(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128619
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】分断装置
(51)【国際特許分類】
B65B 61/06 20060101AFI20220829BHJP
【FI】
B65B61/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026935
(22)【出願日】2021-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】390037707
【氏名又は名称】オーエスマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092864
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100098154
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 克彦
(72)【発明者】
【氏名】前田 真彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 智
(72)【発明者】
【氏名】宮川 達哉
(72)【発明者】
【氏名】逢坂 朋也
(72)【発明者】
【氏名】檀上 健敏
(72)【発明者】
【氏名】早坂 貴博
(72)【発明者】
【氏名】加藤 滉人
(72)【発明者】
【氏名】松本 圭由
【テーマコード(参考)】
3E056
【Fターム(参考)】
3E056AA02
3E056CA02
3E056DA01
3E056EA05
3E056FB01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】調整が容易であり、かつ製造速度の向上を図ることができる包装充填機の分断装置を提供する。
【解決手段】内容物充填後の連続包装体を挟んで配置されたパンチとダイからなる打ち抜き部110と、前記打ち抜き部110を包装材の長手方向に沿って移動させる往復動機構130と、前記打ち抜き部110のパンチおよびダイを前後方向に近接・離間および重ね合わせて打ち抜きを行う前後動機構170と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の包装材を重ね合わせて送りながら長手方向に溶着する縦シール装置と、前記包装材を間欠的に幅方向に溶着する横シール装置と、前記包装材の間に形成される充填部に内容物を充填する充填装置とを備え、内容物を充填した包装体を連続的に製造する包装充填機において前記連続的に製造する包装体を個々の包装体に分断する際に用いられる分断装置であって、
前記内容物充填後の連続包装体を挟んで配置されたパンチとダイからなる打ち抜き部と、前記打ち抜き部を前記長手方向に沿って移動させる往復動機構と、前記打ち抜き部のパンチとダイとを重ねて打ち抜きを行う前後動機構と、を備える、
ことを特徴とする分断装置。
【請求項2】
前記前後動機構が、駆動源と、前記駆動源の駆動軸に接続されたクランク軸と、前記クランク軸と前記パンチを連結するコンロッドと、を備え、
前記駆動源を駆動させることで前記クランク軸が回転し、前記パンチが前記ダイに対し往復して近接・離間するクランク機構である、ことを特徴とする請求項1記載の分断装置。
【請求項3】
前記往復動機構が、駆動源と、前記駆動源に接続されたねじ軸と、前記打ち抜き部に固定されるとともに前記ねじ軸に取り付けられて前記ねじ軸の軸線方向に往復動可能なナット部と、を備えたボールねじ機構であり、
前記駆動源を駆動させることで前記ねじ軸が回転し、前記ナット部に固定された前記打ち抜き部が前記長手方向に沿って往復動する、ことを特徴とする請求項1または2記載の分断装置。
【請求項4】
前記往復動機構が、垂直方向に延在するスライドレールを突設させた固定基盤と、前記打ち抜き部を搭載するとともに横断面C字型のスライド部材を突設させた可動基盤と、を備え、
前記スライドレールにおける横断面H字型のスライド面に前記スライド部材を組み合わせて摺動させることで、前記可動基盤が前記スライドレール上を上下方向に往復動する、ことを特徴とする請求項3記載の分断装置。
【請求項5】
前記包装材に位置決めマークが付されており、検知手段により前記位置決めマークを検知することで前記駆動源を制御して分断位置の位置ズレを防止可能である、ことを特徴とする請求項2,3または4記載の分断装置。
【請求項6】
前記包装材は、互いの厚み,硬度または材質のうち少なくとも1つが異なる一対の包装材である、ことを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の分断装置。
【請求項7】
前記包装充填機が、前記分断装置の下方に、前記包装材を挟んで設置された一対の引っ張りローラーおよび駆動源からなる引っ張り装置を備える、ことを特徴とする前記請求項1,2,3,4,5または6記載の分断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を充填した包装体を連続的に製造する包装充填機において連続的に製造する包装体を個々の包装体に分断する際に用いられる分断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、重ね合わせた長尺の包装材を長手方向に溶着し(縦シール)、前記包装材を間欠的に幅方向に溶着し(横シール)、前記包装材の間に形成される充填部に内容物を充填してなる包装体を連続して製造可能な包装充填機が広く用いられている。
【0003】
この包装充填機では、内容物を充填後の包装体は連続した状態の連続包装体となっているため、分断装置により個々の包装体に分断する必要があり、例えば特開2016-216058号(特許文献1)に示すようなロータリーカッター式の分断装置が一般的に使用されている。
【0004】
しかしながら、このロータリーカッター式の分断装置は、充填後の連続包装体を挟んで設置された1組のローラーのうち少なくとも片方に分断用の刃を設け、連続包装体を送りながら所定間隔に分断して個別の包装体を形成するものである。
【0005】
そのため刃合わせの調整に精密さを要し、適切なローラー間隔に慎重に調整する必要があって、使用する包装体に厚みや硬度があるような場合においては特に手間を要するものだった。
【0006】
また、ロータリーカッター式の分断装置において、包装体の角の形状を角丸にしようとした場合、刃の繋ぎ目が生じてしまうことを防ぐために腐食刃や彫刻刃などの製法により作成した一体型の刃を有したカッターを用いることが一般的であるが、このような一体型の刃は別体の刃と比べてコストが比較的高く、耐久性も比較的劣るという問題がある。
【0007】
また、ロータリーカッター式の分断装置に代えて例えば特開平2-258506号公報(特許文献2)に示すようなパンチとダイとを重ねて打ち抜きを行う方式の分断装置も知られている。
【0008】
このような打ち抜き方式の分断装置によれば、型の形状によって角丸にすることや、比較的厚みや硬度がある包装体であっても容易に分断することができるという特徴を有する。
【0009】
ところが、特許文献2に示すような従来の分断装置においては、打ち抜く際に連続して移動している包装体を打ち抜き位置で一時停止させなければならなかった。
【0010】
従って、調整が容易かつ製造速度の向上を図ることができるような分断装置を用いた包装充填機の実現が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2016-216058号
【特許文献2】特開平2-258506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、調整が容易であり、かつ製造速度の向上を図ることができるような包装充填機の分断装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するためになされた本発明である分断装置は、長尺の包装材を重ね合わせて送りながら長手方向に溶着する縦シール装置と、前記包装材を間欠的に幅方向に溶着する横シール装置と、前記包装材の間に形成される充填部に内容物を充填する充填装置とを備え、内容物を充填した包装体を連続的に製造する包装充填機において前記連続的に製造する包装体を個々の包装体に分断する際に用いられる分断装置であって、
前記内容物充填後の連続包装体を挟んで配置されたパンチとダイからなる打ち抜き部と、前記打ち抜き部を前記長手方向に沿って移動させる往復動機構と、前記打ち抜き部のパンチとダイとを重ねて打ち抜きを行う前後動機構と、を備えることを特徴とする。
【0014】
上記分断装置によれば、内容物を充填した包装体を連続的に製造しながら、打ち抜き部を連続包装体の送り速度に合わせて往復動させつつ、打ち抜き部によって打ち抜きを行って個々の包装体に分断する、すなわちボックス動作による連続的な打ち抜きが可能であるため、ロータリーカッターのように精密にローラー間距離の調整をする必要が無く、包装体を一時停止することなく送りながら打ち抜きができる、調整の容易さおよび製造速度の向上をともに実現させた優れた分断装置を提供することができる。
【0015】
また、前記前後動機構が、駆動源と、前記駆動源の駆動軸に接続されたクランク軸と、前記クランク部と前記パンチを連結するコンロッドと、を備え、
前記駆動源を駆動させることで前記クランク軸が回転し、前記パンチが前記ダイに対し往復して近接・離間するクランク機構である場合、クランク機構による確実かつ強力な力によって連続的に打ち抜きを行うことが可能となる。
【0016】
更に、前記往復動機構が、駆動源と、前記駆動源に接続されたねじ軸と、前記打ち抜き部に固定されるとともに前記ねじ軸に取り付けられて前記ねじ軸の軸線方向に往復動可能なナット部と、を備えたボールねじ機構であり、
前記駆動源を駆動させることで前記ねじ軸が回転し、前記ナット部に固定された前記打ち抜き部が前記長手方向に沿って往復動する場合、ボールねじ機構による滑らかかつ比較的簡易な構造で往復動作を行うことができる。
【0017】
また、前記分断装置が、垂直方向に延在するスライドレールを突設させた固定基盤と、前記打ち抜き部を搭載するとともに横断面C字型のスライド部材を突設させた可動基盤と、を備え、
前記スライドレールにおける横断面H字型のスライド面に前記スライド部材を組み合わせて摺動させることで、前記可動基盤が前記スライドレール上を往復動する場合、ボールねじ機構による往復動作を補助する効果を発揮し、非常に安定した状態で往復動作を行うことができる。
【0018】
更に、前記包装材に位置決めマークが付されており、検知手段により前記位置決めマークを検知することで前記駆動源を制御して分断位置の位置ズレを防止可能である場合、分断不良を回避することができるため特に望ましい。
【0019】
また、前記包装材は、互いの厚み,硬度または材質のうち少なくとも1つが異なる一対の包装材である場合、組み合わせによって様々な種類の包装体を製造することが可能であり、その場合も分断装置は打ち抜きによる分断を行うものであるため、例えば厚みや硬度がある組み合わせの包装材であっても容易に分断を行うことができる。
【0020】
そして、前記分断装置の下方に、前記包装材を挟んで設置された一対の引っ張りローラーおよび駆動源からなる引っ張り装置を備える包装充填機とした場合には、たるみをなくして確実かつ美麗に打ち抜きを行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、内容物を充填した包装体を連続的に製造しながら、打ち抜き部を連続包装体の送り速度に合わせて往復させつつ、打ち抜き部によって打ち抜きを行って個々の包装体に分断する、すなわちボックス動作による連続的な打ち抜きが可能であるため、ロータリーカッターのように精密にローラー間距離の調整をする必要が無く、包装体を一時停止することなく送りながら打ち抜きができる、調整の容易さおよび製造速度の向上をともに実現させた優れた分断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施の形態である分断装置を備えた包装充填機の構成を示す説明図。
【
図2】
図1に示した包装充填機の特徴部分を簡略化して示した構成図。
【
図3】
図1に示した包装充填機に用いられるシート材を示す図であり、(a)はシート材を示す平面図、(b)は幅狭のシート材を示す平面図。
【
図4】
図1に示した包装充填機により製造される包装体を示す(a)斜視図および(b)拡大横断面図。
【
図5】
図1に示した包装充填機における分断装置を示す正面図。
【
図6】
図1に示した包装充填機における分断装置を示す斜視図。
【
図7】
図1に示した包装充填機における分断装置を示す部分側面図。
【
図8】
図1に示した包装充填機における分断装置を示す部分平面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態である分断装置100を組み込んだ包装充填機1の構成を縦断面図で示しており、
図2はその包装充填機1の特徴部分を抽出して示している。この包装充填機1は、熱可塑性を有する厚い平坦な樹脂であるシート材31からなる包装材30と、薄い帯状のフィルム材21からなる包装材20と、からなる一対の包装材20,30の裏面同士を重ねて周縁を囲むように熱溶着して形成した充填部内に内容物を充填してなる包装体を連続的に製造するのに適した装置であり、本実施の形態においては、開封部310を有する包装体4を製造する場合を説明する。
【0025】
その包装体4は、開封部310であるミシン目311(
図3(a)参照)を形成した平坦な厚い帯状の包装材30に対してそれよりも薄く柔軟性のある帯状の包装材20を熱溶着して、その間に形成した充填部42に内容物43を充填・封止してなる従来周知のものである。
【0026】
本実施の形態では前記包装材30を構成するシート材31(および包装材20を構成するフィルム材21)の幅は幅方向に2列の包装体を同時に製造するための幅に形成されたものであるが、幅方向に1列の包装体を製造するための幅狭のシート材32としてもよい(
図3(b)参照)。
【0027】
尚、
図3(a)(b)における二点鎖線は内容物が封止された状態の包装体から分断装置100により包装体4を分断する際の打ち抜き位置を示すものであり、符号312(ドット柄アミカケ部)は包装体4のシール位置(縦シール手段6による縦シール位置および横シール手段7による横シール位置)を指すものであり、符号313はシール位置や分断位置を調整するための位置決めマークである。
【0028】
尚、前述の開封部310を有する包装体4以外に、例えば破断、切断または剥離等の開封装置によって内容物を取り出す包装体を製造する包装充填機であっても本発明は実施可能である。
【0029】
前記包装材20を構成する前記フィルム材21は薄く柔軟な材質であるため、予めドラム200に巻回した原反として用いることができる。また、前記包装材30については、前記シート材31がある程度の可撓性を有しており、巻回可能であるため、前記薄い方の包装材20と同様に予めドラム300に巻回した原反として用いることができる。
【0030】
前記シート材31,32を構成する素材は例えばポリエチレンテレフタレート等のある程度の厚みおよび硬度を有する熱可塑性樹脂が好適である。
【0031】
本実施の形態の包装体の製造装置1において、前記ドラム200と前記ドラム200から前記包装材20を繰り出すフィードローラー201の間には2つのガイドローラー202,203が設けられており、前記フィードローラー201の後ろには3つのガイドローラー204,205,206が設けられている。
【0032】
また、前記ドラム300と前記ドラム300から前記包装材30を繰り出すフィードローラー301の間には3つのガイドローラー302,303,304が設けられている。
【0033】
このようにフィードローラー201,301およびガイドローラー202,203,204,205,206,302,303,304,305を配置したことによって、特に前記包装材30の供給において前記包装材30にストレスがかかりづらく、安定して供給することができる。
【0034】
そして、繰り出された包装材20,30は一対のプーリー5a,5bで重ね合わされて長手方向に送られる。
【0035】
尚、更に前記各ドラム200,300自体を回転させて前記各ドラム200,300に巻回した各包装材20,30を繰り出すものとしてもよく、その回転速度を調整できるものとしてもよい。
【0036】
図2を参照して、包装充填機1における包装体の製造工程を説明する。本実施の形態の包装充填機1は、一対のプーリー5a,5bで重ね合わされて長手方向に送られる(図示する下向きに縦送りされる)一対の包装材20,30を幅方向に溶着する縦シール装置6としての縦シールローラー6a,6bと、筒状となった一対の包装材20,30を幅方向に間欠的に溶着する横シールローラー7a,7bと、縦シール装置6および横シール装置7により一対の包装材20,30の間に形成された充填部42に内容物を充填する充填装置としてのノズル8と、その下方で横シール装置7による横シール位置を冷却する冷却ローラー9a,9bと、縦シールおよび横シールが完了した連続包装体41を分断する分断装置100と、一対の包装材20,30を引っ張りテンションを掛けるための引っ張り装置11と、を備えている。
【0037】
前記
図2における符号H1,H2は搬送中の前記包装材20,30の溶着箇所を予め加熱するプレヒータ、符号41は分断される前の縦横をシールされて内容物が封止された状態の包装体が連続している連続包装体である。
【0038】
尚、冷却ローラー9a,9bは必須のものではなく、冷却ローラー9a,9bを有しないものとしてもよい。
【0039】
また、本実施の形態において、上述した一対の縦シールローラー6a,6b及び一対の横シールローラー7a,7bは、前記薄い方の包装材20側の縦シールローラー6aおよび横シールローラー7aだけに加熱装置としてのヒーターを備えており、前記包装材20側から加熱して溶着を行う方式を採用している。
【0040】
これは、前記薄い方の包装材20を加熱して前記厚い方の包装材30に溶着させた方が、短時間で効率的にシール作業が完了することが本願発明者らの実験により判明したものである。勿論、前記縦シールローラー6a,6b及び/または前記横シールローラー7a,7bの双方に駆動の切り替えおよび熱量が可変のヒーターを備えておく場合には製造する包装体の素材についての汎用性が広がる。
【0041】
尚、溶着方法についてはヒートシールのみならず、インパルスシール、超音波シール等の種々の溶着方法が使用可能である。
【0042】
本実施の形態において前記縦シール装置6を形成する前記一対の縦シールローラー6a,6bには、それぞれ個別に駆動の切り替えおよび回転速度が調整可能な駆動源が備えられているため、前記各縦シールローラー6a,6bの駆動の切り替えおよび回転速度の調整が、それぞれ個別に可能となり、前記包装材20,30の送り速度および送り量を調整することが可能となって、子細な調整を加えた溶着が可能である。
【0043】
また、前記一対の縦シールローラー6a,6bにおける回転速度の調整を行うために、検知手段として位置決めマーク313を検知するレジマークセンサーや画像処理を用いる等して、前記包装材20,30の送り速度および送り量を調整することが好ましい(図示せず)。
【0044】
本実施の形態において前記横シール装置7を形成する前記一対の横シールローラー7a,7bには、それぞれ個別に駆動の切り替えおよび回転速度が調整可能な駆動源が備えられているため、前記各横シールローラー7a,7bの駆動の切り替えおよび回転速度の調整が、それぞれ個別に可能となり、前記包装材20,30の送り速度および送り量を調整することが可能となって、子細な調整を加えた溶着が可能である。
【0045】
また、前記一対の横シールローラー7a,7bにおける回転速度の調整を行うために、検知手段として位置決めマーク313を検知するレジマークセンサーや画像処理を用いる等して、前記包装材20,30の送り速度および送り量を調整することが好ましい(図示せず)。
【0046】
図5は前記包装充填機1における分断装置100を示す正面図、
図6は前記包装充填機1における分断装置100を示す斜視図、
図7は前記包装充填機1における分断装置100を示す側面図、
図8は前記包装充填機1における分断装置100を示す平面図である。
【0047】
これらの図に示すように、分断装置100は、前記一対の包装材20,30を挟んで配置されたパンチ121およびダイ122からなる打ち抜き部110と、前記打ち抜き部110を前記長手方向(前記
図5における上下方向)に往復上下動させるための往復機構130と、前記打ち抜き部110を構成するパンチ121およびダイ122を前後方向に近接・離間および重ね合わせて打ち抜きを行うための前後動機構170と、を有する。
【0048】
そして、前記往復機構130は、回転軸をねじ軸151とした第1の駆動源150と、前記ねじ軸151に取り付けられて前記ねじ軸141の軸線方向に往復動可能なナット部122と、前記打ち抜き部110を搭載するとともに前記ナット部142に固定されて前記ねじ軸151の軸線方向(前記
図5における上下方向)に往復動可能である可動基盤160とを有する。
【0049】
また、前記第1の駆動源150は、包装充填機1のケース体10内部に固定して配置された固定基盤140における前記打ち抜き部110よりも上方の位置に固定されている。
【0050】
前記往復機構130は、前記第1の駆動源150を駆動させることで回転軸である前記ねじ軸151が回転し、前記ナット部142,前記ナット部142に固定された可動基盤160,前記可動基盤160に搭載された打ち抜き部110とが一体的に前記ねじ軸151の軸線方向(前記
図5における上下方向)に往復動する、ボールねじ機構を採用したものである。
【0051】
このように往復機構130をボールねじ機構により構成したことで円滑に且つ高速度でねじ軸の軸線方向である上下方向(前記
図5における上下方向)に連続的に往復動可能として高速度の包装フィルムの移送に対処することができ、ボールねじ機構による滑らかかつ比較的簡易な構造で上下往復動作を行うことができる。
【0052】
前記前後動機構170は、回転軸にクランク軸181を取り付けた第2の駆動源180と、一端191が前記クランク軸181に接続されているとともに、他端192が前記パンチ120に接続されたコンロッド190とを有する。
【0053】
前記前後動機構170は、前記第2の駆動源180を駆動させることで回転 軸に取り付けられた前記クランク軸181が回転し、前記コンロッド190により前記パンチ121を前記ダイ122に近接・離間させる方向である前後方向の軸線方向(前記
図7における左右方向)に往復動する、クランク機構を採用したものである。
【0054】
このように前後動機構170をクランク機構により構成したことで円滑に且つ高速度でパンチおよびダイを近接・離間させる方向である前後方向(前記
図7における左右方向)に連続的に往復動可能として高速度の包装フィルムの移送に対処することができ、カム機構のような遊びがないので振動が少なく、省スペースで確実かつ強力な力によって連続的に打ち抜きを行うことが可能となる。
【0055】
前記可動基盤160は横断面C字型のスライド部材161を有しており、前記固定基盤140から突設されて垂直方向に延在するスライドレール141における横断面H字型のスライド面142に前記スライド部材151を組み合わせて摺動させることで前記可動基盤160が前記スライドレール141に沿って上下方向に往復動可能とするものである。
【0056】
本実施の形態において前記可動基盤160側のスライド部材161は2つ設けられており、前記スライドレール141は前記スライド部材161に対応して2つ設けられている。
【0057】
このように前記可動基盤160に対して、2組のスライド部材およびスライドレールからなるスライド機構を設けたことによってスムーズな往復上下動が可能であり特に望ましいが、例えば1組のスライド部材およびスライドレールのみからなる、すなわち片持ちタイプのスライド機構を設けたものであっても
、本発明は問題なく実施可能である。
【0058】
また、一対の包装材20,30を引っ張りテンションを掛けるための引っ張り装置11は、一対の包装材20,30を挟んで配置された引っ張りローラー11a,11bと、前記引っ張りローラー11a,11bを駆動させるための第3の駆動源11cとからなる。
【0059】
前記引っ張りローラー11a,11bは、それぞれに取り付けられたギア(図示せず)が噛み合わせ状態となっており、1つの駆動源(第3の駆動源11c)の駆動力が前記ギアを介して伝達されることで連動して回転するようになっている。
【0060】
この引っ張り装置11により一対の包装材20,30を下方に引っ張り、たるみを取ることによって、前記分断装置100により打ち抜きを行う際に確実かつ美麗に打ち抜きを行うことができる。
【0061】
前記第1の駆動源150,第2の駆動源180および第3の駆動源11cは、正確な位置・速度・回転量を制御できることが求められ、例えばサーボモーターが好適であるが、その他従来周知の駆動源が使用可能である。
【0062】
本実施の形態においては、前記第1の駆動源150,第2の駆動源180および第3の駆動源11cの位置・速度・回転量は個別に自由に制御することができ、前記往復機構130による往復上下動(ボールねじ機構)の速度、前記前後動機構170による前後動(クランク機構)の速度、前記引っ張り装置11による引っ張りの速度を調整することが可能となっている。
【0063】
更に、包装材30に付された位置決めマーク313を検知するレジマークセンサーや画像処理などの検知手段(図示せず)によって、前記第1の駆動源150,第2の駆動源180および第3の駆動源11cの位置・速度・回転量を制御して、包装材の送り速度を調整し、分断位置の位置ズレを防止して分断不良を回避することも可能である。
【0064】
なお、本発明の実施の形態において、包装体を構成する一対の包装材は、厚さ、硬度および材質の異なる包装材を用いる場合を説明したが、厚さ,硬度および材質が同じ一対の包装材を用いても実施可能である。また、包装体を構成する包装材は、いわゆる三方シール袋のように1枚の帯状の包装材を折り返して使用するものであっても実施可能である。
【0065】
また、本実施の形態の充填包装機1は、包装材20,30を縦方向に搬送しながら内容物を充填、包装する縦型包装充填機であって、分断装置100による分断工程は縦方向(上下方向)に連続包装体41が送られる状態で打ち抜きを行うものであるが、例えば分断装置100による分断工程が横方向に連続包装体41が送られる状態で打ち抜きを行うものであってもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 包装充填機、4 包装体、5a,5b プーリー、6 縦シール装置、6
a,6b 縦シールローラー、7 横シール装置、7a,7b 横シールロー
ラー、8 ノズル、9a,9b 冷却ローラー、10 ケース体、11 引っ
張り装置、11a,11b 引っ張りローラー、11c 第3の駆動源、20
包装材、21 フィルム材、30 包装材、31 シート材、32 シート
材、41 連続包装体、42 充填部、100 分断装置、110 打ち抜き
部、121 パンチ、122 ダイ、130 往復機構、140 固定基盤、
141 スライドレール、142 スライド面、150 第1の駆動源、15
1 ねじ軸、152 ナット部、160 可動基盤、161 スライド部材、
170 前後動機構、180 第2の駆動源、181 クランク軸、190
コンロッド、191 一端、192 他端、200 ドラム、201 フィー
ドローラー、202,203,204,205 ガイドローラー、206 ガ
イドローラー、300 ドラム、301 フィードローラー、302,303
,304,305 ガイドローラー、310 開封部、311 ミシン目、3
12 シール位置、313 位置決めマーク、H1 プレヒータ、H2 プレ
ヒータ