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  • 特開-衝撃吸収用樹脂組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022128977
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】衝撃吸収用樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/00 20060101AFI20220829BHJP
   F16F 7/00 20060101ALI20220829BHJP
   F16F 15/08 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
C08L101/00
F16F7/00 B
F16F15/08 D
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021027473
(22)【出願日】2021-02-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000168632
【氏名又は名称】高圧ガス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 健
(72)【発明者】
【氏名】佐野 武司
(72)【発明者】
【氏名】山口 隆志
(72)【発明者】
【氏名】野杁 達也
【テーマコード(参考)】
3J048
3J066
4J002
【Fターム(参考)】
3J048AA01
3J048AD05
3J048BD01
3J048EA07
3J066AA23
3J066AA26
3J066BA01
3J066BB01
3J066BC03
3J066BD05
4J002AF02Y
4J002BB02Y
4J002BB11Y
4J002BC03X
4J002BC08X
4J002BC09X
4J002BC10X
4J002BG06W
4J002BK00Y
4J002BP01W
4J002CE00Y
4J002FD01Y
4J002GQ00
(57)【要約】
【課題】優れた制振性能を有する衝撃吸収用樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】
本発明の衝撃吸収用樹脂組成物は、ガラス転移点が30℃以上の重合体成分Aとガラス転移点が0℃以下の重合体成分Aとを含む1種以上のブロック共重合体からなるA成分と、該重合体成分Aと相溶性がある重合体からなるB成分と、該B成分と相溶性がある、または該B成分に分散するフィラーからなるC成分と、液状のポリエーテルポリオールおよび/またはそのシラン変性物からなるD成分と、を含んでいる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス転移点が30℃以上の重合体成分Aとガラス転移点が0℃以下の重合体成分Aとを含む1種以上のブロック共重合体からなるA成分と、該重合体成分Aと相溶性がある重合体からなるB成分と、該B成分と相溶性がある、または該B成分に分散するフィラーからなるC成分と、液状のポリエーテルポリオールおよび/またはそのシラン変性物からなるD成分と、を含んでなる衝撃吸収用樹脂組成物。
【請求項2】
前記A成分の割合が、樹脂組成物全体の1~99重量%である請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記重合体成分Aが、スチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、およびポリエステル樹脂からなる群から選択される1種である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記重合体成分Aがスチレン系樹脂であり、前記B成分が芳香族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂の水添物、脂環式炭化水素樹脂、およびそれらの共重合樹脂からなる群から選択される1種である請求項3記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記重合体成分Aがポリ(メタ)アクリレート樹脂であり、前記B成分が脂肪族炭化水素樹脂である請求項3記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記脂肪族炭化水素樹脂が、分子量1万以下のポリ(メタ)アクリレート樹脂である請求項5記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記重合体成分Aがポリ(メタ)アクリレート樹脂であり、前記B成分が芳香族炭化水素樹脂または芳香族炭化水素樹脂の水添物である請求項3記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記C成分が、芳香族炭化水素、脂肪族環状炭化水素、およびヘテロ芳香族炭化水素からなる群から選択される2個以上の環状構造を有する化合物またはその化合物の金属塩である請求項1から7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記C成分が、ロジン誘導体である、請求項1から8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃からデバイスを保護する衝撃吸収用樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン、タブレット等の普及により、デバイスの小型化、軽量化はもちろんのこと、衝撃からデバイスを保護する衝撃吸収シートについても軽量化、薄型化が求められている。
【0003】
衝撃吸収シートとしては、従来、ブチルゴム等の加硫ゴムやシリコーンゴム等の合成ゴムからなる防振ゴムが使用されていたが、近年、高い制振性能と製造コストの低減が期待できる制振材料が検討されている。制振材料は、振動エネルギーを熱エネルギーに変換するもので、高分子の粘弾性を利用するものが知られている。高分子による振動の減衰は、外部からの振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、外部に放出させて振動エネルギーを損失させる機能を利用する。しかしながら、従来の高分子系の制振材料はその制振性能を発揮するためには少なくとも数mm程度の厚さが必要であり、それよりも薄くすると十分な制振性能を発揮することができないという問題がある。
【0004】
これに対し、本願出願人は、ハードセグメントとソフトセグメントとを含むブロック共重合体を含む樹脂組成物であって、薄型化しても優れた衝撃吸収性を付与することが可能な衝撃吸収用樹脂組成物を提案している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-145484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、デバイスのさらなる小型化、軽量化に伴い、衝撃からデバイスを保護する衝撃吸収シートにも、制振性能の一層の向上が求められている。
【0007】
そこで、本発明は、さらに優れた制振性能を有する衝撃吸収用樹脂組成物を提供することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、液状のポリエーテルポリオールおよび/またはそのシラン変性物を配合することで、衝撃吸収性を大きく向上させることが可能となることを見出して本発明を完成させたものである。すなわち、本発明の衝撃吸収用樹脂組成物は、ガラス転移点が30℃以上の重合体成分Aとガラス転移点が0℃以下の重合体成分Aとを含む1種以上のブロック共重合体からなるA成分と、該重合体成分Aと相溶性がある重合体からなるB成分と、該B成分と相溶性がある、または該B成分に分散するフィラーからなるC成分と、液状のポリエーテルポリオールおよび/またはそのシラン変性物からなるD成分と、を含んでなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の衝撃吸収用樹脂組成物は、薄型化しても、優れた衝撃吸収性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1の樹脂組成物からなるシートの厚さと衝撃吸収率との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の衝撃吸収用樹脂組成物は、ガラス転移点が30℃以上の重合体成分Aとガラス転移点が0℃以下の重合体成分Aとを含むブロック共重合体からなるA成分と、該重合体成分Aと相溶性がある重合体からなるB成分と、該B成分と相溶性がある、または該B成分に分散するフィラーからなるC成分と、液状のポリエーテルポリオールおよび/またはそのシラン変性物からなるD成分と、を含んでなることを特徴とするものである。
【0012】
(A成分)
本発明に用いるA成分は、ガラス転移点が30℃以上の重合体成分A(ハードセグメント)とガラス転移点が0℃以下の重合体成分A(ソフトセグメント)とを含むブロック共重合体である。重合体成分Aと重合体成分Aの配列は特に限定されるものではなく、任意の配列をとることができる。例えば、(A―A)p、(A―A―A)q、(A―A―A)rで表すことができる。ここで、p、q、rは任意の整数である。
【0013】
重合体成分Aを構成する重合体は、ガラス転移点が30℃以上の重合体である、スチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。スチレン系樹脂としては、ポリスチレン、ポリクロルスチレン、ポリα-メチルスチレン等を挙げることができるが、ポリスチレン(Tg=80~100℃)が好ましい。また、ポリ(メタ)アクリレート樹脂としては、ポリメチルメタクリレート(Tg=72~105℃)、ポリエチルメタクリレート(Tg=65℃)、ポリt-ブチルメタクリレート(Tg=107℃)を挙げることができる。また、ポリアミド樹脂としては、ポリアミド6(Tg=50℃)やポリアミド66(Tg=50℃)、ポリアミド610(Tg=50℃)を挙げることができる。また、ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(Tg=80℃)やポリブチレンテレフタレート(Tg=37~53℃)、ポリエチレンナレフタレート(Tg=113℃)を挙げることができる。
【0014】
また、重合体成分Aは、ガラス転移点が0℃以下の重合体であり、重合体成分Aに応じて選択することができる。例えば、ポリスチレンに対してはポリイソプレン、ポリビニルイソプレン、ポリブタジエン、およびこれらの水添物であるポリ(エチレン-プロピレン)、ポリ(エチレン-ブチレン)を挙げることができる。また、ポリメチルメタクリレートに対しては、ポリブチルアクリレートを挙げることができる。また、ポリアミドに対してはポリエステルまたはポリエーテルを挙げることができる。また、芳香族ポリエステルに対しては脂肪族ポリエステルまたはポリエーテルを挙げることができる。
【0015】
A成分の具体例としては、特に限定されるものではないが、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-ビニルイソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体等のスチレン系ブロック共重合体およびこれらの水添物、並びにメチルメタクリレート-ブチルアクリレート-メチルアクリレート樹脂を挙げることができる。
【0016】
本発明においては、例えば以下の市販のブロック共重合体を用いることができる。
(1)スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(「SIS」と略す)
クレイトン社製のクレイトンD、JSR社製のJSR SIS、日本ゼオン社製のクインタック
(2)スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(「SBS」と略す)
クレイトン社製のクレイトンD、旭化成社製のタフプレン、旭化成社製のアサプレンT
(3)スチレン-(エチレン-プロピレン)-スチレンブロック共重合体(「SEPS」と略す)(SISの水添物)
クレイトン社製のクレイトンG、クラレ社製のセプトン2000シリーズ
(4)スチレン-(エチレン-ブチレン)-スチレンブロック共重合体(「SEBS」と略す)(SBSの水添物)
クレイトン社製のクレイトンG、旭化成社製のタフテックH、クラレ社製のセプトン8000シリーズ
(5)スチレン-ブタジエン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(「SBBS」と略す)
旭化成社製のタフテックP
(6)スチレン-エチレン-(エチレン-プロピレン)-スチレンブロック共重合体(「SEEPS」と略す)
クラレ社製のセプトン4000シリーズ
(8)スチレン-ビニルポリイソプレン-スチレンブロック共重合体
クラレ社製のハイブラー
(9)メタクリル酸メチル-アクリル酸ブチル-メタクリル酸メチルのトリブロック共重合体
クラレ社製のクラリティ2000シリーズ、3000シリーズ、および4000シリーズ、アルケマ社製のナノストレングス
(10)メタクリル酸メチル-アクリル酸ブチルのジブロック共重合体
クラレ社製のクラリティ1000シリーズ
また、上記(1)~(6)の共重合体のカルボキシル基、水酸基、エポキシ基、無水マレイン酸基等の変性物も用いることができる。
【0017】
また、A成分には2種以上を用いることもできる。2種以上を組み合わせることで、柔軟性と強靭性の調整を行うことができる。その組み合わせは特に限定されない。例えば、メタクリル酸メチル-アクリル酸ブチル-メタクリル酸メチルのトリブロック共重合体と、メタクリル酸メチル-アクリル酸ブチルのジブロック共重合体との組合せを挙げることができる。
【0018】
(B成分)
B成分は重合体成分Aと相溶性を有する重合体である。ここで、本発明においてB成分が重合体成分Aと相溶性を有するとは、重合体成分Aの単独重合体とB成分とを混合してフィルムを作製でき、そのフィルムが室温での目視で透明であることをいう。
【0019】
B成分は重合体成分Aの種類に応じて選択することができる。例えば、重合体成分Aに上記のスチレン系樹脂を用いる場合、B成分には芳香族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂の水添物、脂環式炭化水素樹脂、およびそれらの共重合樹脂を用いることができる。あるいは芳香族炭化水素オリゴマー、脂肪族環状炭化水素オリゴマー、およびそれらの共重合オリゴマーでもよい。ここで、本発明においては、オリゴマーとは、重合度が10以下のものをいう。芳香族炭化水素樹脂とは、ベンゼン環及び/または複数の縮合環から構成される化合物であり、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、t-ブチルスチレン、ビニルトルエン等の置換スチレンの単独重合体またはその変性物を挙げることができる。また、芳香族炭化水素樹脂の水添物とは、ベンゼン環及び/または複数の縮合環から構成される化合物であり、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、t-ブチルスチレン、ビニルトルエン等の置換スチレンの単独重合体の水添物を挙げることができる。また、脂環式炭化水素樹脂としては、芳香族樹脂の水添物やシクロヘキシルメタクリレート樹脂を挙げることができる。共重合樹脂とは、芳香族樹脂または脂環式樹脂と、脂肪族樹脂との共重合物である。好ましくは芳香族炭化水素樹脂、より好ましくはスチレンの単独重合体またはその変性物、あるいはその水添物である。また、変性物としてはオキサゾリン基含有ポリスチレンが好ましい。
【0020】
また、重合体成分Aに上記のポリ(メタ)アクリレート樹脂を用いる場合、B成分には、脂肪族炭化水素樹脂を用いることができる。脂肪族炭化水素樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、およびそれらの変性物を用いることができる。好ましくはポリ(メタ)アクリレート樹脂またはその変性物である。ここで、変性物はカルボキシル基、水酸基、エポキシ基、無水マレイン酸基等の変性物である。また、ポリ(メタ)アクリレート樹脂またはその変性物の重量平均分子量は、1万以下であることが好ましい。
【0021】
また、重合体成分Aに上記のポリアミド樹脂を用いる場合、B成分には、エポキシ基やオキサゾリン基を含有した、芳香族または脂環式樹脂を用いることができる。
【0022】
また、重合体成分Aに上記のポリエステル樹脂を用いる場合、B成分には、エポキシ基やオキサゾリン基を含有した、芳香族または脂環式樹脂を用いることができる。
【0023】
本発明においては、B成分として、例えば以下の市販の樹脂を用いることができる。
(芳香族炭化水素樹脂)
(1)スチレン系樹脂
三井化学社製のFTR、ヤスハラケミカル社製のYSレジンSX、東亜合成社製のアルフォンUP-1150
(2)芳香族系石油樹脂
ENEOS社製の芳香族系石油樹脂日石ネオポリマー、東ソー社製の石油樹脂ペトコール、フドー社製のキシレン樹脂ニカノール
(3)芳香族変性樹脂
東ソー社製の石油樹脂ペトロタック、日本触媒社製のオキサゾリン基含有反応性ポリスチレンであるエポクロスRPS-1005
(4)芳香族系オイル
ENEOS社製の日石ハイゾール、出光興産社製のダイアナプロセスオイルAC
(5)ナフテン系オイル
出光興産社製のダイアナプロセスオイルNPシリーズおよびNSシリーズ
(ポリ(メタ)アクリレート樹脂)
(1)ポリメタアクリレート樹脂
三菱ケミカル社製のアクリペット、クラレ社製のパラペレット。
(2)ポリアクリレート樹脂
楠本化成社製の固形アクリル樹脂ネオクリル、東亜合成社製の無官能アクリル系ポリマーであるアルフォンUP-1000シリーズ。
(3)ポリアクリレート変性樹脂
東亜合成社製の水酸基含有アクリル系ポリマーであるアルフォンUC-2000シリーズ、カルボキシル基含有アクリル系ポリマーであるアルフォンUC-3000シリーズ、エポキシ基含有アクリル系ポリマーであるアルフォンUC-4000シリーズ。綜研化学社製の水酸基含有アクリル系ポリマーであるアクトフロー1000シリーズ、カルボキシル基含有アクリル系ポリマーであるアクトフロー3000シリーズ。
【0024】
また、B成分として、フィラーと反応する重合体を用いることができる。フィラーと反応させることにより、B成分と一体的に、ハードセグメントの存在する領域、いわゆるハードセグメントドメインに、B成分とフィラーCがより存在し易くなり、ハードセグメントドメインにおける制振性能をより向上させることが可能となる。フィラーと反応するB成分の例としては、上記のオキサゾリン基含有反応性ポリスチレンを挙げることができる。オキサゾリン基はフィラーのカルボン酸基、水酸基、チオール基と反応する。また、B成分の別の例としては、エポキシ基やカルボン酸基、水酸基等で変性した重合体を挙げることができる。
【0025】
(C成分)
本発明に用いるC成分は、フィラーであり、芳香族炭化水素、脂肪族環状炭化水素、およびヘテロ芳香族炭化水素からなる群から選択される2個以上の環状構造を有する化合物またはその化合物の金属塩である。ここで、2個以上の環状構造とは、2個以上の単環化合物が直接結合または連結基を介して結合したものや、2個以上の単環が縮合した縮合多環化合物や、架橋環式化合物や、スピロ多環化合物をいう。以下、特に断らない限り、縮合多環化合物、架橋環式化合物、およびスピロ多環化合物を多環化合物という。
【0026】
また、2個以上の環状構造を有する化合物には、低分子のみならず高分子も含まれる。例えば、該高分子が単独重合体の場合、繰り返し単位が2個以上の単環化合物が直接結合または連結基を介して結合した重合体、および繰り返し単位が1個以上の単環化合物と1個の多環化合物とが直接結合または連結基を介して結合した重合体を含む。また、該高分子が共重合体の場合、該共重合体の各成分の繰り返し単位が、1個の単環化合物、2個以上の単環化合物が直接結合または連結基を介して結合した化合物、および1個の多環化合物からなる群から選択されるいずれか1種の化合物を含む。
【0027】
ここで、2個以上の単環化合物を連結する連結基としては、-O-、-S-、-P-、-NH-、-NR-(Rは炭素数1~4のアルキル基)、-Si-、-COO―、―CONH-、-(CH-(nは1~12の整数)、-CH=CH-、および-C≡C-から成る群から選択される1種を用いることができる。なお、-(CH-は、nが2以上の場合、メチレン基の少なくとも1つが-O-、-S-、-P-、-NH-、-NR-(Rは炭素数1~4のアルキル基)、-Si-、-COO―、―CONH-、-CH=CH-、および-C≡C-で置換されてもよい。
【0028】
芳香族炭化水素から選択される2個以上の環状構造を有する化合物としては、単環化合物であるベンゼンが直接結合または連結基を介して結合したものとして、置換基を有してもよい、ビフェニル、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、メチレンビスフェノールを挙げることができる。また、多環化合物としては、置換基を有してもよい、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラフィドロナフタレン、9,10-ジヒドロアントラセン、およびアセトナフタレンを挙げることができる。
【0029】
脂肪族環状炭化水素から選択される2個以上の環状構造を有する化合物としては、単環化合物である、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロプロパン、シクロブタン、イソボルニル、または環内に二重結合を有するシクロヘキセン、シクロペンテン、シクロプロペンおよびシクロブテンが直接結合または連結基を介して結合したものを挙げることができる。また、多環化合物としては、置換基を有してもよい、炭素数5以上のモノシクロ体、ジシクロ体、トリシクロ体、テトラシクロ体、ペンタシクロ体、具体的にはジシクロペンテニル、ノルボルネニル等を挙げることができる。また、脂肪族環状炭化水素は、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、カフェイン、アビエチン酸基、テルピノレン、テルピネン、フェランドレン、α-カロチン、β-カロチン、γ-カロチン等の脂環式テルペン類も含む。これらの成分が主である植物の精油成分から得られるテルペン油や松脂を精製して得られるロジン及びその誘導体も含む。ここで、ロジンの誘導体には、水添ロジンまたはロジンエステル、不均化ロジン等が含まれ、好ましくは水添ロジンまたはロジンエステルである。
【0030】
ヘテロ芳香族炭化水素から選択される2個以上の環状構造を有する化合物としては、単環化合物である、置換基を有してもよい、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、マレイミド、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリンを挙げることができる。また、多環化合物としては、置換基を有してもよい、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾトリアゾール、イソベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、キナゾール、ナフチリジン等を挙げることができる。
【0031】
ここで、2個以上の単環化合物は、同種の単環化合物のみからなる場合に限らず、異種の単環化合物を含んでもよい。また、上記の置換基には、炭素数1から4の直鎖または分岐のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基等を挙げることができる。
【0032】
また、2個以上の環状構造を有する化合物の金属塩としては、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等を挙げることができる。
【0033】
また、2個以上の環状構造を有する高分子またはオリゴマーとしては、以下の例を挙げることができる。繰り返し単位が2個以上の単環化合物が直接結合または連結基を介して結合した単独重合体としては、テルペンフェノール樹脂を挙げることができる。また、共重合体の場合、例えば、クマロン・インデン樹脂を挙げることができる。
【0034】
また、フィラーとして、B成分と反応する低分子または高分子を用いることもできる。B成分と反応させることにより、B成分と一体的に、ハードセグメントの存在する領域、いわゆるハードセグメントドメインに、B成分とC成分がより存在し易くなり、ハードセグメントドメインにおける制振性能をより向上させることが可能となる。B成分と反応するフィラーの例としては、B成分がオキサゾリン基含有反応性ポリスチレンの場合、カルボキシル基、芳香族チオール基、フェノール基またはアルコール基を含有する有機フィラーを挙げることができる。オキサゾリン基はフィラーのカルボキシル基、芳香族チオール基、フェノール基、アルコール基と反応する。カルボキシル基を含むフィラーとしては、4-フェニル安息香酸及びその誘導体、1-ナフトエ酸及びその誘導体、アビエチン酸基を含むロジン及びその誘導体等が挙げられる。芳香族チオール基を含むフィラーとしては、ビフェニル-4-チオール及びその誘導体、2-ナフタレンチオール及びその誘導体等が挙げられる。フェノール基を含むフィラーとしては、ビフェニル-4-オール等が、アルコール基を含むフィラーとしては、4-ヒドロキシメチルビフェニルが挙げられる。また、B成分の別の例としては、エポキシ基や水酸基等の官能基を導入したエポキシ基変性アクリル樹脂や水酸基変性アクリル樹脂を挙げることができる。
【0035】
フィラーとしては、好ましくは、芳香族炭化水素から選択される2個以上の環状構造を有する化合物または高分子である。より好ましくは、置換基を有してもよい、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、メチレンビスフェノールや、ロジン誘導体を挙げることができる。
【0036】
(D成分)
本発明に用いるD成分は、液状のポリエーテルポリオールおよび/またはそのシラン変性物である。本発明では、D成分を配合することで、衝撃吸収率を大きく向上させることができる。ここで、液状とは、常温(25℃)、常圧(大気圧)で、流動性を有することをいう。
【0037】
液状のポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコールを挙げることができる。好ましくは、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコールまたはポリプロピレングリコール、より好ましくはポリプロピレングリコールである。液状のポリエーテルポリオールとしては、例えば、AGC社製のプレミノールを挙げることができる。
【0038】
また、液状のポリエーテルポリオールのシラン変性物としては、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコールの末端に加水分解性シリル基を有するポリエーテルポリマーを挙げることができる。液状のポリエーテルポリオールのシラン変性物としては、例えば、AGC社製のエクセスターやカネカ社製MSポリマー、サイリルを挙げることができる。
【0039】
本発明の樹脂組成物においては、A成分は樹脂組成物全体の1~99重量%、好ましくは5~90重量%、さらに好ましくは10~60重量%である。1重量%より少ないと製膜性が低下し、99重量%より多いと、制振性能が低下するからである。また、B成分は0.5~90重量%、好ましくは1~50重量%、さらに好ましくは10~40重量%である。B成分が0.5重量%より少ないと曇点が高くなり、90重量%より多いとシートが脆くなり好ましくない。また、C成分は0.1~90重量%、好ましくは0.5~50重量%、さらに好ましくは5~40重量%である。C成分が0.1重量%より少ないと後述の衝撃吸収率が減少し、90重量%より多いとシートが脆くなり好ましくない。また、D成分は、0.3~30重量%、好ましくは5~20重量%、さらに好ましくは10~20重量%である。D成分が0.3重量%より少ないと、衝撃吸収率が大きく向上せず、また30重量%よりも多くなるとブリードが発生するので好ましくない。
【0040】
また、本発明の樹脂組成物には、衝撃吸収性を低下させない範囲で、種々の添加剤を配合させてもよい。その添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤等を挙げることができる。
【0041】
(製造方法)
本発明の樹脂組成物は、A成分にB成分とC成分とD成分を、加熱による溶融混合や、溶媒を用いる溶解混合により混合して製造することができる。例えば、C成分をB成分と相溶させるため、あるいはC成分をB成分に分散させるため、B成分とC成分を予め混合し、その混合物にA成分とD成分を混合する方法を用いてもよい。また、その際、B成分とC成分を混合した温度よりも低い温度でA成分とD成分を混合してもよい。B成分とC成分が分離しにくくなるからである。
【0042】
本発明の樹脂組成物は、B成分に相溶するまたはB成分に分散するフィラーとしてC成分を含んでいるので、ハードセグメントの存在する領域、いわゆるハードセグメントドメインに、B成分とC成分が存在して、ハードセグメントドメインにおいても制振性能を発現させることができる。本発明では、D成分を配合することで、さらに、制振性能を向上させることができる。
【0043】
なお、本発明の樹脂組成物は、種々の形状に成形して衝撃吸収材料として用いることができる。例えば、樹脂組成物をホットプレス等により単体でシート状に成形して非拘束型衝撃吸収材料として用いたり、変形しにくい拘束層の間に積層して拘束型衝撃吸収材料として用いることもできる。また、塗料タイプの樹脂組成物として用い、種々の形状の基材に塗布して塗膜を形成し、基材と複合化して用いることもできる。
【実施例0044】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、各成分の使用量を示す部は重量部を示す。
【0045】
(A成分)
(1)メタクリル酸メチル-アクリル酸ブチル-メタクリル酸メチルのトリブロック共重合体
・クラレ社製のクラリティLA4285
(2)スチレン-(エチレン-プロピレン)-スチレンブロック共重合体
・クラレ社製のセプトン2104
【0046】
(B成分)
(1)ポリアクリレート変性樹脂
東亜合成社製のアルフォンUP-1000やアルフォンUP-1080
(2)ナフテン系オイル
出光興産社製のダイアナプロセスオイルNS-100
【0047】
(C成分)
(1)ロジン
・荒川化学工業社製のロジエステルであるパインクリスタルKR-85やKR-120
(2)テルペンフェノール樹脂
ヤスハラケミカル社製のYSポリスターTH130
【0048】
(D成分)
(1)液状のポリエーテルポリオール
・AGC社製のプレミノールS4013F(ポリプロピレングリコール)
・Dow社製のPEG400
(2)液状のポリエーテルポリオールのシラン変性物
・AGC社製のエクセスターS2410
【0049】
実施例1~2および比較例1~4
実施例1~2および比較例1~4のA成分には、A成分の重合体成分Aを構成する重合体がポリメタアクリレートであるものを用いた。実施例1では、D成分に液状のポリエーテルポリオールのシラン変性物であるエクセスターS2410を用い、実施例2では、D成分に液状のポリエーテルポリオールであるPEG400を用いた。なお、比較例1,3は、D成分を配合しておらず、比較例2,4はB成分を配合していない。
【0050】
表1に記載した組成に基づいて各成分を配合し、東洋精機製作所社製ラボプラストミルにて混練し、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を卓上プレス機を用いて成形し、厚さ200μmの試験シートを作製した。ここで、実施例1および比較例1,2は、180℃、50rpmで3分間混練し、さらに200℃、100rpmで3分間混練して樹脂組成物を調製した。また、実施例2および比較例3,4は、180℃、50rpmで3分間混練して樹脂組成物を調製した。なお、実施例1と比較例1,2については、厚さ100μmと350μmの試験シートも作製した。
【0051】
実施例3および比較例5,6
実施例3および比較例5,6のA成分には、A成分の重合体成分Aを構成する重合体がスチレン系樹脂であるものを用いた。なお、比較例5は、D成分を配合しておらず、比較例6はB成分を配合していない。
【0052】
表2に記載した組成に基づいて各成分を配合し、東洋精機製作所社製ラボプラストミルを用いて200℃、100rpmで6分間混練して、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を卓上プレス機を用いて成形し、厚さ200μmの試験シートを作製した。
【0053】
(衝撃吸収性評価)
100×100mm、厚さ30mmのアクリル板上に所定の直径のステンレス球(直径10mm、4.1kg)を100mmの高さから落下させた時の衝撃加速度を測定した。測定は、アクリル板の裏面に加速度センサーを接着剤で貼り付け、スペクトリス社製のハンドヘルドアナライザ2250型で測定した。衝撃吸収性能は、衝撃吸収率(%)で評価した。結果を、表2~4に示す。ここで、衝撃吸収率は、次式で定義され、衝撃伝達率(%)は、シート上に所定の直径のステンレス球を落下させたときの加速度をシート無しのときの加速度で除して算出した。
衝撃吸収率(%)=100(%)-衝撃伝達率(%)
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
(結果)
実施例1,2および比較例1~4は、重合体成分Aを構成する重合体がポリメタアクリレートであるA成分を用いた例である。表1に示すように、実施例1は、D成分を含まない比較例1に比べ、衝撃吸収率が約2.1倍と顕著に向上した。これにより、本発明の樹脂組成物が薄くても優れた制振性能を有することを確認できた。なお、比較例2に示すように、B成分が存在しない場合、D成分を配合しても、実施例1に比べ衝撃吸収率は低い値であった。これより、B成分とD成分をともに含むことで、衝撃吸収率が顕著に向上したものと考えられる。また、実施例2でも、D成分を含まない比較例3に比べ、衝撃吸収率が約3.6倍と顕著に向上した。比較例4に示すように、B成分が存在しない場合、D成分を配合しても、実施例1に比べ衝撃吸収率は低い値であったことから、実施例2の場合も、B成分とD成分をともに含むことで、衝撃吸収率が顕著に向上したものと考えられる。
【0057】
次に、実施例3および比較例5,6は、重合体成分Aを構成する重合体がスチレン系樹脂であるA成分を用いた例である。表2に示すように、実施例3は、D成分を含まない比較例5に比べ、衝撃吸収率が約2.2倍と顕著に向上した。これにより、本発明の樹脂組成物が薄くても優れた制振性能を有することを確認できた。なお、比較例6に示すように、B成分が存在しない場合、D成分を配合しても、実施例3に比べ衝撃吸収率は低い値であった。これより、実施例3の場合も、B成分とD成分をともに含むことで、衝撃吸収率が顕著に向上したものと考えられる。
【0058】
図1は、実施例1と比較例1について、樹脂組成物からなるシートの厚さと衝撃吸収率との関係を示すグラフである。実施例1は、比較例1に比べ、厚さを薄くしても高い衝撃吸収率を有することを確認できた。また、比較例2では、厚さを薄くすると、衝撃吸収率が低下し易くなる傾向があるが、実施例1では、厚さを薄くしても衝撃吸収率が低下しにくい傾向があることがわかった。これより、B成分とD成分をともに含むことで、厚さを薄くしても高い衝撃吸収率を保持できるものと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の衝撃吸収用樹脂組成物は、薄型化しても優れた制振性能を有しているので、デバイス用の衝撃吸収シートのみならず、振動や騒音が問題となる他の用途においても好適に用いることができる。
図1
【手続補正書】
【提出日】2021-09-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス転移点が30℃以上の重合体成分Aとガラス転移点が0℃以下の重合体成分Aとを含むブロック共重合体からなるA成分と、B成分と、C成分と、液状のポリエーテルポリオールおよび/またはそのシラン変性物からなるD成分と、を含んでなり、
(1)A成分を構成する重合体成分A がスチレン系樹脂であり、B成分が芳香族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂の水添物、脂環式炭化水素樹脂もしくはそれらの共重合樹脂であり、および、C成分がロジンもしくはテルペンフェノール樹脂である、または、
(2)A成分を構成する重合体成分A がポリ(メタ)アクリレート樹脂であり、B成
分が分子量1万以下のポリ(メタ)アクリレート樹脂であり、および、C成分がロジンもしくはテルペンフェノール樹脂である、衝撃吸収用樹脂組成物。
【請求項2】
前記A成分の割合が、樹脂組成物全体の160重量%である請求項1記載の樹脂組成物。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス転移点が30℃以上の重合体成分Aとガラス転移点が0℃以下の重合体成分Aとを含むブロック共重合体からなるA成分と、B成分と、C成分と、液状のポリエーテルポリオールおよび/またはそのシラン変性物からなるD成分と、を含んでなり、
(1)A成分を構成する重合体成分Aがスチレン系樹脂であり、B成分(前記重合体成分A がスチレン系樹脂である前記A成分を含まず)が芳香族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂の水添物、脂環式炭化水素樹脂もしくはそれらの共重合樹脂であり、および、C成分がロジンもしくはテルペンフェノール樹脂である、または、
(2)A成分を構成する重合体成分Aがポリ(メタ)アクリレート樹脂であり、B成
(前記重合体成分A がポリ(メタ)アクリレート樹脂である前記A成分を含まず)が分子量1万以下のポリ(メタ)アクリレート樹脂であり、および、C成分がロジンもしくはテルペンフェノール樹脂である、衝撃吸収用樹脂組成物。
【請求項2】
前記A成分の割合が、樹脂組成物全体の10~60重量%である請求項1記載の樹脂組成物。