(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128584
(43)【公開日】2022-09-02
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
H04N 13/366 20180101AFI20220826BHJP
H04N 13/351 20180101ALI20220826BHJP
H04N 13/302 20180101ALI20220826BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20220826BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20220826BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20220826BHJP
G09G 5/38 20060101ALI20220826BHJP
【FI】
H04N13/366
H04N13/351
H04N13/302
G02B27/02 Z
G09G5/00 X
G09G5/36 510V
G09G5/00 550C
G09G5/00 550X
G09G5/36 520B
G09G5/00 530D
G09G5/38 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009816
(22)【出願日】2022-01-26
(31)【優先権主張番号】17/183,260
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510134581
【氏名又は名称】群創光電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Innolux Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】住 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】劉 浩宇
【テーマコード(参考)】
2H199
5C061
5C182
【Fターム(参考)】
2H199CA23
2H199CA25
2H199CA42
2H199CA70
2H199CA96
2H199CA97
5C061AA06
5C061AB14
5C061AB16
5C061AB18
5C182AA02
5C182AA03
5C182AA26
5C182AA28
5C182AC46
5C182BA56
5C182BC01
5C182BC11
5C182BC45
5C182CB42
5C182CB47
5C182CC27
5C182DA70
(57)【要約】
【課題】3D画像の品質を向上させる表示装置および方法を提供する。
【解決手段】表示装置は、複数の参照パラメータにしたがって複数の入力ビュー番号を生成するためのビュー生成器110と、ビュー生成器110に結合され、複数の入力ビュー番号および少なくとも1つのS字カーブにしたがって複数の出力ビュー番号を生成するためのビューカーブ修正器120と、ビューカーブ修正器120に結合され、複数の出力ビュー番号にしたがって複数の画素の画像データを調整するための3次元(3D)画像データサンプリングモジュール130と、3D画像データサンプリングモジュール130に結合され、複数の画素および画像データにしたがって少なくとも1つの画像を表示するための表示モジュール140と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の参照パラメータに基づいて、複数の入力ビュー番号を生成するビュー生成器と、
前記ビュー生成器に結合され、前記複数の入力ビュー番号および少なくとも1つのS字カーブにしたがって複数の出力ビュー番号を生成するビューカーブ修正器と、
前記複数の出力ビュー番号にしたがって、複数の画素の画像データを調整するために、前記ビューカーブ修正器に結合された3次元(3D)画像データサンプリングモジュールと、
前記3D画像データサンプリングモジュールに接続され、前記複数の画素および前記画像データにしたがった少なくとも1つの画像を表示する表示モジュールと、
を備える、表示装置。
【請求項2】
前記複数の参照パラメータが、視聴者の目の複数の位置を含み、前記表示装置が、前記視聴者の目の複数の位置を追跡するために、前記ビュー生成器に結合されたアイトラッキングモジュールをさらに備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数の参照パラメータが、光変調器の少なくとも1つの光学パラメータを含み、前記表示装置が、前記表示装置に結合され、前記表示装置の前記複数の画素の複数の照明方向を変調する前記光変調器をさらに備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのS字カーブが複数の線分からなり、前記複数の線分のうち少なくとも1つの線分の少なくとも1つの傾きは1以下である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのS字カーブが複数の線分からなり、前記複数の線分のうち少なくとも2つの線分が同じ傾きを持つ、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのS字カーブが複数の線分からなり、前記複数の線分のうち少なくとも1つの線分の傾きがゼロに等しい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのS字カーブが複数の平面からなり、前記複数の平面のうち少なくとも2つの平面は同じ法線ベクトルを有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記ビューカーブ修正器が、前記複数の入力ビュー番号と、前記少なくとも1つのS字カーブと、ルックアップテーブルとにしたがって、前記複数の出力ビュー番号を生成する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記ビューカーブ修正器が、前記複数の入力ビュー番号と、前記少なくとも1つのS字カーブと、複数の平滑化係数とにしたがって、前記複数の出力ビュー番号を生成する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記3D画像データサンプリングモジュールが、前記複数の出力ビュー番号および複数の修正係数にしたがって、前記複数の画素の前記画像データを調整し、前記表示装置が、前記ビュー生成器および前記3D画像データサンプリングモジュールに結合された、前記複数の修正係数を生成するためのブラックデータ挿入モジュールをさらに備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
3次元(3D)画像の品質を向上させる方法であって、
複数の参照パラメータにしたがって、複数の入力ビュー番号を生成するステップと、
前記複数の入力ビュー番号および少なくとも1つのS字カーブにしたがって、複数の出力ビュー番号を生成するステップと、
前記複数の出力ビュー番号にしたがって、複数の画素の画像データを調整するステップと、
前記複数の画素および前記画像データにしたがって、少なくとも1つの画像を表示するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記複数の参照パラメータが、視聴者の目の複数の位置を含み、前記方法が、前記視聴者の目の複数の位置を追跡するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の参照パラメータが、光変調器の少なくとも1つの光学パラメータを含み、前記方法が、前記複数の画素の複数の照明方向を変調させるステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのS字カーブが複数の線分からなり、前記複数の線分のうち少なくとも1つの線分の少なくとも1つの傾きは1以下である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つのS字カーブが複数の線分からなり、前記複数の線分のうち少なくとも2つの線分が同じ傾きを持つ、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのS字カーブが複数の線分からなり、前記複数の線分のうち少なくとも1つの線分の傾きがゼロに等しい、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのS字カーブが複数の平面からなり、前記複数の平面のうち少なくとも2つの平面は同じ法線ベクトルを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の入力ビュー番号と、前記少なくとも1つのS字カーブと、ルックアップテーブルとにしたがって、前記複数の出力ビュー番号を生成するステップとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の入力ビュー番号と、前記少なくとも1つのS字カーブと、複数の平滑化係数とにしたがって、前記複数の出力ビュー番号を生成するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の出力ビュー番号にしたがって前記複数の画素の前記画像データを調整するステップが、複数の修正係数を生成するステップと、前記複数の出力ビュー番号および前記複数の修正係数にしたがって、前記複数の画素の複数の画像データを修正するステップとを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関し、より詳細には、3次元(3D)画像の品質を向上させる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元(3D)表示技術を用いた表示装置が開発され、視聴者に3D視覚効果を与えることができるようになった。例えば、表示装置が視聴者の右目と左目とに適切な視野角の映像を表示することで、視聴者は3D視覚効果を感じることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2017/0208323号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、2視点3D表示技術や多視点3D表示技術を備えた表示装置は、対象物の所定の視野角の画像を視聴者に提供する。しかしながら、この表示装置では、対象物のビュー間のクロストークという現象により、ぼやけた画像が提供されることがある。そのため、3D画像の品質を向上させる表示装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本開示では、上述の課題を解決するための装置および方法を提供する。
【0006】
表示装置は、複数の参照(基準)パラメータにしたがって複数の入力ビュー番号を生成するビュー生成器と、前記ビュー生成器に結合され、前記複数の入力ビュー番号および少なくとも1つのS字カーブにしたがって複数の出力ビュー番号を生成するビューカーブ修正器と、前記ビューカーブ修正器に結合され、前記複数の出力ビュー番号にしたがって複数の画素の画像データを調整する3次元(3D)画像データサンプリングモジュールと、前記3D画像データサンプリングモジュールに結合され、前記複数の画素および前記画像データにしたがって少なくとも1つの画像を表示する表示モジュールとを備える。
【0007】
3D画像の品質を向上させる方法であって、当該方法は、複数の参照パラメータにしたがって複数の入力ビュー番号を生成するステップと、前記複数の入力ビュー番号および少なくとも1つのS字カーブにしたがって複数の出力ビュー番号を生成するステップと、前記複数の出力ビュー番号にしたがって複数の画素の画像データを調整するステップと、前記複数の画素および前記画像データにしたがって少なくとも1つの画像を表示するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示のこれらおよびその他の目的は、様々な図および図面に示されている実施形態の以下の詳細な説明を読めば、当業者にとって明らかになるに違いない。
【
図1】本開示の一実施例に係る、表示装置の模式図である。
【
図2】本開示の一実施例に係る、元の視聴位置と修正された視聴位置との関係図である。
【
図3】本開示の一実施例に係る、元の視聴位置と修正された視聴位置との関係図である。
【
図4】本開示の一実施例に係る、表示モジュールおよび光変調器の視聴パターンである。
【
図5】本開示の一実施例に係る、元の視聴位置と修正された視聴位置との関係図である。
【
図6】本開示の一実施例に係る、元の視聴位置と修正された視聴位置との関係図である。
【
図7】本開示の一実施例に係る、視聴シナリオの模式図である。
【
図8】本開示の一実施例に係る、表示装置の模式図である。
【
図9】本開示の一実施例に係る、複数の修正係数の模式図である。
【
図10】本開示の一実施例に係る、プロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明および特許請求の範囲では、特定の部品を指す用語が使用される。当業者であれば理解できるように、電子機器メーカは、ある部品を異なる名称で呼ぶ場合がある。本明細書では、名称は異なるが機能が同じである部品を区別することを意図しない。以下の説明および特許請求の範囲では、「含む(include)」、および、「備える(comprise)」という用語は、オープンエンド方式で使用されており、したがって、「含み、これに限定されない」を意味すると解釈されるべきである。
【0010】
図1は、本開示の一実施例に係る、表示装置10の模式図である。表示装置10は、アイトラッキングモジュール100と、コントローラ102と、表示モジュール140と光変調器150とを含む。詳細には、コントローラ102は、画像データを表示モジュール140の複数の画素に割り当てるものであり、アイトラッキングモジュール100と、ビュー生成器110と、ビューカーブ修正器120と、3次元(3D)画像データサンプリングモジュール130とを含む。ビュー生成器110は、複数の参照パラメータを受け取り、当該複数の参照パラメータにしたがって複数の入力ビュー番号を生成する。ビューカーブ修正器120は、ビュー生成器110に結合され、複数の入力ビュー番号を受け取る。ビューカーブ修正器120は、複数の入力ビュー番号、および、少なくとも1つのS字カーブにしたがって、複数の出力ビュー番号を生成する。3D画像データサンプリングモジュール130は、ビューカーブ修正器120に結合され、複数の出力ビュー番号を受け取る。3D画像データサンプリングモジュール130は、複数の出力ビュー番号にしたがって、表示モジュール140の複数の画素の画像データを調整する。表示モジュール140は、3D画像データサンプリングモジュール130に結合され、複数の画素および画像データにしたがって、少なくとも1つの画像を表示する。すなわち、少なくとも1つのS字カーブは、複数の入力ビュー番号と複数の出力ビュー番号との間の関係を記述し、視聴者の視聴位置に対応するビューを修正する。したがって、画像のブレを低減することができる。また、3D画像の品質を向上することができる。
【0011】
一実施例では、複数の参照パラメータは、表示モジュール140の複数の画素の複数の位置を含んでもよい。一実施例では、複数の参照パラメータは、視聴者の目の複数の位置を含んでもよい。さらに、アイトラッキングモジュール100は、ビュー生成器110に結合され、視聴者の目の複数の位置を追跡して、視聴者の右目および左目の位置を推定する。一実施例では、複数の参照パラメータは、光変調器150の少なくとも1つの光学パラメータを含んでもよい。光変調器150は、表示モジュール140に結合され、表示モジュール140の複数の画素の複数の照明方向を変調する。例えば、少なくとも1つの光学パラメータは、光変調器150のピッチ、光変調器150の角度、または、光変調器150のアライメントオフセットを含んでもよい。すなわち、ビュー生成器110は、画素の位置、光変調器150の少なくとも1つの光学パラメータ、および、視聴者の目の複数の位置にしたがって、入力ビュー番号を生成してもよい。
【0012】
一実施例では、少なくとも1つのS字カーブは複数の線分を含み、当該
複数の線分のうち少なくとも1つの線分の少なくとも1つの傾きは、1より小さいか等しい。例えば、複数の線分のうち少なくとも1つの線分の傾きは、0.2から0.4であってもよいが、本明細書ではこれに限定されない。一実施例では、少なくとも1つのS字カーブは複数の線分を含み、当該複数の線分のうち少なくとも2つの線分は同じ傾きを持つ。一実施例では、少なくとも1つのS字カーブは複数の線分を含み、当該複数の線分のうち少なくとも1つの線分の傾きはゼロに等しい。一実施例では、複数の線分の1つまたは複数の組は、直接的または間接的に接続されてもよい。一実施例では、複数の線分の1つまたは複数の組は、垂直方向に距離を置いて水平方向に接続されてもよい。
【0013】
一実施例では、少なくとも1つのS字カーブは複数の平面を含み、当該複数の平面のうち少なくとも2つの平面は同じ法線ベクトルを有する。一実施例では、少なくとも1つのS字カーブは複数の平面を含み、当該複数の平面のうち少なくとも2つの平面は異なる法線ベクトルを有する。一実施例では、複数の平面の1つ以上の組は、直接的または間接的に接続されてもよい。
【0014】
一実施例では、ビューカーブ修正器120は、複数の入力ビュー番号、少なくとも1つのS字カーブ、および、ルックアップテーブルにしたがって、複数の出力ビュー番号を生成する。ルックアップテーブルは、複数の入力ビュー番号と複数の出力ビュー番号との間の関係を提供する。すなわち、ビューカーブ修正器120は、ルックアップテーブルを含んでもよい。一実施例では、ビューカーブ修正器120は、複数の入力ビュー番号、少なくとも1つのS字カーブ、および、関数にしたがって、複数の出力ビュー番号を生成する。関数は、複数の入力ビュー番号と複数の出力ビュー番号との間の関係を提供する。すなわち、ビューカーブ修正器120は、関数を含む計算モジュールであってもよい。一実施例では、ビューカーブ修正器120は、複数の入力ビュー番号、少なくとも1つのS字カーブ、および、複数の平滑化係数にしたがって、複数の出力ビュー番号を生成する。
【0015】
一実施例では、3D画像データサンプリングモジュール130は、複数の画素の対応する3Dデータを(例えば、3Dデータ記憶素子または送信機から)さらに受信してもよく、3Dデータは、ジオメトリデータ、カラーデータ(例えば、色情報)、照明データ(例えば、光源情報)、または、材料データ(例えば、表面散乱特性)の少なくとも1つを含んでもよいが、本明細書ではこれらに限定されない。一実施例では、3D画像データサンプリングモジュール130は、目と目の間の線を定義し、複数の出力ビュー番号を目と目の間の線上の視聴位置に変換する。3D画像データサンプリングモジュール130は、視線位置から複数の画素への光線ベクトルを計算する。そして、3D画像データサンプリングモジュール130は、3Dデータ、および、光線トレーシング3Dコンピュータグラフィック(3DCG)の方法にしたがって、光線ベクトルに沿って3Dデータサンプリングを行うことにより、複数の画素に対応するグレーレベル(例えば、範囲0~255)の値を生成する。すなわち、3D画像データサンプリングモジュール130は、複数の画素の画像データを調整するために、3Dデータ、および、複数の出力ビュー番号にしたがって、グレーレベルの値を生成してもよい。
【0016】
一実施例では、表示モジュール140は、液晶(LCD)表示モジュール、有機発光ダイオード(OLED)表示モジュール、量子発光ダイオード(QLED)表示モジュール、ミニ発光ダイオード(mini-LED)表示モジュール、または、マイクロ発光ダイオード(micro-LED)表示モジュールのうちの少なくとも1つであってもよいが、本明細書ではこれらに限定されない。一実施例では、光変調器150は、レンチキュラーレンズフィルム、液晶(LC)グラディエントインデックス(GRIN)レンズ、パララックスバリア、液晶(LC)パララックスバリア、または、マイクロレンズアレイ(MLA)のうちの少なくとも1つであってもよいが、本明細書ではこれらに限定されない。
【0017】
本開示の修正操作を説明するために、ビューカーブ修正器120は、
図1のビュー生成器110と結合されるように描かれていることに留意すべきである。本開示のいくつかの実施例では、ビューカーブ修正器120は、ビュー生成器110の一部であってもよく、または、ビュー番号を修正するための独立したモジュールであってもよい。ビューカーブ修正器120がビュー生成器110の一部である場合、ビュー生成器110は、ビューカーブ修正器120と同じビュー番号を生成し、すなわち、ビュー生成器110は、複数の出力ビュー番号を直接生成してもよい。
【0018】
一実施例では、表示モジュール140のすべての画素は、複数のパターンブロックに分割されてもよく、当該複数のパターンブロックの1つのパターンブロックは、複数の画素を含む。すなわち、異なるパターンブロックは、入力ビュー番号の異なるグループに対応する。例えば、複数の入力ビュー番号をパターンブロックのサブ画素に独立に割り当てて、目と目が合う視線上の視聴位置から複数の画素のターゲット画素に向けられた光線ベクトルを表示してもよい。
【0019】
図2は、本開示の一実施例に係る、元の視聴位置と修正された視聴位置との関係
図20である。関係
図20は、
図1の複数の入力ビュー番号と複数の出力ビュー番号との間の関係を実現するために利用されてもよい。
図2では、8ビットの場合、元の視聴位置と修正後の視聴位置の範囲は、-128~127である。しかしながら、本開示は8ビットの場合に限定されない。値が「0」の元の視聴位置は、視聴者の目の中心位置として表される。値が「-128」から「-1」までの元の視聴位置は、視聴者の右目の視聴位置として表される。値が「1」から「127」までの元の視聴位置は、視聴者の左目の視聴位置として表される。元の視聴位置は、(例えば、ビューカーブ修正器120によって)修正された視聴位置に並べ替えられ、修正された視聴位置、および、元の視聴位置は、同じであっても異なっていてもよい。
【0020】
修正された後、修正された視聴位置は、元の視聴位置よりも有するビュー(表示)が少なくなる。その後、より少ないビューの画像が表示され、視聴者の目はより少ないビューの画像を同時に見ることになる。このようにして、画像のブレの影響を低減し、3D画像の品質を向上させることができる。また、本開示の表示装置は、目の調節の奥行きの手がかりを視聴者に与え、適合的眼球離反運動の不一致(VAC:vergence accommodation conflict)の問題を回避することができる。
【0021】
図2によれば、元の視聴位置と修正された視聴位置との関係は、S字型の曲線を有している。S字カーブは線分を含み、当該線分は右目用の傾きSP1および左目用の傾きSP2を有する。傾きSP1および傾きSP2は、1より小さく、同じであってもよい。
【0022】
図3は、本開示の一実施例に係る、元の視聴位置と修正された視聴位置との関係
図30である。関係
図30は、
図1の複数の入力ビュー番号と複数の出力ビュー番号との関係を実現するために利用されてもよい。
【0023】
図3によれば、点線の領域302、点線の領域304、および、点線の領域306において、複数の平滑化係数300によって、S字カーブが修正されている。すなわち、複数の平滑化係数300は、S字カーブを平滑化して、滑らかなS字カーブを生成するためのものである。そのため、視聴者の頭が動いても、視聴者は不連続な景色や二重の画像を見ることがない。画像の3D視覚効果が向上される。
【0024】
一実施例では、複数の平滑化係数300は、数式で表されてもよい。すなわち、S字カーブは、数式によってフィルタリングされ、滑らかなS字カーブを生成してもよい。
【0025】
図4は、本開示の一実施例に係る、表示モジュール140および光変調器150の視聴パターン40である。
図4において、表示モジュール140の画素は、視聴者に画像を表示するためのものである。例えば、複数の視聴画素VP1は、光変調器150のレンズ集束領域A1を介して画像を表示する。複数の視聴画素VP2は、光変調器150のレンズ集束領域A2を介して画像を表示する。複数の視聴画素VP3は、光変調器150のレンズ集束領域A3を介して画像を表示する。視聴画素内の複数の×マーク画素XPは、視聴者に望ましくない余分なビューを提供する可能性があるため、画素のぼやけに影響を与えることが留意されるべきである。ビューカーブ修正器120は、×マーク画素XPを、視聴画素VP1、視聴画素VP2、または、視聴画素VP3に再配置することができる。したがって、再配置された×マークピクセルは、望ましい画像を示し、クロストークおよび/または画像のぼやけの現象を低減することができる。
【0026】
図5は、本開示の一実施例に係る、元の視聴位置と修正された視聴位置との関係
図50である。関係
図50は、
図1の複数の入力ビュー番号と複数の出力ビュー番号との間の関係を実現するために利用されてもよい。元の視聴位置は、(例えば、ビューカーブ修正器120によって)修正された視聴位置に再配置される。修正された視聴位置が、視聴者の右目の視聴範囲VR1または視聴者の左目の視聴範囲VR2にある場合、修正された視聴位置と元の視聴位置は同じである。それ以外の場合は、視聴範囲VR1または視聴範囲VR2の中で最も近い修正された視聴位置と同じになる。
【0027】
修正された後、視聴範囲VR1および視聴範囲VR2内の修正された視聴位置は、元の視聴位置のビューと同じビューを有する。視聴範囲VR1および視聴範囲VR2に入っていない場合は、隣接する修正された視聴位置は同じビューを有する。このように、余分なビュー情報を排除することで、クロストーク現象や、画像のぼやけを低減することができる。3D画像の品質を向上させることができる。
【0028】
図5によれば、元の視聴位置と修正された視聴位置との関係は、ダブルS字カーブを有する。ダブルS字カーブは線分を含み、当該線分は傾きSP1および傾きSP2を有する。傾きSP1および傾きSP2は1に等しい。一実施例では、線分は傾きを有し、当該傾きはゼロに等しい。
【0029】
図6は、本開示の一実施例に係る、元の視聴位置と修正された視聴位置との関係
図60である。関係
図60は、
図1の複数の入力ビュー番号と複数の出力ビュー番号との間の関係を実現するために利用されてもよい。元の視聴位置は、(例えば、ビューカーブ修正器120によって)修正された視聴位置に再配置される。修正された視聴位置および元の視聴位置は、同じであっても異なっていてもよい。
【0030】
修正された後、修正された視聴位置は、元の視聴位置よりも有するビュー(表示)が少なくなる。その後、より少ないビューの画像が表示され、視聴者の目はより少ないビューの画像を同時に見ることになる。
【0031】
図6によれば、元の視聴位置と修正された視聴位置との関係は、マルチS字カーブを有する。マルチS字カーブは線分を含み、当該線分は、傾きSP1、傾きSP2、傾きSP3、および、傾きSP4を有する。傾きSP1、傾きSP2、傾きSP3、および、傾きSP4は、1より小さく、同じであってもよい。本開示では、マルチS字カーブの線分が4つの傾きを有することに限定されない。マルチS字カーブの線分は、より少ない、または、より多い傾きを有してもよく、例えば、3つより多い傾きを有してもよいことに留意すべきである。
【0032】
一実施例では、表示装置10は、関係
図60にしたがって、複数の視聴者に画像を提供してもよい。例えば、表示装置10は、第1の視聴者に対して異なる視野角の画像を提供することで、3D視覚効果を生成してもよい。第2の視聴者もまた、第2の視聴者が第1の視聴者に近く、第1の視聴者と同じ目線を共有している場合、画像にしたがって3D視覚効果を感じることができる。
【0033】
図7は、本開示の一実施例に係る、視聴シナリオ70の模式図である。本実施例では、表示モジュール140は、ミニLED表示モジュール、マイクロLED表示モジュール、または、マイクロレンズアレイ(MLA)を有する表示モジュールであってよいが、本明細書ではこれらに限定されない。
図7によれば、表示モジュール140は、光源700およびs-t軸の画素面702を含み、視聴者704によって視聴される。3D画像データサンプリングモジュール130は、アイトラッキングモジュール100によって検出された視聴者704の目の位置にしたがって、目線EL上の視聴者704の目の中心位置VCのパラメータを生成してもよい。3D画像データサンプリングモジュール130は、画素平面に対応するs-t軸の視聴位置平面706のパラメータを生成する。すなわち、ビューカーブ修正器120は、2Dビューカーブ修正器であってもよい。ビューカーブ修正器120は、複数の入力ビュー番号(s,t)を受け取り、複数の出力ビュー番号(s,t)を生成する。
【0034】
一実施例では、s-t軸はx-y軸と等しくてもよい。一実施例では、複数の入力ビュー番号と複数の出力ビュー番号との間の関係は、2DのS字カーブを有し、s-t軸に、視聴者の右目および左目それぞれのための2つの平面を含んでもよい。一実施例では、ビューカーブ修正器120は、複数の入力ビュー番号、2DのS字カーブ、および、2Dルックアップテーブルにしたがって、複数の出力ビュー番号を生成してもよい。すなわち、ビューカーブ修正器120は、2Dルックアップテーブルを含んでもよい。一実施例では、右目用の平面および左目用の平面は、同じ法線ベクトルを有してもよい。
【0035】
図8は、本開示の一実施例に係る、表示装置80の模式図である。表示装置80は、アイトラッキングモジュール100と、コントローラ802と、表示モジュール140と、光変調器150とを含む。コントローラ802は、画像データを表示モジュール140の複数の画素に割り当てるものであり、ビュー生成器110、ビューカーブ修正器120、3D画像データサンプリングモジュール130、および、ブラックデータ挿入モジュール812を含む。詳細には、ブラックデータ挿入モジュール812は、ビュー生成器110および3D画像データサンプリングモジュール130に結合され、ビュー生成器110から複数の入力ビュー番号を受け取る。ブラックデータ挿入モジュール812は、複数の入力ビュー番号にしたがって複数の修正係数を生成し、当該複数の修正係数を3D画像データサンプリングモジュール130に送信する。3D画像データサンプリングモジュール130は、ビューカーブ修正器120によって生成された複数の出力ビュー番号、および、複数の修正係数にしたがって、複数の画素の画像データを調整してもよい。すなわち、表示装置80は、ブラックデータ挿入モジュール812を含み、不連続なビュー遷移領域の光強度を修正する。したがって、クロストークの現象を低減することができる。画像の3D視覚効果を向上させることができる。
【0036】
図9は、本開示の一実施例に係る、複数の修正係数90の模式図である。複数の修正係数90は、
図8のブラックデータ挿入モジュール812によって生成された複数の修正係数を実現するために利用されてもよい。
図9によれば、ビューがアウトサイドビュー(外側のビュー)、または、インサイドビュー(内側のビュー)である場合(例えば、ビューが不連続ビュー遷移領域にある場合)、複数の修正係数90の値は、1よりも小さい。ビューがアウトサイドビュー、または、インサイドビューではない場合(すなわち、ビューが右目の位置または左目の位置に近い領域にある場合)、複数の修正係数90の値は1である。すなわち、視聴者は、アウトサイドビュー、または、インサイドビューに対応する視聴位置において、より暗い画像を見ることになるであろう。
【0037】
一実施例では、挿入領域(例えば、アウトサイドビュー、および、インサイドビューの領域)は、全ビューの領域の10%であってもよい。一実施例では、3D画像データサンプリングモジュール130は、表示モジュール140の複数の画素に対する画像データを調整するために、複数の修正係数90にしたがって、グレーレベルの値を修正してもよい。このようにして、クロストークの現象を低減すること、および/または、二重画像の問題を解決することができる。3D画像の品質を向上することができる。
【0038】
図10は、本開示の一実施例に係る、プロセス1000のフローチャートである。プロセス1000は、表示装置10で利用され、以下のステップを含む。
【0039】
ステップ1002:開始
【0040】
ステップ1004:複数の参照パラメータにしたがって、複数の入力ビュー番号を生成する。
【0041】
ステップ1006:複数の入力ビュー番号、および、少なくとも1つのS字カーブにしたがって、複数の出力ビュー番号を生成する。
【0042】
ステップ1008:複数の出力ビュー番号にしたがって、複数の画素の画像データを調整する。
【0043】
ステップ1010:複数の画素および画像データにしたがって、少なくとも1つの画像を表示する。
【0044】
ステップ1012:終了
【0045】
プロセス1000の詳細な説明および変形は、これまでの説明を参照することができ、本明細書では叙述されない。当業者であれば、上述の説明および実施例に対して、組み合わせ、修正、および/または、変更を容易に行うことができるはずである。
【0046】
上記の例では、「AからBまで」という言葉は、包括的な説明であり、すなわち、AおよびBが含まれる。
【0047】
要約すると、本開示は、3D表示技術を備えた表示装置および方法を提供する。表示装置は、視聴位置に対応するビューを修正する。このようにして、クロストークの現象による画像のぼやけを低減することができる。また、二重画像の問題、および/または、VACの問題を解決することができる。その結果、3D画像の品質を向上させることができる。
【0048】
また、本開示の表示装置が侵害されているかどうかを判断するためには、カメラや特殊な光学測定システムを用いて、問題となっている表示装置の構造や3D画像の性能を分析することになるであろう。カメラの角度や位置を変えて、複数の写真(例えば、連続した画像)を撮影する。その複数の写真を解析することで、視野角ごとに物体のエッジの位置がどのように変化するかを得ることができる。その複数の写真をもとに、問題となっている表示装置が本開示の表示装置を侵害しているかどうかを判断する。
【0049】
当業者であれば、本開示の教示を維持しながら、装置および方法の多数の修正及び変更を行うことができることを容易に理解するであろう。したがって、上記の開示は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0050】
10 表示装置
100 アイトラッキングモジュール
102 コントローラ
110 ビュー生成器
120 ビューカーブ修正器
130 3D画像データサンプリングモジュール
140 表示モジュール
150 光変調器
80 表示装置
802 コントローラ
812 ブラックデータ挿入モジュール