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  • 特開-置き型ゴルフティー 図1
  • 特開-置き型ゴルフティー 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128908
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】置き型ゴルフティー
(51)【国際特許分類】
   A63B 57/10 20150101AFI20220829BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20220829BHJP
【FI】
A63B57/10
A63B102:32
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021027379
(22)【出願日】2021-02-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】513154876
【氏名又は名称】株式会社タイガー刻印製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】沼田正行
(57)【要約】
【課題】ティーアップしやすく、かつ、移動時の嵩張りも軽減できる置き型ゴルフティーを提供する。
【解決手段】第1板体10と第2板体20とが平面視で直交させられた状態で、第1板体10の第1スリット13に対し第2板体20の第2スリット23が相対的に上方から入れられて、第1板体10の第1スリット13と第2板体20の第2挟まれ部24とが嵌め合わされるとともに、第2板体20の第2スリット23と第1板体10の第1挟まれ部14とが嵌め合わされ、第1板体10の第1脚部11と第2板体20の第2脚部21とで底面視十字状の脚部が形成されるとともに、第1板体10の第1ボール置き半体部分12と第2板体20の第2ボール置き半体部分22とで平面視十字状のボール置き部が形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1脚部(11)と、この第1脚部(11)の上部に設けられた第1ボール置き半体部分(12)と、この第1ボール置き半体部分(12)から下方に向かって延びる第1スリット(13)と、この第1スリット(13)の下部に位置する第1挟まれ部(14)とを有する第1板体(10)と、
第2脚部(21)と、この第2脚部(21)の上部に設けられた第2ボール置き半体部分(22)と、前記第2脚部(21)の下部から上方に向かって延びる第2スリット(23)と、この第2スリット(23)の上部に位置する第2挟まれ部(24)とを有する第2板体(20)とを備え、
第1板体(10)と第2板体(20)とが平面視で直交させられた状態で、第1板体(10)の第1スリット(13)に対し第2板体(20)の第2スリット(23)が相対的に上方から入れられて、第1板体(10)の第1スリット(13)と第2板体(20)の第2挟まれ部(24)とが嵌め合わされるとともに、第2板体(20)の第2スリット(23)と第1板体(10)の第1挟まれ部(14)とが嵌め合わされ、第1板体(10)の第1脚部(11)と第2板体(20)の第2脚部(21)とで底面視十字状の脚部(1A)が形成されるとともに、第1板体(10)の第1ボール置き半体部分(12)と第2板体(20)の第2ボール置き半体部分(22)とで平面視十字状のボール置き部(1B)が形成されることを特徴とする置き型ゴルフティー。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1板体(10)の第1スリット(13)と第2板体(20)の第2挟まれ部(24)との上下方向長さが略等しいことを特徴とする置き型ゴルフティー。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第1板体(10)の第1脚部(11)の両端部、および第2板体20の第2脚部(21)の両端部には、それぞれ下方に突出する突出部(15,15,25,25)が設けられていることを特徴とする置き型ゴルフティー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置き型ゴルフティーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
冬場のゴルフ場は地面が凍っていてゴルフティーを刺すことが困難なことがある。
【0003】
そこで、従来、例えば特許文献1に見られるように、
「ゴルフティー1を紙からなる筒状体で構成し、該筒状体の下端側の環状端縁部1bを地面に接触する接地部とし、上端側の環状端縁部1aをゴルフボールBを載置するための載置部とした」(同文献要約欄)ゴルフティーが提案されている。
【0004】
「このゴルフティーを用いてティーアップする場合は、従来のようにゴルフティーをティーグラウンドに差し込む必要はなく、ティーグラウンド上に置くだけでよい。このためティーグラウンドの土が締まって硬くなっている場合や冬場に凍って硬くなっている場合でも、ティーアップを簡単に行うことができる」(同文献0016段落)。
【0005】
「また、このゴルフティー1~3は折り畳んだ紙を広げて組み立てるようにしているので、ゴルフティー1~3を使わないときは小さく折り畳んでポケットなどに入れて持ち歩くことができ、便利である」(同文献0036段落)。
【0006】
しかし、このゴルフティーは、紙製であり、使用時には、折り畳んだ紙を広げて組み立てるようにしているので、強度面に難があり、ティーアップしにくいことがある。
【0007】
また、従来、例えば特許文献2に見られるように、
「テイーグランド上に設置可能な台座の中央にボールの載置部を設け、その載置部の中央に第2の載置部材を接続可能な接続部を形成したことを特徴とするゴルフテイー」(同文献要約欄)
も知られている。
【0008】
このゴルフティーは、紙に比べれば所望の強度を得やすい材料(合成樹脂等)で構成できるので、上記特許文献1のものに比べればティーアップしやすくなると思われる。
また、このゴルフティーは、台座1の中央にボールの載置部を設け、その載置部の中央に第2の載置部材5を接続可能な接続部6を形成したものであるから、移動時には、台座1と載置部材5とを分解し、ポケットに入れて移動することができる。
【0009】
しかしこのゴルフティーは、台座1の中央に接続部6が設けられているため、台座1は接続部6を構成するに足るだけの厚さが必要となる。また、載置部材5のボール載置部7は平面視円形であり、その面積はボールを載置することができるだけの広さ(直径)とする必要がある。
したがって、移動時に、台座1と載置部材5とを分解したとしても、それぞれがポケット内で嵩張ってしまうという難点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実開平5-29565号公報
【特許文献2】実用新案登録第3058136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、ティーアップしやすく、かつ、移動時の嵩張りも軽減できる置き型ゴルフティーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明の置き型ゴルフティーは、
第1脚部と、この第1脚部の上部に設けられた第1ボール置き半体部分と、この第1ボール置き半体部分から下方に向かって延びる第1スリットと、この第1スリットの下部に位置する第1挟まれ部とを有する第1板体と、
第2脚部と、この第2脚部の上部に設けられた第2ボール置き半体部分と、前記第2脚部の下部から上方に向かって延びる第2スリットと、この第2スリットの上部に位置する第2挟まれ部とを有する第2板体とを備え、
第1板体と第2板体とが平面視で直交させられた状態で、第1板体の第1スリットに対し第2板体の第2スリットが相対的に上方から入れられて、第1板体の第1スリットと第2板体の第2挟まれ部とが嵌め合わされるとともに、第2板体の第2スリットと第1板体の第1挟まれ部とが嵌め合わされ、第1板体の第1脚部と第2板体の第2脚部とで底面視十字状の脚部が形成されるとともに、第1板体の第1ボール置き半体部分と第2板体の第2ボール置き半体部分とで平面視十字状のボール置き部が形成されることを特徴とする置き型ゴルフティー。
この置き型ゴルフティーは、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
使用時には、第1板体と第2板体とを平面視で直交させた状態で、第1板体の第1スリットに対し第2板体の第2スリットを相対的に上方から入れて、第1板体の第1スリットと第2板体の第2挟まれ部とを嵌め合わせるとともに、第2板体の第2スリットと第1板体の第1挟まれ部とを嵌め合わせ、第1板体の第1脚部と第2板体の第2脚部とで底面視十字状の脚部を形成するとともに、第1板体の第1ボール置き半体部分と第2板体の第2ボール置き半体部分とで平面視十字状のボール置き部を形成した組立体とし、脚部を地面に置き、ボール置き部にゴルフボールを置くことができる。
この組立体は、第1板体と第2板体とが平面視で直交させられた状態で、第1板体の第1スリットと第2板体の第2挟まれ部とが嵌め合わされるとともに、第2板体の第2スリットと第1板体の第1挟まれ部とが嵌め合わされた構造となるので、強固な構造を得ることができ、したがって、ティーアップしやすくなる。
また、移動時には、互いのスリットによる係合を抜き操作で解除することで、第1板体と第2板体を分解してポケット等に入れて移動することができる。
この際、分解された本発明の置き型ゴルフティーは2枚の板体となるので、移動時の嵩張りも軽減できる。
以上のように、本発明の置き型ゴルフティーによれば、ティーアップしやすく、かつ、移動時の嵩張りも軽減できるという効果が得られる。
【0013】
この置き型ゴルフティーにおいては、
前記第1板体の第1スリットと第2板体の第2挟まれ部との上下方向長さが略等しい構成とすることができる。
このように構成すると、第1板体の第1ボール置き半体部分と第2板体の第2ボール置き半体部分とで平面視十字状のボール置き部を良好に形成することができる。
なお、「上下方向長さが略等しい」とは、製造誤差程度の違いは認められるという意味であり、長さの差が1mm程度以下であれば、略等しいと言える。
【0014】
この置き型ゴルフティーにおいては、
前記第1板体の第1脚部の両端部、および第2板体の第2脚部の両端部には、それぞれ下方に突出する突出部が設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、地面に多少の凸凹があっても置き型ゴルフティーを安定した状態で置くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る置き型ゴルフティーの実施の形態を示す図で、(a)は使用状態を示す斜視図、(b)は同実施の形態の斜視図、(c)は第1板体10の平面図と正面図と底面図とを一緒に示した図、(d)は第2板体10の平面図と正面図と底面図とを一緒に示した図。
図2】他の実施の形態を示す図で、(a)は展開図(分解図)、(b)は使用状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る置き型ゴルフティーの実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0017】
図1に示すように、この実施の形態の置き型ゴルフティー1は、第1板体10(図(c))と第2板体20(図(d))とを組み立てた組立体(図(b))として構成されるものである。
【0018】
図(c)に示すように、第1板体10は、第1脚部11と、この第1脚部11の上部に設けられた第1ボール置き半体部分12と、この第1ボール置き半体部分12から下方に向かって延びる第1スリット13と、この第1スリット13の下部に位置する第1挟まれ部14とを有している。
【0019】
図(d)に示すように、第2板体20は、第2脚部21と、この第2脚部21の上部に設けられた第2ボール置き半体部分22と、前記第2脚部21の下部から上方に向かって延びる第2スリット23と、この第2スリット23の上部に位置する第2挟まれ部24とを有している。
【0020】
第1板体10と第2板体20とが平面視で直交させられた状態で、図(c)(d)の仮想線矢印で示すように第1板体10の第1スリット13に対し第2板体20の第2スリット23が相対的に上方から入れられて、第1板体10の第1スリット13と第2板体20の第2挟まれ部24とが嵌め合わされるとともに、第2板体20の第2スリット23と第1板体10の第1挟まれ部14とが嵌め合わされ、第1板体10の第1脚部11と第2板体20の第2脚部21とで底面視十字状の脚部1A(図(b)参照)が形成されるとともに、第1板体10の第1ボール置き半体部分12と第2板体20の第2ボール置き半体部分22とで平面視十字状のボール置き部1Bが形成される(図(b)参照)。
【0021】
この置き型ゴルフティー1は、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
【0022】
使用時には、図(b)に示すように、第1板体10と第2板体20とを平面視で直交させた状態で、第1板体10の第1スリット13に対し第2板体20の第2スリット23を相対的に上方から入れて、第1板体10の第1スリット13と第2板体20の第2挟まれ部24とを嵌め合わせるとともに、第2板体20の第2スリット23と第1板体10の第1挟まれ部14とを嵌め合わせ、第1板体10の第1脚部11と第2板体20の第2脚部21とで底面視十字状の脚部1Aを形成するとともに、第1板体10の第1ボール置き半体部分12と第2板体20の第2ボール置き半体部分22とで平面視十字状のボール置き部1Bを形成した組立体(1)とし、脚部1Aを地面に置き、図(a)に示すようにボール置き部1BにゴルフボールBを置くことができる。
【0023】
この組立体(1)は、第1板体10と第2板体20とが平面視で直交させられた状態で、第1板体10の第1スリット13と第2板体20の第2挟まれ部24とが嵌め合わされるとともに、第2板体20の第2スリット23と第1板体10の第1挟まれ部14とが嵌め合わされた構造となるので、強固な構造を得ることができ、したがって、ティーアップしやすくなる。
【0024】
また、移動時には、互いのスリット13,23による係合を抜き操作(スリット長手方向への移動操作)で解除することで、図(c)(d)に示すように第1板体10と第2板体20を分解して、利用者のポケット等に入れて移動することができる。
この際、分解された置き型ゴルフティー1は単なる2枚の板体10,20となるので、移動時の嵩張りも軽減できる。
【0025】
以上のように、この実施の形態の置き型ゴルフティーによれば、ティーアップしやすく、かつ、移動時の嵩張りも軽減できるという効果が得られる。
【0026】
この実施の形態では、第1板体10の第1スリット13と第2板体20の第2挟まれ部24との上下方向長さL1が略等しくなっている。
【0027】
このように構成すると、第1板体10の第1ボール置き半体部分12と第2板体20の第2ボール置き半体部分22とで平面視十字状のボール置き部1Bを良好に形成することができる。
【0028】
なお、この実施の形態では、第1板体10の第1挟まれ部14と第2板体20の第2スリット23の上下方向長さL2がも略等しくなっており、かつ、L1とL2も略等しくなっている。
このように形成すると、図(b)に示すように、外観的にも優れた置き型ゴルフティーを得ることができる。
【0029】
第1板体10の第1脚部11の両端部、および第2板体20の第2脚部21の両端部には、それぞれ下方に突出する突出部15,15,25,25が設けられている。
このように構成すると、地面に多少の凸凹があっても置き型ゴルフティー1を安定した状態で置くことができる。
【0030】
第1板体10、第2板体20は、いずれも適宜の材料、例えば、合成樹脂、木材、金属等で構成することができる。また、スポンジ(安定してティーアップできる程度の強さを有する硬さのスポンジ)で構成することもできる。このように構成すると、軽いのでショットした時に飛んで行かずにその場周辺に留まる。
厚さTはいずれも、2~5mm程度とすることが望ましい。なお、図1に示すものの厚さTは3mmである。
第1第2スリットの13,23の幅は板体の厚さTと同一とし、ある程度の(安定してティーアップできる程度の)強さで第1第2挟まれ部14,24と嵌め合わされるようにすることが望ましい。
【0031】
この実施の形態では、第1ボール置き半体部分12、第2ボール置き半体部分22は、いずれも正面視で円弧状に凹んだ形状としたが、それぞれ、両端が上方に突出したボール支持部12b、22bを有する形状であれば、適宜の形状を採用し得る。
【0032】
第1板体10の第1脚部11の両端部、および第2板体20の第2脚部21の両端部の突出部15,15,25,25の形状も適宜設定できる
【0033】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
例えば、
【0034】
第1板体10、第2板体20の余白部分に企業のロゴや宣伝を入れてノベルティグッズとして利用することもできる。
【0035】
図2に示すように、組み立てられた第1板体10と第2板体20の上部に嵌まり合う平面視十字型の溝31を有する結合体30で第1板体10と第2板体20の上部を結合することで、組立体としての強度、安定性を高めることができる。
【0036】
また、図2に示すように、第1板体10と第2板体20とを紐等の連結体40で連結することで、ショットした時に第1板体10と第2板体20とが分離して飛び散るのを防止することができる。
【符号の説明】
【0037】
1: 置き型ゴルフティー
1A: 脚部
1B: ボール置き部
10: 第1板体
11: 第1脚部
12: 第1ボール置き半体部分
13: 第1スリット
14: 第1挟まれ部
20: 第2板体
21: 第2脚部
22: 第2ボール置き半体部分
23: 第2スリット
24: 第2挟まれ部
図1
図2