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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128564
(43)【公開日】2022-09-02
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220826BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026900
(22)【出願日】2021-02-23
(71)【出願人】
【識別番号】000132747
【氏名又は名称】株式会社ソフイア
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅也
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088BA02
2C088EA10
2C333AA11
2C333CA15
2C333EA04
(57)【要約】
【課題】遊技者が演出実行のタイミングに違和を感じることのない遊技機を提供する。
【解決手段】第1始動口スイッチにより遊技球が検出されてから特1保留表示が表示されるまでの期間t1と、第2始動口スイッチにより遊技球が検出されてから特2保留表示が表示されるまでの期間t2と、を異ならせ、第1始動入賞口への遊技球の入賞から特1保留表示が表示されるまでの期間TT1と、第2始動入賞口への遊技球の入賞から特2保留表示が表示されるまでの期間TT2と、を揃えた。
【選択図】図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が入賞可能な第1入賞領域および第2入賞領域と、
前記第1入賞領域に入賞した遊技球を検出可能な第1検出手段と、
前記第2入賞領域に入賞した遊技球を検出可能な第2検出手段と、
前記第1検出手段又は前記第2検出手段により遊技球が検出されたことに対応して、変動表示ゲームの保留表示を表示可能な制御手段と、を備え、
前記第1検出手段により遊技球が検出されてから前記制御手段が前記保留表示を表示するまでの期間と、前記第2検出手段により遊技球が検出されてから前記制御手段が前記保留表示を表示するまでの期間と、を異ならせ、
前記第1入賞領域への遊技球の入賞から前記保留表示が表示されるまでの期間と、前記第2入賞領域への遊技球の入賞から前記保留表示が表示されるまでの期間と、を揃えたことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機においては、遊技領域に表示装置、演出役物、変動入賞装置等の入賞装置、複数の入賞口を備えることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-146728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、入賞領域への遊技球の入賞から演出が実行されるまでの期間が入賞領域に応じて異なると、遊技者は演出実行のタイミングに違和を感じる可能性があった。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技者が演出実行のタイミングに違和を感じることのない遊技機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、遊技球が入賞可能な第1入賞領域および第2入賞領域と、
前記第1入賞領域に入賞した遊技球を検出可能な第1検出手段と、
前記第2入賞領域に入賞した遊技球を検出可能な第2検出手段と、
前記第1検出手段又は前記第2検出手段により遊技球が検出されたことに対応して、変動表示ゲームの保留表示を表示可能な制御手段と、を備え、
前記第1検出手段により遊技球が検出されてから前記制御手段が前記保留表示を表示するまでの期間と、前記第2検出手段により遊技球が検出されてから前記制御手段が前記保留表示を表示するまでの期間と、を異ならせ、
前記第1入賞領域への遊技球の入賞から前記保留表示が表示されるまでの期間と、前記第2入賞領域への遊技球の入賞から前記保留表示が表示されるまでの期間と、を揃えたことを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技者が演出実行のタイミングに違和を感じることがない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】遊技盤の斜視図である。
図2】遊技盤の正面図である。
図3】遊技盤の分解斜視図である。
図4】センターケースの分解斜視図である。
図5】導光パネル上の導光部の説明図であり、(a)は第1導光部、(b)は第2導光部である。
図6】上部役物ユニットの分解斜視図である。
図7】上部役物ユニットの演出動作を説明する正面図であり、(a)演出動作前の状態、(b)は演出動作中の状態、(c)は演出動作後の状態である。
図8】ストッパ治具の挿通箇所を示す遊技盤の分解斜視図である。
図9】ストッパ治具の挿通箇所の拡大図であり、(a)は遊技領域上の突起、(b)は装飾パネル、(c)は昇降ベース、(d)はユニットベースである。
図10】ストッパ治具の説明図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は斜視図である。
図11】ストッパ治具を挿通した状態の遊技盤の説明図であり、(a)は図2におけるA-A断面図、(b)は遊技領域内においてストッパ基部により遊技球が停留している状態の部分拡大図である。
図12】(a)は変動入賞ユニットの分解斜視図であり、(b)は流路形成パネルおよびサイドケースの一部を並べた状態の背面図である。
図13】(a)はサイドケースおよび変動入賞ユニットの後方から見た斜視図、(b)は(a)の部分拡大図である。
図14】流路形成パネルを外した変動入賞ユニットの底面図である。
図15】(a)は図14におけるB-B断面図、(b)は図14におけるC-C断面図である。
図16】変動入賞ユニットの第1入賞口を閉成する閉成具の説明図であり、(a)は流路形成パネルと閉成具と入賞ユニットベースとの分解斜視図、(b)は流路形成パネルに閉成具を装着した状態の背面図である。
図17】各入賞口における入口から検出スイッチまでの構成の模式図であり、(a)は第1始動入賞口の模式図、(b)は第2始動入賞口の模式図、(c)は大入賞口の模式図である。
図18】パチンコ遊技機の遊技制御系の構成例を示すブロック図である。
図19】パチンコ遊技機の演出制御系の構成例を示すブロック図である。
図20】(a)は各導光照射部の発光動作のタイミングチャート、(b)はタイミングf1における導光状態の説明図、(c)はタイミングf2における導光状態の説明図、(d)はタイミングf3における導光状態の説明図である。
図21】第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口への入賞に関連する動作のタイミングチャートである。
図22】導光パネルの変形例の説明図であり、(a)は第2導光部、(b)は各導光照射部の発光動作のタイミングチャート、(c)はタイミングg1における導光状態の説明図、(d)はタイミングg2における導光状態の説明図、(e)はタイミングg3における導光状態の説明図である。
図23】第2実施形態の遊技盤の正面図である。
図24】第2実施形態の遊技盤の分解斜視図である。
図25】第2実施形態の上部役物ユニットの分解斜視図である。
図26】動作補助機構の状態を説明する正面図であり、(a)は演出非実行状態、(b)は演出実行状態である。
図27】動作補助機構の状態を説明する斜視図であり、(a)は演出非実行状態、(b)は補助アームが演出非実行状態から下降した中間状態、(c)は演出実行状態である。
【0009】
以下、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機、詳しくはパチンコ遊技機に装着される遊
技盤を例に挙げて図面に基づき説明する。なお、説明の便宜上、パチンコ遊技機(遊技盤
)に対して遊技者側を「前」または「表」と称し、パチンコ遊技機(遊技盤)を挟んで遊
技者とは反対側を「後」または「裏」と称す。
パチンコ遊技機の遊技盤1は、図1図2図3に示すように、当該遊技盤1の基部と
なる遊技ベースユニット2の前面に複数のサイドケース3を枠状に連結した状態で止着し
て遊技領域4を区画形成し、遊技領域4の上寄りには、中央部分が開口されたセンターケ
ース5を配設している。また、該センターケース5の左右両側縁には、遊技球が通過可能
である縦長なケース球流下路(右側に位置する第1ケース球流下路6,左側に位置する第
2ケース球流下路7)を備え、第1ケース球流下路6の下方には普図始動ゲート12を配
設し、普図始動ゲート12に入賞(通過)した遊技球をゲートスイッチ13により検出可
能としている。そして、遊技球の普図始動ゲート12への入賞(詳しくは、ゲートスイッ
チ13による遊技球の検出)を始動条件(普図始動条件)として普図変動表示ゲームを実
行可能としている。
【0010】
また、遊技領域4のうちセンターケース5の中央部分の下方には第1始動入賞口16(第1始動入賞領域)を備え、該第1始動入賞口16よりも第1ケース球流下路6側(図2中、右側)にずれた箇所には、大入賞口18(大入賞領域)を含んで構成された変動入賞ユニット20を配設し、変動入賞ユニット20と第1ケース球流下路6との間には第2始動入賞口22(第2始動入賞領域)を備えている。さらに、第1始動入賞口16よりも第2ケース球流下路7側(図2中、左側)にずれた箇所には、一般入賞口24(一般入賞領域)が横に並んで配置された横長な一般入賞ユニット25を配設している。そして、第1始動入賞口16の下方に位置する遊技領域4の下端には、入賞せずに流下してきた遊技球を回収するアウト口27(アウト領域)を開設し、遊技領域4のうち、センターケース5等の遊技用部材の取付部分を除いた箇所には複数の障害釘29を植設している。なお、変動入賞ユニット20の構成については、後で詳細に説明する。
【0011】
さらに、第1始動入賞口16には、当該第1始動入賞口16に入賞した遊技球を検出可
能な第1始動口スイッチ31を備え、第2始動入賞口22には、当該第2始動入賞口22
に入賞した遊技球を検出可能な第2始動口スイッチ32を備えている。そして、第1始動
入賞口16への遊技球の入賞(詳しくは、第1始動口スイッチ31による遊技球の検出)
を始動条件として特図1変動表示ゲームを実行可能とし、第2始動入賞口22への遊技球
の入賞(詳しくは、第2始動口スイッチ32による遊技球の検出)を始動条件として特図
2変動表示ゲームを実行可能としている。さらに、特図1変動表示ゲームの実行中に遊技
球が第1始動入賞口16へ入賞した場合には、この入賞に基づく新たな特図1変動表示ゲ
ームの実行を特図1始動記憶として予め設定された上限数まで記憶して保留する。また、
図2変動表示ゲームの実行中に遊技球が第2始動入賞口22へ入賞した場合には、この
入賞に基づく新たな特図2変動表示ゲームの実行を特図2始動記憶として予め設定された
上限数まで記憶して保留する。
【0012】
なお、第2始動入賞口22には、遊技球の当該第2始動入賞口22への入賞を誘導した
り阻止したりする構成(普通電動役物)を備えている。具体的に説明すると、図2に示す
ように、普図始動ゲート12と変動入賞ユニット20との間であって、第2始動入賞口2
2よりも遊技盤1の側縁寄り(図2中、右寄り)にずれた位置には、遊技球が流下可能な
球通過開口35を開設し、該球通過開口35には、第2始動入賞口22の普通電動役物と
して機能する横向き平板状の球通過開閉扉(スライド動作するスライド部材)36を備え
て球通過開口35を開閉可能としている。そして、球通過開閉扉36が球通過開口35を
開放した状態では、遊技球が球通過開口35の通過(流下)を許容されて第2始動入賞口
22へ入賞不能となり、球通過開口35の通過後には変動入賞ユニット20の上部に落下
するように構成されている。一方、球通過開閉扉36が球通過開口35を閉成した状態で
は、遊技球が球通過開口35の通過を阻止されて球通過開閉扉36上に落下し、さらには
球通過開閉扉36上を転動して第2始動入賞口22へ入賞するように構成されている。
【0013】
また、図1および図3に示すように、遊技ベースユニット2の裏面側には制御ユニット
(裏面構成体)41を装着し、該制御ユニット41の裏側には表示装置42を装着して制
御ユニット41の中央部およびセンターケース5の中央部から表示装置42の表示部42
aを前方へ臨ませ、複数の識別情報を変動表示させる飾り特図変動表示ゲーム(第1特図
変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームに対応する演出表示)を表示部42aで表示可
能としている。さらに、制御ユニット41の裏側のうち表示装置42の下方には、遊技を
統括的に制御する遊技制御装置46を装着し、表示装置42の裏側には、遊技における演
出動作を制御する演出制御装置47を装着している。
【0014】
次に、センターケース5について説明する。
センターケース5は、図4に示すように、枠状のケースベース51を当該センターケー
ス5の基部として備え、該ケースベース51の中央部分には、表示装置42を視認可能と
するケース窓部52を開設している。また、ケースベース51の上辺部の前面には、セン
ターケース5の前方へ向けて突出した庇状の鎧部53をセンターケース5の左右両側へ向
けて下り傾斜した円弧状態で配置し、ケースベース51の両側辺部にはケース球流下路6
,7をセンターケース5の前方へ向けて突出した状態で備え、鎧部53の傾斜下端に左右
両側のケース球流下路6,7の上流開口をそれぞれ臨ませている。そして、ケースベース
51の内周縁のうち鎧部53および第1ケース球流下路6に沿う部分(図4中、ケースベ
ース51の内周縁のうち上辺部から右側辺部に亘る部分)には、円弧状のケース装飾部5
4を配置している。
【0015】
さらに、ケース窓部52と各ケース球流下路6,7との間には、遊技球がケース球流下
路6,7からケース窓部52への侵入を阻止する球侵入阻止壁(第1ケース球流下路6側
に位置する第1球侵入阻止壁56,第2ケース球流下路7側に位置する第2球侵入阻止壁
57)を前方へ向けてそれぞれ突設している。また、第1ケース球流下路6の下流開口を
センターケース5の下方へ開放して普図始動ゲート12へ臨ませ、第2ケース球流下路7
においては、幅方向の中央部分を仕切って左右2つの平行な通路に分け、第2ケース球流
下路7の下流開口をセンターケース5の側方へ開放している。そして、第2球侵入阻止壁
57の下部のケース窓部52側には、複数のLED等の発光部材が実装された保留表示部
60を備え、各発光部材を発光させることにより、変動表示ゲームに関する情報の表示(
具体的には、特図1変動表示ゲームの実行保留数、特図2変動表示ゲームの実行保留数、
変動図柄の停止態様と合わせて特図1変動表示ゲームの結果を報知するための特図1第4
図柄、変動図柄の停止態様と合わせて特図2変動表示ゲームの結果を報知するための特図
2第4図柄の各表示)を実行するように構成されている。
【0016】
また、ケースベース51の下辺部には、遊技球が横方向(前後方向および左右方向)へ
転動可能なステージ部62を配置している。さらに、ステージ部62の左右方向の中央部
には、遊技球をステージ部62上からステージ部62の前方および下方へ案内する案内溝
63を備えている。さらに、ステージ部62の側方(図2中、左側方)には、第2ケース
球流下路7から流出した遊技球が流下可能な球導入路(ワープ流路)64を備え、ステー
ジ部62の後方には、制御ユニット41の下部に備えられた球転動ユニット(クルーンユ
ニット)65を配置し、球導入路64から流下した遊技球を球転動ユニット65に受け入
れて転動可能としている。そして、球転動ユニット65においては、回転して遊技球を振
り分ける振分部材66を備え、該振分部材66によって遊技球をステージ部62の左右両
端部へ放出したり、あるいはステージ部62の下方に開設された球放出開口67(図2
照)へ誘導して第1始動入賞口16の直上へ放出したりするように構成されている。
【0017】
さらに、センターケース5は、図4に示すように、ケースベース51のケース窓部52
を透明な導光パネル70で閉成し、該導光パネル70をケースベース51とその前側に止
着される各部材(保留表示部60、ケース装飾部54、ステージ部62よりも第1ケース
球流下路6側(図4中、右側)に配置される装飾片71)との間に挟持している。そして
、導光パネル70の表面には、光を前方(詳しくは、遊技者側となる前方)へ導出する2
つの導光部(第1導光部76,第2導光部77)を互いに異なる態様(模様)を呈して備
えている(図5参照)。また、ケースベース51の上辺部(鎧部53)の内側には、第1
導光部76に光を照射する第1導光照射部78を備え、ケースベース51の側辺部(図4
中、第1ケース球流下路6側(第1球侵入阻止壁56側)となる右側辺部)の内側には、
第2導光部77に光を照射する第2導光照射部79を備えている。
【0018】
第1導光部76は、図5(a)に示すように、複数の微細な凹み(光屈曲部)を導光パ
ネル70の表面上に配設して、キャラクターの頭を導光パネル70の中央部分に描画した
態様に設定されており、第1導光照射部78からの光を受けると、この光が第1導光部7
6によって前方の遊技者側へ屈曲(導光)され、遊技者に第1導光部76の光る様子を見
せることができるように構成されている。また、第2導光部77は、図5(b)に示すよ
うに、複数の微細な凹み(光屈曲部)を導光パネル70の表面上に配設して、導光パネル
70の中央部分から外方へ延在する放射状の帯を描画した態様に設定されており、第2導
光照射部79からの光を受けると、この光が第2導光部77によって前方の遊技者側へ屈
曲(導光)され、遊技者に第2導光部77の光る様子を見せることができるように構成さ
れている。
【0019】
第1導光照射部78は、鎧部53に沿って湾曲した横長な第1照射基板81を備え、該
第1照射基板81上に多色(本実施形態では、虹色として挙げられる7色)で発光可能な
LED等の第1発光部材(発光源)82を第1導光照射部78(第1照射基板81)の延
在方向の沿って並んだ状態で実装している。また、第2導光照射部79は、第1ケース球
流下路6に沿って湾曲した縦長な第2照射基板86を備え、該第2照射基板86上に単色
(本実施形態では白色)で発光可能なLED等の第2発光部材87を第2導光照射部79
(第2照射基板86)の延在方向の沿って並んだ状態で実装している。なお、第2導光照
射部79の第2発光部材87については、第1導光照射部78の第1発光部材82と同様
に多色発光可能な発光部材を採用してもよい。また、導光パネル70での発光装飾につい
ては、後で詳細に説明する。
【0020】
次に、制御ユニット41について説明する。
制御ユニット41は、図3に示すように、遊技ベースユニット2の裏面に止着されるユ
ニットケース90を前側が開放した状態で備え、該ユニットケース90の後部には矩形状
の表示開口窓90aを前後方向へ貫通して開設し、ユニットケース90の後方に装着され
た表示装置42の表示部42aを表示開口窓90aに臨ませている。さらに、ユニットケ
ース90の前側開放部には複数のユニット(上部役物ユニット91,上部装飾ユニット9
2,左右の側部役物ユニット93,球転動ユニット65)を収納し、各ユニット91,9
2,93,65がセンターケース5の後方においてケース窓部52の開口縁に沿って位置
し、遊技盤1の前方から視認できるように構成されている(図2参照)。具体的に説明す
ると、ユニットケース90の内側の上部には倒コ字状の上部役物ユニット91を備え、該
上部役物ユニット91の上辺部の前方に横長な上部装飾ユニット92を配置している。さ
らに、上部役物ユニット91の左右両側辺部の前方に縦長な側部役物ユニット93をそれ
ぞれ配置し、上部役物ユニット91の左右両側辺部の下端部同士の間に球転動ユニット6
5を配置している。そして、各側部役物ユニット93には、のぼり旗の形状を模した縦長
な側部役物部材97を下端部が軸着された状態で備え、演出実行時には軸着箇所を中心に
して側部役物部材97を回動させて表示部42aの前方に傾斜姿勢で位置するように構成
されている。
【0021】
次に、上部役物ユニット91について説明する。
上部役物ユニット91は、図6に示すように、倒コ字状の上部役物ベース101を備え
、該上部役物ベース101の左右両側辺部には、縦向きのラック102aが備えられた昇
降ガイド102を装着し、該昇降ガイド102同士の間に横長な昇降ベース103を配置
し、昇降ベース103の左右両端部には昇降モータ104により回動するピニオン104
aをそれぞれ備えて各昇降ガイド102のラック102aへ噛合し、昇降モータ104の
駆動により各ピニオン104aが回動すると昇降ベース103が昇降するように構成され
ている。
【0022】
また、昇降ベース103の前側には可動装飾ユニット106を備え、昇降ベース103
の昇降動作に連動して可動装飾ユニット106が変形するように構成されている。具体的
に説明すると、可動装飾ユニット106は、昇降ベース103へ装着される装飾ベース1
07を備え、該装飾ベース107の前面には円板状の装飾本体部110を装着し、該装飾
本体部110の左右両側方には、横方向に移動して装飾本体部110に対して近づいたり
離れたりする円弧状の第1装飾片111と、装飾本体部110の周りで上下方向に回動す
る円弧状の第2装飾片112とを備えて構成されている。さらに、昇降ベース103と装
飾ベース107との間にはギアユニット113を配置し、該ギアユニット113を介して
昇降モータ104の駆動力を第1装飾片111および第2装飾片112へ伝達可能として
いる。
【0023】
このような構成の上部役物ユニット91においては、図7に示すように、演出非実行状
態では可動装飾ユニット106が上部役物ベース101の上辺部の前方(初期位置,演出
非実行位置)に配置され、装飾本体部110の左右両側方では、第1装飾片111が装飾
本体部110から離れた状態でそれぞれ位置し、その後方に第2装飾片112が第1装飾
片111と重なる状態でそれぞれ位置する(図7(a)参照)。そして、昇降モータ10
4を駆動すると、昇降ベース103および可動装飾ユニット106が下降し始め、さらに
は、第1装飾片111が装飾本体部110に近づき始め、第2装飾片112が下方へ回動
し始める(図7(b)参照)。引き続き昇降モータ104を駆動して昇降ベース103お
よび可動装飾ユニット106が下死位置(演出実行位置)に到達すると、第1装飾片11
1および第2装飾片112が円環状に並んで装飾本体部110の周りを囲み、この状態で
停止する(図7(c)参照)。
【0024】
そして、上部役物ユニット91は、図8および図9に示すように、遊技盤1を挿通する
ストッパ治具116によって昇降ベース103を演出非実行位置(初期位置)に維持する
ことができるように構成されている。ストッパ治具116は、図10に示すように、断面
円形棒状の長尺なストッパ本体117と、該ストッパ本体117の一端部に装着されたス
トッパ頭部118とを備えて構成されており、ストッパ頭部118には、遊技領域4内の
構成を係合するための係合凹部119を形成している。さらに、ストッパ頭部118のう
ち係合凹部119の下方には縦向き矩形状の下側突部118aを備え、係合凹部119の
上方には、一対の上側爪部118bを左右に離間した状態で備えている。
【0025】
また、ストッパ治具116が挿通される遊技盤1においては、図8図9図11に示
すように、遊技ベースユニット2、上部装飾ユニット92、上部役物ユニット91の上部
役物ベース101および昇降ベース103に挿通穴をそれぞれ開設している。具体的には
、遊技ベースユニット2は、遊技領域4のうち第2ケース球流下路7よりも上流側に、遊
技球が衝接可能な障害突部122を配置し、該障害突部122の前面(前方の遊技者側に
臨み、遊技球が衝接不能な前面)を通る箇所に、ストッパ本体117を挿通可能な遊技ベ
ース挿通穴123を遊技盤1の表裏方向に嵌通している。また、上部装飾ユニット92は
、遊技ベース挿通穴123の延長線上に位置する箇所(障害突部122の後方に位置する
箇所)に、装飾ユニット挿通穴124を遊技盤1の表裏方向へ嵌通している。さらに、上
部役物ユニット91は、上部役物ベース101のうち遊技ベース挿通穴123の延長線上
に位置する箇所(装飾ユニット挿通穴124の後方に位置する箇所)に、役物ベース挿通
穴125を遊技盤1の表裏方向に嵌通し、演出非実行位置(初期位置)に配置される状態
の昇降ベース103のうち遊技ベース挿通穴123の延長線上に位置する箇所(装飾ユニ
ット挿通穴124の後方に位置する箇所)に昇降挿通穴126を遊技盤1の表裏方向に嵌
通している。
【0026】
そして、図11に示すように、遊技ベース挿通穴123は、障害突部122の嵌通箇所
をストッパ本体117の直径よりも一回り大きな丸穴で構成し(図11(a)参照)、装
飾ユニット挿通穴124、役物ベース挿通穴125、昇降挿通穴126は、開口断面が略
三角形状でストッパ本体117の断面よりも一回り大きな開口に設定されている(図11
(b),(c),(d)参照)。
【0027】
このような各挿通穴123,124,125,126を備えた遊技盤1にストッパ治具
116を挿通するには、昇降ベース103を演出非実行位置に配置し、各挿通穴123,
124,125,126を一直線上に並べる。そして、遊技盤1の前方からストッパ本体
117の他端部(ストッパ頭部118とは反対側の端部)を障害突部122へ近づけて遊
技ベース挿通穴123へストッパ本体117を差し入れ、この状態でストッパ治具116
を十分に押し入れると、ストッパ本体117が装飾ユニット挿通穴124、昇降挿通穴1
26、役物ベース挿通穴125の順に挿通し、ストッパ頭部118が係合凹部119に障
害突部122を嵌合する。さらに、ストッパ頭部118の各上側爪部118bが障害突部
122の上縁部に係合し、ストッパ頭部118の下側突部118aがセンターケース5か
ら遊技球の直径よりも狭い間隔で離間する状態に設定される(図9(a)および(b)参
照)。このようにして遊技盤1に装着されたストッパ治具116は、昇降ベース103の
演出非実行位置からの下降を阻止することができる。したがって、遊技盤1の搬送前に予
めストッパ治具116を遊技盤1に装着しておけば、搬送中に昇降ベース103が振動等
の外力を受けたとしても、昇降ベース103が不用意に下降してしまう不都合、さらには
下降によって昇降ベース103やその周辺の構成が負荷を受けて、上部役物ユニット91
が損傷してしまう不都合を避けることができる。
【0028】
また、遊技ベース挿通穴123のうち遊技領域4に臨む開口縁を障害突部122のうち
遊技球が衝接不能な前面に開設したので、ストッパ治具116を外した状態の遊技盤1で
の遊技の進行中において、遊技領域4内の遊技球が遊技ベース挿通穴123の開口縁に当
たること、言い換えると、遊技ベース挿通穴123が遊技球の挙動、ひいては遊技進行に
影響を与えてしまうことを避けることができる。そして、装飾ユニット挿通穴124、役
物ベース挿通穴125、昇降挿通穴126の開口断面を略三角形状に設定したことにより
、遊技盤1の組立作業中に、作業者が装飾ユニット挿通穴124、役物ベース挿通穴12
5、昇降挿通穴126をビス穴(ビスなどの止着部材を止着する丸穴)と誤認する虞、さ
らには、「余ったビス穴がある」と作業者が誤認して遊技盤1の組立作業を中断してしま
う虞がない。また、ストッパ本体117が挿通される挿通穴のうち、規制対象の昇降ベー
ス103以外に開設される挿通穴を複数個所(本実施形態では、遊技ベース挿通穴123
、装飾ユニット挿通穴124、役物ベース挿通穴125の3箇所)にしたので、ストッパ
本体117が受ける荷重を分散することができ、荷重の集中によってストッパ本体117
が壊れ易くなる不具合を抑えることができる。
【0029】
そして、仮に遊技盤1からストッパ治具116を外さない状態で遊技球を遊技領域4内
へ発射(例えば、動作点検のために遊技球を試射)した場合には、ストッパ頭部118の
下側突部118aとセンターケース5との離間距離を遊技球の直径よりも狭くしているた
め、遊技領域4を流下する遊技球が下側突部118aとセンターケース5との間を通過で
きずに停留する(図9(b)参照)。さらに、係合爪部118bが障害突部122の上縁
部に係合しているため、下側突部118aが停留状態の遊技球から圧力を受けていても、
ストッパ頭部118がストッパ本体117を中心にして回動してしまう不都合、さらには
下側突部118aがセンターケース5から離れて遊技球の停留状態が不用意に解除されて
しまう不都合がない。したがって、この遊技球の停留によりストッパ治具116の外し忘
れに気付くことができる。
【0030】
また、昇降ベース103を演出実行位置へ移動した場合には、図7(c)に示すように
、遊技盤1の前方から昇降挿通穴126が視認可能となる。したがって、昇降挿通穴12
6が損傷しているか否か、ひいては、ストッパ治具116を使って昇降ベース103を維
持可能する機能が損なわれているか否かを容易に判断することができる。
【0031】
次に、変動入賞ユニット20について説明する。
変動入賞ユニット20は、大入賞口18を含んで構成されたユニットであり、図12
示すように、当該変動入賞ユニット20の左右方向の中央部分に大入賞口18を備え、該
大入賞口18よりも第1ケース球流下路6側(図12(a)中、右側)には1つの一般入
賞口(第1入賞口131)を備え、大入賞口18よりもアウト口27側(図12(a)中
、左側)には2つの一般入賞口(第2入賞口132,第3入賞口133)を備えて構成さ
れている。
【0032】
具体的には、遊技ベースユニット2に止着される入賞ユニットベース136を備え、該
入賞ユニットベース136の前面には、ユニット流路形成パネル137を重ねて配置し、
ユニット流路形成パネル137の裏面に流路区画壁137aを入賞ユニットベース136
側へ向けて突設して、遊技球が流下可能な流路構造を区画形成している(図12(b)参
照)。また、変動入賞ユニット20の上縁部分にはユニット球入口138を開設して、変
動入賞ユニット20よりも上流側から流下してきた遊技球(詳しくは、第1ケース球流下
路6を通って第2始動入賞口22には入賞しなかった遊技球)をユニット球入口138か
ら変動入賞ユニット20内へ受け入れ可能としている。さらに、ユニット球入口138か
ら変動入賞ユニット20の上縁部に沿って横長な球通過路139を大入賞口18側へ向け
て下り傾斜した姿勢で備え、該球通過路139の出口(通過出口139a)を、変動入賞
ユニット20のうちアウト口27側となる側縁部(図12(b)中、右側縁部)の上側に
開設し、球通過路139の中間部分に大入賞口18を臨ませている。そして、ユニット球
入口138のうち遊技盤1の側縁寄りの縁部(図12(b)中、左縁部)には第1入賞口
(一般入賞口)131を開設し、該第1入賞口131から第1入賞路(一般入賞路)14
1を下方へ延設し、第1入賞口131へ流入した遊技球を第1入賞路141へ流下させて
第1入賞口スイッチ141aにより検出し、遊技盤1の外方へ排出(回収)するように構
成されている。
【0033】
さらに、変動入賞ユニット20の側縁部(図12(b)中、右側縁部)のうち通過出口
139aの下方には第2入賞口(一般入賞口)132を開設し、第2入賞口132から第
2入賞路(一般入賞路)142を第1入賞路141側(図12(b)中、左側)へ延設し
、第2入賞口132へ流入した遊技球を第2入賞路142へ流下させて第2入賞口スイッ
チ142a(図12(a)参照)により検出し、遊技盤1の外方へ排出(回収)するよう
に構成されている。また、変動入賞ユニット20の側縁部(図12(b)中、右側縁部)
のうち第2入賞口132の下方には第3入賞口(一般入賞口)133を開設し、第3入賞
口133から第3入賞路(一般入賞路)143をアウト口27側(図12(b)中、右側
)へ延設し、第3入賞口133へ流入した遊技球を第3入賞路143へ流下させて第3入
賞口スイッチ143aにより検出し、遊技盤1の外方へ排出(回収)するように構成され
ている。なお、第3入賞口133は、遊技領域4内で最も下側に位置する入賞口である。
また、第1入賞口スイッチ141aおよび第2入賞口スイッチ142aは、変動入賞ユニ
ット20内に配置されるが、第3入賞口スイッチ143aは、変動入賞ユニット20の外
方(詳しくは、変動入賞ユニット20の後方)に配置される。すなわち、変動入賞ユニッ
ト20内には、第3入賞口スイッチ143aが配置されるスペースを確保しない。したが
って、変動入賞ユニット20のサイズの小型化を図ることができる。
【0034】
さらに、各入賞路141,142,143の流路長さ、具体的には、各入賞口141,
142、143から各入賞口スイッチ141a,142a、143aまでの流路長さにつ
いては、第3入賞口143から第3入賞口スイッチ143aまでの流路長さを、第1入賞
口141から第1入賞口スイッチ141aまでの流路長さ、第2入賞口142から第2入
賞口スイッチ142aまでの流路長さよりも長く設定している。また、図12(b)に示
すように、第1入賞口141から第1入賞口スイッチ141aまでの流路長さを、第2入
賞口142から第2入賞口スイッチ142aまでの流路長さよりも長く設定している。
【0035】
ここで、第3入賞路(変動入賞ユニット(入賞装置)20に入賞した遊技球が流下する
入賞流路)143は、図12(b)および図13に示すように、変動入賞ユニット20の
一部であるユニット流路形成パネル137とサイドケース(遊技領域4を区画形成する区
画部材)3とを上下に並べて区画形成されている。詳しくは、第3入賞路143の下流部
分をサイドケース3の上縁部に沿う状態で延在させ、この下流部分の底部(遊技球が転動
し得る底部)をサイドケース3の上縁部により閉成(区画)している。そして、第3入賞
路143の下流開口(出口)を変動入賞ユニット20の後方へ開放し(図13参照)、第
3入賞路143を流下した遊技球を下流開口から排出するように構成されている。
【0036】
このようにして第3入賞路143の一部を変動入賞ユニット20とサイドケース3とで
区画形成したので、遊技領域4内に配置される表示装置や演出役物が大型化したとしても
、その代わりに変動入賞ユニット20の小型化が強いられることを抑えることができる。
これにより、変動入賞ユニット20の小型化のせいで遊技者が変動入賞ユニット20への
遊技球の様子を見難くなって遊技の興趣が削がれてしまう不都合を抑制することができる
。なお、第3入賞路(入賞流路)143の一部に限らず、第3入賞路143の全部を変動
入賞ユニット20とサイドケース3とで区画形成してもよい。また、この区画形成の構造
が適用される入賞流路は、例示した第3入賞路143に限らず、他の入賞流路であっても
よい。要は、入賞装置に入賞した遊技球が流下する入賞流路において、少なくともその一
部が入賞装置と区画部材とで区画形成されればよい。
【0037】
大入賞口18は、図12図14図15に示すように、球通過路139の底面(球転
動面)に開設された横長な大入賞開口146と、該大入賞開口146を開閉可能な横向き
短冊状の大入賞開閉扉147と、該大入賞開閉扉147を開閉駆動する大入賞開閉ソレノ
イド148と、大入賞開口146を通過した遊技球を流下させる大入賞球流下路149と
、該大入賞球流下路149の途中に配置され、大入賞球流下路149を流下する遊技球を
当該大入賞口18の入賞球として検出するカウントスイッチ150とを備えて構成されて
いる。そして、大入賞開閉ソレノイド148を駆動しない常態では、大入賞開閉扉147
が大入賞開口146を閉成して、球通過路139内の遊技球の入賞を阻止する閉状態とな
り、大入賞開閉扉147の上面が遊技球の転動面(球通過路139の底面の一部)として
機能する。一方、大入賞開閉ソレノイド148を駆動すると、大入賞開閉扉147が入賞
ユニットベース136内にスライドして収納されて大入賞開口146を開放し、球通過路
139内の遊技球の入賞を許容する開状態に変換するように構成されている。
【0038】
さらに、図15(b)に示すように、大入賞球流下路149の下流部(カウントスイッ
チ150よりも下流側に位置する箇所)を入賞ユニットベース136の後ろ側へ屈曲し、
この下流部には大入賞球流下検出スイッチ152を備えて遊技球(下流部まで流下してき
た遊技球)を検出可能としている。さらに、図15(a)に示すように、大入賞球流下検
出スイッチ152よりも上流側からV入賞流路153をアウト口27側(図15(a)中
、左側)に向かう横方向へ分岐してV入賞検出スイッチ154を備え、V入賞流路153
の入口をV入賞シャッター155により開閉可能とし、V入賞シャッター155が開いた
状態では、大入賞球流下路149を流下する遊技球がV入賞流路153へ流入してV入賞
検出スイッチ154により検出され、V入賞シャッター155が閉じた状態では、大入賞
球流下路149を流下する遊技球がV入賞流路153へ流入せずにV入賞シャッター15
5上を通過し、大入賞球流下路149の下流部に到達して大入賞球流下検出スイッチ15
2により検出されるように構成されている。
【0039】
なお、V入賞シャッター155を開閉するシャッター開閉ソレノイド(開閉駆動源)1
56は、図15(a)に示すように、入賞ユニットベース136のうち大入賞扉の下方で
あって大入賞球流下路149の側方(図15(a)中、右側方)に位置する箇所に配置さ
れている。また、シャッター開閉ソレノイド156の前側部分を入賞ユニットベース13
6のソレノイド突出開口136a(図12(a)参照)へ通して前方のユニット流路形成
パネル137側へ突出して、閉状態の大入賞開閉扉147と上下に並んで位置するように
構成されている(図14参照)。
【0040】
なお、変動入賞ユニット20は、第1入賞口131が不要である場合には、第1入賞口
131を閉成して組み立てることができるように構成されている。具体的に説明すると、
図16に示すように、第1入賞口131にはブロック状の閉成具160を装着可能であり
、装着した場合には遊技球の第1入賞口131への進入(入賞)が阻止されるように構成
されている。さらに、閉成具160の上面部が球通過路139の底部よりも上流側に位置
して球通過路139と同じ傾斜姿勢(言い換えると、大入賞口18側へ向けて下り傾斜し
た姿勢)となり、ユニット球入口138に進入した遊技球を大入賞口18へ誘導し得るよ
うに構成されている。
【0041】
このような閉成具160の有無によって第1入賞口131の開設または閉成を行うこと
ができれば、機種が異なる遊技盤同士の間であったとしても変動入賞ユニット20の共通
部品化を促し易い。したがって、遊技盤の機種ごとに変動入賞ユニットを別個に設計した
り製造したりせずに済ませ易くなり、遊技盤(パチンコ遊技機)の製造コストの増大を抑
制し易くなる。また、閉成具160で第1入賞口131を閉成した場合には、第1入賞口
131を開設した場合と比較して、遊技球がユニット球入口138を通って大入賞口18
へ向かう挙動を遊技者に長く見せることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。
【0042】
なお、閉成具160を用いず、その代わりに障害釘(図示せず)を植設して第1入賞口
131を閉成することも考えられる。ところが、障害釘を用いて第1入賞口131を閉成
すると、「障害釘の植設ミスで入賞口が塞がれている」と遊技店側が誤解してしまう虞が
ある。また、障害釘が何らかの原因で曲がってしまった場合には、ユニット球入口138
を通って大入賞口18へ向かうはずの遊技球が弾かれて変動入賞ユニット20から飛び出
してしまう虞、ひいては、大入賞口18への入賞を期待する遊技者を失望させる虞がある
。これに対し、閉成具160で第1入賞口131を閉成すれば、障害釘の植設ミスとして
遊技店側に誤解させることがないし、遊技球を変動入賞ユニット20からから弾き出すこ
ともない。したがって、第1入賞口131を閉成する場合には、障害釘ではなく閉成具1
60を用いることが好適である。
【0043】
そして、遊技盤1は、図17に示すように、第1始動入賞口16、第2始動入賞口22
、大入賞口18において、球入口から入賞検出スイッチまでの流路長さ(言い換えると、
遊技球の通過時間)を互いに異ならせて設定している。具体的には、3つの入賞口の流路
長さのうち、第1始動入賞口16の球入口から第1始動口スイッチ31までの流路長さL
1を最も長く設定し、第2始動入賞口22の球入口から第2始動口スイッチ32までの流
路長さL2を最も短く設定している。また、大入賞口18の大入賞開口146からカウン
トスイッチ150までの流路長さL3を、第1始動入賞口16の球入口から第1始動口ス
イッチ31までの流路長さL1よりもわずかに短く設定している。したがって、第1始動
入賞口16、第2始動入賞口22、大入賞口18のうち、遊技球が球入口に流入してから
入賞検出スイッチに検出されるまでの所要時間(球通過時間)は、第1始動入賞口16に
おける所要時間T1が最も長く、大入賞口18における所要時間T3,第2始動入賞口2
2における所要時間T2の順で短くなるように設定されている。言い換えると、第1始動
入賞口(第1入賞口)16に入賞した遊技球が第1始動口スイッチ(第1検出手段)31
に検出されるまでの期間T1と、第2始動入賞口(第2入賞口)22に入賞した遊技球が
第2始動口スイッチ(第2検出手段)32に検出されるまでの期間T2と、大入賞口18
に入賞した遊技球がカウントスイッチ150に検出されるまでの期間T3と、が互いに異
なるように設定されている。なお、第1始動入賞口16、第2始動入賞口22、大入賞口
18への遊技球の入賞に関する作用については、後で詳細に説明する。
【0044】
次に、遊技盤1を備えたパチンコ遊技機の遊技進行等の制御を行う遊技制御装置46を
中心とする制御系統について説明する。
遊技制御装置46は、図18に示すように、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための
制御プログラム等を記憶しているROM、および遊技制御時にワークエリアとして利用さ
れるRAM、入力部(入力インターフェース)、出力部(出力インターフェース)等から
構成されている。そして、各種検出装置(磁気センサ171、電波センサ172、第1始
動口スイッチ31、第2始動口スイッチ32、ゲートスイッチ13、各一般入賞口24,
131,132,133への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ173(第1入賞口
スイッチ141a,第2入賞口スイッチ142a,第3入賞口スイッチ143a等)、V
入賞検出スイッチ154、カウントスイッチ150、前面枠開放検出スイッチ174、透
明部材保持枠開放検出スイッチ175、電源装置176等)からの検出信号を受けて、遊
技状態の切り替え(通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(
大当り状態、電サポ状態等)との切り替え)、遊技者に対する報知、停電対応処理等、種
々の処理を行う。さらに、演出制御装置47を介して各ユニットの動作(発光動作や移動
・回動動作等)を制御する制御手段として機能したり、あるいは、払出制御装置180、
大入賞口18に設けられた大入賞口ソレノイド(大入賞開閉ソレノイド148,シャッタ
ー開閉ソレノイド156)、球通過開閉扉36を開閉駆動するためのソレノイド(普電ソ
レノイド)181、一括表示装置182、外部情報端子183等に指令信号を送信したり
して、遊技を統括的に制御する。
【0045】
演出制御装置47は、図19に示すように、演出制御を司るCPU(1stCPU,2
ndCPU)、演出制御を実行するための制御プログラムを格納したPROM、画像デー
タ等を格納した画像ROM、映像表示のための画像処理を行うVDP、入力インターフェ
ース、出力インターフェース等から構成されている。そして、パチンコ遊技機における遊
技の進行に伴って発生する信号、具体的には、遊技制御装置46からの制御信号、遊技者
が操作可能な遊技演出ボタン(図示せず)に設けられた演出ボタンスイッチ185からの
信号、各ユニット等に設けられたセンサからの信号等に基づいて、各ユニット等の演出動
作を制御する。詳しくは、表示装置42の表示部42aの表示、上スピーカ186や下ス
ピーカ187からの効果音出力、遊技盤1に設けられた盤装飾装置190(第1導光照射
部78,第2導光照射部79等)の発光や枠装飾装置191の発光、遊技盤1に設けられ
た盤演出装置192や枠演出装置193の駆動を制御する。
【0046】
次に、遊技盤1で実行される演出のうち、特に、センターケース5の導光パネル70に
おける演出と、第1始動入賞口16、第2始動入賞口22、大入賞口18への入賞に伴う
動作の実行タイミングについて説明する。
まず、導光パネル70における演出について説明すると、遊技進行中に導光パネル70
での演出タイミングが到来すると、演出制御装置47からの制御信号に基づいて第1導光
照射部78および第2導光照射部79が発光動作を実行する。詳しくは、図20(a)に
示すように、演出実行時間に亘って第1導光照射部78が点灯(第1発光部材82を連続
ON)するとともに、第2導光照射部79が点滅(第2発光部材87を繰り返しON・O
FF)する。
【0047】
このとき、第1導光照射部78においては、各第1発光部材82の発光色をそれぞれ変
化させて、所定色の光が第1導光部76の延在方向に沿って移動する態様で発光動作を行
う。例えば、発光動作の開始時には各第1発光部材82を互いに異なる発光色で発光(或
る第1発光部材82を赤色で発光し、隣の第1発光部材82を橙色で発光し、さらに隣の
第1発光部材82を黄色で発光する、等)し、各第1発光部材82の発光色を同じタイミ
ングで次々と変化させて、各色の光が隣の第1発光部材82の位置へ移動し、さらに隣の
第1発光部材82の位置へと移動するように見える態様の発光動作を行う。すると、図2
0(b),(d)に示すように、第1導光照射部78から照射される所定色の光の照射範
囲(例えば、図20(b)中、縦帯状の塗り潰し部分Xで示される赤色光の照射範囲)が
第1導光部76の延在方向(図20(b)中、左右方向)へ順次移動する。また、第2導
光照射部79においては、第1導光照射部78の第1発光部材82の発光色変化のタイミ
ング(図20(a)中、f2で示すタイミング)に合わせて、当該第2導光照射部79の
各第2発光部材87をそれぞれ点滅させる。なお、上記した光の照射範囲の移動方向は、
第1導光部76の延在方向のうち遊技球が飛翔する方向(図20中、左側から右側へ向か
う方向)に合わせて設定すれば、光の照射範囲の移動を遊技球の挙動に関連づけるような
印象の演出さらには、遊技球の挙動を追う遊技者の目の動きに沿った演出を実行すること
ができて好適である。また、遊技の進行に応じて、光の照射範囲の移動方向を反対方向に
変化させる演出(例えば、遊技球の飛翔方向に沿って移動していた光の照射範囲の挙動を
、遊技球の飛翔方向とは反対の方向に沿って移動するように変化させる演出)を実行して
もよい。
【0048】
この結果、第1導光部76が多色の縞模様で発光し、縞模様を第1導光部76の延在方
向(左右方向)に移動する態様の演出を行う。そして、この縞模様の移動のタイミングで
第2導光部77が一瞬光って第1導光部76と重なり(図20(c)参照)、第1導光部
76での光の縞模様が移動する様子を第2導光部77の光によって眩ませる。このような
発光態様の演出を実行することで、第1導光部76の図柄(キャラクターの頭を描画した
図柄)が導光パネル70上を左右方向に動いたかのような錯覚を遊技者に感じさせ易くな
り、導光パネル70の発光装飾を十分に楽しませることができる。さらに、模様(第1導
光部76,第2導光部77)を光らせる発光装飾を複雑にして、遊技の興趣の向上を図る
ことができる。そして、図20(c)に示すように、点滅状態で発光装飾を行う第2導光
部77を、連続点灯状態で発光装飾を行う第1導光部76よりも大きく設定しているので
、第2導光部77の点滅発光によって第1導光部76を眩ませたり際立たせたりすること
ができ、発光装飾のメリハリを顕著に表現して遊技の興趣の更なる向上を図ることができ
る。
【0049】
また、遊技球の各入賞口への入賞に関しては、2つの始動入賞口(第1始動入賞口(第
1入賞口)16、第2始動入賞口(第2入賞口)22)において、遊技球の入賞(入口へ
の流入)から、この入賞に基づく動作の実行、詳しくは、この入賞した遊技球が検出手段
により検出されたことに対応して、演出制御装置(制御手段)47が変動表示ゲームの保
留を知らせる表示(保留表示)を実行するまでの所要時間が揃うように設定されている。
まず、第1始動入賞口16に関する動作について説明すると、図21に示すように、遊技
球が第1始動入賞口16へ入賞(球入口に流入)し、第1始動口スイッチ(第1入賞口に
入賞した遊技球を検出可能な第1検出手段)31に検出されるまでにはT1の時間を要す
る(図21中、チャートA参照)。また、第1始動口スイッチ31の検出に基づく変動表
示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)が直ちに実行されずに保留される場合には、第1始動
口スイッチ31の検出から保留表示(特1保留表示)の表示演出開始までにはt1の時間
(言い換えると、第1始動口スイッチ31により遊技球が検出されてから演出制御装置4
7が保留表示を表示するまでの期間t1)を要する(図21中、チャートB参照)。その
後、特1保留表示の表示演出(例えば、表示装置42の表示部42aにおいて保留表示が
出現する動画)がtaの時間に亘って実行され、実行後には保留表示を出現完了状態で維
持する。
【0050】
なお、変動表示ゲームが保留される場合の第1始動口スイッチ31の検出後には、第1
始動入賞口16への入賞に基づく発光装飾(特1保留入賞発光装飾)が第1始動入賞口1
6の周辺の発光装置(図示せず)にて直ちに実行され(図21中、チャートE参照)、続
いて、入賞に基づく効果音がスピーカ186,187から出力される(図21中、チャー
トF参照)。言い換えると、第1始動口スイッチ31の検出による遊技球の検出に対応し
て、演出制御装置47がスピーカ(音出力装置)186,187から効果音を出力する。
また、第1始動口スイッチ31の検出に基づく変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)
が保留されず、直ちに実行される場合には、第1始動口スイッチ31の検出直後に本特図
(特1本特図)の表示(具体的には、一括表示装置182の7セグLED(図示せず)に
おける変動表示)が実行される(図21中、チャートG参照)。
【0051】
一方、第2始動入賞口22に関する動作について説明すると、遊技球が第2始動入賞口
22へ入賞(球入口に流入)し、第2始動口スイッチ(第2入賞口に入賞した遊技球を検
出可能な第2検出手段)32に検出されるまでにはT2(<T1)の時間を要する(図2
1中、チャートC参照)。また、第2始動口スイッチ32の検出に基づく変動表示ゲーム
(特図2変動表示ゲーム)が直ちに実行されずに保留される場合には、第2始動口スイッ
チ32の検出から保留表示(特2保留表示)の表示動作開始までにはt2の時間(言い換
えると、第2始動口スイッチ32により遊技球が検出されてから演出制御装置47が保留
表示を表示するまでの期間t2)を要する(図21中、チャートD参照)。その後、特2
保留表示の表示演出(例えば、表示装置42の表示部42aにおいて保留表示が出現する
動画)がtaの時間に亘って実行され、実行後には保留表示を出現完了状態で維持する。
【0052】
ここで、時間t2が時間t1よりも長く設定されて(すなわち、期間t1と期間t2と
が異なり)、第2始動入賞口22への入賞から特2保留表示の表示動作開始までの所要時
間が、第1始動入賞口16への入賞から特1保留表示の表示動作開始までの所要時間と同
じ時間長に設定される。また、特2保留表示の表示演出を特1保留表示の表示演出と同じ
時間長(ta)に亘って実行する。この結果、遊技球が第1始動入賞口16へ入賞(流入
)してから特1保留表示の出現完了までの時間長TT1と、遊技球が第2始動入賞口22
へ入賞(流入)してから特2保留表示の出現完了までの時間長TT2とを揃えることがで
きる。言い換えると、第1始動入賞口16への遊技球の入賞から特1保留表示が表示され
るまでの期間TT1と、第2始動入賞口22への遊技球の入賞から特2保留表示が表示さ
れるまでの期間TT2と、を違和感を与えないように揃えている。したがって、始動入賞
口同士の間で球入口から検出スイッチまでの長さが互いに異なっていたとしても、入賞か
ら演出実行(保留表示の出現完了)までの所要時間が極端に異なることがない。これによ
り、遊技者は演出実行のタイミングに違和を感じずに遊技を行うことができ、遊技の興趣
の減衰を避けることができる。
【0053】
なお、遊技球が第1始動入賞口16へ入賞(流入)してから特1保留表示の出現完了ま
での時間長TT1と、遊技球が第2始動入賞口22へ入賞(流入)してから特2保留表示
の出現完了までの時間長TT2とが揃う設定であれば、保留表示の表示演出の実行時間t
a(言い換えると、保留表示の表示演出の実行開始タイミング)を、特1保留表示の表示
演出の場合と、特2保留表示の表示演出の場合とで互いに異ならせるように設定してもよ
い。また、入賞に基づく効果音出力のタイミングは、図21のチャートFで示したタイミ
ングに限らず、例えば、第1始動口スイッチ31の検出直後のタイミング、言い換えると
、第1保留入賞発光装飾と同じタイミングに設定してもよい。さらに、第1保留入賞発光
装飾の実行タイミングについては、変動表示ゲームを保留せずに直ちに実行する場合の本
特図(特1本特図)の表示タイミングと揃うように設定されているが(図21中、チャー
トE,G参照)、このタイミングに限定されない。例えば、第1保留入賞発光装飾の実行
タイミングを本特図の表示タイミングよりも遅くなる状態に設定してもよい。
【0054】
また、大入賞口18においては、遊技球が開状態の大入賞開口146を通過(入賞)し
、カウントスイッチ150に検出されるまでにはT3(T2<T3<T1)の時間を要す
る(図21中、チャートH参照)。そして、カウントスイッチ150による遊技球の検出
(言い換えると、大入賞口18への入賞)に基づく演出として出玉演出(大入賞口18へ
の入賞に基づく賞球払い出し)が実行される。この出玉演出の実行タイミングは、カウン
トスイッチ150により遊技球が検出された直後に到来する。言い換えると、前記した始
動入賞口16,22への入賞においては、遊技球の検出から演出(保留表示)の実行まで
の間にインターバル(t1,t2)を設定しているが、大入賞口18への入賞においては
、遊技球の検出から出玉演出(賞球払い出し)までの間にはインターバルの設定を避けて
いる。したがって、遊技者が待望する賞球の付与を迅速に行うことができ、賞球の付与が
滞って遊技の興趣が削がれてしまう不都合を避けようとすることができる。
【0055】
そして、遊技球がカウントスイッチ150を通過した後、V入賞シャッター155の開
状態によって遊技球がV入賞流路153へ流下した場合には、遊技球が大入賞開口146
を通過してからV入賞検出スイッチ154に検出されるまでにはT4(>T3)の時間を
要し(図21中、チャートJ参照)、V入賞シャッター155の閉状態によって遊技球が
大入賞球流下路149へ流下した場合には、遊技球が大入賞開口146を通過してから大
入賞球流下検出スイッチ152に検出されるまでにはT5(T3<T5<T4)の時間を
要する(図21中、チャートK参照)。
【0056】
また、導光パネル70においては、図22(a)に示すように、第2導光部77′を第
1導光部76と相似する図柄(具体的には、第1導光部76として描画されたキャラクタ
ーの頭の図柄をひと回り小さくした図柄)に設定してもよい。この設定を導光パネル70
に採用した場合には、第1導光照射部78と第2導光照射部79とを交互に点滅させるこ
とにより、導光パネル70上で第1導光部76と第2導光部77′とが交互に光る演出を
実行することができる(図22(b)~(e)参照)。したがって、遊技者は、導光パネ
ル70での発光装飾(演出)を見て、キャラクターの頭が前方の遊技者側へ迫ってくるか
のような錯覚を感じ易くなり、導光パネル70の演出を楽しみながら遊技を行うことがで
きる。なお、導光パネル70での発光装飾を実行中においては、導光パネル70の後方に
位置する表示部42aを各導光部76,77′の明るさよりも暗くしてもよいし、明るく
してもよい。このとき、表示部42aの一部には表示(例えば、遊技状態を示す表示)を
残し、その他の部分を真っ黒な背景や真っ白な背景の表示を実行してもよい。このように
表示部42aの表示の明暗を設定すれば、導光パネル70での発光装飾を際立たせて遊技
者を楽しませることができるので好適である。
【0057】
そして、上記実施形態においては、単一の導光パネル70上に2つの導光部を形成した
が、本発明はこれに限定されない。例えば、センターケースに2枚の導光パネルを前後に
重ねた状態で備え、前側(遊技者側)の導光パネルに第1導光部を備え、後側(遊技盤を
挟んで遊技者とは反対側)の導光パネルに第2導光部(第1導光部よりも大きい第2導光
部)を備えてもよい。
【0058】
さらに、入賞口に入賞した遊技球が流下する流路の長さについては、上記した始動入賞
口16,22、大入賞口18における流路の長さを比較して設定することに限らず、一般
入賞口における流路の長さをも比較して設定してもよい。例えば、一部がサイドケース3
によって区画されている第3入賞路143(一般入賞口である第3入賞口133への入賞
球が流下する流路)143において、第3入賞口143から第3入賞口スイッチ143a
までの流路長さを、大入賞口18の大入賞開口146からカウントスイッチ150までの
流路長さL3よりも長く設定してもよいし、短く設定してもよい。また、大入賞開口14
6から大入賞球流下検出スイッチ152までの流路長さ、および、大入賞開口146から
V入賞検出スイッチ154までの流路長さのいずれよりも短く設定してもよい。さらに、
第1始動入賞口16の球入口から第1始動口スイッチ31までの流路長さL1よりも長く
設定してもよいし、短く設定してもよい。そして、第2始動入賞口22の球入口から第2
始動口スイッチ32までの流路長さL2よりも長く設定してもよい。
【0059】
次に、役物ユニットの動作機構に特徴を有する第2実施形態の遊技盤について説明する

第2実施形態の遊技盤201は、基本的には上記した第1実施形態の遊技盤1と同じ構
成であるが、制御ユニット204に装着される役物ユニットの構成が異なる。具体的に説
明すると、遊技盤201は、図23および図24に示すように、制御ユニット204のユ
ニットケース90の前側開放部に倒コ字状の上部役物ユニット206と横長な下部役物ユ
ニット207とを備え、各ユニット206,207がセンターケース5の後方においてケ
ース窓部52の開口縁に沿って位置し、遊技盤1の前方から視認できるように構成されて
いる(図23参照)。そして、上部役物ユニット206の動作機構、具体的には、演出状
態から初期状態へ戻す機構に特徴を有している。
【0060】
上部役物ユニット206は、図25に示すように、倒コ字状の上部役物ベース210を
備え、該上部役物ベース210の左右両側辺部の前方には、縦長な側辺装飾パネル211
をそれぞれ備え、各側辺装飾パネル211の上端部には上部装飾パネル212をそれぞれ
備え、上部役物ベース210の一側辺部(図25中、右側辺部)と側辺装飾パネル211
との間には縦長なベースカバーパネル214を配置している。さらに、当該上部役物ユニ
ット206の左右両上隅部には役物回動モータ215をそれぞれ配置し、一側の役物回動
モータ215(図25中、右側の役物回動モータ215)をベースカバーパネル214へ
止着し、他側の役物回動モータ215(図25中、左側の役物回動モータ215)を上部
役物ベース210へ止着している。
【0061】
また、各役物回動モータ215の間には、役物本体部218と一対の役物回動アーム2
19で構成された上部演出役物(可動部材)220を接続している。具体的には、各役物
回動モータ215の出力軸に横向き姿勢の役物回動アーム219の一端部をそれぞれ軸着
して各役物回動アーム219を上下方向へ回動可能とし、役物回動アーム219の他端部
同士の間に厚肉円板状の役物本体部218を係合している。そして、演出非実行状態(初
期状態)においては、一対の役物回動アーム219と役物本体部218とを横に並んだ状
態で上部役物ベース210の上辺部の前方に配置し(図25および図26(a)参照)、
演出実行時には、役物回動アーム219を駆動して各役物回動アーム219を下方へ回動
し、役物本体部218を降下させて表示部42aの前方へ移動するように構成されている
図26(b)参照)。
【0062】
さらに、上部役物ユニット206は、上部演出役物220の動作、特に演出実行状態(
下降状態)から演出非実行状態(上昇状態)に戻る動作を補助するための動作補助機構(
付勢手段)225を備えている。動作補助機構225は、図25図26図27に示す
ように、上下方向(言い換えると、上部演出役物220が昇降する方向)へスライド可能
な縦長平板状のスライドベース226と、該スライドベース226の上端部から上部役物
ユニット206の左右方向に沿って延設された補助アーム227と、スライドベース22
6を上方(言い換えると、役物本体部218が上昇する方向)へ常時付勢する定荷重ばね
等の付勢部材228を備えて構成されている。
【0063】
また、スライドベース226をベースカバーパネル214と上部役物ベース210との
間に摺動可能な状態で配置し、補助アーム227の延設端部(図26(b)中、左端部)
を上部役物ベース210のうち、役物本体部218を挟んでスライドベース226とは反
対側に位置する他側辺部(図26(b)中、左側辺部)に備えられた縦長なガイド溝23
1に摺動可能な状態で挿嵌している(図25および図26参照)。また、補助アーム22
7の延在方向の中間部分には役物係合受部232を開設し、該役物係合受部232に役物
本体部218の後部(詳しくは、役物本体部218の後部から突設された突起(図示せず
))を係合するように構成されている。さらに、付勢部材228の基部(例えば、定荷重
ばねのドラム軸部)をベースカバーパネル214へ係合し、付勢部材228の自由端部(
定荷重ばねのばね端部)をスライドベース226のうち付勢部材228の基部よりも下方
の部分へ係合して、付勢部材228の付勢力がスライドベース226へ常時上向きに作用
するように構成されている。そして、補助アーム227のうち、役物回動モータ215(
詳しくは、ベースカバーパネル214に止着された役物回動モータ215)の後部と前後
に重なり得る箇所には、役物回動モータ215の後部が遊嵌可能なアーム凹部233を形
成している。
【0064】
このような構成の動作補助機構225を上部役物ユニット206に備えると、詳しくは
、上部演出役物220が自重に抗して上昇する動作において、付勢部材228が発生させ
る上向きの付勢力をスライドベース226および補助アーム227を介して役物本体部2
18(上部演出役物220)へ伝達して、上部演出役物220の上昇動作を補助すること
ができる。この結果、役物回動モータ215に掛かる負荷の軽減を図ることができ、役物
回動モータ215が故障する不都合、ひいては上部演出役物220が演出動作を実行でき
なくなる不都合を抑制することができる。
【0065】
そして、上部演出役物220を演出非実行状態(初期状態)にすると、動作補助機構2
25は、図26(a)に示すように、横長な姿勢の上部演出役物220と上部役物ベース
210の上辺部との間に補助アーム227を配置する。さらに、アーム凹部233には、
ベースカバーパネル214に止着された役物回動モータ215の後部を遊嵌して、補助ア
ーム227と役物回動モータ215との干渉を避ける。これにより、役物回動モータ21
5の配置の影響を受けずに補助アーム227の動作範囲や上部演出役物220の動作範囲
を設定することができ、上部演出役物220の動作の自由度を広げることができる。また
、補助アーム227の動作範囲内であったとしても役物回動モータ215を支障なく配置
することができ、限られた遊技盤201内のスペースを有効に活用することができる。
【0066】
なお、上記した動作補助機構225の付勢部材228として定荷重ばねを例示したが、
本発明はこれに限定されない。要は、上部演出役物220の自重に抗して付勢力を作用す
るものであれば、どのような構成の付勢部材を採用してもよい。例えば、動作補助機構2
25の付勢部材としてコイルばねを採用してもよい。
【0067】
そして、上記実施形態毎や変形例毎に構成を異ならせて説明したが、本発明はこれに限
定されない。例えば、一の実施形態や一の変形例の構成内容の全部または一部を、他の実
施形態や他の変形例に適用してパチンコ遊技機を構成してもよい。そして、上記実施形態
では、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例にして説明したが、本発明はこれに限ら
ずどのような遊技機でもよい。例えば、封入球式パチンコ機、アレンジボール式遊技機、
雀球式遊技機、スロットマシン等の遊技機であってもよい。
【0068】
なお、前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられ
るべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請
求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。
【符号の説明】
【0069】
1 遊技盤
3 サイドケース
4 遊技領域
5 センターケース
16 第1始動入賞口
18 大入賞口
20 変動入賞ユニット
22 第2始動入賞口
70 導光パネル
76 第1導光部
77,77′ 第2導光部
78 第1導光照射部
79 第2導光照射部
81 第1照射基板
82 第1発光部材
86 第2照射基板
87 第2発光部材
91 上部役物ユニット
92 上部装飾ユニット
93 側部役物ユニット
101 上部役物ベース
103 昇降ベース
116 ストッパ治具
117 ストッパ本体
118 ストッパ頭部
119 係合凹部
122 障害突部
123 遊技ベース挿通穴
124 装飾ユニット挿通穴
125 役物ベース挿通穴
126 昇降挿通穴
131 第1入賞口
132 第2入賞口
133 第3入賞口
136 入賞ユニットベース
137 ユニット流路形成パネル
138 ユニット球入口
139 球通過路
141 第1入賞路
142 第2入賞路
143 第3入賞路
146 大入賞開口
147 大入賞開閉扉
149 大入賞球流下路
150 カウントスイッチ
152 大入賞球流下検出スイッチ
153 V入賞流路
154 V入賞検出スイッチ
155 V入賞シャッター
156 シャッター開閉ソレノイド
160 閉成具
201 遊技盤
206 上部役物ユニット
215 役物回動モータ
220 上部演出役物
225 動作補助機構
226 スライドベース
227 補助アーム
228 付勢部材
233 アーム凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27