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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128585
(43)【公開日】2022-09-02
(54)【発明の名称】製氷機
(51)【国際特許分類】
   F25C 1/00 20060101AFI20220826BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20220826BHJP
【FI】
F25C1/00 301Z
F25B1/00 396G
F25B1/00 381D
【審査請求】未請求
【請求項の数】38
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022016541
(22)【出願日】2022-02-04
(31)【優先権主張番号】63/152,363
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】522044777
【氏名又は名称】トゥルー マニュファクチャリング カンパニー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】True Manufacturing Company, Inc.
【住所又は居所原語表記】2001 E Terra Lane, O’Fallon, MO 63366 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002745
【氏名又は名称】弁理士法人河崎特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナット, ケヴィン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】氷生成装置内の水を冷却して氷にするタスク専用の冷凍システムを含むタイプの専用製氷装置に関する。
【解決手段】製氷機の制御システムは、吸込ライン上の低圧側圧力変換器203と、吐出ライン上の高圧側圧力変換器207とを備える。製氷機の冷凍システムは、気密封止されていて、保守点検ゲージ用の圧力タップを備えない。製氷機は、吸込または吐出圧力のリアルタイム表示を表示できる。製氷機は、ある期間にわたって吸込および吐出圧力の履歴を記憶でき、吸込および吐出圧力の時系列データを表示部に表示できる。製氷機は、吐出圧力に基づいて、凝縮器ファンを切り替えられる。付加的な高圧スイッチは、制御器または変換器から独立して圧縮機を停止させられる。プルダウン作業の間、製氷機は、吸込圧力が閾値を下回るまで、氷生成装置へ水を供給しない。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
氷を生成するための氷生成装置と、
前記氷生成装置に水を供給するように構成された水システムと、
圧縮機と、凝縮器と、蒸発器と、熱膨張装置と、前記圧縮機、前記凝縮器、前記蒸発器、および前記熱膨張装置を接続する冷媒流路と、を有し、前記蒸発器は、前記水システムによって供給された水の少なくとも一部から氷を生成するために前記氷生成装置を冷却するように前記氷生成装置と熱的に結合された、冷凍システムと、
前記氷生成装置で氷を生成するために前記冷凍システムおよび前記水システムを制御するように構成された制御システムと、
を備え、
前記制御システムは、制御器と、前記冷媒流路における前記圧縮機の上流に流体的に接続された低圧側圧力変換器と、前記冷媒流路における前記圧縮機の下流に流体的に接続された高圧側圧力変換器と、を有し、
前記低圧側圧力変換器は、前記冷凍システムの吸込圧力を示す信号を前記制御器へ出力するように構成され、
前記高圧側圧力変換器は、前記冷凍システムの吐出圧力を示す信号を前記制御器へ出力するように構成され、
前記冷凍システムは、気密封止されていて、保守点検用の圧力ゲージを前記冷媒流路に流体的に接続するための圧力タップを有しない、製氷機。
【請求項2】
前記冷凍システムは、天然ガス冷媒が充填されている、請求項1に記載の製氷機。
【請求項3】
前記天然ガス冷媒は、R290である、請求項2に記載の製氷機。
【請求項4】
前記天然ガス冷媒の総充填量は、150g未満である、請求項2に記載の製氷機。
【請求項5】
前記制御システムは、前記制御器に接続された表示部をさらに有し、
前記制御器は、前記表示部に、前記低圧側圧力変換器および前記高圧側圧力変換器からの信号出力に基づいて、前記吸込圧力および前記吐出圧力の各々のリアルタイム表示を選択的に表示させるように構成される、請求項1に記載の製氷機。
【請求項6】
前記表示部は、前記製氷機に取り付けられたローカル表示部を有する、請求項5に記載の製氷機。
【請求項7】
前記制御器は、前記表示部に、前記圧縮機の概略図と、前記蒸発器の概略図と、前記凝縮器の概略図とを含む前記冷凍システムの概略図を選択的に表示させると共に、前記蒸発器の概略図と前記圧縮機の概略図との間の位置に前記吸込圧力のリアルタイム表示を表示させかつ前記圧縮機の概略図と前記凝縮器の概略図との間の位置に前記吐出圧力のリアルタイム表示を表示させるように構成される、請求項5に記載の製氷機。
【請求項8】
前記制御システムは、前記蒸発器の温度を示す信号を前記制御器へ出力するように構成された蒸発器温度センサをさらに有し、
前記制御器は、前記蒸発器温度センサからの信号出力に基づいて、前記蒸発器の概略図の近くに前記蒸発器の温度のリアルタイム表示を表示するように構成される、請求項7に記載の製氷機。
【請求項9】
前記制御器は、前記表示部に、前記冷凍システムの概略図の近くに前記水システムの概略図を表示させるように構成される、請求項7に記載の製氷機。
【請求項10】
前記制御システムは、前記水システムに対応付けられ、それぞれが水温度を示す信号を前記制御器へ出力するように構成された1つ以上の温度センサを有し、
前記制御器は、前記水システムの概略図の近くに、前記1つ以上の温度センサの各々からの信号出力に基づいて各水温度のリアルタイム表示を表示するように構成される、請求項9に記載の製氷機。
【請求項11】
前記制御システムは、ネットワークインタフェースを有し、
前記制御器は、前記高圧側圧力変換器および前記低圧側圧力変換器からの信号出力に基づいて、前記低圧側圧力および前記高圧側圧力の各々の指標を、前記ネットワークインタフェースを介して遠隔装置に送るように構成される、請求項1に記載の製氷機。
【請求項12】
前記高圧側圧力変換器および前記低圧側圧力変換器の各々は、T継手によって前記冷媒流路に接続される、請求項1に記載の製氷機。
【請求項13】
前記冷媒流路は、銅配管を有し、
前記T継手は、ろう接T継手を含む、請求項12に記載の製氷機。
【請求項14】
前記高圧側圧力変換器および前記低圧側圧力変換器の各々は、ろう接継手によって前記冷媒流路に接続される、請求項1に記載の製氷機。
【請求項15】
前記制御器は、前記低圧側圧力変換器からの信号出力に基づいて、前記氷生成装置に水を供給するために前記水システムを動作させる、請求項1に記載の製氷機。
【請求項16】
前記冷凍システムは、凝縮器ファンを有し、
前記制御器は、前記高圧側圧力変換器からの信号出力に基づいて、前記凝縮器ファンを切り替えるように構成される、請求項1に記載の製氷機。
【請求項17】
前記制御器は、前記高圧側圧力変換器からの信号出力に基づいて、前記吐出圧力が下降しているか上昇しているかを判定するように構成される、請求項16に記載の製氷機。
【請求項18】
前記制御器は、前記高圧側圧力が上昇していると判定されるか下降していると判定されるかに応じて、異なる態様で前記凝縮器ファンを調節するように構成される、請求項17に記載の製氷機。
【請求項19】
前記制御器は、前記高圧側圧力変換器からの信号出力に基づいて、前記凝縮器ファンの速度を選択的に調節するように構成される、請求項16に記載の製氷機。
【請求項20】
前記制御器は、前記高圧側圧力変換器からの信号出力に基づいて、高速度、通常速度、およびオフ状態の間で前記ファンを選択的に調節するように構成される、請求項19に記載の製氷機。
【請求項21】
前記冷媒流路における前記圧縮機の下流に流体的に接続される高圧スイッチをさらに備える、請求項1に記載の製氷機。
【請求項22】
前記制御器は、前記高圧側圧力変換器からの信号出力が、高圧側圧力が吐出圧力に対する所定のアラーム閾値を上回っていることを示す場合に、アラームを作動させるように構成される、請求項21に記載の製氷機。
【請求項23】
前記高圧スイッチは、前記高圧側圧力が、吐出圧力に対する前記所定のアラーム閾値よりも大きい安全閾値を超えた場合に、前記圧縮機を停止するように構成される、請求項22に記載の製氷機。
【請求項24】
前記高圧スイッチは、前記制御器から独立して前記圧縮機を停止するように構成される、請求項23に記載の製氷機。
【請求項25】
前記制御器は、前記低圧側圧力変換器および前記高圧側圧力変換器の出力の履歴をメモリに格納するように構成される、請求項1に記載の製氷機。
【請求項26】
前記制御器は、表示部に接続するように構成されると共に、前記表示部に、前記低圧側圧力変換器および前記高圧側圧力変換器の少なくとも一方の出力の履歴を、ある期間にわたって選択的に表示させるように構成される、請求項25に記載の製氷機。
【請求項27】
製氷機の保守点検を行う方法であって、
前記製氷機に接続された表示部に、前記製氷機の気密封止された冷凍システムに接続された圧力変換器からの信号出力に基づく吸込圧力および吐出圧力の一方の指標を表示させる表示工程と、
前記製氷機の制御器により、前記表示部に入力されて前記制御器が受けたユーザ入力に応じて自動メンテナンス作業を実行する実行工程であって、前記ユーザ入力は、前記制御器に、表示された前記吸込圧力および前記吐出圧力の一方に基づいてなされる診断に対処するように前記自動メンテナンス作業を実行するよう指示する、実行工程と、
を備える、方法。
【請求項28】
前記表示部は、前記製氷機に取り付けられている、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記表示部は、モバイル装置に備えられる、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
着脱可能な圧力ゲージ群を、テスト工程において前記製氷機に接続しない、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
全テスト工程にわたって、前記製氷機の冷凍システムから冷媒を漏らさない、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記吸込圧力および前記吐出圧力の一方の前記指標は、メモリに格納された前記吸込圧力および前記吐出圧力の前記一方の履歴の指標である、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記吸込圧力および前記吐出圧力の一方の前記指標は、リアルタイムの圧力測定値の指標である、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
氷を生成するための氷生成装置と、
前記氷生成装置に水を供給するように構成された水システムと、
圧縮機と、凝縮器ファンを含む凝縮器と、蒸発器と、熱膨張装置と、前記圧縮機、前記凝縮器、前記蒸発器、および前記熱膨張装置を接続する冷媒流路と、を有し、前記蒸発器は、前記水システムによって供給された水の少なくとも一部から氷を生成するために前記氷生成装置を冷却するように前記氷生成装置と熱的に結合された、冷凍システムと、
前記氷生成装置で氷を生成するために前記冷凍システムおよび前記水システムを制御するように構成された制御システムと、
を備え、
前記制御システムは、制御器と、前記冷媒流路における前記圧縮機の下流に流体的に接続された高圧側圧力変換器と、を有し、
前記高圧側圧力変換器は、前記圧縮機の下流の吐出圧力を示す信号を前記制御器へ出力するように構成され、
前記制御器は、前記高圧側圧力変換器の出力に基づいて、前記凝縮器ファンを切り替えるように構成される、製氷機。
【請求項35】
氷を生成するための氷生成装置と、
前記氷生成装置に水を供給するように構成された水システムと、
圧縮機と、凝縮器ファンを含む凝縮器と、蒸発器と、熱膨張装置と、前記圧縮機、前記凝縮器、前記蒸発器、および前記熱膨張装置を接続する冷媒流路と、を有し、前記蒸発器は、前記水システムによって供給された水の少なくとも一部から氷を生成するために前記氷生成装置を冷却するように前記氷生成装置と熱的に結合された、冷凍システムと、
前記氷生成装置で氷を生成するために前記冷凍システムおよび前記水システムを制御するように構成された制御システムと、
を備え、
前記制御システムは、制御器と、前記冷媒流路における前記圧縮機の下流に流体的に接続された高圧側圧力変換器と、を有し、
前記高圧側圧力変換器は、前記圧縮機の下流の吐出圧力を示す信号を前記制御器へ出力するように構成され、
前記冷媒流路における前記圧縮機の下流に前記高圧側圧力変換器と離間して流体的に接続された高圧スイッチをさらに備え、
前記高圧スイッチは、前記制御器から独立して前記圧縮機を停止するように構成される、製氷機。
【請求項36】
氷を生成するための氷生成装置と、
前記氷生成装置に水を供給するように構成された水システムと、
圧縮機と、凝縮器ファンを含む凝縮器と、蒸発器と、熱膨張装置と、前記圧縮機、前記凝縮器、前記蒸発器、および前記熱膨張装置を接続する冷媒流路と、を有し、前記蒸発器は、前記水システムによって供給された水の少なくとも一部から氷を生成するために前記氷生成装置を冷却するように前記氷生成装置と熱的に結合された、冷凍システムと、
前記氷生成装置で氷を生成するために前記冷凍システムおよび前記水システムを制御するように構成された制御システムと、
を備え、
前記制御システムは、制御器と、前記冷媒流路における前記圧縮機の上流に流体的に接続された低圧側圧力変換器と、を有し、
前記低圧側圧力変換器は、前記圧縮機の上流の吸込圧力を示す信号を前記制御器へ出力するように構成され、
前記制御器は、前記冷凍システムを起動し、前記低圧側圧力変換器からの信号出力により前記吸込圧力が閾値を下回っていることが示されるまで、前記氷生成装置に水を供給するのに前記水システムを使用するのを控え、前記低圧側圧力変換器からの信号により前記吸込圧力が前記閾値を下回っていることが示された後に、前記水システムを駆動して前記氷生成装置に水を供給するプルダウン作業を指示するように構成される、製氷機。
【請求項37】
製氷機を使用する方法であって、
前記製氷機を動作させて氷を作る工程と、
前記製氷機を動作させて氷を作りながら、吸込ライン圧力を示す低圧側圧力変換器からの信号、および吐出ライン圧力を示す高圧側圧力変換器からの信号の少なくとも一方を出力する工程と、
前記低圧側圧力変換器からの信号および前記高圧側圧力変換器からの信号の少なくとも一方に基づいて、前記吸込ライン圧力および前記吐出ライン圧力の少なくとも一方の履歴を、ある期間にわたってメモリに格納する工程と、
前記メモリに格納された履歴に基づいて、前記ある期間にわたる前記吸込ライン圧力および前記吐出ライン圧力の少なくとも一方の指標を表示する工程と、
を備える、方法。
【請求項38】
前記ある期間は、24時間以上である、請求項37に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年2月23日に出願した、「製氷機」と題した米国特許仮出願第63/152,363号の利益を主張するものであり、この米国特許仮出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、氷生成装置内の水を冷却して氷にするタスク専用の冷凍システムを含むタイプの専用製氷装置に関する。
【背景技術】
【0003】
様々なタイプの専用製氷機が、業務的および家庭的に広く使用されている。他の品物を凍った状態に維持するために同時利用される冷凍室の内部の水を冷却する冷凍庫設置式の製氷機に対して、専用製氷機は、氷生成装置内の水を冷却して氷を作るタスク専用の冷凍システムを備える。一般的なタイプの専用製氷機には、縦向きの冷凍プレートの表面に沿って水を流す水分配器を具備する流下バッチ製氷機と、横向きの冷凍プレート内の下方に開口した氷型に向かって上向きに水を噴霧する縦型スプレー製氷機と、筒状チューブの内部で水を冷却して氷を作るナゲット製氷機であって、当該チューブ内で作られた氷の塊を押し出すオーガが当該チューブに収容されたナゲット製氷機とが含まれる。
【発明の概要】
【0004】
ある局面において、製氷機は、氷を生成するための氷生成装置を備える。水システムは、氷生成装置に水を供給するように構成される。冷凍システムは、圧縮機と、凝縮器と、蒸発器と、熱膨張装置と、圧縮機、凝縮器、蒸発器、および熱膨張装置を接続する冷媒流路と、を有する。蒸発器は、水システムによって供給された水の少なくとも一部から氷を生成するために氷生成装置を冷却するように氷生成装置と熱的に結合される。制御システムは、氷生成装置で氷を生成するために冷凍システムおよび水システムを制御するように構成される。制御システムは、制御器と、冷媒流路における圧縮機の上流に流体的に接続された低圧側圧力変換器と、冷媒流路における圧縮機の下流に流体的に接続された高圧側圧力変換器と、を有する。低圧側圧力変換器は、冷凍システムの吸込圧力を示す信号を制御器へ出力するように構成され、高圧側圧力変換器は、冷凍システムの吐出圧力を示す信号を制御器へ出力するように構成される。冷凍システムは、気密封止されていて、保守点検用の圧力ゲージを冷媒流路に流体的に接続するための圧力タップを有しない。
【0005】
別の局面において、製氷機の保守点検を行う方法は、製氷機に接続された表示部に、吸込圧力および吐出圧力の一方の指標を表示させる表示工程を備える。吸込圧力および吐出圧力の一方の当該表示は、製氷機の気密封止された冷凍システムに接続された圧力変換器からの信号出力に基づく。製氷機の制御器は、表示部に入力されて制御器が受けたユーザ入力に応じて自動メンテナンス作業を実行する。ユーザ入力は、制御器に、表示された吸込圧力および吐出圧力の一方に基づいてなされる診断に対処するように自動メンテナンス作業を実行するよう指示する。
【0006】
別の局面において、製氷機は、氷を生成するための氷生成装置を備える。水システムは、氷生成装置に水を供給するように構成される。冷凍システムは、圧縮機と、凝縮器ファンを含む凝縮器と、蒸発器と、熱膨張装置と、圧縮機、凝縮器、蒸発器、および熱膨張装置を接続する冷媒流路と、を有し、蒸発器は、水システムによって供給された水の少なくとも一部から氷を生成するために氷生成装置を冷却するように氷生成装置と熱的に結合される。制御システムは、氷生成装置で氷を生成するために冷凍システムおよび水システムを制御するように構成される。制御システムは、制御器と、冷媒流路における圧縮機の下流に流体的に接続された高圧側圧力変換器と、を有する。高圧側圧力変換器は、圧縮機の下流の吐出圧力を示す信号を制御器へ出力するように構成される。制御器は、高圧側圧力変換器の出力に基づいて、凝縮器ファンを切り替えるように構成される。
【0007】
別の局面において、製氷機は、氷を生成するための氷生成装置を備える。水システムは、氷生成装置に水を供給するように構成される。冷凍システムは、圧縮機と、凝縮器ファンを含む凝縮器と、蒸発器と、熱膨張装置と、圧縮機、凝縮器、蒸発器、および熱膨張装置を接続する冷媒流路と、を有する。蒸発器は、水システムによって供給された水の少なくとも一部から氷を生成するために氷生成装置を冷却するように氷生成装置と熱的に結合される。制御システムは、氷生成装置で氷を生成するために冷凍システムおよび水システムを制御するように構成される。制御システムは、制御器と、冷媒流路における圧縮機の下流に流体的に接続された高圧側圧力変換器と、を有する。高圧側圧力変換器は、圧縮機の下流の吐出圧力を示す信号を制御器へ出力するように構成される。高圧スイッチは、冷媒流路における圧縮機の下流に高圧側圧力変換器と離間して流体的に接続される。高圧スイッチは、制御器から独立して圧縮機を停止するように構成される。
【0008】
別の局面において、製氷機は、氷を生成するための氷生成装置を備える。水システムは、氷生成装置に水を供給するように構成される。冷凍システムは、圧縮機と、凝縮器ファンを含む凝縮器と、蒸発器と、熱膨張装置と、圧縮機、凝縮器、蒸発器、および熱膨張装置を接続する冷媒流路と、を有する。蒸発器は、水システムによって供給された水の少なくとも一部から氷を生成するために氷生成装置を冷却するように氷生成装置と熱的に結合される。制御システムは、氷生成装置で氷を生成するために冷凍システムおよび水システムを制御するように構成される。制御システムは、制御器と、冷媒流路における圧縮機の上流に流体的に接続された低圧側圧力変換器と、を有する。低圧側圧力変換器は、圧縮機の上流の吸込圧力を示す信号を制御器へ出力するように構成される。制御器は、冷凍システムを起動し、低圧側圧力変換器からの信号出力により吸込圧力が閾値を下回っていることが示されるまで、氷生成装置に水を供給するのに水システムを使用するのを控え、低圧側圧力変換器からの信号により吸込圧力が閾値を下回っていることが示された後に、水システムを駆動して氷生成装置に水を供給するプルダウン作業を指示するように構成される。
【0009】
別の局面において、製氷機を使用する方法は、製氷機を動作させて氷を作る工程を備える。製氷機を動作させて氷を作りながら、吸込ライン圧力を示す低圧側圧力変換器からの信号、および吐出ライン圧力を示す高圧側圧力変換器からの信号の少なくとも一方を出力する。低圧側圧力変換器からの信号および高圧側圧力変換器からの信号の少なくとも一方に基づいて、吸込ライン圧力および吐出ライン圧力の少なくとも一方の履歴を、ある期間にわたってメモリに格納する。メモリに格納された履歴に基づいて、ある期間にわたる吸込ライン圧力および吐出ライン圧力の少なくとも一方の指標を表示する。
【0010】
その他の局面は、以下において、部分的に明らかになると共に部分的に示されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、製氷機の概略図である。
図2図2は、製氷機の制御システムの概略ブロック図である。
図3図3は、サービスアクセスパネルが取り外された製氷機の背面斜視図である。
図4図4は、頂壁が取り外された製氷機の上面斜視図である。
図5図5は、製氷機の圧力変換器の拡大図である。
図6図6は、製氷機によって実行されるプルダウン方法の工程や判定点を説明するためのフローチャートである。
図7図7は、図6のプルダウン方法の充填ルーチンの工程や判定点を説明するためのフローチャートである。
図8図8は、製氷機によって実行されるファン切替方法の工程や判定点を説明するためのフローチャートである。
図9図9は、製氷機の製氷機ステータス表示スクリーンのスクリーンショットである。
図10図10は、製氷機の過去動作パラメータ表示スクリーンのスクリーンショットである。
図11図11は、製氷機の凝縮器ファンの切替方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
各図を通して、同様の参照符号は同様の要素を示す。
【0013】
図1には、例示的な実施形態の製氷機が、参照番号103で示されている。本開示は、他の品物を凍った状態に維持するために同時利用される冷凍室の内部の水を冷却する冷凍庫設置式の製氷機ではなく、専用製氷機に関する。本開示に含まれる製氷機は、広くは、水から氷片が生成され得る氷生成装置と、氷生成装置に水を供給するための水システムと、氷生成装置に存在する液体の水の少なくとも一部が凍って氷になる温度まで氷生成装置を直接的に冷却するように構成される冷凍システムとを備える。図示の実施形態では、製氷機は、氷生成装置を構成する概ね縦向きの冷凍プレート110を備えるタイプのバッチ製氷機である。ナゲット製氷機や縦型スプレー製氷機などの他のタイプの製氷機も、本開示の範囲に含まれる。ナゲット製氷機において典型的な氷生成装置は、オーガ内に配置された冷却シリンダであり、縦型スプレー製氷機において典型的な氷生成装置は、縦向きに噴霧された水を受けるための下方に開口する製氷型を有しかつ当該型内で水が氷になる横向きの冷凍プレートである。
【0014】
製氷機103の冷凍システムは、圧縮機112と、排熱用熱交換器114と、冷媒の温度および圧力を下げるための冷媒膨張装置118と、冷凍プレート110の背面に沿った蒸発器120と、ホットガス弁124とを備える。圧縮機112は、定速圧縮機または広範囲の動作制御性を提供する可変速圧縮機であってもよい。図示のように、排熱用熱交換器114は、圧縮機112から吐出された圧縮冷媒を凝縮させるための凝縮器を備えてもよい。別の実施形態、例えば超臨界の排熱を伴う二酸化炭素冷媒を用いる冷凍システムでは、排熱用熱交換器は、冷媒を凝縮させることなく冷媒から熱を奪うことが可能である。ホットガス弁124は、氷が所望の厚みに達した場合に、圧縮機114からの温かい冷媒を蒸発器120に直接的に導いて、冷凍プレート110から角氷を取り除くか取り出すかするために、選択的に開かれる。
【0015】
冷媒膨張装置118は、キャピラリチューブ、サーモスタット膨張弁、または電子膨張弁など、任意の適当なタイプのものであってもよい。特定の実施形態では、冷媒膨張装置118がサーモスタット弁または電子膨張弁で構成され、製氷機110は、冷媒膨張装置118を制御するために蒸発器120の出口に配置された温度センサ126を備えてもよい。別の実施形態では、冷媒膨張装置118が電子膨張弁で構成され、製氷機110は、当該分野で公知の態様で冷媒膨張装置118を制御するために蒸発器120の出口に配置された圧力変換器(図示せず)を備えてもよい。図示の実施形態では、凝縮器114にガス状冷却媒体を吹き流すための凝縮器ファン115が配置される。例示的な実施形態では、凝縮器ファン115は、少なくとも通常速度および高速度を含む複数の速度設定を有する可変速ファンである。圧縮機112は、冷媒ラインを介して、凝縮器114、膨張装置118、蒸発器120、およびホットガス弁124にある形態の冷媒を循環させる。
【0016】
図示の実施形態では、冷凍システムは、さらに、圧縮機の下流の冷媒配管に(圧縮機の高圧側または吐出ラインに)流体的に接続された高圧スイッチ199を備える。当業者であれば、特定の閾値圧力で高圧スイッチが作動し(例えば、開状態から閉状態へ、あるいは閉状態から開状態へ切り替わり)、それにより回路接続が形成または切断されることがわかるだろう。従来の製氷機は、圧縮機の吐出ラインに2つの高圧スイッチを備えることがある。このようなタイプの従来の製氷機では、第1圧力スイッチは、凝縮器ファンモータを作動させるのに必要とされる最小閾値圧力で作動する。また、第2高圧スイッチは、危険な圧力条件が生じた際に装置を停止するための安全装置として使用される。図示の製氷機103では、1つのみの高圧スイッチ199が備えられ、この高圧スイッチ199は、吐出圧力が安全閾値を超えた場合に圧縮機112を停止するように構成される。以下で明らかになる理由から、図示の製氷機103には、圧縮機ファンモータを作動させるための吐出ライン上の圧力スイッチは存在しない。換言すると、冷凍システムは、安全のための(好ましくはUL定格の)高圧スイッチを1つしか備えない。
【0017】
なお図1に示すように、図示の製氷機10の水システムは、サンプ130と、水ポンプ132と、水ライン134(広くは、流路)と、水位センサ136とを備える。水ポンプ132は、定速ポンプまたは広範囲の制御性を提供する可変速ポンプであってもよい。製氷機103の水システムは、さらに、水源(例えば、都市用水設備)からの水でサンプ130を満たすための給水ライン138および入水弁140を備える。図示の水システムは、さらに、サンプ130から水を排出するための排水ライン142(排水流路または排出ラインともいう。)と、これに設けられ、サンプ130から水を排出するための排水弁144(例えば、パージ弁、排水弁、広くはパージ装置)とを備える。サンプ130は、冷凍プレートから落ちる水を捕捉するために冷凍プレート110の下方に配置されてもよく、これにより冷凍プレートから落ちる比較的冷たい水が水ポンプ132によって再循環され得る。水ライン134は、冷凍プレートの上の水分配器146に水ポンプ132を流体的に接続する。氷バッチ生成サイクル中、ポンプ132は、水ライン134および分配器146を介して水を汲み上げるように構成される。分配器は、当該分配器146に与えられた水を冷凍プレート110の表面に満遍なく分配するように構成され、それにより冷凍プレートに沿って水が下方に流れ、凍らなかった水は冷凍プレートの底部からサンプ130内へ流れ落ちる。
【0018】
例示的な実施形態では、水位センサ136は、遠隔気圧変換器148を備える。しかしながら、フロートセンサ、音響センサ、または電気導通センサなど任意のタイプの水位センサが製氷機103において使用されてもよい。図示の水位センサ136は、当該センサをサンプ130に結合するように構成された継ぎ手150を備える。継ぎ手150は、気送管152に流体的に接続される。気送管152は、継ぎ手150と気圧変換器148とを流体的に接続する。サンプ130内の水は、継ぎ手150内の空気を捕捉し、サンプ内の水位に伴って変化する量によって当該空気を圧縮する。よって、サンプ130内の水位は、気圧変換器148が検出する圧力を用いて求めることができる。遠隔気圧変換器を備える水位センサの例示的な実施形態のさらなる詳細については、米国特許出願公開第2016/0054043号明細書に開示されており、当該明細書は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0019】
図1および図2に示すように、製氷機103は、制御器160(例えば、「ローカル制御器」または「装置制御器」)を備える。制御器160は、製氷機103の動作を制御するための、例えば冷凍システムおよび水システムの少なくとも一方を制御するための少なくとも1つの演算装置162を備える。制御器160の演算装置162は、当該演算装置に処理を実行させるための命令を示すコードを記憶する非一時的な演算装置読み取り可能媒体を備えてもよい。演算装置162は、例えば、1つ以上の特定機能を実現するように、または1つ以上の特定の装置やアプリを使用可能にするように設計された、市販のマイクロプロセッサ、エーシック(ASIC)、または組合せASICであってもよい。特定の実施形態では、制御器160は、アナログもしくはデジタル回路、または複数回路の組合せであってもよい。また、制御器160は、制御器が読み出し可能な形式でデータを記憶する1つ以上のメモリ要素164(図2)を備えてもよい。制御器160は、1つ以上のメモリ要素にデータを格納し、またはこれからデータを読み出してもよい。
【0020】
図3に示すように、様々な実施形態において、制御器160は、製氷機103の様々な構成要素と通信し、および/または当該構成要素を制御するための入出力(I/O)要素を備えてもよい。特定の実施形態では、制御器160は、例えば1つ以上の指示、信号、メッセージ、命令、データ、および/または任意の他の情報などの入力を、水位センサ136から、氷の回収時期を特定するための回収センサ166から、電力源(図示せず)から、製氷機103の下のビン(図示せず)における氷位を検出するための氷位センサ140から、および/または、圧力変換器、温度センサ、音響センサなどを含む種々のセンサやスイッチから受け取ってもよい。とりわけ、図示の制御システムは、詳しくは後述するように、圧縮機112の上流および下流の冷媒圧力(例えば、吸込ラインおよび吐出ラインの各々のライン圧力)を示す(アナログ)信号を制御器160へ出力するように構成された組込式の低圧側圧力変換器203および高圧側圧力変換器205を備える。また、図示の制御システムは、蒸発器120の温度を示す信号を出力するように構成された蒸発器温度センサ223と、製氷機103内の空気の温度を示す信号を出力するように構成された空気温度センサ225と、製氷機に供給される水の温度を示す信号を出力するように構成された水入口温度センサ227と、サンプ130内の水の温度を示す信号を出力するように構成されたサンプ温度センサ229とを備える。
【0021】
様々な実施形態では、上述の入力やメモリ要素164に格納された所定の制御指令に基づいて、制御器160は、圧縮機112、凝縮器ファン115、冷媒膨張装置118、ホットガス弁124、入水弁140、排水弁144、および/または水ポンプ132などの制御可能な出力要素に制御信号を送ることにより、製氷機103を制御する。そのような制御信号は、そのような要素に対する1つ以上の指示、信号、メッセージ、命令、データ、および/または任意の他の情報を含んでもよい。
【0022】
制御システムは、さらに、装置103を、遠隔装置サーバ191と通信するためのクライアントサーバネットワーク190に接続するように構成されたネットワークインタフェース170を備える。換言すると、ネットワークインタフェース170は、製氷機103のローカル制御器160と遠隔資産サーバ191(広くは、遠隔装置)との間の通信を提供するように構成される。装置のための資産管理システムにおいて使用される通信アーキテクチャの例示的な実施形態は、米国特許第9,863,694号により詳しく記載されており、この米国特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。図示のネットワークインタフェース170は、セルラー式データ送受信装置またはWi-Fi送受信装置などのワイヤレス送受信装置を備える。別タイプのネットワークインタフェース(例えば、有線のインターネットポートなど)も、本開示の範囲を逸脱することなく使用可能である。1つ以上の実施形態において、ネットワークインタフェース170は、広くは、製氷機103から遠隔サーバ191へ動作データを渡すと共に、当該サーバから製氷機へ命令を渡すように構成される。図示の実施形態では、遠隔サーバ191は、1つ以上のウェブ接続されたモバイル装置(広くは、遠隔装置)、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、またはラップトップコンピュータと(例えば、インターネットを介して)通信するように構成される。
【0023】
好適には、ユーザは、モバイル装置193において、遠隔サーバ191およびネットワーク190を介した製氷機103との通信を可能とするソフトウェアアプリケーションを実行できる。例えば、詳しくは後述するように、モバイル装置193は、製氷機103から遠隔サーバ191に、そして遠隔サーバからユーザ装置に送られたリアルタイムの動作データを表示してもよい。また、モバイル装置193は、遠隔サーバ191から送られた動作データの履歴を表示するように構成されてもよい。1つ以上の実施形態において、動作データの履歴は、ユーザ装置による要求に応じて製氷機103から遠隔サーバ191へ送られる。特定の実施形態では、遠隔サーバ191は、製氷機103から送られたリアルタイム動作データの履歴を、当該データのために製氷機103を照会することなく要求に応じてモバイル装置193に提供できるよう、当該履歴を記憶するように構成されてもよい。
【0024】
上述したように、図示の製氷機103は、冷媒流路の吸込ライン(圧縮機112の上流かつ蒸発器120の下流)に流体的に接続された低圧側圧力変換器203と、冷媒流路の吐出ライン(圧縮機の下流かつ凝縮器114の上流)に流体的に接続された高圧側圧力変換器205とを備える。低圧側圧力変換器203は、吸入圧力(広くは、低圧側圧力)を示す信号(例えば、アナログ信号)を制御器160へ出力するように構成される。同様に、高圧側圧力変換器205は、吐出圧力(広くは、高圧側圧力)を示す信号(例えば、アナログ信号)を制御器160へ出力するように構成される。
【0025】
本明細書において、「圧力変換器」は、それがライン圧力の段階的な変化に応じて段階的に変化する圧力を示す信号を生成する点で「圧力スイッチ」とは区別される。すなわち、圧力変換器は、圧力範囲を有し、圧力範囲の全体にわたりライン圧力に伴って変化するアナログ信号を出力するように構成される。そのため、例えば、1つ以上の実施形態において、圧力変換器は、ライン圧力Pの関数として変化する電圧X(広くは、出力信号指標)を出力し、電圧Xは、ライン圧力に比例または逆比例してもよい。一の実施形態では、圧力変換器は、ライン圧力P1で、電圧X1の電気信号を出力し、ライン圧力P2で、電圧X2の電気信号を出力し、ライン圧力P3で、電圧X3の電気信号を出力し、ライン圧力P4で、電圧X4の電気信号を出力し、ライン圧力P5で、電圧X5の電気信号を出力するように構成されてもよい。ここで、P1<P2<P3<P4<P5のとき、X1<X2<X3<X4<X5である。よって、本開示に含まれる「圧力変換器」は、これまでの製氷機で使用される従来の圧力スイッチから区別される。
【0026】
図示の圧力変換器203,205は、冷凍システムに予め組み込まれた固定的な構成要素であって、サービスコール中に診断テストの目的で冷凍システムに一時的に結合される計器(ゲージ)ではない。例示的な実施形態では、各圧力変換器203,205は、気密態様で冷凍システムに内蔵される。よって、1つ以上の実施形態において、製氷機103の冷凍システムは、全体的に気密状である。そのような気密状の冷凍システムは、保守点検用の圧力ゲージを冷媒流路に流体的に接続するための任意の圧力タップを備えない。
【0027】
1つ以上の実施形態において、気密封止された冷凍システムは、天然ガス冷媒が充填される。例示的な実施形態では、冷媒は、R290である。特定の実施形態では、天然ガス冷媒の総充填量は、150g未満である。その他のタイプの冷媒および冷媒充填レベルも、本開示の範囲を逸脱することなく採用可能である。
【0028】
図3図5に示すように、図示の実施形態では、高圧側圧力変換器205および低圧側圧力変換器203の各々は、それぞれのT継手207によって冷媒流路に接続される。1つ以上の実施形態において、高圧側圧力変換器205および低圧側圧力変換器203の各々は、ろう接継手207によって冷媒配管に接続される。冷媒流路は、好適には、銅配管を含む。図示の実施形態では、各圧力変換器は、冷媒ラインにろう付けされた銅製のT継手207によって配管に接続される。
【0029】
従来の冷凍システムは、サービス技術者が1つ以上の圧力ゲージを冷凍システムに接続して当該システムで診断テストを実行できるようにするための組込式の圧力タップを備えて構成される。しかしながら、発明者は、これらの圧力タップが漏れ箇所になり得ることを見出した。また、冷凍システムに圧力ゲージを接続することによって、不可避的に、当該ゲージ内へ少なくとも少量の冷媒充填が流れ出る。従来の製氷機において、この比較的少ない充填ロスは、製氷機の性能にとってさほど重要でないと見られてきた。しかしながら、発明者は、製氷機が低充填(例えば、150g以下の充填)で天然ガス冷媒を使用する場合、数グラム程度の冷媒ロスがあると性能や効率が実質的に損なわれ得ることを見出した。したがって、製氷機103は、冷凍システムから全ての圧力タップを排除し、その代わりに、上述した圧力変換器203,205を気密封止されたシステムに内蔵する。発明者は、これにより冷媒漏れの発生頻度が大きく低減され、また非常に多くの場合において、製氷機がその全使用期間にわたって実質的に100%の冷媒充填を維持することになると信じている。
【0030】
発明者は、製氷機の性能を最適化するために、従来の圧力スイッチが個別の製氷機に対して製造者の生産ラインで調整される必要があることを見出した。例えば、あらゆる系統の製氷機において、圧縮機や蒸発器の相対的な大きさが違うと、氷バッチ生成プロセスを実行するための最適な冷媒圧力が変わってくる。したがって、氷バッチ生成プロセスの態様を制御するために使用される任意の圧力スイッチは、件の製品の特定の構成に基づいて選択される特定の圧力で動作するように設計されるべきである。製造者にとって、各製氷機の圧力ベース制御の最適化は、多数の圧力スイッチの在庫を維持して適切に採用することを必要とする。これに対し、上述した圧力変換器203,205は、あらゆる系列の専用製氷機において使用可能である。また、圧力スイッチがある特定の予め設計された圧力でしか機能しないのに対し、図示の圧力変換器は、当該変換器の動作範囲内の様々な圧力閾値において、多数の圧力ベース制御機能に使用可能である。さらに、製氷機の特性が経時的に変化する場合、メモリに格納された値を変更することで当該メモリに格納された圧力の設定値や閾値を再設定し、製氷機で観測された変化に対処するように圧力ベース制御パラメータを調節することが容易にできる。このような性能調節は、従来の圧力スイッチでは不可能である。
【0031】
また、発明者は、圧力変換器203,205が、従来の温度制御装置に対する利点を提供すると信じている。多くの従来の製氷機は、冷凍システム内にサーミスタを備える。これらのサーミスタは、冷媒配管の温度に伴って変化する信号を出力する。しかしながら、冷媒配管の温度は、冷媒の温度に遅れて変化する。これに対し、圧力変換器203,205は、冷媒のライン圧力を直接的に測定する。サーミスタと比較して、発明者は、圧力変換器203,205が精度や応答性に優れ、それにより製氷機103の特定の態様を制御するためのより好ましい制御入力を提供し得ると信じている。
【0032】
次に、製氷機103の例示的な使用方法について簡潔に説明する。まず、製氷機103がどのように氷バッチ生成プロセスを実行するかについて大まかな概要を述べる。その後、氷バッチ生成プロセスを容易化するために、低圧側圧力変換器203および高圧側圧力変換器205の出力を制御システムが利用する例示的な方法について説明する。
【0033】
概して、図示の製氷機103は、連続した氷バッチ生成サイクルを実行するように構成される。各氷バッチ生成サイクルは、氷を固めるステップ(凍結ステップ)と、氷を回収するステップ(回収ステップ)と、サンプ130を充填するステップ(充填ステップ)とを備える。少なくとも一部の氷バッチ生成サイクルは、1回分の氷が形成された後でサンプが再充填される前にサンプ130から硬水を除去するステップ(除去ステップ)を備える。
【0034】
凍結ステップにおいて、冷凍システムは、冷凍プレート110を冷却するように動作される。同時に、ポンプ132は、サンプ130から水ライン134および分配器146を介して水を循環させる。分配器146は、冷凍プレート110の頂部に沿って水を分配する。冷凍プレート110の表面を水が流れ落ちる際、いくらかの水が凍って氷になり、冷凍プレート上に氷片が形成されて徐々に分厚くなっていく。凍らなかった水は、冷凍プレート110から流れ落ちてサンプ130内に戻る。
【0035】
氷が回収に適した厚みに達すると、制御器160は、凍結ステップから氷回収ステップに切り替わる。ポンプ132はオフ状態にされ、高温の冷媒ガスを蒸発器120に流すためにホットガス弁124が開かれる。ホットガスにより冷凍プレート110が加熱され、氷が溶ける。溶けかけの氷は冷凍プレートから落ちて下方の氷ビン(図示せず)に入る。ホットガス弁124は、回収センサ166が示すように、冷凍プレートから氷が落ちた後に閉じられる。
【0036】
さらなる氷バッチ生成サイクルが始まる前に、先の氷バッチで消費された水を補うためにサンプ130を再充填する必要がある。よって、次の凍結ステップが始まる前に、制御器160は、サンプ130に新しい水が供給されるように入水弁140を開く。制御器160は、水位センサ136から制御器に対してサンプ130内の水位が所望の製氷水位に達したことが伝えられると、入水弁140を閉じる。
【0037】
上述したように、各凍結ステップの完了後において、サンプ内の冷水は、製氷水位から、典型的にはサンプ内にいくらか水が残った循環終了水位まで低下する。エネルギー効率の観点から、循環終了水位においてサンプ130内に比較的多量の冷水が維持されることが望ましい。サンプ水が冷熱槽として機能し、循環終了水位から製氷水位までサンプを充填する新しい供給水が冷やされる。少なくとも定期的に、サンプ130から一部の水を除去することが有益である。このことは、凍結ステップにおいて、冷凍プレート110の表面を水が流れ落ちる際、より純度の高い水が凍るため、カルシウムやその他のミネラルなどの水中不純物が液状の水に残るために有利である。よって、各凍結ステップにおいて、水中の不純物濃度が上昇する。この現象を抑制するために、制御器160は、排水弁144を開くことで、サンプ130から残された水の一部を除去する除去ステップを定期的に実行する。制御器160は、水位センサ136から制御器に対してサンプ130内の水位が所望の除去レベルに達したことが伝えられると、排水弁144を閉じる。排水弁144は、ある適当なタイプの除去機構であるが、他のタイプの除去機構(例えば、能動的な排水ポンプ)も、本開示の範囲を逸脱することなく、上述の除去ステップを実行するために使用可能である。
【0038】
従来の製氷機では、長期にわたる停止後に氷への要求があると、製氷機は、典型的には、上述したタイプの氷バッチ生成サイクルを開始して当該要求に応じるように構成される。すなわち、従来の製氷機は、必要に応じてサンプを充填し、冷凍システムが起動してすぐに冷凍プレートを介して水を循環させ始める。しかしながら、氷生成装置が凍結温度を超えるような期間の停止後に製氷機が氷を作り始める場合、このような態様で冷凍プレートにすぐに水を供給すると問題が生じ得る。例えば、冷凍プレートに供給される水の最初の部分を凍結するのに十分な程度まで冷凍プレートが冷えていない場合、制御されない態様で冷凍プレートから水が飛散しがちである。そのような飛散は、氷バッチ生成サイクルがサンプ内のフロートスイッチに基づいて制御されることが多いため、複雑な問題を生じさせ得る。飛散した水はサンプから失われるため、制御において、この水位の低下は、水が凍って氷になることで生じたかのように扱われる。飛散によって製氷機による回収ステップの開始が、十分な量の氷が冷凍プレート上に形成される前まで早まるおそれがある。その場合、不完全または不適切な回収がなされるおそれがあり、それにより次の氷バッチに追加的な問題が生じ得る。
【0039】
飛散を抑制するために、起動後に冷凍システムが所定時間にわたって動作するまで、水ポンプの駆動を遅れさせるプルダウンタイマーを利用する製氷機もある。しかしながら、発明者は、これらのタイマーが、しばしば、製氷機の実際の状況に対して時機を誤ることを見出した。例えば、気温の高い状況では、製氷機が冷凍プレートを所望の温度まで下げる(プルダウンする)のに想定よりも長くかかり得る。この状況では、タイマーは、所定の期間が経過した後に水ポンプが動作する際に水の飛散を阻止するのに十分な程度まで冷凍プレートが冷えることを可能としないだろう。逆に、必要以上に長く動作するタイマーは非効率である。また、発明者は、プルダウン中に蒸発器の負荷がないため、従来の温度センサがプルダウン完了の信頼できる指標にならないことを見出した。したがって、後述するように、発明者は、最初のプルダウン後の飛散を抑制するプルダウン制御方法700(図6)において低圧側圧力変換器203を利用することにした。
【0040】
図6に示すように、プルダウン制御方法700の例示的な実施形態では、制御器160は、概して、低圧側圧力変換器203の出力に基づいて、冷凍プレート110に水を供給する水システムを動作させるように構成される。方法700の開始点702は、停止期間後に氷への要求が存在するときである。ステップ704において、制御器160は、圧縮機112を駆動してプルダウンタイマーを開始する。プルダウンタイマーは、製氷機103が、氷バッチ生成に切り替わる前にプルダウン制御方法に留まる最大時間を設定する。このタイマーは、後述する低圧圧力閾値が、もはやプルダウンを終了するための適切な時間の指標にならないような冷凍システムの特性変化(例えば、規模によるもの等)が生じた場合のバックアップ制御入力として意図される。
【0041】
判定点706において、制御器は、2つの判定を行う。まず、制御器160は、蒸発器出口の温度センサ126の出力を読み取り、蒸発器120の出口温度が閾値を下回るか否かを判定する。この温度閾値は、プルダウン完了の指標を意図するものではない。なぜなら、上述したように、蒸発器出口温度は、蒸発器120に負荷がないためにプルダウン完了の信頼できる指標にならないためである。むしろ、閾値は、プルダウンの開始を示すために設定される。換言すると、閾値は、冷凍システムを循環する冷媒が、氷を作るために必要とされる相変化を始めようとしていることを示す。1つ以上の実施形態において、ステップ706における閾値温度は、華氏約28~36度の包括的範囲である。プルダウン中、蒸発器出口温度が温度閾値をまたぐと、残りのプルダウンプロセスの間、当該温度は閾値を下回ったままになるだろう。判定点706での第2の判定に関して、制御器160は、低圧側圧力変換器203の出力を読み取り、それが、吸込圧力がプルダウン完了を示す閾値圧力を下回っていることを示しているか否かを判定する。1つ以上の実施形態において、ステップ706における閾値圧力は、約30~40psiの包括的範囲である。このような範囲の圧力閾値は、R290冷媒システムに適することがわかっている。しかしながら、当業者であれば、別タイプの冷媒を用いる冷凍システムが異なる圧力閾値を必要とすることを理解するだろう。発明者は、低圧側圧力が、任意の製氷機においてプルダウンの非常に信頼できる指標になり得ることを見出した。したがって、判定点706において、吸込圧力が所定の閾値圧力を下回っているかに関する第2の判定は、プルダウン作業700を完了するための主要トリガーとなる。
【0042】
1つ以上の実施形態において、プルダウン作業完了のトリガーとなる判定点において、蒸発器出口温度を考慮することなく低圧側圧力を考慮することも考えられる。しかしながら、判定点706での温度判定は、起動された圧縮機112により、プルダウンが有効に進行する前に吸込ラインに過渡的な減圧状態が生じる状況に対処するものである。発明者は、そのような挙動を観察し、それが、実際にプルダウンが完了する前に、厳密に圧力に基づくプルダウン完了のトリガー条件を誤って満たし得ることを見出した。圧縮機の起動時における吸込ラインの一時的な低圧状態に対処するための別の方法を、本開示の範囲を逸脱することなく利用することも考えられる。例えば、1つ以上の実施形態において、制御器は、圧縮機の起動後に遅延タイマーを動作させ、遅延タイマーの動作が完了するまで、低圧側圧力の出力とプルダウン完了閾値との比較を開始しない。
【0043】
図示の実施形態では、判定点706における第1および第2の判定のいずれかに対する応答が「No」である場合、方法は、プルダウンの最大割当時間が経過したか否かを制御器が判定する別の判定点708に進む。経過していなければ、方法700は、判定点706に戻る。判定点706,708は、(I)判定点706における両判定に対する応答が真になるか、(II)プルダウンの最大割当時間が経過するか、のいずれかまで繰り返される。続けて、制御器は、図7に示す充填作業710を実行して氷を作り始める。
【0044】
図示の実施形態では、充填作業710は、制御器が、水位センサ136の出力に基づいて、サンプ内の水が所望の製氷水位よりも少ないか否かを判定する判定点712から始まる。少なくなければ、制御器160は、水ポンプ132を駆動する(ステップ714)。サンプ内の水の量が所望の製氷水位よりも少なければ、ステップ714で水ポンプを駆動する前に、制御器は、まず、水位センサ136の出力がサンプ内の水位が所望の製氷水位であることを示すまで、入水弁140を開いてサンプ130を充填する(ステップ713)。ステップ714でポンプを駆動した後、図示の実施形態では、制御器160は、遅延タイマーを動作させ、所定の遅延時間が経過するのを待つように構成される(ステップ716)。これによりサンプ130内の水の一部が水流路を循環し始め、それによりサンプ内の水位がプルダウン後に低下し始め得る。遅延時間が経過した後、制御器160は、入水弁134を再び動作させてサンプを所望の製氷水位まで充填し、氷の生成を進める。
【0045】
図8に示すように、製氷機103は、また、製氷機が氷を生成する任意のタイミングで、高圧側圧力変換器205を使用して凝縮器ファン切替方法800を実行するように構成される。概して、ファン切替方法800は、制御器が、高圧側圧力変換器205の出力に基づいて凝縮器ファン115を切り替え、製氷機103の最適動作範囲内に吐出圧力を維持することを可能とする。全ての製氷機には、吐出圧力に対する最適圧力範囲が存在する。冷凍システムの使用時、吐出圧力は、凝縮器ファン115を制御することで調節され得る。従来の製氷機は、所定の制御方式にしたがって(例えば、タイマー、サーミスタ、または圧力スイッチに基づいて)凝縮器ファンのオンオフを切り替えるファン制御を実行する。しかしながら、発明者は、従来技術のファン切替ルーチンは、限られた範囲の環境条件でしか有効でないことを見出した。また、従来技術のファン切替ルーチンは、オーバーシュートやアンダーシュートを生じる傾向にあり、往々にして、意図した動作範囲から吐出圧力が外れる。
【0046】
発明者は、高圧側圧力変換器205の出力が、凝縮器ファン115を制御するためのよりロバストな制御入力を提供することを見出した。よって、方法800において、制御器160は、高圧側圧力変換器205の出力を用いて凝縮器ファン115を制御する。図示の実施形態では、凝縮器ファンモータは、ファン115を複数の異なる速度で回転駆動するように構成された可変速モータであり、当該複数の異なる速度には、少なくとも1つの「通常」速度と、少なくとも1つの通常速度よりも大きい少なくとも1つの「高」速度とが含まれる。詳しくは後述するように、制御器160は、高圧側圧力変換器205の出力に基づいて、凝縮器ファン115の速度を調節するように構成される。特に、制御器160は、高圧側圧力変換器205の出力に基づいて、高速度、通常速度、およびオフ状態の間で選択的にファンを調節するように構成される。
【0047】
方法800によると、第1判定点802において、制御器160は、高圧側圧力変換器205の出力が、吐出圧力が上昇または下降していることを示しているか否かを判定する。制御器160は、吐出圧力が上昇していると判定されたか下降していると判定されたかに応じて、凝縮器ファン115を異なる態様で調節するように構成される。判定点802で吐出圧力が上昇していると判定された場合、一連の判定点804,806,808において、制御器160は、高圧側圧力変換器205の出力が、吐出圧力が低圧圧力閾値、中間圧力閾値、および高圧圧力閾値を上回っていることを示しているか否かを判定する。ここで、低圧圧力閾値<中間圧力閾値<高圧圧力閾値である。1つ以上の実施形態において、低圧圧力閾値は、約140~160psiの包括的範囲であり、中間圧力閾値は、約170~190psiの包括的範囲であり、高圧圧力閾値は、約220~250psiの包括的範囲である。圧力閾値に対するこれらの範囲は、R290冷媒システムに適することがわかっている。しかしながら、当業者であれば、別タイプの冷媒を用いる冷凍システムが異なる圧力閾値を必要とすることを理解するだろう。
【0048】
吐出圧力が上昇しているものの低圧圧力閾値または中間圧力閾値を下回っている場合、制御器160は、凝縮器ファン115をオフに切り替えるか、凝縮器ファンをオフまたは停止状態に維持する(ステップ810)。判定点806で吐出圧力が中間温度閾値を上回っていると制御器160が判定した場合、判定点808に進む。吐出圧力が上昇していて高圧圧力閾値を上回っている場合、ステップ812において、制御器は、ファン速度を高速度に設定または維持する。一方、制御器は、吐出圧力が上昇していて高圧圧力閾値を下回っていると判定した場合、ステップ814において、凝縮器ファン115を通常速度に設定または維持する。
【0049】
判定点802で制御器160により吐出圧力が下降していると判定された場合、一連の判定点814,816,818において、制御器160は、高圧側圧力変換器205の出力が、吐出圧力が高圧圧力閾値、中間圧力閾値、および低圧圧力閾値を上回っていることを示しているか否かを判定する。吐出圧力が上昇していないが高圧圧力閾値または中間圧力閾値を上回っている場合、制御器160は、凝縮器ファン115を高速度で駆動する(ステップ820)。判定点816で制御器160により吐出圧力が中間温度閾値を下回っていると判定された場合、判定点818に進む。吐出圧力が上昇しておらずかつ低圧圧力閾値を上回っている場合、ステップ822において、制御器160は、凝縮器ファン115を通常速度で駆動する。一方、制御器160により吐出圧力が上昇しておらずかつ低圧圧力閾値を上回っていないと判定された場合、制御器は、凝縮器ファン115をオフ状態にする。
【0050】
方法800は、複数の有利な効果を奏する。圧縮機112の起動時には、吐出圧力が上昇し始めるため、判定点802の応答は「Yes」になるだろう。圧縮機の吐出圧力が好ましい動作範囲まで立ち上がるのを可能とするために、判定点804,806は、吐出圧力が中間圧力閾値を超えるまでファン115をオフ状態にさせるだろう。吐出圧力が上昇し続けると、ファンは、高速度への切替点である高圧圧力閾値を吐出圧力が超えるまで(ステップ812)、通常速度で駆動される(ステップ814)。判定点808,816,818の組合せによると、制御器160は、ファン115が最終的に吐出圧力を中間圧力閾値未満にするまで、高速ファン速度を維持する。方法800によると、ファンが高速圧力閾値で頻繁に切り替わることが阻止される。圧縮機の吐出圧力が高圧圧力閾値を最初に超えた後、制御器は、ファンを高速度に切り替え、吐出圧力が中間圧力閾値を下回るまでそれを維持する。この状態で圧縮機112がオン状態のままであれば、吐出圧力は低圧圧力閾値を上回ったままになるだろう。よって、制御器は、吐出圧力が再び高圧圧力閾値を超えない限り、また超えるまで、凝縮器ファンを通常速度で駆動し続けるだろう。圧縮機がオフ状態になると、吐出圧力が急速に下降し、最終的に低圧圧力閾値を下回る。その場合、制御器は、凝縮器ファンをオフ状態にする。発明者は、このファン切替プロセスにより、冷凍システムがその最適な動作範囲により良好に維持されることで、製氷機の性能や効率が実質的に改善され得ると信じている。また、上述の方法800は、上述したように、高圧側圧力変換器205を採用することで可能となる。
【0051】
図11に示すように、上述のファン切替ルーチンは、本開示の範囲を逸脱することなく、圧力Pに代えて温度Tに基づいて制御され得ることも考えられる。制御入力として温度Tと圧力Pのいずれが選択される場合でも、低入力閾値Tlow,Plow、中間入力閾値Tmedium,Pmedium、および高入力閾値Thigh,Phighが少なくとも存在する。圧力Pまたは温度Tが上昇している場合、制御器160は、制御入力が中間制御入力Tmedium,Pmediumを上回らない限り凝縮器ファンをオフに維持し、制御入力が中間閾値と高閾値Thigh,Phighとの間にあるときはファンを通常動作速度で駆動し、制御入力が高閾値を上回っているときはファンを高速度で駆動するように構成される。圧力または温度が下降している場合、制御器は、制御入力が中間閾値Tmedium,Pmediumを上回っている限りファンを高速度で駆動し、制御入力が低閾値Tlow,Plowと中間閾値との間にあるときはファンを通常速度で駆動し、制御入力が低閾値を下回っているときはファンをオフ状態にするように構成される。発明者は、温度ベースのファン切替制御が、組込式の圧力変換器が経済的な解決策にならないような場合に、より低価格での販売を意図する製氷機に対する実用的な選択肢になり得ると信じている。
【0052】
図2に示すように、図示の実施形態では、制御システムは、表示部を含むユーザインタフェース装置220をさらに備える。例えば、1つ以上の実施形態において、ユーザインタフェース装置220は、製氷機103の外面に取り付けられたローカルのタッチスクリーン表示部を有する。制御器160は、ユーザインタフェース装置220に接続されていて、当該インタフェース装置へのユーザ入力を受けると共に、1つ以上の表示スクリーンを表示部に表示するようにユーザインタフェース装置を制御する。
【0053】
図9に示すように、図示の実施形態では、制御器160は、ユーザインタフェース装置220に、低圧側圧力変換器203および高圧側圧力変換器205の各々の信号出力に基づいて、吸込圧力および吐出圧力の各々のリアルタイム表示903,905を選択的に表示させるように構成される。より具体的に、制御器160は、ユーザインタフェース装置220に、圧縮機の概略図907と、蒸発器の概略図909と、凝縮器の概略図911とを含む冷凍システムの概略図901を選択的に表示させるように構成される。図示の実施形態では、制御器160は、ユーザインタフェース220に、蒸発器の概略図909と圧縮機の概略図907との間に吸込圧力のリアルタイム表示903を表示させると共に、圧縮機の概略図907と凝縮器の概略図911との間に吐出圧力のリアルタイム表示905を表示させる。また、図示の実施形態では、制御器160は、蒸発器温度センサ223の出力に基づいて、蒸発器温度のリアルタイム表示913を表示するように構成される。特に、制御器160は、ユーザインタフェース装置220に、蒸発器の概略図909の近くに(例えば、重ねて)蒸発器温度の表示913を表示させる。
【0054】
制御器160は、さらに、ユーザインタフェース装置220に、冷凍システムの概略図901の近くに水システムの概略図921を表示させるように構成される。すなわち、ユーザインタフェース装置220は、水システムの概略図921および冷凍システムの概略図901を同じ表示スクリーン上に同時に表示する。図示の実施形態では、制御器160は、さらに、水入口温度センサ227からの信号出力に基づいて、水入口温度のリアルタイム表示923を表示するように構成される。また、制御器160は、サンプ水温度センサ229からの信号出力に基づいて、サンプ水温度のリアルタイム表示925を表示するように構成される。図示の実施形態では、水入口温度のリアルタイム表示923は、入水弁の概略図927の近くに表示され、サンプ水温度のリアルタイム表示925は、サンプの概略図931の近くに表示される。
【0055】
図示の実施形態では、制御器160は、さらに、ユーザインタフェース装置220に、概略図901,921やリアルタイムパラメータ表示903,905,913,923,925と同じ表示スクリーン上に製氷機のステータス情報を表示させるように構成される。例えば、図示の表示スクリーンは、氷バッチ生成プロセスの現在のステップを表示する氷バッチステータス表示941を含む。図8では、ステータス表示941は、製氷機103が現在、「凍結」ステップを実行していることを示している。1つ以上の実施形態において、制御器160は、製氷機が氷バッチ生成プロセスの該当ステップを実行している場合に、ステータス表示941を「回収」、「除去」、および/または「充填」に更新するように構成される。ステータス表示941は、ビンが満杯であることを示す「ビン満杯」や、製氷機103が停止中である場合の「スタンバイ」など、その他の一般的なステータス情報も表示してもよい。
【0056】
ステータス表示941に加えて、制御器160は、ユーザインタフェース装置220に、表示スクリーンで色を用いて様々な追加ステータス情報を提供させる。例えば、図示の例では、圧縮機の図907、凝縮器の図911、入水弁の図927、および水ポンプの図933の各々は緑色で表示される一方、ホットガス弁の図943、ビンセンサの図945、および排水弁の図947はそれぞれ灰色で表示される。図示の実施形態では、緑色は、各構成要素が動作中であることを示す一方、灰色は、各構成要素が停止中であることを示す。したがって、1つ以上の実施形態において、リアルタイムパラメータ情報903,905,913,923,925の表示に加えて、制御器160は、製氷機103の様々な構成要素のステータスを読み取り、(例えば、色を用いて)現在のステータスを表示スクリーン上に示すように構成される。
【0057】
上述したように、図示の製氷機の制御器は、遠隔サーバ191に接続されるように構成されており、遠隔サーバ191は、1つ以上のモバイル装置193に接続されるように構成される。例示的な実施形態では、モバイル装置193は、その表示部に図9のリアルタイムステータス表示を示すアプリケーションソフトウェアを実行するように構成され、それによりユーザは、製氷機103の状態を遠隔でチェックすることができる。例えば、製氷機103は、制御要素203,205,223,225,227,229からのリアルタイム測定の動作パラメータ、および構成要素112,115,118,132,140,144や製氷機103の現在の適用機能に関するステータスデータを遠隔サーバ191に定期的に送るように構成されてもよく、遠隔サーバは、当該データを要求に応じてモバイル装置193に送るように構成される。これらのデータに基づいて、モバイル装置193は、図9のものと同様の表示スクリーンを生成してもよい。
【0058】
図10に示すように、図示の実施形態では、制御器160は、センサ203,205,223,225,227,229からの履歴動作データをメモリ164に格納するように構成される。換言すると、制御器160は、低圧側圧力変換器203、高圧側圧力変換器205、蒸発器温度センサ223、空気温度センサ225、水入口温度センサ227、および/またはサンプ温度センサ229の出力の履歴を、ある期間(例えば、25時間以上の期間)にわたってメモリに格納するように構成される。制御器160は、さらに、ユーザインタフェース装置227やモバイル装置193などの表示装置に(遠隔サーバ191を介して)接続され、当該表示装置に、低圧側圧力変換器203および高圧側圧力変換器205の少なくとも一方から出力される信号の履歴を、ある期間にわたって選択的に表示させられるように構成される。図10に示すように、1つ以上の実施形態において、表示部は、履歴動作データをグラフ形式で示す。
【0059】
発明者は、上述した表示コンセプト、特に測定される吸込圧力や吐出圧力に関するリアルタイム情報および履歴情報を表示する機能が、従来技術で用いられる保守点検方法と比べて、製氷機103の保守点検に実質的な改善をもたらすと信じている。従来は、製氷機の性能が劣化すると、サービス技術者は、問題の源を特定するための診断テストを実行するために現地に呼び出されていた。最初のステップは、典型的には、一群の圧力ゲージを圧力タップに接続し、製氷機が動作している間の圧力を読み取ることであった。しかしながら、上述したように、圧力ゲージが圧力タップに接続される度に冷媒充填が損なわれ、それにより上述したタイプの低充填天然ガス冷媒システムの性能が損なわれ得る。
【0060】
したがって、図示の実施形態では、サービス技術者は、製氷機に圧力ゲージを接続することなく、よって冷媒充填を損なうことなく、診断テストを実行することができる。例示的な製氷機103の保守点検方法において、技術者は、テスト工程を通じて製氷機を動作させ、当該テスト工程を実行しながら、ユーザインタフェース装置220またはモバイル装置193から、吸込および吐出圧力表示903,905の少なくとも一方を読み取る。例えば、例示的な実施形態では、技術者は、表示部220または193に対して、製氷機103に1つ以上の氷バッチ生成サイクルを実行させるための制御入力を提供する。そして、製氷機103が氷バッチ生成サイクルを実行している間に、技術者は、表示部220または193に表示されるリアルタイムの吸込および吐出圧力を読み取り、製氷機103の診断を行う。例えば、技術者は、吸込および吐出圧力の測定値を製氷機で想定される値と比較して、冷媒充填が低くなっているか否かを判定してもよい。また、技術者は、特に吐出圧力の測定値を想定値と比較して、凝縮器ファンが適切に動作しているか否かを判定してもよい。さらに、技術者は、吸込圧力を想定値と比較して、吸込ラインに減圧状態を引き起こす制限が冷凍システムに存在するか否かを判定してもよい。着脱式の圧力ゲージ群は、図示の製氷機103の診断テストを実行するために必要とされない。また、全ての診断テストが、製氷機103からの冷媒漏れを伴うことなく実行可能である。
【0061】
別の実施形態において、サービス技術者は、製氷機を同時に動作させることなく製氷機103を診断してもよい。技術者は、ユーザインタフェース装置220またはモバイル装置193の表示部を利用して、圧力変換器203,205からの信号出力に基づいて測定および記録された、ある期間にわたる吸込および/または吐出圧力の表示を含む表示スクリーンを呼び出す。技術者は、ユーザインタフェース装置220またはモバイル装置193から過去の吸込および/または吐出圧力に対応する表示データを読み取り、表示データに基づいて製氷機の診断評価を行う。
【0062】
1つ以上の実施形態において、上述した診断分析を行った後、サービス技術者は、変換器203,205によって測定された吸込または吐出圧力に基づいて診断された問題に対処するために是正措置をとってもよい。例示的な実施形態では、技術者は、ユーザインタフェース装置220またはモバイル装置193に、制御器に自動メンテナンス作業を実行させるためのユーザ入力を行う。例えば、サービス技術者が吐出圧力に基づいて凝縮器が汚れていると判定した場合、技術者は、ユーザインタフェース装置220またはモバイル装置193に、制御器に自動凝縮器クリーニング作業を実行させるための入力を行ってもよい。ある実施形態では、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2016/0327352号明細書に記載されているように、凝縮器クリーニング作業では、制御器160により、動作中であれば圧縮機が停止されると共に、凝縮器から塵埃やその他の粒子を取り除くために凝縮器ファン115が逆方向に高速度(例えば、上述の通常ファン速度よりも大きい速度)で駆動される。
【0063】
上述の保守点検方法は、製氷機103の設置場所でまたは遠隔で実行され得ることがわかる。例えば、ネットワークインタフェース170、ネットワーク190、およびサーバ191によって、技術者は、モバイル装置193を介して、製氷機103を遠隔制御して1つ以上の氷バッチ生成サイクルを実行すると共に、高圧側および低圧側圧力変換器203,205の出力を監視することができる。
【0064】
1つ以上の実施形態において、製氷機103は、メモリ164に、吸込および吐出圧力の各々の想定範囲に対応する閾値を格納する。制御器160が高圧側または低圧側圧力変換器203,205から、圧力測定値の一方または両方が想定範囲を外れていることを示す出力を受けた場合、制御器は、アラームを発するように構成される。例えば、制御器は、ネットワークインタフェース170を使用して、モバイル装置193に通知を出してもよい。また、制御器160は、ユーザ入力装置220に現地でアラーム表示を表示させてもよい。
【0065】
図示の実施形態では、制御器160は、高圧側圧力変換器205の出力が、吐出圧力に対する所定のアラーム閾値よりも大きい高圧側圧力を示す場合に、アラームを作動させるように構成される。また、高圧スイッチ199は、高圧側圧力に対する所定のアラーム閾値よりも大きい安全閾値を高圧側圧力が超えた場合に、圧縮機112を自動的に停止するように構成される。高圧スイッチ199は、制御器から独立して圧縮機を停止するように構成される。よって、1つ以上の実施形態において、高圧側圧力変換器205によって、製氷機が危険な高圧状態に近づいた際に製氷機103から早期に警告が出され得る一方、高圧スイッチ199は、製氷機が真に危険な圧力状態に達するのを阻止する有線のフェイルセーフとして機能する。
【0066】
当業者に自明のように、本明細書で開示する実施形態の態様は、システム、方法、コンピュータプログラム製品、またはそれらの任意の組合せとして実施されてもよい。したがって、本開示の実施形態は、全体的にハードウェアの実施形態、全体的にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施形態の形態をとってもよく、それらは全て本明細書において「回路」、「モジュール」、または「システム」として言及され得る。また、本開示の態様は、任意の有形媒体に実装され、当該媒体に組み入れられるコンピュータで利用可能なプログラムコードを含むコンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。
【0067】
本開示の態様は、コンピュータまたは演算装置で実行される、プログラムモジュールなどのコンピュータまたは演算装置で実行可能な指令の一般的な文脈で説明され得る。概して、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行したり特定の抽象データ型を実装したりするためのルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。また、本開示の態様は、通信ネットワークを介してつながった複数の遠隔演算装置によってタスクが実行される分散型の計算処理環境で実施されてもよい。分散型の計算処理環境では、プログラムモジュールは、メモリ記憶装置を含むローカルおよび遠隔のコンピュータ記憶媒体の両方に配されてもよい。
【0068】
コンピュータで利用可能または読み取り可能な1つ以上の媒体の任意の組合せが使用されてもよい。コンピュータで利用可能または読み取り可能な媒体は、例えば、電気的、磁気的、光学的、電磁気的、赤外の、または半導体のシステム、機器、装置、または伝播媒体であってもよいが、これらに限られるものではない。コンピュータで読み取り可能な媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、次のものを含む。すなわち、1つ以上の配線を有する電気的接続、携帯式のコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯式のコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CDROM)、光記憶装置、インターネットやイントラネットを補助するような伝送媒体、または磁気記憶装置が含まれる。なお、コンピュータで利用可能または読み取り可能な媒体は、プログラムが印刷される紙またはその他の適当な媒体であってもよく、当該プログラムは、例えば当該紙またはその他の媒体の光学スキャンを通じて電気的に取り込まれ、必要に応じて適当な態様でコンパイル、解釈、または処理され、そしてコンピュータメモリに記憶されてもよい。本明細書の文脈において、コンピュータで利用可能または読み取り可能な媒体は、指令実行システム、機器、または装置による使用または連携のためのプログラムを含むかあるいは記憶する任意の媒体であってもよい。
【0069】
本開示の操作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語を任意に組み合わせて記述されてもよい。1つ以上のプログラミング言語は、Java、Smalltalk、C++、C#などのオブジェクト指向プログラミング言語や、C言語または類似のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含むが、これらに限られるものではない。プログラムコードは、スタンドアロン型のソフトウェアパッケージとして、携帯型電子装置で全体的に実行されてもよいし、携帯型電子装置や冷凍装置で部分的に実行されてもよいし、携帯型電子装置や遠隔コンピュータで部分的に実行されてもよいし、または遠隔コンピュータもしくはサーバで全体的に実行されてもよい。後者の場合、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)や広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介して携帯型電子装置に接続されてもよいし、(例えば、インターネットサービスプロバイダを利用したインターネットを介して)外部のコンピュータに接続されてもよい。
【0070】
本発明またはその好ましい実施形態の要素を導入する場合、「a」、「an」、「the」、および「said」の冠詞は、当該要素が1つ以上存在することを意味する。「備える」、「含む」、および「有する」の語は、包括的であって、挙げられた要素以外の追加的な要素が存在し得ることを意味する。
【0071】
上記より、本発明のいくつかの目的が達成されると共に、他の有利な結果が得られることがわかるだろう。
【0072】
本発明の範囲を逸脱することなく上述の物や方法に様々な変更が加えられてもよく、上述した全ての事柄は、説明のためのものであって、限定的な意味に解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】