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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128870
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】化粧料塗布体
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20220829BHJP
   A46B 3/18 20060101ALI20220829BHJP
   B05C 17/00 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
A45D34/04 515A
A46B3/18
B05C17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021027318
(22)【出願日】2021-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000223986
【氏名又は名称】フィグラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141210
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100100767
【弁理士】
【氏名又は名称】湯浅 正彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 布美子
(72)【発明者】
【氏名】新島 かほり
【テーマコード(参考)】
3B202
4F042
【Fターム(参考)】
3B202AA14
3B202AB13
3B202DB04
3B202EB19
3B202EG05
4F042AB00
4F042FA23
4F042FA24
4F042FA30
4F042FA43
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の塗布部によって、多様である液状化粧料を塗布する場所や塗布する方法に応じて、簡易且つ正確に液状化粧料を塗布し、しかも使用中の分解、破損を防止する化粧料塗布体を提供する。
【解決手段】コーム12aとともに成型される保持部13内に挟持部13a及び保持孔13bを形成し、該保持部13後方近傍に薄肉部14を形成してなる軸部10aと、該保持部13内に保持される別体のブラシ体15aとから構成するので、軸部10aを折曲して保持部13にブラシ体15aを保持することで容易に製造されるものであって、液状化粧料を塗布する場所や方法に応じて、コーム12aとブラシ体15aとを使い分けて簡易且つ正確に液状化粧料を塗布することができるとともに、軸部10aの構成部品には機械的な結合箇所がなくなって、組立時の不備による使用中の分解や破損を防止できるものである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】

樹脂により成型される軸部と、別体の第1塗布部とから構成され、

該軸部は、後端に係止径大部を、前端に第2塗布部及び第1塗布部を保持する保持部とを一体に成型し、

該第1塗布部は、前記軸部の保持部に分解不能に取り付けられものであって、

該軸部の保持部後方近傍に屈撓可能となる薄肉部を形成する

ことを特徴とする化粧料塗布体。
【請求項2】

上記軸部において、該軸部先端側を軸部後端側に対し、上方(すなわち、「第2塗布部方向」をいう。以下同じ。)に向け角度を持って一体成型する

ことを特徴とする請求項1記載の化粧料塗布体。
【請求項3】

上記軸部を略直線状に一体成型する

ことを特徴とする請求項1記載の化粧料塗布体。
【請求項4】

上記軸部に成型される保持部において、前端に挟持部を、後端に保持孔を一体に形成する

ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1つに記載の化粧料塗布体。
【請求項5】

上記第1塗布部を、先端に上記保持部の保持部に形成される挟持部に挟持、固定される先軸部を、後端に上記保持部の保持部に形成される保持孔に挿嵌、固定される後軸部を形成してなるブラシ体とし、

上記第2塗布部を、櫛歯を並設してなるコームとする

ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1つに記載の化粧料塗布体。
【請求項6】

上記第1塗布部を、金属芯線に対して繊維を静電植毛するフロッキーブラシとしてなる

ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のうち、いずれか1つに記載の化粧料塗布体。
【請求項7】

上記第1塗布部を、多孔質塗布体としてなる

ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のうち、いずれか1つに記載の化粧料塗布体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本願発明は、化粧料容器本体とともに化粧料容器を構成する蓋体に固持され、該化粧料容器本体内に収容されるマスカラや部分白髪染め等の液状化粧料を塗布するのに使用される化粧料塗布体に関する。
【背景技術】
【0002】

従来、上記マスカラや部分白髪染め等の液状化粧料(以下、「液状化粧料」という。)の塗布に使用される化粧料塗布体の塗布部は、例えば、二つ折りにした金属芯線に繊維を挟持しつつ該金属芯線を巻回して形成するスクリューブラシ又は樹脂製コームを各々単体で設けるものが一般的である。
【0003】

ところが、上記化粧料塗布体のように、例えば、二つ折りにした金属芯線に繊維を挟持しつつ該金属芯線を巻回して形成するスクリューブラシ又は樹脂製コームを各々単体で設けるものであると、液状化粧料を塗布する場所や塗布する方法が限定されてしまうので、多様である液状化粧料を塗布する場所や塗布する方法に応じて、簡易且つ正確に液状化粧料を塗布することができないものであった。
【0004】

そのため、上記化粧料塗布体において、多様である液状化粧料を塗布する場所や塗布する方法に応じて、簡易且つ正確に液状化粧料を塗布できるように、該化粧料塗布体の塗布部を複数にすることが提案されている。
【0005】

すなわち、蓋体に固持される化粧料塗布体の塗布部を、ロッドの外周面に塗布部が形成された塗布用ブラシと、塗布用ブラシと結合する固定棒の外周面に櫛の歯状に形成された整え用ブラシとからなるもの(特許文献1参照)、又はブラシ台の周面一側に設けられるコームと、該ブラシ台に装着される螺旋状のブラシとからなるもの(特許文献2参照)である。
【0006】

従って、上記蓋体に固持される化粧料塗布体の塗布部を、ロッドの外周面に塗布部が形成された塗布用ブラシと、塗布用ブラシと結合する固定棒の外周面に櫛の歯状に形成された整え用ブラシとするものであって、塗布用ブラシの一部を長軸方向に切断することによって切断部を形成し、該切断部において固定棒を配置させるものでは、塗布用ブラシと整え用ブラシとが存在するとともに、それらが互いに干渉してしまうことがないので、多様である液状化粧料を塗布する場所又は塗布する方法に応じて両者を使い分けることによって、簡易且つ正確に液状化粧料を塗布できるものである。

しかしながら、前記塗布用ブラシでは切断部を形成する必要があるとともに、該切断部に固定棒を配置させなければならないので、製造作業の作業性は低下してしまうものである。
【0007】

また、ブラシ台の周面一側に設けられるコームと、該ブラシ台に装着される螺旋状のブラシとするものでは、ブラシをなすブリッスルがコーム枠と補強枠とで形成されるブリッスル窓から突出するので、コーム枠のコームと合わせて、多様な液状化粧料を塗布する場所又は塗布する方法に応じて両者を使い分けることによって、簡易且つ正確に液状化粧料を塗布できるものである。

しかしながら、塗布部はコーム枠と補強枠とを結合させて形成するので、該構成部品の組み立て作業は複雑化し、製造作業の作業性が低下してしまうものである。

その上、塗布部はコーム枠と補強枠とを機械的な結合によって構成するものであるので、化粧料塗布体の組み立て作業時の不備によっては、使用中に分解や破損を生じる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】

【特許文献1】特開2004-329946号公報
【特許文献2】特開2007-50183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】

そこで、化粧料塗布体の複数の塗布部における構造を簡略化することで、製造作業での作業性を向上させるとともに、組立時の不備によって使用中の分解や破損を防止できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0010】

第1の特徴として、

樹脂により成型される軸部と、別体の第1塗布部とから構成され、

該軸部は、後端に係止径大部を、先端に第2塗布部及び第1塗布部を保持する保持部とを一体に成型し、

該第1塗布部は、前記軸部の保持部に分解不能に保持されるものであって、

該軸部の保持部後方近傍に屈撓可能となる薄肉部を形成するものである。
【0011】

そして、第1の特徴を踏まえて、第2の特徴として、

上記軸部において、該軸部先端側を軸部後端側に対し、上方(すなわち、「第2塗布部方向」をいう。以下同じ。)に向け角度を持って一体成型するものであり、

また、第1の特徴を踏まえて、第3の特徴として、

上記軸部を略直線状に一体成型するものである。
【0012】

さらに、第1の特徴乃至第3の特徴のうち、いずれか1つを踏まえて、第4の特徴として、

上記軸部に成型される保持部において、前端に挟持部を、後端に保持孔を一体に形成するものである。
【0013】

そのため、化粧料塗布体は、軸部の保持部に保持される別体の第1塗布部と、該軸部において一体に成型される第2塗布部とを有するものである。

その結果、多様である液状化粧料の塗布する場所や塗布する方法に応じて、第1塗布部と第2塗布部とを使い分けることによって、使用者の意図に合わせて簡易且つ正確に液状化粧料を塗布できるものである。
【0014】

このとき、第1塗布部と第2塗布部との組み合わせは、その全体形状や種類が様々に組み合わせられるものである。

その結果、多様である液状化粧料の塗布する場所や塗布する方法の他、塗布する液状化粧料の種類に応じても、より簡易且つ正確に液状化粧料を塗布できるものである。
【0015】

ここで、上記軸部は樹脂により一体成型するものであるが、該軸部先端側を軸部後端側に対し、上方に向け角度を持つように成型することで、当初より軸部先端側は軸部後端側に対して、薄肉部を中心に折曲状態となり、軸部の保持部後端に形成される保持孔は軸部先端方向から見て露出している。

その結果、保持部内に第1塗布部を保持させるに当たって、第1塗布部の後端を直接保持孔へ挿嵌、固定した上で、軸部後端側に対して折曲している軸部先端側を、屈撓している薄肉部を伸張させるように第1塗布部の先端を挟持、固定することによって、軸部の保持部内に第1塗布部を、前記軸部先端側を伸張させるという一度の動作で容易に保持させることができるものである。
【0016】

また、上記軸部を略直線状に一体成型することで、軸部は、薄肉部も含めて先方から後方に向けて直線状態となり、軸部の保持部後端に形成される保持孔は軸部先端方向から見て露出してはいない。

そこで、まず軸部先端側を持ち上げることで、保持部後方近傍に形成される薄肉部が屈撓するので、該軸部は、薄肉部を中心として軸部先端側が折曲し、軸部の保持部後端に形成される保持孔は軸部先端方向から見て露出するものとなる。

その結果、第1塗布部の後端を該保持孔へ挿嵌、固定した上で、折曲している軸部先端側を元のように伸張させるように第1塗布部の先端を挟持、固定することによって、軸部の保持部内に第1塗布部を、保持させることができるものである。

なお、軸部の保持部内に第1塗布部を保持するに当たっては、前記軸部先端側の持ち上げによる軸部の折曲、及び軸部先端側の伸張という二度の動作が必要となるが、成型品である軸部が直線状であるので、金型から成型した軸部を簡易且つ安全に取り出すことができ、迅速に製造作業を進めることができるものである。
【0017】

その上、別体である第1塗布部を軸部の保持部に保持する場合には、軸部に一体に成型される保持部前端の挟持部への第1塗布部先端を挟持、固定させ、及び保持孔への第1塗布部後端を挿嵌、固定させるものであるので、第1塗布部を保持するのに必要となる構成部品は削減されるものとなる。

その結果、構成部品同士の機械的な結合箇所はなくなり、組立時の不備による使用中の分解や破損を防止できるものである。
【0018】

第1の特徴乃至第4の特徴のうち、いずれか1つの特徴を踏まえて、第5の特徴として、

上記第1塗布部を、先方に上記保持部の保持部に配設される挟持部に挟持、固定される先軸部、後方に上記保持部の保持部に配設される保持孔に挿嵌、固定される後軸部を形成するブラシ体とし、

上記第2塗布部を、コームとするものである。
【0019】

そのため、軸部の保持部に保持されるブラシ体は、被塗布部内の細部にまで分け入るとともに、満遍なく密着し、また軸部に一体に成型されるコームは、その櫛歯が被塗布部内に分け入るとともに満遍なく密着し、しかも被塗布部を整えるものとなる。

その結果、多様である液状化粧料の塗布する場所や塗布する方法に応じて、ブラシ体とコームを使い分けることによって、使用者の意図に合わせて簡易且つ正確に液状化粧料を塗布できるものである。
【0020】

そして、保持部内に保持される第1塗布部のブラシ体では、コームを一体に成型する軸部によってその一部が潰れるとともに、その間に挟み込まれるものである。

その結果、コームとブラシ体とは混じり合うことがなく、ブラシ体又はコームは、各々簡易且つ正確に液状化粧料を塗布できるものとなる。
【0021】

第1の特徴乃至第5の特徴のうち、いずれか1つの特徴を踏まえて、第6の特徴として、

上記第1塗布部を、金属芯線に対して繊維を静電植毛するフロッキーブラシとしてなるものであり、

また、第1の特徴乃至第5の特徴のうち、いずれか1つの特徴を踏まえて、第7の特徴として、

上記別体の第1塗布部を、多孔質塗布体とするものである。
【0022】

そのため、第1塗布部をフロッキーブラシ又は多孔質塗布体とすることにより、第1塗布部をブラシ体とする場合とは異なり、例えば第1塗布部がフロッキーブラシであると、金属芯線に静電植毛された繊維があらゆる方向に、しかも細部にまで入り込むので、満遍なく液状化粧料を塗布できるものである。

また、第1塗布部が多孔質塗布体であると、多量の空間内に液状化粧料を含みつつ、しかもその表面は液状化粧料を塗布する場所に確実に密着するので、広範囲にわたって均一に、液状化粧料を塗布できるものである。
【発明の効果】
【0023】

本願発明は、化粧料塗布体の塗布部を、別体の第1塗布部と軸部と一体に成型される第2塗布部とするので、多様である液状化粧料の塗布する場所や塗布する方法に応じて、前記第1塗布部と第2塗布部とを使い分けることによって、使用者の意図に合わせて簡易且つ正確に液状化粧料を塗布することができるとともに、保持部内において保持する第1塗布部は、軸部先端側を薄肉部の屈撓、及び保持部内に形成される挟持部と保持孔を利用して保持するので、化粧料塗布体先端の塗布部の構造は簡略化されて製造作業の作業性は向上するとともに、しかも第1塗布部を保持するのに必要な構造では機械的な結合箇所がなくなり、組立時の不良による使用中の分解や破損をも防止できるという優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】

図1図1は、本願発明の第1実施例である化粧料容器の全体縦断面図である。
図2図2は、本願発明の第1実施例である化粧料容器を構成する蓋体と容器本体の縦断面図である。
図3図3(イ)~(ハ)は、本願発明の第1実施例である化粧料容器を構成する蓋体に固持される化粧料塗布体の組み立て工程を示す模式図である。
図4図4(イ)~(ハ)は、本願発明の第2実施例である化粧料容器を構成する蓋体に固持される化粧料塗布体の組み立て工程を示す模式図である。
図5図5(イ)及び(ロ)は、本願発明の第3実施例である化粧料容器を構成する蓋体に固持される化粧料塗布体の組み立て工程を示す模式図である。
図6図6(イ)及び(ロ)は、本願発明の第4実施例である化粧料容器を構成する蓋体に固持される化粧料塗布体の組み立て工程を示す模式図である。
図7図7(イ)及び(ロ)は、本願発明の第5実施例である化粧料容器を構成する蓋体に固持される化粧料塗布体の組み立て工程を示す模式図である。
図8図8(イ)及び(ロ)は、本願発明の第6実施例である化粧料容器を構成する蓋体に固持される化粧料塗布体の組み立て工程を示す模式図である。
図9図9(イ)及び(ロ)は、本願発明の第7実施例である化粧料容器を構成する蓋体に固持される化粧料塗布体の組み立て工程を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】

化粧料塗布体を構成する軸部先端において、該軸部に第2塗布部とともに一体に成型される保持部内において別体の第1塗布部を保持し、しかも該第1塗布部は、保持部後方近傍に成型される薄肉部の屈撓、及び保持部内の挟持部及び保持孔を利用して保持するものである。
【第1実施例】
【0026】

図1乃至図3において示すのは、第1実施例である化粧料塗布体9aを具える化粧料容器1であり、該化粧料容器1は、外周面に雄ネジ部5を螺設する開口部4内にシゴキ6を装着するとともに、その内部に液状化粧料3を収容する化粧料容器本体2と、該化粧料容器本体2の開口部4の雄ネジ部5に対して螺合により着脱自在となるようにその内周面に雌ネジ部8を螺設する蓋体7とから構成されるものであって、該蓋体7は、その内部に第1実施例である化粧料塗布体9aを一体に固持するものである。
【0027】

ここで、上記第1実施例である化粧料塗布体9aは、樹脂により、先端側を後端側に対し、上方に向け角度を持って一体成型される軸部10aと、別体の第1塗布部であるブラシ体15aとから構成されるものである。
【0028】

そして、上記軸部10aは、後端に蓋体7内部に係止される係止径大部11を、先端に軸部10aの成型とともに一体に成型される第2塗布部となる櫛歯12a’を複数並設するコーム12a、及び第1塗布部であるブラシ体15aを分解不能に保持する保持部13からなるものである。

さらに、軸部10aに一体に成型される保持部13では、先端側に挟持部13aを、後端側に保持孔13bを形成するものである。

その上、該軸部10aの保持部13後方近傍には、軸部10a先端が屈撓可能となるように薄肉部14を形成してなるものである。
【0029】

なお、上記軸部10aの保持部13に分解不能に保持される第1塗布部のブラシ体15aは、先端側において保持部13の挟持部13aに挟持、固定される先軸部15a’を、後端側において保持部13の保持孔13bに挿嵌、固定される後軸部15a”を形成するように、繊維を二つ折りにした芯線によって挟持しつつ螺旋状に巻回して外形を円筒状にしてなるものである。
【0030】

そこで、軸部10aの保持部13において、上記第1塗布部のブラシ体15aを保持するにあたっては、次のようにするものである。

すなわち、軸部10aは、先端側を後端側に対し、上方に向け角度を持って一体に成型されているので、軸部10aは薄肉部14を中心に折曲しており、軸部10aの保持部13後端側に形成される保持孔13bは軸部10a先端方向から見て露出している。

そして、第1塗布部のブラシ体15aの後軸部15a”を直接保持孔13bへ挿嵌して、固定するものである。

さらに、軸部10a後端側に対して折曲している軸部10aの保持孔13の挟持部13aによって、屈撓している薄肉部14を伸張させつつ第1塗布部のブラシ体15aの先軸部15a’を挟持させて、固定するものである。

その結果、軸部10aの保持部13において、ブラシ体15aを保持させることができるものである。
【0031】

以上のように、第1実施例である化粧料塗布体9aは構成されるので、化粧料塗布体9aの軸部10a先端には、保持部13内に保持される第1塗布部のブラシ体15aと第2塗布部のコーム12とを具えるので、多様である液状化粧料3の塗布する場所や塗布する方法に応じて、前記ブラシ体15aとコーム12aとを使い分けることによって、使用者の意図に合わせて簡易且つ正確に液状化粧料3を塗布できるものである。
【0032】

さらに、第1塗布部のブラシ体15aを軸部10aの保持部13内において保持するに当たり、軸部10aを薄肉部14で折曲した上、該保持部13に形成される挟持部13aでブラシ体15aの先軸部15a’を挟持、固定し、また保持孔13bでブラシ体15aの後軸部15a”を挿嵌、固定するものであるので、軸部10a先端側を伸張させるという一度の動作で容易に保持させることができ、さらに第1塗布部のブラシ体15aを保持するのに必要となる構造では構成部品同士の機械的な結合箇所はなくなり、組立時の不備による使用中の分解や破損を防止できるものである。
【第2実施例】
【0033】

図4において示すのは、第2実施例である化粧料塗布体9bであり、該第2実施例の化粧料塗布体9bは、第1実施例の化粧料塗布体9aと以下の点で共通する。

すなわち、樹脂により成型される軸部10a、10bと、別体の第1塗布部であるブラシ体15a、15bとから構成されるものであって、該軸部10a、10bは、後端に蓋体7内部に係止される係止径大部11と、先端に軸部10a、10bの成型とともに一体成型される第2塗布部となる櫛歯12a’、12b’を複数並設するコーム12a、12b、及び別体の第1塗布部であるブラシ体15a、15bを、その先軸部15a’、15b’を挟持部13aに挟持、固定し、その後軸部15a”、15b”を保持孔13b内に挿嵌、固定することで分解不能に保持してなる保持部13からなるものである。

そして、軸部10a、10bに一体に成型される保持部13には、先端側に挟持部13aを、後端側に保持孔13bを形成するとともに、該軸部10a、10bの保持部後方近傍に、軸部10a、10b先端側が屈撓可能となるように薄肉部14を形成するものである。
【0034】

しかしながら、第2実施例である化粧料塗布体9bと第1実施例である化粧料塗布体9aとは、以下の点で相違する。

すなわち、第2実施例における化粧料塗布体9bでは、軸部10bを略直線状に一体成型する点で、軸部10aにおいて、先端側を後端側に対し、上方に向け角度を持って一体成型する第1実施例における化粧料塗布体9aとは相違するものである。
【0035】

そのため、第2実施例である化粧料塗布体9bにおいて、軸部10bの保持部13内に第1塗布部のブラシ体15bを保持させるに当たっては、次のようにするものである。

すなわち、軸部10bは略直線状に一体成型されているので、該軸部10bは薄肉部14も含めて先端から後端に向けて直線状態となっており、軸部10bの保持部13後端側に形成される保持孔13bは軸部10b先端方向から見て露出してはいない。

そこで、まず該軸部10b先端側を持ち上げることで、保持部13後方近傍に形成される薄肉部14が屈撓するので、該軸部10bは、薄肉部14を中心として軸部10b先端側が折曲し、軸部10bの保持部13後端側に形成される保持孔13bは軸部10b先端方向から見て露出することになる。

そして、該ブラシ体15bの後軸部15b”を保持孔13bへ挿嵌して、固定するものである。

さらに、折曲している軸部10b先端側を元のように伸張させつつ、保持部13の挟持部13aによって第1塗布部の先軸部15b’を挟持、固定するものである。

その結果、軸部10bの保持部13内に第1塗布部のブラシ体15bを保持させることができるものである。
【0036】

以上のとおり、第2実施例である化粧料塗布体9bは構成されるので、第1実施例の化粧料塗布体9aと同様に、軸部10bの先端にコーム12b及びブラシ体15bを具えるので、多様である液状化粧料3を塗布する場所や塗布する方法に応じて、前記コーム12b又はブラシ体15bを使い分けることで、使用者の意図に合わせて簡易且つ正確に液状化粧料3を塗布することができる。

さらに、軸部10bの保持部13において、第1塗布部のブラシ体15bを保持する際には、該ブラシ体15bの先軸部15b’を保持部13の挟持部13aへ挟持、固定し、該ブラシ体15bの後軸部15b”を保持部13の保持孔13bへ挿嵌、固定するものであるので、容易に該ブラシ体15bを保持させることができるとともに、第1塗布部のブラシ体15bを保持部13において保持するのに必要となる構造では構成部品同士の機械的な結合箇所はなくなるので、組立時の不備による使用中の分解や破損をも防止することができるものである。
【0037】

また、軸部10bの保持部内13に第1塗布部を保持させるに当たっては、第1実施例の場合とは相違して軸部10bの先端側を持ち上げ、及び軸部10b先端側の伸張という2動作が必要となるが、成型品である軸部10bが略直線状であるので、金型から成型した軸部10bを簡易且つ安全に取り出すことができ、迅速に製造作業を進めることができるものである。
【第3実施例】
【0038】

図5において示すのは、第3実施例である化粧料塗布体9cであり、該第3実施例の化粧料塗布体9cは、第1実施例の化粧料塗布体9aと以下の点で共通する。

すなわち、樹脂により成型される軸部10a、10cと、別体の第1塗布部であるブラシ体15a、15cとから構成されるものであって、該軸部10a、10cは、後端に蓋体内部に係止される係止径大部11と、先端に軸部10a、10cの成型とともに一体成型となる第2塗布部である櫛歯12a’、12c’を複数並設するコーム12a、12c、及び別体の第1塗布部であるブラシ体15a、15cを、その先軸部15a’、15c’を挟持部13aに挟持、固定し、その後軸部15a”、15c”を保持孔13b内に挿嵌、固定することで分解不能に保持する保持部13とからなるものである。

そして、軸部10a、10cに一体に成型される保持部13には、先端側に挟持部13aを、後端側に保持孔13bを形成するとともに、該軸部10a、10cの保持部13後方近傍に、軸部10a、10c先端側が屈撓可能となるように薄肉部14を形成するものである。
【0039】

しかしながら、第3実施例である化粧料塗布体9cと第1実施例である化粧料塗布体9aとは、以下の点で相違する。

すなわち、第3実施例における化粧料塗布体9cでは、軸部10cの保持部13とともに一体に成型される第2塗布部のコーム12c、及び軸部10cの保持部13に保持される第1塗布部のブラシ体15cとが同方向に湾曲している点で、コーム12a及びブラシ体15aが共に直線状となっている第1実施例における化粧料塗布体9aとは相違するものである。
【0040】

なお、上記第3実施例の軸部10cは、第1実施例と同様に先端側を後端側に対し、上方に向け角度を持って一体成型されるものであるので、該軸部10cの保持部13にブラシ体15cを保持させるためには、第1実施例における軸部10aの保持部13におけるブラシ体15aの保持と同じ方法により行うものである。

また、上記第3実施例の軸部10cが、第2実施例と同様に略直線状に一体成型されるものであってもよく、その場合該軸部10cの保持部13にブラシ体15cを保持させるためには、第2実施例における軸部10bの保持部13におけるブラシ体15bの保持と同じ方法により行うものである。

以上の事項に関しては、第4実施例乃至第7実施例における化粧料塗布体9d乃至9gにおいても同様であるので、以下においては省略するものとする。
【0041】

以上のとおり、第3実施例である化粧料塗布体9cは構成されるので、まず第1実施例の化粧料塗布体9aと同様に、軸部10cの先端側にコーム12c及びブラシ体15cを具えるので、多様である液状化粧料3を塗布する場所や塗布する方法に応じて、前記コーム12c又はブラシ体15cを使い分けることで、使用者の意図に合わせて簡易且つ正確に液状化粧料3を塗布することができる。

さらに、軸部10cの保持部13において、第1塗布部のブラシ体15cを保持する際には、該ブラシ体15cの先軸部15c’を保持部13の挟持部13aへ挟持、固定し、該ブラシ体15cの後軸部15c”を保持部13の保持孔13bへ挿嵌、固定するので、容易に該ブラシ体15cを保持させることができるとともに、第1塗布部のブラシ体15cを保持部13において保持するのに必要となる構造では構成部品同士の機械的な結合箇所はなくなり、組立時の不備による使用中の分解や破損をも防止することができるものである。
【0042】

その上、化粧料塗布体9cを構成する軸部10cの第2塗布部のコーム12cや、保持部13内に保持される第1塗布部のブラシ体15cが同方向に湾曲しているので、例えば睫毛のように塗布すべき場所が湾曲していても、その部分の湾曲に合わせて、湾曲するコーム12c又はブラシ体15cを一致させることで、コーム12c及びブラシ体15cのいずれもが睫毛全体にわたって満遍なく密着するので、より簡易且つ正確に液状化粧料3を塗布できるものである。
【第4実施例】
【0043】

図6において示すのは、第4実施例である化粧料塗布体9dであり、該第4実施例の化粧料塗布体9dは、第1実施例の化粧料塗布体9aと以下の点で共通する。

すなわち、樹脂により成型される軸部10a、10dと、別体の第1塗布部であるブラシ体15a、15dとから構成されるものであって、該軸部10a、10dは、後端に蓋体7内部に係止される係止径大部11と、先端に軸部10a、10dの成型とともに一体成型される第2塗布部となる櫛歯12a’、12d’を複数並設するコーム12a、12d、及び別体の第1塗布部であるブラシ体15a、15dを、その先軸部15a’、15d’を挟持部13aに挟持、固定し、その後軸部15a”、15d”を保持孔13b内に挿嵌、固定することで分解不能に保持する保持部13からなるものである。

そして、軸部10a、10dに一体成型される保持部13には、先端側に挟持部13aを、後端側に保持孔13bを形成するとともに、該軸部10a、10dの保持部後方近傍には、軸部10a、10d先端が屈撓可能となるように薄肉部14を形成するものである。
【0044】

しかしながら、第4実施例の化粧料塗布体9dと第1実施例の化粧料塗布体9aとは、以下の点で相違する。

すなわち、第4実施例である化粧料塗布体9dでは、軸部10dの保持部13とともに一体に成型される第2塗布部のコーム12dにおいて複数並設される櫛歯12d’の長さが、中央を中心に山型となっている点で、該第2塗布部のコーム12aにおいて並設される櫛歯12a’の長さが一様で、平坦となっている第1実施例の化粧料塗布体9aとは相違するものである。

さらに、第4実施例である化粧料塗布体9dは、軸部10dの保持部13に保持される第1塗布部のブラシ体15dが、軸方向に短く、しかも外形において中央が膨張している樽状となっている点で、該軸部10dの保持部13に保持する第1塗布部のブラシ体15aの外形が円筒状である第1実施例の化粧料塗布体9aとは相違するものである。
【0045】

以上のとおり、第4実施例である化粧料塗布体9dは構成されるので、まず第1実施例の化粧料塗布体9aと同様に、軸部10dの先端にコーム12d及びブラシ体15dを具えるので、多様である液状化粧料3を塗布する場所や塗布する方法に応じて、前記コーム12d又はブラシ体15dを使い分けることで、使用者の意図に合わせて簡易且つ正確に液状化粧料3を塗布することができる。

さらに、軸部10dの保持部13において、第1塗布部のブラシ体15dを保持する際には、該ブラシ体15dの先軸部15d’を保持部13の挟持部13aへ挟持、固定し、該ブラシ体15dの後軸部15d”を保持部13の保持孔13bへ挿嵌、固定するものであるので、容易に該ブラシ体15dを保持させることができるとともに、第1塗布部であるブラシ体15dを保持する保持部13において保持するのに必要となる構造では構成部品同士の機械的な結合箇所はなくなり、組立時の不備による使用中の分解や破損をも防止することができるものである。
【0046】

そして、化粧料塗布体9dの軸部10dにおける第2塗布部であるコーム12dにおいて複数並設される櫛歯12d’の長さが、中央を中心に山型となっていること、及び軸部10dの保持部13において保持される第1塗布部のブラシ体15dが軸方向に短く、しかも外形が樽状となって湾曲面を形成しているので、液状化粧料3を塗布する場所が湾曲していても、またその場所の範囲の広狭に拘わらず前記コーム12d又はブラシ体15dは満遍なく密着することになるので、より簡易且つ正確に液状化粧料3を塗布できるものである。
【第5実施例】
【0047】

図7において示すのは、第5実施例である化粧料塗布体9eであり、該第5実施例の化粧料塗布体9eは、第1実施例の化粧料塗布体9aと以下の点で共通するものである。

すなわち、樹脂により成型される軸部10a、10eと、別体の第1塗布部であるブラシ体15a、15eとから構成されるものであって、該軸部10a、10eは、後端に蓋体7内部に係止される係止径大部11と、該軸部10a、10eの成型とともに一体に成型される第2塗布部の櫛歯12a’、12e’を複数並設するコーム12a、12e、及び別体の第1塗布部のブラシ体15a、15eを、その先軸部15a’、15e’を挟持部13aに挟持、固定し、その後軸部15a”、15e”を保持孔13b内に挿嵌、固定することで分解不能に保持する保持部13からなるものである。

そして、軸部10a、10eに一体成型される保持部13には、先端側に挟持部13aを、後端側に保持孔13bを形成するとともに、該軸部10a、10eの保持部13後方近傍には、軸部10a、10e先端が屈撓可能となるように薄肉部14を形成するものである。
【0048】

しかしながら、第5実施例の化粧料塗布体9eと第1実施例の化粧料塗布体9aとは、以下の点で相違する。

すなわち、第5実施例である化粧料塗布体9eは、軸部10eのコーム12eとともに一体に成型される保持部13に保持される第1塗布部が、ブラシも含めて一体に成型される樹脂成型ブラシ体15eであって、且つその一部16が軸方向に沿ってブラシが成型されていない点で、軸方向に満遍なくブラシが形成されているブラシ体15aが第1塗布部である第1実施例の化粧料塗布体9aとは相違するものである。
【0049】

以上のとおり、第5実施例である化粧料塗布体9eは構成されるので、まず第1実施例の化粧料塗布体9aと同様に、軸部10eの先端にコーム12e及びブラシ体15eを具えるので、多様である液状化粧料3を塗布する場所や塗布する方法に応じて、前記コーム12e又はブラシ体15eを使い分けることで、使用者の意図に合わせて簡易且つ正確に液状化粧料3を塗布することができる。

さらに、軸部10eの保持部13において、第1塗布部のブラシ体15eを保持する際には、該ブラシ体15eの先軸部15e’を保持部13の挟持部13aへ挟持、固定し、該ブラシ体15eの後軸部15e”を保持部13の保持孔13bへ挿嵌、固定するものであるので、容易に該ブラシ体15eを保持させることができるとともに、第1塗布部である樹脂成型ブラシ体15eを保持する保持部13において保持するのに必要となる構造では構成部品同士の機械的な結合箇所はなくなり、組立時の不備による使用中の分解や破損をも防止することができるものである。
【0050】

そして、軸部10eの保持部13において保持される樹脂成型ブラシ体15eの一部16で軸方向に沿ってブラシが成型されていないので、該保持部13に樹脂成型ブラシ体15eを保持させる際に、該樹脂成型ブラシ体15eのブラシが成型されていない一部16が軸部10eと当接し易くなるので、容易に化粧料塗布体9eを組み立てることができるものである。
【0051】

さらに、第5実施例の化粧料塗布体9eの保持部13に保持される樹脂成形ブラシ体15eはブラシも含めて一体成型されるので、該樹脂成形ブラシ体15eにおけるブラシの形状、硬度、分布等の構成要素を様々に組み合わせることが可能となり、多様である液状化粧料3の種類、塗布する場所、及び塗布する方法に対応させて、より簡易且つ正確に液状化粧料3を塗布することができるものである。
【第6実施例】
【0052】

図8において示すのは、第6実施例である化粧料塗布体9fであり、該第6実施例の化粧料塗布体9fは、第1実施例の化粧料塗布体9aと以下の点で共通する。

すなわち、樹脂により成型される軸部10a、10fと、別体の第1塗布部であるブラシ体15a、15fとから構成されるものであって、該軸部10a、10fは、後端に蓋体7内部に係止される係止径大部11と、該軸部10a、10fの成型とともに一体成型される第2塗布部となる櫛歯12a’、12f’を複数並設するコーム12a、12f、及び別体の第1塗布部であるブラシ体15a、15fを、その先軸部15a’、15f’を挟持部13aに挟持、固定し、その後軸部15a”、15f”を保持孔13b内に挿嵌、固定することで分解不能に保持する保持部13からなるものである。

そして、軸部10a、10fに一体成型される保持部13には、先端側に挟持部13aを、後端側に保持孔13bを形成するとともに、該軸部10a、10fの保持部13後方近傍には、軸部10f先端が屈撓可能となるように薄肉部14を形成するものである。
【0053】

しかしながら、第6実施例の化粧料塗布体9fと第1実施例の化粧料塗布体9aとは、以下の点で相違する。

すなわち、第6実施例である化粧料塗布体9fは、軸部10fのコーム12fとともに一体に成型される保持部13において保持される第1塗布部が、金属芯線に繊維を静電植毛してなるフロッキーブラシ15fである点で、繊維を二つ折りにした金属芯線によって挟持しつつ螺旋状に巻回してなるブラシ体15aが第1塗布部である第1実施例の化粧料塗布体9aとは相違するものである。
【0054】

以上のとおり、第6実施例である化粧料塗布体9fは構成されるので、まず第1実施例の化粧料塗布体9aと同様に、軸部10fの先端にコーム12f及びフロッキーブラシ15fを具えるので、多様である液状化粧料3を塗布する場所や塗布する方法に応じて、前記コーム12f又フロッキーブラシ体15fを使い分けることで、使用者の意図に合わせて簡易且つ正確に液状化粧料3を塗布することができる。

さらに、軸部10fの保持部13において、第1塗布部のブラシ体15fを保持する際には、該ブラシ体15fの先軸部15f’を保持部13の挟持部13aへ挟持、固定し、該ブラシ体15fの後軸部15f”を保持部13の保持孔13bへ挿嵌、固定するものであるので、容易に該ブラシ体15fを保持させることができるとともに、第1塗布部であるフロッキーブラシ15fを保持する保持部13において保持するのに必要となる構造では構成部品同士の機械的な結合箇所はなくなり、組立時に不備による使用中の分解や破損をも防止することができるものである。
【0055】

その上、軸部10fの保持部13に保持されるフロッキーブラシ15fは金属芯線に繊維を静電植毛するものであるので、該フロッキーブラシ15fの繊維はあらゆる方向に向いて細部にまで入り込み、液状化粧料3をムラなく、満遍に塗布することができるものである。
【第7実施例】
【0056】

図9において示すのは、第7実施例である化粧料塗布体9gであり、該第7実施例の化粧料塗布体9gは、第1実施例の化粧料塗布体9aと以下の点で共通する。

すなわち、樹脂により成型される軸部10a、10gと、別体の第1塗布部15a、15gとから構成されるものであって、該軸部10a、10gは、後端に蓋体7内部に係止される係止径大部11と、該軸部10a、10gの成型とともに一体成型される第2塗布部となる櫛歯12a’、12g’を複数並設するコーム12a、12g、及び別体の第1塗布部15a、15gを、その先軸部15a’、15g’を挟持部13aに挟持し、その後軸部15a”、15g”を保持孔13b内に挿嵌することで分解不能に保持する保持部13からなるものである。

そして、軸部10a、10gに一体に成型される保持部13には、先端側に挟持部13aを、後端側に保持孔13bを形成するとともに、該軸部10a、10gの保持部後方近傍には、軸部10a、10g先端が屈撓可能となるように薄肉部14を形成するものである。
【0057】

しかしながら、第7実施例の化粧料塗布体9gと第1実施例の化粧料塗布体9aとは、以下の点で相違する。

すなわち、第7実施例である化粧料塗布体9gは、軸部10gのコーム12gとともに一体に成型される保持部13に保持される第1塗布部が多孔質塗布体15gである点で、繊維を二つ折りにした金属芯線によって挟持しつつ螺旋状に巻回してなるブラシ体15aが第1塗布部である第1実施例の化粧料塗布体9aとは相違するものである。
【0058】

以上のとおり、第7実施例である化粧料塗布体9gは構成されるので、まず第1実施例の化粧料塗布体9aと同様に、軸部10gの先端にコーム12g及び多孔質塗布体15gを具えるので、多様である液状化粧料3を塗布する場所や塗布する方法に応じて、前記コーム12g又は多孔質塗布体15gを使い分けることで、使用者の意図に合わせて簡易且つ正確に液状化粧料3を塗布することができる。

さらに、軸部10gの保持部13において、第1塗布部のブラシ体15gを保持する際には、該ブラシ体15gの先軸部15g’を保持部13の挟持部13aへ挟持、固定し、該ブラシ体15gの後軸部15g”を保持部13の保持孔13bへ挿嵌、固定するものであるので、容易に多孔質塗布体15gを保持させることができるとともに、第1塗布部である多孔質塗布体15gを保持する保持部13において保持するのに必要となる構造では構成部品同士の機械的な結合箇所はなくなり、組立時の不備による使用中の分解や破損をも防止することができるものである。
【0059】

その上、軸部10gの保持部13に保持される多孔質塗布体15gは、その表面のみならず内部にも多量の空間を有することから、一度に大量の液状化粧料3を含み、さらに、該多孔質塗布体15gの表面が満遍なく塗布面に対して密着するので、被塗布部において広範囲に、しかも均一に、液状化粧料3を簡易且つ正確に塗布できるものである。
【符号の説明】
【0060】

1 化粧料容器

2 化粧料容器本体

3 液状化粧料

4 開口部

5 雄ネジ部

6 シゴキ

7 蓋体

8 雌ネジ部

9a、9b、9c、9d、9e、9f、9g 化粧料塗布体

10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g 軸部

11 係止径大部

12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g コーム

12a’、12b’、12c’、12d’、12e’、12f’、12g’ 櫛歯

13 保持部

13a 挟持部

13b 保持孔

14 薄肉部

15a、15b、15c、15d ブラシ体

15e 樹脂成型ブラシ体

15f フロッキーブラシ

15g 多孔質塗布体

15a’、15b’、15c’、15d’、15e’、15f’、15g’ 先軸部

15a”、15b”、15c”、15d”、15e”、15f”、15g” 後軸部

16 (ブラシのない)一部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9