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特開2022-128785情報処理システム、情報処理装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128785
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/14 20120101AFI20220829BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20220829BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220829BHJP
【FI】
G06Q20/14
G06Q50/06
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021027195
(22)【出願日】2021-02-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和2年8月19日に、https://www.wecharge.com/等のウェブサイトにて公開 (2)令和2年8月25日に、https://www.ubiden.com/news/20200825のウェブサイトにて公開 (3)令和2年10月9日に、https://note.com/wecharge/n/n65a7d47de59cのウェブサイトにて公開 (4)令和2年12月24日に、https://note.com/wecharge等のウェブサイトにて公開 (5)令和3年1月21日に、https://note.com/wecharge等のウェブサイトにて公開 (6)令和3年1月25日に、https://note.com/wecharge等のウェブサイトにて公開 (7)令和3年1月28日に、https://note.com/wecharge等のウェブサイトにて公開 (8)令和3年2月3日に、https://note.com/wecharge等のウェブサイトにて公開 (9)令和3年2月9日に、https://note.com/wecharge等のウェブサイトにて公開 (10)令和3年2月14日に、https://note.com/wecharge等のウェブサイトにて公開 (11)令和3年2月16日に、https://note.com/wecharge等のウェブサイトにて公開
(71)【出願人】
【識別番号】519170058
【氏名又は名称】ユビ電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(74)【代理人】
【識別番号】100128691
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 弘通
(72)【発明者】
【氏名】山口 典男
(72)【発明者】
【氏名】白石 辰郎
(72)【発明者】
【氏名】大西 周平
(72)【発明者】
【氏名】池田 仁司
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L049CC11
5L055AA32
(57)【要約】
【課題】同じサービス提供エリア内で複数の提供事業者からの複数種類のサービスが同じサービス提供対象に提供される場合において、利用者の利便性向上、提供事業者の利便性向上又はその両方を実現する。
【解決手段】移動体30又は該移動体の利用者をサービス提供対象として提供されるサービスに関する情報処理を行う情報処理システム10は、複数の提供事業者からそれぞれ提供される複数種類のサービスが提供されるサービス提供エリア内に存在する前記サービス提供対象の検知を行う検知部82と、前記検知部に検知された前記サービス提供対象に提供される前記複数種類のサービスの利用料金を、一括して前記利用者に課金するために必要な処理を行う課金処理部100と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体又は該移動体の利用者をサービス提供対象として提供されるサービスに関する情報処理を行う情報処理システムであって、
複数の提供事業者からそれぞれ提供される複数種類のサービスが提供されるサービス提供エリア内に存在する前記サービス提供対象の検知を行う検知部と、
前記検知部に検知された前記サービス提供対象に提供される前記複数種類のサービスの利用料金を、一括して前記利用者に課金するために必要な処理を行う課金処理部と、を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記検知部に検知された前記サービス提供対象に提供される前記複数種類のサービスの提供料金を、前記複数の提供事業者にそれぞれ支払うために必要な処理を行う支払処理部を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
移動体又は該移動体の利用者をサービス提供対象として提供されるサービスに関する情報処理を行う情報処理システムであって、
複数の提供事業者からそれぞれ提供される複数種類のサービスが提供されるサービス提供エリア内に存在する前記サービス提供対象の検知を行う検知部と、
前記検知部に検知された前記サービス提供対象に提供される前記複数種類のサービスの提供料金を、前記複数の提供事業者にそれぞれ支払うために必要な処理を行う支払処理部と、を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記検知部は、前記サービス提供エリアの入場口及び出場口の少なくとも一方に設置されるゲート装置により該サービス提供エリアへのサービス提供対象の通過を検知した検知情報を取得することにより前記検知を行うことを特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記検知部は、前記サービス提供対象の位置情報と前記サービス提供エリアの位置情報とに基づいて前記検知を行うことを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記複数種類のサービスは、前記移動体の駐留スペースの貸出サービスと、前記移動体へのエネルギー供給サービスと、前記移動体へのエネルギー供給サービスに付随して提供される付加サービスとのうちの少なくとも1つのサービスを含むことを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理システムにおいて、
前記付加サービスは、移動体へのエネルギー供給速度が高速である急速供給の利用に対して課金されるエネルギー急速供給サービスを含むことを特徴とする情報処理システム。
【請求項8】
移動体又は該移動体の利用者をサービス提供対象として提供されるサービスに関する情報処理を行う情報処理装置であって、
複数の提供事業者からそれぞれ提供される複数種類のサービスが提供されるサービス提供エリア内に存在することが検知部によって検知された前記サービス提供対象に提供される前記複数種類のサービスの利用料金を、一括して前記利用者に課金するために必要な処理を行う課金処理部を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
移動体又は該移動体の利用者をサービス提供対象として提供されるサービスに関する情報処理を行う情報処理装置であって、
複数の提供事業者からそれぞれ提供される複数種類のサービスが提供されるサービス提供エリア内に存在することが検知部によって検知された前記サービス提供対象に提供される前記複数種類のサービスの提供料金を、前記複数の提供事業者にそれぞれ支払うために必要な処理を行う支払処理部を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
移動体又は該移動体の利用者をサービス提供対象として提供されるサービスに関する情報処理を行う方法であって、
複数の提供事業者からそれぞれ提供される複数種類のサービスが提供されるサービス提供エリア内に存在する前記サービス提供対象の検知を行うことと、
検知された前記サービス提供対象に提供される前記複数種類のサービスの利用料金を、一括して前記利用者に課金するために必要な処理を行うことと、を有することを特徴とする方法。
【請求項11】
移動体又は該移動体の利用者をサービス提供対象として提供されるサービスに関する情報処理を行う方法であって、
複数の提供事業者からそれぞれ提供される複数種類のサービスが提供されるサービス提供エリア内に存在する前記サービス提供対象の検知を行うことと、
検知された前記サービス提供対象に提供される前記複数種類のサービスの提供料金を、前記複数の提供事業者にそれぞれ支払うために必要な処理を行うことと、を有することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体又は該移動体の利用者をサービス提供対象として提供されるサービスに関する情報処理を行う情報処理システム、情報処理装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の情報処理システムとしては、利用者の電気自動車(移動体)にコンセントから電力を供給し、その利用料金を利用者に課金するシステムが知られている。例えば、特許文献1には、電力線から電力供給を受けて電力供給を制御する電力供給ゲート装置と、電力供給ゲート装置から供給される電力の利用を管理するサーバ装置(情報処理装置)と、電力供給ゲート装置と電気自動車との間を接続するモバイルコンセントとを備えた情報処理システムが開示されている。モバイルコンセントには、電気自動車がどれだけ電力を利用したかを測定するための電力使用量積算計が設けられている。電力供給ゲート装置からの電力をモバイルコンセントから出力して電気自動車へ供給した後、電力使用量積算計で検出された今回の電力供給量(供給量情報)がモバイルコンセントからサーバ装置へ送信され、サーバ装置は受信した電力利用量から電力の利用料金を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-325357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、利用者の電気自動車(移動体)への電力供給サービスのほかにも、移動体又は該移動体の利用者をサービス提供対象として提供されるサービスが種々提案され、同じサービス提供エリア内で複数の提供事業者から複数種類のサービスが同じサービス提供対象に提供される場合がある。このような場合、複数の提供事業者がそれぞれ、同じサービス提供対象に提供した複数種類のサービスについて個別に課金するための処理を行ったり、また、これらの複数種類のサービスを利用したサービス提供対象が複数の提供事業者のそれぞれに対して個別に料金(提供料金)を支払ったりしたのでは、サービス提供対象、提供事業者又はその両方にとって利便性に欠ける。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、移動体又は該移動体の利用者をサービス提供対象として提供されるサービスに関する情報処理を行う情報処理システムであって、複数の提供事業者からそれぞれ提供される複数種類のサービスが提供されるサービス提供エリア内に存在する前記サービス提供対象の検知を行う検知部と、前記検知部に検知された前記サービス提供対象に提供される前記複数種類のサービスの利用料金を、一括して前記利用者に課金するために必要な処理を行う課金処理部と、を有する。
前記情報処理システムにおいて、前記検知部に検知された前記サービス提供対象に提供される前記複数種類のサービスの提供料金を、前記複数の提供事業者にそれぞれ支払うために必要な処理を行う支払処理部を有してもよい。
【0006】
本発明の他の態様に係る情報処理システムは、移動体又は該移動体の利用者をサービス提供対象として提供されるサービスに関する情報処理を行う情報処理システムであって、複数の提供事業者からそれぞれ提供される複数種類のサービスが提供されるサービス提供エリア内に存在する前記サービス提供対象の検知を行う検知部と、前記検知部に検知された前記サービス提供対象に提供される前記複数種類のサービスの提供料金を、前記複数の提供事業者にそれぞれ支払うために必要な処理を行う支払処理部と、を有する。
【0007】
前記情報処理システムにおいて、前記検知部は、前記サービス提供エリアの入場口及び出場口の少なくとも一方に設置されるゲート装置により該サービス提供エリアへのサービス提供対象の通過を検知した検知情報を取得することにより前記検知を行ってもよい。
また、前記情報処理システムにおいて、前記検知部は、前記サービス提供対象の位置情報と前記サービス提供エリアの位置情報とに基づいて前記検知を行ってもよい。
また、前記情報処理システムにおいて、前記複数種類のサービスは、前記移動体の駐留スペースの貸出サービスと、前記移動体へのエネルギー供給サービスと、前記移動体へのエネルギー供給サービスに付随して提供される付加サービスとのうちの少なくとも1つのサービスを含んでもよい。前記付加サービスは、移動体へのエネルギー供給速度が高速である急速供給の利用に対して課金されるエネルギー急速供給サービスを含んでもよい。
【0008】
本発明の更に他の態様に係る情報処理装置は、移動体又は該移動体の利用者をサービス提供対象として提供されるサービスに関する情報処理を行う情報処理装置であって、複数の提供事業者からそれぞれ提供される複数種類のサービスが提供されるサービス提供エリア内に存在することが検知部によって検知された前記サービス提供対象に提供される前記複数種類のサービスの利用料金を、一括して前記利用者に課金するために必要な処理を行う課金処理部を有する。
また、本発明の更に他の態様に係る情報処理装置は、移動体又は該移動体の利用者をサービス提供対象として提供されるサービスに関する情報処理を行う情報処理装置であって、複数の提供事業者からそれぞれ提供される複数種類のサービスが提供されるサービス提供エリア内に存在することが検知部によって検知された前記サービス提供対象に提供される前記複数種類のサービスの提供料金を、前記複数の提供事業者にそれぞれ支払うために必要な処理を行う支払処理部を有する。
【0009】
本発明の更に他の態様に係る方法は、移動体又は該移動体の利用者をサービス提供対象として提供されるサービスに関する情報処理を行う方法であって、複数の提供事業者からそれぞれ提供される複数種類のサービスが提供されるサービス提供エリア内に存在する前記サービス提供対象の検知を行うことと、検知された前記サービス提供対象に提供される前記複数種類のサービスの利用料金を、一括して前記利用者に課金するために必要な処理を行うことと、を有する。
また、本発明の更に他の態様に係る方法は、移動体又は該移動体の利用者をサービス提供対象として提供されるサービスに関する情報処理を行う方法であって、複数の提供事業者からそれぞれ提供される複数種類のサービスが提供されるサービス提供エリア内に存在する前記サービス提供対象の検知を行うことと、検知された前記サービス提供対象に提供される前記複数種類のサービスの提供料金を、前記複数の提供事業者にそれぞれ支払うために必要な処理を行うことと、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、同じサービス提供エリア内で複数の提供事業者から複数種類のサービスが同じサービス提供対象に提供される場合において、利用者の利便性向上、提供事業者の利便性向上又はその両方を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1に係るサービス管理システムを構成するコンセントが設置された設置エリアを示す説明図。
図2】同サービス管理システムの概略構成の一例を示す説明図。
図3】同サービス管理システムを構成するサーバの主要な機能の構成の一例を示すブロック図。
図4】実施形態1のサービス管理システムにおける処理の一例を示すシーケンス。
図5】実施形態2に係るサービス管理システムを構成するコンセントが設置された設置エリアを示す説明図。
図6】同サービス管理システムの概略構成の一例を示す説明図。
図7】同サービス管理システムを構成するサーバの主要な機能の構成の一例を示すブロック図。
図8】実施形態2のサービス管理システムにおける処理の一例を示すシーケンス。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。
本実施形態1に係るシステムは、移動体又は該移動体の利用者をサービス提供対象として提供される複数種類のサービスに関する情報処理を行う情報処理システムである。本システムによって情報処理が行われる複数種類のサービスは、同じサービス提供エリア内に存在する移動体又は該移動体の利用者に提供されるサービスであって、それぞれ異なる提供事業者から提供されるサービスであれば、そのサービス内容に制限はない。
【0013】
移動体は、電動車両や燃料電池車両等の地上を移動する移動体でもよいし、ドローンなどの空中を移動する移動体でもよいし、海などの水上を移動する船舶等の移動体であってもよい。移動体は、四輪以上の車両、三輪車(トライスクル)、二輪車(バイク、自転車)、トラック、バス、自家用車、事業用車両などの車両であってもよい。
【0014】
本実施形態のサービスとしては、例えば、移動体の駐留スペースの貸出サービス、移動体へのエネルギー供給サービス、移動体へのエネルギー供給サービスに付随して提供される付加サービス、移動体の整備や洗浄などのメンテナンスサービス、移動体で訪問した利用者に対する施設利用サービスなどが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
【0015】
移動体の駐留スペースの貸出サービスは、貸し出されている駐留スペースに移動体を駐留させるときの利用料金が課金されるサービスであり、典型的には、移動体が自動車であれば、月極駐車場や時間貸し駐車場などの駐車サービスが挙げられる。移動体が自転車であれば、月極駐輪場や時間貸し駐輪場などの駐輪サービスが挙げられる。
【0016】
また、移動体へのエネルギー供給サービスは、移動体へのエネルギー供給に対して課金されるサービスであり、典型的には、移動体がガソリン自動車であれば、自動車に給油したガソリンの量(エネルギー供給量)に応じた利用料金が課金される給油サービスなどが挙げられる、なお、移動体への供給対象となるエネルギーは、例えば、石油、天然ガス、石炭などの形態の一次エネルギーでもよいし、電気、水素、ガソリン、軽油、重油、都市ガス、アルコールなどの形態の二次エネルギーであってもよい。
【0017】
また、移動体へのエネルギー供給サービスに付随して提供される付加サービスとしては、例えば、移動体へのエネルギー供給速度が高速である急速供給の利用に対して課金されるエネルギー急速供給サービスが挙げられる。このエネルギー急速供給サービスは、例えば、同じ量のエネルギー供給を受ける場合でもより短時間でエネルギー供給が完了することのメリット(価値)に対して課金するサービスである。また、このような急速供給が可能な設備は、通常、低速供給の設備と比較して高価である場合が多いので、そのような高価な設備の利用料金を含む課金サービスとも言える。
【0018】
また、移動体のメンテナンスサービスは、移動体に対して行われる修理、整備、洗浄などの処置に対して課金されるサービスであり、移動体の修理、整備、洗浄などのメンテナンス内容に応じた料金が課金されるサービスなどが挙げられる。
【0019】
また、移動体で訪問した利用者に対する施設利用サービスは、移動体で訪問した利用者に施設(例えば、動物園や遊園地などの娯楽施設、レストランなどの飲食施設、ホテルなどの宿泊施設など)の利用料金を課金するサービスである。
【0020】
本実施形態1では、一例として、移動体が電気自動車(車両)であり、駐車場の駐車スペースを貸し出す時間貸しの駐車サービスの提供と、その駐車場内の充電設備から車両のバッテリーに電力を供給(充電)する充電サービスの提供とに関する情報処理を行うシステム(サービス管理システム)を例に挙げて説明する。
【0021】
図1は、本実施形態1に係るサービス管理システム10で管理する駐車サービス及び充電サービスが提供されるサービス提供エリアを示す説明図である。
図1に示すサービス提供エリアAは、複数の車両30-1~30-3を駐車可能な駐車スペースを有する駐車場80の敷地に設定されている。駐車場80に対して車両30-1~30-3が出入りできる場所は、出入口81の一箇所となっている。駐車場80の出入口81には、ゲート装置82が設置されている。このゲート装置82には、駐車場80(サービス提供エリア)に出入りする車両30を識別して検知する機能が備わっている。
【0022】
駐車場80内には、各駐車スペースの近傍に、コンセント20を備えた充電スタンド25-1~25-5がそれぞれ設置されている。図1の例では、駐車場80内に5つの充電スタンド25-1~25-5が設置されているが、駐車場内に設置する充電スタンドの数は任意であり、1つであっても、複数であってもよい。なお、本実施形態1のサービス提供エリアAは、屋外であるが、屋内であってもよい。
【0023】
図2は、本実施形態1に係るサービス管理システム10の概略構成の一例を示す説明図である。
図2において、サービス管理システム10は、駐車場80の駐車スペースを貸し出す時間貸し駐車サービスの提供と、駐車場80内のコンセント20から車両30のバッテリー31に電力を供給(充電)する充電サービスの提供とを管理する。コンセント20からの電力供給は、例えば、有線の電源ケーブル40及びプラグ41を介して行われる。コンセント20からの電力供給は、電磁誘導、磁界共振あるいは磁界共鳴(磁気共鳴)技術、マイクロ波等の電波による給電、レーザー光等の光による給電などの無線給電で行ってもよい。なお、無線給電を行う場合でも、電気自動車の個体識別番号等を得ることができる。また、コンセント20から供給される電圧(電流)は交流であってもよいし、直流であってもよい。
【0024】
サービス管理システム10は、時間貸し駐車サービスの提供と充電サービスの提供とに関する情報処理を行う情報処理装置としてのサーバ100を備える。サーバ100は、単体のコンピュータ装置で構成してもよいし、複数のコンピュータ装置を連携させるように構成してもよいし、ネットワーク上のクラウドシステムで構成してもよい。
【0025】
電力(電気エネルギー)を出力可能なエネルギー出力部としてのコンセント20は、用途が限定されていない汎用のコンセントでもよいし、用途限定の専用コンセントであってもよい。また、コンセント20は、利用者が限定されていないコンセントでもよいし、特定の利用者のみ利用可能なコンセントであってもよい。
【0026】
駐車場80の出入口81に設置されたゲート装置82は、出入口81を通過する車両30に搭載された近距離通信部33との間で無線LANやBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を可能とする無線通信部82aを備えている。無線通信部82aは、出入口81を通過する車両30の近距離通信部33から、車両30あるいはその利用者を識別するための識別情報を受信する。なお、本実施形態1では、例えば、車両30を識別するための車両識別情報を、車両30の近距離通信部33からゲート装置82の無線通信部82aへ送信する。
【0027】
本実施形態1のゲート装置82は、出入口81を通過する車両30やその利用者を識別できる識別情報を取得できればよい。したがって、その取得方法は、上述したように車両30から送信される識別情報を無線通信部82aで受信する方法に限られない。例えば、出入口81を通過する車両30のナンバープレート(自動車登録番号標)をカメラなどの撮像装置を用いて撮像し、その撮像画像から認識した当該車両30の自動車登録番号を識別情報として取得してもよい。また、そのほか、車両に搭載されているETC(Electronic Toll Collection System)車載機から受信される当該車両の識別情報を利用してもよい。
【0028】
なお、ゲート装置82で取得される車両30の識別情報は、最終的には本システムのサーバ100において当該車両30を識別するために用いられるものであるが、サーバ100での処理に用いられる識別情報そのものである必要はない。すなわち、ゲート装置82で取得される車両30の識別情報は、サーバ100での処理に用いられる識別情報と対応づけされた別形式の識別情報であってもよい。
【0029】
ゲート装置82は、出入口81を通過する車両30の識別情報を取得したら、外部通信部82bにより、当該識別情報を、移動通信網、インターネットなどの通信網60を介してサーバ100へ送信する。このとき、駐車場80に対する入場と出場の区別をするための入出場情報や、当該駐車場80又は当該ゲート装置82を識別するための識別情報(サービス提供エリアの識別情報)も一緒に送信する。なお、本実施形態1では、サービス提供エリアの識別情報として、駐車場80を識別するための駐車場識別情報を用いる例で説明する。
【0030】
車両30は、車載の近距離通信部33によりゲート装置82の無線通信部82aと近距離無線通信をすることができるほか、車載の外部通信部32により通信網60を介してサーバ100と通信することができる。外部通信部32及び近距離通信部33は、例えば、車載ネットワーク(CAN:Controller Area Network)にゲートウェイを介して接続された遠隔制御ユニット(TCU:テレマティック コントロール ユニット)であってもよい。車載ネットワーク(CAN)には、遠隔制御ユニット(TCU)のほか、バッテリー31を管理するバッテリー管理システム(BMS)や、その他の各部の制御する1又は2以上の電子制御ユニット(ECU)が接続されている。
【0031】
バッテリー31の充電に利用された電力に関する電力利用情報(例えば、バッテリー識別情報、電力量、充電開始時間、充電終了時間など)は、例えば、バッテリー管理システム(BMS)から遠隔制御ユニット(TCU)を介してサーバ100に送信することができる。また、車両識別情報は、例えば、車両の基本情報を記憶したメモリを有する電子制御ユニット(ECU)から遠隔制御ユニット(TCU)を介してゲート装置82やサーバ100に送信することができる。
【0032】
図3は、実施形態1に係るサーバ100の主要な機能の構成の一例を示すブロック図である。
図3において、サーバ100は、ゲート通信部101と、サービス提供対象通信部102と、管理処理部103と、記憶部(DB:データベース)104と、課金処理部105と、支払処理部106とを備える。
【0033】
ゲート通信部101は、通信網60を介して、各駐車場80(サービス提供エリア)に設置されているゲート装置82から、当該駐車場80を識別するための駐車場識別情報(サービス提供エリアの識別情報)とともに、駐車場80に入場又は出場する車両30の車両識別情報及び入出場情報を受信する。ゲート通信部101は、検知部として機能し、これらの情報を受信することで、駐車場80(サービス提供エリア)ごとに、当該駐車場内に存在するサービス提供対象である車両30あるいは利用者の検知を行うことができる。
【0034】
サービス提供対象通信部102は、供給情報取得部としての機能を有し、サービス提供対象の車両30から、サービス提供対象の識別情報である車両識別情報と、コンセント20から供給されて車両30のバッテリー31に供給された供給情報である電力利用情報(例えば、バッテリー識別情報、電力量、充電開始時間、充電終了時間)とを受信する。
【0035】
本実施形態1では、充電サービスにおける電力の利用料金(利用者に課金する料金)や提供料金(充電サービス事業者に支払う料金)を算出するために、電力利用情報をサービス提供対象通信部102で受信して取得するが、他の取得方法であってもよい。例えば、車両30の識別情報に関連付けて当該車両30の電力利用情報が車両メーカーの車両管理サーバに蓄積、管理されている場合には、車両管理サーバから電力利用情報を取得してもよい。
【0036】
また、充電サービスにおける電力の利用料金や提供料金を算出するためには、車両30へ供給された電力量(電力供給量)の情報(供給量情報)を把握する必要がある。例えば、車両30あるいはコンセント20側に備わっている検出部が、コンセント20からバッテリー31に充電される電力量(電力供給量)を直接的に検出できるものであれば、その検出した電力量の情報を供給量情報として利用できる。
【0037】
また、例えば、車両30に備わっている検出部がバッテリー31の電力残量を検出できるものであれば、その検出した電力残量の情報を供給量情報として利用してもよい。この場合、例えば、充電後の電力残量から充電前の電力残量を差し引くことで、コンセント20からバッテリー31に充電される電力量(電力供給量)を得ることができる。
【0038】
また、電気自動車の多くは、バッテリー31の充電率(SoC:State of Charge)を検出する検出部を備えているので、SoCのデータを供給量情報として利用してもよい。この場合、バッテリー31の満充電容量がわからないと、SoCのデータからバッテリー31の電力残量を把握することができない。しかしながら、バッテリー31の識別情報と満充電容量との対応関係を記憶部(DB)104に記憶しておくことで、バッテリー31の識別情報から満充電容量を特定して、バッテリー31のSoCのデータからバッテリー31の電力残量を算出することができる。
【0039】
本実施形態1において、ゲート通信部101及びサービス提供対象通信部102は、一体構成の通信装置(例えば移動通信モジュール)で構成してもよい。
【0040】
管理処理部103は、サービス提供エリアの識別情報である駐車場識別情報と、サービス提供対象の識別情報である車両識別情報と、駐車場利用情報と、電力利用情報とを対応づける対応付け処理や、サービス提供対象(車両30又はその利用者)の認証処理や、サービス提供対象ごとの駐車場利用情報を管理するための駐車場利用管理処理や、サービス提供対象ごとの電力利用情報を管理するための電力利用管理処理などの各種情報処理を行う。
【0041】
本実施形態1における対応付け処理としては、管理処理部103は、ゲート通信部101がゲート装置82から受信する駐車場識別情報、車両識別情報及び入出場情報を、記憶部104内のエリア滞在データベースに登録する。具体的には、入出場情報に基づいて入場したか出場したかを判断し、例えば、入場の場合には、駐車場識別情報に対応づけて車両識別情報をエリア滞在データベースに入場時刻とともに登録し、出場の場合には、当該車両識別情報に対応づけて出場時刻をエリア滞在データベースに登録する。これにより、エリア滞在データベースには、サーバ100が管理しているコンセント20が設置されている全駐車場80について、それぞれの駐車場内に存在(滞在)している全車両30の車両識別情報や、それぞれの駐車場内に存在(滞在)していた全車両30の入場時刻及び出場時刻が登録される。
【0042】
また、本実施形態1における認証処理としては、管理処理部103は、サービス提供対象通信部102が各車両30から受信する車両識別情報と、サーバ100に予め登録されている車両識別情報とを比較することにより、利用者が本実施形態の対象サービスに予め登録された正規の利用者であるかを確認する利用者認証を行う。具体的には、記憶部104内に、正規の利用者の識別情報と正規の車両識別情報とを対応づけた利用者登録データベースを記憶しておき、サービス提供対象通信部102が各車両30から受信する車両識別情報が利用者登録データベースに登録されていることを確認したら、受信した車両識別情報の利用者が正規の利用者であると判断する。正規の利用者のときはサービスの利用を許可し、正規の利用者でないときはサービスの利用を制限(例えば利用を不許可)してもよい。
【0043】
また、本実施形態1における駐車場利用管理処理としては、管理処理部103は、記憶部104内のエリア滞在データベースを参照し、各車両30が駐車場80に滞在した時間に関する滞在時間情報を、当該車両30の車両識別情報(又は当該車両識別情報に対応づけされた利用者の識別情報)に対応づけて、駐車場利用管理データベースに登録する。
【0044】
このとき、管理処理部103は、記憶部104内のエリア滞在データベースを参照し、当該車両識別情報に対応する車両30がどの駐車場80に存在(滞在)していたのかを確認し、その駐車場80の駐車場識別情報を取得する。そして、管理処理部103は、記憶部104内の事業者データベースを参照し、当該駐車場識別情報に対応する駐車サービス事業者がどの事業者なのかを確認して、その駐車サービス事業者の事業者識別情報を取得するとともに、その事業者識別情報を、当該車両30の滞在時間情報とともに、駐車場利用管理データベースに登録する。
【0045】
また、本実施形態1における電力利用管理処理としては、管理処理部103は、サービス提供対象通信部102が各車両30から受信する電力利用情報を、記憶部104内の電力利用管理データベースに登録する。具体的には、各車両30から受信する電力利用情報に含まれる電力量の情報(供給量情報)を、当該車両30の車両識別情報(又は当該車両識別情報に対応づけされた利用者の識別情報)に対応づけて、電力利用管理データベースに登録する。
【0046】
このとき、管理処理部103は、記憶部104内のエリア滞在データベースを参照し、当該車両識別情報に対応する車両30がどの駐車場80に存在(滞在)しているのかを確認し、その駐車場80の駐車場識別情報を取得する。そして、管理処理部103は、記憶部104内の事業者データベースを参照し、当該駐車場識別情報に対応する充電サービス事業者がどの事業者なのかを確認して、その充電サービス事業者の事業者識別情報を取得するとともに、その事業者識別情報を、車両30から受信した電力利用情報に含まれる電力量の情報(供給量情報)とともに、電力利用管理データベースに登録する。
【0047】
本実施形態1の記憶部104に記憶されている事業者データベースは、それぞれの駐車場80を識別するための駐車場識別情報と、それぞれの駐車場80で時間貸し駐車サービスを提供する提供事業者である駐車サービス事業者と、それぞれの駐車場80に設置されているコンセント20を用いて電力利用管理サービスを提供する提供事業者である充電サービス事業者とを対応づけて記憶している。
【0048】
本実施形態1のシステムにおいては、複数の駐車サービス事業者によりそれぞれ管理されている駐車場80が混在しているシステムであってもよい。
【0049】
また、本実施形態1のシステムにおいては、複数の充電サービス事業者によりそれぞれ管理されているコンセント20が混在しているシステムであってもよい。ただし、本実施形態1においては、同じ充電サービス事業者が管理するコンセント20のみが含まれるようにサービス提供エリアが設定されている。すなわち、サービス提供エリアとして設定された図1に示す駐車場80内に設置されている5つの充電スタンド25-1~25-5のコンセント20は、すべて同じ充電サービス事業者が管理して電力利用管理サービスを提供するものである。このようにサービス提供エリアを設定することで、サービス提供エリアと充電サービス事業者とを一対一で対応づけすることができる。その結果、車両30のバッテリー31へ電力を供給したコンセント20を個別に把握できなくても、そのコンセント20が設置されているサービス提供エリア(駐車場80)を把握できさえすれば、そのコンセント20を管理する充電サービス事業者を特定することができる。
【0050】
よって、本実施形態1のシステムによれば、複数の充電サービス事業者によりそれぞれ管理されているコンセント20が混在している場合でも、コンセント20から車両30のバッテリー31へ電力が供給されたときの提供事業者の特定にあたって、設備負担や処理負担が少ないなどのメリットが得られる。特に、分散型電源システムにおいて、太陽光発電装置などの発電装置をそれぞれ管理運営する複数の充電サービス事業者が集まっている地域では、各充電サービス事業者が管理するコンセント20が混在しているケースが多く、本実施形態のメリットが大きい。
【0051】
特に、本実施形態1のように、駐車場の出入口81に設置されるゲート装置82を利用して駐車場80(サービス提供エリア)内に存在する車両30を検知する場合、コインパーキングのゲート装置(駐車場80(サービス提供エリア)を出入りする車両30を検知する機能を備えたゲート装置)などの既存サービスで用いられる設備を利用することが可能である。そのため、本実施形態1では設備負担や処理負担を少なくすることができる。
【0052】
本実施形態1において、課金処理部105は、コンセント20を介した車両30による電力利用の利用料金について、利用者に対して課金するために必要な処理を行う。具体的には、記憶部104内の電力利用管理データベースにおいて、各利用者の利用者識別情報とこれに対応付けられた電力利用情報(供給量情報など)とに基づき、例えば、利用者ごとに、所定期間(例えば一月分)における充電サービスの利用料金の合計を算出する。なお、この利用料金は、例えば、電力の供給量の合計に利用料金の単価を掛け合わせて算出することができる。そして、課金処理部105は、利用者ごとに算出した駐車サービスの利用料金と充電サービスの利用料金とを合算し、その合算金額を各利用者に課金するための処理を行う。
【0053】
ここで、駐車場80(サービス提供エリア)内に存在する自動車(移動体)又はその搭乗者(利用者)に対し、それぞれ別個の提供事業者による複数種類のサービス(駐車サービス、充電サービスなど)が提供される場合、それらのサービスの利用料金については、従来、同じ利用者に対し、サービスごとにそれぞれ課金の処理が行われていた。そのため、利用者は、同じ場所(サービス提供エリア)で提供されたサービスであるにもかかわらず、サービスごとに料金を支払う必要があり、利便性の悪いものであった。
【0054】
本実施形態1において、課金処理部105は、ゲート装置82を用いて検知された車両30やその利用者に提供される駐車サービス及び充電サービスの2つのサービスについての利用料金を一括して利用者に課金するために必要な処理を行う。これによれば、同じ駐車場80(サービス提供エリア)内で提供される2つのサービス(駐車サービス及び充電サービス)の利用料金を、利用者は一度に支払うことができ、利便性が向上する。
【0055】
また、本実施形態1において、支払処理部106は、駐車サービスを提供した提供料金をその駐車サービス事業者へ支払うために必要な処理を行う。具体的には、記憶部104内の駐車場利用管理データベースにおいて、各駐車サービス事業者の事業者識別情報に対応付けられた各車両の滞在時間情報を抽出し、その滞在時間情報に応じた提供料金を駐車サービス事業者ごとに算出する。そして、支払処理部106は、算出した提供料金を、それぞれ対応する駐車サービス事業者へ支払うための処理を行う。
【0056】
また、本実施形態1において、支払処理部106は、充電サービスを提供した提供料金をその充電サービス事業者へ支払うために必要な処理も行う。具体的には、記憶部104内の電力利用管理データベースにおいて、各充電サービス事業者の事業者識別情報に対応付けられた各利用者の電力利用情報を抽出し、その電力利用情報に応じた提供料金を充電サービス事業者ごとに算出する。そして、支払処理部106は、算出した提供料金を、それぞれ対応する充電サービス事業者へ支払うための処理を行う。
【0057】
ここで、駐車場80(サービス提供エリア)内に存在する自動車(移動体)又はその搭乗者(利用者)に対し、それぞれ別個の提供事業者による複数種類のサービス(駐車サービス、充電サービスなど)が提供される場合、従来は、各提供事業者が、それぞれのサービスを利用したサービス提供対象(移動体や利用者)をそれぞれ個別の設備を用いて検知し、それぞれが利用者からサービスの提供料金を徴収していた。そのため、各提供事業者は、同じ場所(サービス提供エリア)で提供されているサービスであるにもかかわらず、それぞれが重複してサービス提供対象(移動体や利用者)を検知する設備を整え、かつ、利用者からサービスの提供料金を徴収するための処理を行う必要があり、利便性の悪いものであった。
【0058】
本実施形態1において、支払処理部106は、ゲート装置82を用いて検知された車両30やその利用者に提供される駐車サービス及び充電サービスの2つのサービスについての提供料金を、これらのサービスを提供する各提供事業者にそれぞれ支払うために必要な処理を行う。これによれば、本実施形態1においては、同じ駐車場80(サービス提供エリア)内で提供される2つのサービス(駐車サービス及び充電サービス)の利用料金を利用者から一括して徴収(課金)するところ、その徴収した金額から分配して、それぞれのサービスを提供する各提供事業者に対してそれぞれの提供料金を支払うことができる。
【0059】
しかも、本実施形態1においては、各提供事業者は、それぞれが個別にサービス提供対象を検知するための設備を用意して管理する必要がなく、また、それぞれのサービスの提供料金を利用者から徴収する必要もなく、各提供事業者の利便性が向上する。
【0060】
なお、本実施形態1では、サーバ100の管理事業者が、利用者に駐車サービス及び充電サービスの利用料金を一括して課金する処理と、駐車サービス及び充電サービスの提供料金をそれぞれの提供事業者へ支払う処理とを行うが、少なくとも一方の処理を別の事業者が行うようにしてもよい。具体的には、前者の処理を別の事業者に行わせる場合、サーバ100の課金処理部105は、例えば、課金に必要な処理として、駐車サービス及び充電サービスの利用料金の合算金額を算出し、その合算金額を当該別の事業者へ提供するための処理を行う。また、後者の処理を別の事業者に行わせる場合、サーバ100の支払処理部106は、例えば、支払いに必要な処理として、駐車サービス及び充電サービスの各提供料金を算出し、算出した提供料金と支払先の提供事業者とを当該別の事業者へ提供するための処理を行う。
【0061】
図4は、本実施形態1のサービス管理システム10における処理の一例を示すシーケンスである。
サーバ100の記憶部104には、事前に、利用者の個人端末からの入力情報またはオペレータ等によって、利用者登録データベースへのデータ入力が行われ、正規の利用者の識別情報と、その利用者が利用する車両の車両識別情報と、その利用者が利用している駐車場利用管理サービスの提供事業者の事業者識別情報と、その利用者が利用している電力利用管理サービスの提供事業者の事業者識別情報とが対応づけられて記憶されている。また、サーバ100の記憶部104には、事前に、オペレータ等によって、事業者データベースへのデータ入力が行われ、提供事業者(駐車サービス事業者と充電サービス事業者)の識別情報と、駐車サービス事業者が管理する駐車場80の駐車場識別情報と、充電サービス事業者が管理するコンセント20が設置された駐車場80の駐車場識別情報とが対応づけられて記憶されている。
【0062】
駐車場80の出入口81から車両30が駐車場80内に入ると、ゲート装置82は、無線通信部82aにより当該車両30の近距離通信部33と通信して、当該車両30の車両識別情報を当該車両30から受信する(S1)。そして、ゲート装置82は、受信した車両識別情報を、外部通信部82bにより、入場時の入出場情報と当該駐車場80の駐車場識別情報とともに、通信網60を介してサーバ100へ送信する(S2)。
【0063】
サーバ100は、管理処理部103において、ゲート通信部101によりゲート装置82から受信した車両識別情報、入出場情報及び駐車場識別情報を、記憶部104内のエリア滞在データベースに登録する。ここでは、入出場情報が入場時を示すものであるため、駐車場識別情報に対応づけて車両識別情報を、入場時を示す入出場情報とともにエリア滞在データベースに登録する(S3)。
【0064】
続いて、車両30が駐車場80内の駐車スペースに駐車し、充電スタンド25のコンセント20から電力の供給を受けてバッテリー31に充電を行う場合、車両30の電源ケーブル40のプラグ41がコンセント20に接続される(S4)。これにより、車両30の外部通信部32から、当該車両30の車両識別情報を含む利用要求が通信網60を介してサーバ100へ送信される(S5)。
【0065】
この利用要求がサービス提供対象通信部102によりサーバ100に受信されると、管理処理部103において認証処理が実行される(S6)。この認証処理では、利用要求に含まれる車両識別情報が、記憶部104内の利用者登録データベースに登録されている正規の利用者のものであるかどうかを確認する。
【0066】
このとき、利用要求に含まれる車両識別情報が利用者登録データベースに登録されている場合でも、当該利用要求に係るコンセント20が当該車両識別情報の利用者が登録している充電サービス事業者のものかどうかを確認する必要がある。この場合、例えば、サーバ100の管理処理部103は、まず、記憶部104内のエリア滞在データベースを参照して、当該利用要求に係る車両識別情報が登録されているかどうかを確認する。この確認により駐車場80内に存在していることを確認できたら、次に、エリア滞在データベースから当該利用要求に係る車両識別情報に対応する駐車場識別情報を取得し、記憶部104内の事業者データベースを参照して、対応する充電サービス事業者の事業者識別情報を取得する。そして、この事業者識別情報が、利用者登録データベースにおいて、当該利用要求に係る車両識別情報の利用者に対応づけて登録されたものであれば、正規の利用者であることが確認できる。
【0067】
以上の認証処理により、正規の利用者であることが確認できたら、サーバ100は、サービス提供対象通信部102により通信網60を介して、当該利用要求の送信元である車両30に対し、利用許可通知を出す(S7)。この利用許可通知を受信した車両30は、バッテリー管理システム(BMS)により、プラグ41が接続されたコンセント20からバッテリー31への電力供給を開始して、バッテリー31を充電する(S8)。
【0068】
なお、正規の利用者であることが確認できなかった場合には、サーバ100は、サービス提供対象通信部102により通信網60を介して、当該利用要求の送信元である車両30に対し、利用不可通知を出す。この場合、当該コンセント20を利用した電力利用管理サービスを受けることができないようにしてもよい。
【0069】
車両30のバッテリー管理システム(BMS)は、バッテリー31の充電に利用された電力に関する電力利用情報(電力量、充電開始時間、充電終了時間など)を生成する。そして、充電完了後、電力利用情報を、車両30の外部通信部32から通信網60を介してサーバ100へ送信する(S9)。この電力利用情報がサービス提供対象通信部102によりサーバ100に受信されると、管理処理部103において、受信した電力利用情報を、記憶部104内の電力利用管理データベースに登録する電力利用管理処理が実行される(S10)。
【0070】
本実施形態1の電力利用管理処理では、課金処理のために、少なくとも、車両30から受信した電力利用情報に含まれる電力量の情報を、当該車両30の車両識別情報と、当該車両30が存在している駐車場の駐車場識別情報に対応した事業者識別情報とを、電力利用管理データベースに登録する。
【0071】
一方で、駐車場80の出入口81から車両30が駐車場80を出るときには、ゲート装置82は、無線通信部82aにより当該車両30の近距離通信部33と通信して、当該車両30の車両識別情報を当該車両30から受信する(S11)。そして、ゲート装置82は、受信した車両識別情報を、外部通信部82bにより、出場時の入出場情報と当該駐車場80の駐車場識別情報とともに、通信網60を介してサーバ100へ送信する(S12)。そして、サーバ100は、管理処理部103において、ゲート通信部101によりゲート装置82から受信した車両識別情報、入出場情報及び駐車場識別情報を、記憶部104内のエリア滞在データベースに登録する。ここでは、入出場情報が出場時を示すものであるため、車両識別情報及び駐車場識別情報に対応づけてエリア滞在データベースに出場時の入出場情報を登録する(S13)。
【0072】
続いて、管理処理部103は、記憶部104内のエリア滞在データベースを参照し、当該車両30が駐車場80に滞在した時間に関する滞在時間情報を、当該車両30の車両識別情報に対応づけて、駐車場利用管理データベースに登録する駐車場利用管理処理が実行される(S14)。
【0073】
その後、サーバ100の課金処理部105は、今回の車両30における駐車サービス及び充電サービスの利用料金を、その車両30に対応する利用者に対して一括して課金するために必要な処理を行う(S15)。具体的には、記憶部104内の電力利用管理データベースを参照して算出される充電サービスの利用料金と、記憶部104内の駐車場利用管理データベースを参照して算出される駐車サービスの利用料金とを合算し、その合算金額を各利用者に課金するための処理を行う。
【0074】
また、サーバ100の支払処理部106は、今回の車両30における駐車サービスの提供料金及び充電サービスの提供料金を、それぞれのサービスの提供事業者に支払うために必要な処理を行う(S16)。具体的には、記憶部104内の電力利用管理データベースを参照して充電サービス事業者ごとの充電サービスの提供料金を算出するとともに、記憶部104内の駐車場利用管理データベースを参照して駐車サービス事業者ごとの駐車サービスの提供料金を算出し、算出した提供料金を各提供事業者へ支払うための処理を行う。
【0075】
〔実施形態2〕
次に、本発明の他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について説明する。
上述した実施形態1においては、同じ充電サービス事業者が管理するコンセント20のみが含まれる駐車場80の敷地をサービス提供エリアAとして設定した例であった。コインパーキングなどの駐車場80は、その敷地が壁などの物体によって物理的に区画され、その駐車場80への出入口81が限定されているので、その出入口81に設置したゲート装置82を利用して、駐車場80(サービス提供エリアA)に存在(滞在)している車両30の車両識別情報をエリア滞在データベースで管理することが可能である。
【0076】
しかしながら、物理的に区画されていない場所に充電スタンド25のコンセント20が設置されるケースでは、出入り箇所が限定されないため、ゲート装置82で出入口を通過する車両30を識別して検知するような構成では、サービス提供エリアに存在している車両30の車両識別情報をエリア滞在データベースで管理することができない。
【0077】
また、物理的に区画された駐車場の敷地内に複数の充電サービス事業者がそれぞれ管理している充電スタンド25のコンセント20が混在しているケースでは、1つの駐車サービス事業者のサービス提供エリアである1つの駐車場内にそれぞれの充電サービス事業者に対応した複数のサービス提供エリアを設定する必要がある。この場合も、ゲート装置82で駐車場の出入口を通過する車両30を識別するような構成では、各サービス提供エリアに存在している車両30の車両識別情報をエリア滞在データベースで管理することができない。
【0078】
そのため、本実施形態2では、上述した実施形態1とは別の構成によって、充電サービスのサービス提供エリアに存在している車両30の車両識別情報をエリア滞在データベースで管理する。具体的には、ジオフェンス技術を利用して仮想的なサービス提供エリアを設定する。ジオフェンス技術とは、地上に仮想の境界線を張り、境界線で区切られたサービス提供エリア内に出入りする通信端末を把握する技術である。すなわち、本実施形態2では、車両30の位置情報とサービス提供エリアの位置情報とに基づいて、各サービス提供エリア内に存在する車両30の検知を行うものである。
【0079】
図5は、本実施形態2に係るサービス管理システム10を構成するコンセント20が設置されたサービス提供エリアを示す説明図である。
本実施形態2では、図5に示すように、同じ充電サービス事業者が管理するコンセント20のみが含まれるように、2つの充電サービス事業者にそれぞれ対応する2つのサービス提供エリアB1,B2を、ジオフェンスのエリアとして設定されている。また、2つのサービス提供エリアB1,B2は、1つの駐車サービス事業者による駐車場の敷地に対応し、駐車サービスのサービス提供エリアAに相当する。
【0080】
図6は、本実施形態2に係るサービス管理システム10の概略構成の一例を示す説明図である。
各車両30は、それぞれGNSS(Global Navigation Satellite System)装置34を備え、GNSS装置34で測位した測位結果を位置情報として得ることができる。また、各車両30には、自ら備えているGNSS装置34で測位した測位結果(位置情報)に基づき、予め設定されているサービス提供エリア(各ジオフェンスのエリア)B1,B2内に進入したか退出したかを判定するエリア判定部35が設けられている。エリア判定部35には、予め設定されているサービス提供エリアB1,B2の位置情報が事前に登録されている。サービス提供エリアB1,B2の位置情報は、例えば、所定のタイミングで、サーバ100から通信網60を介して外部通信部32により受信して登録するようにしてもよい。
【0081】
各車両30のエリア判定部35は、サービス提供エリアB1,B2の位置情報とGNSS装置34で測位した測位結果(位置情報)とに基づき、サービス提供エリアB1,B2に進入したと判定したときには、進入したサービス提供エリアを特定するためのエリア識別情報(サービス提供エリアの識別情報)を含むエリア進入通知をサーバ100へ送信する。また、サービス提供エリアB1,B2から退出したと判定したときには、退出したサービス提供エリアを特定するためのエリア識別情報を含むエリア退出通知をサーバ100へ送信する。
【0082】
なお、本実施形態2では、各車両30にエリア判定部35を設けているが、エリア判定部35の機能をサーバ100が備えていても良い。
【0083】
本実施形態2においても、同じ充電サービス事業者が管理するコンセント20のみが含まれるようにサービス提供エリアが設定されている。すなわち、図5に示すサービス提供エリアB1内に設置されている2つの充電スタンド25-1~25-2のコンセント20は、充電サービス事業者G1が管理して電力利用管理サービスを提供しており、図5に示すサービス提供エリアB2内に設置されている3つの充電スタンド25-3~25-5のコンセント20は、充電サービス事業者G2が管理して電力利用管理サービスを提供している。
【0084】
このようにサービス提供エリアを設定することで、サービス提供エリアと充電サービス事業者とが一対一で対応づけられるので、車両30のバッテリー31へ電力を供給したコンセント20を個別に把握できなくても、そのコンセント20が設置されているサービス提供エリアB1,B2を把握できさえすれば、そのコンセント20を管理する充電サービス事業者を特定することができる。よって、本実施形態2のシステムにおいても、コンセント20から車両30のバッテリー31へ電力が供給されたときの充電サービス事業者の特定にあたって、設備負担や処理負担が少ないなどのメリットが得られる。
【0085】
特に、本実施形態2のように、ジオフェンスのような仮想的な境界線で区画されるサービス提供エリアを利用することで、物理的に区画されていないサービス提供エリアに充電スタンド25のコンセント20が設置されるケースでも、サービス提供エリア内に存在している車両30を把握することができ、サービス提供エリア内に存在している車両30の車両識別情報をエリア滞在データベースで管理することができる。
【0086】
図7は、実施形態2に係るサーバ100の主要な機能の構成の一例を示すブロック図である。
図7において、本実施形態2のサーバ100は、ゲート装置82との通信が不要であるため、ゲート通信部101を備えていないが、その他の構成は、上述した実施形態1と同様である。
本実施形態2のシステムでは、サービス提供エリアに存在している車両30を検知する処理は、車両30とサーバ100との間の通信によって実現でき、上述した実施形態1におけるゲート装置82とサーバ100との間の通信を必要としないので、設備負担なども少なくできる。
【0087】
図8は、実施形態2における電力利用管理処理の一例を示すシーケンスである。
車両30がいずれかのサービス提供エリアB1,B2内に入ると、車両30のエリア判定部35は、サービス提供エリアB1,B2の位置情報とGNSS装置34で測位した測位結果(位置情報)とに基づき、サービス提供エリアに進入したと判定する(S21)。そして、車両30の外部通信部32から、進入したサービス提供エリアを特定するためのエリア識別情報(サービス提供エリアの識別情報)及び当該車両30の車両識別情報を含むエリア進入通知が、通信網60を介してサーバ100へ送信される(S22)。
【0088】
サーバ100は、管理処理部103において、車両30からサービス提供対象通信部102により受信した車両識別情報及びエリア識別情報を、記憶部104内のエリア滞在データベースに登録する。ここでは、サービス提供エリアへ進入しているので、エリア識別情報に対応づけて車両識別情報を、入場時を示す入出場情報とともにエリア滞在データベースに登録する(S23)。
【0089】
続いて、車両30がサービス提供エリアB1,B2に対応する駐車場80内の駐車スペースに駐車し、いずれかのサービス提供エリアB1,B2内の充電スタンド25のコンセント20から電力の供給を受けてバッテリー31に充電を行う場合、車両30の電源ケーブル40のプラグ41がコンセント20に接続される(S24)。これにより、車両30の外部通信部32から、当該車両30の車両識別情報を含む利用要求が通信網60を介してサーバ100へ送信される(S25)。この利用要求がサービス提供対象通信部102によりサーバ100に受信されると、管理処理部103において、上述した実施形態1と同様の認証処理が実行される(S26)。
【0090】
認証処理により正規の利用者であることが確認できたら、サーバ100は、サービス提供対象通信部102により通信網60を介して、当該利用要求の送信元である車両30に対し、利用許可通知を出す(S27)。この利用許可通知を受信した車両30は、バッテリー管理システム(BMS)により、プラグ41が接続されたコンセント20からバッテリー31への電力供給を開始して、バッテリー31を充電する(S28)。
【0091】
充電完了後、上述した実施形態1と同様に、車両30の外部通信部32から電力利用情報が通信網60を介してサーバ100へ送信される(S29)。この電力利用情報がサービス提供対象通信部102によりサーバ100に受信されると、上述した実施形態1と同様に、管理処理部103において、受信した電力利用情報を、記憶部104内の電力利用管理データベースに登録する電力利用管理処理が実行される(S30)。
【0092】
一方で、サービス提供エリアB1,B2から車両30が出るとき、車両30のエリア判定部35は、サービス提供エリアB1,B2の位置情報とGNSS装置34で測位した測位結果(位置情報)とに基づき、サービス提供エリアから退出したと判定する(S31)。そして、車両30の外部通信部32から、退出したサービス提供エリアを特定するためのエリア識別情報(サービス提供エリアの識別情報)及び当該車両30の車両識別情報を含むエリア退出通知が、通信網60を介してサーバ100へ送信される(S32)。そして、サーバ100は、管理処理部103において、サービス提供対象通信部102により車両30から受信した車両識別情報及びエリア識別情報を、記憶部104内のエリア滞在データベースに登録する。ここでは、入出場情報が出場時を示すものであるため、車両識別情報及びエリア識別情報に対応づけてエリア滞在データベースに出場時の入出場情報を登録する(S33)。
【0093】
続いて、管理処理部103は、上述した実施形態1と同様に、記憶部104内のエリア滞在データベースを参照し、当該車両30が駐車場80に滞在した時間に関する滞在時間情報を、当該車両30の車両識別情報に対応づけて、駐車場利用管理データベースに登録する駐車場利用管理処理が実行される(S34)。その後、サーバ100の課金処理部105及び支払処理部106は、上述した実施形態1と同様の処理を実行する(S35,S36)。
【0094】
以上のように、上述した実施形態1や実施形態2のシステムにおいて、サーバ100の課金処理部105は、駐車場80(サービス提供エリア)に存在する車両30やその利用者に提供される駐車サービス及び充電サービスの2つのサービスについての利用料金を一括して利用者に課金するために必要な処理を行う。これによれば、同じ駐車場80(同じサービス提供エリア)内で提供される2つのサービス(駐車サービス及び充電サービス)の利用料金が利用者に一括して課金される。よって、利用者はこれらのサービスについての利用料金を一括して支払うことができ、利用者にとっての利便性が向上する。
【0095】
また、上述した実施形態1や実施形態2のシステムにおいて、サーバ100の支払処理部106は、駐車場80(サービス提供エリア)に存在する車両30やその利用者に提供される駐車サービス及び充電サービスの2つのサービスについての提供料金を、これらのサービスを提供する各提供事業者にそれぞれ支払うために必要な処理を行う。これによれば、同じ駐車場80(サービス提供エリア)内で提供される2つのサービス(駐車サービス及び充電サービス)の利用料金から分配して、それぞれのサービスを提供する各提供事業者(駐車サービス事業者と充電サービス事業者)に対してそれぞれの提供料金を支払うことができる。しかも、各提供事業者は、それぞれが個別にサービス提供対象を検知するための設備を用意して管理する必要がなく、また、それぞれのサービスの提供料金を利用者から徴収する必要もなく、各提供事業者の利便性が向上する。
【0096】
なお、上述した実施形態1、2では、車両30に搭載されている外部通信部32を用いて、車両30とサーバ100との間の通信を行っているが、このような車載の外部通信部32に代えて、利用者が所持している端末装置を用いて行ってもよい。端末装置としては、例えば、第4世代又は第5世代以降の世代の移動通信網を介して通信可能な移動局(「移動機」、「ユーザ装置(UE)」等ともいう。)を用いることができる。
【0097】
車載の外部通信部32に代えて、利用者が所持している端末装置を用いる場合、車両識別情報に代えて、端末装置で起動しているアプリケーションで用いられるユーザIDなどを、サービス提供対象の識別情報として用いることができる。また、端末装置を用いる場合、サービス提供エリアの識別情報としては、例えば、端末装置に搭載されているGNSS装置で測位した測位結果(位置情報)を利用することができるが、他の情報を利用してもよい。例えば、端末装置に搭載されている撮像装置(カメラ)により、充電に用いるコンセント20の近傍(当該コンセント20の充電スタンド25)に表示されているQRコード(登録商標)を読み取り、このQRコード(登録商標)に含まれる識別情報をサービス提供エリアの識別情報として用いることができる。
【0098】
また、端末装置を用いる場合、端末装置が車両30側から電力利用情報などを取得する必要がある。この場合、例えば、端末装置51で起動しているアプリケーションが生成した送信要求を近距離無線通信を介して車両の遠隔制御ユニット(TCU)へ送信し、遠隔制御ユニット(TCU)から取得するようにする。
【0099】
なお、本明細書で説明された処理工程並びに情報処理装置、ゲート装置、車両の車載装置、端末装置などの構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
【0100】
ハードウェア実装については、実体(例えば、コンピュータ装置、サーバ、ゲート装置、車両の車載装置、端末装置(ユーザ装置、移動局、通信端末)、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
【0101】
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、前記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
【0102】
また、前記媒体は非一時的な記録媒体であってもよい。また、前記プログラムのコードは、コンピュータ、プロセッサ、又は他のデバイス若しくは装置機械で読み込んで実行可能であればよく、その形式は特定の形式に限定されない。例えば、前記プログラムのコードは、ソースコード、オブジェクトコード及びバイナリコードのいずれでもよく、また、それらのコードの2以上が混在したものであってもよい。
【0103】
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
【符号の説明】
【0104】
10 :サービス管理システム
20 :コンセント
25 :充電スタンド
30 :車両
31 :バッテリー
32 :外部通信部
33 :近距離通信部
34 :GNSS装置
35 :エリア判定部
40 :電源ケーブル
41 :プラグ
51 :端末装置
60 :通信網
80 :駐車場
81 :出入口
82 :ゲート装置
82a :無線通信部
82b :外部通信部
100 :サーバ
101 :ゲート通信部
102 :サービス提供対象通信部
103 :管理処理部
104 :記憶部
105 :課金処理部
106 :支払処理部
図1
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