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特開2022-128443医院における保険資格確認システム、保険資格確認用の医院管理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128443
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】医院における保険資格確認システム、保険資格確認用の医院管理装置
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20220825BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024710
(22)【出願日】2022-02-21
(31)【優先権主張番号】P 2021026106
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】398065520
【氏名又は名称】メディア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】辻 啓延
(72)【発明者】
【氏名】辻 啓和
(72)【発明者】
【氏名】上加世田 忍
(72)【発明者】
【氏名】前田 直希
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】歯科をはじめとする医療機関において、担当者の介在を少なくして、診察前に患者の保険資格情報を確認することができるシステム及びそのための医院管理装置を提供すること。
【解決方法】医院に来院する患者の保険資格を含む医療情報を管理する電子カルテ部と、来院患者の予約を受付けて管理する予約管理部と、来院患者の受付処理を行う診療受付部と、各部を制御する管理装置制御部とを含む医院管理装置と、医院管理装置に接続されるオンライン資格確認端末とを有し、医院管理装置を起動することによって、自動的に、医院管理装置から、所定の診療日の予約患者の保険資格情報を用いた保険資格の一括照会の要求がオンライン資格確認端末を介して健康保険の資格確認等を行うシステムになされ、また、その結果が自動的に取得できる医院における保険資格確認システム及びそのための医院管理装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-医院に来院する患者の保険資格を含む医療情報を管理する電子カルテ部と、
-来院患者の予約を受付けて管理する予約管理部と、
-来院患者の受付処理を行う診療受付部と、
-前記各部を制御する管理装置制御部と
を含む医院管理装置と、
前記医院管理装置に接続され、健康保険の資格確認等を行うシステムと接続できるオンライン資格確認端末と
を有し、
前記医院管理装置を起動することによって、自動的に、前記医院管理装置から、所定の診療日の予約患者の保険資格情報を用いた保険資格の一括照会の要求が前記オンライン資格確認端末に送信され、前記オンライン資格確認端末が前記健康保険の資格確認等を行うシステムに前記一括照会を要求することを特徴とする医院における保険資格確認システム。
【請求項2】
更に、診療日当日より前に一括照会の要求をした診療日当日の患者の保険資格情報を、前記医院管理装置を起動することによって、自動的に取得することを特徴とする請求項1に記載の医院における保険資格確認システム。
【請求項3】
-医院に来院する患者の保険資格を含む医療情報を管理する電子カルテ部と、
-来院患者の予約を受付けて管理する予約管理部と、
-来院患者の受付処理を行う診療受付部と、
-前記各部を制御する管理装置制御部と
を含む医院管理装置と、
前記医院管理装置に接続され、健康保険の資格確認等を行うシステムと接続できるオンライン資格確認端末と
を有し、
前記医院管理装置が、資格照会に用いた患者の保険資格情報と、前記オンライン資格確認端末を介して取得した保険資格情報とを比較し、その相違点を前記医院管理装置の画面に識別可能に表示することを特徴とする医院における保険資格確認システム。
【請求項4】
前記医院が歯科医院であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の医院における保険資格確認システム。
【請求項5】
-医院に来院する患者の保険資格を含む医療情報を管理する電子カルテ部と、
-来院患者の予約を受付けて管理する予約管理部と、
-来院患者の受付処理を行う診療受付部と、
-前記各部を制御する管理装置制御部と
を含む医院における保険資格確認用の医院管理装置であって、
健康保険の資格確認等を行うシステムと接続できるオンライン資格確認端末に接続して、前記医院管理装置を起動することによって、自動的に、前記医院管理装置から、所定の診療日の予約患者の保険資格情報を用いた保険資格の一括照会の要求が前記オンライン資格確認端末に送信され、前記オンライン資格確認端末が前記健康保険の資格確認等を行うシステムに前記一括照会を要求することを特徴とする医院における保険資格確認用の医院管理装置。
【請求項6】
更に、診療日当日より前に一括照会の要求をした診療日当日の患者の保険資格情報を、前記医院管理装置を起動することによって、自動的に取得することを特徴とする請求項5に記載の医院における保険資格確認用の医院管理装置。
【請求項7】
-医院に来院する患者の保険資格を含む医療情報を管理する電子カルテ部と、
-来院患者の予約を受付けて管理する予約管理部と、
-来院患者の受付処理を行う診療受付部と、
-前記各部を制御する管理装置制御部と
を含む医院における保険資格確認用の医院管理装置であって、
健康保険の資格確認等を行うシステムと接続できるオンライン資格確認端末に接続して、前記医院管理装置が、資格照会に用いた患者の保険資格情報と、前記オンライン資格確認端末を介して取得した保険資格情報とを比較し、その相違点を前記医院管理装置の画面に識別可能に表示することを特徴とする医院における保険資格確認用の医院管理装置。
【請求項8】
前記医院が歯科医院であることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の医院における保険資格確認用の医院管理装置。
【請求項9】
保険資格の一括照会結果を前記診療受付部の総合受付画面のほか、診療室画面にも表示することを特徴とする請求項6に記載の保険資格確認用の医院管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科を含む医院における予約患者の健康保険証の資格確認を行うシステム、及び保険資格確認用の医院管理装置に係る。
【背景技術】
【0002】
歯科医院にとって、来院する患者の健康保険証(健康保険の被保険者証)の資格確認は、重要な作業である。すなわち、患者の健康保険証の資格に基づいて、患者が受けた保険診療について、診療報酬明細書(レセプト)を作成し、国民健康保険および後期高齢者医療制度の被保険者の場合、国民健康保険中央会(以下国保中央会)へ、社会保険の被保険者の場合、社会保険診療報酬支払基金(以下支払基金)へ提出し、各機関での審査において、健康保険証の資格を行った後に、レセプトは最終的に保険者(健康保険組合など)に送られる。
【0003】
この間に、患者の健康保険証の資格に誤り(資格喪失、資格変更など)があると、レセプトが歯科医院に返戻され、再度確認の上、請求を行う必要があり、この作業の負担が極めて大きい。
【0004】
現在は、初診時に健康保険証の提示を求め、更に、定期的(例えば1カ月に1回)に確認のための提示を求めるなどしているが、それでも、資格過誤によるレセプトの返戻は防止することができていない。
【0005】
そこで、最近、患者の保険資格情報をオンラインで照会できるシステムが実用化されようとしている。これは、非特許文献1及び図4に示すような厚生労働省が主導する「オンライン資格確認等システム」であり、支払基金に設けられ、オンラインで医療機関及び薬局からの資格確認に対して返答を行うものである。
【0006】
このシステムを用いると、患者の保険資格情報を確認することができ、過誤請求の発生を防止することができる。
【0007】
但し、診察が完了したレセプト作成時に資格の確認ができたとしても、患者との間では、再度の資格確認、支払額の精算などの業務が発生し、その負担は小さくないという問題点を有している。
【0008】
そこで、診察前に患者の保険資格情報を確認できれば、余分な作業の発生を未然に防止することができるため、そのような保険資格確認システムの実用化が望まれている。
【0009】
また、歯科を含む医院では、種々の業務が山積しており、多忙を極めていることから、保険資格確認作業の際には、担当者の介在(入力などの操作)がないか、できるだけ少ないことが強く望まれている。
【0010】
なお、担当者の介在が少なければ、それに伴う誤操作・入力ミスの発生も少なくなるため、その面からも実用化が望まれている。
【0011】
更に、資格確認の結果を医院の電子カルテに正確に、また、簡単に反映することができれば、医院の運営上、極めて有効である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】・厚生労働省 「健康保険証の資格確認がオンラインで可能となります」 令和3年2月時点更新[令和3年2月18日検索],インターネット <URL: https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/000663427.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記の問題点を踏まえ、歯科をはじめとする医療機関において、担当者の介在を少なくして、診察前に患者の保険資格情報を確認することができるシステム及びそのための医院管理装置を提供することを課題とする。
【0014】
その際に、担当者の介在を少なくして、日々行う操作運用の忘れを防止し、誤操作、入力ミスなどを軽減できるシステムを提供することも課題である。
【0015】
更に、資格確認の結果を医院の電子カルテに反映するために、資格確認して得られる情報と、電子カルテに記録されている情報との相違点を明確に表示できる保険資格確認システムを提供することも課題の一つである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
かかる課題を解決するため、本発明の第1の態様の医院における保険資格確認システムは、
-医院に来院する患者の保険資格を含む医療情報を管理する電子カルテ部と、
-来院患者の予約を受付けて管理する予約管理部と、
-来院患者の受付処理を行う診療受付部と、
-前記各部を制御する管理装置制御部と
を含む医院管理装置と、
前記医院管理装置に接続され、健康保険の資格確認等を行うシステムと接続できるオンライン資格確認端末と
を有し、
前記医院管理装置を起動することによって、自動的に、前記医院管理装置から、所定の診療日の予約患者の保険資格情報を用いた保険資格の一括照会の要求が前記オンライン資格確認端末に送信され、前記オンライン資格確認端末が前記健康保険の資格確認等を行うシステムに前記一括照会を要求することを特徴とする。
【0017】
ここで、「予約患者の保険資格情報」とは、再診患者であれば電子カルテに登録された情報、新規患者であれば、持参した健康保険証に記載された内容またはマイナンバーカードから得られる情報などを指し、資格確認等を行うシステムが指定する内容とする。
【0018】
ここで、「健康保険の資格確認等を行うシステム」とは、支払基金・国保中央会に設置される「オンライン資格確認等システム」が好適であるが、それに限定されず、他の機関が設ける別の資格確認システムであってもよく、あるいは、将来、「オンライン資格確認等システム」が発展していくものであってもよい。
【0019】
また、「医院管理装置を起動することによって、自動的に、」とは、医院管理装置の電源を入れることや、パスワードなどを入力してログインすることなどの通常の使用のための操作を含み、資格確認のために特別な操作、あるいは通常の操作に追加する操作を必要とせず一括照会が進められることを意味する。
【0020】
このようにすると、担当者に余分な負担をさせることがなく、診療当日の診療開始前に保険資格確認が行われることになり、保険資格の喪失や変更があって場合でも、診療受付時、あるいはそれ以前に適切に対応することができる。
【0021】
また、担当者による操作が介在しないため、運用忘れ、誤入力、入力漏れ、操作ミスなど、人為的なミスの発生を防ぐことができる。
【0022】
なお、「所定の診療日」とは、予約内容の変更が少ない翌診療日(休診日がなければ翌日、休診日があれば休診日明けの日)であることが好適であるが、医院の状況によっては、翌々日以降の診療日とするようにしてもよい。
【0023】
また、本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様の医院における保険資格確認システムであって、
更に、診療日当日より前に一括照会の要求をした診療日当日の患者の保険資格情報を、前記医院管理装置を起動することによって、自動的に取得することを特徴としてもよい。
【0024】
ここで、「診療日当日より前に」とは、診療日前日(前日が休診日である場合は診療日の前々日)であることが好適であるが、医院の状況によっては、更にそれよりも前であってもよい。
【0025】
すなわち、本発明の第1の態様と併せれば、例えば、診療日の前日に、一括照会の要求を発しておき、オンライン資格確認等システムの側で照会作業を進めさせておき、診療日当日にその一括照会の結果を取得するという流れになる。
【0026】
ここで、一括照会は、特に件数が多い場合など、長い時間を要することもあり、時間に余裕のある前日に一括照会の要求を出しておき、診療当日にその結果を取得するということが効率的である。
【0027】
また、「医院管理装置を起動することによって、自動的に」とは、本発明の第1の態様と同様に、医院管理装置の電源を入れることや、パスワードなどを入力してログインすることなどの通常の使用のための操作を含むが、資格確認結果の取得のために特別な操作、あるいは通常の操作に追加する操作を必要とせず、一括照会の結果の取得が進められることを意味する。
【0028】
このようにすると、医院管理装置、特に診療受付部においては、装置を起動した段階で、資格確認結果が取得できており、画面などに表示させることができる。
【0029】
表示された情報から、資格に問題がある患者については、受付時に直接患者から事情を聴取したり、あるいは来院前に電話などで事情を確認したり、追加の書類の持参を求めたりすることが可能となる。
【0030】
なお、一括照会の要求(第1の態様に記載)と一括照会の結果取得(第2の態様に記載)との順序は、必ずしもこの順番でなくてもよく、結果取得を先行してもよく、あるいは、同時に行うようにしてもよい。
【0031】
また、本発明の第3の態様の医院における保険資格確認システムは、
-医院に来院する患者の保険資格を含む医療情報を管理する電子カルテ部と、
-来院患者の予約を受付けて管理する予約管理部と、
-来院患者の受付処理を行う診療受付部と、
-前記各部を制御する管理装置制御部と
を含む医院管理装置と、
前記医院管理装置に接続され、健康保険の資格確認等を行うシステムと接続できるオンライン資格確認端末と
を有し、
前記医院管理装置が、資格照会に用いた患者の保険資格情報と、前記オンライン資格確認端末を介して取得した保険資格情報とを比較し、その相違点を前記医院管理装置の画面に識別可能に表示することを特徴とする。
【0032】
ここでは、第1及び第2の態様における一括照会のほか、1件ずつ保険資格確認を行う個別照会の場合も対象となる。
【0033】
また、「資格照会に用いた患者の保険資格情報」とは、再診患者であれば電子カルテに登録された情報、新規患者であれば、持参した健康保険証に記載された内容である。
【0034】
また、「識別可能に表示する」とは、文字の色を赤字にする、文字の太さを変える、背景を着色するなど、どのような方法であってもよい。
【0035】
このようにすると、医院管理装置の診療受付部において担当者が相違点を明確に認識することができる。
【0036】
また、相違点を電子カルテに反映させるために、「取込」という操作を行わせることも可能であり、その操作によって、相違点が反映された情報が電子カルテに登録される。
【0037】
次に、本発明の第4の態様は、第1から第3の態様の医院における保険資格確認システムであって、前記医院が歯科医院であることを特徴としてもよい。
【0038】
歯科医院においては、多数の患者に対して効率よく診察・治療・処置を行うため、きめ細かな予約の管理が重要となっており、予約制を導入しているところがほとんどであるので、本発明により受付業務の負荷軽減が図られるため、本発明の有効性が高い。
【0039】
次に、本発明の第5の態様は、医院における保険資格確認用の医院管理装置であって、
-医院に来院する患者の保険資格を含む医療情報を管理する電子カルテ部と、
-来院患者の予約を受付けて管理する予約管理部と、
-来院患者の受付処理を行う診療受付部と、
-前記各部を制御する管理装置制御部と
を含み、
健康保険の資格確認等を行うシステムと接続できるオンライン資格確認端末に接続して、前記医院管理装置を起動することによって、自動的に、前記医院管理装置から、所定の診療日の予約患者の保険資格情報を用いた保険資格の一括照会の要求が前記オンライン資格確認端末に送信され、前記オンライン資格確認端末が前記健康保険の資格確認等を行うシステムに前記一括照会を要求することを特徴としてもよい。
【0040】
この態様は、オンライン資格確認端末を含まない保険資格確認用の医院管理装置であり、オンライン資格確認端末と接続することで一括照会の要求ができるようになっている。
【0041】
このようにすると、既設の、あるいは、第三者が設置するオンライン資格確認端末を活用してオンライン資格確認の一括照会要求ができることになり、適用の範囲が大きく広がる。
【0042】
また、本発明の第6の態様は、本発明の第5の態様の医院における保険資格確認用の医院管理装置であって、
更に、診療日当日より前に一括照会の要求をした診療日当日の患者の保険資格情報を、前記医院管理装置を起動することによって、自動的に取得することを特徴としてもよい。
【0043】
このようにすると、第5の態様と同様に、既設の、あるいは、第三者が設置するオンライン資格確認端末を活用してオンライン資格確認した一括照会要求の結果が取得できることになり、適用の範囲が大きく広がる。
【0044】
また、本発明の第7の態様は、医院における保険資格確認用の医院管理装置であって、
-医院に来院する患者の保険資格を含む医療情報を管理する電子カルテ部と、
-来院患者の予約を受付けて管理する予約管理部と、
-来院患者の受付処理を行う診療受付部と、
-前記各部を制御する管理装置制御部と
を含み、
健康保険の資格確認等を行うシステムと接続できるオンライン資格確認端末に接続して、前記医院管理装置が、資格照会に用いた患者の保険資格情報と、前記オンライン資格確認端末を介して取得した保険資格情報とを比較し、その相違点を前記医院管理装置の画面に識別可能に表示することを特徴とする。
【0045】
この態様は、オンライン資格確認端末を含まない保険資格確認用の医院管理装置であり、オンライン資格確認端末と接続することで取得した保険資格情報を活用できる装置となっている。
【0046】
このようにすると、既設の、あるいは、第三者が設置するオンライン資格確認端末を活用してオンライン資格確認の結果の取得とその活用ができることになり、適用の範囲が大きく広がる。
【0047】
次に、本発明の第8の態様は、第5から第7の態様の医院における保険資格確認用の医院管理装置であって、前記医院が歯科医院であることを特徴としてもよい。
【0048】
歯科医院においては、多数の患者に対して効率よく診察・治療・処置を行うため、きめ細かな予約の管理が重要となっており、予約制を導入しているところがほとんどであるので、本発明により受付業務の負荷軽減が図られるため、本発明の有効性が高い。
【発明の効果】
【0049】
このように、本発明によれば、歯科医院などの医院において、オンライン資格確認システムから一括照会によって、自動的に(担当者の介在を少なくして)、診察前に患者の保険資格情報を確認することができる。
【0050】
また、資格確認の結果を医院の電子カルテに反映することも容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】本発明の一実施形態に係る資格確認システムの機能構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係るシステムのハードウエア構成図である。
図3】本発明の一実施形態のシステムの第1のフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態のシステムの一括照会に関する説明図である。
図5】本発明の一実施形態のシステムの第2のフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態のシステムの一括照会に関する説明図である。
図7】本発明の一実施形態のシステムの一括照会処理の説明図である。
図8】本発明の一実施形態のシステムの画面表示に関する説明図である。
図9】本発明の一実施形態のシステムの画面表示に関する説明図である。
図10】本発明の別の実施形態のシステムのフローチャートである。
図11】本発明の別の実施形態のシステムの資格差異表示の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る医院における保険資格確認システムについて説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0053】
<システムの構成>
本発明を歯科医院を例に、システムの構成を説明する。なお、一般の医院についても適用は可能である。
【0054】
図1は本発明の一実施形態に係る資格確認システムの機能構成図であり、図2は本発明の一実施形態に係るシステムのハードウエア構成図である。
【0055】
本発明の一実施形態の資格確認システム1は歯科医院に設置される歯科医院管理装置10とオンライン資格確認端末20とを含んでいる。
【0056】
歯科医院管理装置10は、機能的には、電子カルテ部11、予約管理部12、診療受付部13、管理装置制御部14を含んでいる。
【0057】
電子カルテ部11は、歯科医院に来院する患者の保険資格を含む医療情報の登録・管理を行い、予約管理部12及び診療受付部13にそれらの情報を提供することができる。
【0058】
予約管理部12は、来院予定の患者の予約の受付を行い、電子カルテ部11に登録された患者の情報を参照して、予約情報を管理する。
【0059】
診療受付部13は、予約管理部12から予約情報を得て予約のある患者の受付処理を行うほか、予約なしで来院する患者の受付処理も行う。
【0060】
管理装置制御部14は、先に述べた電子カルテ部11、予約管理部12、診療受付部13に関し、連携して業務を実現できるように、内蔵されたプログラムなどを用いて、歯科医院管理装置10の全体の制御を行う。
【0061】
更に、外部の装置、例えば、オンライン資格確認端末20などとの情報交換の機能も有している。
【0062】
なお、これまでに述べた歯科医院管理装置10の4つの機能ブロック(電子カルテ部11、予約管理部12、診療受付部13、管理装置制御部14)は、このような区分けに限定されず、複数の機能ブロックが合同で機能を発揮したり、あるいは、更に細分化された機能ブロックとなっていてもよく、全体として、これらの機能を果たすことができれば、どのような構成であってもよい。
【0063】
また、歯科医院管理装置10のハードウエア構成要素は、PCまたはサーバーなどの一般的な構成であり、CPU101,メモリー102、入力部103、出力部104、通信インターフェース部105などから構成される。
【0064】
CPU101は、中央制御部であり、歯科医院管理装置10のハードウエア全体を制御し、及び、ソフトウエア(プログラム)を実行するものである。
【0065】
メモリー102は、ソフトウエア(プログラム)やデータを保管するものであり、各種の記憶媒体が、装置に内蔵され、あるいは外付けされて用いられる。
【0066】
入力部103としては、キーボード、タッチパネル、タッチペン、音声入力、カメラ、スキャナなどがあり、装置に内蔵、あるいは外付けされている。
【0067】
出力部104としては、ディスプレイ(表示部)、プリンタ、スピーカーなどがあり、装置に内蔵、あるいは外付けされている。
【0068】
通信インターフェース部105としては、外部との通信を可能にするもので、有線LAN、無線LAN、Wi-Fi接続、光通信、BLUETOOTH(登録商標)などがある。
【0069】
なお、ここまで説明したハードウエア構成要素は、単一の場合だけでなく複数であってもよく、分散して配置されていてもよい。
【0070】
先に述べた歯科医院管理装置10の機能ブロックは、これらのハードウエア構成要素と協働してその機能を実現している。
【0071】
なお、これまで述べた歯科医院管理装置10の機能ブロックあるいはハードウエア構成要素は、各歯科医院の中に設置されるとして説明したが、これらの機能ブロックあるいはハードウエア構成要素が、クラウドコンピューティングという形でクラウド上に存在し、その機能を利用するものであってもよいし、また、複数の歯科医院をネットワークで結び、これらの機能ブロックあるいはハードウエア構成要素を共通で利用するものであってもよい。
【0072】
次に、オンライン資格確認端末20は、歯科医院管理装置10とは別に設けられ、支払基金・国保中央会に設けられているオンライン資格確認等システム30とオンラインで接続して、要求に応じて、資格確認を行うことができる。
【0073】
また、このオンライン資格確認端末20については、その機能を歯科医院管理装置10の中に取り込むようにするようにしてもよい。そのようにすればシステムが簡略化できる。
【0074】
なお、オンライン資格確認端末20には、本人確認端末21が接続されていいてもよい。本人確認端末21としては顔認証付きカードリーダーが好適である。
【0075】
これは、内蔵カメラによる患者本人の顔画像とマイナンバーカードとを用いて、本人確認ができるものであるが、それ以外にも暗証番号入力などを用いて本人確認ができるものであってもよい。
【0076】
<システムの運用>
次に、本発明の一実施形態のシステムの運用について説明する。
個別の資格照会については、マイナンバーカードを用いる場合は、患者が本人確認用端末21としての顔認証付きカードリーダーでマイナンバーカードを用いて本人確認を行い、オンライン資格確認端末20を介して審査支払機関にあるオンライン資格確認等システム30のサーバーから、医療保険の資格情報を取得することができる。
【0077】
取得した情報は、オンライン資格確認端末20に一時的に保存されるので、診療受付部13では患者保険登録画面から、その情報を電子カルテ部11に取り込むことができる。
【0078】
また、個別の資格確認を健康保険証で行う場合は、診療受付部13が健康保険証を預かり、患者保険登録画面から、保険者番号等を入力し、その保険資格が有効か否か問い合わせを行い、オンライン資格確認端末20を介して審査支払機関にあるオンライン資格確認等システム30のサーバーから、医療保険の資格情報を取得することができ、取得した情報は、オンライン資格確認端末20に一時的に保存されるので、診療受付部13では患者保険登録画面から、その情報を電子カルテ部11
に取り込むことができる。
【0079】
本発明においては、個別の資格照会ではなく、一括での資格照会の運用を対象とする。図3は本発明の一実施形態のシステムの第1のフローチャートであり、ここでは、翌診療日の一括資格確認の要求の手順を説明する。
【0080】
まず、手動あるいは自動で、オンライン資格確認端末20と歯科医院管理装置10とを立ち上げる。(ステップS01)
【0081】
そして、コンピュータ業務を開始すべく歯科医院管理装置10を起動するが、この起動処理の中で一連のステップが実行され、翌診療日の一括資格確認の要求が行われる。
【0082】
例えば、起動時にアプリケーショントリガーによりアクティブ化して、バックグラウンドで、一括照会の要求が行われるようにしてもよい。
【0083】
次に、管理装置制御部14が、予約管理部12から翌診療日の来院予定患者のリストを受領し、一括照会要求ファイル50を作成する。(S02)
【0084】
図4は本発明の一実施形態のシステムの一括照会に関する説明図で、照会するための翌診療日の一括照会要求ファイル50であり、照会のために現在必要とされる、保険者番号、被保険者証番号(記号・番号・枝番)、生年月日が記載されている。
【0085】
なお、これらのファイルはXML形式であることが好適であるが、オンライン資格確認端末20との間で授受可能であれば、それ以外のファイルあるいは電文の形式であっても構わない。以下に説明するファイルについても同様である。
【0086】
引き続き、管理装置制御部14が、オンライン資格確認端末20に一括照会要求ファイル50を送付する。(S03)
【0087】
それを受けて、オンライン資格確認端末20が、オンライン資格確認等システム30に一括照会要求ファイル50を送信する。(S04)
【0088】
それに関して、オンライン資格確認等システム30が、オンライン資格確認端末20に受付番号を通知する。(S05)
【0089】
このようにして、翌診療日分の一括照会要求は完了する。
【0090】
なお、オンライン資格確認等システム30においては、その受付番号に対応する一括照会要求ファイル50についての資格確認処理は当日中には完了している。
【0091】
次に、一括照会の結果の取得のステップを説明する。図5は本発明の一実施形態のシステムの第2のフローチャートである。
【0092】
なお、これらの動作も、人手による操作が不要で、自動で実行されるように、歯科医院管理装置10を起動した際の起動処理の中で一連のステップとして実行される。
【0093】
ステップS01からS05の翌診療日の一括照会の要求が完了した後、(図中A)、前日に一括照会要求をしていた本日分の照会結果を取得する。
【0094】
まず、管理装置制御部14が、当日の予約分に関する受付番号をオンライン資格確認端末20から取得し、その受付番号を用いて当日の予約分に関する照会結果のダウンロード要求ファイルをオンライン資格確認端末20に送付する。(S11)
【0095】
引き続き、オンライン資格確認端末20が、オンライン資格確認等システム30にダウンロード要求し、そしてオンライン資格確認等システム30からオンライン資格確認端末20に照会結果ファイル60が返信される。(S12)
【0096】
次に、管理装置制御部14が、オンライン資格確認端末20に保管された照会結果ファイル60を取得する。(S13)
【0097】
そして、診療受付部13が、当日の予約分に関する照会結果を、診療受付部13の表示部に表示する。(S14)
【0098】
図6は本発明の一実施形態のシステムの一括照会に関する説明図であり、当日予約分の一括照会の結果のファイルを示している。この当日予約分の一括照会結果ファイル60は、形式としては、先の一括照会要求ファイル50に対する結果である。(内容については、この診療日の前日に照会したものの結果であるので異なっている。)
【0099】
この図に示すように、一括照会要求ファイルに対して「資格」という列に、当日診療予定の患者の保険資格に関する照会結果が示されている。
【0100】
ここで、〇有効とあるものは、対象の患者の問い合わせた資格が有効であることを示している。
【0101】
また、無効(新資格なし)とあるものは対象の患者の問い合わせた資格が無効であり、それに代わる新しい資格が存在しないことを示している、なお、この場合には、来院時又は事前に患者から現在の保険加入状況などの聞き取りを行い、医院の運用方針に合わせた対応を行うことになる。
【0102】
また、無効(新資格あり)とあるものは対象の患者の問い合わせた資格が無効であるが、それに代わる新しい資格があることを示している。なお、この場合は、来院時または事前に患者に新たな保険資格(被保険者証)の提示を求める対応を行うことになる。
【0103】
また、該当資格なしとあるものは、問い合わせた保険資格情報が正しくない(審査支払い側に登録されていない)という結果なので、入力に誤りがないかを確認することになる。
【0104】
また、複数該当とあるものは、枝番の入力がなく問い合わせし、該当の患者が双子などである場合などで、この場合は、枝番を再入力して対応することになる。
【0105】
このようにして、一括照会の結果が取得でき、それらは、診療受付部13のディスプレイ(表示部)に表示することができるため、受付の担当者は、有効以外の患者について、適切な対応を誤りなく行うことができる。
【0106】
図7は本発明の一実施形態のシステムの一括照会の自動処理の説明図であり、これまでの説明を更に理解しやすく示している。
【0107】
概要としては、予約管理部12に予約が登録されている患者に対し、自動処理で一括でオンライン資格確認を行い、保険資格情報を取得し、得られた資格の有効性を診療受付部13の受付画面に表示する。
【0108】
自動処理として、
a)予約日「前日」の歯科医院管理装置10の起動時、その時点で予約されている患者について、自動処理で一括のオンライン資格確認を行う。(図中のRQ) なお、現在は、オンライン資格確認等システムのシステム仕様で、このタイミングで即座に資格確認結果を得ることができない。
【0109】
b)予約日「当日」の歯科医院管理装置10の起動時、前日に行った一括資格確認要求の結果をオンライン資格確認等システム30から自動処理でダウンロードする。(図中のDL) この結果に、予約患者毎の保険資格有効性(有効/無効/資格なし など)が記載されている。
【0110】
すなわち、常にa)b)を繰り返すことで、毎日の歯科医院管理装置10の起動時、以下の処理が自動的に行われることとなる。
・翌日(翌診療日)の予約患者の一括資格確認要求
・当日の予約患者の一括資格確認要求の結果ダウンロード
【0111】
このように、人手を介することなく、自動的に、当日予約分の患者の保険資格情報が取得できることになり、省力化、ミスの低減などに絶大な効果を生ずる。
【0112】
なお、更に、歯科医院における各所の画面表示につき説明する。
図8は本発明の一実施形態のシステムの画面表示に関する説明図であり、主に診療受付部13にて用いられる総合受付画面80の一例である。なお、説明のため、予約の項目の詳細内容が下の方に拡大表示してある。
【0113】
この画面では、予約、待合室、診療室、会計待ちの各状態に何人の患者がいるかを表示してあり、患者が次の状態に進むと、画面表示がそれに伴って変更されるようになっている。
【0114】
なお、総合受付画面については、患者の複数の状態を表示できるものであればよく、名称は異なってもよい。
【0115】
特に、予約段階の表示(拡大表示を参照)では、先の保険資格の一括照会結果に相当する患者(この例では図6に対応)について、患者氏名、当該歯科医院に固有の患者番号、予約時間、遅刻の有無などの、受付に必要な情報が表示される。
【0116】
一方、診療室において表示される、異なる画面も用意されている。図9は本発明の一実施形態のシステムの画面表示に関する説明図であり、診療室で表示される画面(診療室画面90)を示している。
【0117】
ここでは、総合受付画面80と同じ患者番号、患者氏名、予約時間、一括照会結果のほかに、予約患者かどうか、担当医、年齢(診療日現在)(この例では図6の生年月日に対応した令和4年2月15日現在のもの)、性別、受付時間、待ち時間、チェア、診療内容を表示しており、そのほかにも、紹介の情報、初再診の別など、診療に役立つ詳細な情報を表示してもよい。
【0118】
なお、総合受付画面80、診療室画面90ともに、予約患者だけでなく、当日来院患者も表示することができる。この場合は、保険資格の欄は、予約患者は一括照会の結果であるが、当日来院患者は個々に問い合わせた結果になる。
【0119】
保険資格の一括照会結果は、総合受付画面80、診療室画面90以外の画面にも必要に応じて表示することは可能である。但し、その他の個人情報も含めて、患者の個人情報保護の観点から、各部署で表示可能な情報は異なってよく、診療室における情報が最も取り扱いに注意すべき情報である。
【0120】
このように、必要とされている各部署で、保険資格の一括照会結果を表示して活用することができるため、患者に対する適切な対応を行うことができる。
【0121】
次に、本発明の資格確認システムの別の実施形態について説明する。
機能ブロック、及びハードウエア構成要素は、先の実施形態と共通であるが、運用に関して以下のようになっている。
【0122】
図10は本発明の別の実施形態の資格確認システムのフローチャートである。
【0123】
管理装置制御部10が、照会を行った患者について、電子カルテ部11の登録情報と照会結果情報との差異を把握し、診療受付部13に提供する。(ステップS21)
【0124】
なお、このような事象は、先に説明した個別照会や一括照会の結果が「〇有効」であった場合を想定しており、個々の患者につき、オンライン資格確認等システム30からオンライン資格確認端末20を介して取得した詳細な情報を、電子カルテ部11に登録された情報と比較することができる。
【0125】
次に、診療受付部13が、差異の部分を赤字にした画面を表示部に表示する。(S22) 図11は本発明のこの実施形態の資格確認システムの差異についての説明図であり、資格の差異表示70の中に、赤字の代わりに斜字体で示しているところがその差異の部分であり、担当者には、差異の部分が明瞭に認識できる。
【0126】
この差異部分につき、担当者が確認して、資格確認結果に変更すべきと判断したら、画面上に「取込」と表示された場所をクリックするなどして、「取込」の指示を出す。
【0127】
取込の指示を受けて、診療受付部13は、その差異部分を変更して電子カルテ部11に登録する。(S23)
【産業上の利用可能性】
【0128】
本願は、医院、特に歯科医院において、自動的にオンライン資格確認等システムに登録された資格情報が取得できることから、担当者の負担を増すことなく、受付業務を遂行することができ、更に、診療報酬の適切な請求や、過誤請求の防止が可能となるため、医療者、保険者、患者すべてにメリットがあることから、産業上、大いに利用可能な発明である.
【符号の説明】
【0129】
1 保険資格確認システム
10 歯科医院管理装置
11 電子カルテ部
12 予約管理部
13 診療受付部
14 管理装置制御部
20 オンライン資格確認端末
21 本人確認用端末
30 オンライン資格確認等システム
50 翌診療日の一括照会要求ファイル
60 当日予約分の一括照会結果ファイル
70 保険資格の差異表示
80 総合受付画面
90 診療室画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11