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特開2022-128450距離測定装置、レーザレーダ及び移動ロボット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128450
(43)【公開日】2022-09-01
(54)【発明の名称】距離測定装置、レーザレーダ及び移動ロボット
(51)【国際特許分類】
   G01S 17/48 20060101AFI20220825BHJP
   G01S 7/481 20060101ALI20220825BHJP
   G01C 3/06 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
G01S17/48
G01S7/481 Z
G01C3/06 120W
G01C3/06 120Q
G01C3/06 110A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026236
(22)【出願日】2022-02-22
(31)【優先権主張番号】202120392048.7
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110601668.1
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521191562
【氏名又は名称】深▲セン▼市歓創科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN CAMSENSE TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Unit 2407-2409, Block 4, Phase II, Tianan Cloud Park, Gangtou Community, Bantian Street, Longgang District, Shenzhen , Guangdong,China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】李楽
(72)【発明者】
【氏名】韋晨曦
(72)【発明者】
【氏名】周▲クゥン▼
【テーマコード(参考)】
2F112
5J084
【Fターム(参考)】
2F112AA09
2F112AD01
2F112BA06
2F112CA12
2F112DA04
2F112DA25
2F112DA28
2F112EA03
2F112EA05
2F112FA16
2F112FA41
2F112GA01
5J084AA05
5J084AC07
5J084AD01
5J084AD07
5J084BA04
5J084BA36
5J084BB02
5J084BB04
5J084BB21
5J084CA03
5J084CA65
5J084CA67
5J084EA07
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】本発明の実施例は、距離測定技術の分野に関し、距離測定装置、レーザレーダ及び移動ロボットを開示した。ここで、前記距離測定装置は、パルスレーザを距離測定対象のターゲットオブジェクトに出射するためのレーザ出射ユニットと、前記ターゲットオブジェクトから反射される前記パルスレーザを受信するとともに、三角形距離測定原理に応じて距離を計算及び決定するための、対応する第1の信号を生成するための第1の受信ユニットと、前記ターゲットオブジェクトから反射される前記パルスレーザを受信するとともに、飛行時間原理に応じて距離を計算及び決定するための、対応する第2の信号を生成するための第2の受信ユニットと、を含む。
【効果】本発明の実施例にて提供される距離測定装置は遠距離測定と近距離測定に適用し、そして測定の精度が高い。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルスレーザを距離測定対象のターゲットオブジェクトに出射するためのレーザ出射ユニット(10)と、
前記ターゲットオブジェクトから反射される前記パルスレーザを受信するとともに、三角形距離測定原理に応じて距離を計算及び決定するための、対応する第1の信号を生成するための第1の受信ユニット(20)と、
前記ターゲットオブジェクトから反射される前記パルスレーザを受信するとともに、飛行時間原理に応じて距離を計算及び決定するための、対応する第2の信号を生成するための第2の受信ユニット(30)と、
前記第1の信号及び前記第2の信号を受信して、それぞれ三角距離測定原理及び飛行時間原理に応じて距離を計算及び決定するための計算ユニット(40)と、を含み、
回路基板(50)をさらに含み、第1の受信ユニット(20)、第2の受信ユニット(30)及びレーザ出射ユニット(10)はいずれも回路基板(50)に接続される特徴(a)または、
レーザ出射ユニット(10)、第1の受信ユニット(20)及び第2の受信ユニット(30)のうちの少なくとも2つが異なる回路基板に設けられる特徴(b)、をさらに含む、
ことを特徴とする距離測定装置。
【請求項2】
第1の受信ユニット(20)及び第2の受信ユニット(30)はレーザ出射ユニット(10)の両側に設けられるか、又は
第1の受信ユニット(20)及び第2の受信ユニット(30)はレーザ出射ユニット(10)と同じ側に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の距離測定装置。
【請求項3】
前記計算ユニット(40)は、
三角距離測定原理に応じて前記第1の信号を分析して前記ターゲットオブジェクトと距離測定装置との間の第1の距離を取得し、且つ飛行時間原理に応じて前記第2の信号を分析して前記ターゲットオブジェクトと距離測定装置との間の第2の距離を取得し、かつ、
前記ターゲットオブジェクトと距離測定装置との間の距離を、前記第1の距離と前記第2の距離に応じて重み付け方法で決定するように設定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の距離測定装置。
【請求項4】
レーザ出射ユニット(10)の光軸(X3)及び第2の受信ユニット(30)の光軸(X5)は両方とも回路基板(50)に垂直である、
前記距離測定装置は、反射された前記パルスレーザを透過させて第1の受信ユニット(20)に投射するための第1のレンズ(21)をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の距離測定装置。
【請求項5】
第1の受信ユニット(20)の光軸(X2)は回路基板(50)に垂直であり、第1のレンズ(21)の光軸(X1)は第1の受信ユニット(20)の光軸(X2)と平行であり、且つずれて設けられ、そして、第1の受信ユニット(20)の光軸(X2)は第1のレンズ(21)の光軸(X1)よりもレーザ出射ユニット(10)の光軸(X3)から離れているか、又は
第1の受信ユニット(20)の光軸(X2)は回路基板(50)に垂直であり、第1のレンズ(21)の光軸(X1)は第1の受信ユニット(20)の光軸(X2)及びレーザ出射ユニット(10)の光軸(X3)の両方と交差し、そして、第1のレンズ(21)の光軸(X1)は第1の受信ユニット(20)の受信面を通過するか、又は、
第1のレンズ(21)の光軸(X1)はレーザ出射ユニット(10)の光軸(X3)と交差し、そして、第1のレンズ(21)の光軸(X1)は第1の受信ユニット(20)の受信面を通過し且つそれに垂直である、
ことを特徴とする請求項4に記載の距離測定装置。
【請求項6】
反射された前記パルスレーザを透過させて第2の受信ユニット(30)に投射するための第2のレンズ(31)をさらに含み、
出射されたパルスレーザを透過させるための第3のレンズ(11)をさらに含み、かつ、
第3のレンズ(11)は第3のフレーム(12)に取り付けられ、第3のフレーム(12)は回路基板(50)に固定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の距離測定装置。
【請求項7】
反射された前記パルスレーザを透過させて第1の受信ユニット(20)に投射するための第1のレンズ(21)をさらに含み、第1のレンズ(21)は第1のフレーム(22)に取り付けられ、前記第1のフレーム(22)は第3のフレーム(12)に取り付けられ、及び/又は
反射された前記パルスレーザを透過させて第2の受信ユニット(30)に投射するための第2のレンズ(31)をさらに含み、第2のレンズ(31)は第2のフレーム(32)に取り付けられ、第2のフレーム(32)は第3のフレーム(12)に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項6に記載の距離測定装置。
【請求項8】
第1の受信ユニット(20)はCMOS又はCCD光学センサを含み、及び/又は
第2の受信ユニット(30)は単一光子アバランシェダイオード又はアバランシェフォトダイオード又は高速フォトダイオードを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の距離測定装置。
【請求項9】
レーザ出射ユニット(10)、第1の受信ユニット(20)及び第2の受信ユニット(30)は、それぞれ第1の回路基板(51)、第2の回路基板(52)及び第3の回路基板(53)に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の距離測定装置。
【請求項10】
第1の回路基板(51)、第2の回路基板(52)及び第3の回路基板(53)の相対的な固定を維持する取り付け構造(70)をさらに含むか、又は、
レーザ出射ユニット(10)及び第1の受信ユニット(20)は第4の回路基板(54)に設けられ、第2の受信ユニット(30)は第3の回路基板(53)に設けられ、かつ、第4の回路基板(54)及び第3の回路基板(53)の相対的な固定を維持する取り付け構造(70)をさらに含むか、又は、
レーザ出射ユニット(10)及び第2の受信ユニット(30)は第5の回路基板(55)に設けられ、第1の受信ユニット(20)は第2の回路基板(52)に設けられ、かつ、第5の回路基板(55)と第2の回路基板(52)の相対的な固定を維持する取り付け構造(70)をさらに含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の距離測定装置。
【請求項11】
第1の受信ユニット(20)及び第2の受信ユニット(30)のうちの一方はレーザ出射ユニット(10)と上下になるように設けられ、第1の受信ユニット(20)及び第2の受信ユニット(30)のうちの他方はレーザ出射ユニット(10)と左右になるように設けられ、
前記異なる回路基板は互いに平行になるように設けられるか、又は、前記異なる回路基板のうちの少なくとも2つが非平行に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の距離測定装置。
【請求項12】
前記ターゲットオブジェクトから反射される前記パルスレーザを第1の受信ユニット(20)及び第2の受信ユニット(30)のうちの少なくとも1つに反射するための反射鏡(73)をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の距離測定装置。
【請求項13】
第1の受信ユニット(20)及び第2の受信ユニット(30)のうちの一方はレーザ出射ユニット(10)と左右になるように設けられ、
第1の受信ユニット(20)及び第2の受信ユニット(30)のうちの他方は、レーザ出射ユニット(10)の後方に設けられ、反射鏡(73)は、前記ターゲットオブジェクトから反射される前記パルスレーザを第1の受信ユニット(20)及び第2の受信ユニット(30)のうちの前記他方に反射し、
第1の受信ユニット(20)及び第2の受信ユニット(30)のうちの前記他方は垂直配置されるか、又は傾斜に配置され、かつ、
第1の受信ユニット(20)及び第2の受信ユニット(30)のうちの前記一方はレーザ出射ユニット(10)と同一の回路基板に設けられるか、又は異なる回路基板に設けられる、
ことを特徴とする請求項12に記載の距離測定装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の距離測定装置、及び、
ベース(61)と、ベース(61)に回転可能に取り付けられる回転台座(62)と、回転台座(62)と駆動装置(64)とを接続する伝動機構(63)と、ベース(61)に取り付けられる駆動装置(64)とを含み、前記距離測定装置が前記回転台座(62)に設けられる回転雲台(60)を含み、
回転雲台(60)は、レーザを透過させることができる実体構造であるカバー本体(66)をさらに含む、
ことを特徴とするレーザレーダ。
【請求項15】
請求項14に記載のレーザレーダ(200)を含む、
ことを特徴とする移動ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、距離測定技術の分野に関し、特に距離測定装置及びこのような距離測定装置を有するレーザレーダ及び移動ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
コンポーネントの小型化と低コスト化に伴い、空間測位技術はますます普及しており、家庭用移動ロボット、無人航空機、無人運転などの自律ナビゲーション分野に応用できる。空間測位技術において、光学位置測位技術は精度が高く、応答が速いという特徴を有するため、広く応用されている。
【0003】
光学測位技術において、最も一般的な距離測定装置は基本的に1つの光出射コンポーネント及び1つの受光コンポーネントを含む。距離測定装置に係る測位方法は一般的に三角測定法であり、その測定距離と精度が適切で、応答が比較的速く、ハードウェアコストが比較的低い。そのため、掃除ロボット用のレーザレーダなどの民生用光学測位装置の大部分には、三角測定法が広く用いられている。
【0004】
図1に示すように、関連技術の距離測定装置1である。前記距離測定装置1は三角測定法に基づき、主に1つのレーザ出射コンポーネント2及び1つのイメージセンサコンポーネント3を含む。前記距離測定装置1の測定原理は、レーザがレーザ出射コンポーネント2によって出射され、目標反射光が受光コンポーネント4を通過してイメージセンサコンポーネント3によって捕捉されて、イメージセンサコンポーネント3のある領域位置に信号応答が生成されることである。
【0005】
前記距離測定装置1は、ベース5及び上カバー本体6を有するモジュールブラケット7をさらに含んでもよく、レーザ出射コンポーネント2、受光コンポーネント4、イメージセンサコンポーネント3をモジュールブラケット7に取り付ける。
【0006】
しかしながら、三角測定法を採用した距離測定装置は、近距離の測定精度が高いが、遠距離の測定精度は悪いため、三角測定法を採用した距離測定装置は、遠距離の測定に適用しにくい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主に解決しようとする技術的問題は、遠距離及び近距離の精密な測定に適用できる距離測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例は、技術的問題を解決するために以下の技術的解決手段を提供する。
【0009】
距離測定装置は、パルスレーザを距離測定対象のターゲットオブジェクトに出射するためのレーザ出射ユニットと、前記ターゲットオブジェクトから反射される前記パルスレーザを受信するとともに、三角形距離測定原理に応じて距離を計算及び決定するための、対応する第1の信号を生成するための第1の受信ユニットと、前記ターゲットオブジェクトから反射される前記パルスレーザを受信するとともに、飛行時間原理に応じて距離を計算及び決定するための、対応する第2の信号を生成するための第2の受信ユニットと、を含む。
【0010】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記距離測定装置は回路基板をさらに含み、前記第1の受信ユニット、前記第2の受信ユニット及び前記レーザ出射ユニットはいずれも前記回路基板に接続される。
【0011】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記レーザ出射ユニットの光軸及び前記第2の受信ユニットの光軸は両方とも前記回路基板に垂直である。
【0012】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記距離測定装置は、反射された前記パルスレーザを透過させて前記第1の受信ユニットに投射するための第1のレンズをさらに含む。
【0013】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記第1の受信ユニットの光軸は前記回路基板に垂直であり、前記第1のレンズの光軸は前記第1の受信ユニットの光軸と平行であり、且つずれて設けられ、そして、前記第1の受信ユニットの光軸は前記第1のレンズの光軸よりも前記レーザ出射ユニットの光軸から離れている。
【0014】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記第1の受信ユニットの光軸は前記回路基板に垂直であり、前記第1のレンズの光軸は前記第1の受信ユニットの光軸及び前記レーザ出射ユニットの光軸の両方と交差し、そして、前記第1のレンズの光軸は前記第1の受信ユニットの受信面を通過する。
【0015】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記第1のレンズの光軸は前記レーザ出射ユニットの光軸と交差し、そして、前記第1のレンズの光軸は前記第1の受信ユニットの受信面を通過し且つそれに垂直である。
【0016】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記第1のレンズの焦点距離は16mm以下である。
【0017】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記距離測定装置は、反射された前記パルスレーザを透過させて前記第2の受信ユニットに投射するための第2のレンズをさらに含む。
【0018】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記距離測定装置は、出射されたパルスレーザを透過させるための第3のレンズをさらに含む。
【0019】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記第3のレンズは第3のフレームに取り付けられ、前記第3のフレームは前記回路基板に固定される。
【0020】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記距離測定装置は、反射された前記パルスレーザを透過させて前記第1の受信ユニットに投射するための第1のレンズをさらに含み、前記第1のレンズは第1のフレームに取り付けられ、前記第1のフレームは前記第3のフレームに取り付けられ、及び/又は、前記距離測定装置は、反射された前記パルスレーザを透過させて前記第2の受信ユニットに投射するための第2のレンズをさらに含み、前記第2のレンズは第2のフレームに取り付けられ、前記第2のフレームは前記第3のフレームに取り付けられる。
【0021】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記第1の受信ユニットはCMOS又はCCD光学センサを含み、及び/又は、前記第2の受信ユニットは単一光子アバランシェダイオード又はアバランシェフォトダイオード又は高速フォトダイオードを含む。
【0022】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記第1の受信ユニット及び前記第2の受信ユニットは前記レーザ出射ユニットの両側に設けられ、又は、前記第1の受信ユニット及び前記第2の受信ユニットは前記レーザ出射ユニットの同じ側に設けられる。
【0023】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記レーザ出射ユニット、前記第1の受信ユニット及び前記第2の受信ユニットのうちの少なくとも2つは異なる回路基板に設けられる。
【0024】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記レーザ出射ユニット、前記第1の受信ユニット及び前記第2の受信ユニットは、それぞれ第1の回路基板、第2の回路基板及び第3の回路基板に設けられる。
【0025】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記距離測定装置は、前記第1の回路基板、第2の回路基板及び第3の回路基板の相対的な固定を維持するための取り付け構造をさらに含む。
【0026】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記レーザ出射ユニット及び前記第1の受信ユニットは第4の回路基板に設けられ、前記第2の受信ユニットは第3の回路基板に設けられる。
【0027】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記距離測定装置は、前記第4の回路基板及び第3の回路基板の相対的な固定を維持するための取り付け構造をさらに含む。
【0028】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記レーザ出射ユニット及び前記第2の受信ユニットは第5の回路基板に設けられ、前記第1の受信ユニットは前記第2の回路基板に設けられる。
【0029】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記距離測定装置は、前記第5の回路基板及び前記第2の回路基板の相対的な固定を維持するための取り付け構造をさらに含む。
【0030】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記異なる回路基板は互いに平行になるように設けられるか、又は、前記異なる回路基板のうちの少なくとも2つが非平行に設けられる。
【0031】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記第1の受信ユニット及び前記第2の受信ユニットのうちの一方は前記レーザ出射ユニットと上下になるように設けられ、前記第1の受信ユニット及び前記第2の受信ユニットのうちの他方が前記レーザ出射ユニットと左右になるように設けられる。
【0032】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記レーザ出射ユニット、前記第1の受信ユニット及び前記第2の受信ユニットは、いずれも同一の回路基板に設けられる。
【0033】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記レーザ出射ユニット、前記第1の受信ユニット及び前記第2の受信ユニットのうちの少なくとも2つは異なる回路基板に設けられる。
【0034】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記異なる回路基板は互いに平行になるように設けられるか、又は、前記異なる回路基板のうちの少なくとも2つが非平行に設けられる。
【0035】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記距離測定装置は、前記ターゲットオブジェクトから反射される前記パルスレーザを前記第1の受信ユニット及び前記第2の受信ユニットのうちの少なくとも1つに反射するための反射鏡をさらに含む。
【0036】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記第1の受信ユニット及び前記第2の受信ユニットのうちの一方は前記レーザ出射ユニットと左右になるように設けられ、そして、前記第1の受信ユニット及び前記第2の受信ユニットのうちの他方は、前記レーザ出射ユニットの後方に設けられ、前記反射鏡は、前記ターゲットオブジェクトから反射される前記パルスレーザを前記第1の受信ユニット及び前記第2の受信ユニットのうちの前記他方に反射する。
【0037】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記第1の受信ユニット及び前記第2の受信ユニットのうちの前記他方は垂直配置されるか、又は傾斜に配置される。
【0038】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記第1の受信ユニット及び前記第2の受信ユニットのうちの前記一方は前記レーザ出射ユニットと同一の回路基板に設けられるか、又は異なる回路基板に設けられる。
【0039】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記距離測定装置は、前記第1の信号及び前記第2の信号を受信して、それぞれ三角距離測定原理及び飛行時間原理に応じて距離を計算及び決定するための計算ユニットをさらに含む。
【0040】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記計算ユニットは、三角距離測定原理に応じて前記第1の信号を分析して前記ターゲットオブジェクトと距離測定装置との間の第1の距離を取得し、且つ飛行時間原理に応じて前記第2の信号を分析して前記ターゲットオブジェクトと距離測定装置との間の第2の距離を取得し、そして、前記ターゲットオブジェクトと距離測定装置との間の距離を、前記第1の距離と前記第2の距離に応じて重み付け方法で決定するように設定される。
【0041】
本発明の実施例は、技術的問題を解決するために以下の技術的解決手段をさらに提供する。
【0042】
レーザレーダであって、それは、以上に記載の距離測定装置のいずれか1つ、及び、ベースと、前記ベースに回転可能に取り付けられる回転台座と、前記回転台座と駆動装置とを接続する伝動装置と、前記ベースに取り付けられる駆動装置とを含み、前記距離測定装置が前記回転台座に設けられる回転雲台を含む。
【0043】
上記技術的解決手段のさらなる改善として、前記回転雲台は、レーザを透過させることができる実体構造であるカバー本体をさらに含む。
【0044】
本発明の実施例は、技術的問題を解決するために以下の技術的解決手段をさらに提供する。
【0045】
移動ロボットであって、以上に記載のレーザレーダを含むことが特徴である。
【発明の効果】
【0046】
従来技術と比較して、本発明の実施例にて提供される距離測定装置において、飛行時間距離測定方式は遠距離精度が高いが、近距離精度が低いという特徴を有し、三角距離測定方式は近距離精度が高いが、遠距離精度が低いため、飛行時間距離測定及び三角距離測定の利点を合わせることにより、本願の距離測定装置は遠距離測定と近距離測定に適用し、そして測定の精度が高い。また、本発明の実施例にて提供される距離測定装置は、遠距離測定と近距離測定を両立させるとともに、構造をよりコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】関連技術の距離測定装置の概略斜視図である。
図2】本発明の実施例1にて提供される距離測定装置の概略斜視図である。
図3】本発明の実施例1にて提供される距離測定装置の概略断面図である。
図4図3に示す距離測定装置の光路の概略図である。
図5】本発明の実施例2にて提供される距離測定装置の概略平面図である。
図6】本発明の実施例3にて提供される距離測定装置の概略平面図である。
図7】本発明の実施例4にて提供される距離測定装置の概略平面図である。
図8】本発明の実施例5にて提供される距離測定装置の概略平面図である。
図9】本発明の実施例5にて提供される距離測定装置の別の概略平面図である。
図10】本発明の実施例6にて提供される距離測定装置の概略平面図である。
図11】本発明の実施例7にて提供される距離測定装置の概略断面図である。
図12】本発明の実施例8にて提供される距離測定装置の概略断面図である。
図13】本発明の実施例9にて提供される距離測定装置の概略断面図である。
図14】本発明の実施例にて提供されるレーザレーダの概略斜視図である。
図15図14に示すレーザレーダの概略分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
1つの又は複数の実施例は、それに対応する添付図面によって例示的に説明されるが、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではない。添付図面において、同じ参照番号を有する要素は類似する要素を示しており、添付図面の図は、特に明記しない限り、縮尺の制限を構成するものではない。
本発明の理解を容易にするために、以下では、図面と具体的な実施例を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。なお、1つの要素が別の要素に「固定される」と表現される場合、その要素が直接他の要素の上にあってもよく、それらの間に1つ以上の介在要素があってもよい。1つの要素が別の要素に「接続される」と表現される場合、その要素が直接他の要素に接続されてもよく、それらの間に1つ以上の介在要素があってもよい。本明細書に使用されている「垂直」、「水平」、「左」、「右」、「上」、「下」、「内」、「外」、「底部」等の用語によって示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づいたものであり、本発明の説明及び説明の簡略化を容易にするためのものにすぎず、示される装置又は要素が、必ずしも特定の方位を持ち、特定の方位で構成や操作されることを指示又は暗示することではないため、本発明を限定するものとして理解することはできない。また、「第1の」及び「第2の」という用語は、説明のために使用されるだけで、相対的な重要性を示すか、又は暗示すると理解するべきではない。
【0049】
特に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本発明の明細書に使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものにすぎず、本発明を限定するためのものではない。本明細書に使用される「及び/又は」という用語は、1つ又は複数の関連する列挙項目の任意の組み合わせや全ての組み合わせを含む。
【0050】
また、以下に説明する本発明の異なる実施例に係る技術的特徴は、互に矛盾しない限り、互に組み合わせることが可能である。
【0051】
図2及び図3を参照すると、それぞれは、本発明の実施例1にて提供される距離測定装置100の概略斜視図及び概略断面図である。図に示すように、距離測定装置100は、主に、レーザ出射ユニット10と、第1の受信ユニット20と、第2の受信ユニット30と、計算ユニット40と、回路基板50とを含む。レーザ出射ユニット10、第1の受信ユニット20、第2の受信ユニット30及び計算ユニット40は、いずれも回路基板50に接続され、信号の伝送や制御などを実現するために用いられる。
【0052】
ここで、レーザ出射ユニット10はパルスレーザを距離測定対象のターゲットオブジェクトに出射するために用いられる。レーザ出射ユニット10は、距離測定用のレーザパルスを出射し得るレーザダイオードとして構成されてもよい。レーザ出射ユニット10から出射されるパルスレーザは、高周波数のパルスレーザ、例えば1kHz以上のパルスレーザであってもよい。例えば、レーザダイオードのレーザ出射ユニット10は、溶接により回路基板50に取り付けられてもよいし、回路基板50に一体的に設けられてもよい。レーザ出射ユニット10の光軸X3は、回路基板50に垂直に設置されてもよい。回路基板50には、レーザパルスを出射するようにレーザ出射ユニット10を制御するための制御デバイスが取り付けられてもよく、計算ユニット40が主制御装置となるように、この制御デバイスは計算ユニット40内に組み込まれてもよい。他の実施形態では、レーザを出射することができる他のデバイスをレーザ出射ユニット10として使用することもできることは理解できる。
【0053】
第1の受信ユニット20は前記ターゲットオブジェクトから反射される前記パルスレーザを受信するとともに、対応する第1の信号を生成するために用いられ、前記第1の信号は三角形距離測定原理に応じて距離を計算及び決定するために用いられ、つまり、前記第1の信号は、計算ユニット40が前記第1の信号に基づいて、三角距離測定原理に応じて距離を計算及び決定するように、計算ユニット40に送信されるために用いられる。第1の受信ユニット20は、溶接により回路基板50に取り付けられてもよく、回路基板50に一体的に設けられてもよい。第1の受信ユニット20の光軸X2は回路基板50に垂直に設けられてもよく、第1の受信ユニット20がターゲットオブジェクトから反射されるレーザパルスを感知すると、対応する光電信号を生成して回路基板50上の回線を介して計算ユニット40に伝送することができる。計算ユニット40は三角距離測定原理に応じて光電信号を分析及び計算して、ターゲットオブジェクトと距離測定装置100との間の距離を取得することができる。
【0054】
ここで、三角距離測定原理とは以下のとおりである。レーザ出射ユニット10から出射されたレーザが、ターゲットオブジェクトを照射した後、反射光がリニアCDC(Charge Coupled Device、電荷結合デバイス)などの第1の受信ユニット20によって受信され、レーザ出射ユニット10と第1の受信ユニット20とは一定の距離だけ離れているため、光路にしたがって、異なる距離のターゲットオブジェクトが、リニアCDCなどの第1の受信ユニット20上の異なる位置に結像され、さらに、三角公式にしたがって計算することにより、測定されるターゲットオブジェクトと距離測定装置100との間の距離を導出することができる。
【0055】
第2の受信ユニット30は、前記ターゲットオブジェクトから反射される前記パルスレーザを受信するとともに、対応する第2の信号を生成するために用いられ、前記第2の信号は飛行時間原理に応じて距離を計算及び決定するために用いられ、つまり、前記第2の信号は、計算ユニット40が前記第2の信号に基づいて、飛行時間原理に応じて距離を計算及び決定するように、計算ユニット40に送信されるために用いられる。ここで、第2の受信ユニット30は第1の受信ユニット20と異なってもよく、例えば、第2の受信ユニット30は単一光子アバランシェダイオード(Single Photon Avalanche Diode、SPAD)を含み、SPADは、各ピクセルに電子要素がある独自に設計されたイメージセンサであり、光子と呼ばれる単一光子は、ピクセルに到達すると「多重に重畳」され、それにより単一の大きな電気パルスが生成され、単一光子から複数の電子が生成される機能により、例えば高精度の距離測定や画像撮影時のより高い感度など、多くの利点が提供される。第2の受信ユニット30は、溶接により回路基板50に取り付けられてもよいし、回路基板50に一体的に設けられてもよい。第2の受信ユニット30の光軸X5は、回路基板50に垂直に設けられてもよい。第2の受信ユニット30はターゲットオブジェクトから反射されるレーザパルスを感知すると、対応する光電信号を生成して回路基板50上の回線を介して計算ユニット40に伝送することができる。計算ユニット40は飛行時間原理(英語名Time Of Flight、TOFと略称する)に応じて光電信号を分析及び計算して、ターゲットオブジェクトと距離測定装置100との間の距離を取得することができる。
【0056】
ここで、飛行時間原理とは以下のとおりである。レーザ出射ユニット10がレーザパルスを出射し、出射された時間はタイマーによって記録され、ターゲットオブジェクトを照射した後、反射光は、第2の受信ユニット30によって受信され、受信した時間はタイマーによって記録され、2つの時間を減算して光の「飛行時間」を取得し、光速は一定であるため、速度と時間を知ると、ターゲットオブジェクトと距離測定装置100との間の距離を容易に計算することができる。
【0057】
上記のように、計算ユニット40は前記第1の信号及び前記第2の信号を受信して、それぞれ三角距離測定原理及び飛行時間原理に応じて距離を計算及び決定するために用いられる。
【0058】
例えば、計算ユニット40は、次のような演算処理を行うように設定されてもよい。
【0059】
計算ユニット40は、三角距離測定原理に応じて前記第1の信号を分析して前記ターゲットオブジェクトと距離測定装置100との間の第1の距離を取得し、且つ飛行時間原理に応じて前記第2の信号を分析して前記ターゲットオブジェクトと距離測定装置100との間の第2の距離を取得することができ、そして、計算ユニット40は前記ターゲットオブジェクトと距離測定装置100との間の距離を、前記第1の距離と前記第2の距離に応じて重み付け方法で決定することができる。
【0060】
一例示では、前記第1の距離及び第2の距離が両方とも第1の設定距離以上である場合、計算ユニット40は主に前記第2の距離を用いて前記ターゲットオブジェクトと距離測定装置100との間の距離を決定することができる。例えば、前記第1の設定距離を10mに設定してもよい。前記第1の距離が11メートルで、前記第2の距離が12メートルである場合、計算ユニット40は前記ターゲットオブジェクトと距離測定装置100との間の距離を12メートルであると決定する。これは、ターゲットオブジェクトと距離測定装置100との間の距離が比較的遠い場合には、飛行時間原理に応じて算出される距離が比較的精確であるからである。当然のことながら、重み付け方法の計算では、第1の距離も考慮でき、そして、重み付け計算における第1の距離及び第2の距離の重みを実験に応じて決定することができる。
【0061】
一例示では、前記第1の距離及び第2の距離が両方とも第2の設定距離以下である場合、計算ユニット40は主に前記第1の距離を用いて前記ターゲットオブジェクトと距離測定装置100との間の距離を決定することができ、ここで、前記第2の設定距離は、前記第1の設定距離よりも小さい。例えば、前記第1の設定距離は5メートルであってもよい。前記第1の距離が4メートルであり、前記第2の距離が3メートルである場合、計算ユニット40は前記ターゲットオブジェクトと距離測定装置100との間の距離を4メートルであると決定する。これは、ターゲットオブジェクトと距離測定装置100との間の距離が近い場合には、三角距離測定原理に応じて算出される距離が精確であるからである。当然のことながら、重み付け方法の計算では、第2の距離も考慮でき、そして、重み付け計算における第1の距離及び第2の距離の重みを実験に応じて決定することができる。
【0062】
一例示では、前記第1の距離及び第2の距離が両方とも前記第2の設定距離より大きく且つ前記第1の設定距離より小さい場合、計算ユニット40は前記第1の距離及び第2の距離を用いて、前記ターゲットオブジェクトと距離測定装置100との間の距離を加重平均して、最終結果を決定する。例えば、前記第1の距離が8mであり、前記第2の距離が9mである場合、計算ユニット40は、前記ターゲットオブジェクトと距離測定装置100との間の距離を9プラス8の平均値、すなわち8.5メートルであると決定する。これは、ターゲットオブジェクトと距離測定装置100との間の距離が中間距離である場合、三角形距離測定原理及び飛行時間原理に応じて算出された2つの距離を加重平均して、より精確な距離を取得できるからである。加重平均方法の計算では、加重計算における第1の距離及び第2の距離の重みを実験に応じて決定することができる。
【0063】
いくつかの実施例では、図3に示すように、距離測定装置100は、ターゲットオブジェクトから反射される前記パルスレーザを透過させて第1の受信ユニット20に投射するための第1のレンズ21をさらに含み得る。第1のレンズ21は第1のフレーム22に取り付けられてもよく、第1のフレーム22は、第1のレンズ21が大体第1の受信ユニット20の上方に位置するように、回路基板50に固定されてもよい。ターゲットオブジェクトから反射されて戻ったレーザパルスは、第1の受信ユニット20によって感知される前に、第1のレンズ21によって集束とコリメートされてもよい。また、第1のレンズ21は、非球面ガラスレンズ等の非球面レンズであってもよく、したがって、非球面レンズを採用すること、すなわち第1の受信ユニット20に対応するレンズを単一のレンズに設計することにより、距離測定装置のレンズ構造を効果的に簡素化することができ、組み立ても容易になり、これらにより、第1の受信ユニット20に対応するコンポーネント及び距離測定装置全体のコストを効果的に削減することができる。
【0064】
いくつかの実施例では、図3に示すように、第1のレンズ21の光軸X1は第1の受信ユニット20の光軸X2と平行であり、且つずれて設けられ、つまり、第1の受信ユニット20は第1のレンズ21に対して偏って設けられる。また、第1の受信ユニット20の光軸X2は第1のレンズ21の光軸X1よりもレーザ出射ユニット10の光軸X3から離れている。例えば、第1のレンズ21の光軸X1はその中心軸線であってもよく、第1の受信ユニット20の光軸X2は第1の受信ユニット20の中心点を通過し且つそれに垂直である軸線であってもよく、レーザ出射ユニット10の光軸X3はその中心軸線であってもよい。例えば、図3に示す実施例では、第1の受信ユニット20の光軸X2及び第1のレンズ21の光軸X1は、両方ともレーザ出射ユニット10の光軸X3の左側に位置し、そして第1の受信ユニット20の光軸X2は、第1のレンズ21の光軸X1よりも左側にオフセットされている。また、第1の受信ユニット20及び第1のレンズ21は、レーザ出射ユニット10の右側に位置してもよく、この場合、第1の受信ユニット20の光軸X2及び第1のレンズ21の光軸X1は、両方ともレーザ出射ユニット10の光軸X3の右側に位置し、そして第1の受信ユニット20の光軸X2は、第1のレンズ21の光軸X1よりも右側にオフセットされている。図4と合わせて参照すると、近距離の測定範囲では、レーザ出射ユニット10から出射されたレーザLがターゲットオブジェクトに照射されると、様々な反射光L1、L2、L3等は、第1のレンズ21を通過した後、大部分が第1の受信ユニット20のレーザ出射ユニット10から遠い方向に投射されるため、第1の受信ユニット20がレーザ出射ユニット10から遠い側に偏ることで、第1の受信ユニット20のセンサターゲット面を最大限に活用することができる。
【0065】
いくつかの実施例では、図3に示すように、距離測定装置100は、さらに、ターゲットオブジェクトから反射される前記パルスレーザを透過させて第2の受信ユニット30に投射するための第2のレンズ31をさらに含み得る。第2のレンズ31は第2のフレーム32に取り付けられてもよく、第2のフレーム32は、第2のレンズ31が第2の受信ユニット30の上方に位置するように、回路基板50に固定されてもよい。第2のレンズ31の光軸X6を、回路基板50に垂直で且つ第2の受信ユニット30の光軸X5に重なるように設けてもよく、又は、第2のレンズ31を調節可能な部分として設けてもよく、第2のレンズ31をよりよい効果に調節すると、その光軸X6が第2の受信ユニット30の光軸X5に完全に重ならなくてもよい。ターゲットオブジェクトから反射されて戻ったレーザパルスは、第2の受信ユニット30によって感知される前に、第2のレンズ31によって集束とコリメートされてもよい。例えば、第2のレンズ31の光軸X6はその中心軸線であってもよく、第2の受信ユニット30の光軸X5は第2の受信ユニット30の中心点を通過し且つそれに垂直である軸線であってもよい。
【0066】
いくつかの実施例では、図3に示すように、距離測定装置100は、さらに、出射されたパルスレーザを透過させてターゲットオブジェクトに投射するための第3のレンズ11を含み得る。第3のレンズ11は第3のフレーム12に取り付けられてもよく、第3のフレーム12は、第3のレンズ11がレーザ出射ユニット10の上方に位置するように、回路基板50に固定されてもよい。第3のレンズ11の光軸X4を、回路基板50に垂直で且つレーザ出射ユニット10の光軸X3に重なるように設けてもよいか、又は、第3のレンズ11の光軸X4がレーザ出射ユニット10の光軸X3に重ならなくてもよく、これは、レーザのピッチ角を若干上向きにするために、第3のレンズ11の光軸X4がレーザ出射ユニット10の光軸X3よりも若干高く設けることができるからである。レーザ出射ユニット10から出射されるレーザパルスは第3のレンズ11により外部に伝達されることができ、第3のレンズ11はそれを通過するレーザパルスを集束とコリメートする役割を果たすことができる。例えば、第3のレンズ11の光軸X4は、その中心軸線であってもよい。
【0067】
上記第1のレンズ21、第2のレンズ31及び第3のレンズ11は、透明な素材で作られたレンズであってもよく、より多くのレンズと組み合わせることもできる。例えば、第3のレンズ11は、レーザ出射ユニット10によって出射されたレーザパルスを集束とコリメートした後、外部に伝達するように、1つ以上のレンズと組み合わせてレンズグループを形成することもでき、第2のレンズ31はターゲットオブジェクトから反射されたレーザパルスを、それが第2の受信ユニット30によって感知される前に集束とコリメートするように、1つ以上のレンズと組み合わせてレンズグループを形成することもできる。また、第1のレンズ21の光軸X1を第1の受信ユニット20の光軸X2とずれて設ける実施例では、第1の受信ユニット20の上方に唯一の第1のレンズ21を設けてもよく、第1のレンズ21の焦点距離は16mm以下、例えば16mm、14mm、12mm、10mm、9mm、8mm、7.5mm、7mm、6mm、5mm等であり得る。
【0068】
また、上記の第1のフレーム22、第2のフレーム32及び第3のフレーム12は、互いに独立した部材であってもよい。又は、図2及び図3に示すように、第2のフレーム32及び第3のフレーム12は、一体成型された部材であってもよく、第1のフレーム22を収容する空間を形成し、これにより、このような一体成型された部材に第1のフレーム22を取り付け、またこの一体成型された部材を回路基板50に取り付けることができる。
【0069】
いくつかの実施例では、図3に示すように、第1の受信ユニット20はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor、相補型金属酸化物半導体素子)光学センサ又はCCD(Charge Coupled Device、電荷結合デバイス)光学センサを含んでもよく、また、第2の受信ユニット20はアバランシェフォトダイオード(Avalanche Photo Diode、APD)又は高速フォトダイオード(Fast Photo Diode)を含んでもよい。本願の距離測定装置100において、反射された光信号は、第1のレンズ21を通過して集束され、その後、第1のレンズ21の後方の焦点距離に位置している例えばCMOS又はCCD光センサのような第1の受信ユニット20がある表面に投影され、第1の受信ユニット20の表面は、一般的に、第1のレンズ21の光軸に垂直であるように維持され、反射された光信号は、第1の受信ユニット20の表面に投影点が生成され、第1の受信ユニット20が光電信号を変換することにより、第1の受信ユニット20の撮像面上にある当該投影点の位置座標を取得することができる。前記CMOS又はCCD光学センサは、光電デバイスの光電変換機能により、感光面上の光像を、光像と該当する比例関係にある電気信号に変換することができる。第1の受信ユニット20は、溶接や半田付け等の導電性接続方法で回路基板50に設けられてもよく、当然のことながら、第1の受信ユニット20は任意のタイプの導電性接続、例えば導電性接着剤、導電性ゴム、バネ接点、フレキシブルプリント基板、ボンディングワイヤ、又はプラグイン接続(THT)など、又はこれらの組み合わせなどによって回路基板50に接続することができる。
【0070】
いくつかの実施例では、図2及び図3に示すように、第1の受信ユニット20及び第2の受信ユニット30はレーザ出射ユニット10の両側に設けられることができ、それに対応して、上記の第1のフレーム22及び第2のフレーム32も第3のフレーム12の両側に設けられる。距離測定装置に適用される多くのレーダ製品に対して防水、防塵の要求があるため、レーダの外部に透光密閉カバーを配置する必要があるが、密閉カバーは光路に対して屈折効果があり、それにより、光スポットの送受信信号は減衰するのに加え変形し、一般にシリンドリカルレンズ効果と同様の効果を生じて、光スポットが水平方向に伸び、垂直方向に狭くなる。それにより、この実施例では、レーザ出射ユニット10が中央からレーザを出射するように、レーザ出射ユニット10を中央に設け、こうすると、光スポットは対称的に伸び、スポットの重心が偏ることにならない。違いは、レーザ出射ユニット10をエッジ位置に設けた場合、レーザがエッジから出射されるため、光スポットが非対称的に伸びることになり、それにより光スポットの重心が偏ることになる。
【0071】
他の実施例では、第1の受信ユニット20及び第2の受信ユニット30のレーザ出射ユニット10に対する設置位置を変更することができ、例えば、第1の受信ユニット20及び第2の受信ユニット30は、レーザ出射ユニット10の同じ側に設けてもよい。
【0072】
いくつかの実施例では、図2及び図3に示すように、回路基板50はプリント回路基板であってもよく、それは、黄銅及び青銅などのCu合金、具体的には低合金ステンレス鋼であるステンレス鋼、マグネシウム合金、アルミニウム、具体的にはEN AW-6061などの鍛錬(wrought)アルミニウム合金であるアルミニウム合金などの材料から製造され得る基板を含んでもよい。また、回路基板50の基板は、ガラス、ガラスセラミックス、又はセラミックス等の材料から作製されてもよい。回路基板50の基板は金属材料から製造される場合、熱をよく放散して、熱張力を相殺することができる。
【0073】
上記実施例は、いずれも同一の回路基板50を採用するため、構造をコンパクトにし、且つ部材間の取り付け及び距離の設定が容易にすることができる。他のいくつかの実施例では、異なる構造の配置要求に適応するために、レーザ出射ユニット10、第1の受信ユニット20及び第2の受信ユニット30のうちの少なくとも2つを異なる回路基板に設けてもよい。
【0074】
例えば、図5は、本発明の実施例2にて提供される距離測定装置100の概略平面図である。ここで、この実施例2にて提供される距離測定装置100は、実施例1にて提供される距離測定装置100とほぼ同じであり、違いは、この実施例2では、レーザ出射ユニット10、第1の受信ユニット20及び第2の受信ユニット30がそれぞれ第1の回路基板51、第2の回路基板52及び第3の回路基板53に設けられることである。第1の回路基板51、第2の回路基板52及び第3の回路基板53は、それぞれ独立した回路基板であってもよく、そして信号伝送を行うためにワイヤを介して接続できる。異なる第1の回路基板51、第2の回路基板52及び第3の回路基板53を設けることにより、レーザ出射ユニット10、第1の受信ユニット20及び第2の受信ユニット30の位置を個別に設けることができ、例えば、距離測定装置100における第2の回路基板52及び/又は第3の回路基板53上の第1の受信ユニット20及び/又は第2の受信ユニット30の位置が高くなるように、第2の回路基板52及び/又は第3の回路基板53を第1の回路基板51よりも高く設けるか、又は、第1の回路基板51、第2の回路基板52及び第3の回路基板53は、同じ高さに位置してもよい。
【0075】
この実施例2では、距離測定装置100は、さらに、実施例1に類似する第1のレンズ21、第2のレンズ31及び第3のレンズ11を含んでもよく、第1のレンズ21、第2のレンズ31及び第3のレンズ11の光軸X1、X6及びX4と、第1の受信ユニット20、第2の受信ユニット30及びレーザ出射ユニット10の光軸X2、X5及びX3との関係は実施例1の設け方法と同じである。また、図5に示すように、第1のレンズ21の光軸X1は、第1の受信ユニット20の光軸X2に重なってもよい。
【0076】
さらに、距離測定装置100は、さらに、第1の回路基板51、第2の回路基板52及び第3の回路基板53の相対的な固定を維持するための取り付け構造70を含む。取り付け構造70は、一体に形成された構造又は複数の部材が組み立てられた構造であってもよく、第1の回路基板51、第2の回路基板52及び第3の回路基板53の相対的な固定を維持できればよい。また、取り付け構造70は、さらに、第1のレンズ21、第2のレンズ31及び第3のレンズ11を取り付けるために用いられる。
【0077】
図6は、本発明の実施例3にて提供される距離測定装置100の平面模式図である。ここで、この実施例3にて提供される距離測定装置100は、実施例1又は実施例2にて提供される距離測定装置100とほぼ同じであり、違いは、この実施例3では、レーザ出射ユニット10及び第1の受信ユニット20が第4の回路基板54に設けられ、第2の受信ユニット30が第3の回路基板53に設けられることである。つまり、第4の回路基板54は、実施例2における第1の回路基板51及び第2の回路基板52を回路基板に置き換えたものに相当する。第4の回路基板54及び第3の回路基板53は、それぞれ独立した回路基板であってもよく、そして信号伝送を行うためにワイヤを介して接続できる。異なる第4の回路基板54及び第3の回路基板53を設けることにより、第2の受信ユニット30の位置を個別に設けることができ、例えば、距離測定装置100における第3の回路基板53上の第2の受信ユニット30の位置が高くなるように、第3の回路基板53を第4の回路基板54よりも高く設けるか、又は、第4の回路基板54及び第3の回路基板53は、同じ高さに位置してもよい。
【0078】
さらに、距離測定装置100は、さらに、第4の回路基板54及び第3の回路基板53の相対的な固定を維持する取り付け構造70を含んでもよい。この実施例3における取り付け構造70は実施例2における取り付け構造70に類似してもよく、ここでは詳細な説明を省略する。
【0079】
図7は、本発明の実施例4にて提供される距離測定装置100の概略平面図である。ここで、この実施例4にて提供される距離測定装置100は、実施例1、実施例2、又は実施例3にて提供される距離測定装置100とほぼ同じであり、違いは、この実施例4では、レーザ出射ユニット10及び第2の受信ユニット30が第5の回路基板55に設けられ、第1の受信ユニット20が第2の回路基板52に設けられることである。つまり、第5の回路基板55は、実施例2における第3の回路基板53及び第1の回路基板51を回路基板に置き換えたものに相当する。第5の回路基板55及び第2の回路基板52は、それぞれ独立した回路基板であってもよく、そして信号伝送を行うためにワイヤを介して接続できる。異なる第5の回路基板55と第2の回路基板52を設けることにより、第1の受信ユニット20の位置を個別に設けることができ、例えば、距離測定装置100における第2の回路基板52上の第1の受信ユニット20の位置が高くなるように、第2の回路基板52を第5の回路基板55よりも高く設けるか、又は、第5の回路基板55及び第2の回路基板52は、同じ高さに位置してもよい。
【0080】
さらに、距離測定装置100は、さらに、第5の回路基板55及び第2の回路基板52の相対的な固定を維持する取り付け構造70を含んでもよい。この実施例4における取り付け構造70は実施例2又は実施例3における取り付け構造70に類似してもよく、ここでは詳細な説明を省略する。
【0081】
また、上記実施例2~実施例4の距離測定装置100では、前記異なる回路基板を平行に設けてもよい。例えば、第1の回路基板51、第2の回路基板52及び第3の回路基板53は、互いに平行になるように設けられるために、取り付け構造70によって取り付けられてもよい。
【0082】
又は、上記実施例2~実施例4の距離測定装置100では、前記異なる回路基板のうちの少なくとも2つが非平行に設けられる。例えば、前記第2の回路基板52又は第3の回路基板53は、第1の回路基板51に非平行になるように設けられるために、取り付け構造70によって取り付けられてもよい。ここで、一実施例では、第1のレンズ21、第1の受信ユニット20、及び第2の回路基板52は、いずれも第1の回路基板51に対して傾斜するように設けられ、それにより、第1のレンズ21の光軸X1はレーザ出射ユニット10の光軸X3と交差し、第1のレンズ21の光軸X1は第1の受信ユニット20の受信面を通過し且つ第1の受信ユニット20の受信面に垂直であり、そして第1のレンズ21の光軸X1は前記第2の回路基板52を通過し且つ前記第2の回路基板52に垂直である。例えば、第1のレンズ21の光軸X1は、第1の受信ユニット20の光軸X2に重なってもよく、第1のレンズ21の光軸X1とレーザ出射ユニット10の光軸X3とが交差する角度は、例えば3度~30度の範囲内にあり、例えば、3度、5度、8度、10度、15度、20度、25度、30度などであってもよい。このような設け方法も同様に、第1の受信ユニット20のセンサターゲット面を最大限に活用することができる。
【0083】
さらに、上記実施例2~実施例4の距離測定装置100は、前記第1の信号及び前記第2の信号を受信して、それぞれ三角距離測定原理及び飛行時間原理に応じて距離を計算及び決定するための計算ユニット40を含んでもよい。計算ユニット40は実施例1における計算ユニットに類似してもよく、違いは、信号の伝送や制御などを実現するために、計算ユニット4が実施例2~実施例4のいずれかにおけるすべての回路基板に接続することができることである。また、計算ユニット40は、第1の回路基板51、第2の回路基板52、第3の回路基板53、第4の回路基板54又は第5の回路基板55に取り付けられることができる。
【0084】
上記実施例のレーザ出射ユニット10、第1の受信ユニット20及び第2の受信ユニット30を、いずれも直線に並べて設けてもよい。他のいくつかの実施例では、第1の受信ユニット20及び第2の受信ユニット30のうちの一方はレーザ出射ユニット10と上下になるように設けられることができ、第1の受信ユニット20及び第2の受信ユニット30のうちの他方がレーザ出射ユニット10と左右になるように設けられることができる。
【0085】
例えば、図8及び図9は、本発明の実施例5にて提供される距離測定装置100の2つの概略平面図である。ここで、この実施例5にて提供される距離測定装置100は、実施例1~4にて提供される距離測定装置100とほぼ同じであり、例えば、前記実施例5におけるレーザ出射ユニット10、第1の受信ユニット20、第2の受信ユニット30は、いずれも同一の回路基板50に設けられるか、又は、レーザ出射ユニット10、第1の受信ユニット20及び第2の受信ユニット30のうちの少なくとも2つは異なる回路基板に設けられるか、又は、異なる回路基板を使用する場合、前記異なる回路基板は、互いに平行になるように設けられるか、又は、前記異なる回路基板のうちの少なくとも2つが非平行になるように設けられるか、又は、距離測定装置100は、さらに、前記第1の信号及び前記第2の信号を受信して、それぞれ三角距離測定原理及び飛行時間原理に応じて距離を計算及び決定するための計算ユニット40を含む。この実施例5と実施例1~4にて提供される距離測定装置100との違いは、この実施例5では、第1の受信ユニット20はレーザ出射ユニット10の上方に設けられることができ、第2の受信ユニット30はレーザ出射ユニット10の左側に設けられることができることである。
【0086】
他のいくつかの実施例では、第1の受信ユニット20はレーザ出射ユニット10の下方に設けられてもよく、第2の受信ユニット30はレーザ出射ユニット10の右側に設けられてもよい。又は、第2の受信ユニット30はレーザ出射ユニット10の上方又は下方に設けられてもよく、第1の受信ユニット20はレーザ出射ユニット10の左側又は右側に設けられてもよい。
【0087】
ここで、CMOS光学センサやCCD光学センサなどの第1の受信ユニット20をレーザ出射ユニット10と上下に設けることにより、以下の有益な効果があることが指摘される。1つ、距離測定装置100は、透光カバー内に設けられ、透光カバーにより、光スポットが水平方向に伸びられて障害物に当たった光スポットが割れてしまい、これは抽出精度に影響を与え、計算誤差が大きくなり、それにより、第1の受信ユニット20とレーザ出射ユニット10を上下に配置することにより、レーザ重心の計算が水平方向から垂直方向に変化するため、障害物により光スポットが割れてしまう影響を受けない。2つ、第1の受信ユニット20とレーザ出射ユニット10を上下に配置することにより、マルチパス反射の問題をより効果的に回避することができ、これは、レーザ出射ユニット10の光軸と第1の受信ユニット20の光軸を通過する直線が水平面に平行ではないため、レーザ出射ユニット10から出射される光が異なる距離の障害物面に当たって形成した第1の反射光は、常に、第1の受信ユニット20のイメージセンサの一定の高さに維持されているが、マルチパスによって生成された第2の反射光の大部分は、第1の受信ユニット20の光軸を通って結像することが難しく、第2の反射光の少数が第1の受信ユニット20を通ってイメージセンサの異なる高さの行に結像されるとしても、特定の行における情報を検出することによって、他のマルチパスから反射される情報を効果的にフィルタリングすることができるからである。
【0088】
また、三角距離測定の関連構造は一定の基線高さを必要とするため、CMOS光学センサ又はCCD光学センサなどの第1の受信ユニット20とレーザ出射ユニット10を垂直に配置すると、構造の高さが高くなり、これは、一部の特定の使用シーン(例えば、ロボット掃除機に適用する場合)で構造の外観に影響を与える可能性がある。本願の実施例は反射式構造の設計によって当該高さを低くすることができ、具体的には以下のとおりである。
【0089】
例えば、図10は、本発明の実施例6にて提供される距離測定装置100の概略平面図である。ここで、この実施例6にて提供される距離測定装置100は、実施例1~5にて提供される距離測定装置100とほぼ同じであり、例えば、距離測定装置100は、さらに、前記第1の信号及び前記第2の信号を受信して、それぞれ三角距離測定原理及び飛行時間原理に応じて距離を計算及び決定するための計算ユニット40を含む。実施例6と実施例1~5にて提供される距離測定装置100との違いは、この実施例6では、距離測定装置100は、さらに、ターゲットオブジェクトから反射されるパルスレーザを第1の受信ユニット20及び第2の受信ユニット30のうちの少なくとも1つに反射するための反射鏡73を含むことである。
【0090】
反射鏡73を設けることにより、第1の受信ユニット20及び第2の受信ユニット30の取り付け位置をより柔軟に設定することができる。第1の受信ユニット20及び第2の受信ユニット30のうちの一方はレーザ出射ユニット10と左右になるように設けられ、第1の受信ユニット20及び第2の受信ユニット30のうちの他方は、レーザ出射ユニット10の後方に設けられ、反射鏡73は、前記ターゲットオブジェクトから反射される前記パルスレーザを第1の受信ユニット20及び第2の受信ユニット30のうちの前記他方に反射する。図10に示す実施例では、第2の受信ユニット(図8の第2の受信ユニット30参照)は、レーザ出射ユニット10と左右になるように設けられてもよく、第1の受信ユニット20は、レーザ出射ユニット10の後方に設けられてもよく、そして、反射鏡73は、前記ターゲットオブジェクトから反射される前記パルスレーザを第1の受信ユニット20に反射する。
【0091】
図10に示すように、点線で示されている2つの部材は、反射鏡73を使用しない場合に設ける必要のある第1の受信ユニット20と第1のレンズ21であり、これは、実際には図8及び図9に示した構造に相当する。しかし、この実施例6では、反射鏡73を設けることにより、レーザ出射ユニット10、及びCMOS光学センサやCCD光学センサなどの第1の受信ユニット20の垂直方向の高さを小さくすることができ、そして、第1の受信ユニット20を距離測定装置100の他の位置に設けてもよい。
【0092】
さらに、この実施例6では、第1の受信ユニット20及び第2の受信ユニット30のうちの前記他方は垂直配置されても、傾斜に配置されてもよい。例えば、反射鏡73が前記ターゲットオブジェクトから反射される前記パルスレーザを第1の受信ユニット20に反射する場合、第1の受信ユニット20は、レーザ出射ユニット10の後方に設けられ、第1の受信ユニット20は垂直配置されるか、又は傾斜に配置される。
【0093】
さらに、この実施例6では、レーザ出射ユニット10と左右になるように設けられた第1の受信ユニット20又は第2の受信ユニット30は、レーザ出射ユニット10と同一の回路基板に設けられるか、又は異なる回路基板に設けられてもよい。前後に設けられたため、レーザ出射ユニット10の後方に設けられた第1の受信ユニット20又は第2の受信ユニット30とレーザ出射ユニット10とを、異なる回路基板に設ける必要があることを容易に理解できる。
【0094】
図11は、本発明の実施例7にて提供される距離測定装置100の概略断面図である。本実施例の距離測定装置100は、図2図4に示した距離測定装置100とほぼ同じであり、違いは、図11において第1のレンズ21の光軸X1の方向が変化したことである。具体的に言えば、第1のレンズ21は、回路基板50に対して傾斜するように設けられ、それにより、第1のレンズ21の光軸X1が、第1の受信ユニット20の光軸X2及びレーザ出射ユニット10の光軸X3の両方と交差し、そして第1のレンズ21の光軸X1は第1の受信ユニット20の受信面を通過する。例えば、第1のレンズ21の光軸X1は、第1の受信ユニット20の受信面上で第1の受信ユニット20の光軸X2と交差することができ、第1のレンズ21の光軸X1と、第1の受信ユニット20の光軸X2及びレーザ出射ユニット10の光軸X3と交差する角度は3度~30度の範囲であってもよく、例えば、3度、5度、8度、10度、15度、20度、25度、30度などであり得る。このような設け方法も同様に、第1の受信ユニット20のセンサターゲット面を最大限に活用することができる。ここで、この実施例7における異なる特徴は、図5図10に示したこれらの実施例にも同様に適応できることが指摘される。
【0095】
図12は、本発明の実施例8にて提供される距離測定装置100の概略断面図である。本実施例の距離測定装置100は、図2図4に示した距離測定装置100とほぼ同じであり、違いは、図11において第1のレンズ21の光軸X1の方向及び第1の受信ユニット20の光軸X2の方向が、両方とも変化していることである。具体的に言えば、第1のレンズ21及び第1の受信ユニット20は、両方とも回路基板50に対して傾斜するように設けられ、それにより、第1のレンズ21の光軸X1はレーザ出射ユニット10の光軸X3と交差し、そして第1のレンズ21の光軸X1は第1の受信ユニット20の受信面を通過し且つそれに垂直である。例えば、第1のレンズ21の光軸X1は、第1の受信ユニット20の光軸X2に重なってもよく、第1のレンズ21の光軸X1とレーザ出射ユニット10の光軸X3とが交差する角度は3度~30度の範囲であってもよく、例えば、3度、5度、8度、10度、15度、20度、25度、30度などであり得る。このような設け方法も同様に、第1の受信ユニット20のセンサターゲット面を最大限に活用することができる。ここで、この実施例8における異なる特徴は、図5図10に示したこれらの実施例にも同様に適応できることが指摘される。
【0096】
図13は、本発明の実施例9にて提供される距離測定装置100の概略断面図である。本実施例の距離測定装置100は、図2図4に示した距離測定装置100とほぼ同じであり、違いは、図13において第1のフレーム22、第2のフレーム32及び第3のフレーム12が変化していることである。具体的に言えば、図13に示す実施例では、第3のフレーム12は、本体フレームとして回路基板50に取り付けられてもよく、第1のフレーム22及び第2のフレーム32は、それぞれ第3のフレーム12に取り付けられる。例えば、第1のフレーム22には、第3のフレーム12のネジ孔に回転可能に設けることができるように、雄ネジが設けられてもよく、第2のフレーム32は、第3のフレーム12の挿入孔に挿入されたり、第3のフレーム12の対応する係合部に係合されたりすることができるように、挿入孔又は係合部を有してもよい。上記方法により、第1のレンズ21及び第2のレンズ31の調整が容易になり、つまり、第1のレンズ21及び第2のレンズ31を取り付ける第1のフレーム22及び第2のフレーム32と、本体フレームとしての第3のフレーム12とを分離することにより、取り付け中に、第1のレンズ21と第1の受信ユニット20との相対位置及び第2のレンズ31と第2の受信ユニット30との相対位置を調整することができ、調整後は接着剤、例えば膠で固定する。ここで、この実施例9における異なる特徴は、図5図10に示したこれらの実施例にも同様に適用できることが指摘される。
【0097】
本発明の実施例にて提供される距離測定装置100において、TOF距離測定方式は遠距離精度が高いが、近距離精度が低いという特徴を有し、三角距離測定方式は近距離精度が高いが、遠距離精度が低いため、TOF距離測定及び三角距離測定の利点を合わせることにより、本願の距離測定装置100が遠距離測定と近距離測定に適用し、そして測定の精度が高い。また、本発明の実施例にて提供される距離測定装置100は遠距離測定と近距離測定を両立させるとともに、構造をよりコンパクトにすることができる。
【0098】
図14及び図15は、それぞれ本発明の実施例にて提供されるレーザレーダ200の概略斜視図及び分解斜視図である。図14及び図15に示すように、レーザレーダ200は、主に、以上に記載の距離測定装置100のいずれか1つと、回転雲台60とを含む。
【0099】
回転雲台60はベース61と、回転台座62と、伝動機構63と、駆動装置64とを含んでもよく、回転台座62は前記ベース61に回転可能に取り付けられ、駆動装置64は前記ベース61に取り付けられ、伝動機構63は回転台座62と駆動装置64とを連結し、距離測定装置100は回転台座62に設けられる。
【0100】
ここで、距離測定装置100のレーザ出射ユニット10はレーザの光信号を出射するために用いられ、第1の受信ユニット20及び第2の受信ユニット30は測定対象のターゲットから反射される光信号を受信して回路基板50を介して光信号を計算ユニット40に入力するために用いられ、計算ユニット40は入力された光信号を分析と処理するために用いられ、伝動機構63は駆動装置64と回転台座62との間で動力を伝達するために用いられ、駆動装置64は、回転台座62を回転軸回りに回転させるように動力を出力するために用いられる。したがって、回転雲台60を設けることにより、レーザレーダ200の360°スキャン動作を実現することができる。
【0101】
さらに、回転雲台60は、バッフル65をさらに含む。ベース61には収容溝が設けられ、回転台座62は、ベース61に回動可能に取り付けられて収容溝の一部を覆うように設けられ、回転台座62は、回転軸を中心にベース61に対して回転でき、回転台座62の取り付け部は、軸受6201を介してベース41に回動可能に取り付けられ、バッフル65は、ベース61に取り付けられて収容溝の他の部分を覆うように設けられ、つまり、回転台座62とバッフル65とが収容溝の溝口を共に覆うように設けられて、外部の異物が収容溝の溝口から収容溝に入ることを防止する。駆動装置64は、ベース61の収容溝を背向く一面に取り付けられ、伝動機構63は、回転台座62と駆動装置64とを連結し、そして伝動機構63は収容溝に収容される。以上の設置により、外部の異物が収容槽に入り込んで伝動機構63の動作に影響を与えることを防止し、それにより、レーザレーダ200が外部の異物によって正常に動作できないことを回避することができる。
【0102】
いくつかの実施例では、図14及び図15に示すように、回転雲台60は、カバー本体66をさらに含み、カバー本体66は、回転台座62を覆うように設けられ且つ回転台座62に固定接続され、距離測定装置100は、カバー本体66の内部に収容される。カバー本体66には、第1の貫通孔661、第2の貫通孔662及び第3の貫通孔663が設けられてもよく、第1の貫通孔661及び第2の貫通孔662はそれぞれ第1の受信ユニット20及び第2の受信ユニット30に対応してもよく、第3の貫通孔663はレーザ出射ユニット10に対応してもよく、第3の貫通孔663は、レーザ出射ユニット10から出射された光信号がカバー本体66の内部から出射されることを許可するために用いられ、第1の貫通孔661は、測定対象のターゲットから反射されて戻った光信号がカバー本体66の内部に入って、第1の受信ユニット20によって受信されることを許可するために用いられ、第2の貫通孔662は、測定対象のターゲットから反射されて戻った光信号がカバー本体66の内部に入って、第2の受信ユニット30によって受信されることを許可するために用いられる。又は、カバー本体66は密閉構造であり、即ち上記の第1の貫通孔661、第2の貫通孔662及び第3の貫通孔663を設けず、レーザが透過可能な実体構造を採用することであり、こうすると、汚れがカバー本体66内に入ることを防止することができる。
【0103】
いくつかの実施例では、レーザレーダ200は制御基板をさらに含んでもよく、前記制御基板は、レーザ出射ユニット10、回路基板50及び駆動装置64に電気的に接続され、前記制御基板は、レーザ出射ユニット10がレーザ信号を出射するように駆動し、回路基板50を介して信号を伝送し、かつ、駆動装置64を介して回転台座62が回転するように制御するために用いられる。又は、前記制御基板は、回路基板50と1つの単独の回路基板に統合されてもよい。
【0104】
本発明の実施例は、移動ロボットをさらに提供し、当該移動ロボットは以上の実施例のいずれか1つにて提供されるレーザレーダ200を含む。
【0105】
なお、本発明の明細書及びその添付図面に本発明の好ましい実施形態を示したが、本発明は多くの異なる形態で実現されることができ、本明細書に記載の実施形態に限定されるものではなく、これらの実施形態は、本発明の内容に対する追加的な限定ではなく、これらの実施形態を提供する目的は、本開示をより完全且つ包括的に理解させるためである。そして、上記の各技術的特徴を互いに組み合わせて、上に列挙していない様々な実施形態を形成するが、それらは、いずれも本発明の明細書に記載の範囲であると見なされ、さらに、当業者であれば、上記の説明にしたがって改善や変更を行うことができ、これらの改善や変更はいずれも本発明の特許請求の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
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