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特開2022-129105脱硝装置におけるアンモニア気化用熱交換配管構成
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  • 特開-脱硝装置におけるアンモニア気化用熱交換配管構成 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129105
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】脱硝装置におけるアンモニア気化用熱交換配管構成
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/90 20060101AFI20220829BHJP
   B01D 53/86 20060101ALI20220829BHJP
   F23J 15/00 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
B01D53/90 ZAB
B01D53/86 222
F23J15/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021027668
(22)【出願日】2021-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109508
【弁理士】
【氏名又は名称】菊間 忠之
(72)【発明者】
【氏名】飯井 伸也
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 徹
(72)【発明者】
【氏名】原田 友和
(72)【発明者】
【氏名】宇根 秀樹
【テーマコード(参考)】
3K070
4D148
【Fターム(参考)】
3K070DA02
3K070DA14
3K070DA22
3K070DA73
4D148AA06
4D148AB02
4D148AC04
4D148BB02
4D148BB03
4D148BB04
4D148CC22
4D148CC23
4D148CC54
4D148CC61
4D148CD03
(57)【要約】
【課題】新規な脱硝装置を提供する。
【解決手段】脱硝反応器、入口ダクト、空気加熱管、アンモニア気化器、およびアンモニア注入管を有し、脱硝反応器は、燃焼排ガスを流す流路を有し且つその流路内に触媒層が設けられており、入口ダクトは、燃焼排ガスを触媒層に導き流すための流路を有し、空気加熱管は、入口ダクトの流路内に設置されており、空気を空気加熱管の管内に通して、燃焼排ガスの持つ熱エネルギによって空気加熱管の管内を通過する空気を温めることができ、アンモニア気化器は、空気加熱管で温められた空気を輸送するための高温空気輸送管およびアンモニアを輸送するためのアンモニア供給管がアンモニア気化器に接続されていて、アンモニア気化器の内でアンモニアと温められた空気を混ぜ合わせてアンモニアを気化させることができ、アンモニア気化器で気化されたアンモニアをアンモニア注入管を通して入口ダクトの流路内に注入し燃焼排ガスに混ぜ合わせることができる、
脱硝装置。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱硝反応器、入口ダクト、空気加熱管、アンモニア気化器、およびアンモニア注入管を有し、
脱硝反応器は、燃焼排ガスを流す流路を有し且つその流路内に触媒層が設けられており、
入口ダクトは、燃焼排ガスを触媒層に導き流すための流路を有し、
空気加熱管は、入口ダクトの流路内に設置されており、空気を空気加熱管の管内に通すことができ、燃焼排ガスの持つ熱エネルギによって空気加熱管の管内を通過する空気を温めることができ、
アンモニア気化器は、アンモニア気化器の内で、空気加熱管で温められた空気とアンモニアとを混ぜ合わせてアンモニアを気化させることができ、
アンモニア気化器で気化されたアンモニアをアンモニア注入管を通して入口ダクトの流路内に注入し燃焼排ガスに混ぜ合わせることができる、
脱硝装置。
【請求項2】
空気加熱管は、空気加熱管の長手方向が相互に平行に且つ入口ダクトの流路の長手方向に対して直交するように配置されている、請求項1に記載の脱硝装置。
【請求項3】
燃焼排ガスを触媒層に導き流すための流路を有する入口ダクトと、燃焼排ガスを流す流路を有し且つその流路内に触媒層が設けられている脱硝反応器とを有する、脱硝装置に用いるための、アンモニア供給装置であって、
空気加熱管、アンモニア気化器およびアンモニア注入管を有し、
空気加熱管は、空気を空気加熱管の管内に通すことができ、入口ダクトの流路内に設置して燃焼排ガスの持つ熱エネルギによって空気加熱管の管内を通過する空気を温めることができ、
アンモニア気化器は、アンモニア気化器の内、空気加熱管で温められた空気とアンモニアとを混ぜ合わせてアンモニアを気化させることができ、
アンモニア気化器で気化されたアンモニアをアンモニア注入管を通して入口ダクトの流路内に注入し燃焼排ガスに混ぜ合わせることができる、
アンモニア供給装置。
【請求項4】
空気加熱管は、空気加熱管の長手方向が相互に平行に且つ入口ダクトの流路の長手方向に対して直交するように配置される、請求項3に記載のアンモニア供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱硝装置におけるアンモニア気化用熱交換配管構成に関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼排ガスに含まれる窒素酸化物の除去に用いられるアンモニアなどの還元剤の供給装置が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、燃焼装置から排出される燃焼排ガス中に含まれる窒素酸化物を無害な窒素と水に還元する脱硝装置用のアンモニア注入装置において、アンモニア源としてアンモニア水を使用し、そのアンモニア水の蒸発を行わせるための熱源としてヒータにより加熱される加熱空気系熱源と燃焼装置からの排ガス系熱源を用いることができ、燃焼装置運転中に前記熱源を加熱空気系から燃焼排ガス系へ、またはその反対に燃焼排ガス系から加熱空気系へと切り替えられようにしたことを特徴とする脱硝装置用アンモニア注入装置を開示している。
【0004】
特許文献2は、排煙中に含まれる窒素酸化物をアンモニア又はその前駆物質を還元剤として脱硝触媒と接触させて脱硝する装置において、煙道内の排ガスを前記アンモニア又はその前駆物質注入装置の上流域から一部取り出す抽気管と、同抽気管により取り出された排ガス中にアンモニア又はその前駆物質を噴霧し蒸発させる気化器と、同気化器内で気化された前記アンモニア又はその前駆物質を前記脱硝触媒の上流煙道に噴射するノズルとを具備している事を特徴とする排煙脱硝装置を開示している(図7参照)。
【0005】
特許文献3は、ボイラ排ガス煙道に空気予熱器を設け、同ボイラに供給する空気を同排ガスで昇温するボイラ発電プラントに適用される脱硝装置に脱硝用還元剤を注入する装置と、還元剤水溶液を加熱源により蒸発させ、前記注入装置に供給する装置とよりなる脱硝装置用還元剤注入装置において、前記還元剤としてアンモニア水を使用すると共に前記加熱源として前記空気予熱器出口の熱空気を使用したことを特徴とする脱硝装置用還元剤注入装置を開示している(図6参照)。
【0006】
特許文献4は、空気などの熱媒体を混合してアンモニア水を気化させる気化器と、排ガス煙道に設けた触媒層の前流に設置されたアンモニア注入手段と、前記気化器で発生したアンモニアを該アンモニア注入手段に供給する連絡管とを備えた排煙脱硝装置用アンモニア水気化装置において、前記気化器を排ガス煙道内の前記アンモニア注入手段の前流に設置し、かつ排ガス沿道内の気化器の前流に熱交換器を設置して該熱交換器で温められた熱媒体を該気化器に供給し、さらに前記連絡管を排ガス煙道内で前記アンモニア注入管に連結したことを特徴とする排煙脱硝装置用アンモニア水気化装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5-49856号公報
【特許文献2】特開平7-16431号公報
【特許文献3】特開平9-38466号公報
【特許文献4】特開2004-261762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、新規な脱硝装置および新規なアンモニア供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は以下の態様を包含する。
【0010】
〔1〕 脱硝反応器、入口ダクト、空気加熱管、アンモニア気化器、およびアンモニア注入管を有し、
脱硝反応器は、燃焼排ガスを流す流路を有し且つその流路内に触媒層が設けられており、
入口ダクトは、燃焼排ガスを触媒層に導き流すための流路を有し、
空気加熱管は、入口ダクトの流路内に設置されており、空気を空気加熱管の管内に通すことができ、燃焼排ガスの持つ熱エネルギによって空気加熱管の管内を通過する空気を温めることができ、
アンモニア気化器は、アンモニア気化器の内で、空気加熱管で温められた空気とアンモニアとを混ぜ合わせてアンモニアを気化させることができ、
アンモニア気化器で気化されたアンモニアをアンモニア注入管を通して入口ダクトの流路内に注入し燃焼排ガスに混ぜ合わせることができる、
脱硝装置。
【0011】
〔2〕 空気加熱管は、空気加熱管の長手方向が相互に平行に且つ入口ダクトの流路の長手方向に対して直交するように配置される、〔1〕に記載の脱硝装置。
【0012】
〔3〕 燃焼排ガスを触媒層に導き流すための流路を有する入口ダクトと、燃焼排ガスを流す流路を有し且つその流路内に触媒層が設けられている脱硝反応器とを有する、脱硝装置に用いるための、アンモニア供給装置であって、
空気加熱管、アンモニア気化器およびアンモニア注入管を有し、
空気加熱管は、空気を空気加熱管の管内に通すことができ、入口ダクトの流路内に設置して燃焼排ガスの持つ熱エネルギによって空気加熱管の管内を通過する空気を温めることができ、
アンモニア気化器は、アンモニア気化器の内、空気加熱管で温められた空気とアンモニアとを混ぜ合わせてアンモニアを気化させることができ、
アンモニア気化器で気化されたアンモニアをアンモニア注入管を通して入口ダクトの流路内に注入し燃焼排ガスに混ぜ合わせることができる、
アンモニア供給装置。
【0013】
〔4〕 空気加熱管は、空気加熱管の長手方向が相互に平行に且つ入口ダクトの流路の長手方向に対して直交するように配置される、〔3〕に記載のアンモニア供給装置。
【発明の効果】
【0014】
本発明の脱硝装置は、燃焼排ガスとアンモニアとを均一に混合でき、且つ触媒層に導入される燃焼排ガスの流れに偏りが生じ難いので、アンモニア消費量に対する脱硝反応率をより高くすることができる。本発明の脱硝装置は、触媒層の閉塞および触媒層の偏摩耗が生じ難く、硫安生成による機器トラブルも抑制でき、長期間の安定した運用が可能である。
本発明のアンモニア供給装置は、アンモニア(液体)を効率的に気化させることができ、気化させたアンモニアを燃焼排ガスに均一に混合でき、且つ触媒層に導入される燃焼排ガスの流れを均一にすることができる。その結果、脱硝反応におけるアンモニアの化学量論比をはるかに超える過剰な量のアンモニアを注入する必要がなくなり、ランニングコストを低減できる。
本発明においては、ボイラで生成させた水蒸気若しくは発電した電気を空気予加熱器において使用しないので、発電のエネルギ効率を低下させない。また、燃焼排ガスをアンモニア気化器に供給しないので、アンモニア気化器の摩耗を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る脱硝装置の一例を示す概略図である。
図2図1に示すアンモニア供給装置の側面から見たときの概略図である。
図3図1に示すアンモニア供給装置の上面から見たときの概略図である。
図4図1に示すアンモニア供給装置を構成する空気加熱管の配置を示す斜視概略図である。
図5】切妻構造のバッフルを設置した空気加熱管を示す概略図である。
図6】従来技術の脱硝装置(ヒータ加熱空気とアンモニアとの混合)の一例を示す概略図である。
図7】従来技術の脱硝装置(燃焼排ガスとアンモニアとの混合)の別の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。なお、以下の実施形態によって本発明の範囲は制限されない。
【0017】
図1は、本発明に係る脱硝装置の一例を示す図である。この脱硝装置は、脱硝反応器1、入口ダクト、および本発明のアンモニア供給装置を有するものである。
本発明のアンモニア供給装置は、空気加熱管3、アンモニア気化器4およびアンモニア注入管5を有するものである。
【0018】
脱硝反応器1は、燃焼排ガスを流す流路を有し且つその流路内に触媒層6が設けられている。脱硝反応器の流路は、その断面形状が、矩形、台形、円形、楕円形などであることができる。これらのうち、矩形が好ましい。脱硝反応器の流路は、ガスを、任意の方向(例えば、水平方向、上向き、下向きなど)に、導くことができる。図1に示す脱硝装置においては、ガスを垂直下向きに導く流路26を具備している。触媒層には、脱硝触媒が充填されている。脱硝触媒としては、板状、ハニカム状、コルゲート状などの形態のものを用いることができる。触媒活性成分は、脱硝反応を促進させるものであれば特に限定されない。脱硝反応器の入口には、ガス流れを整えるなどのために、スクリーンプレート7を設けることができる。
【0019】
入口ダクトは、燃焼排ガスを触媒層に導き流すための流路を有する。燃焼排ガスはボイラやガスタービンなどにおいて、化石燃料、バイオマス燃料、液化ガス燃料、アンモニア燃料などの燃料を燃焼させたときに排出されるガスである。本発明は、石炭燃料を燃焼させたときに排出されるガスに好適である。入口ダクトの流路は、その断面形状が、矩形、台形、円形、楕円形などであることができる。これらのうち、矩形が好ましい。入口ダクトの流路は、ガスを、垂直上向きに、垂直下向きに、水平方向に、斜め上向きにまたは斜め下向きに、導くことができる。図1に示す脱硝装置においては、第一水平流路21、斜め上向き流路22、垂直上向き流路23、第二水平流路24、および斜め下向き流路25を具備し、斜め下向き流路25の出口端が、脱硝反応器の垂直下向き流路26の入口端に繋がっている。図1に示す脱硝装置においては、斜め上向き流路22に、燃焼排ガスに同伴する灰を取り除くための灰ホッパー27が設けられている。
【0020】
空気加熱管3は、入口ダクトの流路内に設置されている。空気加熱管は、空気加熱管の管内に空気を通すことができ、燃焼排ガスの持つ熱エネルギによって空気加熱管の管内を通過する空気を温めることができる。温められた空気の温度は、アンモニア気化器において、アンモニア(液体)を気化させることができる範囲であれば、特に限定されない。なお、アンモニア(液体)としては、例えば、アンモニア水溶液(アンモニア水)、若しくは液安(液化アンモニア)を用いることができる。
【0021】
空気加熱管は、燃焼排ガスの流れの乱れを整えるように設置されていることが好ましい。燃焼排ガスの流れを整流すると、アンモニア注入管を通して注入されるアンモニア(気体)が燃焼排ガスに均一に混ざるようになる。また、触媒層に燃焼排ガスおよびアンモニア(気体)が偏りなく流れるようになり、それによって脱硝効率が高まりまたは触媒層の偏劣化や偏摩耗を抑制できる。
【0022】
燃焼排ガスの流れの乱れを整えるために、空気加熱管は、例えば、空気加熱管の長手方向が相互に平行に且つ入口ダクトの流路の長手方向に対して直交するように配置することが好ましい。
【0023】
図4は、空気加熱管の配置の一例を示すものである。低温空気が、低温空気輸送管31を通して空気加熱管3に分配され、入口ダクトの流路内に在る空気加熱管を通過する間に燃焼排ガスによって温められる。温められた空気(高温空気)は、高温空気輸送管32に集められ、アンモニア気化器4に供給することができる。低温空気は、大気そのままであってもよいし、大気などを予加熱してなる空気であってもよい。
【0024】
図4に示す空気加熱管は、これに限定されるわけではないが、縦8本×横7本で、計56本が、空気加熱管の長手方向が相互に平行に矩形格子配列に、且つ入口ダクトの流路の長手方向に対して直交するように、配置されている。なお、図4に示す態様は、空気加熱管を矩形格子配列(図2)にて配置しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、正方格子配列、斜方格子配列、六角格子配列、または歪斜格子配列にて配置してもよい。
【0025】
さらに、空気加熱管を入口ダクト内に支持(または吊持)するために、梁(beam、図示せず)を、空気加熱管の長手方向に対して直交するように、設けることができる。空気加熱管と梁とによって格子状の骨組みを成すことができる。空気加熱管の振動を抑えるなどのために、隣り合う空気加熱管どうしを線材や棒材にて連結して固定することもできる。
【0026】
燃焼排ガスは、空気加熱管の長手方向に対して略直角方向に、流すことができる。燃焼排ガスの流れる方向が空気加熱管(および梁)によって急激に変更されるので燃焼排ガスに同伴する灰が振り落され、斜め上向き流路22に在る灰ホッパー27に捕集される。また、最上流(図中、最下段)の空気加熱管には、図5に示すような、切妻構造のバッフル板33(空気加熱管の稜線に沿って切妻状に広がったもの)を設けることが、灰による空気加熱管の摩耗を低減するために、好ましい。
【0027】
アンモニア気化器4は、空気加熱管で温められた空気を輸送するための高温空気輸送管32およびアンモニア(液体)を輸送するためのアンモニア輸送管42がアンモニア気化器に接続されていて、アンモニア気化器の内でアンモニア(液体)と空気加熱管で温められた空気とを混ぜ合わせてアンモニア(液体)を気化させることができる。アンモニア(液体)は気化を促すために気化器内で噴霧することが好ましい。
【0028】
アンモニア気化器4には、空気予加熱器43をさらに具備することができる。ボイラの始動期などのように燃焼排ガスが空気を温めるのに十分なエネルギを持っていないとき、または空気加熱管において、例えば、閉塞などのトラブルが発生し、空気を空気加熱管で温めることができなくなったときに、空気予加熱器43によって空気を温めることができる。空気加熱管に空気を温める機能が失われてエネルギ効率が多少低下しても、燃焼排ガスの流れを整える機能および灰を振るい落とす機能は失われないので、アンモニア(気体)を燃焼排ガスに均一に注入すること、触媒層の偏摩耗などを防ぐこと、脱硝効率を高めることなどの効果は失われない。空気予加熱器43と空気加熱管3とを適宜切り替えて使用することによって、ボイラで発生した熱エネルギの利用効率を最適化することが可能である。
【0029】
そして、アンモニア気化器で気化されたアンモニアを入口ダクトの流路内にアンモニア注入管5を通して注入し燃焼排ガスに混ぜ合わせることができる。入口ダクトの流路内におけるアンモニア注入管にはアンモニア(気体)を噴射するための孔(例えばノズル)が設置されている。アンモニア(気体)を噴射するための孔は、一つだけ設置するだけでもよいが、二つ以上設置することが好ましい。二つ以上の噴射孔は、入口ダクトの流路の断面に亘って、均等に、好ましくは同じ高さレベルに、なるように設置することが好ましい。ノズルの配置は、矩形格子配列、正方格子配列、斜方格子配列、六角格子配列、または歪斜格子配列であることができる。
【0030】
本発明の脱硝装置およびアンモニア供給装置は、本発明の主旨に反しない範囲で、構造、形状、配置などを変更することができ、また、従来技術において使用されていた部材、機構などを追加することもできる。このような変更もしくは追加をした態様は本発明の技術的範囲に属するものであることが理解できる。
【符号の説明】
【0031】
1: 脱硝反応器
3: 空気加熱管
4: アンモニア気化器
5: アンモニア注入管
6: 触媒層
7: スクリーンプレート
21: 第一水平流路
22: 斜め上向き流路
23: 垂直上向き流路
24: 第二水平流路
25: 斜め下向き流路
26: 垂直下向き流路
27: 灰ホッパー
31: 低温空気輸送管
32: 高温空気輸送管
33: バッフル板
42: アンモニア輸送管
43: 空気予加熱器
44: 燃焼排ガス輸送管
G: 燃焼排ガス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7