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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128812
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/26 20060101AFI20220829BHJP
   H01L 27/11582 20170101ALI20220829BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20220829BHJP
   G11C 11/56 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
G11C16/26 100
H01L27/11582
H01L29/78 371
G11C11/56 220
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021027242
(22)【出願日】2021-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140486
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100170058
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 拓真
(74)【代理人】
【識別番号】100121843
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 賢郎
(72)【発明者】
【氏名】田村 陽介
(72)【発明者】
【氏名】松田 容幸
【テーマコード(参考)】
5B225
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5B225BA19
5B225CA01
5B225DA05
5B225DB08
5B225DE06
5B225EA05
5B225FA02
5F083EP17
5F083EP22
5F083EP32
5F083EP76
5F083ER21
5F083GA01
5F083GA05
5F083GA10
5F083KA01
5F083KA05
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F101BA41
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
(57)【要約】
【課題】動作を高速化することが可能な半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置2は、複数のプレーンPL1、PL2と、プレーンPL1、PL2の動作に関する制御信号、を含む信号が入出力されるインターフェイス回路20と、制御信号に基づいてプレーンPL1、PL2の動作を制御するシーケンサ41と、を備える。プレーンPL1がデータの書き込み動作又は消去動作を行っている途中において、プレーンPL2に対するデータの読み出し動作を指示する制御信号が、インターフェイス回路20に入力された場合には、シーケンサ41は、プレーンPL1においてベリファイ動作が行われる期間に、プレーンPL2に読み出し動作を行わせる。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々がメモリセルアレイを有する複数のプレーンと、
前記プレーンの動作に関する制御信号、を含む信号が入出力されるインターフェイス回路と、
前記制御信号に基づいて前記プレーンの動作を制御する制御回路と、を備え、
複数の前記プレーンのうち、前記メモリセルアレイに対するデータの書き込み動作又は消去動作を行っているものを第1プレーンとし、
複数の前記プレーンのうち、前記メモリセルアレイに対するデータの書き込み動作及び消去動作のいずれをも行っていないものの一つを第2プレーンとしたときに、
第1プレーンがデータの書き込み動作又は消去動作を行っている途中において、前記第2プレーンに対する、前記メモリセルアレイからのデータの読み出し動作を指示する前記制御信号が、前記インターフェイス回路に入力された場合には、
前記制御回路は、
前記第1プレーンにおいてベリファイ動作が行われる期間に、前記第2プレーンに読み出し動作を行わせる、半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第2プレーンの読み出し動作が完了するよりも前に、前記第1プレーンの書き込み動作又は消去動作が完了した場合には、
前記制御回路は、
前記第2プレーンの読み出し動作が完了するまで、前記第1プレーンに疑似的なベリファイ動作を行わせる、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記制御回路は、
それぞれの前記プレーンの状態を示す状態信号を、前記インターフェイス回路から出力するための処理を行う、請求項1又は2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第2プレーンの読み出し動作が完了するよりも前に、前記第1プレーンの書き込み動作又は消去動作が完了した場合には、
前記制御回路は、
前記第2プレーンの読み出し動作が完了するまで、前記第1プレーンが動作中であることを示す前記状態信号を前記インターフェイス回路から出力するための処理を行う、請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第2プレーンの読み出し動作が完了するよりも前に、前記第1プレーンの書き込み動作又は消去動作が完了した場合には、
前記制御回路は、
前記第2プレーンの読み出し動作が完了しなかったことを示す前記状態信号を前記インターフェイス回路から出力するための処理を行う、請求項3に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばNAND型フラッシュメモリのような半導体記憶装置では、メモリセルアレイにデータが記憶される。このような半導体記憶装置としては、複数のプレーンを有し、それぞれのプレーン毎にメモリセルアレイが設けられた構成のものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-102286号公報
【特許文献2】特開2018-045747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
開示された実施形態によれば、動作を高速化することが可能な半導体記憶装置が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体記憶装置は、各々がメモリセルアレイを有する複数のプレーンと、プレーンの動作に関する制御信号、を含む信号が入出力されるインターフェイス回路と、制御信号に基づいてプレーンの動作を制御する制御回路と、を備える。複数のプレーンのうち、メモリセルアレイに対するデータの書き込み動作又は消去動作を行っているものを第1プレーンとし、複数のプレーンのうち、メモリセルアレイに対するデータの書き込み動作及び消去動作のいずれをも行っていないものの一つを第2プレーンとしたときに、第1プレーンがデータの書き込み動作又は消去動作を行っている途中において、第2プレーンに対する、メモリセルアレイからのデータの読み出し動作を指示する制御信号が、インターフェイス回路に入力された場合には、制御回路は、第1プレーンにおいてベリファイ動作が行われる期間に、第2プレーンに読み出し動作を行わせる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態に係るメモリシステムの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、シーケンサの構成を示すブロック図である。
図4図4は、レジスタの構成を示すブロック図である。
図5図5は、電圧生成回路の構成を示すブロック図である。
図6図6は、メモリセルアレイの構成を示す等価回路図である。
図7図7は、メモリセルアレイの構成を示す断面図である。
図8図8は、センスアンプユニットの回路構成を示す図である。
図9図9は、メモリセルトランジスタの閾値分布の一例を示す図である。
図10図10は、書き込み動作時における、各配線の電位変化を示す図である。
図11図11は、書き込み動作時における、ループ回数とベリファイ動作との関係を示す図である。
図12図12は、書き込み動作時における、各配線の電位変化を示す図である。
図13図13は、書き込み動作時における、ワード線の電位変化を示す図である。
図14図14は、書き込み動作時における、各配線の電位変化等を示す図である。
図15図15は、比較例の書き込み動作時における、各配線の電位変化等を示す図である。
図16図16は、第2実施形態に係る半導体記憶装置の書き込み動作時における、各配線の電位変化等を示す図である。
図17図17は、第3実施形態に係る半導体記憶装置の書き込み動作時における、各配線の電位変化等を示す図である。
図18図18は、第4実施形態に係る半導体記憶装置の書き込み動作時における、各配線の電位変化等を示す図である。
図19図19は、読み出し動作時における、各配線の電位変化を示す図である。
図20図20は、下位ページの読み出し動作時における、各配線の電位変化等を示す図である。
図21図21は、中位ページの読み出し動作時における、各配線の電位変化等を示す図である。
図22図22は、上位ページの読み出し動作時における、各配線の電位変化等を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0008】
第1実施形態について説明する。本実施形態に係る半導体記憶装置2は、NAND型フラッシュメモリとして構成された不揮発性の記憶装置である。図1には、半導体記憶装置2を含むメモリシステムの構成例がブロック図として示されている。このメモリシステムは、メモリコントローラ1と、半導体記憶装置2とを備える。半導体記憶装置2の具体的な構成については後に説明する。図1のメモリシステムは、不図示のホストと接続可能である。ホストは、例えば、パーソナルコンピュータや携帯端末等の電子機器である。
【0009】
メモリコントローラ1は、ホストからの書き込みリクエストに従って半導体記憶装置2へのデータの書き込みを制御する。また、メモリコントローラ1は、ホストからの読み出しリクエストに従って半導体記憶装置2からのデータの読み出しを制御する。
【0010】
メモリコントローラ1と半導体記憶装置2との間では、チップイネーブル信号/CE、レディービジー信号/RB、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号/WE、リードイネーブル信号RE、/RE、ライトプロテクト信号/WP、データである信号DQ<7:0>、データストローブ信号DQS、/DQS、の各信号が送受信される。
【0011】
チップイネーブル信号/CEは、半導体記憶装置2をイネーブルにするための信号である。レディービジー信号/RBは、半導体記憶装置2がレディ状態であるか、ビジー状態であるかを示すための信号である。「レディ状態」とは、外部からの命令を受け付ける状態である。「ビジー状態」とは、外部からの命令を受け付けない状態である。コマンドラッチイネーブル信号CLEは、信号DQ<7:0>がコマンドであることを示す信号である。アドレスラッチイネーブル信号ALEは、信号DQ<7:0>がアドレスであることを示す信号である。ライトイネーブル信号/WEは、受信した信号を半導体記憶装置2に取り込むための信号であり、メモリコントローラ1によりコマンド、アドレス、及びデータを受信する都度アサートされる。メモリコントローラ1は、信号/WEが“L(Low)”レベルである間に信号DQ<7:0>を取り込むよう半導体記憶装置2に指示する。
【0012】
リードイネーブル信号RE、/REは、メモリコントローラ1が、半導体記憶装置2からデータを読み出すための信号である。これらは例えば、信号DQ<7:0>を出力する際の半導体記憶装置2の動作タイミングを制御するために使用される。ライトプロテクト信号/WPは、データ書き込み及び消去の禁止を半導体記憶装置2に指示するための信号である。信号DQ<7:0>は、半導体記憶装置2とメモリコントローラ1との間で送受信されるデータの実体であり、コマンド、アドレス、及びデータを含む。データストローブ信号DQS、/DQSは、信号DQ<7:0>の入出力のタイミングを制御するための信号である。
【0013】
メモリコントローラ1は、RAM11と、プロセッサ12と、ホストインターフェイス13と、ECC回路14と、メモリインターフェイス15と、を備える。RAM11、プロセッサ12、ホストインターフェイス13、ECC回路14、及びメモリインターフェイス15は、互いに内部バス16で接続されている。
【0014】
ホストインターフェイス13は、ホストから受信したリクエスト、ユーザデータ(書き込みデータ)等を内部バス16に出力する。また、ホストインターフェイス13は、半導体記憶装置2から読み出されたユーザデータ、プロセッサ12からの応答等をホストへ送信する。
【0015】
メモリインターフェイス15は、プロセッサ12の指示に基づいて、ユーザデータ等を半導体記憶装置2へ書き込む処理、及び、半導体記憶装置2から読み出す処理を制御する。
【0016】
プロセッサ12は、メモリコントローラ1を統括的に制御する。プロセッサ12は、例えばCPUやMPU等である。プロセッサ12は、ホストからホストインターフェイス13経由でリクエストを受けた場合に、そのリクエストに従った制御を行う。例えば、プロセッサ12は、ホストからのリクエストに従って、半導体記憶装置2へのユーザデータ及びパリティの書き込みをメモリインターフェイス15へ指示する。また、プロセッサ12は、ホストからのリクエストに従って、半導体記憶装置2からのユーザデータ及びパリティの読み出しをメモリインターフェイス15へ指示する。
【0017】
プロセッサ12は、RAM11に蓄積されるユーザデータに対して、半導体記憶装置2上の格納領域(メモリ領域)を決定する。ユーザデータは、内部バス16経由でRAM11に格納される。プロセッサ12は、メモリ領域の決定を、書き込み単位であるページ単位のデータ(ページデータ)に対して実施する。半導体記憶装置2の1ページに格納されるユーザデータのことを、以下では「ユニットデータ」とも称する。ユニットデータは、一般的には符号化されて、符号語として半導体記憶装置2に格納される。本実施形態では、符号化は必須ではない。メモリコントローラ1は、符号化せずにユニットデータを半導体記憶装置2に格納してもよいが、図1では、一構成例として符号化を行う構成を示している。メモリコントローラ1が符号化を行わない場合には、ページデータはユニットデータと一致する。また、1つのユニットデータに基づいて1つの符号語が生成されてもよいし、ユニットデータが分割された分割データに基づいて1つの符号語が生成されてもよい。また、複数のユニットデータを用いて1つの符号語が生成されてもよい。
【0018】
プロセッサ12は、ユニットデータごとに書き込み先の半導体記憶装置2のメモリ領域を決定する。半導体記憶装置2のメモリ領域には物理アドレスが割当てられている。プロセッサ12は、ユニットデータの書き込み先のメモリ領域を、物理アドレスを用いて管理する。プロセッサ12は、決定したメモリ領域(物理アドレス)を指定してユーザデータを半導体記憶装置2へ書き込むようメモリインターフェイス15へ指示する。プロセッサ12は、ユーザデータの論理アドレス(ホストが管理する論理アドレス)と物理アドレスとの対応を管理する。プロセッサ12は、ホストからの論理アドレスを含む読み出しリクエストを受信した場合は、論理アドレスに対応する物理アドレスを特定し、物理アドレスを指定してユーザデータの読み出しをメモリインターフェイス15へ指示する。
【0019】
ECC回路14は、RAM11に格納されたユーザデータを符号化して、符号語を生成する。また、ECC回路14は、半導体記憶装置2から読み出された符号語を復号する。
【0020】
RAM11は、ホストから受信したユーザデータを半導体記憶装置2へ記憶するまでに一時格納したり、半導体記憶装置2から読み出したデータをホストへ送信するまでに一時格納したりする。RAM11は、例えば、SRAMやDRAM等の汎用メモリである。
【0021】
図1では、メモリコントローラ1が、ECC回路14とメモリインターフェイス15をそれぞれ備える構成例が示されている。しかしながら、ECC回路14がメモリインターフェイス15に内蔵されていてもよい。また、ECC回路14が、半導体記憶装置2に内蔵されていてもよい。図1に示される各要素の具体的な構成や配置は、特に限定されない。
【0022】
ホストから書き込みリクエストを受信した場合、図1のメモリシステムは次のように動作する。プロセッサ12は、書き込み動作の対象となるデータをRAM11に一時記憶させる。プロセッサ12は、RAM11にストアされたデータを読み出し、ECC回路14に入力する。ECC回路14は、入力されたデータを符号化し、符号語をメモリインターフェイス15に入力する。メモリインターフェイス15は、入力された符号語を半導体記憶装置2に書き込む。
【0023】
ホストから読み出しリクエストを受信した場合、図1のメモリシステムは次のように動作する。メモリインターフェイス15は、半導体記憶装置2から読み出した符号語をECC回路14に入力する。ECC回路14は、入力された符号語を復号し、復号されたデータをRAM11にストアする。プロセッサ12は、RAM11にストアされたデータを、ホストインターフェイス13を介してホストに送信する。
【0024】
図2を主に参照しながら、半導体記憶装置2の構成について説明する。同図に示されるように、半導体記憶装置2は、2つのプレーンPL1、PL2と、入出力回路21と、ロジック制御回路22と、シーケンサ41と、レジスタ42と、電圧生成回路43と、入出力用パッド群31と、ロジック制御用パッド群32と、電源入力用端子群33と、を備えている。
【0025】
プレーンPL1は、メモリセルアレイ110と、センスアンプ120と、ロウデコーダ130と、を備えている。また、プレーンPL2は、メモリセルアレイ210と、センスアンプ220と、ロウデコーダ230と、を備えている。プレーンPL1の構成とプレーンPL2の構成とは互いに同一である。つまり、メモリセルアレイ110の構成とメモリセルアレイ210の構成とは互いに同一であり、センスアンプ120の構成とセンスアンプ220の構成とは互いに同一であり、ロウデコーダ130の構成とロウデコーダ230の構成とは互いに同一である。半導体記憶装置2に設けられているプレーンの数は、本実施形態のように2つであってもよいが、3つ以上であってもよい。
【0026】
メモリセルアレイ110及びメモリセルアレイ210は、データを記憶する部分である。メモリセルアレイ110及びメモリセルアレイ210のそれぞれは、ワード線及びビット線に関連付けられた複数のメモリセルトランジスタを含んでいる。これらの具体的な構成については後に説明する。
【0027】
入出力回路21は、メモリコントローラ1との間で、信号DQ<7:0>、及び、データストローブ信号DQS、/DQSを送受信する。入出力回路21は、信号DQ<7:0>内のコマンド及びアドレスをレジスタ42に転送する。また、入出力回路21は、書き込みデータ及び読み出しデータを、センスアンプ120やセンスアンプ220との間で送受信する。
【0028】
ロジック制御回路22は、メモリコントローラ1からチップイネーブル信号/CE、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号/WE、リードイネーブル信号RE、/RE、及びライトプロテクト信号/WPを受信する。また、ロジック制御回路22は、レディービジー信号/RBをメモリコントローラ1に転送して、半導体記憶装置2の状態を外部に通知する。
【0029】
入出力回路21及びロジック制御回路22は、いずれも、メモリコントローラ1との間で信号が入出力される部分として構成された回路である。入出力回路21及びロジック制御回路22のことを総じて、以下では「インターフェイス回路20」とも称する。インターフェイス回路20は、プレーンPL1、PL2の動作に関する制御信号、を含む信号が入出力される部分ということができる。上記の「制御信号」とは、例えば、入出力回路21に入力される信号DQ<7:0>内のコマンド及びアドレスや、ロジック制御回路22に入力されるコマンドラッチイネーブル信号CLE等である。
【0030】
シーケンサ41は、メモリコントローラ1からインターフェイス回路20へと入力された制御信号に基づいて、プレーンPL1、PL2や電圧生成回路43等の各部の動作を制御する。シーケンサ41は、本実施形態における「制御回路」に該当する。シーケンサ41とロジック制御回路22の両方を、本実施形態における「制御回路」と見なすこともできる。図3に示されるように、シーケンサ41は、第1シーケンサ411と、第2シーケンサ412と、第3シーケンサ413と、を有している。
【0031】
第1シーケンサ411は、プレーンPL1、PL2の書き込み動作や消去動作に必要な処理を行う部分である。第1シーケンサ411は、例えば、後述の第1コマンドレジスタ421(図4を参照)にコマンドが格納されると動作を開始する。第1シーケンサ411は、第2シーケンサ412及び第3シーケンサ413の動作を統括する処理も行う。
【0032】
第2シーケンサ412は、プレーンPL1の読み出し動作に必要な処理を行う部分である。第2シーケンサ412は、例えば、後述の第2コマンドレジスタ422(図4を参照)にコマンドが格納されると動作を開始する。
【0033】
第3シーケンサ413は、プレーンPL2の読み出し動作に必要な処理を行う部分である。第3シーケンサ413は、例えば、後述の第3コマンドレジスタ423(図4を参照)にコマンドが格納されると動作を開始する。
【0034】
尚、第1シーケンサ411、第2シーケンサ412、及び第3シーケンサ413における上記のような機能の分担は、あくまで一例である。例えば、レジスタに格納されるコマンドの順序に応じて、第1シーケンサ411等のそれぞれが担う機能が都度変化するような態様であってもよい。シーケンサ41によって行われる具体的な処理の内容については後に説明する。
【0035】
図2のレジスタ42は、コマンドやアドレスを一時的に保持する部分である。図4に示されるように、レジスタ42は、第1コマンドレジスタ421と、第2コマンドレジスタ422と、第3コマンドレジスタ423と、第1アドレスレジスタ424と、第2アドレスレジスタ425と、第1ステータスレジスタ426と、第2ステータスレジスタ427と、を有している。
【0036】
第1コマンドレジスタ421は、プレーンPL1、PL2の書き込み動作や消去動作を指示するコマンドが保持される部分である。当該コマンドは、メモリコントローラ1から入出力回路21に入力された後、入出力回路21から第1コマンドレジスタ421に転送され保持される。
【0037】
第2コマンドレジスタ422は、プレーンPL1の読み出し動作を指示するコマンドが保持される部分である。当該コマンドは、メモリコントローラ1から入出力回路21に入力された後、入出力回路21から第2コマンドレジスタ422に転送され保持される。
【0038】
第3コマンドレジスタ423は、プレーンPL2の読み出し動作を指示するコマンドが保持される部分である。当該コマンドは、メモリコントローラ1から入出力回路21に入力された後、入出力回路21から第3コマンドレジスタ423に転送され保持される。
【0039】
第1アドレスレジスタ424は、プレーンPL1へのコマンドに対応するアドレスが保持される部分である。当該アドレスは、メモリコントローラ1から入出力回路21に入力された後、入出力回路21から第1アドレスレジスタ424に転送され保持される。
【0040】
第2アドレスレジスタ425は、プレーンPL2へのコマンドに対応するアドレスが保持される部分である。当該アドレスは、メモリコントローラ1から入出力回路21に入力された後、入出力回路21から第2アドレスレジスタ425に転送され保持される。
【0041】
第1ステータスレジスタ426は、プレーンPL1の状態を示す第1ステータス情報が格納される部分である。第1ステータスレジスタ426に格納されている第1ステータス情報は、プレーンPL1の動作状態に応じて、シーケンサ41によって都度更新される。第1ステータス情報は、メモリコントローラ1からの要求に応じて、状態信号として入出力回路21からメモリコントローラ1へと出力される。
【0042】
第2ステータスレジスタ427は、プレーンPL2の状態を示す第2ステータス情報が格納される部分である。第2ステータス情報は、プレーンPL2の動作状態に応じて、シーケンサ41によって都度更新される。第2ステータスレジスタ427に格納されている第2ステータス情報は、メモリコントローラ1からの要求に応じて、状態信号として入出力回路21からメモリコントローラ1へと出力される。
【0043】
レジスタ42が、上記のような第1ステータスレジスタ426及び第2ステータスレジスタ427を備えることにより、シーケンサ41は、それぞれのプレーン(PL1、PL2)の状態を示す状態信号を、メモリコントローラ1からの要求に応じて、インターフェイス回路20から出力するための処理を行うことができる。
【0044】
図2の電圧生成回路43は、シーケンサ41からの指示に基づき、メモリセルアレイ110、210におけるデータの書き込み動作、読み出し動作、及び、消去動作のそれぞれに必要な電圧を生成する部分である。図5に示されるように、電圧生成回路43は、第1電圧生成回路431と、第2電圧生成回路432と、第3電圧生成回路433と、を有している。
【0045】
第1電圧生成回路431は、プレーンPL1、PL2におけるデータの書き込み動作時や消去動作に必要な電圧を生成する部分である。このような電圧には、例えば、後述のワード線WLに対し印加されるVPGMやVPASS_PGMのような電圧や、後述のビット線BLに印加される電圧等が含まれる。
【0046】
第2電圧生成回路432は、プレーンPL1おけるデータの読み出し動作に必要な電圧を生成する部分である。このような電圧には、例えば、ワード線WLに対し印加されるVrA等やVPASS_READのような電圧や、ビット線BLに印加される電圧等が含まれる。
【0047】
第3電圧生成回路433は、プレーンPL2おけるデータの読み出し動作に必要な電圧を生成する部分である。このような電圧には、例えば、ワード線WLに対し印加されるVrA等やVPASS_READのような電圧や、ビット線BLに印加される電圧等が含まれる。
【0048】
尚、第1電圧生成回路431、第2電圧生成回路432、及び第3電圧生成回路433における上記のような機能の分担は、あくまで一例である。電圧生成回路43は、プレーンPL1及びプレーンPL2が互いに並列動作し得るように、各ワード線WLやビット線BL等のそれぞれに対し個別に電圧を印加できるように構成されていればよい。
【0049】
入出力用パッド群31は、メモリコントローラ1と入出力回路21との間で各信号の送受信を行うための、複数の端子(パッド)が設けられた部分である。それぞれの端子は、信号DQ<7:0>、及び、データストローブ信号DQS、/DQSのそれぞれに対応して個別に設けられている。
【0050】
ロジック制御用パッド群32は、メモリコントローラ1とロジック制御回路22との間で各信号の送受信を行うための、複数の端子(パッド)が設けられた部分である。それぞれの端子は、チップイネーブル信号/CE、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号/WE、リードイネーブル信号RE、/RE、ライトプロテクト信号/WP、及び、レディービジー信号/RBのそれぞれに対応して個別に設けられている。
【0051】
電源入力用端子群33は、半導体記憶装置2の動作に必要な各電圧の印加を受けるための、複数の端子が設けられた部分である。それぞれの端子に印加される電圧には、電源電圧Vcc、VccQ、Vpp、及び接地電圧Vssが含まれる。
【0052】
電源電圧Vccは、動作電源として外部から与えられる回路電源電圧であり、例えば3.3V程度の電圧である。電源電圧VccQは、例えば1.2Vの電圧である。電源電圧VccQは、メモリコントローラ1と半導体記憶装置2との間で信号を送受信する際に用いられる電圧である。電源電圧Vppは、電源電圧Vccよりも高圧の電源電圧であり、例えば12Vの電圧である。
【0053】
メモリセルアレイ110、210へデータを書き込んだり、データを消去したりする際には、20V程度の高い電圧(VPGM)が必要となる。この際に、約3.3Vの電源電圧Vccを電圧生成回路43の昇圧回路で昇圧するよりも、約12Vの電源電圧Vppを昇圧するほうが、高速かつ低消費電力で所望の電圧を生成することができる。一方で、例えば、高電圧を供給することができない環境において半導体記憶装置2が用いられる場合、電源電圧Vppには電圧が供給されなくともよい。電源電圧Vppが供給されない場合であっても、半導体記憶装置2は、電源電圧Vccが供給されていれば、各種の動作を実行することができる。すなわち、電源電圧Vccは、半導体記憶装置2に標準的に供給される電源であり、電源電圧Vppは、例えば使用環境に応じて追加的・任意的に供給される電源である。
【0054】
プレーンPL1、PL2の構成について説明する。尚、先に述べたように、プレーンPL1の構成とプレーンPL2の構成とは互いに同一である。このため、以下ではプレーンPL1の構成についてのみ説明し、プレーンPL2の構成については図示及び説明を省略する。
【0055】
図6には、プレーンPL1に設けられたメモリセルアレイ110の構成が、等価回路図として示されている。メモリセルアレイ110は複数のブロックBLKにより構成されているのであるが、図6においては、これらのうちの1つのブロックBLKのみが図示されている。メモリセルアレイ110が有する他のブロックBLKの構成も、図6に示されるものと同じである。
【0056】
図6に示されるように、ブロックBLKは、例えば4つのストリングユニットSU(SU0~SU3)を含む。また各々のストリングユニットSUは、複数のNANDストリングNSを含む。NANDストリングNSの各々は、例えば8個のメモリセルトランジスタMT(MT0~MT7)と、選択トランジスタST1、ST2とを含む。
【0057】
尚、メモリセルトランジスタMTの個数は8個に限られず、例えば、32個、48個、64個、96個でもよい。例えばカットオフ特性を高めるために、選択トランジスタST1、ST2のそれぞれが、単一ではなく複数のトランジスタにより構成されていてもよい。さらに、メモリセルトランジスタMTと選択トランジスタST1、ST2との間には、ダミーセルトランジスタが設けられていてもよい。
【0058】
メモリセルトランジスタMTは、選択トランジスタST1と選択トランジスタST2との間において、直列接続されるようにして配置されている。一端側のメモリセルトランジスタMT7が、選択トランジスタST1のソースに接続され、他端側のメモリセルトランジスタMT0が、選択トランジスタST2のドレインに接続されている。
【0059】
ストリングユニットSU0~SU3の各々の選択トランジスタST1のゲートは、それぞれセレクトゲート線SGD0~SGD3に共通接続されている。選択トランジスタST2のゲートは、同一のブロックBLK内にある複数のストリングユニットSU間で同一のセレクトゲート線SGSに共通接続されている。同一のブロックBLK内にあるメモリセルトランジスタMT0~MT7の制御ゲートは、それぞれワード線WL0~WL7に共通接続される。すなわち、ワード線WL0~WL7及びセレクトゲート線SGSは、同一ブロックBLK内の複数のストリングユニットSU0~SU3間で共通となっているのに対し、セレクトゲート線SGDは、同一ブロックBLK内であってもストリングユニットSU0~SU3毎に個別に設けられている。
【0060】
メモリセルアレイ110には、m本のビット線BL(BL0、BL1、・・・、BL(m-1))が設けられている。上記の「m」は、1つのストリングユニットSUに含まれるNANDストリングNSの本数を表す整数である。それぞれのNANDストリングNSのうち、選択トランジスタST1のドレインは、対応するビット線BLに接続されている。選択トランジスタST2のソースは、ソース線SLに接続されている。ソース線SLは、ブロックBLKが有する複数の選択トランジスタST2のソースに対し、共通接続されている。
【0061】
同一のブロックBLK内にある複数のメモリセルトランジスタMTに記憶されているデータは、一括して消去される。一方、データの読み出し及び書き込みは、1つのワード線WLに接続され、かつ1つのストリングユニットSUに属する複数のメモリセルトランジスタMTに対して一括して行われる。それぞれのメモリセルは、上位ビット、中位ビット、及び下位ビットからなる3ビットのデータを保持することができる。
【0062】
つまり、本実施形態に係る半導体記憶装置2は、メモリセルトランジスタMTへのデータの書き込み方式として、1つのメモリセルトランジスタMTに3ビットデータを記憶させるTLC方式を採用している。このような態様に替えて、メモリセルトランジスタMTへのデータの書き込み方式としては、1つのメモリセルトランジスタMTに2ビットデータを記憶させるMLC方式や、1つのメモリセルトランジスタMTに1ビットデータを記憶させるSLC方式等を採用してもよい。
【0063】
尚、以下の説明では、1つのワード線WLに接続され、かつ1つのストリングユニットSUに属する複数のメモリセルトランジスタMTが記憶する1ビットデータの集合のことを「ページ」と称する。図6では、上記のような複数のメモリセルトランジスタMTからなる集合の一つに、符号「MG」が付してある。
【0064】
本実施形態のように、1つのメモリセルトランジスタMTに3ビットのデータが記憶される場合、1つのストリングユニットSU内で共通のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTの集合は、3ページ分のデータを記憶することができる。
【0065】
図7には、メモリセルアレイ110の構成が、模式的な断面図として示されている。同図に示されるように、メモリセルアレイ110では、シリコン基板のp型ウェル領域(P-well)上に複数のNANDストリングNSが形成されている。p型ウェル領域の上方には、セレクトゲート線SGSとして機能する複数の配線層333、ワード線WLとして機能する複数の配線層332、及びセレクトゲート線SGDとして機能する複数の配線層331が積層されている。積層された配線層333、332、331のそれぞれの間には、不図示の絶縁層が配置されている。
【0066】
メモリセルアレイ110には複数のメモリホール334が形成されている。メモリホール334は、上記の配線層333,332,331、及びこれらの間にある不図示の絶縁層を上下方向に貫通しており、且つp型ウェル領域に達するように形成された穴である。メモリホール334の側面には、ブロック絶縁膜335、電荷蓄積層336、及びゲート絶縁膜337が順次形成され、更にその内側に導電体柱338が埋め込まれている。導電体柱338は、例えばポリシリコンからなり、NANDストリングNSに含まれるメモリセルトランジスタMT並びに選択トランジスタST1及びST2の動作時にチャネルが形成される領域として機能する。このように、メモリホール334の内側には、ブロック絶縁膜335、電荷蓄積層336、ゲート絶縁膜337、及び導電体柱338からなる柱状体が形成されている。
【0067】
メモリホール334の内側に形成された柱状体のうち、積層された配線層333、332、331のそれぞれと交差している各部分は、トランジスタとして機能する。これら複数のトランジスタのうち、配線層331と交差している部分にあるものは、選択トランジスタST1として機能する。複数のトランジスタのうち、配線層332と交差している部分にあるものは、メモリセルトランジスタMT(MT0~MT7)として機能する。複数のトランジスタのうち、配線層333と交差している部分にあるものは、選択トランジスタST2として機能する。このような構成により、各メモリホール334の内側に形成された柱状体のそれぞれは、図6を参照しながら説明したNANDストリングNSとして機能する。
【0068】
導電体柱338よりも上側には、ビット線BLとして機能する配線層が形成される。導電体柱338の上端には、導電体柱338とビット線BLとを接続するコンタクトプラグ339が形成されている。
【0069】
更に、p型ウェル領域の表面内には、n+型不純物拡散層及び不図示のp+型不純物拡散層が形成されている。n+型不純物拡散層上にはコンタクトプラグ340が形成され、コンタクトプラグ340上には、ソース線SLとして機能する配線層が形成されている。
【0070】
図7に示される構成と同様の構成が、図7の紙面の奥行き方向に沿って複数配列されている。図7の紙面の奥行き方向に沿って一列に並ぶ複数のNANDストリングNSの集合によって、1つのストリングユニットSUが形成されている。
【0071】
図2に戻って説明を続ける。先に述べたように、プレーンPL1には、上記のメモリセルアレイ110に加えて、センスアンプ120とロウデコーダ130とが設けられている。
【0072】
センスアンプ120は、ビット線BLに印加される電圧を調整したり、ビット線BLの電圧を読み出してデータに変換したりするための回路である。センスアンプ120は、データの読み出し時には、メモリセルトランジスタMTからビット線BLに読み出された読み出しデータを取得し、取得した読み出しデータを入出力回路21に転送する。センスアンプ120は、データの書き込み時には、ビット線BLを介して書き込まれる書き込みデータをメモリセルトランジスタMTに転送する。
【0073】
ロウデコーダ130は、ワード線WLのそれぞれに電圧を印加するための、不図示のスイッチ群として構成された回路である。ロウデコーダ130は、レジスタ42からブロックアドレス及びロウアドレスを受け取り、当該ブロックアドレスに基づいて対応するブロックBLKを選択するとともに、当該ロウアドレスに基づいて対応するワード線WLを選択する。ロウデコーダ130は、選択されたワード線WLに対して電圧生成回路43からの電圧が印加されるよう、上記のスイッチ群の開閉を切り換える。
【0074】
図8には、センスアンプ120の構成例が示されている。センスアンプ120は、複数のビット線BLのそれぞれに関連付けられた複数のセンスアンプユニットSAUを含む。図8には、これらのうちの1つのセンスアンプユニットSAUの詳細な回路構成が抽出して示されている。
【0075】
図8に示されるように、センスアンプユニットSAUは、センスアンプ部SAと、ラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、XDLとを含んでいる。センスアンプ部SA、ラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、XDLは、互いにデータを送受信可能なように、バスLBUSによって接続されている。
【0076】
センスアンプ部SAは、例えば読み出し動作において、対応するビット線BLに読み出されたデータをセンスして、読み出したデータが“0”であるか“1”であるかを判定する。センスアンプ部SAは、例えば、pチャネルMOSトランジスタであるトランジスタTR1と、nチャネルMOSトランジスタであるトランジスタTR2~TR9と、キャパシタC10とを含んでいる。
【0077】
トランジスタTR1の一端は電源線に接続されており、トランジスタTR1の他端はトランジスタTR2に接続されている。トランジスタTR1のゲートは、ラッチ回路SDL内のノードINVに接続されている。トランジスタTR2の一端はトランジスタTR1に接続されており、トランジスタTR2の他端はノードCOMに接続されている。トランジスタTR2のゲートには信号BLXが入力される。トランジスタTR3の一端はノードCOMに接続されており、トランジスタTR3の他端はトランジスタTR4に接続されている。トランジスタTR3のゲートには信号BLCが入力される。トランジスタTR4は、高耐圧のMOSトランジスタである。トランジスタTR4の一端はトランジスタTR3に接続されている。トランジスタTR4の他端は対応するビット線BLに接続されている。トランジスタTR4のゲートには信号BLSが入力される。
【0078】
トランジスタTR5の一端はノードCOMに接続されており、トランジスタTR5の他端はノードSRCに接続されている。トランジスタTR5のゲートはノードINVに接続されている。トランジスタTR6の一端は、トランジスタTR1とトランジスタTR2との間に接続されており、トランジスタTR6の他端はノードSENに接続されている。トランジスタTR6のゲートには信号HLLが入力される。トランジスタTR7の一端はノードSENに接続されており、トランジスタTR7の他端はノードCOMに接続されている。トランジスタTR7のゲートには信号XXLが入力される。
【0079】
トランジスタTR8の一端は接地されており、トランジスタTR8の他端はトランジスタTR9に接続されている。トランジスタTR8のゲートはノードSENに接続されている。トランジスタTR9の一端はトランジスタTR8に接続されており、トランジスタTR9の他端はバスLBUSに接続されている。トランジスタTR9のゲートには信号STBが入力される。キャパシタC10の一端はノードSENに接続されている。キャパシタC10の他端にはクロックCLKが入力される。
【0080】
信号BLX、BLC、BLS、HLL、XXL、及びSTBは、例えばシーケンサ41によって生成される。また、トランジスタTR1の一端に接続された電源線には、例えば半導体記憶装置2の内部電源電圧である電圧Vddが印加され、ノードSRCには、例えば半導体記憶装置2の接地電圧である電圧Vssが印加される。
【0081】
ラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、XDLは、読み出しデータを一時的に保持する。ラッチ回路XDLは入出力回路21に接続され、センスアンプユニットSAUと入出力回路21との間のデータの入出力に使用される。
【0082】
ラッチ回路SDLは、例えば、インバータIV11、IV12と、nチャネルMOSトランジスタであるトランジスタTR13、TR14とを含んでいる。インバータIV11の入力ノードはノードLATに接続されている。インバータIV11の出力ノードはノードINVに接続されている。インバータIV12の入力ノードはノードINVに接続されている。インバータIV12の出力ノードはノードLATに接続されている。トランジスタTR13の一端はノードINVに接続されており、トランジスタTR13の他端はバスLBUSに接続されている。トランジスタTR13のゲートには信号STIが入力される。トランジスタTR13の一端はノードLATに接続されており、トランジスタTR14の他端はバスLBUSに接続されている。トランジスタTR14のゲートには信号STLが入力される。例えば、ノードLATにおいて保持されるデータがラッチ回路SDLに保持されるデータに相当する。また、ノードINVにおいて保持されるデータは、ノードLATに保持されるデータの反転データに相当する。ラッチ回路ADL、BDL、CDL、XDLの回路構成は、例えば、ラッチ回路SDLの回路構成と同様のため、説明を省略する。
【0083】
図9は、メモリセルトランジスタMTの閾値分布等を模式的に示す図である。図9の中段にある図は、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧(横軸)と、メモリセルトランジスタMTの個数(縦軸)との対応関係を表している。
【0084】
本実施形態のようにTLC方式を採用した場合においては、複数のメモリセルトランジスタMTは、図9の中段に示されるように、8つの閾値分布を形成する。この8個の閾値分布(書き込みレベル)のことを、閾値電圧の低い方から順に“ER”レベル、“A”レベル、“B”レベル、“C”レベル、“D”レベル、“E”レベル、“F”レベル、“G”レベルと称する。
【0085】
図9の上段にある表は、閾値電圧の上記各レベルのそれぞれに対応して、割り当てられるデータの例を表している。同表に示されるように、“ER”レベル、“A”レベル、“B”レベル、“C”レベル、“D”レベル、“E”レベル、“F”レベル、及び“G”レベルには、例えば以下に示すような、それぞれ異なる3ビットデータが割り当てられる。
“ER”レベル:“111”(“下位ビット/中位ビット/上位ビット”)
“A”レベル:“011”
“B”レベル:“001”
“C”レベル:“000”
“D”レベル:“010”
“E”レベル:“110”
“F”レベル:“100”
“G”レベル:“101”
【0086】
互いに隣り合う一対の閾値分布の間には、それぞれ書き込み動作で使用されるベリファイ電圧が設定される。具体的には、“A”レベル、“B”レベル、“C”レベル、“D”レベル、“E”レベル、“F”レベル、及び“G”レベルにそれぞれ対応して、ベリファイ電圧VfyA、VfyB、VfyC、VfyD、VfyE、VfyF、及びVfyGが設定される。
【0087】
ベリファイ電圧VfyAは、“ER”レベルにおける最大の閾値電圧と“A”レベルにおける最小の閾値電圧との間に設定される。メモリセルトランジスタMTにベリファイ電圧VfyAが印加されると、閾値電圧が“ER”レベルに含まれるメモリセルトランジスタMTがオン状態になり、閾値電圧が“A”レベル以上の閾値分布に含まれるメモリセルトランジスタMTがオフ状態になる。
【0088】
その他のベリファイ電圧VfyB、VfyC、VfyD、VfyE、VfyF、及びVfyGも、上記のベリファイ電圧VfyAと同様に設定される。ベリファイ電圧VfyBは、“A”レベルと“B”レベルとの間に設定され、ベリファイ電圧VfyCは、“B”レベルと“C”レベルとの間に設定され、ベリファイ電圧VfyDは、“C”レベルと“D”レベルとの間に設定され、ベリファイ電圧VfyEは、“D”レベルと“E”レベルとの間に設定され、ベリファイ電圧VfyFは、“E”レベルと“F”レベルとの間に設定され、ベリファイ電圧VfyGは、“F”レベルと“G”レベルとの間に設定される。
【0089】
例えば、ベリファイ電圧VfyAは0.8Vに、ベリファイ電圧VfyBは1.6Vに、ベリファイ電圧VfyCは2.4Vに、ベリファイ電圧VfyDは3.1Vに、ベリファイ電圧VfyEは3.8Vに、ベリファイ電圧VfyFは4.6Vに、ベリファイ電圧VfyGは5.6Vに、それぞれ設定してもよい。しかし、これに限定されることなく、ベリファイ電圧VfyA、VfyB、VfyC、VfyD、VfyE、VfyF、及びVfyGは、例えば、0V~7.0Vの範囲で、適宜、段階的に設定してもよい。
【0090】
また、隣り合う閾値分布の間には、それぞれ読み出し動作で使用される読み出し電圧が設定される。「読み出し電圧」とは、読み出し動作時において、読み出し対象となるメモリセルトランジスタMTに繋がるワード線WL、すなわち選択ワード線WLに対し印加される電圧である。読み出し動作では、読み出し対象となるメモリセルトランジスタMTの閾値電圧が、印加された読み出し電圧よりも高いか否かの判定結果に基づいてデータが決定される。
【0091】
図9の下段の図において模式的に示されるように、具体的には、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧が“ER”レベルに含まれるのか“A”レベル以上に含まれるのかを判定する読み出し電圧VrAは、“ER”レベルにおける最大の閾値電圧と“A”レベルにおける最小の閾値電圧との間に設定される。
【0092】
その他の読み出し電圧VrB、VrC、VrD、VrE、VrF、及びVrGも、上記の読み出し電圧VrAと同様に設定される。読み出し電圧VrBは、“A”レベルと“B”レベルとの間に設定され、読み出し電圧VrCは、“B”レベルと“C”レベルとの間に設定され、読み出し電圧VrDは、“C”レベルと“D”レベルとの間に設定され、読み出し電圧VrEは、“D”レベルと“E”レベルとの間に設定され、読み出し電圧VrFは、“E”レベルと“F”レベルとの間に設定され、読み出し電圧VrGは、“F”レベルと“G”レベルとの間に設定される。
【0093】
そして、最も高い閾値分布(例えば“G”レベル)の最大の閾値電圧よりも高い電圧に、読み出しパス電圧VPASS_READが設定される。読み出しパス電圧VPASS_READがゲートに印加されたメモリセルトランジスタMTは、記憶するデータに依らずにオン状態になる。
【0094】
尚、ベリファイ電圧VfyA、VfyB、VfyC、VfyD、VfyE、VfyF、及びVfyGは、例えば、読み出し電圧VrA、VrB、VrC、VrD、VrE、VrF、及びVrGよりもそれぞれ高い電圧に設定される。つまり、ベリファイ電圧VfyA、VfyB、VfyC、VfyD、VfyE、VfyF、及びVfyGは、それぞれ“A”レベル、“B”レベル、“C”レベル、“D”レベル、“E”レベル、“F”レベル、及び“G”レベルの閾値分布の下裾近傍に設定される。
【0095】
以上に説明したようなデータの割り付けが適用された場合、読み出し動作において下位ビットの1ページデータ(下位ページデータ)は、読み出し電圧VrA及びVrEを用いた読み出し結果によって確定させることができる。中位ビットの1ページデータ(中位ページデータ)は、読み出し電圧VrB、VrD、及びVrFを用いた読み出し結果によって確定させることができる。上位ビットの1ページデータ(上位ページデータ)は、読み出し電圧VrC及びVrGを用いた読み出し結果によって確定させることができる。このように、下位ページデータ、中位ページデータ、及び上位ページデータがそれぞれ、2回、3回、及び2回の読み出し動作によって確定するため、以上のようなデータの割り付けは“2-3-2コード”と称される。
【0096】
尚、以上で説明したようなデータの割り付けはあくまで一例であり、実際のデータの割り付けはこれに限定されない。例えば、2ビット又は4ビット以上のデータが1つのメモリセルトランジスタMTに記憶されてもよい。また、データが割り付けられる閾値分布の数は7以下であってもよく、9以上であってもよい。
【0097】
半導体記憶装置2において行われる書き込み動作について説明する。書き込み動作では、プログラム動作及びベリファイ動作が行われる。「プログラム動作」とは、メモリセルトランジスタMTの電荷蓄積層336に電子を注入することにより、当該メモリセルトランジスタMTの閾値電圧を上昇させる動作のことである。尚、プログラム動作には、メモリセルトランジスタMTの電荷蓄積層336に対する電子の注入を禁止することにより、当該メモリセルトランジスタMTの閾値電圧を維持させることも含まれる。
【0098】
「ベリファイ動作」とは、書き込み動作において、上記のプログラム動作の後、データを読み出すことで、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧がターゲットレベルまで達したか否かを判定する動作である。閾値電圧がターゲットレベルまで達したメモリセルトランジスタMTは、その後、書き込み禁止とされる。
【0099】
書き込み動作では、以上のプログラム動作とベリファイ動作の組み合わせが繰り返される。これにより、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧がターゲットレベルまで上昇される。
【0100】
図10は、プログラム動作時における各配線の電位変化を示している。以下では、プレーンPL1においてプログラム動作が行われる場合の例について説明する。プログラム動作では、センスアンプ120が、プログラムデータに対応して各ビット線BLの電位を変化させる。プログラム対象の(閾値電圧を上昇させるべき)メモリセルトランジスタMTに繋がるビット線BLには、“L”レベルとして接地電圧Vss(例えば0V)が印加される。プログラム対象ではない(閾値電圧を維持すべき)メモリセルトランジスタMTに繋がるビット線BLには、“H”レベルとして、例えば2.5Vが印加される。前者のビット線BLは、図10においては「BL(0)」と表記されている。後者のビット線BLは、図10においては「BL(1)」と表記されている。
【0101】
ロウデコーダ130は、書き込み動作の対象としていずれかのブロックBLKを選択し、更にいずれかのストリングユニットSUを選択する。より具体的には、選択されたストリングユニットSUにおけるセレクトゲート線SGD(選択セレクトゲート線SGDsel)には、電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して例えば5Vが印加される。これにより、選択トランジスタST1はオン状態となる。他方で、セレクトゲート線SGSには、電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して例えば電圧Vssが印加される。これにより、選択トランジスタST2はオフ状態となる。
【0102】
また、選択ブロックBLKにおける非選択ストリングユニットSUのセレクトゲート線SGD(非選択セレクトゲート線SGDusel)には、電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して例えば電圧5Vが印加される。これにより、選択トランジスタST1がオン状態となる。なお、各ブロックBLKに含まれるストリングユニットSUにおいて、セレクトゲート線SGSは共通に接続されている。従って、非選択ストリングユニットSUにおいても、選択トランジスタST2はオフ状態となる。
【0103】
更に、非選択ブロックBLKにおけるセレクトゲート線SGD及びセレクトゲート線SGSには、電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して例えば電圧Vssが印加される。これにより、選択トランジスタST1及び選択トランジスタST2はオフ状態となる。
【0104】
ソース線SLは、セレクトゲート線SGSの電位よりも高い電位とされる。当該電位は、例えば1Vである。
【0105】
その後、選択ブロックBLKにおける選択セレクトゲート線SGDselの電位を、例えば2.5Vとする。この電位は、上記の例で0Vが与えられたビット線BL(0)に対応する選択トランジスタST1はオンさせるが、2.5Vが与えられたビット線BL(1)に対応する選択トランジスタST1はカットオフさせる電圧である。これにより、選択ストリングユニットSUにおいては、ビット線BL(0)に対応する選択トランジスタST1はオンされ、2.5Vが与えられたビット線BL(1)に対応する選択トランジスタST1はカットオフされる。一方で、非選択セレクトゲート線SGDuselの電位を、例えば電圧Vssとする。これにより、非選択ストリングユニットSUにおいては、ビット線BL(0)及びビット線BL(1)の電位に関わらず、選択トランジスタST1はカットオフされる。
【0106】
そしてロウデコーダ130は、選択ブロックBLKにおいて、書き込み動作の対象としていずれかのワード線WLを選択する。書き込み動作の対象となるワード線WL(選択ワード線WLsel)に、電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して例えば電圧VPGMが印加される。一方で、その他のワード線WL(非選択ワード線WLusel)に、電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して例えば電圧VPASS_PGMが印加される。電圧VPGMは、トンネル現象により電子を電荷蓄積層336に注入するための高電圧である。電圧VPASS_PGMは、ワード線WLに繋がるメモリセルトランジスタMTをONとする一方で、閾定電圧は変化させない程度の電圧である。VPGMはVPASS_PGMよりも高い電圧である。
【0107】
プログラム対象のビット線BL(0)に対応するNANDストリングNSでは、選択トランジスタST1がオン状態となる。そのため、選択ワード線WLselに接続されたメモリセルトランジスタMTのチャネル電位は0Vとなる。制御ゲートとチャネルとの間の電位差が大きくなり、その結果、電子が電荷蓄積層336に注入されるので、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧が上昇される。
【0108】
プログラム対象ではないビット線BL(1)に対応するNANDストリングNSでは、選択トランジスタST1がカットオフ状態となる。そのため、選択ワード線WLselに接続されたメモリセルトランジスタMTのチャネルは電気的にフローティングとなり、ワード線WL等との容量カップリングによりチャネル電位は電圧VPGM近くまで上昇される。制御ゲートとチャネルとの間の電位差が小さくなり、その結果、電子は電荷蓄積層336に注入されないので、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧は維持される。正確にいうと、閾値分布レベルがより高い分布に遷移するほどには、閾値電圧は変動しない。
【0109】
読み出し動作(ベリファイ動作)について説明する。図19は、読み出し動作時における各配線の電位変化を示している。以下では、プレーンPL1において読み出し動作が行われる場合の例について説明する。読み出し動作では、読み出し動作の対象となるメモリセルトランジスタMT、を含むNANDストリングNSが選択される。あるいは、読み出し動作の対象となるページを含むストリングユニットSUが選択される。
【0110】
まず、選択セレクトゲート線SGDsel、非選択セレクトゲート線SGDusel及びセレクトゲート線SGSには、電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して例えば5Vが印加される。これにより、選択ブロックBLKに含まれる選択トランジスタST1及び選択トランジスタST2はオン状態となる。また、選択ワード線WLsel及び非選択ワード線には、電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して例えば読み出しパス電圧VPASS_READが印加される。読み出しパス電圧VPASS_READは、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧にかかわらず、メモリセルトランジスタMTをONとすることができ、かつ、閾定電圧は変化させない程度の電圧である。これにより、選択ストリングユニットSUであるか非選択ストリングユニットSUであるかにかかわらず、選択ブロックBLKに含まれる全てのNANDストリングNSにおいて、電流が導通する。
【0111】
次に、読み出し動作の対象となるメモリセルトランジスタMTに繋がるワード線WL(選択ワード線WLsel)に対し、電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して例えばVrAのような読み出し電圧Vrが印加される。それ以外のワード線WL(非選択ワード線WLusel)に対しては、読み出しパス電圧VPASS_READが印加される。
【0112】
また、選択セレクトゲート線SGDsel及びセレクトゲート線SGSに印加する電圧は維持しつつ、非選択セレクトゲート線SGDuselには、電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して例えば電圧Vssが印加される。これにより、選択ストリングユニットSUに含まれる選択トランジスタST1はオン状態を維持するが、非選択ストリングユニットSUに含まれる選択トランジスタST1はオフ状態となる。なお、選択ストリングユニットSUであるか非選択ストリングユニットSUであるかにかかわらず、選択ブロックBLKに含まれる選択トランジスタST2はオン状態となる。
【0113】
これにより、非選択ストリングユニットSUに含まれるNANDストリングNSは、少なくとも選択トランジスタST1がオフ状態となるため、電流パスを形成しない。一方で、選択ストリングユニットSUに含まれるNANDストリングNSは、選択ワード線WLselに印加される読み出し電圧VrとメモリセルトランジスタMTの閾値電圧との関係に応じて、電流パスが形成され、または、形成されない。
【0114】
センスアンプ120は、選択されたNANDストリングNSに繋がるビット線BLに対して電圧を印加する。この状態で、センスアンプ120は、当該ビット線BLを流れる電流の値に基づいてデータの読み出しを行う。具体的には、読み出し動作の対象となるメモリセルトランジスタMTの閾値電圧が、当該メモリセルトランジスタMTに印加された読み出し電圧よりも高いか否かを判定する。尚、データの読み出しは、ビット線BLを流れる電流の値に基づくのではなく、ビット線BLにおける電位の時間変化に基づいて行われてもよい。後者の場合、ビット線BLは、予め所定の電位となるようにプリチャージされる。
【0115】
先に述べたベリファイ動作も、上記のような読み出し動作と同様に行われる。ベリファイ動作では、ベリファイの対象となるメモリセルトランジスタMTに繋がるワード線WLに対し、例えばVfyAのようなベリファイ電圧が電圧生成回路43からロウデコーダ130を介して印加されることとなる。
【0116】
なお、先に述べたプログラム動作の初期段階における選択セレクトゲート線SGDsel及び非選択セレクトゲート線SGDuselに5Vの電圧を印加する動作は、省略される場合がある。同様に、先に述べた読み出し動作(ベリファイ動作)の初期段階における非選択セレクトゲート線SGDuselに5Vの電圧を印加し選択ワード線WLselに読み出しパス電圧VPASS_READを印加する動作は、省略される場合がある。
【0117】
本実施形態においては、上述のように、下位ビットの1ページデータ(下位ページデータ)は、読み出し電圧VrA及びVrEを用いた読み出し結果によって確定させることができ、中位ビットの1ページデータ(中位ページデータ)は、読み出し電圧VrB、VrD、及びVrFを用いた読み出し結果によって確定させることがで、上位ビットの1ページデータ(上位ページデータ)は、読み出し電圧VrC及びVrGを用いた読み出し結果によって確定させることができる。
【0118】
図20に、下位ページの読み出し動作において選択ワード線WLselに印加される電圧と、センスアンプユニットSAUの制御信号STBとの関係の一例を示す。同様に、図21に、中位ページの読み出し動作において選択ワード線WLselに印加される電圧と、センスアンプユニットSAUの制御信号STBとの関係の一例を示す。また、図22に、上位ページの読み出し動作において選択ワード線WLselに印加される電圧と、センスアンプユニットSAUの制御信号STBとの関係の一例を示す。制御信号STBは、センスアンプユニットSAUに対応するビット線BLを流れる電流の値に基づいてデータの読み出しを行わせるための制御信号である。
【0119】
以上においては、プレーンPL1における書き込み動作及び読み出し動作について説明したが、プレーンPL2における書き込み動作等も、以上のようなプレーンPL1の場合と同様に行われる。
【0120】
書き込み動作の具体的な流れについて説明する。書き込み動作では、データが正しく書き込まれたことが確認されるまで、プログラム動作とベリファイ動作とが繰り返される。図11では、プログラム動作とベリファイ動作との組み合わせが19回繰り返されることによって、データが書き込まれる場合を例に示している。このように繰り返される各動作のことを、以下では「ループ」とも称する。
【0121】
図11には、各ループにおいて行われるベリファイ動作のターゲットレベルが示されている。図示するように、1回目及び2回目のループでは、ベリファイ動作は“A”レベルのみを対象にして行われる。つまり、ベリファイ動作時に選択ワード線WLselには電圧VfyAが印加され、電圧VfyB~VfyGは印加されない。続く3回目及び4回目のループでは、ベリファイ動作は“A”レベルと“B”レベルとを対象にして行われる。つまり、ベリファイ動作時に選択ワード線WLselにはベリファイ電圧VfyA及びVfyBが順次印加され、ベリファイ電圧VfyC~VfyGは印加されない。
【0122】
5回目及び6回目のループでは、ベリファイ動作は“A”レベル、“B”レベル、及び“C”レベルを対象にして行われる。つまり、ベリファイ動作時に選択ワード線WLselにはベリファイ電圧VfyA、VfyB、及びVfyCが順次印加され、ベリファイ電圧VfyD~VfyGは印加されない。そして、“A”レベルを対象としたベリファイ動作は、6回目のループで完了する。これは、例えば6回のループ回数で“A”レベルへのプログラムはほぼ完了するということが経験的に求められるからである。
【0123】
また、7回目及び8回目のループでは、ベリファイ動作は“B”レベル、“C”レベル、及び“D”レベルを対象にして行われる。つまり、ベリファイ動作時に選択ワード線WLselにはベリファイ電圧VfyB、VfyC、及びVfyDが順次印加される。そして、“B”レベルを対象としたベリファイ動作は、8回目の書き込み動作で完了する。更に、9回目及び10回目のループでは、ベリファイ動作は“C”レベル、“D”レベル、及び“E”レベルを対象にして行われる。つまり、ベリファイ動作時に選択ワード線WLselにはベリファイ電圧VfyC、VfyD、及びVfyEが順次印加される。そして、“C”レベルを対象としたベリファイ動作は、10回目のループで完了する。
【0124】
以降、同様にして“G”レベルの書き込みまで行われ、ループは最大で19回、繰り返される。
【0125】
以上のような書き込み動作時における、各配線の電位の様子を図12に示す。図12は、1回目から6回目のループにおける、選択ワード線WLselの電位、“Er”レベルを維持すべきメモリセルトランジスタMTに対応するビット線BL(図12ではBL(“Er”)と表記)の電位、及び“A”~“G”レベル内の値に閾値を上昇させるべきメモリセルトランジスタMTに対応するビット線BL(図12ではそれぞれBL(“A”)、BL(“B”)、BL(“C”)、BL(“D”)、BL(“E”)、BL(“F”)、及び、BL(“G”)と表記)の電位の時間変化を示している。
【0126】
図示するように、1回目のループでは、ビット線BL(“A”)~BL(“G”)のそれぞれに繋がるメモリセルトランジスタMTを対象として、プログラム動作が行われる。具体的には、選択ワード線WLselには電圧VPGMが印加され、ビット線BL(“Er”)には例えば2.5Vが印加され、ビット線BL(“A”)~BL(“G”)には、例えば電圧VSS(=0V)が印加される。これにより、ビット線BL(“A”)~BL(“G”)のそれぞれに繋がる選択メモリセルトランジスタMTの閾値電圧が上昇する。
【0127】
このようなプログラム動作に続いて、“A”レベルについてのベリファイ動作が行われる。具体的には、ビット線BL(“A”)が例えば0.7Vにプリチャージされ、選択ワード線WLselにはベリファイ電圧VfyAが印加される。その他のビット線BL(“Er”)、BL(“B”)~BL(“G”)は、例えば0V等に固定され、ベリファイ対象から外される。その結果、図11を参照しながら先に述べたように、1回目のループでは“A”レベルのみを対象にしてベリファイ動作が行われることとなる。
【0128】
2回目のループでは、1回目の“A”レベルについてのベリファイ動作をフェイルしたビット線BL(“A”)及びビット線BL(“B”)~BL(“G”)、のそれぞれに繋がるメモリセルトランジスタMTを対象として、プログラム動作が行われる。このとき、選択ワード線WLselに印加される電圧VPGMは、1回目のループにおける電圧VPGMよりも僅かに大きくなるようにステップアップされる。その後、1回目と同様に“A”レベルについてのベリファイ動作が実行される。つまり、2回目のループでも“A”レベルのみを対象にしてベリファイ動作が行われる。
【0129】
3回目のループでは、2回目と同様に、“A”レベルについてのベリファイ動作をフェイルしたビット線BL(“A”)及びビット線BL(“B”)~BL(“G”)、のそれぞれに繋がるメモリセルトランジスタMTを対象として、プログラム動作が行われる。このとき選択ワード線WLselに印加される電圧VPGMは、2回目のループにおける電圧VPGMよりも僅かに大きくなるように更にステップアップされる。その後、1回目及び2回目と同様に、まず“A”レベルについてのベリファイ動作が実行される。
【0130】
続いて、“B”レベルについてのベリファイ動作が実行される。具体的には、ビット線BL(“A”)及びBL(“B”)が例えば0.7Vにプリチャージされ、選択ワード線WLselにはベリファイ電圧VfyA及びVfyBが順次印加される。その他のビット線BL(“Er”)及びBL(“C”)~BL(“G”)は、例えば0V等に固定され、ベリファイ対象から外される。その結果、図11を参照しながら先に述べたように、3回目のループでは“A”レベルと“B”レベルとを対象にしてベリファイ動作が行われることとなる。
【0131】
4回目のループでは、電圧VPGMが更にステップアップされて、3回目のループと同様の動作が行われる。
【0132】
5回目のループでは、ビット線BL(“A”)、BL(“B”)、及びBL(“C”)、のそれぞれに繋がるメモリセルトランジスタMTを対象として、プログラム動作が行われる。続いて、“A”レベル、“B”レベル、及び“C”レベルについてベリファイ動作が行われる。6回目のループでは、電圧VPGMがステップアップされて、5回目のループと同様の動作が行われる。
【0133】
7回目のループ以降においても、上記と同様のプログラム動作及びベリファイ動作が繰り返し行われて行く。その結果、選択ワード線WLselには、電圧VPGMの印加と、ベリファイ電圧VfyA等の印加とが交互に繰り返されて行く。
【0134】
図12に示されるように、それぞれのループにおいて、電圧VPGMの印加に続いて行われるベリファイ電圧VfyA等の印加は、1回もしくは複数回繰り返して行われる。それぞれのループ内において繰り返されるベリファイ電圧VfyA等の印加回数は、図12の例では1回から3回までの範囲となっているのであるが、この例とは異なる回数であってもよい。図13のグラフには、選択ワード線WLselに対する電圧VPGMの印加、及びベリファイ電圧VfyA等の印加、が繰り返し行われる様子が模式的に表されている。
【0135】
本実施形態に係る半導体記憶装置2では、一方のプレーン(例えばプレーンPL1)において書き込み動作又は消去動作が行われているときに、当該動作と並行して、他方のプレーン(例えばプレーンPL2)において読み出し動作を行わせることができる。このような動作の例について、図14を参照しながら説明する。
【0136】
図14(A)は、プレーンPL1の動作に関する制御信号がインターフェイス回路20に入力されるタイミング、を表している。図14(B)は、プレーンPL2の動作に関する制御信号がインターフェイス回路20に入力されるタイミング、を表している。
【0137】
図14(C)は、書き込み動作を行うプレーンPL1において、選択ワード線WLselに印加される電圧(電圧VPGMやベリファイ電圧VfyA等)の変化を表している。図14(D)、図14(E)、及び図14(F)のそれぞれは、読み出し動作を行うプレーンPL2において、選択ワード線WLselに印加される電圧(読み出し電圧VrA等)の変化を表している。後に説明するように、実際に選択ワード線WLselに印加される電圧は、図14(D)、図14(E)、及び図14(F)のいずれか1つに示されるように変化する。
【0138】
図14(A)に示されるように、この例では、時刻t0において、プレーンPL1に書き込み動作を行わせるための制御信号PGがインターフェイス回路20に入力される。制御信号PGには、動作対象となるプレーンを特定する信号や、書き込み動作を要求する信号、及び、書き込み動作の対象となるアドレスや書き込みデータを示す信号が含まれる。
【0139】
時刻t0以降は、プレーンPL1において書き込み動作が行われる。つまり、プレーンPL1において、図12等を参照しながら説明したようなプログラム動作及びベリファイ動作が繰り返し実行される。図14(C)に示されるように、時刻t0以降においては、プレーンPL1の選択ワード線WLselに対する電圧VPGMの印加、及び、ベリファイ電圧VfyAの印加が繰り返し行われる。この例においては、プログラム動作における電圧VPGMの印加が計4回行われており、それぞれのプログラム動作の後に、“A”レベルについてのベリファイ動作が1回ずつ行われている。
【0140】
図14(C)の例では、プログラム動作が開始されるタイミング、すなわち電圧VPGMが印加されるタイミングが、時刻t0、t2、t4、t6となっている。また、プログラム動作が終了してベリファイ動作が開始されるタイミング、すなわちベリファイ電圧VfyAが印加されるタイミングが、時刻t1、t3、t5、t7となっている。時刻t8は、最後のベリファイ動作が終了するタイミングである。尚、図14(C)においては、プログラム動作が終了するタイミングと、続くベリファイ動作が開始されるタイミングとが同一であるように描かれているのであるが、それぞれの実際のタイミングは、図12に示される例のように互いに異なっていてもよい。
【0141】
図14(B)に示されるように、この例では、時刻t0よりも後の時刻t10において、プレーンPL2に読み出し動作を行わせるための制御信号RDがインターフェイス回路20に入力される。制御信号RDには、動作対象となるプレーンを特定する信号や、読み出し動作を要求する信号、及び、読み出し動作の対象となるアドレスを示す信号が含まれる。制御信号RDが入力された時刻t10は、この例では、時刻t1よりも後であり且つ時刻t2よりも前のタイミング、すなわち、プレーンPL1において1回目のベリファイ動作が実行されている途中のタイミングとなっている。
【0142】
制御信号RDが入力されても、それに対応するプレーンPL2の読み出し動作は、その時点(時刻t10)では開始されない。プレーンPL2の読み出し動作が開始されるのは、図14(D)、図14(E)、及び図14(F)に示されるように、プレーンPL1において次のベリファイ動作が開始される時刻t3となっている。
【0143】
図9に示されるように、上位ページデータを読み出す場合においては、読み出し電圧VrC及びVrGを用いた読み出しが行われ、それぞれの結果によってデータが確定する。この場合、プレーンPL2の読み出し動作においては、選択ワード線WLselに印加される読み出し電圧は図14(D)のように変化する。この場合、制御信号RDが入力された後、プレーンPL1において次のベリファイ動作が行われる期間、すなわち、時刻t3から時刻t4までの期間において、読み出し電圧VrCを用いた読み出しが行われる。また、プレーンPL1において更に次のベリファイ動作が行われる期間、すなわち、時刻t5から時刻t6までの期間において、読み出し電圧VrGを用いた読み出しが行われる。なお、時刻t4から時刻t5にかけて選択ワード線WLselの電圧を0Vにリセットする必要はない。例えば、選択ワード線WLselの電圧を、時刻t4から時刻t5にかけて、読み出し電圧VrCに維持しておいてもよい。あるいは、選択ワード線WLselの電圧を、時刻4から時刻t5にかけて、読み出し電圧VrCから読み出し電圧VrGへとなだらかに変化させてもよい。本実施形態に係る並行動作の様子を示す他の図についても同様である。
【0144】
図9に示されるように、中位ページデータを読み出す場合においては、読み出し電圧VrB、VrD、及びVrFを用いた読み出しが行われ、それぞれの結果によってデータが確定する。この場合、プレーンPL2の読み出し動作においては、選択ワード線WLselに印加される読み出し電圧は図14(E)のように変化する。この場合、制御信号RDが入力された後、プレーンPL1において次のベリファイ動作が行われる期間、すなわち、時刻t3から時刻t4までの期間において、読み出し電圧VrBを用いた読み出しが行われる。また、プレーンPL1において更に次のベリファイ動作が行われる期間、すなわち、時刻t5から時刻t6までの期間において、読み出し電圧VrDを用いた読み出しが行われる。また、プレーンPL1において更に次のベリファイ動作が行われる期間、すなわち、時刻t7から時刻t8までの期間において、読み出し電圧VrFを用いた読み出しが行われる。
【0145】
図9に示されるように、下位ページデータを読み出す場合においては、読み出し電圧VrA及びVrEを用いた読み出しが行われ、それぞれの結果によってデータが確定する。この場合、プレーンPL2の読み出し動作においては、選択ワード線WLselに印加される読み出し電圧は図14(F)のように変化する。この場合、制御信号RDが入力された後、プレーンPL1において次のベリファイ動作が行われる期間、すなわち、時刻t3から時刻t4までの期間において、読み出し電圧VrAを用いた読み出しが行われる。また、プレーンPL1において更に次のベリファイ動作が行われる期間、すなわち、時刻t5から時刻t6までの期間において、読み出し電圧VrEを用いた読み出しが行われる。
【0146】
このように、選択ワード線WLselに印加される読み出し電圧は、読み出し動作の対象となるページデータの種類(つまり、上位、中位、下位のいずれか)に応じて、図14(D)、図14(E)、及び図14(F)のいずれかに示されるように変化する。いずれの場合であっても、プレーンPL2における読み出し動作は、プレーンPL1におけるベリファイ動作が行われるタイミングに合わせて実行されることとなる。このようなタイミングの調整に必要な処理は、制御回路であるシーケンサ41によって行われる。
【0147】
シーケンサ41は、メモリコントローラ1からの要求に応じて、プレーンPL1、PL2のそれぞれの動作状態を示す状態信号を、インターフェイス回路20(具体的には入出力回路21)を介してメモリコントローラ1へと送信するために必要な処理を行う。具体的には、シーケンサ41は、プレーンPL1の動作状態に基づいて、第1ステータスレジスタ426に格納されている第1ステータス情報を更新する。また、プレーンPL2の動作状態に基づいて、第2ステータスレジスタ427に格納されている第2ステータス情報を更新する。第1ステータス情報及び第2ステータス情報は、メモリコントローラ1からの要求に応じて、状態信号としてインターフェイス回路20から送信される。
【0148】
例えば、図14(D)に示される例の場合、すなわち、TLC方式において上位ページデータを読み出す場合には、プレーンPL2が読み出し動作中である旨を示す第2ステータス情報が、時刻t3から時刻t6までの期間において、シーケンサ41によって第2ステータスレジスタ427へと格納されることとなる。
【0149】
図14(E)に示される例の場合、すなわち、TLC方式において中位ページデータを読み出す場合には、プレーンPL2が読み出し動作中である旨を示す第2ステータス情報が、時刻t3から時刻t8までの期間において、シーケンサ41によって第2ステータスレジスタ427へと格納されることとなる。
【0150】
図14(F)に示される例の場合、すなわち、TLC方式において下位ページデータを読み出す場合には、プレーンPL2が読み出し動作中である旨を示す第2ステータス情報が、時刻t3から時刻t6までの期間において、シーケンサ41によって第2ステータスレジスタ427へと格納されることとなる。
【0151】
メモリセルトランジスタMTへのデータの書き込み方式として、MLC方式やSLC方式等を採用した場合でも、プレーンPL2における読み出し動作は上記と同様に、プレーンPL1におけるベリファイ動作が行われるタイミングで行われることとすればよい。例えばSLC方式を採用した場合には、時刻t3から時刻t4までの期間において、読み出し電圧VrA等を用いたデータの読み出しが1回だけ行われることとなる。
【0152】
ところで、制御信号RDが入力されたタイミングである時刻t10において、プレーンPL2における読み出し動作を直ちに開始することも考えられる。しかしながら、プレーンPL2における読み出し動作を時刻t10において開始した場合には、当該読み出し動作が行われている途中の時刻t2において、プレーンPL1の選択ワード線WLselに電圧VPGMが印加されることとなる。つまり、プレーンPL1における電圧VPGMの印加と、プレーンPL2における読み出し電圧VrA等の印加とが、同時に行われてしまうこととなる。
【0153】
電圧VPGMは、ビット線BLに印加される電圧や読み出し電圧VrA等に比べて、比較的高い電圧である。このため、プレーンPL1における電圧VPGMの印加と、プレーンPL2における読み出し電圧VrA等の印加と、が同時に行われてしまった場合には、プレーンPL2におけるセンスアンプ220等の回路が電圧VPGMの影響を受けること等により、プレーンPL2で誤動作が生じる可能性がある。具体的には、例えば、プレーンPL2におけるビット線BLの電位や、選択ワード線WLselの電位等が、電圧VPGMの影響を受けて変動し、これにより誤動作が生じてしまう可能性がある。
【0154】
そこで、本実施形態に係る半導体記憶装置2では、制御回路であるシーケンサ41が、プレーンPL1においてベリファイ動作が行われる期間に、プレーンPL2に読み出し動作を行わせるように、プレーンPL2の動作タイミングを調整している。具体的には、シーケンサ41は、プレーンPL1においてベリファイ動作が開始されるタイミングで、プレーンPL2において読み出し動作を開始させることとしている。これにより、プレーンPL1における電圧VPGMの印加と、プレーンPL2における読み出し電圧VrA等の印加と、が同時に行われることが確実に防止されるので、上記のような誤動作も防止することができる。また、プレーンPL1において実行されるベリファイ動作と、これと並行してプレーンPL2において実行される読み出し動作とは、いずれも、データを読み出すために行われる同種の動作となっている。このように、同種の動作を同時並行に行うことにより、制御がより行いやすくなるという利点も得られる。
【0155】
プレーンPL1における電圧VPGMの印加と、プレーンPL2における読み出し電圧VrA等の印加と、が同時に行われてしまうことを防止するためには、プレーンPL1における書き込み動作を一時的に中断した状態で、プレーンPL2における読み出し動作を行わせることも考えられる。図15には、半導体記憶装置2がこのように動作する場合の例が、比較例として示されている。
【0156】
図15(A)は、図14(A)と同様に、プレーンPL1の動作に関する制御信号がインターフェイス回路20に入力されるタイミング、を表している。図15(B)は、図14(B)と同様に、プレーンPL2の動作に関する制御信号がインターフェイス回路20に入力されるタイミング、を表している。図15(C)は、図14(C)はと同様に、書き込み動作を行うプレーンPL1において、選択ワード線WLselに印加される電圧(電圧VPGMやベリファイ電圧VfyA等)の変化を表している。図15(D)は、図15(E)と同様に、読み出し動作を行うプレーンPL2において、選択ワード線WLselに印加される電圧(読み出し電圧VrB等)の変化を表している。
【0157】
この比較例においても、時刻t0において、プレーンPL1に書き込み動作を行わせるための制御信号PGがインターフェイス回路20に入力される。また、その後の時刻t1において、プレーンPL2に読み出し動作を行わせるための制御信号RDがインターフェイス回路20に入力される。
【0158】
図15の例では、シーケンサ41は、時刻t1においてプレーンPL1における書き込み動作を一時的に中断させる。このとき、プレーンPL1では、電圧PGRMの印加によるプログラム動作が完了している。しかしながら、この時点では、プログラム動作に続くベリファイ動作は開始されない。
【0159】
プレーンPL1における書き込み動作を上記のように中断させるには、メモリコントローラ1が、制御信号RDの送信に先立ち、プレーンPL1の動作を一時的に中断させるコマンドを送信することとすればよい。
【0160】
時刻t1以降は、プレーンPL2における読み出し動作が行われる。例えば中位ページデータが読み出される場合には、プレーンPL2の選択ワード線WLselに印加される読み出し電圧は図15(D)のように変化する。具体的には、時刻t1から時刻t2までの期間において、読み出し電圧VrBを用いた読み出しが行われる。また、時刻t2から時刻t3までの期間において、読み出し電圧VrDを用いた読み出しが行われる。更に、時刻t3から時刻t4までの期間において、読み出し電圧VrFを用いた読み出しが行われる。
【0161】
時刻t4において、プレーンPL2における読み出し動作が終了する。メモリコントローラ1は、半導体記憶装置2から送信される状態信号に基づいて、プレーンPL2における読み出し動作が終了したことを把握する。
【0162】
このタイミングにおいて、メモリコントローラ1は、プレーンPL1における書き込み動作を再開させる。具体的には、メモリコントローラ1は、プレーンPL1に書き込み動作再開させるための制御信号RMを、時刻t4においてインターフェイス回路20に入力する。
【0163】
制御信号RMに基づいて、シーケンサ41はプレーンPL1における書き込み動作を再開させる。図15(C)に示されるように、時刻t4から、プレーンPL1において1回目のベリファイ動作が行われる。以降は、プレーンPL1におけるプログラム動作とベリファイ動作が繰り返されて行く。図15(C)の例では、再開後にプログラム動作が開始されるタイミング、すなわち電圧VPGMが印加されるタイミングが、時刻t5、t7となっている。また、再開後のプログラム動作が終了してベリファイ動作が開始されるタイミング、すなわちベリファイ電圧VfyAが印加されるタイミングが、時刻t6、t8となっている。時刻t9は、最後のベリファイ動作が終了するタイミングである。
【0164】
以上のような比較例の動作を行うことによっても、プレーンPL1における電圧VPGMの印加と、プレーンPL2における読み出し電圧VrA等の印加と、が同時に行われてしまうことは確実に防止される。しかしながら、この場合には、プレーンPL2で読み込み動作が行われる期間、すなわち、時刻t1から時刻t4までの期間において、プレーンPL1の書き込み動作は中断されてしまう。その結果、当該書き込み動作に要する時間が長くなってしまう。また、書き込み動作が中断されている期間において、プレーンPL1におけるデータリテンション(閾値電圧の変化)が生じてしまう可能性もある。
【0165】
これに対し、本実施形態に係る半導体記憶装置2では、図14を参照しながら説明したように、プレーンPL1における書き込み動作を中断させることなく、プレーンPL2における読み込み動作が実行される。このため、上記のような問題が生じることは無く、従来に比べて半導体記憶装置2の動作を高速化することができる。
【0166】
以上のような処理は、プレーンPL1において消去動作が行われているときに、プレーンPL1において読み込み動作を実行する際においても、同様に行われる。一般的な半導体記憶装置と同様に、本実施形態に係る半導体記憶装置2でも、消去動作では、選択ワード線WLselに対し高電圧を印加することによるデータの消去と、ベリファイ動作と、が繰り返し実行される。このため、プレーンPL2における読み込み動作が開始されるタイミングは、プレーンPL1において、消去動作の一環としてベリファイ動作が開始されるタイミングに一致させればよい。
【0167】
以上のような処理は、プレーンPL2において書き込み動作又は消去動作が行われているときに、プレーンPL1において読み込み動作を実行する際においても、同様に行われる。すなわち、プレーンPL2においてベリファイ動作が開始されるタイミングで、プレーンPL1における読み込み動作が開始される。この場合の具体的な処理の態様は、以上の説明において、プレーンPL1の動作とプレーンPL2の動作とを入れ替えたものと同じである。
【0168】
以上のような処理は、半導体記憶装置2に、3つ以上のプレーンが設けられている場合においても同様に行われる。いずれの場合でも、半導体記憶装置2に設けられた複数のプレーンのうち、メモリセルアレイに対するデータの書き込み動作又は消去動作を行っているものを「第1プレーン」と定義し、メモリセルアレイに対するデータの書き込み動作及び消去動作のいずれをも行っていないものの一つを「第2プレーン」と定義する。このように定義した場合、第1プレーンがデータの書き込み動作又は消去動作を行っている途中において、第2プレーンに対するデータの読み出し動作を指示する制御信号が、インターフェイス回路20に入力された場合には、本実施形態の制御回路であるシーケンサ41は、第1プレーンにおいてベリファイ動作が行われる期間に、第2プレーンに読み出し動作を行わせることとなる。具体的には、シーケンサ41は、第1プレーンにおいてベリファイ動作が開始されるタイミングで、第2プレーンに読み出し動作を開始させる。
【0169】
第2実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
【0170】
図16には、本実施形態に係る半導体記憶装置2の動作が、図14と同様の方法で示されている。図16(A)~(F)のそれぞれに示される項目は、図14(A)~(F)のそれぞれに示される項目と同じである。
【0171】
図16(A)及び図16(B)に示されるように、本実施形態においても、時刻t0において、プレーンPL1に書き込み動作を行わせるための制御信号PGがインターフェイス回路20に入力される。また、その後の時刻t10において、プレーンPL2に読み出し動作を行わせるための制御信号RDがインターフェイス回路20に入力される。
【0172】
図16(C)に示されるように、時刻t10においては、プレーンPL1では書き込み動作の一環としてベリファイ動作が行われている途中となっている。当該ベリファイ動作は時刻t11まで行われ、時刻t11から時刻t12までの期間においては、次のプログラム動作が行われている。
【0173】
図16(C)に示されるように、本実施形態では、プログラム動作に続くベリファイ動作において、3つのレベルを対象としたベリファイ動作が順に行われている。例えば、時刻t11から時刻t12までの期間においてプログラム動作が行われた後、時刻t12から時刻t13までの期間においては“A”レベルを対象としたベリファイ動作が行われ、時刻t13から時刻t14までの期間においては“B”レベルを対象としたベリファイ動作が行われ、時刻t14から時刻t15までの期間においては“C”レベルを対象としたベリファイ動作が行われている。同様に、時刻t15から時刻t16までの期間においてプログラム動作が行われた後、時刻t16から時刻t17までの期間においては“A”レベルを対象としたベリファイ動作が行われ、時刻t17から時刻t18までの期間においては“B”レベルを対象としたベリファイ動作が行われ、時刻t18から時刻t19までの期間においては“C”レベルを対象としたベリファイ動作が行われている。
【0174】
時刻t10において制御信号RDが入力されても、それに対応するプレーンPL2の読み出し動作が開始されるのは、図14(D)、図14(E)、及び図14(F)に示されるように、プレーンPL1において次のベリファイ動作が開始される時刻t12となっている。
【0175】
上位ページデータを読み出す場合においては、プレーンPL2において選択ワード線WLselに印加される読み出し電圧は図16(D)のように変化する。この場合、時刻t12から時刻t13までの期間において、読み出し電圧VrCを用いた読み出しが行われる。続いて、時刻t13から時刻t14までの期間において、読み出し電圧VrGを用いた読み出しが行われる。
【0176】
中位ページデータを読み出す場合においては、プレーンPL2において選択ワード線WLselに印加される読み出し電圧は図16(E)のように変化する。この場合、時刻t12から時刻t13までの期間において、読み出し電圧VrBを用いた読み出しが行われる。また、時刻t13から時刻t14までの期間において、読み出し電圧VrDを用いた読み出しが行われる。時刻t14から時刻t15までの期間において、読み出し電圧VrFを用いた読み出しが行われる。
【0177】
下位ページデータを読み出す場合においては、プレーンPL2において選択ワード線WLselに印加される読み出し電圧は図16(F)のように変化する。この場合、時刻t12から時刻t13までの期間において、読み出し電圧VrAを用いた読み出しが行われる。また、時刻t13から時刻t14までの期間において、読み出し電圧VrEを用いた読み出しが行われる。
【0178】
このように、選択ワード線WLselに印加される読み出し電圧は、読み出し動作の対象となるページデータの種類(つまり、上位、中位、下位のいずれか)に応じて、図16(D)、図16(E)、及び図16(F)のいずれかに示されるように変化する。いずれの場合であっても、プレーンPL2における読み出し動作は、プレーンPL1におけるベリファイ動作が行われるタイミングに合わせて実行されることとなる。更に本実施形態では、プレーンPL2における読み出し動作が行われる期間は、上記いずれの場合であっても、制御信号RDが入力されてから、プレーンPL1において次のベリファイ動作が行われている期間(例えば、時刻t12から時刻t15までの期間)の中に含まれている。
【0179】
本実施形態では、プレーンPL1において3つのレベルを対象としたベリファイ動作が順に行われる。このため、当該ベリファイ動作が行われる期間は、第1実施形態の場合に比べると長くなっている。そこで、本実施形態では、プレーンPL1においてベリファイ動作が行われている上記の期間内に、プレーンPL2において複数のレベルの読み出し動作を連続して行うこととしている。
【0180】
尚、読み込み動作としては、読み出し電圧を変化させながら複数回の読み出しを行う、所謂「リトライ系」と称される読み込み動作が行われてもよい。リトライ系の読み込み動作としては、例えば「DLAリード」等が挙げられる。
【0181】
リトライ系の読み込み動作の実行に要する期間は、プレーンPL1においてベリファイ動作が行われている期間(例えば、時刻t12から時刻t15までの期間)の中に納まらない場合も生じ得る。この場合には、図16(D)に示されるように、プレーンPL2の読み込み動作の一部を、プレーンPL1において次のベリファイ動作が行われている期間(例えば、時刻t16から時刻t19までの期間)に実行することとしてもよい。図16(D)の例では、時刻t16から時刻t17までの期間において、読み出し電圧VrC’を用いた読み出しが行われ、時刻t17から時刻t18までの期間において、読み出し電圧VrD’を用いた読み出しが行われる。読み出し電圧VrC’、VrD’は、読み出し電圧VrC、VrDのそれぞれを僅かに変化させた電圧である。
【0182】
このように、プレーンPL2における読み出し動作に要する期間が、プレーンPL1における1回のベリファイ動作の期間内に収まらない場合には、プレーンPL2の読み出し動作を複数に分割した上で、分割されたそれぞれの読み出し動作を、プレーンPL1でベリファイ動作が行われる各期間で実行することとすればよい。プレーンPL2における読み出し動作に要する期間は、予めシーケンサ41で把握することができるので、状況に応じて上記のように分割して行うなど、フレキシブルに対応することができる。いずれの場合であっても、シーケンサ41は、プレーンPL1でベリファイ動作が行われる期間内に、プレーンPL2に読み出し動作を行わせることとなる。このような態様でも、第1実施形態で説明したものと同様の効果を奏する。
【0183】
第3実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
【0184】
図17には、本実施形態に係る半導体記憶装置2の動作が、図14と同様の方法で示されている。図17(A)~(C)のそれぞれに示される項目は、図14(A)~(C)のそれぞれに示される項目と同じである。また、図17(D)には、図14(E)と同様に、プレーンPL2から中位ページデータを読み出す場合において、プレーンPL2の選択ワード線WLselに印加される電圧の変化の例が示されている。
【0185】
図17(A)及び図17(B)に示されるように、本実施形態においても、時刻t0において、プレーンPL1に書き込み動作を行わせるための制御信号PGがインターフェイス回路20に入力される。また、その後の時刻t10において、プレーンPL2に読み出し動作を行わせるための制御信号RDがインターフェイス回路20に入力される。
【0186】
図17(C)に示されるように、制御信号RDが入力された時刻t10は、本実施形態でも、プレーンPL1で書き込み動作が行われている途中のタイミングとなっている。ただし、図17の例において制御信号RDが入力された時刻t10は、プレーンPL1の書き込み動作が完了する直前のタイミングとなっている。
【0187】
具体的には、時刻t10においてプレーンPL1で実行されていたベリファイ動作が行われた後、時刻t11から時刻t12までの期間において、プレーンPL1では最後のプログラム動作が行われている。続いて、時刻t12から時刻t13までの期間において、プレーンPL1では最後のベリファイ動作が行われ、時刻t13においてプレーンPL1の書き込み動作が完了している。
【0188】
本実施形態でも、プレーンPL2の読み出し動作が開始されるのは、プレーンPL1において次のベリファイ動作が開始される時刻t12となっている。プレーンPL2の読み出し動作において中位ページデータを読み出すためには、読み出し電圧VrB、VrD、VrFをそれぞれ用いた3レベルの読み出しが必要となる。このため、図17(D)に示されるように、時刻t12から時刻t13までの期間において、読み出し電圧VrBを用いた読み出しが行われる。また、時刻t13から時刻t14までの期間において、読み出し電圧VrDを用いた読み出しが行われる。時刻t14から時刻t15までの期間において、読み出し電圧VrFを用いた読み出しが行われる。
【0189】
この例のように、プレーンPL1の書き込み動作が完了する直前のタイミングで制御信号RDが入力され、プレーンPL2の読み込み動作が開始された場合には、プレーンPL2の読み込み動作が完了する時刻t15よりも前の時刻t13において、プレーンPL1の書き込み動作が完了してしまう。
【0190】
時刻t13以降においては、メモリコントローラ1から、プレーンPL1の次の書き込み動作等が指示される可能性がある。例えば、時刻t13から時刻t15までの期間のいずれかにおいて、プレーンPL1の次の書き込み動作が開始された場合には、プレーンPL1における電圧VPGMの印加と、プレーンPL2における読み出し電圧VrD等の印加が、同時に行われてしまうこととなる。
【0191】
そこで、本実施形態ではこのような状態となることを防止するために、シーケンサ41が、時刻t13から時刻t15までの期間TM1において、プレーンPL1に疑似的なベリファイ動作を行わせることとしている。「疑似的なベリファイ動作」とは、例えばメモリコントローラ1に対し、プレーンPL1においてベリファイ動作が行われていると見せかけるための疑似的な動作である。疑似的なベリファイ動作においては、プレーンPL1の選択ワード線に対しするベリファイ電圧の印加は行われない。
【0192】
例えば、疑似的なベリファイ動作が行われている期間TM1においては、プレーンPL1においてベリファイ動作が完了していないことを示す第1ステータス情報が、第1ステータスレジスタ426に格納される。当該期間TM1において、メモリコントローラ1からの要求があった場合には、上記の第1ステータス情報が、状態信号として入出力回路21からメモリコントローラ1へと出力される。疑似的なベリファイ動作は、実際のベリファイ動作が行われる場合と同じ期間だけ、継続して行われる。
【0193】
このような処理が行われることにより、時刻t13から時刻t15までの期間、すなわち、プレーンPL2で読み出し動作が行われている期間TM1の途中において、プレーンPL1で次の書き込み動作が開始されてしまうことは確実に防止される。
【0194】
以上のように、本実施形態においては、プレーンPL2(第2プレーン)の読み出し動作が完了するよりも前に、プレーンPL1(第1プレーン)の書き込み動作が完了した場合には、制御回路であるシーケンサ41は、プレーンPL2(第2プレーン)の読み出し動作が完了するまで、プレーンPL1(第1プレーン)に疑似的なベリファイ動作を行わせる。プレーンPL2(第2プレーン)の読み出し動作が完了するよりも前に、プレーンPL1(第1プレーン)の消去動作が完了した場合においても、上記と同様の処理が行われる。
【0195】
尚、時刻t13から時刻t15までの期間TM1において行われる処理は、上記のような「疑似的なベリファイ動作」とは異なる処理であってもよい。例えば、期間TM1においては、シーケンサ41が、プレーンPL1が動作中である旨を示す状態信号をインターフェイス回路20から出力するために必要な処理、のみを行うこととしてもよい。具体的には、期間TM1において、シーケンサ41が、プレーンPL1が動作中である旨を示す第2ステータス情報を、第2ステータスレジスタ427へと格納することとしてもよい。このような方法によっても、プレーンPL2で読み出し動作が行われている期間TM1の途中において、プレーンPL1で次の書き込み動作が開始されてしまうことは確実に防止される。
【0196】
上記の例のように、プレーンPL2(第2プレーン)の読み出し動作が完了するよりも前に、プレーンPL1(第1プレーン)の書き込み動作が完了した場合には、制御回路であるシーケンサ41は、プレーンPL2(第2プレーン)の読み出し動作が完了するまで、プレーンPL1(第1プレーン)が動作中であることを示す状態信号をインターフェイス回路20から出力するために必要な処理を行うこととしてもよい。プレーンPL2(第2プレーン)の読み出し動作が完了するよりも前に、プレーンPL1(第1プレーン)の消去動作が完了した場合においても、上記と同様の処理が行われる。
【0197】
第4実施形態について説明する。以下では、上記の第3実施形態と異なる点について主に説明し、第3実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
【0198】
図18には、本実施形態に係る半導体記憶装置2の動作が、図17と同様の方法で示されている。図18(A)~(D)のそれぞれに示される項目は、図17(A)~(D)のそれぞれに示される項目と同じである。
【0199】
図18(A)及び図18(B)に示されるように、本実施形態においても、時刻t0において、プレーンPL1に書き込み動作を行わせるための制御信号PGがインターフェイス回路20に入力される。また、その後の時刻t10において、プレーンPL2に読み出し動作を行わせるための制御信号RDがインターフェイス回路20に入力される。
【0200】
図18(C)に示されるように、制御信号RDが入力された時刻t10は、本実施形態でも、プレーンPL1の書き込み動作が完了する直前のタイミングとなっている。具体的には、時刻t10においてプレーンPL1で実行されていたベリファイ動作が行われた後、時刻t11から時刻t12までの期間において、プレーンPL1では最後のプログラム動作が行われている。続いて、時刻t12から時刻t13までの期間において、プレーンPL1では最後のベリファイ動作が行われ、時刻t13においてプレーンPL1の書き込み動作が完了している。
【0201】
本実施形態でも、プレーンPL2の読み出し動作が開始されるのは、プレーンPL1において次のベリファイ動作が開始される時刻t12となっている。プレーンPL2の読み出し動作において中位ページデータを読み出すためには、読み出し電圧VrB、VrD、VrFをそれぞれ用いた3レベルの読み出しが必要となる。このため、プレーンPL2の読み出し動作が、図17(D)の第3実施形態と同様に行われた場合には、当該読み出し動作が完了するのは、プレーンPL1の書き込み動作が完了する時刻t13よりも後の時刻t15となってしまう。
【0202】
そこで、本実施形態では、プレーンPL1の書き込み動作が完了する時刻t13において、プレーンPL2の読み出し動作を中断することとしている。図18(D)に示される例では、時刻t13において、プレーンPL2では、読み出し電圧VrBを用いた読み出しまでが完了しており、読み出し電圧VrDを用いた読み出し、及び、読み出し電圧VrFを用いた読み出しについては完了していない。
【0203】
時刻t13において、シーケンサ41は、プレーンPL2の読み出し動作が完了しなかったことを示す第2ステータス情報を、第2ステータスレジスタ427へと格納する。第2ステータス情報は、メモリコントローラ1からの要求に応じて、状態信号として入出力回路21からメモリコントローラ1へと出力される。
【0204】
その後、メモリコントローラ1から、プレーンPL2の読み出し動作を行う旨の制御信号が再度送信された場合には、読み出し電圧VrB、VrD、VrFをそれぞれ用いた3レベルの読み出しが再度実行される。この場合、前回中断した時点から処理が再開されることとしてもよい。
【0205】
以上のように、本実施形態では、プレーンPL2(第2プレーン)の読み出し動作が完了するよりも前に、プレーンPL1(第1プレーン)の書き込み動作が完了した場合には、制御回路であるシーケンサ41は、プレーンPL2(第2プレーン)の読み出し動作が完了しなかったことを示す状態信号をインターフェイス回路20から出力するために必要な処理を行う。このような態様であっても、プレーンPL1における電圧VPGMの印加と、プレーンPL2における読み出し電圧VrA等の印加と、が同時に行われてしまうことを防止することができる。プレーンPL2(第2プレーン)の読み出し動作が完了するよりも前に、プレーンPL1(第1プレーン)の消去動作が完了した場合においても、上記と同様の処理が行われる。
【0206】
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素及びその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0207】
2:半導体記憶装置、PL1,PL2:プレーン、110,210:メモリセルアレイ、20:インターフェイス回路、41:シーケンサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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