(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129144
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】ワイヤレスインターホン機器
(51)【国際特許分類】
H04M 1/02 20060101AFI20220829BHJP
H04M 1/04 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
H04M1/02 G
H04M1/04 A
H04M1/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021027723
(22)【出願日】2021-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】大森 幹也
(72)【発明者】
【氏名】中尾 幸伸
(72)【発明者】
【氏名】石川 琢朗
【テーマコード(参考)】
5K023
【Fターム(参考)】
5K023AA05
5K023AA08
5K023CC01
5K023KK04
5K023LL06
5K023MM27
5K023PP12
(57)【要約】
【課題】充電台に載置された状態にある親機本体が安定しており、不用意に充電台から脱落してしまうおそれの低いワイヤレスインターホン機器を提供する。
【解決手段】充電台3に設けられた充電凹部25の前面が、上方へ向かって前側に傾斜する傾斜面とされ、親機本体2を上記後傾姿勢で充電凹部25に保持させた際、親機本体2の本体ケースの前面部11と充電凹部25の前面との間に、上方へ向かって徐々に広くなる隙間が形成されるようになっている。また、充電凹部25の前側の左右両隅部であって、充電台3に保持されている後傾姿勢で親機本体2の本体ケースとは離隔している箇所に、それぞれの隅部を面取りするC面部26が設けられている。そして、後傾姿勢にある親機本体2が前側へ傾くと、親機本体2の本体ケースの前面部11の左右両縁と充電凹部25のC面部26、26とが干渉するようなっている。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面部、及び前記前面部の左右両側縁を繋ぐように後方へ膨出する周面部とを有する本体ケースを備えた機器本体と、前記機器本体を後側へ傾けた第1の姿勢で、前記機器本体の下部を保持可能な凹部を有しているとともに、前記凹部で保持している前記機器本体を充電可能な充電台とを備えてなるワイヤレスインターホン機器であって、
前記凹部の前面が、鉛直方向へ延びる平面若しくは上方へ向かって前側に傾斜する傾斜面とされ、前記機器本体を前記第1の姿勢で前記凹部に保持させた際、前記本体ケースの前記前面部と前記凹部の前面との間に、上方へ向かって徐々に広くなる隙間が形成されるようになっているとともに、
前記凹部の前側の左右両隅部であって、前記第1の姿勢で保持されている前記機器本体の本体ケースとは離隔している箇所に、それぞれの隅部を面取りするC面部が設けられており、
前記第1の姿勢で保持されている前記機器本体が、鉛直に起立する若しくは前側へ傾く第2の姿勢になると、前記本体ケースの前記前面部の左右両縁と前記凹部の前記C面部とが干渉するようにしたことを特徴とするインターホン機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば居室内に設置されるワイヤレスタイプのインターホン親機等のワイヤレスインターホン機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ワイヤレスインターホン機器としては、たとえば居室内に設置される充電台と、充電台に載置することで充電可能なワイヤレスタイプの親機本体とからなるインターホン親機がある(たとえば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のワイヤレスインターホン機器には、充電台に載置されている親機本体が不用意に充電台から脱落するおそれがあるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、充電台に載置された状態にある親機本体が安定しており、不用意に充電台から脱落してしまうおそれの低いワイヤレスインターホン機器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、前面部、及び前面部の左右両側縁を繋ぐように後方へ膨出する周面部とを有する本体ケースを備えた機器本体と、機器本体を後側へ傾けた第1の姿勢で、機器本体の下部を保持可能な凹部を有しているとともに、凹部で保持している機器本体を充電可能な充電台とを備えてなるワイヤレスインターホン機器であって、凹部の前面が、鉛直方向へ延びる平面若しくは上方へ向かって前側に傾斜する傾斜面とされ、機器本体を第1の姿勢で凹部に保持させた際、本体ケースの前面部と凹部の前面との間に、上方へ向かって徐々に広くなる隙間が形成されるようになっているとともに、凹部の前側の左右両隅部であって、第1の姿勢で保持されている機器本体の本体ケースとは離隔している箇所に、それぞれの隅部を面取りするC面部が設けられており、第1の姿勢で保持されている機器本体が、鉛直に起立する若しくは前側へ傾く第2の姿勢になると、本体ケースの前面部の左右両縁と凹部のC面部とが干渉するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、凹部の前面が、鉛直方向へ延びる平面若しくは上方へ向かって前側に傾斜する傾斜面とされ、機器本体を第1の姿勢で凹部に保持させた際、本体ケースの前面部と凹部の前面との間に、上方へ向かって徐々に広くなる隙間が形成されるようになっているとともに、凹部の前側の左右両隅部であって、第1の姿勢で保持されている機器本体の本体ケースとは離隔している箇所に、それぞれの隅部を面取りするC面部が設けられており、第1の姿勢で保持されている機器本体が、鉛直に起立する若しくは前側へ傾く第2の姿勢になると、本体ケースの前面部の左右両縁と凹部のC面部とが干渉するようなっている。したがって、一般的に機器本体は前側へ傾倒するような格好で充電台から脱落することになるが、その際、本体ケースの前面部の左右両縁と凹部のC面部とが干渉して、機器本体が第2の姿勢を超えて前側へ傾倒する事態が防止され、結果として機器本体が充電台から脱落してしまう事態が効果的に防止される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】インターホン親機の前側から示した斜視説明図である。
【
図3】親機本体の前面側を下方から示した斜視説明図である。
【
図4】充電台に親機本体が後傾姿勢で保持されている状態にあるインターホン親機を示した説明図である。
【
図5】
図4の状態にあるインターホン親機のC面部の位置での水平断面を示した説明図である。
【
図6】
図5中のA部を拡大して示した説明図である。
【
図7】充電台において親機本体が前傾姿勢になった状態にあるインターホン親機を示した説明図である。
【
図8】
図7の状態にあるインターホン親機のC面部の位置での水平断面を示した説明図である。
【
図9】
図8中のB部を拡大して示した説明図である。
【
図10】前ケースを前側から示した斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態となるワイヤレスタイプのインターホン親機について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0010】
図1は、インターホン親機1の前側から示した斜視説明図である。
図2は、充電台3を後側から示した斜視説明図である。
図3は、親機本体2の前面側を下方から示した斜視説明図である。
図4は、充電台3に親機本体2が後傾姿勢で保持されている状態にあるインターホン親機1を示した説明図である。
図5は、
図4の状態にあるインターホン親機1のC面部26、26位置での水平断面を示した説明図である。
図6は、
図5中のA部を拡大して示した説明図である。
図7は、充電台3において親機本体2が前傾姿勢になった状態にあるインターホン親機1を示した説明図である。
図8は、
図7の状態にあるインターホン親機1のC面部26、26位置での水平断面を示した説明図である。
図9は、
図8中のB部を拡大して示した説明図である。
図10は、前ケース4を前側から示した斜視説明図である。
【0011】
インターホン親機1は、親機本体2と、親機本体2を保持した状態で充電するための充電台3とからなり、親機本体2は、前側に配置される前ケース4、及び前ケース4の後側に組み付けられる後ケース5で構成され、略方体箱状に形成された本体ケースを備えている。そして、該本体ケースの前面上部には、時刻やインターホン子機(図示せず)との間での通話状態等を表示する表示部6が設けられている。また、親機本体2の本体ケースの前面下部には、インターホン子機からの呼び出しに対して応答する際に操作する応答ボタン7、及びインターホン子機との間で通話するためのマイク部8が設けられている。さらに、表示部6と応答ボタン7との間となる箇所には、押し込み操作可能な3つの設定ボタン10、10・・が左右方向に並設されている。そして、このようなインターホン親機1は、居室内に設置されており、インターホン子機からの呼び出しに応じて応答ボタン7が操作されると、インターホン子機との間での通話を可能な状態となる。なお、親機本体2には、インターホン子機との間で通話するための図示しないスピーカ部も設けられている。なお、9は、表示部6を構成する透明パネルである。
【0012】
ここで、本発明の要部となる充電台3における親機本体2の保持構造について詳細に説明する。
充電台3は、親機本体2が載置される上板21と、上板21の前縁から下方へ延びる前板22と、上板21の左右両側縁から下方へ延びる側板23、23と、上板21の後縁から下方へ延びる後板24とを一体的に備えてなる。そして、上板21の前寄りとなる箇所には、親機本体2の下部を保持した状態で充電するための充電凹部25が設けられている。充電凹部25の底面は、後方へ向かって下降する傾斜面となっている一方、充電凹部25の左右両側面は略垂直に起立する平面とされ、充電凹部25の後面は上方へ向かって後側に傾斜する傾斜面とされている。そして、充電凹部25には、親機本体2を後方に傾斜させた姿勢(第1の姿勢)で差し込み可能となっており、親機本体2の下部を差し込んだ際、充電凹部25の底面、背面、及び左右両側面が親機本体2の本体ケースの底面、背面、及び左右両側面に当接して、親機本体2を充電且つ保持するようになっている(
図4)。
【0013】
また、充電凹部25の前面は、上方へ向かって僅かに前側に傾斜する傾斜面とされている。したがって、充電凹部25は、その底面において親機本体2の本体ケースの底面と略同じ大きさとなっているものの、上方へ向かうにしたがって徐々に親機本体2の本体ケースよりも大きくなり、
図4に示すように特に親機本体2の本体ケースの前面との間に徐々に広くなる隙間が形成されるようになっている。そして、充電凹部25の前側の左右両隅部には、それぞれの隅部を面取りするC面部26が設けられている(すなわち、各隅部では、平面とされているC面部26の表面が充電凹部25内側へ僅かに張り出している)。なお、親機本体2が上記後傾姿勢で充電凹部25に保持されていると、親機本体2の本体ケースとC面部26、26とは離隔している(
図5、
図6)。
【0014】
一方、親機本体2の本体ケースの前面側を構成する前ケース4は、正面視略矩形のフレーム体であり、本体ケースの前面を構成する前面部11、前面部11の左右両側端から後方へ延設されて、本体ケースの側面の一部を構成する側面部12、12、前面部11の上端から後方へ延設されて、本体ケースの上面の一部を構成する上面部13、及び前面部11の下端から後方へ延設されて、本体ケースの底面の一部を構成する底面部14を一体的に備えてなる。なお、50は、応答ボタン7等を露出させるための窓である。
【0015】
そして、上述したような親機本体2は、充電台3に上記後傾姿勢で保持されている状態から前側へ傾倒するような格好で充電台3から脱落する。しかしながら、充電台3の充電凹部25にはC面部26、26が設けられているため、親機本体2が
図7に示すような前傾姿勢(第2の姿勢)をとった際、親機本体2の本体ケースの左右両縁がC面部26、26に干渉し(
図8、
図9)、親機本体2が第2の姿勢を超えて前側へ傾倒する事態が防止され、ひいては親機本体2の充電台3からの脱落が防止されるようになっている。
【0016】
以上のような構成を有するインターホン親機1によれば、充電台3に設けられた充電凹部25の前面が、上方へ向かって前側に傾斜する傾斜面とされ、親機本体2を上記後傾姿勢で充電凹部25に保持させた際、親機本体2の本体ケースの前面部11と充電凹部25の前面との間に、上方へ向かって徐々に広くなる隙間が形成されるようになっている。また、充電凹部25の前側の左右両隅部であって、充電台3に保持されている後傾姿勢で親機本体2の本体ケースとは離隔している箇所に、それぞれの隅部を面取りするC面部26が設けられている。そして、後傾姿勢にある親機本体2が前側へ傾くと、親機本体2の本体ケースの前面部11の左右両縁と充電凹部25のC面部26、26とが干渉するようなっている。したがって、一般的に親機本体2は前側へ傾倒するような格好で充電台3から脱落することになるが、その際に、親機本体2の本体ケースの前面部11の左右両縁と充電凹部25のC面部26、26とが干渉して、親機本体が所定の前傾姿勢を超えて前側へ傾倒する事態が防止され、結果として親機本体2が充電台3から脱落してしまう事態が効果的に防止される。
【0017】
なお、本発明に係るワイヤレスインターホン機器は、ワイヤレスインターホン機器の全体的な構成は勿論、機器本体や充電台に係る構成等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更することができる。
【0018】
たとえば、上記実施形態では、親機本体の本体ケースを略方体箱状に形成しているが、側面及び後面が一連に湾曲しているような周面を有する本体ケースとしてもよく、前面部と、前面部の左右両側縁を繋ぐように後方へ膨出する周面部とを有していれば、本体ケースの形状については適宜設計変更可能である。
【0019】
また、上記実施形態では、凹部の前面を上方へ向かって前側へ傾斜する傾斜面としているが、凹部の前面を鉛直方向に延びる平面としてもよいし、本体ケースの前面部の左右両縁と凹部のC面部とが干渉する第2の姿勢が、上述したような前傾姿勢ではなく、鉛直方向に起立する姿勢であっても何ら問題はない。
さらに、上記実施形態ではインターホン親機について説明しているが、本発明は、機器本体と、該機器本体を保持且つ充電する充電台とを備えてさえいれば、たとえば電話機能を有するインターホン機器等の他のワイヤレスインターホン機器に対しても好適に採用することができる。
【符号の説明】
【0020】
1・・インターホン親機(ワイヤレスインターホン機器)、2・・親機本体、3・・充電台、4・・前ケース(本体ケース)、5・・後ケース(本体ケース)、11・・前面部、12・・側面部(周面部)、25・・充電凹部(凹部)、26・・C面部。