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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128669
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】電流センサ
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/20 20060101AFI20220829BHJP
【FI】
G01R15/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021027016
(22)【出願日】2021-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000175722
【氏名又は名称】サンコール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】麦島 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】村上 建二
【テーマコード(参考)】
2G025
【Fターム(参考)】
2G025AA04
2G025AB01
(57)【要約】
【課題】設置面積を小さくすることができると共に、測定精度を向上させることができる電流センサを提供する。
【解決手段】測定対象となる電流が流れるバスバー2と、
バスバー2に流れる電流によって生じる磁界成分を検出する磁気センサ102と、を備え、
バスバー2には、測定対象となる電流の流れを変更することができる左貫通孔2h1,右貫通孔2h2が設けられ、
磁気センサ102は、バスバー2の上面2aに設置されている。そして、この際、左貫通孔2h1,右貫通孔2h2を利用して磁気センサ102をバスバー2の上面2aにネジ固定している。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象となる電流が流れるバスバーと、
前記バスバーに流れる電流によって生じる磁界成分を検出する磁気センサと、を備え、
前記バスバーには、前記測定対象となる電流の流れを変更することができる変更部が設けられ、
前記磁気センサは、前記バスバーの上面に設置されてなる電流センサ。
【請求項2】
前記変更部は、貫通孔、凹孔、切欠き部、或いは、突状部の少なくとも何れか1つで形成されてなる請求項1に記載の電流センサ。
【請求項3】
前記磁気センサを、前記バスバーの上面に設置するにあたっては、
前記変更部が貫通孔で形成されていた際、該貫通孔を利用して前記磁気センサを前記バスバーの上面にネジ固定してなる請求項1又は2に記載の電流センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電流センサとして、特許文献1に記載のような電流センサが知られている。図7に示すように、この電流センサ100は、測定対象となる電流I(図8(a)参照)が流れるバスバー101と、バスバー101に対して鉛直上向き方向にバスバー101と離間した位置に設けられ、バスバー101に流れる電流Iに対して垂直方向に生じる磁界成分Mを検出する磁気センサ102と、で構成されている。なお、符号101aは、図示しないボルトの軸部を通過させるための円形状のボルト孔である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-14477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような磁気センサ102は、製品性能における感度のバラツキが大きいことから、磁気センサ102を用いて磁界成分Mを検出するにあたっては、検出の感度を調整するため、磁気センサ102を鉛直上向き方向、又は、鉛直下向き方向に調整する必要があった。すなわち、図8(a)に示すように、バスバー101に測定対象となる電流Iが流れると、図7に示すように、電流Iに対して垂直方向に磁界成分Mが生じることとなる。この際、図8(b)に示す磁束密度の計測結果から明らかなように、磁気センサ102のどの面も均一な磁界成分Mが生じていることが分かる。そのため、磁界成分Mの強弱が生じる箇所は、バスバー101の鉛直上向き方向、又は、鉛直下向き方向しかない(磁気センサ102がバスバー101に近づけば、磁界成分Mは強くなり、磁気センサ102がバスバー101から離れれば、磁界成分Mは弱くなる)。そのため、検出の感度を調整しようとすれば、磁気センサ102を鉛直上向き方向、又は、鉛直下向き方向に調整する必要があった。なお、検出の感度の調整とは、例えば、100Aの電流Iがバスバー101に流れた際、磁気センサ102が、1Vの電圧が検出できるように調整することである。
【0005】
しかしながら、このように、磁気センサ102を、バスバー101の鉛直上向き方向、又は、鉛直下向き方向で調整すると、電流センサ100を設置する面積が大きくなるといった問題があった。さらに、磁気センサ102を、バスバー101から離間して調整しなければならないことから、調整作業が難しく、もって、測定誤差が生じ、測定精度が低くなる可能性があるといった問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、設置面積を小さくすることができると共に、測定精度を向上させることができる電流センサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0008】
請求項1の発明によれば、測定対象となる電流(I)が流れるバスバー(2,2A,2B,2C,2D)と、
前記バスバー(2,2A,2B,2C,2D)に流れる電流(I)によって生じる磁界成分(M)を検出する磁気センサ(102)と、を備え、
前記バスバー(2,2A,2B,2C,2D)には、前記測定対象となる電流(I)の流れを変更することができる変更部(左貫通孔2h1,右貫通孔2h2,上切欠き部2hA1、下切欠き部2hA2,上切欠き部2hB1,下切欠き部2hB2,上切欠き部2hC1,下切欠き部2hC2,上突状部2hD1,下突状部2hD2)が設けられ、
前記磁気センサ(102)は、前記バスバー(2,2A,2B,2C,2D)の上面(2a)に設置されてなることを特徴としている。
【0009】
また、請求項2の発明によれば、上記請求項1に記載の電流センサ(1)において、前記変更部は、貫通孔(左貫通孔2h1,右貫通孔2h2)、凹孔、切欠き部(上切欠き部2hA1、下切欠き部2hA2,上切欠き部2hB1,下切欠き部2hB2,上切欠き部2hC1,下切欠き部2hC2)、或いは、突状部(上突状部2hD1,下突状部2hD2)の少なくとも何れか1つで形成されてなることを特徴としている。
【0010】
さらに、請求項3の発明によれば、上記請求項1又は2に記載の電流センサ(1)において、前記磁気センサ(102)を、前記バスバー(2,2A,2B,2C,2D)の上面(2a)に設置するにあたっては、
前記変更部が貫通孔(左貫通孔2h1,右貫通孔2h2)で形成されていた際、該貫通孔(左貫通孔2h1,右貫通孔2h2)を利用して前記磁気センサ(102)を前記バスバー(2,2A,2B,2C,2D)の上面(2a)にネジ固定してなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0012】
請求項1に係る発明によれば、バスバー(2,2A,2B,2C,2D)には、測定対象となる電流(I)の流れを変更することができる変更部(左貫通孔2h1,右貫通孔2h2,上切欠き部2hA1、下切欠き部2hA2,上切欠き部2hB1,下切欠き部2hB2,上切欠き部2hC1,下切欠き部2hC2,上突状部2hD1,下突状部2hD2)が設けられているから、バスバー(2,2A,2B,2C,2D)の面上に磁界成分(M)の強弱を発生させることができる。これにより、従来のように、磁気センサ(102)を、バスバー(2,2A,2B,2C,2D)の鉛直上向き方向、又は、鉛直下向き方向で調整する必要がなくなるから、電流センサを設置する面積を小さくすることができる。
【0013】
また、磁気センサ(102)は、バスバー(2,2A,2B,2C,2D)の上面(2a)に設置されているから、従来のように、磁気センサ(102)を、バスバー(2,2A,2B,2C,2D)から離間させて調整する必要がなくなる。これにより、調整作業が容易となり、測定誤差が生じ難くなるから、測定精度を向上させることができる。
【0014】
しかして、本発明によれば、設置面積を小さくすることができると共に、測定精度を向上させることができる。
【0015】
ところで、上記のような変更部は、請求項2に記載のように、貫通孔(左貫通孔2h1,右貫通孔2h2)、凹孔、切欠き部(上切欠き部2hA1、下切欠き部2hA2,上切欠き部2hB1,下切欠き部2hB2,上切欠き部2hC1,下切欠き部2hC2)、或いは、突状部(上突状部2hD1,下突状部2hD2)の少なくとも何れか1つで形成されているのが好適である。これにより、バスバー(2,2A,2B,2C,2D)の面上に磁界成分(M)の強弱を発生させることができる。
【0016】
一方、請求項3に係る発明によれば、変更部が貫通孔(左貫通孔2h1,右貫通孔2h2)で形成されていた際、貫通孔(左貫通孔2h1,右貫通孔2h2)に、測定対象となる電流(I)の流れを変更する役割と、磁気センサ(102)をバスバー(2,2A,2B,2C,2D)の上面(2a)にネジ固定するための役割を兼用させることができる。これにより、バスバー(2,2A,2B,2C,2D)に、別々の役割を備える孔を設ける必要がなくなるから、製造工程を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る電流センサの分解斜視図である。
図2】同実施形態に係る電流センサの斜視図である。
図3】(a)は同実施形態に係るバスバーの平面図であると共に、電流が流れた状態を説明する説明図、(b)は(a)に示すバスバーを側面から見た場合に生じる磁束密度の計測結果を示す図である。
図4】(a)はバスバーの変形例の斜視図を示すと共に、そのバスバーに電流が流れた状態を説明する説明図、(b)は(a)に示すバスバーを側面から見た場合に生じる磁束密度の計測結果を示す図である。
図5】(a)はバスバーの変形例を示す斜視図、(b)はバスバーの変形例を示す斜視図である。
図6】(a)はバスバーの変形例の斜視図を示すと共に、そのバスバーに電流が流れた状態を説明する説明図、(b)は(a)に示すバスバーを側面から見た場合に生じる磁束密度の計測結果を示す図である。
図7】従来の電流センサの斜視図である。
図8】(a)は従来のバスバーの平面図であると共に、電流が流れた状態を説明する説明図、(b)は(a)に示すバスバーを側面から見た場合に生じる磁束密度の計測結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る電流センサの一実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。なお、従来と同一の構成については、同一の符号を付し、説明は省略するものとする。
【0019】
本実施形態に係る電流センサは、車載インバータ、車載バッテリー等で使用されるもので、図1に示すように、電流センサ1は、バスバー2と、磁気センサ102と、で構成されている。
【0020】
バスバー2は、銅等の金属からなり、図1に示すように、例えば、厚み約3mm~5mmの厚板状で、上面2a、下面2b、上側面2c、下側面2d、左側面2e、右側面2fからなる長尺の矩形状に形成されている。そしてこのバスバー2の左側面2e側には、図示しないボルトの軸部を通過させるための円形状のボルト孔2g1が上下方向に貫通して形成され、右側面2f側にも、図示しないボルトの軸部を通過させるための円形状のボルト孔2g2が上下方向に貫通して形成されている。
【0021】
一方、図1に示すように、バスバー2の中央やや左側面2e側には、上面2aから下面2bに向かって貫通して設けられている左貫通孔2h1が形成され、バスバー2の中央やや右側面2f側には、上面2aから下面2bに向かって貫通して設けられている右貫通孔2h2が形成されている。
【0022】
しかして、バスバー2に上記のような左貫通孔2h1及び右貫通孔2h2が形成されると、図3(a)に示すように、測定対象となる電流Iがバスバー2の右側面2fから左側面2eに向かって直線状に流れた際、右貫通孔2h2を迂回するように直線状に流れていた電流Iが湾曲し、さらに、左貫通孔2h1を迂回するように直線状に流れていた電流Iが湾曲することとなる。これにより、左貫通孔2h1及び右貫通孔2h2によって、電流Iの電流経路が変更されることとなる。それゆえ、測定対象となる電流Iがバスバー2の右側面2fから左側面2eに向かって直線状に流れた際、電流Iに対して垂直方向に磁界成分M(図7参照)が生じることとなるが、この磁界成分Mの強さが、図3(b)に示す磁束密度の計測結果から明らかなように、電流Iが左貫通孔2h1及び右貫通孔2h2を迂回することにより、左貫通孔2h1及び右貫通孔2h2が形成された付近で他の箇所と比べて明らかに弱まることとなる。しかるに、左貫通孔2h1及び右貫通孔2h2をバスバー2に形成することによって、バスバー2の面上に磁界成分Mの強弱を発生させることができることとなる。
【0023】
かくして、このように、バスバー2の面上に磁界成分Mの強弱を発生させることができると、従来のように、磁気センサ102の検出の感度を調整するため、磁気センサ102を、バスバー2の鉛直上向き方向、又は、鉛直下向き方向で調整する必要がなくなり、もって、図2に示すように、バスバー2の上面2aに磁気センサ102を載置した状態で、磁気センサ102を左右方向(図2に示す矢印P1参照)に移動させるだけで、磁気センサ102の検出の感度を調整することが可能となる。これにより、従来のように、磁気センサ102を、バスバー2の鉛直上向き方向、又は、鉛直下向き方向で調整する必要がなくなるから、電流センサ1を設置する面積を小さくすることができる。さらに、磁気センサ102を、バスバー2から離間させて調整する必要がなくなるから、調整作業が容易となり、もって、測定誤差が生じ難くなる。それゆえ、測定精度を向上させることができる。
【0024】
なお、磁気センサ102の検出の感度を調整後、図2に示すように、磁気センサ102に予め設けておいた長孔102aを介して、図1に示す左貫通孔2h1及び右貫通孔2h2内に、図2に示すビスBを螺合することにより、バスバー2の上面2aに磁気センサ102をビス止め固定することができる。しかして、このように、左貫通孔2h1及び右貫通孔2h2の役割として、電流Iの電流経路を変更する役割と、バスバー2の上面2aに磁気センサ102をビス止め固定するための役割を兼用させるようにすれば、バスバー2に、別々の役割を備える孔を設ける必要がなくなるから、製造工程を簡素化することができる。なお、この際、ビスBは、調整した磁気センサ102の検出の感度が狂わないよう、電流Iが流れないプラスチック製が好ましい。
【0025】
しかして、本実施形態によれば、設置面積を小さくすることができると共に、測定精度を向上させることができることとなる。
【0026】
なお、本実施形態において示した電流センサ1の形状はあくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能である。例えば、本実施形態においては、磁気センサ102の検出の感度を調整後、バスバー2の上面2aに磁気センサ102を固定するにあたって、ビス止め固定する例を示したが、それに限らず、超音波接合や接着剤接合等で固定するようにしても良い。なお、超音波接合や接着剤接合等で固定する際、磁気センサ102には、図1及び図2に示すような長孔102aを設ける必要はない。
【0027】
また、本実施形態においては、バスバー2に左貫通孔2h1及び右貫通孔2h2を形成する例を示したが、それに限らず、左貫通孔2h1、右貫通孔2h2の何れか一方を形成するだけでも良く、それ以上の貫通孔を形成するようにしても良い。
【0028】
さらに、本実施形態においては、バスバー2に左貫通孔2h1及び右貫通孔2h2を形成する例を示したが、それに限らず、上面2aから下面2bに向かって貫通していない凹孔を形成するようにして良い。
【0029】
一方、本実施形態においては、バスバー2に左貫通孔2h1及び右貫通孔2h2を形成する例を示したが、それに限らず、図4(a)に示すようなバスバー2Aのようにすることもできる。この点、図4を参照して具体的に説明する。なお、図1図3に示すバスバー2と同一の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略することとする。
【0030】
図4(a)に示すバスバー2Aは、図1図3に示すバスバー2に形成されている左貫通孔2h1及び右貫通孔2h2に代え、上切欠き部2hA1、下切欠き部2hA2を新たに形成したものである。この上切欠き部2hA1は、バスバー2の上側面2cから中心線O1側に向かって直角三角形状に切り欠いたものである。そして、下切欠き部2hA2は、バスバー2の下側面2dから中心線O1側に向かって直角三角形状に切り欠いたものである。なお、上切欠き部2hA1と下切欠き部2hA2とは、中心線O1を基点として鏡像関係になっている。
【0031】
しかして、バスバー2Aに上記のような上切欠き部2hA1及び下切欠き部2hA2が形成されると、図4(a)に示すように、測定対象となる電流Iがバスバー2の右側面2fから左側面2eに向かって直線状に流れた際、上切欠き部2hA1を避けて直線状に流れていた電流Iがバスバー2Aの中心線O1側に流れ込み、さらに、下切欠き部2hA2を避けて直線状に流れていた電流Iがバスバー2Aの中心線O1側に流れ込むこととなる。これにより、上切欠き部2hA1及び下切欠き部2hA2によって、電流Iの電流経路が変更されることとなる。それゆえ、測定対象となる電流Iがバスバー2Aの右側面2fから左側面2eに向かって直線状に流れた際、電流Iに対して垂直方向に磁界成分M(図7参照)が生じることとなるが、この磁界成分Mの強さが、図4(b)に示す磁束密度の計測結果から明らかなように、バスバー2Aの中心線O1側に電流Iが密集することにより、上切欠き部2hA1及び下切欠き部2hA2が形成された付近で他の箇所と比べて明らかに強まることとなる。しかるに、上切欠き部2hA1及び下切欠き部2hA2をバスバー2Aに形成することによって、バスバー2Aの面上に磁界成分Mの強弱を発生させることができることとなる。
【0032】
しかして、このようにしても、設置面積を小さくすることができると共に、測定精度を向上させることができることとなる。
【0033】
ところで、このような切欠き部は、図4(a)に示す上切欠き部2hA1及び下切欠き部2hA2のような形状に限らず、どのような形状でも良い。例えば、図5(a)に示すバスバー2Bのように、上切欠き部2hB1及び下切欠き部2hB2を凹状に形成しても良い。さらに、図5(b)に示すバスバー2Cのように、上切欠き部2hC1及び下切欠き部2hC2を、凹状に形成し、長手方向に向かって(バスバー2Cの右側面2fから左側面2eに向かって)、所定間隔置きに形成しても良い(図示では、上切欠き部2hB1及び下切欠き部2hB2を、それぞれ、一対設けている)。
【0034】
一方、図6(a)に示すバスバー2Dのようにすることもできる。この点、図6を参照して具体的に説明する。なお、図1図3に示すバスバー2と同一の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略することとする。
【0035】
図6(a)に示すバスバー2Dは、図1図3に示すバスバー2に形成されている左貫通孔2h1及び右貫通孔2h2に代え、上突状部2hD1、下突状部2hD2を新たに形成したものである。この上突状部2hD1は、バスバー2Dの上側面2cから外方向に向かって一体的に突出して設けられた直角三角形状に形成されているものである。そして、下突状部2hD2は、バスバー2Dの下側面2dから外方向に向かって一体的に突出して設けられた直角三角形状に形成されているものである。なお、上突状部2hD1と下突状部2hD2とは、中心線O2を基点として鏡像関係になっている。
【0036】
しかして、バスバー2Dに上記のような上突状部2hD1及び下突状部2hD2が形成されると、図6(a)に示すように、測定対象となる電流Iがバスバー2の右側面2fから左側面2eに向かって直線状に流れた際、上突状部2hD1を経由することで直線状に流れていた電流Iが湾曲し、さらに、下突状部2hD2を経由することで直線状に流れていた電流Iが湾曲することとなる。これにより、上突状部2hD1及び下突状部2hD2によって、電流Iの電流経路が変更されることとなる。それゆえ、測定対象となる電流Iがバスバー2Dの右側面2fから左側面2eに向かって直線状に流れた際、電流Iに対して垂直方向に磁界成分M(図7参照)が生じることとなるが、この磁界成分Mの強さが、図6(b)に示す磁束密度の計測結果から明らかなように、電流Iが上突状部2hD1及び下突状部2hD2を経由することにより、上突状部2hD1及び下突状部2hD2が形成された付近で他の箇所と比べて明らかに弱まることとなる。しかるに、上突状部2hD1及び下突状部2hD2をバスバー2Dに形成することによって、バスバー2Dの面上に磁界成分Mの強弱を発生させることができることとなる。
【0037】
しかして、このようにしても、設置面積を小さくすることができると共に、測定精度を向上させることができることとなる。
【符号の説明】
【0038】
1 電流センサ
2,2A,2B,2C,2D バスバー
2a 上面
2h1 左貫通孔(変更部、貫通孔)
2h2 右貫通孔(変更部、貫通孔)
2hA1 上切欠き部(変更部、切欠き部)
2hA2 下切欠き部(変更部、切欠き部)
2hB1 上切欠き部(変更部、切欠き部)
2hB2 下切欠き部(変更部、切欠き部)
2hC1 上切欠き部(変更部、切欠き部)
2hC2 下切欠き部(変更部、切欠き部)
2hD1 上突状部(変更部、突状部)
2hD2 下突状部(変更部、突状部)
102 磁気センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8