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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129217
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20220829BHJP
【FI】
F24F1/0007 401D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021027835
(22)【出願日】2021-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】宇野 順道
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 雅司
(72)【発明者】
【氏名】布目 好教
(72)【発明者】
【氏名】増子 宏大
(72)【発明者】
【氏名】大野 臣悟
(72)【発明者】
【氏名】高橋 裕人
(72)【発明者】
【氏名】沖野 誠心
【テーマコード(参考)】
3L051
【Fターム(参考)】
3L051BJ10
(57)【要約】
【課題】室内機内部の広範囲にわたって紫外線を照射することが可能な空気調和機を提供する。
【解決手段】吸込口及び吹出口を有するケーシングと、該ケーシング内に設けられた熱交換器と、前記ケーシング内に設けられ、前記吸込口、前記熱交換器及び前記吹出口の順に空気を流通させるファンと、前記ケーシング内に設けられた照射部と、を備え、前記照射部は、指向性のある紫外線を投光する光源と、該光源の姿勢が変化するように駆動する駆動部と、を有する空気調和機。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口及び吹出口を有するケーシングと、
該ケーシング内に設けられた熱交換器と、
前記ケーシング内に設けられ、前記吸込口、前記熱交換器及び前記吹出口の順に空気を流通させるファンと、
前記ケーシング内に設けられた照射部と、
を備え、
前記照射部は、
指向性のある紫外線を投光する光源と、
該光源の姿勢が変化するように駆動する駆動部と、
を有する空気調和機。
【請求項2】
前記駆動部は、少なくとも二つの駆動軸線回りに前記照射部を回転駆動する請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記照射部は、前記光源から投光される前記紫外線が、前記吸込口、前記熱交換器及び前記吹出口の少なくとも一つに照射されるように設けられている請求項1又は2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記ケーシング内における前記熱交換器の下方に設けられたドレンパンをさらに備え、
前記照射部は、前記光源から投光される前記紫外線が前記ドレンパンに照射されるように設けられている請求項1から3のいずれか一項に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記ケーシング内における前記吸込口と前記熱交換器との間に設けられたエアフィルタをさらに備え、
前記照射部は、前記光源から投光される前記紫外線が、前記エアフィルタに照射されるように設けられている請求項1から4のいずれか一項に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記ケーシングの幅方向に延びる軸線回りに回転することで前記エアフィルタを搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラによって搬送されるエアフィルタに当接することで該エアフィルタの付着物を除去する除去部と、
をさらに備える請求項5に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記駆動部を制御することで前記光源による照射範囲を調整する制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、
外部からの信号に応じて、前記照射範囲が、第1照射範囲及び該第1照射範囲よりも狭い第2照射範囲のいずれかとなるように前記駆動部を制御する請求項1から6のいずれか一項に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、空気調和機の室内機が有するエアフィルタの表面に紫外線を照射することで、エアフィルタの表面を殺菌及び除菌する空気調和機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-197224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、室内機が有する殺菌が求められる部分は、エアフィルタのみに留まらず、例えば吸込口、吹出口、熱交換器等が挙げられるが、これらすべてを照射範囲に収めて紫外線を照射することは難しい。
【0005】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、室内機内部の広範囲にわたって紫外線を照射することができる空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る空気調和機は、吸込口及び吹出口を有するケーシングと、該ケーシング内に設けられた熱交換器と、前記ケーシング内に設けられ、前記吸込口、前記熱交換器及び前記吹出口の順に空気を流通させるファンと、前記ケーシング内に設けられた照射部と、を備え、前記照射部は、指向性のある紫外線を投光する光源と、該光源の姿勢が変化するように駆動する駆動部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、室内機内部の広範囲にわたって紫外線を照射することができる空気調和機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に係る空気調和機の室内機の断面図である。
図2】本開示の実施形態に係る照射部の構成を説明する図である。
図3】本開示の実施形態に係る制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
図4】本開示の実施形態に係る制御装置の動作を示す機能ブロック図である。
図5】本開示の実施形態に係るコンピュータの構成を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(空気調和機)
空気調和機1は、室内に設けられる室内機10と、室内機10に配管を介して室外に設けられる室外機(不図示)とを備えている。室内機10は、室内の空気を吸入し、内部で該空気の温度や湿度の調整を行った後に空気を吹き出し、室内の空気調和を行う。
以下、図1を参照して本開示の実施形態に係る室内機10について説明する。
【0010】
(室内機)
室内機10は、ケーシング20と、本体部30と、照射部60と、センサ70と、制御装置80と、を備えている。
【0011】
(ケーシング)
ケーシング20は、室内機10の本体部30を取り囲むパネルとして、インレットパネル23と、天面パネル24と、底面パネル22と、背面パネル21と、一対の側面パネル(不図示)と、を有している。
【0012】
インレットパネル23は、ケーシング20外部の空気をケーシング20内部に吸入するための吸込口25を上部に有しており、本体部30の前面を覆うように配置されているパネルである。
背面パネル21は、室内機10を設置する室内の壁に固定され、インレットパネル23と対向する位置で、本体部30の背面を覆うように配置されているパネルである。
天面パネル24は、インレットパネル23及び背面パネル21の上端に、該天面パネル24の端部がそれぞれ係合し、本体部30の上面を覆うように配置されているパネルである。
【0013】
底面パネル22は、ケーシング20内部の空気をケーシング20外部に吹き出すための吹出口26を有しており、天面パネル24と対向する位置で、本体部30の底面を覆うように配置されているパネルである。
側面パネルは、上記のすべてのパネルの幅方向H3における端部に、該側面パネルの端部がそれぞれ係合し、本体部30の幅方向H3における左右の側部を覆うように配置されているパネルである。
したがって、上記のパネルによって構成されるケーシング20は、吸込口25及び吹出口26を有している。
【0014】
以下、本実施形態において、設置方向H1とは、図1の左右方向を意味する。設置方向H1一方側は、背面パネル21からインレットパネル23へ向かう方向を意味し、設置方向H1他方側は、その逆の方向を意味する。また、上下方向H2とは、図1の上下方向を意味し、幅方向H3とは、図1の紙面奥行方向を意味する。
【0015】
(本体部)
本体部30は、ファン31と、熱交換器32と、ドレンパン33と、第1収容部34aと、第2収容部34bと、エアフィルタ34と、搬送ローラ36と、除去部40と、フラップ35と、を有している。これらはすべて、ケーシング20内に設けられている。
【0016】
(ファン)
ファン31は、ケーシング20の幅方向H3に延在している、いわゆるクロスフローファンである。ファン31は、ケーシング20内部で回転することにより、吸込口25、熱交換器32及び吹出口26の順に空気を流通させている。
【0017】
(熱交換器)
熱交換器32は、ファン31の上半部を外周から取り囲むように設けられている。熱交換器32は、第1熱交換器と第2熱交換器と、を有している。
第1熱交換器は、ファン31に対して設置方向H1一方側に設けられており、幅方向H3から見た際に、真ん中付近が折れ曲がり、設置方向H1における背面パネル21に向かう向きでV字の状態になっている。第1熱交換器は、折れ曲がっている部分を中心に、上部と下部とに分けられる。
第2熱交換器は、ファン31に対して設置方向H1他方側に設けられている。
【0018】
第1熱交換器と第2熱交換器のそれぞれの上端は、ブラケット32aで接続されている。第1熱交換器及び第2熱交換器は、3枚のパネル状の熱交換器32からなり、各パネルは、ファン31に向かう方向に重なって配置されている。
熱交換器32と熱交換した後の空気は、吹出口26からケーシング20の外部へ吹き出される。
【0019】
(ドレンパン)
ドレンパン33は、熱交換器32の下方に設けられており、幅方向H3に延在している。ドレンパン33は、熱交換器32から発生するドレン水やスライムを回収し、ドレン水やスライムをケーシング20外部へ漏出させないように受ける受け皿の機能を有している。ドレンパン33に回収されたドレン水やスライムは、不図示のドレンパン33に接続されたドレンパイプによって室外へ排出される。
【0020】
(第1収容部)
第1収容部34aは、ケーシング20内部の上方に設けられているエアフィルタ34を収容する収容部である。第1収容部34aの一部分は、インレットパネル23及び天面パネル24と第1熱交換器との間に位置しており、残りの部分は、天面パネル24と第2熱交換器との間に位置している。したがって、第1収容部34aは、設置方向H1に延びて存在しており、第1収容部34aの該一部分は、設置方向H1他方側から一方側に向かうにしたがって上下方向H2の下方側に向かって湾曲しながら延びている。さらに、下方側に向かって延びた先の一端は、搬送ローラ36に近接し、搬送ローラ36の上方に向かって開口している。
【0021】
第1収容部34aは、エアフィルタ34を収容した状態で、設置方向H1の一方側から他方側へエアフィルタ34を介して空気を良好に流通させ、該空気を第1熱交換器及び第2熱交換器へ導く。
【0022】
(第2収容部)
第2収容部34bは、ケーシング20内部に設けられているエアフィルタ34の収容部である。第2収容部34bは、第1収容部34aと第1熱交換器及び第2熱交換器との間に位置している。したがって、第2収容部34bは、設置方向H1に延びて存在しており、第2収容部34bは設置方向H1他方側から一方側に向かうにしたがって上下方向H2の下方側に向かって湾曲しながら延びている。下方側に向かって延びた先の一端は、搬送ローラ36に近接し、搬送ローラ36の下方に向かって開口している。
【0023】
第2収容部34b内部のエアフィルタ34を収容する空間の容積は、第1収容部34a内部のエアフィルタ34を収容する空間の容積と略同一である。
第2収容部34bは、エアフィルタ34を収容した状態で、設置方向H1の一方側から他方側へエアフィルタ34を介して空気を良好に流通させ、該空気を第1熱交換器及び第2熱交換器へ導く。
【0024】
(エアフィルタ)
エアフィルタ34は、第1収容部34a及び第2収容部34bに収容されるシート状のフィルタである。エアフィルタ34は、第1収容部34aのエアフィルタ34を収容する空間、または第2収容部34bのエアフィルタ34を収容する空間にちょうど収まる大きさである。エアフィルタ34は、室内機10の運転開始時の初期位置として、第1収容部34aに収容されている。
【0025】
エアフィルタ34は、第1収容部34aに収容された状態で、該エアフィルタ34の第1熱交換器側を向く面の幅方向H3端部にそれぞれ複数のフィルタギアを有している。より詳しくは、設置方向H1一方側からエアフィルタ34を見た際、エアフィルタ34の幅方向H3端部に、設置方向H1に沿って等間隔に複数のフィルタギアが設けられている。
【0026】
(搬送ローラ)
搬送ローラ36は、ケーシング20の幅方向H3に延在し、幅方向H3に延びる軸線A回りに回転する円柱状のシャフトと、ローラギアと、を有している。ローラギアは、シャフトの幅方向H3端部の外周面に周方向にわたって等間隔に複数が設けられている。ローラギアは、エアフィルタ34のフィルタギアとちょうど噛み合うように形成されている。ローラギアとフィルタギアとが噛み合った状態で、所定のタイミングでシャフト部が軸線A回りに反時計回りに回転すると、エアフィルタ34は第1収容部34aから搬送ローラ36の外周面に沿って誘導され、第2収容部34bの内部へと搬送される。
【0027】
また、第2収容部34bの内部に収容された後、所定のタイミングでシャフト部が軸線A回りに時計回りに回転すると、エアフィルタ34は第2収容部34bから搬送ローラ36の外周面に沿って誘導され、第1収容部34aの内部へと搬送され、元の初期位置へ戻る。
【0028】
(除去部)
除去部40は、ケーシング20の幅方向H3に延在し、幅方向H3に延びる除去部軸線B回りに回転する円柱状の軸部と、ブラシと、を有している。
ブラシは、軸部の外周面を覆うように周方向にわたって設けられている。ブラシは、軟質の素材で形成され、細かい埃や塵を除去する機能を有している。ブラシの外周面の一部は、幅方向H3において搬送ローラ36の外周面に当接している。搬送ローラ36が回転すると、エアフィルタ34の搬送に伴い、エアフィルタ34が搬送ローラ36とブラシとの間に挟まれ、エアフィルタ34のローラギアが設けられていない一方側の面とブラシとが当接する。
【0029】
エアフィルタ34の一方側の面とブラシとが当接しながら生じるブラシの回転及びブラシとエアフィルタ34との摩擦により、エアフィルタ34全域に付着している細かい埃や塵が除去される。除去された細かい埃や塵は、除去部40の下方に存在するダストボックス50に落ちる。
ダストボックス50は、除去部40によってエアフィルタ34本体表面から除去された埃や塵を受ける受け皿の機能を有している。
【0030】
(フラップ)
フラップ35は、パネル部35aと、調整部35bと、を有している。本実施形態では、本体部30はフラップ35を2つ有している。
各フラップ35のパネル部35aは、底面パネル22が有する吹出口26内の幅方向H3に隣接して設けられている。各フラップ35の調整部35bは、パネル部35aの底面パネル22の下面に対する傾斜角度を調整することで、空気の吹出方向を調整している。また、室内機10が運転を停止した際は、調整部35bが駆動し、パネル部35aを底面パネル22と略平行の状態とする。これにより、吹出口26は2つのパネル部35aにより閉じた状態となる。
【0031】
以下、図1及び図2を参照し、本実施形態の照射部60について説明する。
【0032】
(照射部の構成)
照射部60は、ケーシング20内の空間S内に設けられている。本実施形態では、4つの照射部60が4つの空間S内にそれぞれ設けられている。
照射部60は、光源61と、駆動部62と、を有している。
【0033】
(光源)
光源61は、光源本体61aと、光源支持部61bによって構成される。
光源支持部61bは、光源本体61aを支持するための板状の部材である。
光源本体61aは、光源支持部61bの中央に設けられている。光源本体61aは、電源が供給されることで指向性を有する光Lを投光可能なLED電球である。光Lは、細菌やウイルスに照射されることで殺菌する作用を有する紫外線である。光源本体61aから投光される光Lは、例えば、UV-C光が挙げられる。また、光源本体61aが投光可能な光Lが指向性を有しているとあるのは、光Lの照射範囲の単位面積当たりの殺菌に必要なエネルギー量を確保するためである。
【0034】
(駆動部)
駆動部62は、第1枠体63と、第1枠体回転部64と、第2枠体65と、第2枠体回転部66と、支持部67と、から構成される。
第1枠体63は、正面視において略正方形で角部が丸みを帯びた、所定の板厚を有する枠状の部材である。光源支持部61bは、第1枠体63の向かい合う一対の辺に相当する部分の中央部同士にわたって設けられている。第1枠体回転部64の、光源支持部61bが設けられていない残りの向かい合う一対の辺に相当する部分の中央には、それぞれ円柱状の部材である第1枠体回転部64が外側に向かって突出するように設けられている。
【0035】
第2枠体65は、正面視において略正方形で角部が丸みを帯びた、所定の板厚を有する枠状の部材である。第2枠体65は、第1枠体63と相似した形状を有しており、該第2枠体65の枠の内部に第1枠体63が収まる大きさである。第2枠体65は、向かい合う一対の辺に相当する部分の中央に、それぞれ第1枠体回転部64が貫通可能な径を有する孔が形成されている。第1枠体63の外側に突出した第1枠体回転部64は、該孔を通り抜け、第2枠体65の外側へと突出した状態で、第2枠体65によって回転可能に保持されている。
【0036】
第2枠体65の、孔が形成されていない残りの向かい合う一対の辺に相当する部分の中央には、それぞれ円柱状の部材である第2枠体回転部66が外側に向かって突出するように設けられている。さらに、ケーシング20内の空間S内には、第2枠体回転部66の支持部材としてのブラケット90が設けられており、第2枠体回転部66は、該ブラケット90によって回転可能に支持されている。
【0037】
一対の第1枠体回転部64は、横駆動軸線О1を共通の中心軸として横駆動軸線О1回りに回転することができる。これにより、第1枠体回転部64と一体になっている第1枠体63、光源支持部61b、光源本体61aを第2枠体65の内側で横駆動軸線О1回りに回転させることができる。
【0038】
また、一対の第2枠体回転部66は、縦駆動軸線О2を共通の中心線として縦駆動軸線О2回りに回転することができる。これにより、第2枠体回転部66と一体になっている第1枠体回転部64、第1枠体63、光源支持部61b、光源本体61aを第2枠体65の内側で縦駆動軸線О2回りに回転させることができる。
したがって、駆動部62は、光源61を横駆動軸線О1及び縦駆動軸線О2の二つの駆動軸線回りに回転可能に保持している。
【0039】
支持部67は、光源61と、第1枠体63と、第1枠体回転部64と、第2枠体65と、第2枠体回転部66と、を支持及び駆動制御するための部材であり、4つの空間S内の適宜の場所に設けられている。支持部67は、内部にサーボモータ(不図示)を内蔵しており、該サーボモータの動力を用いて回転可能に設けられている。支持部67は略円筒形であり、支持部67の光源61側の先端は該サーボモータの回転軸線О3に対して傾斜した仮想平面によって寸断されたように形成されている。つまり、支持部67の先端は該サーボモータの回転軸線О3に対して傾斜した仮想平面に沿って形成される。支持部67は、該支持部67内部に光源61及びサーボモータに動作用電源を供給するための不図示の配線、及び該サーボモータを駆動制御するための制御部を有している。
【0040】
光源支持部61bの支持部67側の一面は、支持部67の光源61側の先端と接触している。より具体的には、当該先端の仮想平面に当該一面が沿うように光源支持部61bが設けられることにより、光源支持部61bは、支持部67に内蔵されたサーボモータの回転軸に対して傾斜するように設けられる。
光源本体61aの光軸は、支持部67に内蔵されたサーボモータの回転軸線О3に対して傾斜するように設けられている。光源本体61aの光軸方向は、上記仮想平面の法線方向と一致する。
サーボモータが駆動すると、支持部67が回転軸線О3周りに回転する。これに伴い、上記仮想平面が三次元的に傾動することで、支持部67の回転に従動して光源支持部61bも同様の三次元的傾動を行う。ここで、第2枠体65は第2枠体回転部66を介して室内機10と回転可能に保持されているため、上述の第1枠体63をさらに介することで、光源支持部61bは該三次元的な傾動を許容されたまま自転が制限される。
【0041】
支持部67の内部に設けられている制御部によってサーボモータの駆動が制御されている。より詳しくは、支持部67に内蔵されているサーボモータを該サーボモータの回転軸線О3回りの任意の位置に留まらせるために、制御部は所定のタイミングでサーボモータを所定の量回転させた後に停止させる。また、サーボモータを駆動制御するための電力を供給するケーブルは、支持部67内部の制御部を介して電気的に接続している。
【0042】
即ち、空間S内の任意の箇所に駆動部62を設けることができ、支持部67が内蔵しているサーボモータが回転することで、光軸がサーボモータの回転軸線О3に対して傾いた光源本体61aが回転する構成である。したがって、簡素な機構により室内機10の内部で広範囲に光Sを照射することができる。
また、サーボモータの回転に伴って、駆動部62に保持された光源61が横駆動軸線О1及び縦駆動軸線О2の二つの駆動軸線回りに回転することで、光源支持部61bに設けられた光源本体61aが投光する光Lの照射範囲を拡大することができる。
また、室内機10内部に照射部60を搭載するにあたり、照射部60及び支持部67が上記構成であるため、該照射部60及び支持部67を設置する際に生じる制約を小さく抑えることができる。つまり、一つのサーボモータで照射部を二つの駆動軸線回りに三次元的に傾動させることができるため、ケーブル等の配線の取り回しを容易にすることができ、照射部60が空間S内で占める容積の割合を抑えることができる。これにより、室内機10内部の殺菌が必要な個所に合わせて複数の照射部を搭載する必要が生じた場合、とくに効果的に室内機10への照射部60の搭載性を確保できる。
【0043】
(照射部の位置)
本実施形態における1つ目の照射部60は、第2熱交換器と、背面パネル21と、天面パネル24と、が区画する空間S内に設けられている。より詳しくは、支持部67が背面パネル21のケーシング20内部を向く面に固定されており、光源61が第2熱交換器全体及び第2熱交換器下方のドレンパン33に向くように配置されている。これにより、駆動部62が回転駆動するため、第2熱交換器全体及び第2熱交換器下方のドレンパン33に光Lを照射することができる。
【0044】
また、駆動部62が回転することにより、光源61は吹出口26及びフラップ35へ向くことができる。これにより、第2熱交換器、ドレンパン33、及びファン31を介してケーシング20内から吹出口26及びフラップ35に光Lを照射できる。
【0045】
本実施形態における2つ目の照射部60は、第1収容部34aと、天面パネル24と、インレットパネル23と、が区画する空間S内にされている。より詳しくは、支持部67が天面パネル24のケーシング20内部を向く面に固定されており、光源61が第1収容部34a及びエアフィルタ34に向くように配置されている。これにより、駆動部62が回転駆動するため、エアフィルタ34に光Lを照射することができる。
また、駆動部62が回転することにより、光源61は吸込口25へ向くことができる。これにより、ケーシング20内から吸込口25に光Lを照射できる。
【0046】
本実施形態における3つ目の照射部60は、第1収容部34aと、第2収容部34bと、が区画する空間S内に設けられている。より詳しくは、支持部67が第1収容部34aの第1熱交換器を向く面に固定されており、光源61が第2収容部34b及び第1熱交換器の上部全体に向くように配置されている。これにより、駆動部62が回転駆動するため、第1熱交換器の上部全体に光Lを照射することができる。
また、エアフィルタ34は第2収容部34bに収容されている場合は、エアフィルタ34のフィルタギア部が設けられている面に光Lを照射できる。
【0047】
本実施形態における4つ目の照射部60は、ダストボックス50と、第2収容部34bと、第1熱交換器と、底面パネル22と、で区画される空間S内に設けられている。より詳しくは、支持部67がダストボックス50の第1熱交換器を向く部分に固定され、光源61が第1熱交換器の下部全体及び第1熱交換器下方のドレンパン33に向くように配置されている。これにより、駆動部62が回転駆動するため、第1熱交換器の下部全体及び第1熱交換器下方のドレンパン33に光Lを照射することができる。
また、駆動部62が回転することにより、光源61は吹出口26へ向くことができる。これにより、第1熱交換器及び第1熱交換器下方のドレンパン33を介してケーシング20内から吹出口26に光Lを照射できる。
【0048】
したがって、照射部60は、光源61から投光される光Lが、吸込口25、熱交換器32及び吹出口26の少なくとも一つに照射されるようにケーシング20内に設けられている。
【0049】
(センサ)
センサ70は、室内機10底面のフラップ35付近に設けられている。
センサ70は、例えば、室内機10の周囲に人がいることを検知することができる焦電センサや、室内機10が設置された部屋の明るさを検知する日射センサである。
センサ70が集電センサの場合、部屋に人がいることを検知したら、集電センサは、人検知信号を制御装置80に送信する。
センサ70が日射センサの場合、部屋内の照度が予め定められた所定の照度閾値よりも低い(暗い)ことを検知したら、照度検知信号を制御装置80に送信する。
【0050】
(制御装置)
制御装置80は、室内機10本体下部の壁面付近に設けられている。制御装置80は、センサ70から送信される検知信号を受け付け、照射部60が照射する光Lの照射範囲を特定し、駆動制御用の信号を支持部67内部の制御部に送信して、駆動部62の駆動を制御する。
制御装置80は、信号受付部81と、照射範囲特定部82と、駆動制御部83と、を有する。制御装置80は、有線又は無線で、センサ70と接続される。
【0051】
信号受付部81は、センサ70から送信される検知信号を受け付ける。信号受付部81は、受け付けた検知信号を照射範囲特定部82へ送信する。
照射範囲特定部82は、受け付けた検知信号が有する検知データをもとに照射部60の光Lの照射範囲を特定する。
【0052】
照射範囲特定部82が特定する照射範囲には、第1照射範囲と、第2照射範囲と、がある。第1照射範囲は、ケーシング20内部で照射部60が広範囲に光Lを照射する範囲である。第2照射範囲は、第1照射範囲よりも狭い光Lの照射範囲であり、室内機10の外部へ照射部60が投光した光Lが漏れることがない範囲である。
【0053】
照射範囲特定部82が受け付けた検知データが人感センサより送信された人検知データである場合、照射範囲特定部82は、照射範囲を第2照射範囲に特定する。
照射範囲特定部82が受け付けた検知データが照度センサより送信された照度データである場合、照射範囲特定部82は、該照度データの値と所定の閾値とを比較し、当該照度データの値が閾値よりも低い場合は、部屋が暗いと判断し、照射範囲を第2照射範囲に特定する。また、照射範囲特定部82は、該照度データの値と所定の閾値とを比較し、当該照度データの値が閾値よりも高い場合は、部屋が明るいと判断し、照射範囲を第1照射範囲に特定する。
【0054】
駆動制御部83は、照射範囲特定部82が照射範囲を特定したら、支持部67内部の制御部に、特定された照射範囲に基づいた制御信号を送信する。
照射範囲特定部82が第1照射範囲と特定した場合、駆動制御部83は、ケーシング20内部に設けられたすべての支持部67内部の制御部に、平常時の駆動をさせる信号を送信する。また、照射範囲特定部82が第2照射範囲と特定した場合、駆動制御部83は、ケーシング20内部に設けられたすべての支持部67内部の制御部に、照射部60を天面パネル24側へ向いた状態とさせる信号を送信する。
【0055】
(制御装置の動作)
以下、制御装置80の動作について説明する。図4は制御装置80の動作を示すフローチャートである。
【0056】
信号受付部81は、センサ70から送信される検知データを受け付ける(ステップS1)。
照射範囲特定部82は、信号受付部81で受け付けた検知データに基づいて、照射部60の光Lの照射範囲を特定する(ステップS2)。
駆動制御部83は、照射範囲特定部82で特定した照射範囲に基づいて、支持部67内部の制御部に駆動を指示する信号を送信し、駆動部62の駆動を制御する(ステップS3)。
【0057】
(作用効果)
上記構成によれば、駆動部62が光源61の姿勢を変化させることができる。これにより、殺菌作用を有する光Lを投光する光源61の姿勢を駆動部62により変化させることができる。したがって、ケーシング20内の広範囲にわたって光Lを照射することができ、細菌やウイルスの殺菌をすることができる。
【0058】
また、照射部60が横駆動軸線О1及び縦駆動軸線О2回りに照射部60が回転する。これにより、2軸で駆動部62が回転運動することにより、光源61の姿勢を2軸で変化させることができる。したがって、光源61の光Lが投光する方向を3次元的に任意に変化させることができるため、広範囲にわたって光Lを照射することができる。
【0059】
また、支持部67に内蔵されているサーボモータを任意のタイミングで所定の位置に留まらせることができる。つまり、制御部は、複数の照射部60が投光する光Lが同一の箇所に集中的に照射されるように該複数の照射部60の姿勢を制御することで、一部分での殺菌能力を高めることができる。これにより、室内機10内部において局所的に細菌やウイルスが発生する場合でも、効果的に殺菌することができる。
【0060】
また、照射部60は、光源61から投光される光Lが、吸込口25、熱交換器32及び吹出口26に照射されるように設けられている。これにより、ケーシング20内に導入される空気、熱交換器32、及びケーシング20外に吹き出される空気の中に含まれる細菌やウイルスを殺菌することができる。したがって、クリーンな空気を室内に提供することができる。
【0061】
また、照射部60は、光源61から投光される光Lが、ドレンパン33に照射可能に設けられている。これにより、細菌やウイルスが発生しやすいドレンパン33を殺菌することができ、ケーシング20内を細菌やウイルスの少ないよりクリーンな状態に保つことができる。したがって、よりクリーンな空気を室内に提供することができる。
【0062】
また、照射部60は、光源61から投光される光Lが、エアフィルタ34に照射可能に設けられている。これにより、ケーシング20内を細菌やウイルスの少ないよりクリーンな状態に保つことができる。したがって、よりクリーンな空気を室内に提供することができる。
また、エアフィルタ34に付着した細菌やウイルスを殺菌することで、エアフィルタ34を清掃する等のメンテナンス時においても、室内機10のユーザが誤って細かい埃や塵を吸引してしまった際の人体への悪影響が低下する。
【0063】
また、搬送ローラ36が回転することでエアフィルタ34が第1収容部から第2収容部へ、または第2収容部から第1収容部へ搬送される。これにより、搬送を途中で停止するなどして、エアフィルタ34が搬送される前に光Lが照射されていなかった箇所に光Lを照射することができる。したがって、エアフィルタ34に満遍なく光Lを照射することができる。
【0064】
また、センサ70の検知信号に基づいて制御装置80は駆動部62を駆動制御する。これにより、室内機10近傍に人がいる場合や室内機10のユーザが睡眠中等の部屋が暗い時に、照射部60の光Lがケーシング20外部に漏れることがない。したがって、安全に室内機10を使用することができる。
【0065】
また、光源本体61aが投光可能な光Lは指向性を有しており、制御部が光源61を回転させることができる。これにより、光Lの照射範囲の単位面積当たりの殺菌に必要なエネルギー量を確保しながら継時的に光Lの照射範囲を広げることができる。したがって、効果的な室内機10内部の殺菌を実現することができる。
【0066】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成は各実施形態の構成に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内での構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本開示は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0067】
なお、図5は、上記実施形態に係るコンピュータ1100の構成を示すハードウェア構成図である。
コンピュータ1100は、プロセッサ1110、メインメモリ1120、ストレージ1130、イ6タフェース1140を備える。
【0068】
上述の制御装置80は、コンピュータ1100に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ1130に記憶されている。プロセッサ1110は、プログラムをストレージ1130から読み出してメインメモリ1120に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ1110は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ1120に確保する。
【0069】
プログラムは、コンピュータ1100に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、ストレージ1130に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。また、コンピュータ1100は、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。この場合、プロセッサ1110によって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0070】
ストレージ1130の例としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ1130は、コンピュータ1100のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース1140または通信回線を介してコンピュータ1100に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ1100に配信される場合、配信を受けたコンピュータ1100が当該プログラムをメインメモリ1120に展開し、上記処理を実行してもよい。上記実施形態では、ストレージ1130は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0071】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、当該プログラムは、前述した機能をストレージ1130に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、ケーシング20内部の4つの空間S内にそれぞれ1つずつ照射部60が設けられている例を説明したが、照射部60の数は限定されず、空間S内に照射部60を複数設けてもよい。これにより、複数の照射部60の姿勢が別々に制御されることで、より効率的に室内機10内部を殺菌することができる。
【0073】
また、上記実施形態では、照射部60は、第1枠体回転部及び第2枠体回転部の回転により、2軸で回転できるように設けられているが、照射部60の回転軸は2軸に限定されず、3軸以上の回転をする構成であってもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、照射部60が各部材に対して直接照射する構成であるが、導光板等を用いて光Lを反射させ、部材に間接的に照射する構成であってもよい。これにより、部材の死角となる部分や狭隘な部分にも光Lを照射することができ、より広範囲に光Lを照射することができる。
【0075】
また、上記実施形態では、センサ70は室内機10底面のフラップ35付近に設けられ、制御装置80は背面パネル21の下部近傍に設けられているが、センサ70と制御装置80の設ける場所は限定されず、ケーシング内部または外部の適宜の場所に設けてよい。
【0076】
また、センサ70は、赤外線センサであってもよい。赤外線センサより得られる室内機10付近の温度情報等を用いて周囲に人がいることを検知したら、人検知信号を制御装置80に送信する構成であってもよい。
【0077】
また、空間S内の幅方向H3に延びるレール等の部材を設け、照射部60を支持する支持部67をレール上に設けることで、照射部60が幅方向H3に移動できる構成をとってもよい。これにより、より広範囲かつ効果的に光Lを照射することができる。
【0078】
また、信号受付部81は、室内機10のリモコン(不図示)によって照射範囲特定に係る情報の入力を受け付けてもよい。
また、制御装置80に対して室内機10のリモコンを用いてタイマーを設定する操作がなされ、設定されたタイマーの時刻に照射範囲特定部82が照射範囲を特定してもよい。
【0079】
<付記>
上記実施形態に記載の空気調和機1は、例えば以下のように把握される。
【0080】
(1)第1の態様に係る空気調和機1は、吸込口25及び吹出口26を有するケーシング20と、該ケーシング20内に設けられた熱交換器32と、前記ケーシング20内に設けられ、前記吸込口25、前記熱交換器32及び前記吹出口26の順に空気を流通させるファン31と、前記ケーシング20内に設けられた照射部60と、を備え、前記照射部60は、指向性のある紫外線を投光する光源61と、該光源61の姿勢が変化するように駆動する駆動部62と、を有する。
【0081】
これにより、殺菌作用を有する光Lを投光する光源61の姿勢を駆動部62により変化させることができるため、ケーシング20内の広範囲にわたって光Lを照射することができる。
【0082】
(2)第2の態様に係る空気調和機1は、(1)の空気調和機1であって、前記駆動部62は、少なくとも二つの駆動軸線回りに前記照射部60を回転駆動してもよい。
【0083】
これにより、光源61の光Lが投光する方向を3次元的に変化させることができるため、広範囲にわたって光Lを照射することができる。
【0084】
(3)第3の態様に係る空気調和機1は、(1)又は(2)の空気調和機1であって、前記照射部60は、前記光源61から投光される前記紫外線が、前記吸込口25、前記熱交換器32及び前記吹出口26の少なくとも一つに照射されるように設けられていてもよい。
【0085】
これにより、ケーシング20内に導入される空気、熱交換器32、及びケーシング20外に吹き出される空気の中に含まれる細菌やウイルスを殺菌することができる。
【0086】
(4)第4の態様に係る空気調和機1は、(1)から(3)のいずれかの空気調和機1であって、前記ケーシング20内における前記熱交換器32の下方に設けられたドレンパン33をさらに備え、前記照射部60は、前記光源61から投光される前記紫外線が前記ドレンパン33に照射されるように設けられてもよい。
【0087】
これにより、細菌やウイルスが発生しやすいドレンパン33を殺菌することができ、ケーシング20内を細菌やウイルスの少ないよりクリーンな状態に保つことができる。
【0088】
(5)第5の態様に係る空気調和機1は、(1)から(4)のいずれかの空気調和機1であって、前記ケーシング20内における前記吸込口25と前記熱交換器32との間に設けられたエアフィルタ34をさらに備え、前記照射部60は、前記光源61から投光される前記紫外線が、前記エアフィルタ34に照射されるように設けられていてもよい。
【0089】
これにより、ケーシング20内を細菌やウイルスの少ないよりクリーンな状態に保つことができる。また、エアフィルタ34を清掃する等のメンテナンス時において、人が誤って細かい埃や塵を吸引してしまった際に人体への悪影響が低下する。
【0090】
(6)第6の態様に係る空気調和機1は、(5)の空気調和機1であって、前記ケーシング20の幅方向H3に延びる軸線回りに回転することで前記エアフィルタ34を搬送する搬送ローラ36と、前記搬送ローラ36によって搬送されるエアフィルタ34に当接することで該エアフィルタ34の付着物を除去する除去部40と、をさらに備えていてもよい。
【0091】
これにより、エアフィルタ34に満遍なく光Lを照射することができる。
【0092】
(7)第7の態様に係る空気調和機1は、(1)から(6)のいずれかの空気調和機1であって、前記駆動部62を制御することで前記光源61による照射範囲を調整する制御装置80をさらに備え、前記制御装置80は、外部からの信号に応じて、前記照射範囲が、第1照射範囲及び該第1照射範囲よりも狭い第2照射範囲のいずれかとなるように前記駆動部62を制御してもよい。
【0093】
これにより、室内機10近傍に人がいる場合や室内機10のユーザが睡眠中等の部屋が暗い時に、光Lがケーシング20外部に漏れることがなく、室内機10のユーザが安全に室内機10を使用することができる。
【符号の説明】
【0094】
1…空気調和機 10…室内機 20…ケーシング 21…背面パネル 22…底面パネル 23…インレットパネル 24…天面パネル 25…吸込口 26…吹出口 30…本体部 31…ファン 32…熱交換器 32a…ブラケット 33…ドレンパン 34…エアフィルタ 34a…第1収容部 34b…第2収容部 35…フラップ 35a…パネル部 35b…調整部 36…搬送ローラ 40…除去部 50…ダストボックス 60…照射部 61…光源 61a…光源本体 61b…光源支持部 62…駆動部 63…第1枠体 64…第1枠体回転部 65…第2枠体 66…第2枠体回転部 67…支持部 70…センサ 80…制御装置 81…信号受付部 82…照射範囲特定部 83…駆動制御部 90…ブラケット 1100…コンピュータ 1110…プロセッサ 1120…メインメモリ 1130…ストレージ 1140…インタフェース A…軸線 B…除去部軸線 H1…設置方向 H2…上下方向 H3…幅方向 L…光 О1…横駆動軸線 О2…縦駆動軸線 О3…回転軸線 S…空間
図1
図2
図3
図4
図5