(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128781
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20120101AFI20220829BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
G06Q50/06
H02J13/00 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021027191
(22)【出願日】2021-02-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和2年8月19日に、https://www.wecharge.com/等のウェブサイトにて公開 (2)令和2年8月25日に、https://www.ubiden.com/news/20200825のウェブサイトにて公開 (3)令和2年10月9日に、https://note.com/wecharge/n/n65a7d47de59cのウェブサイトにて公開 (4)令和2年12月24日に、https://note.com/wecharge等のウェブサイトにて公開 (5)令和3年1月21日に、https://note.com/wecharge等のウェブサイトにて公開 (6)令和3年1月25日に、https://note.com/wecharge等のウェブサイトにて公開 (7)令和3年1月28日に、https://note.com/wecharge等のウェブサイトにて公開 (8)令和3年2月3日に、https://note.com/wecharge等のウェブサイトにて公開 (9)令和3年2月9日に、https://note.com/wecharge等のウェブサイトにて公開 (10)令和3年2月14日に、https://note.com/wecharge等のウェブサイトにて公開 (11)令和3年2月16日に、https://note.com/wecharge等のウェブサイトにて公開
(71)【出願人】
【識別番号】519170058
【氏名又は名称】ユビ電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(74)【代理人】
【識別番号】100128691
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 弘通
(72)【発明者】
【氏名】山口 典男
(72)【発明者】
【氏名】白石 辰郎
(72)【発明者】
【氏名】大西 周平
(72)【発明者】
【氏名】池田 仁司
【テーマコード(参考)】
5G064
5L049
【Fターム(参考)】
5G064AC09
5G064CB08
5G064DA11
5L049CC06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】エネルギー供給対象である車両へのエネルギーの提供やエネルギー供給対象による利用を管理できるコンセントなどのエネルギー出力部の数の増大や設置エリアの拡充を容易にする情報処理装置、システム及び方法を提供する。
【解決手段】電力利用管理システムにおいて、情報処理装置の一種である電力利用管理サーバ100は、駐車場管理者のコンセント20から利用者50の車両30に供給され、検出部33で検出されたエネルギーの供給量に関する供給量情報を取得する。そして、取得した供給量情報に基づいて、駐車場管理者から車両30に供給されたエネルギーの提供料金を、駐車場管理者に支払うために必要な処理を行う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーの提供に関する情報処理を行う情報処理装置であって、
提供者のエネルギー出力部から利用者のエネルギー供給対象に供給され前記エネルギー供給対象の検出部で検出されたエネルギーの供給量に関する供給量情報を取得する供給量情報取得部と、
前記供給量情報取得部が取得した前記供給量情報に基づいて、前記提供者から前記エネルギー供給対象に提供されたエネルギーの提供料金を該提供者に支払うために必要な処理を行う支払処理部と、を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記エネルギー出力部は、該エネルギー出力部から前記エネルギー供給対象に供給されるエネルギーの供給量と該エネルギー出力部以外から該エネルギー供給対象以外の他の供給対象に供給されるエネルギーの供給量との合算量に基づいて前記提供者がエネルギー代金を支払うエネルギー事業者からエネルギーを受け取って、該エネルギー供給対象に供給することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
前記エネルギー供給対象にエネルギーを供給した前記エネルギー出力部又は前記提供者を識別可能な提供側識別情報を取得する提供側識別情報取得部を有し、
前記支払処理部は、前記提供側識別情報取得部が取得した前記提供側識別情報により特定される提供者に対し、前記支払うための処理を行うことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記供給量情報取得部が取得した前記供給量情報に基づいて、前記エネルギー出力部から供給されて前記エネルギー供給対象に利用されるエネルギーの利用料金を前記利用者に課金するために必要な処理を行う課金処理部を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
エネルギーの利用に関する情報処理を行う情報処理装置であって、
提供者のエネルギー出力部から利用者のエネルギー供給対象に供給され前記エネルギー供給対象の検出部で検出されたエネルギーの供給量に関する供給量情報を取得する供給量情報取得部と、
前記供給量情報取得部が取得した前記供給量情報に基づいて、前記エネルギー出力部から供給されて前記エネルギー供給対象に利用されるエネルギーの利用料金を前記利用者に課金するために必要な処理を行う課金処理部と、を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の情報処理装置において、
前記利用料金は、前記利用者の属性又は前記エネルギー供給対象の属性に応じて算出される、ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記エネルギー出力部からエネルギーが供給される前記エネルギー供給対象の利用者又は前記エネルギー供給対象を識別可能な利用側識別情報を取得する利用側識別情報取得部を有し、
前記課金処理部は、前記利用側識別情報取得部が取得した前記利用側識別情報により特定される利用者に対し、前記課金するために必要な処理を行うことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記供給量情報取得部は、前記エネルギー供給対象を管理する管理装置から前記供給量情報を受信して取得することを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記供給量情報取得部は、前記エネルギー供給対象から前記供給量情報を受信して取得することを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
エネルギーの提供、利用又はその両方を管理するシステムであって、
請求項8に記載の情報処理装置と、
前記エネルギー供給対象を管理し、前記情報処理装置へ前記供給量情報を送信する管理装置と、を有することを特徴とするシステム。
【請求項11】
エネルギーの提供、利用又はその両方を管理するシステムであって、
請求項9に記載の情報処理装置と、
前記エネルギー供給対象から前記情報処理装置へ前記供給量情報を送信する送信装置と、を有することを特徴とするシステム。
【請求項12】
エネルギーの提供に関する情報処理を行う方法であって、
提供者のエネルギー出力部から利用者のエネルギー供給対象に供給され前記エネルギー供給対象の検出部で検出されたエネルギーの供給量に関する供給量情報を取得することと、
前記供給量情報に基づいて、前記提供者から前記エネルギー供給対象に提供されたエネルギーの提供料金を該提供者に支払うために必要な処理を行うことと、を有することを特徴とする方法。
【請求項13】
エネルギーの利用に関する情報処理を行う方法であって、
提供者のエネルギー出力部から利用者のエネルギー供給対象に供給され前記エネルギー供給対象の検出部で検出されたエネルギーの供給量に関する供給量情報を取得することと、
前記供給量情報に基づいて、前記エネルギー出力部から供給されて前記エネルギー供給対象に利用されるエネルギーの利用料金を前記利用者に課金するために必要な処理を行うことと、を有することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力などのエネルギーの提供、利用又はその両方を管理する情報処理装置、システム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンセントを介した電力の利用を管理するシステムが知られている。例えば、特許文献1には、電力会社(エネルギー事業者)の電力線から電力の供給を受け、電力供給を制御する電力供給ゲート装置と、電力供給ゲート装置から供給される電力の利用料金を管理するサーバ装置(情報処理装置)と、電力供給ゲート装置と電気自動車(エネルギー供給対象)との間を接続するモバイルコンセント(エネルギー出力部)とを備えたシステムが開示されている。モバイルコンセントには、電気自動車がどれだけ電力を利用したかを測定するための電力使用量積算計(検出部)が設けられている。電力供給ゲート装置からの電力をモバイルコンセントから出力して電気自動車へ供給した後、電力使用量積算計で検出された今回の電力供給量(供給量情報)がモバイルコンセントからサーバ装置へ送信され、サーバ装置は受信した電力供給量から電力の利用料金を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電気自動車等のエネルギー供給対象への提供やエネルギー供給対象による利用を管理できるエネルギー出力部の数の増大や当該エネルギー出力部が設置される設置エリアの拡充が要望されている。しかしながら、種々の制約から、このようなエネルギー出力部の数の増大や設置エリアの拡充は困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、エネルギーの提供に関する情報処理を行う情報処理装置であって、提供者のエネルギー出力部から利用者のエネルギー供給対象に供給され前記エネルギー供給対象の検出部で検出されたエネルギーの供給量に関する供給量情報を取得する供給量情報取得部と、前記供給量情報取得部が取得した前記供給量情報に基づいて、前記提供者から前記エネルギー供給対象に提供されたエネルギーの提供料金を該提供者に支払うために必要な処理を行う支払処理部と、を有する。
前記情報処理装置において、前記エネルギー出力部は、該エネルギー出力部から前記エネルギー供給対象に供給されるエネルギーの供給量と該エネルギー出力部以外から該エネルギー供給対象以外の他の供給対象に供給されるエネルギーの供給量との合算量に基づいて前記提供者がエネルギー代金を支払うエネルギー事業者からエネルギーを受け取って、該エネルギー供給対象に供給してもよい。
また、前記情報処理装置において、前記エネルギー供給対象にエネルギーを供給した前記エネルギー出力部又は前記提供者を識別可能な提供側識別情報を取得する提供側識別情報取得部を有してもよく、前記支払処理部は、前記提供側識別情報取得部が取得した前記提供側識別情報により特定される提供者に対し、前記支払うための処理を行ってもよい。
また、前記情報処理装置において、前記供給量情報取得部が取得した前記供給量情報に基づいて、前記エネルギー出力部から供給されて前記エネルギー供給対象に利用されるエネルギーの利用料金を前記利用者に課金するために必要な処理を行う課金処理部を有してもよい。
【0006】
本発明の他の態様に係る情報処理装置は、エネルギーの利用に関する情報処理を行う情報処理装置であって、提供者のエネルギー出力部から利用者のエネルギー供給対象に供給され前記エネルギー供給対象の検出部で検出されたエネルギーの供給量に関する供給量情報を取得する供給量情報取得部と、前記供給量情報取得部が取得した前記供給量情報に基づいて、前記エネルギー出力部から供給されて前記エネルギー供給対象に利用されるエネルギーの利用料金を前記利用者に課金するために必要な処理を行う課金処理部と、を有する。
【0007】
前記情報処理装置において、前記利用料金は、前記利用者の属性又は前記エネルギー供給対象の属性に応じて算出されてもよい。
また、前記情報処理装置において、前記エネルギー出力部からエネルギーが供給される前記エネルギー供給対象の利用者又は前記エネルギー供給対象を識別可能な利用側識別情報を取得する利用側識別情報取得部を有してもよく、前記課金処理部は、前記利用側識別情報取得部が取得した前記利用側識別情報により特定される利用者に対し、前記課金するために必要な処理を行ってもよい。
また、前記情報処理装置において、前記供給量情報取得部は、前記エネルギー供給対象を管理する管理装置から前記供給量情報を受信して取得してもよい。
また、前記情報処理装置において、前記供給量情報取得部は、前記エネルギー供給対象から前記供給量情報を受信して取得してもよい。
【0008】
本発明の更に他の態様に係るシステムは、エネルギーの提供、利用又はその両方を管理するシステムであって、上述した情報処理装置と、前記エネルギー供給対象を管理し、前記情報処理装置へ前記供給量情報を送信する管理装置と、を有する。
本発明の更に他の態様に係るシステムは、エネルギーの提供、利用又はその両方を管理するシステムであって、上述した情報処理装置と、前記エネルギー供給対象から前記情報処理装置へ前記供給量情報を送信する送信装置と、を有する。
【0009】
本発明の更に他の態様に係る方法は、エネルギーの提供に関する情報処理を行う方法であって、提供者のエネルギー出力部から利用者のエネルギー供給対象に供給され前記エネルギー供給対象の検出部で検出されたエネルギーの供給量に関する供給量情報を取得することと、前記供給量情報に基づいて、前記提供者から前記エネルギー供給対象に提供されたエネルギーの提供料金を該提供者に支払うために必要な処理を行うことと、を有する。
本発明の更に他の態様に係る方法は、エネルギーの利用に関する情報処理を行う方法であって、提供者のエネルギー出力部から利用者のエネルギー供給対象に供給され前記エネルギー供給対象の検出部で検出されたエネルギーの供給量に関する供給量情報を取得することと、前記供給量情報に基づいて、前記エネルギー出力部から供給されて前記エネルギー供給対象に利用されるエネルギーの利用料金を前記利用者に課金するために必要な処理を行うことと、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、エネルギー供給対象へのエネルギーの提供やエネルギー供給対象による利用を管理できるエネルギー出力部の数の増大や設置エリアの拡充を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る電力利用管理システムの全体を説明するための説明図。
【
図2】同電力利用管理システムの主要構成の一例を示す説明図。
【
図3】(a)~(c)は、それぞれ、実施形態のコンセントに付される画像の一例を示す説明図。
【
図4】同電力利用管理システムにおける電力利用管理サーバの主要な機能の構成の一例を示すブロック図。
【
図5】同電力利用管理サーバにおける電力利用管理処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係るシステムは、エネルギー出力部からエネルギー供給対象へ供給されるエネルギーの利用を管理するシステムである。供給されるエネルギーは、例えば、石油、天然ガス、石炭などの形態の一次エネルギーでもよいし、電気、水素、ガソリン、軽油、重油、都市ガス、アルコールなどの形態の二次エネルギーであってもよい。
【0013】
エネルギーが供給されるエネルギー供給対象は、例えば、バッテリー搭載のモータで駆動される電動の移動体である。移動体は、電動車両や燃料電池車両等の地上を移動する移動体でもよいし、ドローンなどの空中を移動する移動体でもよいし、海などの水上を移動する船舶等の移動体であってもよい。移動体は、四輪以上の車両、三輪車(トライスクル)、二輪車(バイク、自転車)、トラック、バス、自家用車、事業用車両などの車両であってもよい。エネルギー供給対象は、利用者自身が所有するものであってもよいし、リース会社からリースされるものであってもよいし、利用者とは異なる事業者が所有するものであってもよい。また、エネルギー供給対象は、携帯型又は設置型の家電機器、オフィス機器、通信端末装置等の電気機器や電子機器であってもよい。
【0014】
以下の実施形態では、一例として、供給されるエネルギーが電気エネルギーであり、そのエネルギーが出力されるエネルギー出力部が電気エネルギーを出力するコンセントであり、エネルギーが供給されるエネルギー供給対象が車両又は当該車両に組み込まれたバッテリーであり、コンセントから出力される電力で車両のバッテリーを充電するときの電力利用を管理する電力利用管理システムの場合について説明する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る電力利用管理システム10を示す説明図である。
本電力利用管理システム10は、複数の車両30-1~30-3を駐車可能な駐車スペースを有する駐車場80のエリア内で、コンセント20から車両のバッテリーへの充電を行うときの電力利用を管理するものである。駐車場80に対して車両30-1~30-3が出入りする場所は、出入口81の一箇所となっている。駐車場80の出入口81には、ゲート装置82が設置されている。
【0016】
駐車場80内には、各駐車スペースの近傍に、コンセント20を備えた充電スタンド25-1~25-5がそれぞれ設置されている。
図1の例では、駐車場80内に5つの充電スタンド25-1~25-5が設置されているが、駐車場内に設置する充電スタンドの数は任意であり、1つであっても、複数であってもよい。また、コンセント20は、充電スタンド25-1~25-5に設置されたものに限らず、壁面などに設置されているものなど、どのようなコンセントも利用することができる。
【0017】
駐車場80内の5つの充電スタンド25-1~25-5は、エネルギー事業者である同じ電力会社の配電設備210から電力線を介して電力の供給を受け(ステップA)、その電力会社の管理する単一の電力量計83によって電力供給量が計測されている。したがって、本実施形態では、5つの充電スタンド25-1~25-5から供給される電力供給量を充電スタンドごとに区別して計測できない構成となっている。
【0018】
また、この電力量計83は、充電スタンド25-1~25-5のほか、電力を利用するゲート装置82や各種電力利用設備85で利用される電力供給量も一緒に計測する。したがって、本実施形態では、充電スタンド25-1~25-5での電力供給量と、その他の電力利用設備82,85での電力供給量とを区別して計測することもできない構成となっている。
【0019】
電力量計83によって計測された電力供給量(電力量データ)は、電力会社の電力管理装置200へ送られる(ステップB)。例えば、電力量計83がスマートメータ等のように通信機能を備えている場合には、電力量データは通信ラインを介して電力会社の電力管理装置200へ送信される。
【0020】
電力量計83によって電力供給量が計測される電力利用設備(充電スタンド25-1~25-5、ゲート装置82、電力利用設備85)は、提供者である駐車場管理者(コンセント20の設置者)が管理している。そのため、電力会社から電力供給を受けてこれらの電力利用設備25-1~25-5,82,85で利用された電力供給量分の電力代金(エネルギー代金)は、駐車場管理者から電力会社に支払われる(ステップC)。
【0021】
駐車場管理者から電力会社に支払われる電力代金は、例えば、駐車場を使用する駐車場使用者から駐車場管理者が徴収する駐車場代金で賄うことができる。この電力代金には、充電スタンド25-1~25-5から車両30-1に供給される電力供給量分の代金が含まれるが、駐車場を使用する駐車場使用者の中には、充電スタンド25-1~25-5を利用しない非利用者(充電機能を持たない自動車のユーザーなど)も含まれる。また、充電スタンド25-1~25-5を利用する利用者であっても、充電スタンドからの電力供給量は異なるのが通常である。したがって、駐車場管理者が電力会社に支払う電力代金分を、駐車場使用者の駐車場代金に一律に上乗せして徴収することは、駐車場使用者にとって不平等であり、好ましくない。
【0022】
本実施形態の電力利用管理システムは、充電スタンド25-1~25-5から電力供給を受ける利用者から利用料金を徴収し、当該利用者へ供給した電力供給量分の料金(提供料金)を駐車場管理者(提供者)に支払う電力利用管理サービスを提供する。この電力利用管理サービスによれば、駐車場管理者は、電力会社に支払う電力代金のうち、充電スタンド25-1~25-5からの電力供給量分の電力代金を、当該電力利用管理サービスによって支払われる提供料金によって賄うことができる。
【0023】
特に、本実施形態の電力利用管理サービスでは、充電スタンド25-1~25-5から電力供給を受ける利用者に対し、その電力供給量に応じた利用料金を課金する。そのため、充電スタンド25-1~25-5の利用者から、当該利用者が電力供給を受けた電力供給量に応じた適切な利用料金を徴収することができる。
【0024】
図2は、本実施形態に係る電力利用管理システム10の主要構成の一例を示す説明図である。
図2において、電力利用管理システム10は、コンセント20から電力が供給される供給対象への電力の提供と利用を管理する。本実施形態の供給対象は、コンセント20からの電力で充電される車両30あるいは当該車両30のバッテリー31である。コンセント20からの電力供給は、例えば、有線の電源ケーブル40及びプラグ41を介して行われる。コンセント20からの電力供給は、電磁誘導、マイクロ波等の電波による給電、レーザー光等の光による給電などの無線給電で行ってもよい。また、コンセント20から供給される電圧(電流)は交流であってもよいし、直流であってもよい。
【0025】
電力利用管理システム10は、電力(電気エネルギー)の提供及び利用を管理する情報処理装置としての電力利用管理サーバ100を備える。電力利用管理サーバ100は、単体のコンピュータ装置で構成してもよいし、複数のコンピュータ装置を連携させるように構成してもよいし、ネットワーク上のクラウドシステムで構成してもよい。
【0026】
電力(電気エネルギー)を出力可能なエネルギー出力部としてのコンセント20は、用途が限定されていない汎用のコンセントでもよいし、用途限定の専用コンセントであってもよい。また、コンセント20は、利用者が限定されていないコンセントでもよいし、特定の利用者のみ利用可能なコンセントであってもよい。
【0027】
図3(a)~(c)は、それぞれ、本実施形態のコンセント20に付した画像の一例を示す説明図である。
図3(a)のコンセント20には、コード画像(例えば、QRコード(登録商標)の画像)21が付されている。コード画像21は、1次元コード画像でもよいし、2次元コード画像であってもよい。コード画像21は、例えば、コンセント20の名前、識別番号、設置場所、設置主体(駐車場管理者)などの情報が符号化された画像である。なお、コンセント20の名前、設置場所、設置主体(駐車場管理者)などの情報を識別番号に関連づけた状態で記憶するデータベースを管理している場合、コード画像21には識別番号さえ含まれていればよい。
【0028】
図3(b)のコンセント20には、駐車場管理者などが任意に付けたコンセント20の識別補助画像としての文字(例えば手書き文字)22の画像が付されている。また、
図3(c)のコンセント20には、駐車場管理者などが任意に付けた識別補助画像としてのイラスト23の画像が付されている。文字22又はイラスト23は、コンセント20に付してもよい。コンセント20の文字22及びイラスト23は、駐車場管理者などがシール部材24に描いてコンセント20の脇に貼り付けてもよい。なお、識別補助画像は、文字及びイラストのほか、図柄やマークであってもよい。
【0029】
コンセント20から供給される電力を利用しようとする利用者50の端末装置51は、移動通信網、インターネットなどの通信網60を介して電力利用管理サーバ100と通信することができる。端末装置51は、キー、ボタン、タッチパネルなどの操作部、液晶ディスプレイなどの表示部、コンセントのコード画像や識別補助画像などを撮像するカメラなどの撮像部などを備える。端末装置51は、利用者が操作することにより、予め組み込まれた所定の電力利用アプリケーション(電力利用アプリ)を起動して実行することができる。端末装置51は、自身の現在位置の情報を取得するGNSS受信機などの現在位置取得部を備えてもよい。端末装置51は、例えば、第4世代又は第5世代以降の世代の移動通信網を介して通信可能な移動局(「移動機」、「ユーザ装置(UE)」等ともいう。)であってもよい。
【0030】
車両30は、車載装置の外部通信部32により、通信網60を介して、電力利用管理事業者の電力利用管理サーバ100や車両メーカーの車両管理サーバ300と通信することができる。なお、外部通信部32は、電力利用管理サーバ100と通信する通信部と、車両管理サーバ300と通信する通信部とを、別々に備えていてもよい。
【0031】
外部通信部32は、例えば、車載ネットワーク(CAN:Controller Area Network)にゲートウェイを介して接続される遠隔制御ユニット(TCU:テレマティック コントロール ユニット)であってもよい。遠隔制御ユニット(TCU)は、通信網60を介した通信機能のほか、無線LANやブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信機能を有してもよい。車載ネットワーク(CAN)には、遠隔制御ユニット(TCU)のほか、バッテリー31を管理するバッテリー管理システム(BMS)や、その他の各部の制御する一又は複数の電子制御ユニット(ECU)が接続されている。
【0032】
次に、本実施形態に係る電力利用管理システム10を用いた電力利用管理サービスの流れについて説明する。
バッテリー31の充電に利用された電力に関する電力利用情報(例えば、バッテリー識別情報、電力量、充電開始時間、充電終了時間)は、例えば、バッテリー管理システム(BMS)から遠隔制御ユニット(TCU)を介して、車両メーカーの車両管理サーバ300に送信される(ステップ1)。また、車両の識別情報は、例えば、車両の基本情報を記憶したメモリを有する電子制御ユニット(ECU)から遠隔制御ユニット(TCU)を介して車両管理サーバ300に送信される。これらの情報の車両管理サーバ300への送信は、例えば、車両管理サーバ300の指定するタイミング等に基づいて、あるいは、端末装置51で起動しているアプリケーションが生成した送信要求に基づいて、実行される。端末装置51からの送信要求は、例えば無線LANやブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信を介して車両の遠隔制御ユニット(TCU)が受信してもよい。車両メーカーの車両管理サーバ300には、車両30の識別情報に関連付けて当該車両30の電力利用情報が蓄積され、最新の電力利用情報がほぼリアルタイムで管理される。
【0033】
一方で、利用者50が駐車場80に車両30-1を駐車して、充電スタンド25-1のコンセント20から車両30-1のバッテリーを充電するとき、利用者50は、端末装置51で電力利用アプリを実行して、このコンセント20に付されているコード画像(例えばQRコード(登録商標)の画像)21(
図3(a)参照)を読み取る。そして、利用者50は、端末装置51を操作して、コード画像21の読取データと、利用者50又は端末装置51の識別情報と、コンセント20から電力が供給される供給対象の識別情報(例えば、車両30又はバッテリー31の識別情報)とを、端末装置51から送信する。これらの情報は、通信網60を介して、電力利用管理サーバ100の端末通信部101に受信される(ステップ2)。
【0034】
利用者50又は端末装置51の識別情報や、供給対象の識別情報(例えば、車両30又はバッテリー31の識別情報)は、予め、端末装置51の電力利用アプリに登録される。コード画像21の読取データは、例えば、コード画像21を端末装置51のカメラで撮像した画像データでもよいし、その画像データを復号化して得られたデータであってもよい。また、別の例では、コード画像21の読取データに代えて、コンセント20に付されている識別補助画像22又は23(
図2(a)及び
図2(c)参照)の読取データと、端末装置51の位置情報とを用いてもよい。端末装置51の位置情報は、例えば、端末装置51のGNSS受信機で測位した端末装置51の位置情報(緯度、経度、高度)である。
【0035】
電力利用管理事業者の電力利用管理サーバ100は、利用者50の端末装置51からコード画像21の読取データ等を受信するとともに、車両メーカーの車両管理サーバ300から供給量情報を取得する(ステップ3)。そして、電力利用管理サーバ100は、取得した供給量情報に基づき、車両30-1の充電に係る電力供給量分の利用料金を当該利用者50から徴収するために必要な処理(利用料金の課金処理)を行う(ステップ4)。これにより、本電力利用管理サービスを運営する電力利用管理事業者は、利用者50から車両30-1の充電に係る電力供給量分の利用料金を徴収することができる(ステップ6)。
【0036】
電力利用管理サーバ100で行われる課金処理(課金のために必要な処理)は、取得した供給量情報に基づき、車両30-1の充電に係る電力供給量分の利用料金を当該利用者50から徴収するために必要な一連の処理のうちの少なくとも一部の処理(公知のあらゆる課金処理を含む。)である。具体例としては、例えば、取得した供給量情報から車両30-1の充電に係る電力供給量分の利用料金を算出する処理、当該利用料金を利用者に課金するための手続きをする処理、当該利用料金を利用者から徴収する他の事業者が管理する管理装置に供給量情報及び利用料金の情報の少なくとも一方を提供する処理などを含む処理が挙げられる。
【0037】
また、電力利用管理サーバ100は、取得した供給量情報に基づき、利用者50の端末装置51からコード画像21の読取データ等を受信すると、車両30-1の充電に係る電力供給量分の提供料金を駐車場管理者に支払うために必要な処理(提供料金の支払準備処理)を行う(ステップ5)。これにより、本電力利用管理サービスを運営する電力利用管理事業者は、車両30-1の充電に係る電力供給量分の提供料金を駐車場管理者に支払うことができる(ステップ7)。
【0038】
電力利用管理サーバ100で行われる支払処理(支払いのために必要な処理)は、取得した供給量情報に基づき、車両30-1の充電に係る電力供給量分の提供料金を駐車場管理者に支払うために必要な一連の処理のうちの少なくとも一部の処理(公知のあらゆる支払処理を含む。)である。具体例としては、例えば、取得した供給量情報から車両30-1の充電に係る電力供給量分の提供料金を算出する処理、当該提供料金を駐車場管理者(提供者)に支払うための手続きをする処理、当該提供料金を駐車場管理者に支払う他の事業者が管理する管理装置に供給量情報及び提供料金の情報の少なくとも一方を提供する処理などを含む処理が挙げられる。
【0039】
図4は、実施形態に係る電力利用管理サーバ100の主要な機能の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、電力利用管理サーバ100は、端末通信部101と、供給量情報通信部102と、管理処理部103と、記憶部(DB:データベース)104と、課金処理部105と、支払処理部106とを備える。
【0040】
端末通信部101は、利用者50の端末装置51との間で通信網60を介して通信を行う。端末通信部101は、例えば、端末装置51から送信されるコード画像21の読取データ、利用者50又は端末装置51の識別情報、コンセント20から電力が供給される供給対象の識別情報(例えば、車両30又はバッテリー31の識別情報)等を受信する。
【0041】
コード画像21の読取データは、利用者50の車両30に電力を供給したコンセント20の提供者である駐車場管理者の識別情報としても機能するものであり、端末通信部101は、提供者識別情報取得部として機能する。また、利用者50又は端末装置51の識別情報や、供給対象の識別情報(例えば、車両30又はバッテリー31の識別情報)は、利用者の識別情報として機能するものであり、端末通信部101は、利用者識別情報取得部としても機能する。
【0042】
供給量情報通信部102は、供給対象の車両30が登録している車両メーカーの車両管理サーバ300との間で通信網60を介して通信を行う。供給量情報通信部102は、例えば、車両管理サーバ300が蓄積している当該車両30の電力利用情報のうちの少なくとも供給量情報を、車両管理サーバ300から通信網60を介して受信する。
【0043】
なお、端末通信部101及び供給量情報通信部102は、一体構成の通信装置(例えば移動通信モジュール)で構成してもよい。
【0044】
管理処理部103は、利用者50又は端末装置51の識別情報と供給対象の識別情報(例えば、車両30又はバッテリー31の識別情報)とに基づいて、電力を利用している利用者の認証(利用者認証)と、供給対象(例えば車両30又はバッテリー31)の認証(供給対象認証)の少なくとも一方を行う。
【0045】
例えば、管理処理部103は、端末装置51から受信した利用者50の識別情報(利用者ID)と、電力利用管理サーバ100に予め登録されている利用者の識別情報(利用者ID)とを比較することにより、利用者50が本実施形態の電力利用管理サービスに予め登録された正規の利用者であるかを確認する利用者認証を行う。この場合、正規の利用者のときは当該電力利用管理サービスの利用を許可し、正規の利用者でないときは電力利用管理サービスの利用を制限(例えば利用を不許可)にしてもよい。
【0046】
また、例えば、管理処理部103は、端末装置51から受信した供給対象の識別情報(例えば、車両30又はバッテリー31の識別情報)と、電力利用管理サーバ100に予め登録されている供給対象の識別情報(例えば、車両30又はバッテリー31の識別情報)とを比較することにより、供給対象(例えば、車両30又はバッテリー31)が本実施形態の電力利用管理サービスに予め登録された正規の供給対象であるかを確認する供給対象認証を行ってもよい。この場合、正規の供給対象のときは当該電力利用管理サービスの利用を許可し、正規の供給対象でないときは電力利用管理サービスの利用を制限(例えば利用を不許可)にしてもよい。
【0047】
また、管理処理部103は、端末装置51から受信した供給対象の識別情報(例えば、車両30又はバッテリー31の識別情報)に基づいて、供給量情報通信部102から車両メーカーの車両管理サーバ300に対し、当該供給対象の供給量情報を受信する(ステップ3)。供給量情報は、コンセント20から利用者50の供給対象である車両30に供給され、車両30の検出部33で検出される電力の供給量に関する情報である。供給量情報は、コンセント20から利用者50の供給対象である車両30に供給される電力の供給量を特定可能な情報で、かつ、供給対象である車両30に備わった検出部33で検出される情報であればよい。本実施形態において、この供給量情報は、車両30から車両管理サーバ300へ送信される電力利用情報に含まれており、車両管理サーバ300に蓄積されている。
【0048】
供給量情報の具体例としては、例えば、車両30に備わっている検出部33が、コンセント20からバッテリー31に充電される電力量(電力供給量)を直接的に検出できるものであれば、その検出した電力量の情報を供給量情報として利用できる。
【0049】
また、例えば、車両30に備わっている検出部33がバッテリー31の電力残量を検出できるものであれば、その検出した電力残量の情報を供給量情報として利用してもよい。この場合、例えば、充電後の電力残量から充電前の電力残量を差し引くことで、コンセント20からバッテリー31に充電される電力量(電力供給量)を得ることができる。
【0050】
また、電気自動車の多くは、バッテリー31の充電率(SoC:State of Charge)を検出する検出部33を備えているので、SoCのデータを供給量情報として利用してもよい。この場合、バッテリー31の満充電容量がわからないと、SoCのデータからバッテリー31の電力残量を把握することができない。しかしながら、バッテリー31の識別情報と満充電容量との対応関係を記憶部(DB)104に記憶しておくことで、バッテリー31の識別情報から満充電容量を特定して、バッテリー31のSoCのデータからバッテリー31の電力残量を算出することができる。
【0051】
記憶部(DB)104は、電力利用管理サーバ100で行う各種処理に必要な情報やデータを記憶する。具体的には、端末通信部101で受信されるコード画像の読取データ、利用者50又は端末装置51の識別情報及び供給対象の識別情報と、供給量情報通信部102で受信される供給量情報とを互いに対応づけて記憶する。例えば表1に示すように、一連の電力利用のトランザクションごとに、コンセントIDと利用者IDと端末ID(例えばIMEI)と車両IDと電力供給量とを互いに対応付けた1レコードが記憶され、全体として、電力利用トランザクションテーブル(電力利用台帳)が形成される。
【0052】
【0053】
また、記憶部(DB)104には、複数のコンセントを介した電力利用管理に用いられる各種テーブルが格納されている。例えば、記憶部(DB)104には、表2のコンセント管理テーブルと、表3のユーザ管理テーブルと、表4の車両管理テーブルを格納されている。なお、表2は、コード画像21の読取データに代えて、コンセント20に付されている識別補助画像22又は23の読取データと端末装置51の位置情報とを用いる例であってもよい。
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
コンセント管理テーブル、ユーザ管理テーブル及び車両管理テーブルはそれぞれ、本実施形態の電力利用管理サーバ100で提供されるコンセント20を介した電力利用管理サービスを利用するためのコンセント20、利用者50(端末装置51)及び車両30(バッテリー31)の新規登録があったときに新規レコードが追加される。
【0058】
また、記憶部(DB)104には、設置者ID(駐車場管理者の識別情報)と、その駐車場管理者へ電力供給量分の提供料金を支払うために必要な処理(支払処理)に用いる情報(支払先の口座番号など)とを対応づけた支払処理テーブルを格納してもよい。この支払処理テーブルには、コンセント20の設置者が新規に登録されたときにレコードが追加される。支払処理テーブルと前述の各種テーブルとを連結して参照することにより、本実施形態の電力利用管理サービスにおいて、設置者(駐車場管理者)への電力供給量分の提供料金の支払処理を行うことができる。
【0059】
また、記憶部(DB)104には、利用者IDと、その利用者の車両30の充電のための電力供給量分の利用料金を徴収するために必要な処理(課金処理)に用いる情報(利用料金の請求先情報など)とを対応づけた課金処理テーブルを格納してもよい。この課金処理テーブルには、本実施形態の電力利用管理サービスに利用者50が新規に登録されたときにレコードが追加される。課金処理テーブルと前述の各種テーブルとを連結して参照することにより、本実施形態の電力利用管理サービスにおいて、利用者への電力供給量分の利用料金の課金処理を行うことができる。
【0060】
そのほか、例えば、供給量情報としてSoCデータを用いる場合には、バッテリー31の識別情報と満充電容量との対応関係を示すバッテリー情報テーブルが記憶部(DB)104に記憶される。
【0061】
図5は、本実施形態に係る電力利用管理サーバ100における電力利用管理処理の一例を示すフローチャートである。
図5において、本実施形態の電力利用管理処理は、事前準備フェーズ(S100)と運用フェーズ(S200)とを含む。
【0062】
事前準備フェーズ(S100)において、電力利用管理サーバ100は、駐車場管理者などのコンセント20の設置者(提供者)から電力利用管理サービスへのコンセント登録の申し込みがあると、オペレータによって、当該設置者(駐車場管理者)のコンセント20についてデータ入力が行われ、前述の表2のコンセント管理テーブルと上述した支払処理テーブルを作成する(S101)。このようなテーブルを管理することで、複数の提供者に対し、それぞれのコンセント20(エネルギー出力部)から供給された電力供給量に応じた提供料金の適切な支払処理を行うことができる。
【0063】
また、電力利用管理サーバ100は、電力利用管理サービスを利用する利用者50から端末装置51を用いて電力利用管理サービスの利用申し込みがあると、端末装置51から、利用者50及び端末装置51の情報並びに供給対象(車両30及びバッテリー31)の情報を含む新規登録データを受信する。これにより、電力利用管理サーバ100は、その新規登録データに基づき、表3のユーザ管理テーブルと表4の車両管理テーブルと上述した課金処理テーブルとを作成する(S102)。
【0064】
次に、運用フェーズ(S200)において、利用者50は、登録されているコンセント20から電力供給を受けて車両30のバッテリー31を充電する場合、まず、端末装置51を操作して電力利用管理サービスを利用するためのアプリケーション(電力利用アプリ)を起動させる。そして、端末装置51により、コンセント20の識別情報を含むコード画像21を撮像して読み取るとともに、端末装置51の表示画面に表示されたメニュー選択で「私の車」を選択する。この操作により、利用者50(又は端末装置51)の識別情報と、コード画像21の読取データと、端末装置51に「私の車」として事前登録されている車両30(又はバッテリー31)の識別情報が、電力利用管理サーバ100に送信される。これにより、電力利用管理サーバ100は、利用者50の端末装置51から、利用者50(又は端末装置51)の識別情報とコード画像21の読取データと車両30(又はバッテリー31)の識別情報とを受信する(S201)。
【0065】
次に、電力利用管理サーバ100は、端末装置51から受信した利用者50(又は端末装置51)の識別情報と車両30(又はバッテリー31)の識別情報とに基づいて、利用者50(又は端末装置51)の識別情報と車両30(又はバッテリー31)との組み合わせについて認証処理を行う(S202)。
【0066】
認証処理を終えた電力利用管理サーバ100は、次に、受信した利用者50(又は端末装置51)の識別情報と車両30(又はバッテリー31)の識別情報とに基づいて、車両管理サーバ300に対して当該車両30についてのSoCデータ(供給量情報)を要求する。これにより、車両管理サーバ300から当該車両30についての最新の供給量情報(充電前のSoCデータ)が、通信網60を介して電力利用管理サーバ100に取得される(S203)。
【0067】
その後、コンセント20から供給される電力による車両30のバッテリー31の充電が行われ、充電が完了すると、車両30は、利用者50の端末装置51からのリクエストにより又は自律的に、コンセント20から供給されて車両30のバッテリー31の充電に利用された電力利用情報(例えば、バッテリー識別情報、電力量(SoCデータ)、充電開始時間、充電終了時間)を、車両管理サーバ300に送信する。これにより、充電後のSoCデータが車両管理サーバ300に登録される。
【0068】
また、充電が完了すると、利用者の端末装置51から、利用者50(又は端末装置51)の識別情報と車両30(又はバッテリー31)の識別情報とを含む充電完了通知が、電力利用管理サーバ100に送信される。これを受信した電力利用管理サーバ100は、利用者50(又は端末装置51)の識別情報と車両30(又はバッテリー31)の識別情報とに基づいて、車両管理サーバ300に対して当該車両30についてのSoCデータ(供給量情報)を要求する。これにより、車両管理サーバ300から当該車両30についての最新の供給量情報(充電後のSoCデータ)が、通信網60を介して電力利用管理サーバ100に取得される(S204)。
【0069】
このようにして、充電前のSoCデータと充電後のSoCデータとを受信した電力利用管理サーバ100は、記憶部(DB)104のバッテリー情報テーブルを参照して、当該バッテリー31の満充電容量を得る。そして、充電前のSoCデータと満充電容量とから充電前におけるバッテリー31の電力残量を算出するとともに、充電後のSoCデータと満充電容量とから充電後におけるバッテリー31の電力残量を算出する。その後、充電後の電力残量から充電前の電力残量を差し引き、今回の充電で利用された電力供給量を算出する(S205)。
【0070】
なお、電力供給量の算出方法は、これに限らず適宜選択されるものであり、例えば、バッテリー31の消耗度合いを利用履歴データから取得し、SoCデータと満充電容量とからバッテリー31の電力残量を算出するにあたり、その消耗度合いを用いて補正するようにしてもよい。
【0071】
次に、電力利用管理サーバ100は、コード画像の読取データに基づいて前述の表2のコンセント管理テーブルを参照し、コンセント20の識別情報を特定する。更に、電力利用管理サーバ100は、そのコンセント20の識別情報(コンセントID)と、利用者50又は端末装置51の識別情報(利用者ID、端末ID)と、供給対象の識別情報(車両ID又はバッテリーID)と、処理ステップS205で算出した今回の充電量(電力供給量)とを、互いに対応付けて、前述の表1の電力利用トランザクションテーブル(電力利用台帳)に追加するように、記憶部(DB)104に記憶する(S206)。
【0072】
電力利用管理サーバ100は、表1に示すような電力利用トランザクションテーブル(電力利用台帳)を参照することにより、電力利用管理サービスにおけるコンセントを介した電力の提供と利用を管理することができる。
【0073】
本実施形態では、電力利用管理サーバ100は、電力利用トランザクションテーブル(電力利用台帳)を参照することにより、コンセント20を介した車両30による電力利用の利用料金について、利用者50、供給対象(車両30又はバッテリー31)及び端末装置51の少なくとも一つに対して課金するために必要な処理(課金処理)を行う(S207)。この課金処理では、例えば、所定期間(例えば一月分)における各利用者の電力供給量の合計をとり、これに利用料金の単価を掛け合わせて、各利用者から徴収する利用料金を算出する。そして、記憶部104の課金処理テーブルを参照して、各利用者から利用料金を徴収するために必要な課金処理を行う。
【0074】
利用者から利用料金を徴収する方法は、コンセント20から利用者の車両30に供給した電力供給量に応じた利用料金を徴収するのであれば、特に制限はない。例えば、完全従量制であってもよいし、規定量の電力供給量までは定額とする定額制であってもよい。利用者から利用料金を徴収する事業者は、電力利用管理サーバ100を運営する電力利用管理事業者であってもよいし、電力利用管理事業者からの委託を受けて利用料金を徴収する別の事業者であってもよい。
【0075】
また、本実施形態では、電力利用管理サーバ100は、電力利用トランザクションテーブル(電力利用台帳)を参照することにより、コンセント20の設置者(駐車場管理者)に対して、そのコンセント20を介した車両30への電力提供の提供料金を支払うために必要な処理(支払処理)を行う(S208)。この支払処理では、例えば、所定期間(例えば一月分)における各設置者のコンセント20に対応する電力供給量の合計をとり、これに提供料金の単価を掛け合わせて、各設置者へ支払う提供料金を算出する。そして、記憶部104の支払処理テーブルを参照して、各設置者へ提供料金を支払うために必要な支払処理を行う。
【0076】
以上、本実施形態において、電力利用管理サーバ100は、エネルギー供給対象である車両30に備わった検出部33で検出されるSoCデータ等の供給量情報を供給量情報通信部102で受信する。そして、電力利用管理サーバ100は、課金処理部105により、受信した供給量情報から算出される電力の利用料金を、利用者50に課金するために必要な課金処理を行う。これにより、電力利用管理サーバ100を運用する電力利用管理事業者は、本実施形態の電力利用管理サービスに登録されたエネルギー出力部であるコンセント20から電力供給を受けた利用者50から、電力供給を受けた電力量(電力供給量)に応じた適正な利用料金を徴収するサービスを提供することができる。
【0077】
また、本実施形態において、電力利用管理サーバ100は、支払処理部106により、供給量情報通信部102で受信した供給量情報から算出される電力の提供料金を提供者である駐車場管理者へ支払うために必要な支払処理を行う。これにより、電力利用管理サーバ100を運用する電力利用管理事業者は、コンセント20からの電力供給を受けた利用者50の電力利用分の提供料金を駐車場管理者が受け取ることのできるサービスを提供することができる。
【0078】
また、本実施形態においては、上述したように、エネルギー出力部としてのコンセント20は、予め決められた特定の利用者(本電力利用管理サービスに登録した利用者)だけではなく、当該特定の利用者ではない不特定の一般の利用者(本電力利用管理サービスに登録していない利用者)も利用可能な共用のコンセント(汎用のコンセント等)であってもよい。このような共用のコンセントを本実施形態の電力利用管理システムのエネルギー出力部として用いることは、特定の利用者のみが使用可能なコンセントを設置する場合よりも、設置の許可等の手続きが容易となり、本電力利用管理サービスで用いることのできるエネルギー出力部の数の増大や設置エリアの拡充に寄与する。
【0079】
しかしながら、共用のコンセントは、通常、当該コンセントから供給する電力の供給量情報を検出する電力量計を備えていることが多いが、そのような検出部は、そのコンセントから供給される電力の供給量情報を、利用者を区別せずに一括して検出するものである。そのため、共用のコンセント側に備わった検出部で供給量情報を検出するシステムでは、特定の利用者を一般の利用者と区別して供給量情報を検出することができず、特定の利用者に提供されて利用される電力(エネルギー)の提供や利用を管理することが難しい。したがって、共用のコンセントを用いる場合、そのコンセントから特定の利用者へ供給された電力の供給量を一般の利用者のものと区別して把握することが必要となる。
【0080】
本実施形態によれば、コンセント20から利用者50の車両30に供給した電力供給量を、車両30に備わった検出部33で検出される供給量情報に基づいて把握する。よって、共用のコンセントを用いる場合でも、コンセント20から利用者50(特定の利用者)の車両30に供給した電力供給量を、他の利用者(一般の利用者等)と区別して把握することができる。しかも、この場合、当該共用のコンセントの設置者(駐車場管理者等)は、そのコンセントから特定の利用者に供給された電力供給量を他の利用者(一般の利用者等)と区別して検出するための設備を新たに設置する必要がない。よって、駐車場管理者にとっては、本電力利用管理サービスにおいて共用のコンセントを用いる場合でも、設備費用(導入コスト)が低く抑えられる。
【0081】
また、本実施形態において、本電力利用管理サービスで用いることのできるコンセント(エネルギー出力部)として、マンションの共用部やショッピングセンターの駐車場などの共用エリアに設置されるコンセント(エネルギー出力部)を用いることも、本電力利用管理サービスで用いることのできるコンセント(エネルギー出力部)の数の増大や設置エリアの拡充に寄与する。しかしながら、このような共用エリアには、その共用エリア内で供給される電力(エネルギー)の供給量情報を検出する検出部が設けられていることが多いが、そのような検出部は、その共用エリア内で供給される電力の供給量の合算量を検出するものである。そのため、共用エリアに備わった検出部で供給量情報を検出するシステムでは、そのような共用エリアに設置されているコンセントからの電力の提供や利用を管理することが難しい。
【0082】
本実施形態においても、コンセント20やゲート装置82や各種電力利用設備85を含む共用エリアである駐車場80の電力量、すなわち、コンセント20から利用者50の車両30に供給される電力供給量と、ゲート装置82や各種電力利用設備85に供給される他の電力供給量との合算量を、電力量計83によって一括して計測する。そして、駐車場管理者は、この合算量に応じた電力代金を電力会社に支払う。この場合、コンセント20から利用者50の車両30に供給した電力供給量分の提供料金を、電力利用管理事業者が駐車場管理者(提供者)に支払うためには、電力量計83とは別途に、コンセント20から利用者50の車両30に供給した電力供給量を把握する必要がある。
【0083】
本実施形態によれば、コンセント20から利用者50の車両30に供給した電力供給量を、車両30に備わった検出部33で検出される供給量情報に基づいて把握する。よって、コンセント20やゲート装置82や各種電力利用設備85を含む駐車場80の電力量を一括して計測する設備(電力量計83)しか備わっていない場合でも、コンセント20から利用者50の車両30に供給した電力供給量を把握することができる。したがって、本実施形態においては、駐車場管理者は、コンセント20からの電力供給を受けた利用者50の電力利用分の提供料金を受け取るにあたり、コンセント20から利用者50の車両30に供給された電力供給量を検出するための設備を新たに設置する必要がない。よって、駐車場管理者にとっては、本電力利用管理サービスを導入するにあたって、設備費用(導入コスト)が低く抑えられる。
【0084】
また、駐車場管理者にとっては、上述した新たな設備を設置するための煩雑な手続きが不要であり、本電力利用管理サービスを導入しやすい。例えば、駐車場80が分譲マンションの共用部で、駐車場管理者が当該マンションの管理組合である場合、前記のような新たな設備を共用部に設置するには、当該マンションにおける多数の区分所有者から同意を得るなどの手続きが必要で、非常に煩雑な手続きを要する。本実施形態によれば、このような煩雑な手続きが不要であるため、分譲マンションの共用部に設けられている共用のコンセント20(エネルギー出力部)を利用する場合でも、本電力利用管理サービスを導入しやすい。
【0085】
しかも、コンセント20から利用者50の車両30に供給した電力供給量を把握するための供給量情報を検出する検出部33は、既存のエネルギー供給対象(車両30)のほとんどに備わっている設備である。したがって、利用者50に検出部33のコスト負担を新たに生じさせることもない。
【0086】
以上のように、本実施形態の管理サービスは、提供者(駐車場管理事業者)にとっての利便性が高く、提供者(駐車場管理事業者)は本管理サービスを導入しやすい。これにより、提供者(駐車場管理事業者)の数が増えることが期待でき、その結果、利用者が利用可能なエネルギー出力部(コンセント25)の数の増大や設置エリアの拡充が促進される。
【0087】
また、近年、車両30に備わった検出部33で検出される供給量情報を含む種々の情報が各車両メーカーの車両管理サーバ300に集積され、様々な車両サービスに利用されている。本実施形態の電力利用管理サーバ100は、車両30に備わった検出部33で検出される供給量情報を個々の車両30から個別に取得するのではなく、車両メーカーの車両管理サーバ300から取得する。これによれば、既存の機器、設備を利用して、車両30に備わった検出部33で検出される供給量情報を電力利用管理サーバ100が取得できるので、各利用者50の個々の車両30に供給量情報を電力利用管理サーバ100へ送信する機器を新たに設置する必要がない。したがって、利用者50のコスト負担は更に少ないものとなる。
【0088】
一方で、車両30に備わった検出部33で検出される供給量情報が車両メーカーの車両管理サーバ300に集積されるサービスを利用していない利用者も想定されるため、利用者50の車両30に供給量情報を電力利用管理サーバ100へ送信する機器を新たに設置してもよい。この場合、例えば、車両30の検出部33で検出される供給量情報(SoCデータ等)を取得して電力利用管理サーバ100へ送信できる送信部としての通信機器を、車両30に備わっているOBD2(On Board Diagnosis second generation)用コネクタに接続してもよい。
【0089】
また、本実施形態では、利用者の識別情報として、利用者50又は端末装置51の識別情報や、コンセント20から電力が供給される供給対象である車両30の識別情報を、利用者50の端末装置51から電力利用管理サーバ100が受信するが、これに限られない。例えば、駐車場80の出入口に設置されるゲート装置82に、駐車場80に出入りする車両30の識別情報を取得する機能を設け、ゲート装置82から電力利用管理サーバ100が受信するようにしてもよい。この場合、例えば、出入口を通過する車両30のナンバープレート(自動車登録番号標)を、ゲート装置82に設けられるカメラなどの撮像装置で撮像し、その撮像画像から認識した当該車両30の自動車登録番号を識別情報として取得することができる。また、そのほか、車両に搭載されているETC(Electronic Toll Collection System)車載機から受信される当該車両の識別情報を取得するようにしてもよい。
【0090】
なお、上述した実施形態では、利用者50の端末装置51を用いて利用者の識別情報や提供者の識別情報等の情報を電力利用管理サーバ100へ送信しているが、端末装置51に代えて、車両30に搭載されている外部通信部32を用いてもよい。また、上述した実施形態では、車両30に搭載されている外部通信部32を用いて供給量情報等の情報を送信しているが、このような車載の外部通信部32に代えて、利用者50の端末装置51を用いてもよい。
【0091】
また、上述した利用者に課金される利用料金や、駐車場管理者等の提供者に支払われる提供料金は、供給量情報に基づいて算出される料金であれば、他の付加情報を加味して算出される料金であってもよい。すなわち、同じ供給量であっても、付加情報に応じて利用料金や提供料金を変更するようにしてもよい。この付加情報としては、例えば、利用者の属性(サービスに支払っている料金の違いやサービスグレードの違い、利用者の年齢の違い、利用者の所属地域の違いなど)、エネルギー供給対象である車両30の属性(車両メーカーの違い、当該車両30に関連する付加サービスの違いなど)が挙げられる。また、この付加情報としては、例えば、エネルギー出力部から出力されるエネルギーの種別情報(エネルギー源の違い、指定のクリーンエネルギーか否かなど)、エネルギー出力部の種類(提供者のエネルギー出力部から利用者のエネルギー供給対象に供給されるエネルギーの供給速度の違い(急速充電か否か)など)が挙げられる。
【0092】
なお、本明細書で説明された処理工程並びに情報処理装置、ゲート装置、車両の車載装置、端末装置、サーバなどの構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
【0093】
ハードウェア実装については、実体(例えば、コンピュータ装置、サーバ、ゲート装置、車両の車載装置、端末装置(ユーザ装置、移動局、通信端末)、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
【0094】
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、前記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
【0095】
また、前記媒体は非一時的な記録媒体であってもよい。また、前記プログラムのコードは、コンピュータ、プロセッサ、又は他のデバイス若しくは装置機械で読み込んで実行可能であればよく、その形式は特定の形式に限定されない。例えば、前記プログラムのコードは、ソースコード、オブジェクトコード及びバイナリコードのいずれでもよく、また、それらのコードの2以上が混在したものであってもよい。
【0096】
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
【符号の説明】
【0097】
10 :電力利用管理システム
20 :コンセント
21 :コード画像
22,23:識別補助画像
25 :充電スタンド
30 :車両
31 :バッテリー
32 :外部通信部
33 :検出部
40 :電源ケーブル
41 :プラグ
50 :利用者
51 :端末装置
60 :通信網
80 :駐車場
81 :出入口
82 :ゲート装置
83 :電力量計
85 :電力利用設備
100 :電力利用管理サーバ
101 :端末通信部
102 :供給量情報通信部
103 :管理処理部
104 :記憶部
105 :課金処理部
106 :支払処理部
200 :電力管理装置
210 :配電設備
300 :車両管理サーバ