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特開2022-128536ワーク検査装置およびワーク検査方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128536
(43)【公開日】2022-09-02
(54)【発明の名称】ワーク検査装置およびワーク検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/89 20060101AFI20220826BHJP
【FI】
G01N21/89 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026865
(22)【出願日】2021-02-23
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 毅
(72)【発明者】
【氏名】有地 彰彦
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AB02
2G051AB12
2G051BB07
2G051CA04
2G051CB01
2G051DA06
2G051EA08
2G051EA16
2G051EB01
(57)【要約】
【課題】ワークの検査を安価な設備を使用して高速且つ高精度で行うのに有効なワーク検査技術を提供する。
【解決手段】ワーク検査装置10は、被検査面2を撮影する撮影部20と、明部Paと暗部Pbが第1方向Xに交互に配列されてなる明暗縞状パターンPの照明光Lを被検査面2に明暗縞状パターンPを維持した状態で投光する照明部30と、欠陥検出部45と、を備え、撮影部20は、明暗の1周期の間に撮像対象範囲22を第1方向Xについて一部ラップさせながら被検査面2に対して第1方向Xに連続的に相対移動することによって共通の重なり領域Aを含む複数の画像Iを撮影し、欠陥検出部45は、複数の画像Iを重なり領域Aの画素毎の輝度の最大値と最小値の差分である輝度差について比較することにより被検査面2の各部位のうち輝度差が相対的に小さい画素に相当する部位を欠陥3として検出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを検査するワーク検査装置であって、
上記ワークの被検査面に対して第1方向に相対移動しながら上記被検査面を撮影する撮影部と、
明部と暗部が上記第1方向に交互に配列されてなる明暗縞状パターンの照明光を上記被検査面に上記明暗縞状パターンを維持した状態で投光する照明部と、
上記撮影部による上記被検査面の撮影で得られた画像に基づいて上記被検査面の欠陥を検出する欠陥検出部と、
を備え、
上記撮影部は、上記照明部による上記照明光の投光時に上記明暗縞状パターンの任意の明部が次の明部に置き換わるまでの期間を明暗の1周期としたとき、上記明暗の1周期の間に上記被検査面における撮像対象範囲を上記第1方向について一部ラップさせながら上記被検査面に対して上記第1方向に連続的に相対移動することによって共通の重なり領域を含む複数の画像を撮影し、
上記欠陥検出部は、上記複数の画像を上記重なり領域の画素毎の輝度の最大値と最小値の差分である輝度差について比較することにより、上記被検査面の各部位のうち上記輝度差が相対的に小さい画素に相当する部位を上記欠陥として検出する、ワーク検査装置。
【請求項2】
上記照明部は、上記第1方向と直交する第2方向に延びるバーライトと、上記バーライトに沿って延び上記バーライトの投光を部分的に遮ることによって上記明暗縞状パターンを形成する遮光部材と、を有する、請求項1に記載のワーク検査装置。
【請求項3】
上記撮影部は、上記第2方向の画素数が上記第1方向の画素数を上回る帯状の撮像素子を有する、請求項2に記載のワーク検査装置。
【請求項4】
ワークを検査するワーク検査方法であって、
上記ワークの被検査面に対して撮影部を第1方向に相対移動させる一方で、明部と暗部が上記第1方向に交互に配列されてなる明暗縞状パターンの照明光を照明部によって上記被検査面に上記明暗縞状パターンを維持した状態で投光し、
上記照明部による上記照明光の投光時に上記明暗縞状パターンの任意の明部が次の明部に置き換わるまでの期間を明暗の1周期としたとき、上記明暗の1周期の間に上記被検査面における上記撮影部の撮像対象範囲を上記第1方向について一部ラップさせながら上記被検査面に対して上記撮影部を上記第1方向に連続的に相対移動させることによって共通の重なり領域を含む複数の画像を撮影し、
上記撮影部による上記被検査面の撮影で得られた上記複数の画像を上記重なり領域の画素毎の輝度の最大値と最小値の差分である輝度差について比較することにより、上記被検査面の各部位のうち上記輝度差が相対的に小さい画素に相当する部位を欠陥として検出する、ワーク検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを検査する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、ワークを検査するためのワーク検査装置の一例が開示されている。このワーク検査装置は、コンベアによって搬送ラインを搬送されている車両の被検査面を検査するためのものである。このワーク検査装置によれば、車両の被検査面に所定の明暗縞状パターンの光を照明装置で投光した状態で、被検査面をカメラにより撮影し、その撮影で得られた画像が適宜に処理される。このとき、カメラによる被検査面の撮影によって得られた画像の輝度差に基づいて欠陥を検出しようとしている。
【0003】
下記の特許文献2には、被検物の欠点検査技術が開示されている。この欠点検査技術は、ガラス等の鏡面性または光透過性を有する物体の微小凹凸等の欠点の検査や評価に用いられるものである。この検査技術によれば、平行な回転軸の回りを回転する光源からの光が、被検物の表面で反射され、CCDエリアカメラ等の撮像素子に入力される。光源の周面は黒白のストライプ模様のフィルムで覆われており、撮像素子で撮像された各反射像は、ストライプパターンの位相が徐々にずれていく画像となる。これにより、被検物における微小凹凸等の欠点をほこり等の散乱性欠点と区別して検出しようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-79988号公報
【特許文献2】特許第4147682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の検査装置を採用する場合、ワークの静止と移動を繰り返しながらカメラで1箇所あたり1ショットの撮影が行われる。カメラのシャッタ速度を速くしてワークの被検査面を連続撮影すれば、被検査面の撮影に要する時間を短くすることも可能であるが、ワークの検査精度が低いという問題を抱えている。
【0006】
これに対して、特許文献2に記載の欠点検査技術は、ワークの検査精度が高いという点で優れている。しかしながら、この欠点検査技術の場合、カメラで1箇所あたり数ショットの撮影が行われるため、撮影時にワークを静止状態にしなければならない。このため、カメラによるワークの撮影に時間を要するという問題が生じ得る。とりわけ、車両のように被検査面が広いワークを検査対象とするときには、このような問題が顕著になる。かといって、カメラの設置台数を増やすと検査速度を上げることができるが、カメラ自体が高価であるため設置台数を増やし過ぎるとコスト面で不利になる。
【0007】
そこで、この種のワーク検査技術の設計においては、ワークの被検査面の検査精度を低下させることなく検査の高速化を図る技術が求められている。このとき、設備コストを抑えることを目的とすれば、高価な機器を使用することなくワークを検査できるワーク検査技術が必要になる。
【0008】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、ワークの検査を安価な設備を使用して高速且つ高精度で行うのに有効なワーク検査技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、
ワークを検査するワーク検査装置であって、
上記ワークの被検査面に対して第1方向に相対移動しながら上記被検査面を撮影する撮影部と、
明部と暗部が上記第1方向に交互に配列されてなる明暗縞状パターンの照明光を上記被検査面に上記明暗縞状パターンを維持した状態で投光する照明部と、
上記撮影部による上記被検査面の撮影で得られた画像に基づいて上記被検査面の欠陥を検出する欠陥検出部と、
を備え、
上記撮影部は、上記照明部による上記照明光の投光時に上記明暗縞状パターンの任意の明部が次の明部に置き換わるまでの期間を明暗の1周期としたとき、上記明暗の1周期の間に上記被検査面における撮像対象範囲を上記第1方向について一部ラップさせながら上記被検査面に対して上記第1方向に連続的に相対移動することによって共通の重なり領域を含む複数の画像を撮影し、
上記欠陥検出部は、上記複数の画像を上記重なり領域の画素毎の輝度の最大値と最小値の差分である輝度差について比較することにより、上記被検査面の各部位のうち上記輝度差が相対的に小さい画素に相当する部位を上記欠陥として検出する、ワーク検査装置、
にある。
【0010】
本発明の他の態様は、
ワークを検査するワーク検査方法であって、
上記ワークの被検査面に対して撮影部を第1方向に相対移動させる一方で、明部と暗部が上記第1方向に交互に配列されてなる明暗縞状パターンの照明光を照明部によって上記被検査面に上記明暗縞状パターンを維持した状態で投光し、
上記照明部による上記照明光の投光時に上記明暗縞状パターンの任意の明部が次の明部に置き換わるまでの期間を明暗の1周期としたとき、上記明暗の1周期の間に上記被検査面における上記撮影部の撮像対象範囲を上記第1方向について一部ラップさせながら上記被検査面に対して上記撮影部を上記第1方向に連続的に相対移動させることによって共通の重なり領域を含む複数の画像を撮影し、
上記撮影部による上記被検査面の撮影で得られた上記複数の画像を上記重なり領域の画素毎の輝度の最大値と最小値の差分である輝度差について比較することにより、上記被検査面の各部位のうち上記輝度差が相対的に小さい画素に相当する部位を欠陥として検出する、ワーク検査方法、
にある。
【発明の効果】
【0011】
上述の各態様では、ワークの被検査面に対して第1方向に連続的に相対移動する撮影部と、明暗縞状パターンの照明光をワークの被検査面に投光する照明部と、を組み合わせて、共通の重なり領域を含む画像を撮影部で複数撮影する。
【0012】
このとき、撮影部をワークの被検査面に対して連続的に相対移動させて撮影するため、静止と移動を繰り返して被検査面を撮影する場合に比べて撮影に要する時間を短縮でき高速での撮影が可能になる。また、ワークの被検査面の大きさや数が増えたときでも、撮影に使用する撮影部の数を少なく抑えることができる。
【0013】
明暗縞状パターンの照明光の明暗の1周期の間に撮影部によって共通の重なり領域を含む画像を複数撮影することによって、重なり領域へ光の当たり方が互いに異なる状態で撮影された複数の画像を得ることができる。そして、各画像について重なり領域の画素毎の輝度差を比較することによって被検査面の欠陥を検出できる。これにより、特定の光の当たり方でのみ撮影された画像からでは検出できないような欠陥も高精度で検出することが可能になる。
【0014】
ここで、照明部は、照明光をワークの被検査面に明暗縞状パターンを維持した状態で投光するように構成されている。本構成の場合、照明部は、明暗縞状パターンを特定の方向にシフトさせることなく維持するものであって、明暗縞状パターンの明部と暗部を交互に切り替えて明暗縞状パターンを特定の方向にシフトさせるような複雑な構造や高度な制御を要しない。
【0015】
明暗縞状パターンをシフトさせる場合には、例えば、複数の照明を並べて配置して各照明の発光状態と消光状態が交互に切り替わるように制御する第1の構造や、液晶ディスプレイに複数の照明に相当する複数の領域を設けて各領域の発光状態と消光状態が交互に切り替わるように表示する第2の構造などを要する。第1の構造の場合、特殊な形状のLED照明を使用したときには照明部が高価になる。また、第2の構造の場合、液晶ディスプレイ側の性能が原因で、シフト表示に要する速度を撮影部の性能に追従した速度まで上げることができず、ワークを高速で検査するための阻害要因に成り得る。
【0016】
これに対して、照明部自らは明暗縞状パターンをシフトさせることなく維持する場合には、所望の明暗縞状パターンが得られるように発光面を発光させる簡単な構造を採用すれば足りる。これにより、構造が簡単で安価であり、しかも撮影部の性能を生かした高速でのワーク検査に影響を及ぼすことのない照明部を使用することが可能になる。その結果、上記の第1の構造及び第2の構造のいずれの問題点も解消することができる。
【0017】
以上のごとく、上述の各態様によれば、ワークの検査を安価な設備を使用して高速且つ高精度で行うのに有効なワーク検査技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態1のワーク検査装置の斜視図。
図2図1のワーク検査装置の側面図。
図3図2中の照明部の発光面を示す平面図。
図4図2中の撮影部の撮像素子を模式的に示す平面図。
図5図1中のワークの被検査面を示す平面図。
図6図1中の撮影部で撮影される複数の画像の具体例について説明するための図。
図7図6の複数の画像と照明光の明暗縞状パターンとの関係について説明するための図。
図8】ワークの被検査面の欠陥有状態と欠陥無状態のそれぞれについて明暗の1周期の間の輝度の変化を模式的に示す図。
図9】実施形態1のワーク検査方法のフローチャートを示す図。
図10】実施形態2のワーク検査装置について図3に対応した図。
図11】実施形態2のワーク検査装置について図5に対応した図。
図12】実施形態3のワーク検査装置について図4に対応した図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
上述の態様の好ましい実施形態について以下に説明する。
【0020】
上記のワーク検査装置において、上記照明部は、上記第1方向と直交する第2方向に延びるバーライトと、上記バーライトに沿って延び上記バーライトの投光を部分的に遮ることによって上記明暗縞状パターンを形成する遮光部材と、を有するのが好ましい。
【0021】
このワーク検査装置によれば、1つのバーライトの投光を遮光部材で部分的に遮ることによって明暗縞状パターンを形成することができる。このため、照明部の構造を簡素化することができる。
【0022】
上記のワーク検査装置において、上記撮影部は、上記第2方向の画素数が上記第1方向の画素数を上回る帯状の撮像素子を有するのが好ましい。
【0023】
このワーク検査装置によれば、撮影部の帯状の撮像素子の全体を使用して、ワークの被検査面の複数の画像を得ることができる。
【0024】
以下、ワークを検査するための検査技術を具現化するための実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0025】
この実施形態を説明するための図面において、特にことわらない限り、ワークに対する撮影部の相対移動方向である第1方向を矢印Xで示し、照明部におけるバーライトの長手方向である第2方向を矢印Yで示し、ワークの厚み方向である第3方向を矢印Zで示すものとする。
【0026】
(実施形態1)
図1に示されるように、実施形態1のワーク検査装置(以下、単に「検査装置」という。)10は、ワーク1を検査する装置であり、駆動装置11と、撮影部20と、照明部30と、制御装置40と、を少なくとも備えている。
【0027】
ワーク1の種類や形状は特に限定されないが、照明光の反射を利用して検査を行うことから、反射光を受光し易い光沢のある被検査面を有するものを対象にするのが好ましい。本実施形態では、一例として、光沢のある塗装面を有する車両をワーク1とし、このワーク1の塗装面を被検査面2として塗装検査工程で検査する場合について説明する。
【0028】
駆動装置11は、ワーク1を搬送するためのコンベアであり、制御装置40に電気的に接続されている。この駆動装置11は、制御装置40の駆動制御部42から伝送される制御信号に応じて駆動制御されて、ワーク1を搬送方向Dに概ね一定速度で搬送するように構成されている。
【0029】
撮影部20は、略長方形の撮像素子21を有するカメラであり、制御装置40に電気的に接続されている。この撮影部20は、連結アーム23によって照明部30と連結されており、ワーク1の被検査面2を撮影するために被検査面2に向けて配置されている。
【0030】
撮影部20は、ワーク1の搬送ラインにおいて固定されておりそれ自体は静止しているが、ワーク1が駆動装置11によって搬送方向Dに移動するため、このワーク1の被検査面2に対しては、搬送方向Dの逆方向である第1方向Xに相対移動する。これにより、撮影部20は、第1方向Xに相対移動しながら被検査面2を連続的に撮影するように構成されている。
【0031】
このとき、撮影部20は、被検査面2で反射した反射光を撮像素子21で受光することによって、この撮像素子21で被検査面2の複数の画像Iが撮像されるように構成されている。そして、これら複数の画像Iは、撮影部20から制御装置40に連続的に伝送される。カメラの撮像素子21として、典型的には、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーが採用される。
【0032】
照明部30は、ワーク1の被検査面2に照明光Lを投光するためのものであり、撮影部20に対して固定されている。この照明部30は、制御装置40に電気的に接続されており、後述の照明制御部43から伝送される制御信号に応じて投光状態とされる。このとき、照明部30は、明部Paと暗部Pbが第1方向Xに交互に配列されてなる明暗縞状パターンPの照明光Lを被検査面2に明暗縞状パターンを維持した状態で投光するように構成されている。
【0033】
ここで、「明暗縞状パターンを維持した状態」とは、複数の照明のそれぞれにおいて点灯と消灯を繰り返すことによって明暗縞状パターンを特定の方向にシフトさせるような態様とは異なり、明暗縞状パターンPを形成した状態で照明部30自らはその明暗縞状パターンPを特定の方向にはシフトさせない状態をいう。本実施形態の場合、バーライト31がその点灯状態を維持することによって、明暗縞状パターンPを維持した状態が形成される。また、ここでいう「投光」なる態様を「投影」或いは「照射」ともいう。
【0034】
図2及び図3に示されるように、照明部30は、被検査面2と対向する発光面30aに1つのバーライト31と、1つの遮光部材32と、を備えている。発光面30aは、ワーク1の被検査面2に対して傾斜して対向している(図2を参照)。
【0035】
バーライト31は、第1方向Xと第3方向Zの両方に直交する第2方向Yに延びるように構成された照明である。このバーライト31は、第2方向Yを長手方向とし、第2方向Yと直交する方向を短手方向とした略長方形をなしている。このバーライト31の種類は特に限定されないが、耐久性能や省エネ性能に優れたLED照明をバーライト31として採用するが好ましい。
【0036】
図3に示されるように、遮光部材32は、第2方向Yにバーライト31に沿って延びるように構成されている。この遮光部材32がバーライト31の投光を部分的に遮ることによってワーク1の被検査面2に明暗縞状パターンPを形成することができる。明暗縞状パターンPの明部Paは、バーライト31のうち遮光部材32によって遮られていない部位、即ち遮光部材32を挟んでその両側の部位によって形成される。これに対して、明暗縞状パターンPの暗部Pbは、バーライト31のうち遮光部材32によって遮られている部位、即ち遮光部材32自体によって形成される。この遮光部材32の構造は特に限定されないが、照明部30全体の軽量化を図るために、金属材料や樹脂材料からなるプレート部材を遮光部材32として採用するが好ましい。
【0037】
図1に戻り説明すると、制御装置40は、中央処理部41及び記憶部46を備えている。中央処理部41は、既知のCPU(Central Processing Unit)によって構成され、記憶部46は、既知のメモリによって構成されている。
【0038】
中央処理部41には、駆動装置11を制御するための駆動制御部42と、照明部30の各種の制御を実行するための照明制御部43と、撮影部20によって撮影された画像Iの画像処理を行う画像処理部44と、撮影部20によるワーク1の被検査面2の撮影で得られた画像Iに基づいて被検査面2の欠陥3を検出する欠陥検出部45と、が含まれている。
【0039】
記憶部46には、撮影部20が撮影した複数の画像Iを含むデータや、中央処理部41の処理で使用されるプログラムやデータなどが格納される。
【0040】
図4に示されるように、撮影部20は、第2方向Yを横方向としたとき、横方向に細長い形状をなす帯状の撮像素子21を有する。この撮像素子21は、第2方向Yの画素数がmであり、第1方向Xの画素数がn(<m)であり、全画素がY-X座標系によって(0,0)~(m,n)として示される。
【0041】
図1において、撮影部20は、明暗縞状パターンPの明暗の1周期の間に被検査面2における撮像対象範囲22を第1方向Xについて一部ラップさせながら被検査面2に対して第1方向Xに連続的に相対移動することによって共通の重なり領域Aを含む画像Iを複数(本実施形態では8つ)撮影するように制御される。このときの画像Iの数は特に限定されるものではないが、被検査面2を精度良く検査するためには画像Iの数を増やすのが好ましい。
【0042】
ここでいう「明暗の1周期」とは、照明部30による照明光Lの投光時に明暗縞状パターンPの任意の明部Paが次の明部Paに置き換わるまでの期間、或いは任意の暗部Pbが次の暗部Pbに置き換わるまでの期間として定義される。つまり、明暗の1周期は、明るさの度合いである輝度(「光度」ともいう。)が任意のある時点の状態に一度循環して戻るまでの期間のことをいう。
【0043】
図5に示されるように、照明部30は、欠陥3の検出精度を高めるために、ワーク1の被検査面2に形成される明暗縞状パターンPについて各明部Paの第1方向Xの幅d1が同一寸法となるように構成されるのが好ましい。また、照明部30は、明部Paと暗部Pbの面積を一致させるために、2つの明部Paの幅d1の合計が、暗部Pbの幅d2と一致するように構成されるのが好ましい。
【0044】
ここで、図6及び図7を参照しながら、照明部30による明暗の1周期の間に、撮影部20によって被検査面2の8つの画像Iを撮影するときの具体例について説明する。なお、撮影部20の撮像素子21の画素数は特に限定されないが、ここでは、第2方向Yの画素数mが4000[pixel]であり、第1方向Xの画素数nが32[pixel]である撮像素子21について例示するものとする。
【0045】
ワーク1の被検査面2をk回撮影しようとすると、被検査面2において撮像対象範囲22のラップ代となるシフト量Sp[pixel]を、Sp=n/kという関係式に基づいて設定することができる。例えば、被検査面2を8回撮影しようとすると、この関係式に基づいて、撮影間のシフト量Spが4[pixel]に設定される。このシフト量Spによって重なり領域Aの第1方向Xの寸法が定まる。
【0046】
また、撮影部20の撮像素子21のフレームレートをf[フレーム/s]とし分解能をRe[mm/pixel]としたとき、ワーク1の移動速度(即ち、ワーク1に対する撮影部20の相対移動速度)Vは、V=f×Sp×Reという関係式に基づいて設定される。
【0047】
このとき、図6に示されるように、撮影部20による8回の撮影によって、撮像素子21の第1方向Xの画素数nである32[pixel]に対して4[pixel]だけ段階的にずれた8つの画像Iが連続して得られる。このとき、8つの画像Iは、重なり領域Aへの光の当たり方が互いに異なる状態で撮影された画像である。このため、共通の重なり領域Aに欠陥3が含まれている場合、後述の処理によって欠陥3の検出が可能になる。
【0048】
図6では、1回目の撮影時のNフレーム目の画像Iを画像I(N)としている。同様に、2回目の撮影時の(N+1)フレーム目の画像Iを画像I(N+1)とし、3回目の撮影時の(N+2)フレーム目の画像Iを画像I(N+2)とし、4回目の撮影時の(N+3)フレーム目の画像Iを画像I(N+3)とし、5回目の撮影時の(N+4)フレーム目の画像Iを画像I(N+4)とし、6回目の撮影時の(N+5)フレーム目の画像Iを画像I(N+5)とし、7回目の撮影時の(N+6)フレーム目の画像Iを画像I(N+6)とし、8回目の撮影時の(N+7)フレーム目の画像Iを画像I(N+7)としている。
【0049】
図7に示されるように、照明部30による明暗の1周期の間に、被検査面2の重なり領域Aで互いに重なる8つの画像Iが連続撮影されることになり、このときに重なり領域Aでは投光される照明光Lは輝度が最も高い明るい状態から輝度が最も低い暗い状態までの間で1周期分変化する。このため、各画像Iのうち重なり領域Aの同一位置について各画素の輝度の状態を比較することによって、被検査面2の重なり領域Aに欠陥3が有るか否かを判定することができる。
【0050】
この判定に関して、図8に示されるように、被検査面2が欠陥3を有する凹凸面である欠陥有状態と、被検査面2が欠陥の無い平滑面4である欠陥無状態と、について重なり領域Aの各画素の輝度の最大値と最小値との差分である輝度差ΔBが比較される。このとき、各画像Iの(0,0)~(m,n)の全画素について輝度差ΔBを算出してその中から重なり領域Aに相当する切出し画像Iaの各画素の輝度差ΔBを抽出するようにしてもよいし、或いは重なり領域Aに相当する切出し画像Iaの全画素について輝度差ΔBを算出するようにしてもよい。
【0051】
ここで、欠陥無状態の場合、照明部30の照明光Lが被検査面2の平滑面4で正反射して撮影部20で受光されるため、画素の輝度の最大値が相対的に大きくなり且つ輝度の最小値が相対的に小さくなる。即ち、明るい光ほど輝度が高く、暗い光ほど画素の輝度が低い。このため、欠陥無状態の場合には、欠陥有状態に比べて重なり領域Aの各画素の輝度差ΔBが大きくなる。
【0052】
これに対して、欠陥有状態の場合、照明部30の照明光Lが被検査面2の欠陥3で反射するときに乱反射光成分が増えるため、欠陥無状態に比べると、画素の輝度の最大値が小さくなり且つ輝度の最小値が大きくなる。このため、欠陥有状態の場合には、欠陥無状態に比べて重なり領域Aの各画素の輝度差ΔBが小さくなる。
【0053】
そこで、本実施形態では、制御装置40の欠陥検出部45は、被検査面2の重なり領域Aに欠陥3が含まれているときには、重なり領域Aの画素毎の輝度差ΔBについて比較することにより被検査面2の各部位のうち輝度差ΔBが相対的に小さい画素に相当する部位を欠陥3として検出するように構成されている。この場合、欠陥3の有無が判定されるが、必要に応じて、欠陥3があるときにその欠陥3の数や大きさを追加で導出するようにすることもできる。
【0054】
次に、図9に示されるように、実施形態1のワーク検査方法(以下、単に「検査方法」という。)は、ワーク1を検査するためのものである。このワーク検査方法は、第1ステップS101から第11ステップS111までのステップを少なくとも有し、各ステップを制御装置40が順次実行することによって達成される。
【0055】
なお、必要に応じて、図9中の各ステップの順番を入れ替えることもできる。また、図9中のステップに別のステップが追加されてもよいし、或いは図9中の少なくとも1つのステップが複数のステップに分割されてもよい。
【0056】
第1ステップS101は、ワーク1の搬送を開始するステップである。この第1ステップS101において、制御装置40の駆動制御部42から駆動装置11に制御信号が伝送される(図1を参照)。これにより、ワーク1が搬送方向Dに概ね一定速度で搬送される。このとき、ワーク1の被検査面2に対して撮影部20を第1方向Xに相対移動させることができる。
【0057】
第2ステップS102は、照明部30で明暗縞状パターンPの照明光Lを投光するステップである。この第2ステップS102において、制御装置40の照明制御部43から照明部30に制御信号が伝送される(図1を参照)。これにより、明暗縞状パターンPの照明光Lを照明部30によってワーク1の被検査面2に投光することができる。
【0058】
第3ステップS103は、撮影部20でワーク1の被検査面2を連続撮影するステップである。この第3ステップS103において、明暗の1周期の間に被検査面2における撮影部20の撮像対象範囲22を第1方向Xについて一部ラップさせながら被検査面2に対して撮影部20を第1方向Xに連続的に相対移動させる。これにより、共通の重なり領域Aを含む複数(本実施形態では8つ)の画像Iを撮影することができる(図6及び図7を参照)。
【0059】
第4ステップS104は、第3ステップS103で得られた複数の画像Iを記憶するステップである。この第4ステップS104によれば、複数の画像Iが記憶部46に読み出し可能に記憶される。
【0060】
第5ステップS105は、切出し画像を生成するステップである。この第5ステップS105によれば、複数の画像Iが記憶部46から読み出され、制御装置40の画像処理部44によって切出し処理される。これにより、各画像Iの一部である重なり領域Aが切出されてなる複数(本実施形態では8つ)の切出し画像Iaが生成される(図7を参照)。ここで、複数の画像Iはいずれも照明光Lの投光時に撮影されたものであり、複数の切出し画像Iaは各画素の輝度が互いに異なる。
【0061】
第6ステップS106は、輝度の最大値及び最小値を算出するステップである。この第6ステップS106によれば、制御装置40の画像処理部44によって、重なり領域Aに相当する切出し画像Iaの全画素について輝度の最大値と最小値が算出される。
【0062】
第7ステップS107は、輝度差を算出するステップである。この第7ステップS107によれば、制御装置40の画像処理部44によって、ステップS106でいずれも算出した輝度の最大値と最小値の差分値が輝度差ΔBとして算出される。
【0063】
第8ステップS108は、第7ステップS107で算出した輝度差ΔBが相対的に小さい画素が有るか否かを判定するステップである。この第8ステップS108によれば、制御装置40の欠陥検出部45によって、輝度差ΔBが相対的に小さい画素が検出される。
【0064】
第8ステップS108で輝度差ΔBが相対的に小さい画素が有ると判定されると、第9ステップS109へすすみ、この第9ステップS109で欠陥有りとなる。このとき、被検査面2の各部位のうち輝度差ΔBが相対的に小さい画素に相当する部位を欠陥3として検出する。一方で、第8ステップS108で輝度差ΔBが相対的に小さい画素が無いと判定されると、第10ステップS110へすすみ、この第10ステップS110で欠陥無しとなるため欠陥3が検出されない。
【0065】
なお、被検査面2の欠陥3を検出するためのより具体的な処理については、例えば特開2000-18932号公報に開示の、被検物の欠点検査方法を参照することができる。
【0066】
次に、上述の実施形態1の作用効果について説明する。
【0067】
実施形態1では、ワーク1の被検査面2に対して第1方向Xに連続的に相対移動する撮影部20と、明暗縞状パターンPの照明光Lをワーク1の被検査面2に投光する照明部30と、を組み合わせて、共通の重なり領域Aを含む画像Iを撮影部20で複数撮影する。
【0068】
このとき、撮影部20をワーク1の被検査面2に対して連続的に相対移動させて撮影するため、静止と移動を繰り返して被検査面2を撮影する場合に比べて撮影に要する時間を短縮でき高速での撮影が可能になる。また、ワーク1の被検査面2の大きさや数が増えたときでも、撮影に使用する撮影部20の数を少なく抑えることができる。
【0069】
明暗縞状パターンPの照明光Lの明暗の1周期の間に撮影部20によって共通の重なり領域Aを含む画像Iを複数撮影することによって、重なり領域Aへ光の当たり方が互いに異なる状態で撮影された複数の画像Iを得ることができる。そして、各画像Iについて重なり領域Aの画素毎の輝度差を比較することによって被検査面2の欠陥3を検出できる。これにより、特定の光の当たり方でのみ撮影された画像Iからでは検出できないような欠陥3も高精度で検出することが可能になる。
【0070】
ここで、照明部30は、ワーク1の検査時にバーライト31の点灯状態を維持し、照明光Lをワーク1の被検査面2に明暗縞状パターンPを特定の方向にシフトさせることなく維持した状態で投光するように構成されている。本構成の場合、照明部30は、明暗縞状パターンPを維持するものであって、明暗縞状パターンPの明部Paと暗部Pbを交互に切り替えて明暗縞状パターンPを特定の方向にシフトさせるような複雑な構造や高度な制御を要しない。
【0071】
明暗縞状パターンPをシフトさせる場合には、例えば、複数の照明を並べて配置して各照明の発光状態と消光状態が交互に切り替わるように制御する第1の構造や、液晶ディスプレイに複数の照明に相当する複数の領域を設けて各領域の発光状態と消光状態が交互に切り替わるようにシフト表示する第2の構造などを要する。第1の構造の場合、特殊な形状のLED照明を使用したときには照明部が高価になる。また、第2の構造の場合、液晶ディスプレイ側の性能が原因で、シフト表示に要する速度を撮影部の性能に追従した速度まで上げることができず、ワークを高速で検査するための阻害要因に成り得る。
【0072】
これに対して、本実施形態のように照明部30自らは明暗縞状パターンPをシフトさせることなく維持する場合には、所望の明暗縞状パターンPが得られるように発光面30aを発光させる簡単な構造を採用すれば足りる。これにより、構造が簡単で安価であり、しかも撮影部20の性能を生かした高速でのワーク検査に影響を及ぼすことのない照明部30を使用することが可能になる。その結果、上記の第1の構造及び第2の構造のいずれの問題点も解消することができる。
【0073】
従って、上述の実施態様1によれば、ワーク1の検査を安価な設備を使用して高速且つ高精度で行うのに有効なワーク検査技術を提供することができる。
【0074】
実施形態1によれば、1つのバーライト31の投光を遮光部材32で部分的に遮ることによって明暗縞状パターンPを形成することができる。このため、照明部30の構造を簡素化することができる。
【0075】
明暗縞状パターンPについては、1つの暗部Pbを挟んでその両側に明部Paを配置することで、欠陥3の両側(ワーク1の相対移動方向の両側)のうちいずれの側から光が当たる場合でも同様の検出精度を確保するのに有効である。
【0076】
実施形態1によれば、撮影部20の帯状の撮像素子21の全体を使用して、ワーク1の被検査面2の複数の画像Iを得ることができる。
【0077】
上述の実施形態1に特に関連する変更例として、1つの明部Paを挟んでその両側に暗部Pbを配置する明暗縞状パターンPや、1つの明部Paと1つの暗部Pbのみを隣接させて配置する明暗縞状パターンPなどを採用することもできる。
【0078】
また、上述の実施形態1に特に関連する変更例として、図9中のステップS109~S111において、輝度差ΔBと予め設定した閾値との比較によって、欠陥3の有無を判定するようにしてもよい。
【0079】
以下、上述の実施形態1に関連する他の実施形態について図面を参照しつつ説明する。他の実施形態において、実施形態1の要素と同一の要素には同一の符号を付しており、当該同一の要素についての説明は省略する。
【0080】
(実施形態2)
図10に示されるように、実施形態2のワーク検査装置110は、照明部130の構造について実施形態1の照明部30のものと相違している。この照明部130は、発光面30aに1つのバーライト31と、2つの遮光部材32と、を備えている。2つの遮光部材32は、間隔を隔てて第2方向Yに互いに平行に延びている。これら2つの遮光部材32がバーライト31の投光を部分的に遮ることによって、ワーク1の被検査面2に図11に示されるような明暗縞状パターンPを形成することができる。この明暗縞状パターンPでは、3つの明部Paと2つの暗部Pbが第1方向Xに交互に形成される。必要に応じて、交互に形成される明部Paと暗部Pbの数を更に増やすこともできる。
【0081】
その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0082】
上述の実施形態2によれば、交互に形成される明部Paと暗部Pbの数を増やすによってことによって、ワーク1の被検査面2に曲面が含まれているような場合でも、欠陥3の検精度が低下するのを抑える効果が得られる。
【0083】
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0084】
(実施形態3)
図12に示されるように、実施形態3のワーク検査装置210は、撮影部120の撮像素子121の構造について、実施形態1のものと相違している。この撮像素子121は、実施形態1の撮像素子21よりも大きく、第2方向Yの画素数が同じである一方で、第1方向Xの画素数が実施形態1のものを上回るように構成されている。このとき、撮像素子121は、第2方向Yの画素数がmであり、第1方向Xの画素数が(n+α)である汎用の大サイズの撮像素子である。実施形態2では、この撮像素子121の一部である素子部121a(実施形態1の専用の撮像素子21に相当する部位)を利用して被検査面2を撮影する。
【0085】
その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0086】
上述の実施形態3によれば、汎用の大サイズの撮像素子121を使用することによって、撮影部120に要するコストを低く抑えることができる。
【0087】
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0088】
なお、必要に応じて、上述の実施形態3の撮影部120の構造を、実施形態2に適用することもできる。
【0089】
本発明は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の応用や変形が考えられる。例えば、各実施形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
【0090】
上述の実施形態では、ワーク1を駆動装置11によって駆動することで静止状態の撮影部20,120をワーク1の被検査面2に対して第1方向Xに相対移動させる場合について例示したが、これに代えて、撮影部20,120自体を第1方向Xに移動させるようにしてもよい。この場合、ワーク1は、静止状態と移動状態のいずれであってもよい。
【0091】
上述の実施形態では、バーライト31を備える照明部30,130について例示したが、これに代えて、バーライト31の代わりに液晶ディスプレイに明暗縞状パターンPを表示して投光する構造を採用することもできる。
【符号の説明】
【0092】
1 ワーク
2 被検査面
3 欠陥
10,110,210 ワーク検査装置
20,120 撮影部
21,121 撮像素子
22 撮像対象範囲
30,130 照明部
31 バーライト
32 遮光部材
45 欠陥検出部
A 重なり領域
ΔB 輝度差
I,I(N+1),I(N+2),I(N+3),I(N+4),I(N+5),I(N+6),I(N+7) 画像
L 照明光
P 明暗縞状パターン
Pa 明部
Pb 暗部
X 第1方向
Y 第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12