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特開2022-128578LEDパッケージ構造及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128578
(43)【公開日】2022-09-02
(54)【発明の名称】LEDパッケージ構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20220826BHJP
【FI】
H01L33/62
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055997
(22)【出願日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】110106374
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】517370630
【氏名又は名称】晶呈科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】劉 埃森
(72)【発明者】
【氏名】馮 祥▲アン▼
(72)【発明者】
【氏名】鍾 承育
(72)【発明者】
【氏名】▲トウ▼家▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】陳 亞理
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA56
5F142AA86
5F142BA32
5F142CB14
5F142CD15
5F142CD44
5F142CD47
(57)【要約】
【課題】歩留まり率を向上させ、構造を簡素化したLEDパッケージ構造及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】複数の半導体基板30を備える半導体ウェハーを用意し、次に、半導体基板30を貫通する第1貫通孔301及び第2貫通孔302を形成する。続いて、各半導体基板30の表面並びに第1貫通孔301及び第2貫通孔302の内壁に絶縁層31を形成し、半導体基板30の表面にパターン電極層32,33を形成する。さらに、第1貫通孔301及び第2貫通孔302内に、絶縁層31を覆う導電材料35を形成し、導電材料35とパターン電極層32,33を電気的接続させる。そして、各半導体基板30の第2貫通孔302内にLED34を形成し、LED34と第2貫通孔302内の導電材料35を電気的に接続させ、全ての半導体基板30を分離する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板であって、その基板自体を貫通する1つの第1貫通孔及び3つの第2貫通孔を有し、各前記第2貫通孔は相互に連通する第1副貫通孔及び第2副貫通孔を含み、前記第1副貫通孔は前記半導体基板の頂面側に設けられ、前記第2副貫通孔は前記半導体基板の底面側に設けられ、前記第1副貫通孔の断面積は前記第2副貫通孔の断面積より大きい半導体基板と、
前記半導体基板の表面並びに前記第1貫通孔、前記第1副貫通孔及び前記第2副貫通孔の内壁に設けられる絶縁層であって、前記第1貫通孔及び前記第2副貫通孔には前記絶縁層を覆う導電材料が充填される絶縁層と、
前記半導体基板の前記頂面に設けられるとともに、前記導電材料に電気的に接続される第1パターン電極層と、
前記半導体基板の前記底面に設けられるとともに、前記第1貫通孔及び前記第2副貫通孔内の前記導電材料に電気的に接続される第2パターン電極層と、
前記第2貫通孔の前記第1副貫通孔内にそれぞれ設けられるとともに、前記第2副貫通孔内の前記導電材料にそれぞれ電気的に接続される3つの発光ダイオード(LED)と、
を含む、LEDパッケージ構造。
【請求項2】
前記第2パターン電極層上に設けられるとともに、前記第2パターン電極層に電気的に接続される複数の導電パッドをさらに含む、請求項1に記載のLEDパッケージ構造。
【請求項3】
各前記LEDは、
1つの第1金属層及び2つの第2金属層を含み、前記第2金属層はそれぞれ前記第1金属層の上表面及び下表面に位置し、前記第1金属層はニッケル-鉄合金であり、前記第2金属層は銅であり、前記第2金属層、前記第1金属層、前記第2金属層の厚さの比率は1:2.5~3.5:1であり、前記第1副貫通孔内に位置する金属組合せ基板と、
前記金属組合せ基板上に位置するとともに、前記第1副貫通孔内に位置するエピタキシャル電極層と、
前記エピタキシャル電極層上に設けられるとともに、前記第1副貫通孔内に位置する電極ユニットと、
前記金属組合せ基板、前記導電材料、前記エピタキシャル電極層、前記電極ユニット及び前記第1パターン電極層を覆うとともに、前記導電材料、前記電極ユニット及び前記第1パターン電極層に電気的に接続される透明導電層と、
を含む、請求項1に記載のLEDパッケージ構造。
【請求項4】
前記LEDは赤色LED、緑色LED及び青色LEDを含む、請求項1に記載のLEDパッケージ構造。
【請求項5】
前記導電材料は銀ペーストである、請求項1に記載のLEDパッケージ構造。
【請求項6】
前記第1パターン電極層及び前記第2パターン電極層は導電性インクである、請求項1に記載のLEDパッケージ構造。
【請求項7】
複数の半導体基板を備える半導体ウェハーを用意するステップと、
各前記半導体基板を貫通する1つの第1貫通孔及び3つの第2貫通孔を形成するステップであって、各前記第2貫通孔は相互に連通する第1副貫通孔及び第2副貫通孔を含み、前記第1副貫通孔は前記半導体基板の頂面側に設けられ、前記第2副貫通孔は前記半導体基板の底面側に設けられ、前記第1副貫通孔の断面積は前記第2副貫通孔の断面積より大きいステップと、
各前記半導体基板の表面並びに前記第1貫通孔、前記第1副貫通孔及び前記第2副貫通孔の内壁に絶縁層を形成するステップと、
前記半導体基板の前記頂面に第1パターン電極層を形成するステップと、
前記第1貫通孔及び前記第2副貫通孔内に、前記絶縁層を覆う導電材料を充填するとともに、前記導電材料と前記第1パターン電極層を電気的に接続させるステップと、
前記半導体基板の前記底面に第2パターン電極層を形成するとともに、前記第2パターン電極層と前記第1貫通孔及び前記第2副貫通孔内の前記導電材料を電気的に接続させるステップと、
3つのLEDを各前記半導体基板の前記第2貫通孔の前記第1副貫通孔内にそれぞれ形成するとともに、これらの前記LEDと前記第2副貫通孔内の前記導電材料を電気的に接続させるステップと、
前記複数の半導体基板を分離するステップと、
を含む、LEDパッケージ構造の製造方法。
【請求項8】
各前記半導体基板上の前記第2パターン電極層上に複数の導電パッドを形成するとともに、前記複数の導電パッドと前記第2パターン電極層を電気的に接続させるステップをさらに含む、請求項7に記載のLEDパッケージ構造の製造方法。
【請求項9】
前記LEDは赤色LED、緑色LED及び青色LEDを含む、請求項7に記載のLEDパッケージ構造の製造方法。
【請求項10】
各前記LEDは、
1つの第1金属層及び2つの第2金属層を含み、前記2つの第2金属層はそれぞれ前記第1金属層の上表面及び下表面に位置し、前記第1金属層はニッケル-鉄合金であり、前記第2金属層は銅であり、前記第2金属層、前記第1金属層、前記第2金属層の厚さの比率は1:2.5~3.5:1であり、前記第1副貫通孔内に位置する、金属組合せ基板と、
前記金属組合せ基板上に位置するとともに、前記第1副貫通孔内に位置する、エピタキシャル電極層と、
前記エピタキシャル電極層上に設けられるとともに、前記第1副貫通孔内に位置する電極ユニットと、
前記金属組合せ基板、前記導電材料、前記エピタキシャル電極層、前記電極ユニット及び前記第1パターン電極層を覆うとともに、前記導電材料、前記電極ユニット及び前記第1パターン電極層に電気的に接続される透明導電層と、
を含む、請求項7に記載のLEDパッケージ構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)パッケージ構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDは半導体材料で作られた発光ダイオードである。LEDを使用すると、赤、緑、黄色及び青を含む様々な異なる色の光を生成することができる。操作時に、順方向バイアス電圧を半導体材料のP-N接合に印加すると、LEDは発光する。
LEDは、電力消費が少なく、輝度が高く、電圧が低く、集積回路との組み合わせが容易で、駆動が簡単で、使用寿命が長いといった長所を有する。そのため、既に照明装置や各種産業において幅広く応用されている。
【0003】
従来のLEDのパッケージング方式は、ワイヤーボンディングによりLEDの電極とパッケージ基板を接続するものであった。即ち、図1に示すように、LED1の頂部電極10はボンディングワイヤーによりパッケージ基板2に電気的に接続する。
このような方式では、複数のLEDを1つ1つワイヤーボンディングを行う必要があるため、マルチチップの応用に対するニーズはあるが、生産速度と歩留まり率への要求に満足に答えられないという問題が生じている。しかも、ワイヤーボンディング方式では、体積を小型化するのが難しく、インピーダンスが高いため、軽くて、薄くて、小さくて明るいLEDというニーズを満たすことも難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、従来技術の有する上述の欠点に対し、歩留まり率を向上させ、構造を簡素化したLEDパッケージ構造及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のLEDパッケージ構造は、半導体基板、絶縁層、第1パターン電極層、第2パターン電極層及び3つのLEDを含む。半導体基板はその基板自体を貫通する1つの第1貫通孔及び3つの第2貫通孔を有し、各第2貫通孔は相互に連通する第1副貫通孔及び第2副貫通孔を含む。第1副貫通孔は半導体基板の頂面側に設けられ、第2副貫通孔は半導体基板の底面側に設けられ、第1副貫通孔の断面積は第2副貫通孔の断面積より大きい。絶縁層は半導体基板の表面並びに第1貫通孔、第1副貫通孔及び第2副貫通孔の内壁に設けられ、第1貫通孔及び第2副貫通孔には絶縁層を覆う導電材料が完全に充填される。第1パターン電極層は半導体基板の頂面に設けられるとともに、導電材料に電気的に接続される。第2パターン電極層は半導体基板の底面に設けられるとともに、第1貫通孔及び第2副貫通孔内の導電材料に電気的に接続される。全てのLEDは第2貫通孔の第1副貫通孔内にそれぞれ設けられるとともに、第2副貫通孔内の導電材料にそれぞれ電気的に接続される。
【0006】
本発明の一実施形態において、LEDパッケージ構造は、前記第2パターン電極層上に設けられるとともに、前記第2パターン電極層に電気的に接続される複数の導電パッドをさらに含む。
【0007】
本発明の一実施形態において、各LEDは金属組合せ基板、エピタキシャル電極層、電極ユニット及び透明導電層を含む。金属組合せ基板は1つの第1金属層及び2つの第2金属層を含み、2つの第2金属層はそれぞれ第1金属層の上表面及び下表面に位置し、第1金属層はニッケル-鉄合金であり、第2金属層は銅であり、金属組合せ基板の第2金属層、第1金属層、第2金属層の厚さの比率は1:2.5~3.5:1である。金属組合せ基板は第1副貫通孔内に位置する。エピタキシャル電極層は金属組合せ基板上に位置するとともに、第1副貫通孔内に位置する。電極ユニットはエピタキシャル電極層上に設けられるとともに、第1副貫通孔内に位置する。透明導電層は金属組合せ基板、導電材料、エピタキシャル電極層、電極ユニット及び第1パターン電極層を覆うとともに、導電材料、電極ユニット及び第1パターン電極層に電気的に接続される。
【0008】
本発明の一実施形態において、LEDは赤色LED、緑色LED及び青色LEDを含む。
【0009】
本発明の一実施形態において、導電材料は銀ペーストである。
【0010】
本発明の一実施形態において、第1パターン電極層及び第2パターン電極層は導電性インクである。
【0011】
本発明のLEDパッケージ構造の製造方法は、始めのステップでは、複数の半導体基板を備える半導体ウェハーを用意する。次のステップでは、半導体基板を貫通する1つの第1貫通孔及び3つの第2貫通孔を形成し、各第2貫通孔は相互に連通する第1副貫通孔及び第2副貫通孔を含み、第1副貫通孔は半導体基板の頂面に近く、第2副貫通孔は半導体基板の底面に近く、第1副貫通孔の断面積は第2副貫通孔の断面積より大きい。続いて、各半導体基板の表面並びに第1貫通孔、第1副貫通孔及び第2副貫通孔の内壁に絶縁層を形成する。続いて、半導体基板の頂面に第1パターン電極層を形成する。続いて、第1貫通孔及び第2副貫通孔内に、絶縁層を覆う導電材料を充填するとともに、導電材料と第1パターン電極層を電気的に接続させる。続いて、半導体基板の底面に第2パターン電極層を形成するとともに、第2パターン電極層と第1貫通孔及び第2副貫通孔内の導電材料を電気的に接続させる。さらに、3つのLEDを各半導体基板の第2貫通孔の第1副貫通孔内にそれぞれ形成するとともに、全てのLEDと第2副貫通孔内の導電材料を電気的接続させる。最後に、全ての半導体基板を分離する。
【0012】
本発明の一実施形態において、LEDパッケージ構造の製造方法はさらに、各半導体基板上の第2パターン電極層上に複数の導電パッドを形成するとともに、全ての導電パッドと第2パターン電極層を電気的に接続させるステップを含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明のLEDパッケージ構造及びその製造方法によれば、シリコン貫通電極(TSV)技術を利用して歩留まり率を向上させ、構造を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係るLED及びパッケージ基板の構造を示す図である。
図2】本発明の実施形態を示すLEDパッケージ構造の断面図である。
図3a】本発明の実施形態に係るLEDパッケージ構造の製造方法の各ステップにおける断面図である。
図3b】本発明の実施形態に係るLEDパッケージ構造の製造方法の各ステップにおける断面図である。
図3c】本発明の実施形態に係るLEDパッケージ構造の製造方法の各ステップにおける断面図である。
図3d】本発明の実施形態に係るLEDパッケージ構造の製造方法の各ステップにおける断面図である。
図3e】本発明の実施形態に係るLEDパッケージ構造の製造方法の各ステップにおける断面図である。
図3f】本発明の実施形態に係るLEDパッケージ構造の製造方法の各ステップにおける断面図である。
図3g】本発明の実施形態に係るLEDパッケージ構造の製造方法の各ステップにおける断面図である。
図3h】本発明の実施形態に係るLEDパッケージ構造の製造方法の各ステップにおける断面図である。
図4図3bに示すステップにおける平面図である。
図5図3cに示すステップにおける平面図である。
図6図3dに示すステップにおける平面図である。
図7図3eに示すステップにおける平面図である。
図8図3fに示すステップにおける底面図である。
図9図3gに示すステップにおける平面図である。
図10図3hに示すステップにおける底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、関連する図を合わせてさらなる説明を加える。
図面及び明細書においては、可能な限り、同じ符号で同一又は同様の部材を示す。図面においては、簡潔性及び利便性のため、形状及び厚さが拡大表示されることがある。特に図で表示されていない、或いは明細書に記載されていない要素は、当業者であれば知る形態であると解釈できる。当業者は本発明の内容に基づいて様々な変更や修正を行うことができる。
【0016】
1つの要素が『・・・上にある』と記述されている場合、一般的には当該要素が直接別の要素上にあることを指し、その他の要素が両者の中間に存在するという場合もある。
これに対し、1つの要素が『直接』別の要素にあるという記述の場合、その他の要素は両者の中間に存在することはできない。
本文で用いられる『及び/又は』は列挙された関連項目中の1つ又は複数のいかなる組み合わせも含む。
【0017】
以下の文中における“一つの実施形態”又は“一実施形態”という記述は少なくとも1つの実施形態内において関連する特定の素子、構造又は特徴のことを指す。したがって、以下の文中において多くの箇所にある“一つの実施形態”又は“一実施形態”といった複数の記述は同一実施形態に対するものではない。さらに、1つ又は複数の実施形態における特定の部材、構造及び特徴は適切な方式に基づいて組み合わせることができる。
【0018】
特に説明がない限り、いくつかの条件句或いは助詞、例えば「できる(can)」、「可能性がある(could)」、「かもしれない(might)」、或いは「してよい(may)」等は、通常は本発明の実施形態を表現するが、不要な可能性もある特徴、部材或いは工程と解釈してもよい。その他の実施形態において、これらの特徴、部材、或いは工程は不要な場合もある。
【0019】
図2は本発明のLEDパッケージ構造の一実施形態における断面図である。
図2を参照すると、LEDパッケージ構造3は、半導体基板30、絶縁層31、第1パターン電極層32、第2パターン電極層33、3つのLED34及び導電材料35を含む。
第1パターン電極層32及び第2パターン電極層33は導電性インクであってもよいが、これに限定されない。
導電材料35は銀ペーストであるが、これに限定されない。
LED34は赤色LED、緑色LED及び青色LEDを含む。
半導体基板30は、その基板自体を貫通する1つの第1貫通孔301及び3つの第2貫通孔302を有し、各第2貫通孔302は相互に連通する第1副貫通孔3021及び第2副貫通孔3022を含む。第1副貫通孔3021は半導体基板30の頂面側に設けられ、第2副貫通孔3022は半導体基板30の底面側に設けられ、第1副貫通孔3021の断面積は第2副貫通孔3022の断面積より大きい。
絶縁層31は半導体基板30の表面並びに第1貫通孔301、第1副貫通孔3021及び第2副貫通孔3022の内壁に設けられ、第1貫通孔301及び第2副貫通孔3022には絶縁層31を覆う導電材料35が完全に充填される。
第1パターン電極層32は半導体基板30の頂面に設けられるとともに、導電材料35に電気的に接続される。
第2パターン電極層33は半導体基板30の底面に設けられるとともに、第1貫通孔301及び第2副貫通孔3022内の導電材料35に電気的に接続される。
全てのLED34は第2貫通孔302の第1副貫通孔3021内にそれぞれ設けられるとともに、第2副貫通孔3022内の導電材料35にそれぞれ電気的に接続される。
また、LEDパッケージ構造3は、第2パターン電極層33上に設けられるとともに、第2パターン電極層33に電気的に接続される複数の導電パッド36をさらに含む。
例えば、半導体基板30はシリコン基板であり、第1貫通孔301及び第2貫通孔302はシリコン貫通孔である。ワイヤーボンディング技術に対し、LEDパッケージ構造3はTSV技術を利用して歩留まり率を向上させ、構造を簡素化する。
【0020】
本発明のある実施形態において、各LED34は金属組合せ基板341、エピタキシャル電極層342、電極ユニット343及び透明導電層344を含む。
金属組合せ基板341は、1つの第1金属層及び2つの第2金属層を含む。第2金属層はそれぞれ第1金属層の上表面及び下表面に位置する。第1金属層はニッケル-鉄合金であり、そのニッケル‐鉄合金はインバー(Invar)であり、第2金属層は銅である。 金属組合せ基板341の第2金属層、第1金属層、第2金属層の厚さの比率は1:2.5~3.5:1である。
金属組合せ基板341は第1副貫通孔3021内に位置する。また、金属組合せ基板341は高い熱伝導係数、低い膨張係数及び初透磁率を有する。
エピタキシャル電極層342は金属組合せ基板341上に位置するとともに、第1副貫通孔3021内に位置する。
電極ユニット343はエピタキシャル電極層342上に設けられるとともに、第1副貫通孔3021内に位置する。
透明導電層344は、金属組合せ基板341、導電材料35、エピタキシャル電極層342、電極ユニット343及び第1パターン電極層32を覆うとともに、導電材料35、電極ユニット343及び第1パターン電極層32に電気的に接続される。
【0021】
図3aから図3hは、本発明の一実施形態を示すLEDパッケージ構造の製造方法の各ステップにおける断面図である。
図4は、図3bに示すステップにおける平面図である。図5は、図3cに示すステップにおける平面図である。図6は、図3dに示すステップにおける平面図である。図7は、図3eに示すステップにおける平面図である。図8は、図3fに示すステップにおける底面図である。図9は、図3gに示すステップにおける平面図である。図10は、図3hに示すステップにおける底面図である。
【0022】
以下に本発明のLEDパッケージ構造3の製造方法を紹介する。
まず、図3aに示すように、複数の半導体基板30を備える半導体ウェハー4(図4)を用意する。
次に、図3b及び図4に示すように、半導体基板30を貫通する1つの第1貫通孔301及び3つの第2貫通孔302を形成する。各第2貫通孔302は相互に連通する第1副貫通孔3021及び第2副貫通孔3022を含み、第1副貫通孔3021は半導体基板30の頂面に近く、第2副貫通孔3022は半導体基板30の底面に近く、第1副貫通孔3021の断面積は第2副貫通孔3022の断面積より大きい。
続いて、図3c及び図5に示すように、各半導体基板30の表面並びに第1貫通孔301、第1副貫通孔3021及び第2副貫通孔3022の内壁に絶縁層31を形成する。 続いて、図3d及び図6に示すように、半導体基板30の頂面に第1パターン電極層32を形成する。
続いて、図3e及び図7に示すように、第1貫通孔301及び第2副貫通孔3022内に、絶縁層31を覆う導電材料35を形成するとともに、導電材料35と第1パターン電極層32を電気的に接続させる。
続いて、図3f及び図8に示すように、半導体基板30の底面に第2パターン電極層33を形成するとともに、第2パターン電極層33と第1貫通孔301及び第2副貫通孔3022内の導電材料35を電気的に接続させる。
さらに、図3g及び図9に示すように、3つのLED34を各半導体基板30の全ての第2貫通孔302の第1副貫通孔3021内にそれぞれ形成するとともに、全てのLED34と第2副貫通孔3022内の導電材料35を電気的に接続させる。
そして、図3h及び図10に示すように、各半導体基板30上の第2パターン電極層33上に複数の導電パッド36を形成するとともに、全ての導電パッド36と第2パターン電極層33を電気的に接続させる。
最後に、全ての半導体基板30を分離させ、複数のLEDパッケージ構造3を得る。
実質上同じ結果が得られるのであれば、これらのステップは完全に図3aから図3hが示す順番でそのとおりに実行する必要はないことに留意されたい。
【0023】
また、上述の方法において、図3hに示すステップは省略しても、同様に複数のLEDパッケージ構造3を得ることができる。
【0024】
上述の実施形態によれば、LEDパッケージ構造及びその製造方法は、TSV技術を利用して歩留まり率を向上させ、構造を簡素化することができる。
【0025】
上述の記載は本発明の好ましい実施例の説明に過ぎず、本発明の実施範囲を限定するものではない。したがって、本発明の要旨を逸脱しない形状、構造、特徴及び精神に基づく均等な変更や潤色は全て、本発明の権利範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0026】
1 LED
10 頂部電極
2 パッケージ基板
3 LEDパッケージ構造
30 半導体基板
301 第1貫通孔
302 第2貫通孔
3021 第1副貫通孔
3022 第2副貫通孔
31 絶縁層
32 第1パターン電極層
33 第2パターン電極層
34 LED
341 金属組合せ基板
342 エピタキシャル電極層
343 電極ユニット
344 透明導電層
35 導電材料
36 導電パッド
4 半導体ウェハー
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図3f
図3g
図3h
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-02-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明のLEDパッケージ構造は、半導体基板、絶縁層、第1パターン電極層、第2パターン電極層及び3つのLEDを含む。半導体基板はその基板自体を貫通する1つの第1貫通孔及び3つの第2貫通孔を有し、各第2貫通孔は相互に連通する第1副貫通孔及び第2副貫通孔を含む。第1副貫通孔は半導体基板の頂面側に設けられ、第2副貫通孔は半導体基板の底面側に設けられ、第1副貫通孔の断面積は第2副貫通孔の断面積より大きい。絶縁層は半導体基板の表面並びに第1貫通孔、第1副貫通孔及び第2副貫通孔の内壁に設けられ、第1貫通孔及び第2副貫通孔には絶縁層を覆う導電材料が完全に充填される。第1パターン電極層は半導体基板の頂面に設けられるとともに、導電材料に電気的に接続される。第2パターン電極層は半導体基板の底面に設けられるとともに、第1貫通孔及び第2副貫通孔内の導電材料に電気的に接続される。全てのLEDは第2貫通孔の第1副貫通孔内にそれぞれ設けられるとともに、第2副貫通孔内の導電材料にそれぞれ電気的に接続される。各前記LEDは、1つの第1金属層及び2つの第2金属層を含み、前記第2金属層はそれぞれ前記第1金属層の上表面及び下表面に位置し、前記第1金属層はニッケル-鉄合金であり、前記第2金属層は銅であり、前記第2金属層、前記第1金属層、前記第2金属層の厚さの比率は1:2.5~3.5:1であり、前記第1副貫通孔内に位置する金属組合せ基板と、前記金属組合せ基板上に位置するとともに、前記第1副貫通孔内に位置するエピタキシャル電極層と、前記エピタキシャル電極層上に設けられるとともに、前記第1副貫通孔内に位置する電極ユニットと、前記金属組合せ基板、前記導電材料、前記エピタキシャル電極層、前記電極ユニット及び前記第1パターン電極層を覆うとともに、前記導電材料、前記電極ユニット及び前記第1パターン電極層に電気的に接続される透明導電層とを含む。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明のLEDパッケージ構造の製造方法は、始めのステップでは、複数の半導体基板を備える半導体ウェハーを用意する。次のステップでは、半導体基板を貫通する1つの第1貫通孔及び3つの第2貫通孔を形成し、各第2貫通孔は相互に連通する第1副貫通孔及び第2副貫通孔を含み、第1副貫通孔は半導体基板の頂面に近く、第2副貫通孔は半導体基板の底面に近く、第1副貫通孔の断面積は第2副貫通孔の断面積より大きい。続いて、各半導体基板の表面並びに第1貫通孔、第1副貫通孔及び第2副貫通孔の内壁に絶縁層を形成する。続いて、半導体基板の頂面に第1パターン電極層を形成する。続いて、第1貫通孔及び第2副貫通孔内に、絶縁層を覆う導電材料を充填するとともに、導電材料と第1パターン電極層を電気的に接続させる。続いて、半導体基板の底面に第2パターン電極層を形成するとともに、第2パターン電極層と第1貫通孔及び第2副貫通孔内の導電材料を電気的に接続させる。さらに、3つのLEDを各半導体基板の第2貫通孔の第1副貫通孔内にそれぞれ形成するとともに、全てのLEDと第2副貫通孔内の導電材料を電気的接続させる。最後に、全ての半導体基板を分離する。
各前記LEDは、1つの第1金属層及び2つの第2金属層を含み、前記2つの第2金属層はそれぞれ前記第1金属層の上表面及び下表面に位置し、前記第1金属層はニッケル-鉄合金であり、前記第2金属層は銅であり、前記第2金属層、前記第1金属層、前記第2金属層の厚さの比率は1:2.5~3.5:1であり、前記第1副貫通孔内に位置する、金属組合せ基板と、前記金属組合せ基板上に位置するとともに、前記第1副貫通孔内に位置する、エピタキシャル電極層と、前記エピタキシャル電極層上に設けられるとともに、前記第1副貫通孔内に位置する電極ユニットと、前記金属組合せ基板、前記導電材料、前記エピタキシャル電極層、前記電極ユニット及び前記第1パターン電極層を覆うとともに、前記導電材料、前記電極ユニット及び前記第1パターン電極層に電気的に接続される透明導電層とを含む。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板であって、その基板自体を貫通する1つの第1貫通孔及び3つの第2貫通孔を有し、各前記第2貫通孔は相互に連通する第1副貫通孔及び第2副貫通孔を含み、前記第1副貫通孔は前記半導体基板の頂面側に設けられ、前記第2副貫通孔は前記半導体基板の底面側に設けられ、前記第1副貫通孔の断面積は前記第2副貫通孔の断面積より大きい半導体基板と、
前記半導体基板の表面並びに前記第1貫通孔、前記第1副貫通孔及び前記第2副貫通孔の内壁に設けられる絶縁層であって、前記第1貫通孔及び前記第2副貫通孔には前記絶縁層を覆う導電材料が充填される絶縁層と、
前記半導体基板の前記頂面に設けられるとともに、前記導電材料に電気的に接続される第1パターン電極層と、
前記半導体基板の前記底面に設けられるとともに、前記第1貫通孔及び前記第2副貫通孔内の前記導電材料に電気的に接続される第2パターン電極層と、
前記第2貫通孔の前記第1副貫通孔内にそれぞれ設けられるとともに、前記第2副貫通孔内の前記導電材料にそれぞれ電気的に接続される3つの発光ダイオード(LED)と、
を含
各前記LEDは、
1つの第1金属層及び2つの第2金属層を含み、前記第2金属層はそれぞれ前記第1金属層の上表面及び下表面に位置し、前記第1金属層はニッケル-鉄合金であり、前記第2金属層は銅であり、前記第2金属層、前記第1金属層、前記第2金属層の厚さの比率は1:2.5~3.5:1であり、前記第1副貫通孔内に位置する金属組合せ基板と、
前記金属組合せ基板上に位置するとともに、前記第1副貫通孔内に位置するエピタキシャル電極層と、
前記エピタキシャル電極層上に設けられるとともに、前記第1副貫通孔内に位置する電極ユニットと、
前記金属組合せ基板、前記導電材料、前記エピタキシャル電極層、前記電極ユニット及び前記第1パターン電極層を覆うとともに、前記導電材料、前記電極ユニット及び前記第1パターン電極層に電気的に接続される透明導電層と、
を含む、LEDパッケージ構造。
【請求項2】
前記第2パターン電極層上に設けられるとともに、前記第2パターン電極層に電気的に接続される複数の導電パッドをさらに含む、請求項1に記載のLEDパッケージ構造。
【請求項3】
前記LEDは赤色LED、緑色LED及び青色LEDを含む、請求項1に記載のLEDパッケージ構造。
【請求項4】
前記導電材料は銀ペーストである、請求項1に記載のLEDパッケージ構造。
【請求項5】
前記第1パターン電極層及び前記第2パターン電極層は導電性インクである、請求項1に記載のLEDパッケージ構造。
【請求項6】
複数の半導体基板を備える半導体ウェハーを用意するステップと、
各前記半導体基板を貫通する1つの第1貫通孔及び3つの第2貫通孔を形成するステップであって、各前記第2貫通孔は相互に連通する第1副貫通孔及び第2副貫通孔を含み、前記第1副貫通孔は前記半導体基板の頂面側に設けられ、前記第2副貫通孔は前記半導体基板の底面側に設けられ、前記第1副貫通孔の断面積は前記第2副貫通孔の断面積より大きいステップと、
各前記半導体基板の表面並びに前記第1貫通孔、前記第1副貫通孔及び前記第2副貫通孔の内壁に絶縁層を形成するステップと、
前記半導体基板の前記頂面に第1パターン電極層を形成するステップと、
前記第1貫通孔及び前記第2副貫通孔内に、前記絶縁層を覆う導電材料を充填するとともに、前記導電材料と前記第1パターン電極層を電気的に接続させるステップと、
前記半導体基板の前記底面に第2パターン電極層を形成するとともに、前記第2パターン電極層と前記第1貫通孔及び前記第2副貫通孔内の前記導電材料を電気的に接続させるステップと、
3つのLEDを各前記半導体基板の前記第2貫通孔の前記第1副貫通孔内にそれぞれ形成するとともに、これらの前記LEDと前記第2副貫通孔内の前記導電材料を電気的に接続させるステップと、
前記複数の半導体基板を分離するステップと、
を含み、
各前記LEDは、
1つの第1金属層及び2つの第2金属層を含み、前記2つの第2金属層はそれぞれ前記第1金属層の上表面及び下表面に位置し、前記第1金属層はニッケル-鉄合金であり、前記第2金属層は銅であり、前記第2金属層、前記第1金属層、前記第2金属層の厚さの比率は1:2.5~3.5:1であり、前記第1副貫通孔内に位置する、金属組合せ基板と、
前記金属組合せ基板上に位置するとともに、前記第1副貫通孔内に位置する、エピタキシャル電極層と、
前記エピタキシャル電極層上に設けられるとともに、前記第1副貫通孔内に位置する電極ユニットと、
前記金属組合せ基板、前記導電材料、前記エピタキシャル電極層、前記電極ユニット及び前記第1パターン電極層を覆うとともに、前記導電材料、前記電極ユニット及び前記第1パターン電極層に電気的に接続される透明導電層と、
を含む、LEDパッケージ構造の製造方法。
【請求項7】
各前記半導体基板上の前記第2パターン電極層上に複数の導電パッドを形成するとともに、前記複数の導電パッドと前記第2パターン電極層を電気的に接続させるステップをさらに含む、請求項6に記載のLEDパッケージ構造の製造方法。
【請求項8】
前記LEDは赤色LED、緑色LED及び青色LEDを含む、請求項6に記載のLEDパッケージ構造の製造方法。