】
入射光の強度と暗化するレベル(例えば第1の閾値および第2の閾値)との間のマッピングを行うことができる。例えば、マッピングは、実際のシナリオで収集されたデータに基づいて構築することができる。異なるユーザが異なる屋外環境でヘルメットを着用した場合、暗化のレベルを手動で変更することができ、ユーザフィードバックを記録することができる。マッピング機能は、統計学習に基づく方法により推定することができる。マッピング機能は、デフォルトの暗化閾値を提供することができる。例えば、暗化特徴をトリガするための明るさの中央値または平均量を、第1の閾値としてメモリに記憶することができる。ヘルメット着用者は、個人化された構成を得るために、閾値をさらに手動で調整することができる。
【0053】
入射光の明るさに基づいて、バイザスクリーン24を暗化する教示と、暗化されるピクセル17のグループの選択とを組み合わせることができる。光センサ18は、入射光の大きさおよび方向の両方を検出することができるため、コントローラ20は、これに対応して、(i)入射光の方向に基づいて、透明から不透明へ移行する1つ以上のピクセルを選択することができ、(ii)入射光の明るさに基づいて、不透明であるように選択されたピクセルの目標不透明度を選択することができる。
【0054】
図6に、一実施形態に係るデジタルバイザスクリーンの制御を示すフロー図が示されている。このフロー図は、環境光センサ18からの入力を受信し、メモリ22に記憶された命令に基づいて動作して、プロセッサ20により実行される、バイザスクリーンを制御するための方法であることができる。
【0055】
60において、光センサ18は、入射光、例えば日光の方向を検出する。62において、光センサ18は、入射光の大きさを検出する。これは、光センサ18の構造的特性に基づいて、ステップ60と同時に実行することができる。なお、幾つかの実施形態では、ヘルメットは、入射光の方向を検出するように構成された専用のセンサと、入射光の大きさを検出するように構成された別の専用のセンサとを有し、両方の機能を別々にまたは単一のセンサにより実行することができる。
【0056】
64において、コントローラ20は、入射光の方向に対応するバイザスクリーン24の領域において、入射光の大きさ(例えば明るさ)に対応する暗化度により、バイザスクリーン24の不透明度を制御する。ここで、コントローラ20は、検出された入射光の方向に基づいてグループを選択し、そのグループのピクセルを透明状態から不透明状態へ移行させることができる。このグループは、検出された所与の入射光の方向が不透明への移行のためのピクセルの対応するグループを生じるように、予め決定してメモリに記憶することができる(例えば、ルックアップテーブル等)。例えば、太陽がヘルメット着用者の左側にある場合、バイザスクリーン24の左側のピクセルグループを不透明へ移行させて、太陽を遮断するために選択することができる。さらに、光センサ18から検出された入射光の明るさに応じて、コントローラは、ピクセルグループの不透明度のレベルを調整することができ、または不透明に移行されるピクセル数(例えば密度)を増大させることができる。
【0057】
図7に、別の実施形態に係るデジタルバイザスクリーンの制御を示すフロー図が示されている。ここでも、入射光の方向および入射光の大きさ(例えば、明るさ)が、上述したように、60および62で特定される。66において、ヘルメット着用者の少なくとも一方の目の位置が検出される。これは、上述したように、内向きカメラ40により実行することができる。例えば、内向きカメラ40は、着用者の目の位置(location)、ポジション(position)、深さおよび他の物理的特性を検出することができる。
【0058】
68において、視線および/または目の瞳孔の位置が検出される。これは、上記の内向きカメラ40またはアイトラッカ44の特徴により実行することができる。視線を特定するように構成された関連センサは、一例として上記のアイトラッカ44の教示を利用して、ヘルメット着用者が見ている方向を検出することができる。ついで、70において、コントローラ20は、バイザスクリーン24の選択された領域内の特定のピクセルの不透明度を制御する。すなわち、コントローラは、入射光の方向、入射光の大きさ、目の位置、視線(例えば着用者が見ている方向)に基づいて、不透明度を調整するためにピクセルを選択する(かつ不透明度の量を制御する)。暗化のために選択されるピクセルは、着用者が見ている方向に対応させることができる。例えば、着用者が左を注視しまたは見ている場合には、バイザスクリーン24の左側の対応するピクセルグループは暗化されることができ、着用者が右を注視しまたは見ると、暗化されるピクセルグループが右へシフトし、その結果、バイザスクリーンの左側のピクセルが不透明から透明へと移行することができる。
【0059】
デジタルバイザスクリーン24は、幾つかの実施形態では、検出された入射光が特定の明るさ閾値を上回った場合にのみ能動的に制御可能となることに留意されたい。これは、安全上の理由によるものでありうる。環境があまり明るくなく、検出された入射光が所定の明るさ閾値を超えない場合には、デジタルバイザスクリーン24全体が透明状態を呈することができる。バイザスクリーン24は、入射光が閾値を超えたと検出されるまで、この完全に透明な状態を維持することができる。
【0060】
本明細書に記載したセンサ(例えば光センサ18、外向きカメラ42)は、ヘルメットの一部であることを説明したが、これらのセンサは、代替的に、オートバイ(または運転中の車両)に装着されまたはその一部であることができる。オートバイに配置される場合、センサは、ヘルメットのコントローラ20と通信するように構成されていてもよい。これらのセンサにより出力される信号は、例えば、無線トランシーバを介して、無線でコントローラ20に転送することができる。
【0061】
幾つかの実施形態では、バイザスクリーン24は、スクリーン全体が一斉に暗化および明化される制御が行われるように構成されうる。例えば、コントローラ20は、バイザスクリーン24の全てのピクセルを透明状態から不透明状態に移行させるように構成されていてもよい。これにより、必要なコンピュータリソースを減少させることができ、ヘルメットの応答時間を速くすることができる。また、これにより、制御入力としての入射光の大きさのみに依存する代わりに、入射光の方向を検出する必要性を除去することもできる。コントローラは、入射光の明るさに比例する量だけ、バイザスクリーン24の全てのピクセルを暗化するように構成されうる。
【0062】
本明細書に開示されたプロセス、方法またはアルゴリズムを、任意の既存のプログラマブル電子制御ユニットまたは専用電子制御ユニットを含むことができる処理デバイス、コントローラまたはコンピュータに配信することができ、またはこれにより実装することができる。同様に、プロセス、方法またはアルゴリズムは、書き込み不可能な記憶媒体、例えばROMデバイスに永久的に記憶された情報、ならびに書き込み可能な記憶媒体、例えばフロッピーディスク、磁気テープ、CD、RAMデバイスおよびその他の磁気および光媒体に変更可能に記憶された情報を含む(が、これらに限定されない)多くの形態で、コントローラまたはコンピュータにより実行可能なデータおよび命令として記憶することができる。また、プロセス、方法またはアルゴリズムは、ソフトウェア実行可能オブジェクトに実装することもできる。代替的に、プロセス、方法またはアルゴリズムを、適切なハードウェアコンポーネント、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ステートマシン、コントローラまたは他のハードウェアコンポーネントもしくはデバイス、またはハードウェア、ソフトウェアおよびファームウェアコンポーネントの組み合わせを使用して、全体的にまたは部分的に実施することができる。
【0063】
例示的な実施形態を上述したが、これらの実施形態は、特許請求の範囲により包含される全ての可能な形態の記載を意図するものではない。本明細書で使用された用語は、限定ではなく説明のための用語であり、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができると理解される。前述したように、種々の実施形態の特徴を組み合わせて、明示的に説明および図示されていない場合がある本発明の更なる実施形態を形成することができる。1つ以上の所望の特性に関して利点を提供するものとしてまたは他の実施形態もしくは先行技術の実装より好ましいものとして種々の実施形態を説明してきたが、当業者であれば、1つ以上の特徴または特性を、特定の用途および実装に依存する所望の全体的なシステム属性の達成のために妥協しうることを認識する。これらの属性は、コスト、強度、耐久性、ライフサイクルコスト、市場性、外観、パッケージング、サイズ、サービス性、重量、製造性、組立の容易性等を含むが、これらに限定されない。したがって、任意の実施形態が1つ以上の特性に関して他の実施形態または先行技術の実現形態よりも望ましくないものとして記載される限りにおいて、これらの実施形態は、本開示の範囲を外れず、特定の用途にとって望ましい場合がある。
【外国語明細書】