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特開2022-128444バッテリモジュールを備える聴覚装置及び聴覚装置用のバッテリモジュールを製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128444
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】バッテリモジュールを備える聴覚装置及び聴覚装置用のバッテリモジュールを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   H04R 25/00 20060101AFI20220825BHJP
【FI】
H04R25/00 A
H04R25/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022024905
(22)【出願日】2022-02-21
(31)【優先権主張番号】PA202170082
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(71)【出願人】
【識別番号】522068795
【氏名又は名称】ジーエヌ ヒアリング ツー エー/エス
【氏名又は名称原語表記】GN Hearing 2 A/S
【住所又は居所原語表記】Lautrupbjerg 7, 2750 Ballerup Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソルバドゥア オリ ボドヴァーソン
(72)【発明者】
【氏名】カミーラ ピオトロヴスカ
(72)【発明者】
【氏名】エミル ホルム クヌーセン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】単純で、コンパクトで、費用対効果が高く、頑丈なバッテリモジュールを備えた聴覚装置を提供する。
【解決手段】聴覚装置は、バッテリモジュール(10)を備える。バッテリモジュール(10)は、前記聴覚装置に電力を供給するためのバッテリ(2)と、バッテリ(2)に電気的接続を提供するための導体ユニット(4)と、バッテリ(2)と導体ユニット(4)との間に配置され、バッテリ構成要素を形成するために、バッテリ(2)に導体ユニット(4)を接続する導電性接着体(6)と、バッテリモジュール(10)を形成するために、少なくとも部分的に前記バッテリ構成要素の周囲に設けられるコーティング(8)と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリモジュール(10)を備える聴覚装置(20)であって、前記バッテリモジュール(10)は、
前記聴覚装置(20)に電力を供給するためのバッテリ(2)と、
前記バッテリ(2)に電気的接続を提供するための導体ユニット(4)と、
前記バッテリ(2)と前記導体ユニット(4)との間に配置され、バッテリ構成要素(12)を形成するために、前記バッテリ(2)に前記導体ユニット(4)を接続する導電性接着体(6)と、
前記バッテリモジュール(10)を形成するために、少なくとも部分的に前記バッテリ構成要素(12)の周囲に設けられるコーティング(8)と、を備える、聴覚装置(20)。
【請求項2】
前記コーティング(8)は、前記バッテリ構成要素(12)を保護し、前記バッテリ構成要素(12)を固定するために設けられる、請求項1に記載の聴覚装置(20)。
【請求項3】
前記コーティング(8)は、前記バッテリ構成要素(12)へのポリマの堆積によって提供される、請求項1又は2に記載の聴覚装置(20)。
【請求項4】
前記導電性接着体(6)は、接着体材料中に配置される導電性構成要素を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の聴覚装置(20)。
【請求項5】
前記導電性接着体(6)は、前記導体ユニット(4)が、前記導電性接着体(6)を介して前記バッテリ(2)の少なくとも正極端子及び/又は負極端子に接続されるように、前記バッテリ(2)の少なくとも前記正極端子及び/又は前記負極端子に配置され、前記導体ユニット(4)は、前記正極端子と前記負極端子との間に延在する、請求項1から4のいずれか一項に記載の聴覚装置(20)。
【請求項6】
前記導体ユニット(4)は、テール部(14)を備え、前記聴覚装置(20)はメインプリント回路基板(16)を備え、前記導体ユニット(4)の前記テール部(14)は、前記メインプリント回路基板(16)に接続されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の聴覚装置(20)。
【請求項7】
聴覚装置(20)用のバッテリモジュール(10)の製造方法(S30)であって、前記方法(S30)は、
前記聴覚装置(20)に電力を供給するためのバッテリ(2)と、前記バッテリ(2)に電気的接続を提供するための導体ユニット(4)と、導電性接着体(6)と、を提供すること(S31)と、
前記導電性接着体(6)をバッテリ(2)に接続すること(S32)と、
バッテリ構成要素(12)を形成するために、前記導体ユニット(4)を前記導電性接着体(6)に接続すること(S33)と、
前記バッテリモジュール(20)を形成するために、前記バッテリ構成要素(12)をコーティングすること(S35)と、を備える、方法(S30)。
【請求項8】
前記導体ユニット(4)を前記バッテリ(2)に電気的に接続するために、導電性接着体(6)を活性化すること(S34)を備える、請求項7に記載のバッテリモジュール(10)の製造方法(S30)。
【請求項9】
前記バッテリ構成要素(12)をコーティングするステップ(S35)は、少なくとも部分的に前記バッテリ構成要素(12)の周囲にポリマを堆積することを備える、請求項7又は8に記載のバッテリモジュール(10)を製造する方法(S30)。
【請求項10】
前記導電性接着体(6)を前記バッテリ(2)に接続するステップ(S32)は、
前記導体ユニット(4)が前記導電性接着体(6)を介して前記バッテリ(2)の少なくとも正極端子及び/又は負極端子に接続されるように、前記バッテリ(2)の少なくとも前記正極端子及び/又は前記負極端子に前記導電性接着体(6)を配置することを備える、請求項7から9のいずれかに記載のバッテリモジュール(10)の製造方法(S30)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バッテリモジュールを備える聴覚装置と、聴覚装置用バッテリモジュールを製造する方法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
無線補聴器及びイヤホン等の聴覚装置は、過去数年にわたって、より一般的になってきている。そのような無線聴覚装置は、典型的には、それらに電力を供給するために少なくとも1つのバッテリを備える。しかしながら、バッテリは、聴覚装置との接触を失ったり、液漏れしたり、交換したり、他の聴覚装置に再使用され得る。従って、聴覚装置に使用するための改良されたバッテリ構成要素が依然として必要とされている。さらに、上述の問題に対処する、聴覚装置のためのバッテリ構成要素を製造する改善された方法も必要とされている。
【0003】
聴覚装置が開示される。聴覚装置は、バッテリモジュールを備える。バッテリモジュールは、聴覚装置に電力を供給するためのバッテリを備える。バッテリモジュールは、バッテリに電気的接続を提供するための導体ユニットを備える。バッテリモジュールは、バッテリと導体ユニットとの間に配置され、バッテリ構成要素を形成するために、導体ユニットをバッテリに接続する導電性接着体を備える。バッテリモジュールは、バッテリモジュールを形成するために、少なくとも部分的にバッテリ構成要素の周囲に提供されるコーティングを備える。
【0004】
また、聴覚装置用バッテリモジュールの製造方法も開示されている。この方法は、聴覚装置に電力を供給するためのバッテリと、バッテリへの電気的接続を提供するための導体ユニットと、導電性接着体と、を提供するステップを備える。この方法は、導電性接着体をバッテリに接続するステップを備える。この方法は、バッテリ構成要素を形成するために、導体ユニットを導電性接着体に接続するステップを備える。この方法は、バッテリモジュールを形成するためにバッテリ構成要素をコーティングするステップを備える。
【0005】
開示されるような聴覚装置及び方法は、単純で、コンパクトで、費用対効果が高く、頑丈なバッテリモジュール、即ち、聴覚装置を提供する。導電性接着体及びコーティングは、単純で、コンパクトかつ費用対効果の高い方法でバッテリモジュールを機械的に固定することを可能にする。従って、導電性接着体及びコーティングは、バッテリが導体ユニット、即ち聴覚装置との接触を失うことを防止又は少なくとも抑制する。従来の聴覚装置のバッテリモジュールでは、典型的には、より高価であり、より多くの部品を必要とし、導電性接着体及びコーティングよりも複雑であり、またより多くの空間を占有する、機械的固定のために、発泡体及び/又はばね等の追加の支持部品が使用される。
【0006】
さらに、開示される聴覚装置及び方法は、例えば、水、湿気、耳垢や他の人間の分泌物、及び、汚れに対して、バッテリモジュールのための改善された保護を提供する。言い換えれば、バッテリモジュールのコーティングは、例えば、バッテリモジュールに侵入する、水、湿気、耳垢や他の人間の分泌物、及び、汚れに対して、バッテリモジュールの改善された保護を提供する。コーティングの利点の一例として、腐食又は故障、例えばバッテリの短絡を防止するか、又は、少なくとも抑制することである。従って、コーティングは、バッテリの寿命を延長し、これにより、さらに費用対効果の高いバッテリモジュールを可能にする。さらに、開示される聴覚装置及び方法は、聴覚装置を装着しているユーザに対して改善された保護を提供する、即ち、より安全なバッテリモジュール、即ち、より安全な聴覚装置を提供する。例えば、コーティングは、バッテリの潜在的な漏れ、即ちバッテリのバッテリ電解質の漏れを防止するか、又は少なくとも抑制する。
【0007】
開示される聴覚装置及び方法は、さらに、バッテリモジュール、即ち、聴覚装置の様々な部分の修理及び交換を容易にする。例えば、バッテリを取り換え又は交換する必要がある場合、バッテリモジュール又はバッテリモジュールのバッテリのいずれかを、例えば、バッテリモジュールを聴覚装置ハウジングから取り外すか、又は、バッテリを導電性接着体から取り外し、別のバッテリを取り付けることによって交換してもよい。これにより、バッテリモジュールの他の部品が再利用され得る。別の例は、聴覚装置のハウジングが交換される場合、バッテリモジュール又はバッテリモジュールのバッテリを再利用され得る。これにより、バッテリモジュール又はバッテリの交換及び再使用により、バッテリモジュール及び聴覚装置のコストをさらに低減することができる。
【0008】
バッテリモジュールは、聴覚装置に電力を供給するためのバッテリを備える。バッテリは、1つ又は複数のバッテリを備えていてもよい。バッテリは、聴覚装置に適した任意のタイプのバッテリであってもよい。バッテリは充電可能であってもよい。バッテリは、丸いプラス端子とマイナス端子を備えるコイン型セルタイプのバッテリであってもよい。バッテリは、無線電力伝送を使用して充電可能であり、誘導結合、共振誘導結合、容量結合、磁気動的結合、マイクロ波、光波等、多くの異なる技術を使用することができる。充電式バッテリは、例えば、リチウムイオンバッテリ、銀亜鉛バッテリ、固体バッテリ等であってもよい。バッテリは、端子又は接点充電を使用して充電可能である。端末又は接点電力伝送のために、アルカリバッテリ、ガルバニック充電等、多くの異なる技術及びバッテリタイプを使用することができる。
【0009】
バッテリモジュールは、例えば、バッテリの使用及びバッテリの充電のために、バッテリへの電気的接続を提供するための導体ユニットを備える。導体ユニットは、任意のタイプの導体ユニットを備えていてもよい。導体ユニットは、バッテリの正極及び負極端子の導電性接着体に配置された2つの部分を有していてもよい。導体ユニットのこれらの部分は、円形であってもよいし、任意の他の適切な形状を有していてもよい。導体ユニットは、プリント回路基板、例えば、以下ではバッテリプリント回路基板と呼ばれるバッテリ用のプリント回路基板を備えていてもよい。バッテリプリント回路基板は、可撓性であってもよい。バッテリプリント回路基板は、剛体であってもよい。バッテリプリント回路基板は、剛性パネルを有するフレキシブル基板又は可撓性パネルを有するリジッド基板を備えていてもよい。例えば、バッテリプリント回路基板は、フレキシブル基板を介して接続される2つのメインパネルを備えていてもよい。バッテリプリント回路基板は、他の構成要素、例えば、充電構成要素を備えていてもよい。バッテリプリント回路基板は、他の構成要素のために、即ち、他の構成要素への電気的接続を提供するために使用されてもよい。代替的に又は組み合わせて、導体ユニットは、金属シート又は金属プレートを備えていてもよい。導体ユニットは、聴覚装置のメインプリント回路基板に接続されてもよい。
【0010】
バッテリモジュールは、バッテリと導体ユニットとの間に配置され、バッテリ構成要素を形成するために、導体ユニットをバッテリに接続する導電性接着体を備える。導電性接着体は、バッテリと導体ユニットとを電気的に接続する。さらに、導電性接着体は、バッテリと導体ユニットとを接着する。導電性接着体は、導電性テープであってもよい。導電性接着体は、導電性接着剤であってもよい。導電性接着体は、任意の他の種類の導電性接接着物を備えていてもよい。
【0011】
バッテリモジュールは、バッテリモジュールを形成するために、少なくとも部分的にバッテリ構成要素の周囲に設けられるコーティングを備える。コーティングは、例えば、バッテリモジュールに侵入する、水、湿気、ほこり、及び、耳垢や他の人間の分泌産物に対して、バッテリの環境保護を提供する。また、コーティングは、例えば、漏れが発生する場合、バッテリ電解液が漏れない、又はほとんど漏れないように、聴覚装置のユーザを環境的に保護する。コーティングは、非導電性材料又は複数の非導電性材料で作製されてもよい。コーティングは、プラスチックを備えていてもよい。コーティングは、ポリマを備えていてもよい。コーティングは、プラスチックとポリマとの組み合わせを備えていてもよい。コーティングは剛体であってもよい。
【0012】
聴覚装置は、ハウジング又はシェルを備えていてもよい。バッテリモジュールは、ハウジングに、例えば、ハウジングの構成要素又はフレームに配置されていてもよい。
【0013】
聴覚装置は、ヘッドセット、補聴器、ヒアラブル等であってもよい。聴覚装置は、耳内型(In-the-ear:ITE)聴覚装置、耳内レシーバ型(Receiver-in-ear:RIE)聴覚装置、外耳道内レシーバ型(Receiver-in-Canal:RIC)聴覚装置、耳内マイクロフォン及びレシーバ型(Microphone-and-receiver-in-ear:MaRIE)聴覚装置、耳後方型(Behind-the-ear:BTE)聴覚装置、店頭取引型(Over-The-Counter:OTC)聴覚装置等や、フリーサイズ(one-size-fits-all)聴覚装置等であってもよい。
【0014】
聴覚装置は、ユーザによって装着されるように構成される。聴覚装置は、ユーザの耳、ユーザの耳の上、ユーザの耳の中、ユーザの外耳道の中、ユーザの耳の後ろ等に配置されてもよい。ユーザは、2つの聴覚装置を装着し、各耳に1つの聴覚装置を装着してもよい。2つの聴覚装置は、無線で接続されるように接続されてもよい。
【0015】
聴覚装置は、例えば、ユーザが音楽やラジオ等のメディアを聴くことができ、及び/又はユーザが通話することができる等、オーディオ通信のために構成されてもよい。聴覚装置は、ユーザに対して聴覚補償を実行するように構成されてもよい。聴覚装置は、ノイズキャンセル等を実行するように構成されてもよい。
【0016】
聴覚装置は、受信したオーディオ信号に基づいて1つ又は複数のマイクロフォン出力信号を生成するために、第1の入力トランスデューサ、例えばマイクロフォンを備えていてもよい。音声信号は、アナログ信号であってもよい。マイク出力信号は、デジタル信号であってもよい。従って、第1の入力変換器、例えばマイクロフォン、又はアナログ-デジタル変換器は、アナログオーディオ信号をデジタルマイクロフォン出力信号に変換してもよい。全ての信号は、音信号又は音に関する情報を備える信号であってもよい。聴覚装置は、信号プロセッサを備えていてもよい。1つ又は複数のマイクロフォン出力信号は、1つ又は複数のマイクロフォン出力信号を処理するために信号プロセッサに提供されてもよい。信号は、ユーザの聴覚損失又は聴覚障害を補償するように処理されてもよい。信号プロセッサは、修正された信号を提供してもよい。これらの構成要素は全て、ITEユニット又はBTEユニットのハウジングに備えられていてもよい。聴覚装置は、レシーバ、出力変換器、スピーカ又は拡声器を備えていてもよい。レシーバは、信号プロセッサの出力に接続されてもよい。レシーバは、変更された信号をユーザの耳に出力してもよい。レシーバ、又はデジタル/アナログ変換器は、プロセッサからのデジタル信号である修正信号を、アナログ信号に変換してもよい。レシーバは、ITEユニット又はイヤホン、例えば、RIEユニット又はMaRIEユニットに備えられていてもよい。聴覚装置は、2つ以上のマイクロフォンを備えていてもよく、ITEユニット又はBTEユニットは、少なくとも1つのマイクロフォンを備えていてもよく、RIEユニットは、少なくとも1つのマイクロフォンを備えていてもよい。
【0017】
聴覚装置信号プロセッサは、増幅器、コンプレッサ、及び/又はノイズ低減システム等の要素を備えていてもよい。信号プロセッサは、信号処理チップ又はプリント回路基板(PCB)に実装されていてもよい。聴覚装置は、さらに、出力信号を最適化するための補償フィルタのようなフィルタ機能を有してもよい。
【0018】
聴覚装置は、さらに、電磁場の放射及び受信のために、無線周波数(RF)アンテナ又は磁気誘導アンテナ等のアンテナと相互接続された無線データ通信のための無線通信回路又は磁気誘導チップ等の無線通信ユニット又はチップを備えていてもよい。無線又はトランシーバを含む無線通信ユニットは、少なくとも1つのスマートフォン、少なくとも1つのタブレット、少なくとも1つのスパウスマイクロフォン、リモートコントロール、オーディオ試験装置等を含む少なくとも1つの聴覚アクセサリ装置を含む1つ又は複数の外部電子デバイス等の1つ又は複数の外部デバイス、又は、いくつかの実施形態では、別の耳に位置する別の聴覚装置等の別の聴覚装置と、典型的にはバイノーラル聴覚装置システムで通信するために、聴覚装置信号プロセッサ及びアンテナに接続していてもよい。
【0019】
聴覚装置は、任意の聴覚装置、例えば、聴覚装置の装着者の聴覚損失を補償する任意の聴覚装置、又は、装着者に音を提供する任意の聴覚装置、又はノイズキャンセルを提供する聴覚装置、又は耳鳴り低減/マスキングを提供する聴覚装置であってもよい。当業者には、異なる種類の聴覚装置と、聴覚装置の装着者の耳内及び/又は耳に聴覚装置を配置するための異なる選択肢と、がよく知られている。
【0020】
例えば、聴覚装置は、耳内型(In-the-ear:ITE)、外耳道内レシーバ型(Receiver-in-Canal:RIC)又は内レシーバ型(Receiver-in-ear:RIE又はRITE)又は耳内マイクロフォン及びレシーバ型(Microphone-and-receiver-in-ear:MaRIE)の聴覚装置であってもよく、レシーバは、使用中に、例えば耳内ユニットの一部として装着者の耳内等の耳内に配置され、一方、プロセッサ、無線通信ユニット、バッテリ等の他の聴覚装置構成要素は、アセンブリとして提供され、耳後方型(Behind-the-ear:BTE)ユニットのハウジング内に取り付けられる。プラグとソケットコネクタは、BTEユニットと、イヤピース、例えばRIEユニットやMaRIEユニットを接続してもよい。
【0021】
聴覚装置は、RIEユニットを備えていてもよい。RIEユニットは、典型的には、ハウジング、プラグコネクタ、及びプラグコネクタとイヤピースとを接続する電気ワイヤ/チューブのようなイヤピースを備える。イヤピースは、耳内ハウジングと、ユーザの耳に設けられるように構成されたレシーバ等のレシーバ及び/又はユーザの外耳道に設けられるように構成されたレシーバと、開放又は閉塞されたドームと、を備えていてもよい。ドームは、ユーザの耳において、イヤピースの正確な配置を支持してもよい。RIEユニットは、マイクロフォン、レシーバ、1つ又は複数のセンサ、及び/又は他の電子部品を備えていてもよい。イヤピースには電子部品が配置されていてもよく、プラグコネクタには他の電子部品が配置されていてもよい。レシーバは、異なる強度、即ち、低電力、中電力、又は高電力を有していてもよい。電線/チューブは、RIEユニットのイヤピースに設けられた電子部品と、BTEユニットに設けられた電子部品との電気的接続を提供する。RIEユニット自体と同様に、電線/チューブの長さが異なっていてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、コーティングは、バッテリ構成要素を保護し、バッテリ構成要素を固定するために提供されてもよい。コーティングは、導電性接着体を介して、導電ユニットをバッテリに機械的に固定し、電気的に接続してもよい。換言すれば、コーティングは、導電性接着体を介して、導電性ユニットとバッテリとの間の電気的接続を、機械的に固定することによって提供することを可能にしてもよい。
【0023】
別の実施形態では、コーティングは、バッテリ構成要素へのポリマ成膜によって提供されてもよい。コーティングは、例えば、コーティングの化学蒸着(CVD)又は物理蒸着(PVD)によって提供されてもよい。コーティングの厚さは、1~100μmの範囲、例えば2~50μm、例えば25μmであってもよい。コーティングの厚さは、それ自体が当技術分野で知られている方法で制御されてもよい。例えば、コーティングの厚さは、皮膜の期間によって、及び/又は被膜中にコーティングを形成する前の流れによって制御されてもよい。コーティング材料の例は、パリレンN、パリレンC等のいずれか又はいずれかの組み合わせを備える。
【0024】
いくつかの実施形態では、バッテリ構成要素をコーティングするステップは、バッテリ構成要素の周囲にポリマを少なくとも部分的に被膜させるステップを備えていてもよい。バッテリ構成要素をコーティングするステップは、例えば、バッテリ構成要素の一部をマスキングすることと、バッテリ構成要素の残りの部分の周りに、即ちバッテリ構成要素の周りの少なくとも一部にポリマを被膜させることと、を備えていてもよい。バッテリ構成要素の部分のマスキングは、それ自体が当技術分野で知られている方法で実行されてもよい。例えば、バッテリ構成要素の一部は、ゲル、テープ、又はプラスチックマスクによってマスクされてもよい。あるいは、バッテリ構成要素をコーティングするステップは、バッテリ構成要素の周囲にポリマを完全に被膜させることを備えていてもよい。コーティングの一部は、、バッテリ構成要素の部分と聴覚装置のメインプリント回路基板のような外部構成要素との間の接触を形成するために、後に除去されてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、導電性接着体は、接着材料に配置される導電性構成要素を備えていてもよい。導電性構成要素は、ニッケル及び/又は銅粒子等の導電性粒子であってもよい。導電性構成要素は、導電性繊維であってもよい。導電性構成要素は、導電性フィラーであってもよい。導電性構成要素は、バッテリと導電性ユニットとの間に電気的接続を提供してもよい。接着材料、即ち、マトリックスは、導電性構成要素間の接続を提供するために圧縮され得るポリママトリックス等の接着剤溶液であってもよい。接着材料は、感圧アクリル接着材料であってもよい。例えば、導電性繊維は、マトリックスが導電性繊維のためのキャリアとして作用し得るように、ポリママトリックス中に埋め込まれてもよい。別の例は、異方性電気伝導率を有する粘着性転写テープである。このような感圧接着剤材料には、導電性粒子を充填してもよい。そのような導電性粒子は、接着体の厚さを通して、即ち接着体材料の垂直面に沿って、基板間の相互接続を可能にし得、製品が3M 9703テープ等の接着体材料の面で電気的に絶縁されるのに十分に離間していてもよい。
【0026】
導電性接着体の例としては、導電性粒子の形態の導電性成分を備えるシリコン系テープのような導電性テープ、導電性接着剤である。導電性接着体の他の例は、テサ(tesa)60371のような接着溶液に配置されたランダムな金属繊維を備える織り合わせ構造である。別の例は、ランダムに配置されてもよく、又は例えば、織り合わせ構造のように順番に配置されてもよい、ニッケル又は銅材料のいずれか又は任意の組み合わせでコーティングされたプラスチック糸である。
【0027】
いくつかの実施態様において、導電性接着体は、少なくとも、導体ユニットが導電性接着体を介して、バッテリの正極端子及び/又は負極端子に接続されるように、バッテリの正極端子及び/又は負極端子に配置されていてもよい。導体ユニットは、正極端子と負極端子との間に延在してもよい。
【0028】
いくつかの実施態様において、導電性接着体をバッテリに接続するステップは、導電性接着体を、少なくとも導電性接着体を介してバッテリの正極端子及び/又は負極端子に接続するように、バッテリの正極端子及び/又は負極端子に導電性接着体を配置することを備える。
【0029】
これにより、導電性接着体は、少なくともバッテリの正極端子の表面及び/又は負極端子の表面と接触して配置されていてもよい。導電性接着体は、正極端子又は負極端子のいずれかに配置されていてもよい。言い換えれば、導電性接着体は、正極端子の表面と接触して配置されてもよいし、負極端子の表面と接触して配置されていてもよい。導電性接着体は、正極端子及び負極端子の両方に配置されていてもよい。言い換えれば、導電性接着体は、正極端子及び負極端子の両面に接触して配置されていてもよい。導体ユニットは、導電性接着体上に配置されていてもよい。導体ユニットは、導電性接着体と接触して配置されていてもよい。導体ユニットは、バッテリの正極端子と負極端子との間に延在していてもよく、ある点でバッテリと接触していてもよい。
【0030】
いくつかの実施態様において、導体ユニットは、テール部を備える。聴覚装置は、メインプリント回路基板を備えていてもよい。導体ユニットのテール部は、メインプリント回路基板に接続さていてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、方法は、導体ユニットのテール部をメインプリント回路基板に接続することを備えていてもよい。
【0032】
これにより、導体ユニットは、テール部を介して聴覚装置のメインプリント回路基板に接続され得る。導体ユニットのテール部は、メインプリント回路基板の一部に半田付けされていてもよい。導体ユニットのテール部は、フリップ接点又はばね接点によって、メインプリント回路基板の一部に接続されていてもよい。導体ユニットのテール部は、メインプリント回路基板の一部に導電性接着体、例えば導電性テープによって接続されていてもよい。導体ユニットのテール部は、メインプリント回路基板の一部に任意の他の手段によって接続されていてもよい。導体ユニットのテール部は、導体ユニットの上部、底部又は側面パネルに配置されていてもよい。導体ユニットのテール部は、聴覚装置のメインプリント回路基板の上部、底部又は側部に接続されていてもよい。
【0033】
導体ユニットのテール部をメインプリント回路基板に接続する工程は、バッテリモジュールを形成するために、バッテリ構成要素をコーティングする工程の前に実行されてもよい。この場合、コーティングは、バッテリ構成要素、メインプリント回路基板に接続された導体ユニットのテール部及びメインプリント回路基板を被覆する。導体ユニットのテール部をメインプリント回路基板に接続する工程は、バッテリモジュールを形成するためにバッテリ構成要素をコーティングするステップの後に実行されてもよい。この場合、コーティングは、バッテリ構成要素を被覆し、バッテリモジュールを形成する。
【0034】
メインプリント回路基板は、入力トランスデューサ、例えば、マイクロフォン、出力トランスデューサ、例えば、レシーバ及び/又はスピーカ、集積回路、例えば、信号処理ユニット、並びに個々の構成要素、例えば、キャパシタ、抵抗器及びインダクタを備えていてもよい。メインプリント回路基板は、任意の他の構成要素を備えていてもよい。メインプリント回路基板は、可撓性であってもよい。メインプリント回路基板は、剛性であってもよい。メインプリント回路基板は、剛性パネルを備えるフレキシブル基板を備えていてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、バッテリモジュールを製造する方法は、導体ユニットをバッテリに電気的に接続するために、導電性接着体を活性化することを備えていてよい。それによって、接着溶液を活性化するステップによって、導電性接着体は活性化され、したがって、バッテリと導体ユニットとの間の電気的接続を提供してもよい。例えば、導電性接着体を活性化するステップは、導電性接着体を圧縮することによって実行されてもよい。あるいは、又は組み合わせて、導電性接着体を活性化するステップは、導電性接着体を加熱することによって実行されていてもよい。導電性接着体の圧縮は、導電性構成要素を接続し、従って、導電性ユニットをバッテリに接続して、バッテリ構成要素を形成してもよい。導電性接着体を加熱することは、導体ユニットのバッテリへの接続を改善し、また、組立の時間を減少させ得る。導電性接着体を活性化するステップは、導電ユニットを導電性接着体に接続するステップの前に実行されてもよい。導電性接着体を活性化するステップは、導電性接着体に導体ユニットを接続するステップの後に実行されてもよい。圧縮によって導電性接着体を活性化するステップは、導電性接着体に2~50Nの範囲、例えば5Nの圧力を加えることによって実行されてもよい。圧力は、1~300秒の範囲、例えば、90秒の時間に亘って加えられてもよい。加熱によって導電性接着体を活性化するステップは、40~100℃の範囲の温度、例えば60℃で導電性接着体を加熱することによって実行されてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、この方法は、導体ユニットのテール部をメインプリント回路基板に接続するステップの前に、導体ユニットのテール部からコーティングを除去するステップを備えていてもよい。例えば、コーティングがバッテリ構成要素の周囲に完全に堆積される場合、導体ユニットのテール部をメインプリント回路基板に接続する工程の前に、コーティングを導体ユニットのテール部から除去してもよい。コーティングの除去は、それ自体が当技術分野で知られている方法で実行されてもよい。例えば、コーティングの除去は、工具で導体ユニットのテール部のコーティングの一部を削ることによって実行されてもよい。別の例として、導体ユニットのテール部のコーティングの一部をレーザによって除去してもよい。さらに別の例として、導体ユニットのテール部のコーティングの一部は、半田ごてによって除去されてもよい。半田ごての先端の温度は、コーティングを除去するためにコーティングの溶融温度より高くてもよい。
【0037】
本発明は、聴覚装置と、上記及び以下に記載される聴覚装置を製造する対応する方法と、対応する装置の各部及び方法のステップとを含む異なる態様に関し、各々は、第1及び第2の記載された態様に関連して記載され、かつ/又は添付の特許請求の範囲に開示された、第1及び第2の記載された態様に関連して記載された実施形態に対応する1つ又は複数の実施形態を有する、1つ又は複数の利益及び利点をもたらす。
【0038】
上記及び他の特徴及び利点は、添付の図面を参照した例示的な実施形態の以下の詳細な説明によって、当業者に容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】例示的なバッテリ構成要素の上面斜視を概略的に示す。
図2】例示的なバッテリ構成要素の側面を概略的に示す。
図3】聴覚装置の例示的なバッテリモジュールの側面を概略的に示す。
図4】バッテリモジュールを備える例示的な聴覚装置の側面を概略的に示す。
図5】バッテリモジュールを備える別の例示的な聴覚装置の側面を概略的に示す。
図6】聴覚装置用バッテリモジュールの製造方法のステップのフローチャートを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
様々な実施形態が、図面を参照して以下に記載される。全体を通して、同様の参照番号は同様の要素を指す。従って、同様の要素については、各図の説明に関して詳細には説明しない。また、図面は、実施形態の説明を容易にすることのみを意図していることにも留意されたい。それらは、特許請求の範囲に記載された発明の網羅的な説明として、又は、特許請求の範囲に記載された発明の範囲を限定することを意図されていない。さらに、図示された実施形態は、図示された態様又は利点のすべてを有する必要はない。特定の実施形態に関連して説明される態様又は利点は、必ずしもその実施形態に限定されず、そのように図示されていなくても、又はそのように明示的に説明されていなくても、任意の他の実施形態で実施することができる。
【0041】
全体を通して、同じ参照番号は、同一又は対応する部分に使用される。
【0042】
図1は、バッテリモジュール10の例示的なバッテリ構成要素12の斜視側面を概略的に示す。図2は、図1に示す例示的なバッテリ構成要素12の側面を概略的に示す。バッテリ構成要素12は、聴覚装置20に電力を供給するためのバッテリ2を備える。バッテリ構成要素12は、バッテリ2に電気的接続を提供するための導体ユニット4を備える。図1及び図2は、導体ユニット4がテール部14を備えることを示している。バッテリ構成要素12は、バッテリ構成要素12を形成するために導体ユニット4をバッテリ2に接続するためにバッテリ2と導体ユニット4との間に配置される導電性接着体6を備える。図1及び図2に示されるバッテリ2は、丸い正極端子及び負極端子を有するコイン形セル型バッテリ2である。
【0043】
図2は、導電性接着体6が、各々がバッテリ2の正極端子及び負極端子上に配置される2つの部分を備えることを示す。図1は、導体ユニット4が、バッテリ2の正極端子及び負極端子上の導電性接着体6の部分に配置される2つの丸い部分を有することを示す。図1及び図2は、導体ユニット4が、導電性接着体6を介して、バッテリ2の正極端子及び負極端子に接続されていることを示す。導電性接着体6の部分に配置される導体ユニット4の部分は、他の任意の形状を有していてもよい。図1及び図2は、導体ユニット4がバッテリ2の正極端子と負極端子との間に延在していることを示す。導電性接着体6の部分は、バッテリ2と導体ユニット4との間に配置され、丸い形状を有していてもよい。また、導電性接着体6の部分は、バッテリ2と導体ユニット4との間に配置され、他の任意の形状を有していてもよい。図2は、活性化のために、図2に示す2つの矢印方向に圧力を加えることによって、導電性接着体6が圧縮されることを示す。
【0044】
図3は、聴覚装置20の例示なバッテリモジュール10の側面を概略的に示す。バッテリモジュール10は、聴覚装置20に電力を供給するためのバッテリ2を備える。バッテリモジュール10は、バッテリ2に電気的接続を提供するための導体ユニット4を備える。バッテリモジュール10は、バッテリ2と導体ユニット4との間に配置され、導体ユニット4をバッテリ2に接続して、バッテリ構成要素12を形成する導電性接着体6を備える。バッテリモジュール10は、バッテリモジュール10を形成するために、少なくとも部分的にバッテリ構成要素12の周囲に配置されるコーティング8を備える。図3は、コーティング8が、テール部14の一部、即ちテール部14の先端の周囲を除いて、バッテリ構成要素12をコーティングすることを示す。
【0045】
図4は、バッテリモジュール10を備える例示的な聴覚装置20の側面を概略的に示す。図4に示すバッテリモジュール10は、図3に示すバッテリモジュール10と同様である。図4は、聴覚装置20がメインプリント回路基板16を備えることを示す。図4は、導体ユニット4のテール部14がメインプリント回路基板16に接続されていることを示している。図4は、導体ユニット4のテール部14が、はんだ付け部18でメインプリント回路基板16にはんだ付けされていることを示す。図4は、メインプリント回路基板16が他の構成要素21を備えることを示す。このような構成要素21の例は、マイクロフォン、レシーバ、スピーカ、信号処理ユニットのような集積回路、及びコンデンサ、抵抗及びインダクタのような個々の構成要素を備える。図4において、導体ユニット4のテール部14をメインプリント回路基板16に接続するステップS37は、バッテリモジュール10を形成するために、バッテリ構成要素12をコーティングするステップS35の後に実行される。
【0046】
図5は、バッテリモジュール10を備える別の例示的な聴覚装置20の側面を概略的に示す。図5は、導体ユニット4のテール部14がメインプリント回路基板16に接続されていることを示す。図5は、導体ユニット4のテール部14が、はんだ付け部18でメインプリント回路基板16にはんだ付けされていることを示す。図5は、コーティングが、メインプリント回路基板16に接続されたバッテリ構成要素12、導体ユニット4のテール部14、及びメインプリント回路基板16を被覆していることを示す。図5において、導体ユニット4のテール14部をメインプリント回路基板16に接続するステップS37は、バッテリモジュール10を形成するために、バッテリ構成要素12をコーティングするステップS35の前に実行される。
【0047】
図6は、聴覚装置20用バッテリモジュール10を製造する方法S30のステップのフローチャートを示す。方法S30は、聴覚装置20に給電するためのバッテリ2、バッテリ2への電気的接続を提供するための導体ユニット4、及び導電性接着体6を提供するステップS31を備える。方法S30は、導電性接着体6にバッテリ2に接続するステップS32を備える。方法S30は、バッテリ構成要素12を形成するために、導体ユニット4を導電性接着体6に接続するステップS33を備える。方法S30は、導体ユニット4をバッテリ2に電気的に接続するために、導電性接着体6を活性化することS34を備えていてもよい。活性化するステップS34は、導体ユニット4を導電性接着体6に接続するステップS33の前に実行されてもよい。活性化するステップS34は、導体ユニット4を導電性接着体6に接続するステップS33の後に実行されてもよい。
【0048】
図6は、方法S30が、バッテリモジュール20を形成するためにバッテリ構成要素12をコーティングすることS35を備えていてもよいことを示す。図6は、方法S30が、導体ユニット4のテール部14をメインプリント回路基板16に接続するステップS37の前に、導体ユニット4のテール部14からコーティング8を除去するステップS36を備えていてもよいことを示す。図6は、方法S30が、導体ユニット4のテール部14をメインプリント回路基板16に接続することS37を備えていてもよいことを示す。
【0049】
特定の特徴が示され、説明されてきたが、それらは、特許請求の範囲に記載された発明を限定することを意図しておらず、特許請求の範囲に記載された発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正がなされ得ることが、当業者に明らかであることが理解されるであろう。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で見なされるべきである。特許請求される発明は、全ての代替物、修正物、及び均等物を包含することが意図される。
【0050】
(項目)
1. バッテリモジュール(10)を備える聴覚装置(20)であって、前記バッテリモジュール(10)は、
前記聴覚装置(20)に電力を供給するためのバッテリ(2)と、
前記バッテリ(2)に電気的接続を提供するための導体ユニット(4)と、
前記バッテリ(2)と前記導体ユニット(4)との間に配置され、バッテリ構成要素(12)を形成するために、前記バッテリ(2)に前記導体ユニット(4)を接続する導電性接着体(6)と、
前記バッテリモジュール(10)を形成するために、少なくとも部分的に前記バッテリ構成要素(12)の周囲に設けられるコーティング(8)と、を備える。
【0051】
2. 前記コーティング(8)は、前記バッテリ構成要素(12)を保護し、前記バッテリ構成要素(12)を固定するために設けられる、項目1に記載の聴覚装置(20)。
【0052】
3. 前記コーティング(8)は、前記バッテリ構成要素(12)へのポリマの堆積によって提供される、項目1又は2に記載の聴覚装置(20)。
【0053】
4. 前記導電性接着体(6)は、接着体材料中に配置される導電性構成要素を備える、項目1から3のいずれか一項に記載の聴覚装置(20)。
【0054】
5. 前記導電性接着体(6)は、前記導体ユニット(4)が、前記導電性接着体(6)を介して前記バッテリ(2)の少なくとも正極端子及び/又は負極端子に接続されるように、前記バッテリ(2)の少なくとも前記正極端子及び/又は前記負極端子に配置され、前記導体ユニット(4)は、前記正極端子と前記負極端子との間に延在する、項目1から4のいずれか一項に記載の聴覚装置(20)。
【0055】
6. 前記導体ユニット(4)は、テール部(14)を備え、前記聴覚装置(20)はメインプリント回路基板(16)を備え、前記導体ユニット(4)の前記テール部(14)は、前記メインプリント回路基板(16)に接続されている、項目1から5のいずれか一項に記載の聴覚装置(20)。
【0056】
7. 前記導体ユニット(4)は、プリント回路基板を備える、項目1から6のいずれか一項に記載の聴覚装置。
【0057】
8. 聴覚装置(20)用のバッテリモジュール(10)の製造方法(S30)であって、前記方法(S30)は、
前記聴覚装置(20)に電力を供給するためのバッテリ(2)と、前記バッテリ(2)に電気的接続を提供するための導体ユニット(4)と、導電性接着体(6)と、を提供すること(S31)と、
前記導電性接着体(6)をバッテリ(2)に接続すること(S32)と、
バッテリ構成要素(12)を形成するために、前記導体ユニット(4)を前記導電性接着体(6)に接続すること(S33)と、
前記バッテリモジュール(20)を形成するために、前記バッテリ構成要素(12)をコーティングすること(S35)と、を備える。
【0058】
9. 前記導体ユニット(4)を前記バッテリ(2)に電気的に接続するために、導電性接着体(6)を活性化すること(S34)を備える、項目8に記載のバッテリモジュール(10)の製造方法(S30)。
【0059】
10. 前記バッテリ構成要素(12)をコーティングするステップ(S35)は、少なくとも部分的に前記バッテリ構成要素(12)の周囲にポリマを堆積することを備える、項目8又は9に記載のバッテリモジュール(10)を製造する方法(S30)。
【0060】
11. 前記導電性接着体(6)を前記バッテリ(2)に接続するステップ(S32)は、
前記導体ユニット(4)が前記導電性接着体(6)を介して前記バッテリ(2)の少なくとも正極端子及び/又は負極端子に接続されるように、前記バッテリ(2)の少なくとも前記正極端子及び/又は前記負極端子に前記導電性接着体(6)を配置することを備える、項目8から10のいずれかに記載のバッテリモジュール(10)の製造方法(S30)。
【0061】
12. 前記導体ユニット(4)は、テール部(14)を備え、前記聴覚装置(20)はメインプリント回路基板(16)を備え、前記方法(S30)は、前記導体ユニット(4)の前記テール部(14)を前記メインプリント回路基板(16)に接続すること(S37)を備える、項目8から11のいずれか一項に記載のバッテリモジュール(10)を製造する方法(S30)。
【0062】
13. 前記導体ユニット(4)の前記テール部(14)を前記メインプリント回路基板(16)に接続するステップ(S37)の前に、前記導体ユニット(4)の前記テール部(14)から前記コーティング(8)を除去すること(S36)を備える、項目12に記載のバッテリモジュール(20)の製造方法(S30)。
【符号の説明】
【0063】
2:バッテリ
4:導体ユニット
6:導電性接着体
8:コーティング
10:バッテリモジュール
12:バッテリ構成要素
14:テール部
16:メインプリント回路基板
18:はんだ付け部
20:聴覚装置
21:構成要素
S30:方法
S31:導電性接着体6をバッテリ2に接続
S32:導体ユニット4を導電性接着体6に接続
S33:導体ユニット4を導電性接着体6に接続
S34:導電性接着体6を活性化
S35:バッテリ構成要素12をコーティング
S36:導体ユニット4のテール部14からコーティング8を除去
S37:導体ユニット4のテール部14をメインプリント回路基板16に接続
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】