(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128575
(43)【公開日】2022-09-02
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/08 20120101AFI20220826BHJP
【FI】
G06Q40/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026912
(22)【出願日】2021-02-23
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】519128510
【氏名又は名称】株式会社アニポス
(74)【代理人】
【識別番号】100194478
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 文彦
(74)【代理人】
【識別番号】100187838
【弁理士】
【氏名又は名称】黒住 智彦
(72)【発明者】
【氏名】大川 拓洋
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB61
(57)【要約】
【課題】より気軽に病院に行くことができるための情報処理装置を提供する。
【解決手段】ユーザーが保有するユーザー端末1と、病院が保有する病院端末2と、がネットワーク100を介して接続される情報処理装置10であって、登録する会員の会員情報を受け付ける会員情報受付部11aと、病院端末2からユーザー識別情報を受信する識別情報受信部11bと、ユーザー識別情報が登録された会員情報登録部に一致するか照会する会員情報照会部11cと、会員情報照会部11cで照会した結果登録されていた場合、病院端末2からの第一サービス料の請求を受け付けるサービス料請求受付部11dと、病院への第一サービス料の支払い指示を行う支払部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが保有するユーザー端末と、病院が保有する病院端末と、がネットワークを介して接続される情報処理装置であって、
登録する会員の会員情報を受け付ける会員情報受付部と、
前記病院端末からユーザー識別情報を受信する識別情報受信部と、
前記ユーザー識別情報が前記登録された会員情報登録部に一致するか照会する会員情報照会部と、
前記会員情報照会部で照会した結果登録されていた場合、前記病院端末からの第一サービス料の請求を受け付けるサービス料請求受付部と、
前記病院への前記第一サービス料の支払い指示を行う支払指示部と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザー端末から第二サービス料の額を受信する第二サービス料額受信部と、
前記第一サービス料の額と前記第二サービス料の額が一致しているか照会するサービス料照会部と、を備え、
前記支払指示部では、前記サービス料照会部で一致した場合に限り支払い指示を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記病院端末から診療明細データを受け付ける診療明細受信部をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記診療明細データを前記ユーザー端末に送信する診療明細送信部をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザー端末と病院端末とがネットワークを介して接続される情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ペットの保険を利用する場合、原則は窓口で全額支払い、後から保険会社に保険金の支払いの請求を行う。
しかしその保険金の支払い請求の作業は煩雑で、入金までの期間が長いという問題がある。
したがって、ペット用の保険に加入しているのに使わない、又はペット用の保険に入らない、という人も少なくない。
【0003】
このような状況では金銭的な事情から、ペットの調子が悪いときであっても病院にペットを連れて行くことを躊躇してしまう場合もあり、これはペットやペットの飼い主にとって好ましいことではない。
そこで、病院では保険金を引いた自己負担部分だけを支払うペット保険システムがある(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】アニコム損害保険株式会社、“ペット保険シェアNo.1のアニコム損保”、[online]、[令和3年2月1日検索]、インターネット〈URL:https://www.anicom-sompo.co.jp/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ペット保険に入っていても病院の窓口で支払いが発生する。
【0006】
そこで、本発明の目的とするところは、より気軽に病院に行くことができるための情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の情報処理装置(10)は、
ユーザーが保有するユーザー端末(1)と、病院が保有する病院端末(2)と、がネットワーク(100)を介して接続される情報処理装置(10)であって、
登録する会員の会員情報を受け付ける会員情報受付部(11a)と、
前記病院端末(2)からユーザー識別情報を受信する識別情報受信部(11b)と、
前記ユーザー識別情報が前記登録された会員情報登録部に一致するか照会する会員情報照会部(11c)と、
前記会員情報照会部(11c)で照会した結果登録されていた場合、前記病院端末(2)からの第一サービス料の請求を受け付けるサービス料請求受付部(11d)と、
前記病院への前記第一サービス料の支払い指示を行う支払部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の情報処理装置(10)は、
前記ユーザー端末(1)から第二サービス料の額を受信するサービス料額受信部と、
前記第一サービス料の額と前記第二サービス料の額が一致しているか照会するサービス料照会部(11g)と、を備え、
前記支払部では、前記サービス料照会部(11g)で一致した場合に限り支払いを行うことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の情報処理装置(10)は、
前記病院端末(2)から診療明細データを受け付ける診療明細受信部(11h)をさらに備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の情報処理装置(10)は、
前記診療明細データを前記ユーザー端末(1)に送信する診療明細送信部(11i)をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、病院に対して第一サービス料の支払いを行うので、病院を利用したユーザーが病院の窓口での支払いが発生せず、より気軽にペットを病院に連れて行くことができる。
【0013】
なお、本発明の情報処理装置のように、病院に対して第一サービス料の支払いを行う点は、上述した非特許文献1には全く記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置を含むシステムのシステム構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る情報処理装置の構成概要を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るプログラムの処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1乃至
図3を参照して、本発明の実施形態に係る情報処理装置10を説明する。この情報処理装置10は一種の保険サービス(以下、本保険という)を提供するものである。
1.全体構成
図1に示すように、情報処理装置10には、ユーザーが保有するユーザー端末1と、動物病院が保有する病院端末2と、がネットワーク100を介して接続されており、相互に通信可能となっている。
ユーザー端末1は、病院にペットを連れて行くユーザー(飼い主)が有する通信手段を備えた端末であり、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル端末である。
【0016】
病院端末2は、動物病院が有し通信手段を備えた端末であり、スマートフォン、タブレット端末、または家庭や企業に広く普及している一般的なパソコンである。または、それらの組み合わせである。
ユーザー端末1と病院端末2とは、汎用のものであるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、ユーザー端末1と病院端末2はそれぞれ複数存在するが、ここでは簡単のためそれぞれ1つを説明する。
【0017】
情報処理装置10は、汎用のサーバ向けのコンピュータであり、制御部11と、記憶部12と、を備える。この情報処理装置10は本保険の提供者が管理するものである。
【0018】
制御部11は、例えば、中央処理装置(CPU)により実現されるもので、記憶部12に記憶された所定のプログラムに従って動作し、種々の機能を実現する。
【0019】
記憶部12は、様々な情報を記憶する不揮発性の記憶媒体と揮発性の記憶媒体を備える。
不揮発性の記憶媒体は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)等のストレージデバイスにより実現され、制御部11を作動させる各種プログラムを記憶する。
揮発性の記憶媒体は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)等のメモリにより実現され、制御部11が動作する際に一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶する。
なお、記憶部12は、情報処理装置10と通信可能な別の装置に配するようにすることも可能である。
【0020】
2.制御部11の詳細
制御部11は
図2に示すように、会員情報受付部11aと、識別情報受信部11bと、会員情報照会部11cと、サービス料請求受付部11dと、第二サービス料額受信部11fと、サービス料照会部11gと、診療明細受信部11hと、診療明細送信部11iと、を備える。
【0021】
会員情報受付部11aは、ユーザー端末1から入力される、本保険に登録する会員の会員情報を受け付ける。
この会員情報には住所、氏名、生年月日、性別等の情報に加え、本保険の会費の支払いの設定(クレジットカード情報や月会費又は年会費の支払い方法等の登録)も含まれる。
【0022】
識別情報受信部11bは、ユーザー端末1の専用アプリケーションに表示された二次元バーコードを病院端末2が読み取ることで病院端末2がユーザー識別情報を取得し、そのユーザー識別情報を病院端末2から受信する。
このユーザー識別情報とは、住所、氏名、生年月日、性別等のユーザーを特定するための情報である。
病院端末2がユーザー識別情報を取得する他の方法としては、例えば診察券に記載されている二次元バーコードを病院端末2が読み取ってもいいし、診察券に記載された氏名や管理番号等からそのユーザーを特定し病院が別途管理しているユーザー識別情報を取得するものであってもよい。
【0023】
会員情報照会部11cは、病院端末2から送信されたユーザー識別情報が、情報処理装置10の記憶部12に登録された会員情報に一致するか照会する。
つまり、動物病院に今来ているユーザー(ペットオーナー)が、本保険の会員であるか否かを確認する。
【0024】
サービス料請求受付部11dは、会員情報照会部11cで照会した結果、ユーザーが会員として登録されていた場合、動物病院がユーザーに対して提供したサービスの対価である第一サービス料の請求を病院端末2から受け付ける。
つまり、動物病院はユーザーへサービスの対価を請求するのではなく、情報処理装置10(本保険提供者)へサービスの対価を請求する。
【0025】
第二サービス料額受信部11fは、ユーザー端末1から入力及び送信された第二サービス料の額を受信する。
つまり、動物病院から発行された請求書に記載された金額をユーザー端末1で入力し、その情報を第二サービス料の額として第二サービス料額受信部11fが受信する。
【0026】
サービス料照会部11gは、第一サービス料の額と第二サービス料の額が一致しているか照会する。つまり、これは動物病院による水増し請求、空請求等の不正を防止するためである。
【0027】
診療明細受信部11hは、病院端末2から当該ユーザーに関する診療明細データを受け付ける。この診療明細データには担当獣医師名、通院日、入院日、退院日、傷病区分、傷病・診断名・診療内容、単価、診療合計額等の情報が含まれる。
【0028】
支払指示部11eは、動物病院の銀行口座への第一サービス料の支払い指示を銀行端末に対して行う。
この支払指示部11eによる支払い指示は、サービス料照会部11gで第一サービス料の額と第二サービス料の額が一致したことを確認できた場合、かつ受信した診療明細の各項目が本保険の支払い事由に該当する場合に、行われる。受信した診療明細の各項目が本保険の支払い事由に該当するか否かは各項目ごとに判断し、一部が本保険の支払い事由に該当しないからといって、全てを却下することはない。
【0029】
診療明細送信部11iは、診療明細データをユーザー端末1に送信する。
【0030】
3.プログラムの作動
次に、この情報処理装置10の制御部11が主に行う制御について、
図3を参照しながら説明する。
まず、制御部11は、ユーザー端末1のブラウザから本保険への会員登録を求め、登録する会員の会員情報を受け付けるとともに会員情報(本保険の会費の支払い情報も含む)を記憶部12に記憶させる。(ステップS101(以下、「ステップ」という語を省略する))。
これにより、ユーザーのクレジットカード決済や銀行口座から、本保険提供者の銀行口座へ定期的に会費の支払いがなされる(S102)。このユーザーからの会費の総額が本保険の原資となる。
【0031】
次に、病院端末2はユーザー端末1から送られる、そのユーザーに係るユーザー識別情報を受信する(S103)。
なお、本プログラムの作動とは関係がないところで、S102とS103の間で動物病院では医療サービス等がユーザーに提供されている。その医療サービスが動物病院から提供されて初めてS103が実行される。
【0032】
次に制御部11は、病院端末2から送られるユーザー識別情報を受信する(S104)。
次に制御部11は、病院端末2から送信されたユーザー識別情報が、情報処理装置10の記憶部12に登録された会員情報登録部に一致するか照会する(S104)。
【0033】
次に制御部11は、会員情報照会部11cで照会した結果、ユーザーが本保険の会員として登録されていた場合には、動物病院がユーザーに対して提供したサービスの対価である第一サービス料の請求を病院端末2から受け付ける(S106)。
【0034】
次に制御部11は、病院端末2から当該ユーザーに関する診療明細データを受け付ける(S107)。現実的には、S106とS107は同時に行われる。
次に制御部11は、ユーザー端末1からユーザー識別情報と第二サービス料の額を受信する(S108,S109)。
【0035】
そして制御部11は、第一サービス料の額と第二サービス料の額が一致しているか照会する(S110)。
次に制御部11は、病院端末2から受信した診療明細の各項目が本保険の支払い事由に該当するか判断する(S111)。
【0036】
次に制御部11は、診療明細データをユーザー端末1に送信する(S112)。
最後に制御部11は、銀行端末に対して病院への第一サービス料の支払い指示を行う(S113)。
【0037】
以上のように構成された情報処理装置10及び実行されるプログラムによれば、動物病院に対して第一サービス料の支払いを行うので、動物病院を利用したユーザーが病院の窓口での支払いが発生せず、ペットの体調が悪いときにより気軽にペットを動物病院に連れて行くことができる。
【0038】
なお、本第二実施形態において、情報処理装置10は第二サービス料額受信部11fやサービス料照会部11gを備えたが、これに限られるものではなく、病院端末2から送信されるサービス料を正しいものとして扱ってもよいし、他の方法で病院端末2から送信されるサービス料に不正がないことを保証してもよい。
【0039】
また、情報処理装置10は診療明細受信部11hや診療明細送信部11iを備えるとしたが、これに限られるものではない。
【0040】
また、本保険の支払額の上限を設定してもよい。例えば、1回の支払額に上限を設定してもよいし、年間又は月の支払額に上限を設定してもよい。
また、サービス料照会時に、支払い事由該当の照会を行ったが、これに限られるものではない。
【0041】
本実施形態において、情報処理装置10は病院端末2との間で各種データの送受信を行ったが、人間用の医療機関に置かれる医療機関端末も含まれる。
【0042】
また、情報処理装置10として、複数のコンピュータを用いて情報処理装置10を構成することも可能である。また、この情報処理装置10はオンプレミスであろうがクラウドであうがいずれでも良い。
【0043】
また、本実施形態に係るプログラムの各ステップは、処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更したり、並列に処理を行ったりできる。
【符号の説明】
【0044】
1 ユーザー端末
2 病院端末
10 情報処理装置
11 制御部
11a 会員情報受付部
11b 識別情報受信部
11c 会員情報照会部
11d サービス料請求受付部
11e 支払指示部
11f 第二サービス料額受信部
11g サービス料照会部
11h 診療明細受信部
11i 診療明細送信部
12 記憶部
100 ネットワーク