(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022012881
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】介護情報共有システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20180101AFI20220107BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020115032
(22)【出願日】2020-07-02
(71)【出願人】
【識別番号】520242333
【氏名又は名称】Release株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100127155
【氏名又は名称】来田 義弘
(72)【発明者】
【氏名】椛山 隆文
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA11
(57)【要約】
【課題】同一の被介護者のアカウントが重複して作成されるのを防止する介護情報共有システムを提供する。
【解決手段】それぞれ被介護者の情報を閲覧可能な複数の情報処理端末11を有する介護情報共有システム10において、各情報処理端末11にネットワーク12を介して接続され、情報処理端末11から入力される被介護者の情報を、被介護者の介護保険の被保険者番号を基に作成した被介護者のアカウントに紐づけて記憶する情報管理手段13を備え、情報管理手段13は、情報処理端末11からの被保険者番号の入力によって、アカウントを作成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ被介護者の情報を閲覧可能な複数の情報処理端末を有する介護情報共有システムにおいて、
前記各情報処理端末にネットワークを介して接続され、該情報処理端末から入力される前記被介護者の情報を、該被介護者の介護保険の被保険者番号を基に作成した該被介護者のアカウントに紐づけて記憶する情報管理手段を備え、前記情報管理手段は、前記情報処理端末からの前記被保険者番号の入力によって、前記アカウントを作成することを特徴とする介護情報共有システム。
【請求項2】
請求項1記載の介護情報共有システムにおいて、前記情報管理手段は、前記情報処理端末から入力された前記被保険者番号に対応する前記アカウントが存在しない場合、該被保険者番号が入力された前記情報処理端末に該被介護者のアカウント作成のための入力操作を行わせ、前記情報処理端末から入力された前記被保険者番号に対応する前記アカウントが既に存在する場合、該被保険者番号が入力された前記情報処理端末に該被介護者の前記アカウントへのアクセス申請の操作を行わせることを特徴とする介護情報共有システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被介護者に関する情報を共有する介護情報共有システムに関する。
【背景技術】
【0002】
被介護者に対するサポートには、ケアマネージャー、介護福祉士、医師、看護師、介護製品の取り扱い業者、家事等を行うヘルパー等、多くの人が携わっている。被介護者に関する各者間での情報の共有や確認は、電話、FAX、書面によるものが多い。例えば、被介護者が入居している介護施設に勤務する看護師は、外部の医療機関から派遣された医師が被介護者を診察して出した指示内容を書面にする。書面の記載内容は医師によって確認された後に、連絡用の書面に転記されて関係者に伝えられる。特許文献1には、指示内容の転記等を省いて業務の効率化を図るシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているシステムは、勤務先が同じ等、特定のグループに属する者の情報共有を前提としていた。そのため、グループごとにシステムを構築する必要があり、グループ間での情報共有はできなかった。この点、所謂、ソーシャルネットワーキングサービスのようなオープンなシステムを利用すれば、異なるグループに属する者が共通のシステムを基に被介護者の情報を共有できるというメリットがある。
【0005】
一方で、異なるグループに属する者が共通のシステムを利用する場合、同一の被介護者のアカウントが重複して作成されないように、被介護者のアカウントを作成する際のルールを決める必要がある。ここで、被介護者の氏名を入力してアカウントを作成するようにすると、同姓同名の被介護者のアカウントを作成できないという問題が生じる。この問題は、被介護者の氏名に加えて住所を入力させることで解決できそうだが、住所は引っ越し等で変更される可能性があり、同一の被介護者のアカウントが重複して作成されるという問題を解決できない。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、同一の被介護者のアカウントが重複して作成されるのを防止する介護情報共有システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的に沿う本発明に係る介護情報共有システムは、それぞれ被介護者の情報を閲覧可能な複数の情報処理端末を有する介護情報共有システムにおいて、前記各情報処理端末にネットワークを介して接続され、該情報処理端末から入力される前記被介護者の情報を、該被介護者の介護保険の被保険者番号を基に作成した該被介護者のアカウントに紐づけて記憶する情報管理手段を備え、前記情報管理手段は、前記情報処理端末からの前記被保険者番号の入力によって、前記アカウントを作成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る介護情報共有システムは、情報処理端末から入力される被介護者の情報を被介護者の介護保険の被保険者番号を基に作成した被介護者のアカウントに紐づけて記憶する情報管理手段を備え、情報管理手段が、情報処理端末からの被保険者番号の入力によって、アカウントを作成する。ここで、各被介護者には異なる被保険者番号が付与されていることから、本発明に係る介護情報共有システムによれば、重複したアカウントの作成を防止可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る介護情報共有システムの説明図である。
【
図2】アカウント作成の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る介護情報共有システム10は、それぞれ被介護者の情報を閲覧可能な複数の情報処理端末11を有するシステムである。以下、詳細に説明する。
【0011】
介護情報共有システム10は、
図1に示すように、複数の情報処理端末11に加えて、各情報処理端末11にネットワーク(本実施の形態ではインターネット)12を介して接続された情報管理手段13を備えている。情報処理端末11は、カメラ及びテキスト入力用の入力部を具備するスマートフォン、タブレット型パソコン、ノート型パソコン等であり、ネットワーク12に有線又は無線で接続されている。情報処理端末11にはクライアント用のソフトウェアがインストールされている。
【0012】
本実施の形態において、情報管理手段13はサーバであり、情報管理手段13にはデータベース及び管理用のソフトウェアがインストールされている。なお、
図1では、情報管理手段13を1台のみ記載しているが、複数台の情報管理手段13を連結して用いてよいことは言うまでもない。また、停電により情報管理手段13が停止することがないよう、情報管理手段13には、図示しない無停電電源装置が接続されている。
【0013】
情報管理手段13のデータベースには、各被介護者のアカウントが記憶されている。被介護者のアカウントは、被介護者の介護保険の被保険者番号を基に情報管理手段13によって作成され、作成されたアカウントに、情報処理端末11から入力されたテキスト文書や情報処理端末11で撮影された画像が情報管理手段13によって紐づけられる。従って、情報管理手段13は、情報処理端末13から入力される被介護者の情報(本実施の形態では、テキスト文書や画像)を該被介護者のアカウントに紐づけて記憶することとなる。
【0014】
情報処理端末11から入力されたテキスト文書とは、例えば、日中、被介護者と共に過ごしたデイケアのスタッフが被介護者の食事の様子について記録したものであり、情報処理端末11で撮影された画像とは、例えば、理学療法士が被介護者に対してリハビリテーションを行った様子を撮像したものである。該当の被介護者のアカウントの閲覧許可がなされている者は、情報処理端末11において、クライアント用のソフトウェアにログインし、当該被介護者のアカウントの画面を開くことで、これらのテキスト文書や画像(以下、「テキスト文書等」とも言う)を閲覧できる。
【0015】
情報処理端末11の利用者は、テキスト文書等を閲覧して知り得た被介護者の状態を基に、自身の当該被介護者に対するサービス内容を検討したり、次回の訪問時に持参する物を決定したりすることができる。
また、被介護者のアカウントへのテキスト文書等の書き込みは、書き込み許可がなされている者が、情報処理端末11において、クライアント用のソフトウェアにログインし、当該被介護者のアカウントの画面を開き、入力部を操作することで行うことができる。
【0016】
本実施の形態では、情報処理端末11の利用者に対して閲覧許可と書き込み許可とが一体的になされるが、閲覧許可と書き込み許可とを別々に行えるようにして、例えば、一の情報処理端末11に対しては閲覧を許可するが書き込みは許可せず、他の情報処理端末11に対しては閲覧及び書き込みの双方を許可するという運用を可能にしてもよい。
【0017】
被介護者のアカウント作成は、
図2に示すように、以下の手順によって行われる。
まず、情報処理端末11の利用者は、情報処理端末11でクライアント用のソフトウェアに自身のIDでログインし、被介護者のアカウント作成用のページを開き、入力部への手操作又はカメラによる介護保険被保険者証の被保険者番号の撮影によって被介護者の被保険者番号を入力する(ステップ1)。
【0018】
情報管理手段13は、情報処理端末11で入力された被保険者番号をネットワーク12経由で検出し、検出した被保険者番号に対応するアカウントが存在するか否かを判定する(ステップ2)。判定の結果、検出した被保険者番号に対応するアカウントが存在しない(未登録の)場合、該当の被保険者番号が入力された情報処理端末11に該当の被介護者のアカウント作成を行うための入力操作を行わせる(ステップ3)。
【0019】
アカウント作成のための入力操作は被保険者の氏名等を入力部に入力することによって行われ、情報管理手段13は、ステップ1で入力された被保険者番号を基にアカウントを作成し、アカウント作成のための入力操作を行った者のIDを、作成されたアカウントの管理者として記憶する。よって、情報管理手段13は、情報処理端末11からの被保険者番号の入力によって、該当の被保険者番号に基づくアカウントを作成することとなる。
アカウント作成後、アカウント作成のための入力操作をした者は、クライアント用のソフトウェアに自身のIDでログインすることによって、作成されたアカウントに対し、閲覧及びテキスト文書等の書き込みが可能となる(ステップ4)。
【0020】
一方、ステップ1で入力された被保険者番号に対応するアカウントが既に存在する(登録されている)場合、情報管理手段13は、該当の被保険者番号が入力された情報処理端末11にその被介護者のアカウントへのアクセス申請の操作を行わせる(ステップ5)。情報処理端末11にてアクセス申請の操作がなされると、情報管理手段13は、アクセス申請がなされた旨を、クライアント用のソフトウェア上での表示、及び、その旨を記載した電子メールの送付によって、該当の被保険者番号の管理者(本実施の形態では、その被介護者のアカウント作成のための入力操作をした者)に通知する。
【0021】
管理者は、通知されたアクセス申請を許可するか否かを決定し、情報処理端末11にて、決定した内容に応じた操作を行う(ステップ6)。ステップ6で、管理者がアクセス申請を許可した場合、情報管理手段13は、アクセス申請が許可された者のIDを該当のアカウントに登録する。これによって、アクセス申請が許可された者は、情報処理端末11にてクライアント用のソフトウェアに自身のIDでログインすることにより、該当のアカウントに対し、閲覧及びテキスト文書等の書き込みが可能となる(ステップ4)。
【0022】
一方、ステップ6で管理者が、通知されたアクセス申請を許可しなかった場合、情報管理手段13は、アクセス申請が許可されなかった旨を、アクセス申請を行った者がログインしたクライアント用のソフトウェアに表示する。アクセス申請が許可されなかった者は、該当のアカウントに対し、閲覧やテキスト文書等の書き込みはできない(ステップ7)。
従って、介護情報共有システム10は、同一の被介護者に対して重複したアカウントが作成されるのを防止することができ、被介護者の介護保険の被保険者番号を知っている者であれば、被介護者のアカウント作成のための入力操作及び被介護者の情報閲覧等が可能である。
【0023】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、情報処理端末(クライアント用のソフトウェア)に加え、情報管理手段(管理用のソフトウェア)でも被保険者番号等の入力等のアカウント作成のための入力操作ができるようにしてもよい。
また、クライアント用のソフトウェアに、アカウント登録するページとは別にアカウント検索ページを設け、情報処理端末においてアカウント登録するページで入力された被保険者番号に対応するアカウントが存在する場合、アカウント検索ページを情報処理端末で表示して、該当の被介護者のアカウントを検索するように促してもよい。
【符号の説明】
【0024】
10:介護情報共有システム、11:情報処理端末、12:ネットワーク、13:情報管理手段