(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129177
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】運転支援方法及び運転支援装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20220829BHJP
【FI】
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021027778
(22)【出願日】2021-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】南里 卓也
(72)【発明者】
【氏名】田中 慎也
(72)【発明者】
【氏名】山口 翔太郎
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC27
5H181FF04
5H181LL04
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】右折専用レーンや左折専用レーン等の専用車線の有無にかかわらず、交差点における他車両の進路を判定する。
【解決手段】運転支援方法では、車線3の位置及び形状の情報である車線情報を含んだ地図の地図情報を取得し(S4)、自車両1の周囲の他車両2の地図上の位置を検出し(S10)、他車両2の進行方向の前方の所定距離内に交差点が存在するか否かを判定し(S11)、他車両2が走行する車線の右側及び左側の車線端(4、5)のうち、車線幅方向の他車両2の位置に近いいずれか一方の車線端を判定し(S13)、他車両2の右方向及び左方向のうちいずれか一方の車線端から遠ざかる方向である第1方向へ、交差点で旋回する場合の他車両の旋回経路である第1旋回経路6を、地図情報に基づいて推定し(S15)、第1旋回経路6の曲率半径に基づいて他車両の進路を判定する(S17~S19)。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車線の位置及び形状の情報である車線情報を含んだ地図の地図情報を取得し、
自車両の周囲の他車両の前記地図上の位置を検出し、
前記他車両の進行方向の前方の所定距離内に交差点が存在するか否かを判定し、
前記他車両が走行する車線の右側及び左側の車線端のうち、車線幅方向の前記他車両の位置に近いいずれか一方の車線端を判定し、
前記他車両の右方向及び左方向のうち前記いずれか一方の車線端から遠ざかる方向である第1方向へ、前記交差点で旋回する場合の前記他車両の旋回経路である第1旋回経路を、前記地図情報に基づいて推定し、
前記第1旋回経路の曲率半径に基づいて前記他車両の進路を判定する、
運転支援方法。
【請求項2】
前記第1旋回経路の曲率半径が第1所定値以上である場合、前記他車両が前記第1方向と反対方向である第2方向へ旋回すると判定することを特徴とする請求項1に記載の運転支援方法。
【請求項3】
前記他車両の右方向及び左方向のうち前記第1方向と反対方向である第2方向へ、前記交差点で旋回する場合の前記他車両の旋回経路である第2旋回経路を、前記地図情報に基づいて推定し、
前記第1旋回経路の曲率半径と前記第2旋回経路の曲率半径とに基づいて前記他車両の進路を判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の運転支援方法。
【請求項4】
前記第2旋回経路の曲率半径が第2所定値未満である場合、前記他車両が前記第2方向に旋回しないと判定し、
前記第2旋回経路の曲率半径が前記第2所定値以上であって、かつ前記第1旋回経路の曲率半径が第1所定値以上である場合には、前記他車両が前記第2方向に旋回すると判定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の運転支援方法。
【請求項5】
前記第1旋回経路の曲率半径が第1所定値未満であって、かつ前記第2旋回経路の曲率半径が第2所定値未満である場合には、前記他車両が前記第1方向に旋回すると判定することを特徴とする請求項3又は4に記載の運転支援方法。
【請求項6】
前記他車両が減速している場合には、前記他車両が旋回すると判定する尤度を高めることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の運転支援方法。
【請求項7】
前記他車両の姿勢のヨー角変化が所定値よりも大きい場合に、前記他車両が旋回すると判定する尤度を高めることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の運転支援方法。
【請求項8】
前記他車両が前記交差点で旋回する経路上に障害物が存在する場合には、前記障害物を回避するように前記旋回経路を推定することを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の運転支援方法。
【請求項9】
前記障害物が移動可能な静止物体である場合に、移動した場合の前記障害物を回避するように前記旋回経路を推定することを特徴とする請求項8に記載の運転支援方法。
【請求項10】
車線の位置及び形状の情報である車線情報を含んだ地図の地図情報を記憶する記憶装置又は前記地図情報を受信する通信装置の少なくとも一方と、
自車両の周囲の物体の位置を検出するセンサと、
自車両の周囲の他車両の前記地図上の位置を検出し、前記他車両の進行方向の前方の所定距離内に交差点が存在するか否かを判定し、前記他車両が走行する車線の右側及び左側の車線端のうち、車線幅方向の前記他車両の位置に近いいずれか一方の車線端を判定し、前記他車両の右方向及び左方向のうち前記いずれか一方の車線端から遠ざかる方向である第1方向へ、前記交差点で旋回する場合の前記他車両の旋回経路である第1旋回経路を、前記地図情報に基づいて推定し、前記第1旋回経路の曲率半径に基づいて前記他車両の進路を判定するコントローラと、
を備えることを特徴とする運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援方法及び運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、道路データから取得したレーン情報と画像認識手段によるレーン情報に基づいて、交差点における進行方向の次道路を予測する次道路予測装置が記載されている。次道路予測装置は、運転者による交差点における進行方向の次道路の選択を認識し学習する学習処理手段を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、右折専用レーンや左折専用レーン等の専用車線の情報に基づいて車両の次道路を予測している。この場合には専用車線のない交差点では次道路を予測できない。
本発明は、専用車線の有無にかかわらず交差点における他車両の進路を判定可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様による運転支援方法では、車線の位置及び形状の情報である車線情報を含んだ地図の地図情報を取得し、自車両の周囲の他車両の地図上の位置を検出し、他車両の進行方向の前方の所定距離内に交差点が存在するか否かを判定し、他車両が走行する車線の右側及び左側の車線端のうち、車線幅方向の他車両の位置に近いいずれか一方の車線端を判定し、他車両の右方向及び左方向のうちいずれか一方の車線端から遠ざかる方向である第1方向へ、交差点で旋回する場合の他車両の旋回経路である第1旋回経路を、地図情報に基づいて推定し、第1旋回経路の曲率半径に基づいて他車両の進路を判定する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、専用車線の有無にかかわらず交差点における他車両の進路を判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】実施形態の運転支援装置の概略構成図である。
【
図1B】実施形態における他車両の進路予測の一例の説明図である。
【
図2】実施形態における運転支援装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3A】第1旋回経路の曲率半径の算出方法の説明図(その1)である。
【
図3B】第1旋回経路の曲率半径の算出方法の説明図(その2)である。
【
図4】実施形態の運転支援方法の一例のフローチャートである。
【
図5】第1実施形態の行動予測処理の一例のフローチャートである。
【
図7】第2実施形態の行動予測処理の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下に示す本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0009】
(第1実施形態)
(構成)
図1Aを参照する。自車両1は、自車両1の運転支援を行う運転支援装置10を備える。運転支援装置10による運転支援には、自車両1の周辺の走行環境に基づいて、運転者が関与せずに自車両1を自動で運転する自動運転や、自動操舵、自動ブレーキ、定速走行制御、車線維持制御、合流支援制御などの走行制御のほか、運転者に操舵操作や減速操作を促すメッセージを出力することを含んでよい。
運転支援装置10は、物体センサ11と、車両センサ12と、測位装置13と、地図データベース(地
図DB)14と、通信装置15と、コントローラ16と、アクチュエータ17とを備える。
【0010】
物体センサ11は、自車両1に搭載されたレーザレーダやミリ波レーダ、カメラ、LIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)など、自車両1の周辺の物体を検出する複数の異なる種類の物体検出センサを備える。
車両センサ12は、自車両1に搭載され、自車両1から得られる様々な情報(車両信号)を検出する。車両センサ12には、例えば、自車両1の走行速度(車速)を検出する車速センサ、自車両1が備える各タイヤの回転速度を検出する車輪速センサ、自車両1の3軸方向の加速度(減速度を含む)を検出する3軸加速度センサ(Gセンサ)、操舵角(転舵角を含む)を検出する操舵角センサ、自車両1に生じる角速度を検出するジャイロセンサ、ヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ、自車両のアクセル開度を検出するアクセルセンサと、運転者によるブレーキ操作量を検出するブレーキセンサが含まれる。
【0011】
測位装置13は、全地球型測位システム(GNSS)受信機を備え、複数の航法衛星から電波を受信して自車両1の現在位置を測定する。GNSS受信機は、例えば地球測位システム(GPS)受信機等であってよい。測位装置13は、例えば慣性航法装置であってもよい。
地図データベース14は、自動運転用の地図として好適な高精度地図データ(以下、単に「高精度地図」という。)を記憶する記憶装置であってよい。高精度地図は、ナビゲーション用の地図データ(以下、単に「ナビ地図」という。)よりも高精度の地図データであり、道路単位の情報よりも詳細な車線単位の情報を含む。
例えば、高精度地図は車線単位の情報として、車線基準線(例えば車線内の中央の線)上の基準点を示す車線ノードの情報と、車線ノード間の車線の区間態様を示す車線リンクの情報を含む。
【0012】
車線ノードの情報は、その車線ノードの識別番号、位置座標、接続される車線リンク数、接続される車線リンクの識別番号を含む。車線リンクの情報は、その車線リンクの識別番号、車線の種類、車線の幅員、車線境界線の種類、車線の形状、車線区分線の形状、車線基準線の形状を含む。
通信装置15は、自車両1の外部の通信装置との間で無線通信を行う。通信装置15による通信方式は、例えば公衆携帯電話網による無線通信や、車車間通信、路車間通信、又は衛星通信であってよい。
【0013】
コントローラ16は、自車両1の走行支援制御を行う電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)である。コントローラ16は、プロセッサ21と、記憶装置22等の周辺部品とを含む。プロセッサ21は、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)であってよい。
記憶装置22は、半導体記憶装置や、磁気記憶装置、光学記憶装置等を備えてよい。記憶装置22は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。
以下に説明するコントローラ16の機能は、例えばプロセッサ21が、記憶装置22に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
なお、コントローラ16を、以下に説明する各情報処理を実行するための専用のハードウエアにより形成してもよい。
例えば、コントローラ16は、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路を備えてもよい。例えばコントローラ16はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)等のプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD:Programmable Logic Device)等を有していてもよい。
【0014】
アクチュエータ17は、コントローラ16からの制御信号に応じて、自車両のステアリングホイール、アクセル開度及びブレーキ装置を操作して、自車両の車両挙動を発生させる。アクチュエータ17は、ステアリングアクチュエータと、アクセル開度アクチュエータと、ブレーキ制御アクチュエータを備える。ステアリングアクチュエータは、自車両のステアリングの操舵方向及び操舵量を制御する。
アクセル開度アクチュエータは、自車両のアクセル開度を制御する。ブレーキ制御アクチュエータは、自車両1のブレーキ装置の制動動作を制御する。
【0015】
次に、コントローラ16による運転支援制御の一例を説明する。
図1Bは、自車両1の周囲の他車両2が車線3上を走行する場面を示している。車線3の車線端4は他車両2から見て車線3の右側の車線端(以下「右側車線端」と表記することがある)であり、車線端5は他車両2から見て車線3の左側の車線端(以下「左側車線端」と表記することがある)である。
他車両2の進行方向の前方の所定距離内に交差点が存在しているが、右折専用レーンや左折専用レーン等の専用車線がない。このため、この交差点で他車両2がどの進路に進むのか(すなわち、右折するのか、左折するのか、若しくは直進するのか)を、専用車線の情報に基づいて判定することはできない。
また、
図1Bに示すとおり、他車両2は車線3の右側車線端4に近寄っているが、他車両2は交差点で右折しようとして右側車線端4に近寄っているのか、交差点で左折しようとして、内輪差を考慮して、できるだけ大きな旋回半径を取るために左側車線端5から離れているのか判別できない。特に、
図1Bのように左折進入先の道路の車線幅が狭い場合には、他車両2は車線3の右側車線端4に近寄って走行することで、左折時の旋回半径を大きく取ろうとする場合がある。
【0016】
そこで、コントローラ16は、他車両2が走行する車線3の右側車線端4及び左側車線端5のうち、車線幅方向の他車両2の位置(以下「横位置」と表記することがある)に近いいずれか一方の車線端を判定する。
コントローラ16は、他車両2の右方向及び左方向のうち、上記のいずれか一方の車線端から遠ざかる方向である第1方向へ、交差点で旋回する場合の他車両2の旋回経路である第1旋回経路6を、地図データに基づいて推定する。
図1Bの例では、他車両2の横位置に近いいずれか一方の車線端は右側車線端4であり、第1方向は右側車線端4から遠ざかる左方向であり、第1旋回経路6は左方向へ旋回する経路である。
【0017】
コントローラ16は、第1旋回経路6の曲率半径R1に基づいて交差点における他車両2の進路を判定する。
例えば、第1旋回経路6の曲率半径R1が第1所定値Th1以上である場合には、他車両2と左側車線端5との間隔が十分大きく左折時の内輪差の心配がないにもかかわらず、他車両2が右側車線端4に近付いたと判定してよい。このためコントローラ16は、他車両2が第1方向(すなわち左方向)と反対の第2方向(すなわち右方向)に旋回すると判定してよい。
一方で、第1旋回経路6の曲率半径R1が第1所定値Th1未満である場合には、他車両2は左折時の内輪差を考慮して左側車線端5から離れたと判定してよい。このためコントローラ16は、他車両2が第1方向(すなわち左方向)に旋回すると判定してよい。
【0018】
反対に、他車両2が左側車線端5に近付いている場合には、他車両2の横位置に近いいずれか一方の車線端は左側車線端5となり、第1方向は左側車線端5から遠ざかる右方向となり、第1旋回経路6は右方向へ旋回する経路となる。
以上のようにして、他車両2の横位置と第1旋回経路6の曲率半径R1に基づくことにより、交差点における他車両2の進路を判定することができる。このため、専用車線の有無にかかわらず交差点における他車両の進路を判定できる。
【0019】
続いて
図2を参照して、コントローラ16の機能を詳しく説明する。コントローラ16は、物体検出部30と、自車両位置推定部31と、地図取得部32と、検出統合部33と、物体追跡部34と、地図内位置演算部35と、行動予測部36と、自車経路生成部37と、車両制御部38を備える。
物体検出部30は、物体センサ11の検出信号に基づいて、自車両1の周辺の物体、例えば車両やバイク、歩行者、障害物などの位置、姿勢、大きさ、速度などを検出する。物体検出部30は、例えば自車両1を空中から眺める天頂図(平面図ともいう)において、物体の2次元位置、姿勢、大きさ、速度などを表現する検出結果を出力する。
【0020】
自車両位置推定部31は、測位装置13による測定結果や、車両センサ12からの検出結果を用いたオドメトリに基づいて、自車両1の絶対位置、すなわち、所定の基準点に対する自車両1の位置、姿勢及び速度を計測する。
地図取得部32は、地図データベース14から自車両1が走行する道路の構造を示す地図情報を取得する。地図取得部32は、通信装置15により外部の地図データサーバから地図情報を取得してもよい。
【0021】
検出統合部33は、複数の物体検出センサの各々から物体検出部30が得た複数の検出結果を統合して、各物体に対して一つの検出結果を出力する。
具体的には、物体検出センサの各々から得られた物体の挙動から、各物体検出センサの誤差特性などを考慮した上で最も誤差が少なくなる最も合理的な物体の挙動を算出する。
具体的には、既知のセンサ・フュージョン技術を用いることにより、複数種類のセンサで取得した検出結果を総合的に評価して、より正確な検出結果を得る。
物体追跡部34は、物体検出部30によって検出された物体を追跡する。具体的には、検出統合部33により統合された検出結果に基づいて、異なる時刻に出力された物体の挙動から、異なる時刻間における物体の同一性の検証(対応付け)を行い、かつ、その対応付けを基に、物体の速度、姿勢(例えばヨー角)などの挙動を予測する。
【0022】
地図内位置演算部35は、自車両位置推定部31により得られた自車両1の絶対位置、及び地図取得部32により取得された地図情報から、地図上における自車両1の位置及び姿勢を推定する。すなわち自車両1がどの車線を走行しているか等を推定する。
行動予測部36は、検出統合部33及び物体追跡部34により得られた検出結果と、地図内位置演算部35により特定された自車両1の位置に基づいて、自車両1の周囲で検出された他車両2の行動を予測する。
行動予測部36は、他車両位置推定部40と、交差点判定部41と、走行位置判定部42と、旋回経路推定部43と、障害物判定部44と、旋回方向判定部45と、車速姿勢変化算出部46を備える。
【0023】
他車両位置推定部40は、地図取得部32が取得した地図情報と、自車両位置推定部31が推定した自車両1の地図内位置と、検出統合部33及び物体追跡部34が取得した自車両1の周囲の物体の位置、速度、姿勢の情報に基づいて、地図上の他車両2の位置を推定する。すなわち、他車両2がどの車線を走行しているかなどを取得する。
交差点判定部41は、地図上の他車両2の位置と地図情報とに基づいて、他車両2の進行方向の前方の所定距離内に交差点が存在するか否かを判定する。
走行位置判定部42は、車線3を走行する他車両2の横位置を判定する。走行位置判定部42は、他車両2が走行する車線3の右側車線端4及び左側車線端5のうち、他車両2の横位置に近いいずれか一方の車線端(以下「近位車線端」と表記することがある)を判定する。
図1Bの例では、近位車線端は右側車線端4である。
【0024】
障害物判定部44は、検出統合部33及び物体追跡部34が取得した周囲の物体の位置、速度、姿勢の情報に基づいて、他車両2が交差点で旋回する際に障害となり得る障害物を判定する。障害物は、例えば電柱や工事関係物体等の静止物体や、歩行者や自転車、停車車両などの静止している移動物体であってよい。
障害物判定部44は、検出統合部33が検出した障害物の大きさや形状に基づいて障害物の属性判定を行い、障害物が静止物体であるか、静止している移動物体であるかを判定してもよい。障害物が静止している移動物体である場合には、移動物体がどの方向に動く可能性があるかを判定してもよい。例えば、障害物の向きに基づいて移動方向を判定してよい。
【0025】
旋回経路推定部43は、他車両2が走行する車線3、交差点において車線3と交差する交差車線の地図情報と、障害物判定部44による障害物判定結果を基に、交差点で旋回する旋回経路を推定する。
例えば第1実施形態では、近位車線端から遠ざかる方向である第1方向へ、交差点で旋回する場合の他車両2の旋回経路である第1旋回経路6を推定する。
図1Bの例では、近位車線端4から遠ざかる左方向へ旋回する第1旋回経路6を推定する。
交差点において他車両2が走行すると予想される経路付近に存在する障害物がない場合には、例えば、他車両2が走行する車線3と、交差点で第1方向へ旋回した後の交差車線の中心線を地図情報から抽出し、これらを接続する旋回経路を算出してよい。
一方で、障害物がある場合には、他車両2の車線位置と地図情報を基に、障害物を回避して、交差点で第1方向へ旋回して交差車線へ進入する旋回経路を算出してよい。また静止した移動物体がある場合には、移動物体の向きを考慮した上で、移動物体の向き方向に所定値オフセットを加えた障害物があると想定した上で、回避する経路を算出してよい。
【0026】
次に、旋回経路推定部43は、第1旋回経路6の曲率半径R1を算出する。
図3Aを参照する。まず、旋回経路推定部43は、第1旋回経路6の曲線開始点Ps及び曲線終了点Peを算出する。
例えば、旋回経路推定部43は、他車両2が走行する道路の道路中心線50と平行であって、且つ第1旋回経路6に接する仮想線51を算出し、仮想線51と第1旋回経路6との間の距離d1が閾値以上となる位置を曲線開始点Psとして算出してよい。
また例えば、旋回経路推定部43は、交差点で旋回後に他車両2が走行する交差道路の道路中心線53と平行であって、且つ第1旋回経路6に接する仮想線52を算出し、仮想線52と第1旋回経路6との間の距離d2が閾値以上となる位置を、曲線終了点Peとして算出してよい。
図3Bを参照する。旋回経路推定部43は、曲線開始点Psと曲線終了点Peとの間の弧ARCの弦長Wと矢高hとに基づいて、次式(1)にしたがって第1旋回経路6の曲率半径R1を算出してよい。
R1=((W/2)
2+h
2)/(2h) …(1)
【0027】
図2を参照する。車速姿勢変化算出部46は、検出統合部33及び物体追跡部34が取得した他車両2の情報に基づいて、他車両2が減速しているか否か、及び他車両2の姿勢のヨー角変化が所定値よりも高く、すなわち急な姿勢変化が発生しているか否かを算出する。
旋回方向判定部45は、第1旋回経路6の曲率半径R1が第1所定値Th1以上である場合、他車両2は、第1旋回経路6の旋回方向と反対の第2方向へ旋回すると判定する。
すなわち、右側車線端4が近位車線端であれば(他車両2の横位置が右側車線端4に近ければ)他車両2が右方向に旋回すると判定し、左側車線端5が近位車線端であれば(他車両2の横位置が左側車線端5に近ければ)他車両2が左方向に旋回すると判定する。
これは、第1方向へ旋回する第1旋回経路6の曲率半径R1が十分大きい場合には、反対側の近位車線端に近付かなくても内輪差で車線から逸脱せずに第1方向へ旋回できることから、第1方向へ旋回するために近位車線端に近付く必要はなく、他車両2は単に第2方向へ旋回するために近位車線端に近付いたと判断できるためである。
【0028】
一方で、旋回方向判定部45は、第1旋回経路6の曲率半径R1が第1所定値Th1未満である場合、他車両2は、第1旋回経路6の旋回方向(第1方向)へ旋回すると判定してもよい。
これは、第1旋回経路6の旋回方向に旋回する際の内輪差を考慮して、旋回方向とは反対の近位車線端に近付いたと考えられるためである。
なお、旋回方向判定部45は、車速姿勢変化算出部46により他車両2の車速が減速していると算出した場合に他車両2が交差点で旋回し、他車両2が減速していない場合には交差点で直進すると判定してもよい。すなわち、他車両2が減速している場合には、他車両2が旋回すると判定する尤度を高めてよい。
同様に、他車両2の姿勢のヨー角変化が所定値よりも大きいと算出した場合に他車両2が交差点で旋回し、ヨー角変化が所定値より大きくない場合には交差点で直進すると判定してもよい。すなわち、他車両2の姿勢のヨー角変化が所定値より大きい場合には、他車両2が旋回すると判定する尤度を高めてよい。
【0029】
図2を参照する。自車経路生成部37は、旋回方向判定部45による他車両2の進路の推定結果に基づいて自車両1が走行する自車両経路を生成する。自車両経路は、例えば目標走行軌道や速度プロファイルを含む。
他車両2の進路が自車両1の進路と交差する場合には、自車経路生成部37は、他車両2を回避する自車両経路を生成する。
例えば、他車両2の進路(旋回方向)が自車両1の進路と交差する場合には、自車両1の速度を変更してもよい。
この場合、例えば、他車両2の進路と自車両1の進路とが交差する交差ポイントを算出し、自車両1が他車両2よりも遅く交差ポイントに到達することが予想される場合には、事前に減速してもよい。事前に減速準備をすることで急減速することなく他車両2との接近を避けることができる。急減速でないため、乗り心地が低下することなく回避準備動作を実行できる。さらに、ブレーキ与圧を付与して回避準備動作を実行することも可能である。
【0030】
一方で、自車両1が他車両2よりも早く交差ポイントに到達する(若しくは、自車両1が他車両2よりも所定時間差以上早く交差ポイントに到達する)ことが予想される場合には、事前に加速をすることで他車両2との接近を避けてもよい。これにより、自車両1の減速も減り、スムーズな走行を実現できる。
車両制御部38は、自車経路生成部37が生成した自車両経路に基づいて車両制御を行う。ただし、自車両経路を生成しない場合にも、ある物体の相対距離などに基づいて制御を行うことも可能であり、本発明を限定するものではない。
【0031】
(動作)
次に、
図4を参照して、実施形態における運転支援装置10の動作の一例を説明する。
ステップS1において物体検出部30は、自車両1の周辺における物体の位置、姿勢、大きさ、速度などを検出する。
ステップS2において検出統合部33は、複数の物体検出センサの各々から得られた複数の検出結果を統合する。物体追跡部34は、統合された各物体を追跡し、自車両1の周辺の物体の挙動を予測する。
【0032】
ステップS3において自車両位置推定部31は、所定の基準点に対する自車両1の位置、姿勢及び速度を計測する。
ステップS4において地図取得部32は、自車両1が走行する道路の構造を示す地図情報を取得する。
ステップS5において地図内位置演算部35は、地図上における自車両1の位置及び姿勢を推定する。
ステップS6において行動予測部36は、自車両1の周辺において検出された他車両2の行動を予測する。行動予測部36による行動予測処理は
図5を参照して後述する。
ステップS7において自車経路生成部37は、ステップS6で決定した他車両2の行動予測結果に基づいて、自車両1が走行する自車両経路を生成する。
ステップS8において車両制御部38は、自車両経路に従って自車両1が走行するように自車両1を制御する。
【0033】
図5は、第1実施形態の行動予測処理の一例のフローチャートである。ステップS10において他車両位置推定部40は、地図上の他車両2の位置を推定する。
ステップS11において交差点判定部41は、他車両2の進行方向の前方の所定距離内に交差点が存在するか否かを判定する。交差点が存在する場合(S12:Y)に処理はステップS13へ進む。交差点が存在しない場合(S12:N)行動予測処理は終了する。
ステップS13において走行位置判定部42は、他車両2が走行する車線3の右側車線端4及び左側車線端5のうち、他車両2の横位置に近いいずれか一方の近位車線端を判定する。
【0034】
ステップS14において障害物判定部44は、他車両2が交差点で旋回する際に障害となり得る障害物を判定する。
ステップS15において旋回経路推定部43は、他車両2が近位車線端から遠ざかる方向である第1方向へ交差点で旋回する第1旋回経路6を推定する。
ステップS16において車速姿勢変化算出部46は、他車両2が減速しているか否か、及び他車両2の姿勢のヨー角変化が所定値よりも高いか否かを算出する。
ステップS17において旋回方向判定部45は、第1旋回経路6の曲率半径R1が第1所定値Th1以上か否かを判定する。曲率半径R1が第1所定値Th1以上である場合(S17:Y)に処理はステップS18へ進む。曲率半径R1が第1所定値Th1以上でない場合(S17:N)に処理はステップS19へ進む。
ステップS18において旋回方向判定部45は、他車両2が第2方向に旋回すると判定する。その後に行動予測処理は終了する。
ステップS19において旋回方向判定部45は、他車両2が第1方向に旋回すると判定する。その後に行動予測処理は終了する。
【0035】
(第1実施形態の効果)
(1)第1実施形態の運転支援方法では、車線の位置及び形状の情報である車線情報を含んだ地図の地図情報を取得し、自車両1の周囲の他車両2の地図上の位置を検出し、他車両2の進行方向の前方の所定距離内に交差点が存在するか否かを判定し、他車両2が走行する車線3の右側及び左側の車線端4、5のうち、車線幅方向の他車両2の位置に近いいずれか一方の車線端を判定し、他車両の右方向及び左方向のうちいずれか一方の車線端から遠ざかる方向である第1方向へ、交差点で旋回する場合の他車両2の旋回経路である第1旋回経路6を、地図情報に基づいて推定し、第1旋回経路6の曲率半径R1に基づいて他車両の進路を判定する。
これにより、他車両2の横位置と交差点で曲がるときの旋回半径に基づいて他車両2の進路を判定できる。このため、右折専用レーンや左折専用レーン等の専用車線の有無にかかわらず交差点における他車両の進路を判定できる。
【0036】
(2)第1旋回経路6の曲率半径R1が第1所定値Th1以上である場合、他車両2が第1方向と反対方向である第2方向へ旋回すると判定してよい。
これにより、他車両2の横位置に近い車線端である近位車線端側の方向へ、他車両2が交差点で旋回することを判定できる。
(3)他車両2が減速している場合には、他車両2が旋回すると判定する尤度を高めてもよく、他車両2の姿勢のヨー角変化が所定値よりも大きい場合に、他車両2が旋回すると判定する尤度を高めてもよい。
これにより、他車両2が旋回することを精度良く判定できる。
(4)他車両2が交差点で旋回する経路上に障害物が存在する場合には、障害物を回避するように旋回経路を推定してもよい。
障害物が移動可能な静止物体である場合に、移動した場合の障害物を回避するように旋回経路を推定してもよい。
これにより、障害物がいる場合にも精度良く旋回方向を判定できる。
【0037】
(第2実施形態)
図6を参照する。第2実施形態の旋回経路推定部43は、上述の第1旋回経路6に加えて、第1旋回経路6の旋回方向と反対方向である第2方向へ、交差点で旋回する場合の他車両2の旋回経路である第2旋回経路7を推定し、第2旋回経路7の曲率半径R2を算出する。第2旋回経路7の推定方法と曲率半径R2の算出方法は、第1実施例における第1旋回経路6の推定方法及び曲率半径R1の算出方法と同様である。
第2実施形態の旋回方向判定部45は、第1旋回経路6の曲率半径R1と、第2旋回経路7の曲率半径R2とに基づいて他車両2の進路を判定する。
【0038】
例えば、旋回方向判定部45は、第2旋回経路7の曲率半径R2が第2所定値Th2未満である場合、他車両が第2方向に旋回しないと判定してよい。例えば、
図6に示すように近位車線端が右側車線端4である場合、右方向に旋回する第2旋回経路7の曲率半径R2が第2所定値Th2未満である場合、右側に旋回しないと判定してよい。
これは曲率半径R2が小さい場合に、他車両2は内輪差のため車線に沿って第2方向へ旋回することが困難となるためである。これにより、他車両2が第1方向へ旋回するか、若しくは直進すると判定できる。このとき、他車両2が減速しているか他車両2のヨー角変化が所定値よりも大きい場合に、他車両2が第1方向へ旋回すると判定し、他車両2が減速せずヨー角変化が所定値以下の場合に直進すると判定してもよい。
【0039】
また例えば、旋回方向判定部45は、第1旋回経路6の曲率半径R1が第1所定値Th1以上であり、かつ第2旋回経路7の曲率半径R2が第2所定値Th2以上である場合に第2方向に旋回すると判定してもよい。例えば、
図6に示すように近位車線端が右側車線端4である場合、右方向に旋回すると判定してよい。
これは、どちらの旋回方向の曲率半径Rも大きい場合には、後続する二輪車等を巻き込むのを避けるために、交差点で旋回しようとする方向の車線端へ他車両2が近づけると考えられるためである。
なお、第1所定値Th1と第2所定値Th2とは同じでもよく異なっていてもよい。例えば第1所定値Th1と第2所定値Th2のうち、右方向に旋回する旋回経路の曲率半径と比較される所定値を、左方向に旋回する旋回経路の曲率半径と比較される所定値よりも大きく設定してもよく、その逆となるように設定してもよい。
【0040】
また例えば、旋回方向判定部45は、第1旋回経路6の曲率半径R1が第1所定値Th1未満であり、かつ第2旋回経路7の曲率半径R2が第2所定値Th2未満である場合に、近位車線端から離れる第1方向に旋回すると判定してもよい。例えば、
図6に示すように近位車線端が右側車線端4である場合、左方向に旋回すると判定してよい。
これは、内輪差を考慮して、交差点で旋回しようとする方向と反対側に他車両2が寄ると、考えられるためである。
なお、第2実施形態においても、他車両2が減速している場合には、他車両2が旋回すると判定する尤度を高めてよく、他車両2の姿勢のヨー角変化が所定値より大きい場合には、他車両2が旋回すると判定する尤度を高めてよい。
【0041】
図7は、第2実施形態の行動予測処理の一例のフローチャートである。
ステップS20~S24の処理は、
図5のステップS10~S14と同様である。
ステップS25において旋回経路推定部43は、他車両2が近位車線端から遠ざかる方向である第1方向へ交差点で旋回する第1旋回経路6と、第1方向と反対の第2方向へ交差点で旋回する第2旋回経路7を推定する。
ステップS26の処理は、
図5のステップS16と同様である。
ステップS27において旋回方向判定部45は、第2旋回経路7の曲率半径R2が第2所定値Th2未満であるか否かを判定する。曲率半径R2が第2所定値Th2未満である場合(S27:Y)に処理はステップS28へ進む。曲率半径R2が第2所定値Th2未満でない場合(S27:N)に処理はステップS31へ進む。
【0042】
ステップS28において、旋回方向判定部45は他車両2が第2方向へ旋回しないと判定する。その後に処理はステップS29へ進む。
ステップS29において旋回方向判定部45は、第1旋回経路6の曲率半径R1が第1所定値Th1未満か否かを判定する。曲率半径R1が第1所定値Th1未満である場合(S29:Y)に処理はステップS30へ進む。曲率半径R1が第1所定値Th1未満でない場合(S29:N)に行動予測処理は終了する。
【0043】
ステップS30において旋回方向判定部45は、他車両2が第1方向に旋回すると判定する。その後に行動予測処理は終了する。
ステップS31において旋回方向判定部45は、曲率半径R1が第1所定値Th1以上か否かを判定する。曲率半径R1が第1所定値Th1以上である場合(S31:Y)に処理はステップS32へ進む。曲率半径R1が第1所定値Th1以上でない場合(S31:N)に行動予測処理は終了する。
ステップS32において旋回方向判定部45は、他車両2が第2方向に旋回すると判定する。その後に行動予測処理は終了する。
【0044】
(第2実施形態の効果)
(1)第2実施形態の運転支援方法では、他車両2の右方向及び左方向のうち第1方向と反対方向である第2方向へ、交差点で旋回する場合の他車両の旋回経路である第2旋回経路7を、地図情報に基づいて推定する。第1旋回経路6の曲率半径R1と第2旋回経路7の曲率半径R2とに基づいて他車両2の進路を判定する。
これにより、交差点で他車両2がどの進路に進むのか(すなわち、右折するのか、左折するのか、若しくは直進するのか)をより高い精度で判定できる。
【0045】
(2)第2旋回経路7の曲率半径R2が第2所定値Th2未満である場合、他車両2が第2方向に旋回しないと判定し、曲率半径R2が第2所定値Th2以上であって、かつ第1旋回経路6の曲率半径R1が第1所定値Th1以上である場合には、他車両2が第2方向に旋回すると判定してもよい。
これにより、後続の二輪車の巻き込みを避けるために旋回しようとする方向の車線端に他車両2が寄った場合の旋回方向を判定できる。
(3)第1旋回経路6の曲率半径R1が第1所定値Th1未満であって、かつ第2旋回経路7の曲率半径R2が第2所定値Th2未満である場合には、他車両2が第1方向に旋回すると判定してもよい。
これにより、内輪差を考慮して、旋回しようとする方向と反対側の車線端に他車両2が寄った場合の旋回方向を判定できる。
【符号の説明】
【0046】
1…自車両、10…運転支援装置、11…物体センサ、12…車両センサ、13…測位装置、14…地図データベース、15…通信装置、16…コントローラ、17…アクチュエータ、21…プロセッサ、22…記憶装置、30…物体検出部、31…自車両位置推定部、32…地図取得部、33…検出統合部、34…物体追跡部、35…地図内位置演算部、36…行動予測部、37…自車経路生成部、38…車両制御部、40…他車両位置推定部、41…交差点判定部、42…走行位置判定部、43…旋回経路推定部、44…障害物判定部、45…旋回方向判定部、46…車速姿勢変化算出部