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特開2022-129221防止装置、防止方法及び防止プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129221
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】防止装置、防止方法及び防止プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20220829BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G08B21/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021027842
(22)【出願日】2021-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野村 啓仁
【テーマコード(参考)】
5C086
5E555
【Fターム(参考)】
5C086AA53
5C086BA01
5C086CA25
5C086CB01
5C086CB07
5C086CB26
5C086CB36
5C086DA08
5C086FA02
5C086FA18
5C086GA09
5E555AA71
5E555AA76
5E555BA02
5E555BA04
5E555BB02
5E555BB04
5E555CA42
5E555CA44
5E555CA46
5E555CA47
5E555CB23
5E555CB66
5E555CB69
5E555CB80
5E555CB81
5E555DA13
5E555DA22
5E555DA23
5E555DB41
5E555DB57
5E555DC13
5E555DD06
5E555DD07
5E555DD08
5E555EA05
5E555EA09
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザの作業を妨げる行為を防止すること。
【解決手段】防止装置10は、建物内の所定の領域に位置するユーザに関する情報を取得する。防止装置10は、取得した情報を基に、ユーザの作業を妨げる行為(以下、妨害行為)の可否を判定する。防止装置10は、妨害行為が不可と判定した場合に、妨害行為が不可であることを通知する。防止装置10は、建物内に備えられた発光装置、テレビ、タブレット端末、スマートスピーカ等の出力装置を介して通知を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内の所定の領域に位置するユーザに関する情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された情報を基に、前記ユーザの作業を妨げる行為の可否を判定する判定部と、
前記判定部によって前記行為が不可と判定された場合に、前記行為が不可であることを通知する通知部と、
を有することを特徴とする防止装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記ユーザに関する情報に基づく作業への集中度合いを基に、前記行為の可否を判定することを特徴とする請求項1に記載の防止装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記領域への進入の可否を判定し、
前記通知部は、前記判定部によって前記領域への進入が不可と判定された場合に、前記領域への進入が不可であることを通知することを特徴とする請求項1又は2に記載の防止装置。
【請求項4】
前記通知部は、前記建物に備えられた発光装置を点灯させることにより、前記行為が不可であることを通知することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の防止装置。
【請求項5】
前記通知部は、前記建物に備えられた出力装置に、前記行為が不可であることを意味するメッセージを出力させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の防止装置。
【請求項6】
前記通知部は、前記建物に備えられた出力装置に所定のコンテンツを再生させることにより、前記行為が不可であることを通知することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の防止装置。
【請求項7】
防止装置によって実行される防止方法であって、
建物内の所定の領域に位置するユーザに関する情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された情報を基に、前記ユーザの作業を妨げる行為の可否を判定する判定工程と、
前記判定工程によって前記行為が不可と判定された場合に、前記行為が不可であることを通知する通知工程と、
を含むことを特徴とする防止方法。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1から6のいずれか1項に記載の防止装置として機能させるための防止プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防止装置、防止方法及び防止プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種センサによって取得される情報を用いて、ユーザの集中度を推定する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-226708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術には、ユーザの作業を妨げる行為を防止できない場合があるという問題がある。例えば、従来の技術では、ユーザが作業に集中していることが分かったとしても、その作業への妨害を防止することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、防止装置は、建物内の所定の領域に位置するユーザに関する情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された情報を基に、前記ユーザの作業を妨げる行為の可否を判定する判定部と、前記判定部によって前記行為が不可と判定された場合に、前記行為が不可であることを通知する通知部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザの作業を妨げる行為を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係る防止システムの構成例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る防止装置の構成例を示す図である。
図3図3は、通知の態様を説明する図である。
図4図4は、通知の態様を説明する図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る防止装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図6図6は、通知の態様を説明する図である。
図7図7は、防止プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本願に係る防止装置、防止方法及び防止プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
【0009】
[第1の実施形態の構成]
まず、図1を用いて、防止装置を含む防止システムの構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る防止システム装置の構成の一例を示す図である。図1に示すように、防止装置10は、ネットワークNを介して、建物2に備えられた装置との間で情報のやり取りを行う。例えば、ネットワークNはインターネットである。
【0010】
なお、防止装置10は、建物2の外部に備えられていてもよいし、建物2の内部に備えられていてもよい。また、防止装置10は、端末50等の他の装置の機能の一部として実現されてもよい。
【0011】
図1に示すように、防止システム1は防止装置10を有する。また、防止システム1は、建物2に備えられた情報収集装置20、情報収集装置30、出力装置40a、端末50を有する。また、建物2の中にはユーザU1とユーザU2が存在する。そして、領域A10は、ユーザU1が作業を行う領域である。
【0012】
例えば、建物2は、ユーザU1とユーザU2が住む住宅である。ユーザU1は、端末50を使っていわゆる在宅勤務に関する作業を行う。領域A10は、間仕切り等で仕切られた1つの部屋であってもよいし、リビング等の一部に設けられた空間であってもよい。また、ユーザU2は在宅中の子供であり、領域A10を含めて建物2の中を自由に動き回ることができるものとする。
【0013】
本実施形態は、作業が行われている領域への進入、作業中のユーザへの話しかけ、騒音の発生といった妨害行為の防止を1つの目的とする。特に、本実施形態は、大人が作業に集中していることを自身で判断することが難しい子供による妨害行為の防止に有用である。
【0014】
情報収集装置20及び情報収集装置30は、センサとしての機能を備えた装置である。情報収集装置20及び情報収集装置30は、カメラ、マイクロホン、温度計、湿度計等として機能する。
【0015】
また、情報収集装置20及び情報収集装置30は、体温、心拍、血圧等のバイタルデータを測定する機能を有していてもよい。また、情報収集装置20及び情報収集装置30は、ユーザによって装着されるスマートリストバンド等のウェアラブル機器であってもよい。
【0016】
情報収集装置20と同等の機能が端末50に備えられてもよい。その場合、例えば端末50は、カメラ及びマイクロホンを備えたラップトップ型のパーソナルコンピュータである。
【0017】
出力装置40aは、光及び音声等を出力することにより情報を通知する。図1の例では、出力装置40aはパトランプである。出力装置40aは、防止装置10による制御に応じて点灯する。また、パトランプは発光装置の一例である。
【0018】
また、出力装置40aは、音声を発するスマートスピーカ等の装置であってもよい。この場合、出力装置40aは、防止装置10の制御に応じて、アラーム音、又は作業妨害を禁止するメッセージを読み上げる音声を出力する。
【0019】
図1の例では、カメラとしての機能を持つ情報収集装置20がユーザU1を撮影する。情報収集装置20は、撮影したユーザU1の画像を防止装置10に送信する。防止装置10は、受信した画像からユーザU1の姿勢を読み取る。
【0020】
防止装置10は、ユーザU1の姿勢に基づき、作業への集中度合いを計算する。そして、計算した集中度合いが閾値以上であれば、ユーザU1の作業を妨げる行為(以下、妨害行為)が不可であると判定する。
【0021】
ここで、妨害行為が不可であることは、ユーザU1が、作業の妨害を許可しないこと、又は作業を妨害しないでほしいと考えていること、のように言い換えることができる。逆に、妨害行為が不可ではないこと(可であること)は、ユーザU1が、作業の妨害を許可していること、又は作業を妨害されてもよいと考えていること、のように言い換えることができる。
【0022】
防止装置10は、妨害行為が不可であると判定した場合、判定結果を出力装置40aに通知する。このとき、防止装置10は、出力装置40aに、妨害行為が不可であることを示す情報を送信してもよいし、発光を指示する信号を送信してもよい。
【0023】
例えば、図1の例では、出力装置40aは、妨害行為が不可と判定されたという情報を防止装置10から受け取った場合、受け取った情報を解釈し、あらかじめ決められた動作(例えば赤く発光)を行う。また、防止装置10は、妨害行為が不可と判定された場合、赤く発光すること指示する信号を出力装置40aに送信してもよい。この場合、出力装置40aは、受け取った信号に従って赤く発光する。
【0024】
なお、この場合、出力装置40aが赤く発光することが、作業妨害が不可であること(特に領域A10に進入禁止であること)を意味することが、ユーザU1以外のユーザにあらかじめ周知されていてもよい。
【0025】
図2を用いて、防止装置10の構成を説明する。図2は、第1の実施形態に係る防止装置の構成例を示す図である。図2に示すように、防止装置10は、インタフェース部11、記憶部12及び制御部13を有する。
【0026】
インタフェース部11は、データの入力及び出力のためのインタフェースである。例えば、インタフェース部11はNIC(Network Interface Card)である。インタフェース部11は、ネットワークNを介して他の装置との間でデータの送受信を行うことができる。
【0027】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置である。なお、記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。記憶部12は、防止装置10で実行されるOS(Operating System)や各種プログラムを記憶する。
【0028】
制御部13は、防止装置10全体を制御する。制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路である。また、制御部13は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、内部メモリを用いて各処理を実行する。また、制御部13は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。例えば、制御部13は、取得部131、判定部132及び通知部133を有する。
【0029】
取得部131は、建物内の所定の領域に位置するユーザに関する情報を取得する。例えば、取得部131は、情報収集装置20によって送信され、防止装置10に入力された情報を取得する。取得部131は、ユーザに関する情報として、ユーザの姿勢に関する情報を取得することができる。例えば、取得部131は、姿勢に関する情報として、ユーザU1の姿を写した画像、ユーザU1の上半身の傾きを示すデータ等を取得する。
【0030】
判定部132は、取得部131によって取得された情報を基に、ユーザの作業を妨げる行為、すなわち妨害行為の可否を判定する。例えば、判定部132は、ユーザの姿勢に基づく作業への集中度合いを基に、妨害行為の可否を判定する。
【0031】
例えば、ユーザU1が端末50への入力作業に集中すると、前傾姿勢になることが考えられる。このため、判定部132は、ユーザU1の上半身の傾きに比例する数値を集中度合いとして計算してもよい。また、判定部132は、ユーザU1が前傾姿勢を維持している時間の長さに比例する数値を集中度合いとして計算してもよい。
【0032】
その他にも、防止装置10は、ユーザU1の視線が固定されている時間、単位時間当たりの端末50の操作量(例えば、キーボードの打鍵量)に比例するように、集中度合いを計算してもよい。
【0033】
また、領域A10に進入することは妨害行為に相当する。このため、判定部132は、領域A10への進入の可否を判定してもよい。その他にも、妨害行為としては、騒音を発生させる行為等が考えられる。
【0034】
妨害行為の可否の判定方法としては、他にも様々な方法が考えられる。例えば、防止装置10は、特許文献1に記載の方法を使ってユーザU1の集中度合いを計算してもよい。また、ユーザU1眼球運動を基に集中度合いを計算してもよい。
【0035】
また、判定部132は、ユーザU1が特定の作業を行っている場合、妨害行為を不可と判定してもよい。例えば、判定部132は、ユーザU1が端末50を使ってビデオ会議を行っている場合、妨害行為を不可と判定する。
【0036】
例えば、判定部132は、端末50でビデオ会議のためのソフトウェアが実行中である場合、又は情報収集装置20によってユーザU1が会話をしている音声が取得された場合に、ユーザU1がビデオ会議を行っていると判断し、妨害行為を不可と判定する。
【0037】
また、情報収集装置20は、領域A10にある椅子に備えられた加重センサ、及び加速度センサ等であってもよい。この場合、情報収集装置20は、加重センサ及び加速度センサの検知結果に基づき、ユーザU1が椅子に座った状態で動きが少なくなった場合に、作業に集中していると判断し、妨害行為を不可と判定する。
【0038】
通知部133は、判定部132によって妨害行為が不可と判定された場合に、妨害行為が不可であることを通知する。例えば、図1に示すように、通知部133は、建物に備えられた発光装置を点灯させることにより、妨害行為が不可であることを通知する。
【0039】
また、図3に示すように、通知部133は、建物2に備えられた出力装置40bに、妨害行為が不可であることを意味するメッセージを出力させてもよい。図3は、通知の態様を説明する図である。
【0040】
図3の例では、通知部133は、出力装置40bに「入ってはいけません!」というメッセージを表示させる。このように、通知部133は、判定部132によって領域への進入が不可と判定された場合に、領域への進入が不可であることを通知する。なお、出力装置40bは、例えばテレビ及びタブレット端末等であり、画像及び音声を出力することができる。
【0041】
このとき、通知部133は、出力装置40bに対して判定結果のみを通知してもよいし、表示するメッセージをテキストデータとして通知してもよい。例えば、出力装置40bは、妨害行為が不可であるという判定結果が通知された場合、あらかじめ出力装置40bに記憶された所定のメッセージを表示する。
【0042】
また、通知部133は、判定部132の判定結果に応じて通知方法を変化させてもよい。例えば、判定部132によって計算された集中度合いが第1の閾値以上である場合、通知部133は領域A10への進入及び騒音を発生させる行為の両方が不可であることを通知する。一方、判定部132によって計算された集中度合いが第1の閾値より小さく、第2の閾値以上である場合、通知部133は領域A10への進入のみが不可であることを通知する(ただし、第1の閾値>第2の閾値)。
【0043】
また、ユーザU1がビデオ会議中である場合、当該ビデオ会議の相手によって通知方法を変化させてもよい。例えば、ビデオ会議の相手が重要度の高い人物(例えば、クライアント又は上役)であることが、事前に端末50を介して防止装置10に通知されている場合、通知部133は領域A10への進入及び騒音を発生させる行為の両方が不可であることを通知する。一方、ビデオ会議の相手が重要度の高い人物であることが通知されていない場合、通知部133は領域A10への進入のみが不可であることを通知する。
【0044】
例えば、通知部133は、領域A10への進入及び騒音を発生させる行為の両方が不可である場合、「作業部屋には入らずに、静かにしていてください!」というメッセージを出力装置40bに表示させ、領域A10への進入のみが不可である場合、「作業部屋には入らないでください!」というメッセージを出力装置40bに表示させる。
【0045】
なお、判定部132は、領域A10への進入は可であり、騒音を発生させる行為は不可であるという判定をしてもよい。この場合、通知部は、「静かにしていてください!」、「作業部屋に入ってもよいですが、騒音は出さないでください!」といったメッセージを出力装置40bに表示させる。
【0046】
また、図4に示すように、通知部133は、建物2に備えられた出力装置40bに所定のコンテンツを再生させることにより、妨害行為が不可であることを通知する。図4は、通知の態様を説明する図である。
【0047】
図4の例では、通知部133は、出力装置40bに子供向けの映像コンテンツを再生させる。これにより、子供であるユーザU2の興味が映像コンテンツに移ることで、ユーザU2による領域A10への進入が防止される。なお、通知部133は、出力装置40bに、映像コンテンツの代わりに音楽等の音声のみのコンテンツを再生させてもよい。
【0048】
さらに、通知部133は、情報収集装置30によって収集された情報からユーザU2が領域A10の付近に存在していることが検知された場合に、妨害行為が不可であることを通知し、そうでない場合は通知しないようにしてもよい。
【0049】
例えば、情報収集装置30は、カメラ、マイクロホン又は赤外線センサとして機能する。そして、防止装置10は、情報収集装置30によって収集された画像、音声又は赤外線の検知結果等を基に、ユーザU2が領域A10の付近に存在するか否かを判定することができる。
【0050】
[第1の実施形態の処理]
図5は、第1の実施形態に係る防止装置の処理の流れを示すフローチャートである。図5に示すように、まず、防止装置10は、建物2内の所定の領域に存在するユーザU1に関する情報を取得する(ステップS101)。例えば、ユーザU1に関する情報は、建物2に備えられた情報収集装置20によって防止装置10に送信される。また、ユーザU1は、領域A10で作業中であるものとする。
【0051】
次に、防止装置10は、ユーザU1の作業を妨げる行為の可否を判定する(ステップS102)。ここで、防止装置10は、ユーザU1の作業を妨げる行為を行ってもよいと判定した場合(ステップS102、可)、処理を終了する。
【0052】
一方、防止装置10は、ユーザU1の作業を妨げる行為を不可と判定した場合(ステップS102、不可)、建物2内の情報を取得する(ステップS103)。例えば、建物2内の情報は、建物2に備えられた情報収集装置30によって防止装置10に送信される。
【0053】
続いて、防止装置10は、建物2内の情報を基に、領域A10付近に他のユーザが存在するか否かを判定する(ステップS104)。そして、防止装置10は、領域A10付近に他のユーザが存在すると判定した場合(ステップS104、Yes)、作業を妨げる行為が不可であることを通知する(ステップS105)。
【0054】
一方、防止装置10は、領域A10付近に他のユーザが存在しないと判定した場合(ステップS104、No)、処理を終了する。なお、防止装置10は、ステップS104の処理を省略してもよい。
【0055】
[第1の実施形態の効果]
これまで説明してきたように、取得部131は、建物内の所定の領域に位置するユーザに関する情報を取得する。判定部132は、取得部131によって取得された情報を基に、ユーザの作業を妨げる行為(以下、妨害行為)の可否を判定する。通知部133は、判定部132によって妨害行為が不可と判定された場合に、妨害行為が不可であることを通知する。このように、防止装置10は、ユーザに関する情報に基づき妨害行為の可否を判定した上でその結果を他のユーザに通知することができる。その結果、本実施形態によれば、ユーザの作業を妨げる行為を防止できる。
【0056】
判定部132は、ユーザに関する情報に基づく作業への集中度合いを基に、妨害行為の可否を判定する。これにより、防止装置10は、妨害行為の可否を定量的に判定することができる。
【0057】
判定部132は、領域への進入の可否を判定する。通知部133は、判定部132によって領域への進入が不可と判定された場合に、領域への進入が不可であることを通知する。これにより、防止装置10は、作業中の領域への進入を防止することができる。
【0058】
通知部133は、建物に備えられた発光装置を点灯させることにより、妨害行為が不可であることを通知する。これにより、防止装置10は、妨害行為が不可であることを容易に通知することができる。
【0059】
通知部133は、建物に備えられた出力装置に、妨害行為が不可であることを意味するメッセージを出力させる。これにより、防止装置10は、妨害行為が不可であることを正確に通知することができる。
【0060】
通知部133は、建物に備えられた出力装置に所定のコンテンツを再生させることにより、妨害行為が不可であることを通知する。これにより、防止装置10は、特に子供の注意をひきつけ妨害行為を防止することができる。
【0061】
[その他の実施形態]
防止装置10は、図1図3及び図4に示すように、ユーザU2が領域A10に近付いている場合に妨害行為が不可であることを通知してもよい。一方、防止装置10は、図6に示すように、ユーザU2が領域A10に近付いていない場合であっても、判定部132の判定結果に応じて、妨害行為が不可であることを常に通知してもよい。図6は、通知の態様を説明する図である。
【0062】
また、他のユーザが領域A10に近付いているか否かの判定は、領域A10の付近に備えられた情報収集装置30が収集した情報に基づいて行われてもよい。例えば、情報収集装置30がカメラであれば、防止装置10は、情報収集装置30によって撮影された画像に人物が写っているか否かによって、他のユーザが領域A10に近付いているか否かを判定する。また、情報収集装置30が赤外線センサである場合、情報収集装置30によって所定の温度の物体が感知された場合に、他のユーザが領域A10に近付いていると判定する。
【0063】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散及び統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。なお、プログラムは、CPUだけでなく、GPU等の他のプロセッサによって実行されてもよい。
【0064】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0065】
[プログラム]
一実施形態として、防止装置10は、パッケージソフトウェアやオンラインソフトウェアとして上記の防止処理を実行する防止プログラムを所望のコンピュータにインストールさせることによって実装できる。例えば、上記の防止プログラムを情報処理装置に実行させることにより、情報処理装置を防止装置10として機能させることができる。ここで言う情報処理装置には、デスクトップ型又はラップトップ型のパーソナルコンピュータが含まれる。また、その他にも、情報処理装置にはスマートフォン、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)等の移動体通信端末、さらには、PDA(Personal Digital Assistant)等のスレート端末等がその範疇に含まれる。
【0066】
また、防止装置10は、ユーザが使用する端末装置をクライアントとし、当該クライアントに上記の防止処理に関するサービスを提供する防止サーバ装置として実装することもできる。例えば、防止サーバ装置は、ユーザに関する情報を入力とし、妨害行為の可否を出力とする防止サービスを提供するサーバ装置として実装される。この場合、防止サーバ装置は、Webサーバとして実装することとしてもよいし、アウトソーシングによって上記の防止処理に関するサービスを提供するクラウドとして実装することとしてもかまわない。
【0067】
図7は、防止プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010、CPU1020を有する。また、コンピュータ1000は、ハードディスクドライブインタフェース1030、ディスクドライブインタフェース1040、シリアルポートインタフェース1050、ビデオアダプタ1060、ネットワークインタフェース1070を有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
【0068】
メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM(Random Access Memory)1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0069】
ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、防止装置10の各処理を規定するプログラムは、コンピュータにより実行可能なコードが記述されたプログラムモジュール1093として実装される。プログラムモジュール1093は、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。例えば、防止装置10における機能構成と同様の処理を実行するためのプログラムモジュール1093が、ハードディスクドライブ1090に記憶される。なお、ハードディスクドライブ1090は、SSD(Solid State Drive)により代替されてもよい。
【0070】
また、上述した実施形態の処理で用いられる設定データは、プログラムデータ1094として、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020は、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出して、上述した実施形態の処理を実行する。
【0071】
なお、プログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限らず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ1100等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶されてもよい。そして、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、他のコンピュータから、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【符号の説明】
【0072】
A10 領域
N ネットワーク
U1、U2 ユーザ
1 防止システム
2 建物
10 防止装置
11 インタフェース部
12 記憶部
13 制御部
20、30 情報収集装置
40a、40b 出力装置
50 端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7