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特開2022-129262散水車両の管理システム、散水車両、及び散水車両の管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129262
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】散水車両の管理システム、散水車両、及び散水車両の管理方法
(51)【国際特許分類】
   E01H 3/02 20060101AFI20220829BHJP
【FI】
E01H3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021027916
(22)【出願日】2021-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 恵之
(72)【発明者】
【氏名】平中 貴士
(72)【発明者】
【氏名】長川 研太
【テーマコード(参考)】
2D026
【Fターム(参考)】
2D026BA02
(57)【要約】
【課題】散水車両の上限速度を柔軟に調整すること。
【解決手段】散水車両の管理システムは、散水のために散水車両のタンクに収容されている水量を示す水量データを取得する水量データ取得部と、水量データに基づいて、散水車両の走行速度を設定する速度設定部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
散水のために散水車両のタンクに収容されている水量を示す水量データを取得する水量データ取得部と、
前記水量データに基づいて、前記散水車両の走行速度を設定する速度設定部と、を備える、
散水車両の管理システム。
【請求項2】
前記速度設定部は、前記水量が多いほど前記走行速度を低くし、前記水量が少ないほど前記走行速度を高くする、
請求項1に記載の散水車両の管理システム。
【請求項3】
前記散水車両は、前記水量を検出する水量センサを有し、
前記水量データ取得部は、前記水量センサから前記水量データを取得する、
請求項1又は請求項2に記載の散水車両の管理システム。
【請求項4】
前記タンクに収容されている水量と前記散水車両の走行速度との関係を示す速度条件を記憶する速度条件記憶部を備え、
前記速度設定部は、前記水量データと前記速度条件とに基づいて、前記走行速度を設定する、
請求項3に記載の散水車両の管理システム。
【請求項5】
前記速度設定部は、前記散水車両が走行する下り坂が急激なほど前記走行速度を低くし、前記下り坂が緩やかなほど前記走行速度を高くする、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の散水車両の管理システム。
【請求項6】
前記速度設定部は、前記走行速度を含む前記散水車両の走行データを生成し、
前記走行データを前記散水車両に送信する出力部を備える、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の散水車両の管理システム。
【請求項7】
前記速度設定部は、前記水量データに基づいて前記走行速度を更新し、
前記出力部は、更新された前記走行速度を含む前記走行データを前記散水車両に送信する、
請求項6に記載の散水車両の管理システム。
【請求項8】
走行装置と、
前記走行装置に支持される車両本体と、
前記車両本体に支持されるタンクと、
前記タンクに収容されている水量を示す水量データに基づいて、前記走行装置の走行速度を設定する制御装置と、を備える、
散水車両。
【請求項9】
散水のために散水車両のタンクに収容されている水量を示す水量データに基づいて、前記散水車両の走行速度を設定することと、
前記走行速度に基づいて、前記散水車両の走行装置を制御することと、を含む、
散水車両の管理方法。
【請求項10】
前記水量が多いほど前記走行速度を低くし、前記水量が少ないほど前記走行速度を高くする、
請求項9に記載の散水車両の管理方法。
【請求項11】
前記走行速度は、前記水量データと、前記タンクに収容されている水量と前記散水車両の走行速度との関係を示す速度条件とに基づいて、設定される、
請求項9又は請求項10に記載の散水車両の管理方法。
【請求項12】
前記散水車両が走行する下り坂が急激なほど前記走行速度を低くし、前記下り坂が緩やかなほど前記走行速度を高くする、
請求項9から請求項11のいずれか一項に記載の散水車両の管理方法。
【請求項13】
前記走行速度を含む前記散水車両の走行データを生成することと、
前記走行データに基づいて前記走行装置を制御することと、を含む、
請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の散水車両の管理方法。
【請求項14】
前記水量データに基づいて前記走行速度を更新することを含む、
請求項9から請求項13のいずれか一項に記載の散水車両の管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、散水車両の管理システム、散水車両、及び散水車両の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
作業現場において粉塵又は砂埃の拡散を抑制するために、散水車両により散水が実施される場合がある。特許文献1には、流体を現場に輸送する可動式流体輸送機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2013-516557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
散水車両の走行速度が一律に設定されると、散水車両の作業効率が低下する可能性がある。散水車両の作業効率の低下を抑制するためには、散水車両の走行速度を柔軟に調整できる技術が要望される。
【0005】
本開示は、散水車両の走行速度を柔軟に調整することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、散水のために散水車両のタンクに収容されている水量を示す水量データを取得する水量データ取得部と、水量データに基づいて、散水車両の走行速度を設定する速度設定部と、を備える、散水車両の管理システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、散水車両の走行速度を柔軟に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る無人車両の管理システムを示す模式図である。
図2図2は、実施形態に係る無人散水車両を示す斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る作業現場を示す模式図である。
図4図4は、実施形態に係る無人車両の管理システムを示す機能ブロック図である。
図5図5は、実施形態に係る速度条件記憶部に記憶されている速度条件を説明するための図である。
図6図6は、実施形態に係る走行データを説明するための図である。
図7図7は、実施形態に係る無人散水車両の管理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[管理システムの概要]
図1は、実施形態に係る無人車両の管理システム1を示す模式図である。管理システム1は、作業現場で稼働する無人車両を管理する。無人車両とは、運転者による運転操作によらずに無人で稼働する作業車両をいう。実施形態において、作業現場で稼働する無人車両は、無人運搬車両10と無人散水車両20とを含む。
【0011】
無人運搬車両10は、無人で作業現場を走行して積荷を運搬する。無人運搬車両10として、無人ダンプトラックが例示される。無人運搬車両10に運搬される積荷として、作業現場において掘削された掘削物が例示される。
【0012】
無人散水車両20は、無人で作業現場を走行して散水する。無人散水車両20として、無人散水トラックが例示される。無人散水車両20は、作業現場において粉塵又は砂埃が拡散することを抑制するために散水する。
【0013】
管理システム1は、管理装置2と、通信システム3とを備える。管理装置2は、作業現場の管制施設4に設置される。管制施設4に管理者が存在する。
【0014】
無人運搬車両10は、制御装置11を有する。無人散水車両20は、制御装置21を有する。管理装置2と制御装置11と制御装置21とは、通信システム3を介して無線通信する。管理装置2に無線通信機3Aが接続される。制御装置11に無線通信機3Bが接続される。制御装置21に無線通信機3Cが接続される。通信システム3は、無線通信機3A、無線通信機3B、及び無線通信機3Cを含む。
【0015】
[無人散水車両]
図2は、実施形態に係る無人散水車両20を示す斜視図である。図1及び図2に示すように、無人散水車両20は、無線通信機3Cと、制御装置21と、車両本体22と、走行装置23と、タンク24と、センサシステム25と、散水スプレー28とを備える。
【0016】
車両本体22は、車体フレームを含む。車両本体22は、走行装置23に支持される。車両本体22は、タンク24を支持する。
【0017】
実施形態において、車両本体22にキャブ29が設けられる。キャブ29は、車両本体22の前部に設けられる。運転者は、キャブ29に搭乗して、無人散水車両20の運転操作を実施することができる。例えば無人散水車両20の保守又は点検を実施する場合、運転者は、無人散水車両20の運転操作を実施する。実施形態において、無人散水車両20は、少なくとも作業現場において散水するときに無人で稼働する。なお、無人散水車両20にキャブ29は設けられなくてもよい。
【0018】
走行装置23は、無人散水車両20を走行させるための駆動力を発生する。走行装置23は、無人散水車両20を減速又は停止させるための制動力を発生する。走行装置23は、無人散水車両20を旋回させるための操舵力を発生する。走行装置23は、無人散水車両20を前進又は後進させる。走行装置23は、車輪26を含む。車輪26にタイヤ27が装着される。車輪26は、前輪26Fと、後輪26Rとを含む。前輪26Fは操舵輪であり、後輪26Rは駆動輪である。なお、前輪26F及び後輪26Rの両方が操舵輪でもよい。前輪26F及び後輪26Rの両方が駆動輪でもよい。前輪26Fが駆動輪で後輪26Rが操舵輪でもよい。タイヤ27は、前輪26Fに装着される前タイヤ27Fと、後輪26Rに装着される後タイヤ27Rとを含む。タイヤ27が作業現場の路面に接触した状態で車輪26が回転することにより、無人散水車両20は、作業現場を走行する。
【0019】
タンク24は、散水のための水を収容する部材である。タンク24の少なくとも一部は、車両本体22よりも上方に配置される。
【0020】
センサシステム25は、位置センサ25Aと、方位センサ25Bと、速度センサ25Cと、水量センサ25Dとを含む。位置センサ25Aは、無人散水車両20の位置を検出する。無人散水車両20の位置は、全地球航法衛星システム(GNSS)を利用して検出される。位置センサ25Aは、GNSS受信機を含み、無人散水車両20のグローバル座標系の位置を検出する。方位センサ25Bは、無人散水車両20の方位を検出する。方位センサ25Bとして、ジャイロセンサが例示される。速度センサ25Cは、無人散水車両20の走行速度を検出する。速度センサ25Cとして、車輪26の回転を検出するパルスセンサが例示される。
【0021】
水量センサ25Dは、タンク24に収容されている水量を検出する。実施形態において、水量センサ25Dは、タンク24に収容されている水の重量を検出する重量センサである。
【0022】
なお、タンク24に収容されている水量が水量センサ25Dにより直接検出されなくてもよい。無人散水車両20の総重量が重量センサにより検出され、無人散水車両20の総重量に基づいてタンク24に収容されている水量が推定されてもよい。例えば、車輪26と車両本体22との間にサスペンションシリンダが配置され、サスペンションシリンダの内部空間の作動油の圧力を検出する圧力センサの検出データに基づいてタンク24に収容されている水量が推定されてもよい。この場合、圧力センサが水量センサ25Dとして機能する。すなわち、水量センサ25Dは、車両本体22の重量とタンク24の重量とタンク24に収容されている水の重量との総和を示す総重量が重量センサにより検出され、総重量の変化に基づいてタンク24に収容されている水量が推定されてもよい。この場合、重量センサが水量センサ25Dとして機能する。
【0023】
なお、水量センサ25Dにより検出される水量は、水の重量を含む概念でもよいし、水の重量とは異なる量を含む概念でもよい。例えば、水量センサ25Dは、タンク24に収容されている水の体積を検出してもよい。水量センサ25Dは、タンク24に収容されている水の表面の高さを示す水位を検出してもよい。
【0024】
散水スプレー28は、タンク24の水を噴射する。散水スプレー28は、無人散水車両20の後部に設けられる。散水スプレー28は、無人散水車両20の後方に散水する。実施形態において、散水スプレー28は、複数設けられる。複数の散水スプレー28は、タンク24の後部において無人散水車両20の車幅方向に間隔をあけて配置される。車幅方向とは、無人散水車両20が直進状態のときの車輪26の回転軸と平行な方向をいう。
【0025】
[作業現場]
図3は、実施形態に係る作業現場を示す模式図である。作業現場として、鉱山又は採石場が例示される。鉱山とは、鉱物を採掘する場所又は事業所をいう。採石場とは、石材を採掘する場所又は事業所をいう。作業現場において、無人運搬車両10及び無人散水車両20のそれぞれが稼働する。
【0026】
実施形態において、作業現場は、鉱山である。鉱山として、金属を採掘する金属鉱山、石灰石を採掘する非金属鉱山、又は石炭を採掘する石炭鉱山が例示される。
【0027】
作業現場に、積込場31、排土場32、駐機場33、給油場34、給水場35、走行路36、及び交差点37が設けられる。
【0028】
積込場31とは、無人運搬車両10に積荷を積載する積込作業が実施されるエリアをいう。積込場31において、積込機5が稼働する。積込機5として、油圧ショベルが例示される。
【0029】
排土場32とは、無人運搬車両10から積荷が排出される排出作業が実施されるエリアをいう。排土場32に、破砕機6が設けられる。
【0030】
駐機場33とは、無人運搬車両10及び無人散水車両20の少なくとも一方が駐機されるエリアをいう。
【0031】
給油場34とは、無人運搬車両10及び無人散水車両20の少なくとも一方が給油されるエリアをいう。給油場34に、燃料を供給する給油機7が設けられる。
【0032】
給水場35とは、無人散水車両20が給水されるエリアをいう。給水場35において、散水のための水がタンク24に供給される。給水場35に、タンク24に水を供給する給水機8が設けられる。
【0033】
走行路36とは、積込場31、排土場32、駐機場33、給油場34、及び給水場35の少なくとも一つに向かう無人車両が走行するエリアをいう。走行路36は、少なくとも積込場31と排土場32とを繋ぐように設けられる。実施形態において、走行路36は、積込場31、排土場32、駐機場33、給油場34、及び給水場35のそれぞれに繋がる。
【0034】
交差点37とは、複数の走行路36が交わるエリア又は1つの走行路36が複数の走行路36に分岐するエリアをいう。
【0035】
[管理システム]
図4は、実施形態に係る無人車両の管理システム1を示す機能ブロック図である。管理システム1は、管理装置2と、通信システム3と、制御装置11と、制御装置21とを有する。
【0036】
管理装置2は、コンピュータシステムを含む。管理装置2は、入力装置9に接続される。管理装置2は、通信インタフェース41と、記憶回路42と、処理回路43とを有する。
【0037】
入力装置9は、処理回路43に接続される。入力装置9は、管制施設4の管理者に操作される。入力装置9は、管理者の操作に基づいて、入力データを生成する。入力装置9により生成された入力データは、処理回路43に入力される。入力装置9として、タッチパネル、コンピュータ用キーボード、マウス、又は操作ボタンが例示される。なお、入力装置9は、光学センサを含む非接触型入力装置でもよいし、音声入力装置でもよい。
【0038】
通信インタフェース41は、処理回路43に接続される。通信インタフェース41は、管理装置2と制御装置11及び制御装置21の少なくとも一方との間の通信を制御する。通信インタフェース41は、通信システム3を介して制御装置11及び制御装置21の少なくとも一方と通信する。
【0039】
記憶回路42は、処理回路43に接続される。記憶回路42は、データを記憶する。記憶回路42として、不揮発性メモリ又は揮発性メモリが例示される。不揮発性メモリとして、ROM(Read Only Memory)又はストレージが例示される。ストレージとして、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)又はソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)が例示される。揮発性メモリとして、RAM(Random Access Memory)が例示される。
【0040】
処理回路43は、演算処理及び制御指令の出力処理を実施する。処理回路43として、プロセッサが例示される。プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)が例示される。コンピュータプログラムが記憶回路42に記憶される。処理回路43は、記憶回路42からコンピュータプログラムを取得して実行することにより、所定の機能を発揮する。
【0041】
記憶回路42は、速度条件記憶部51と、散水条件記憶部52を有する。
【0042】
速度条件記憶部51は、無人散水車両20の目標走行速度に係る速度条件を記憶する。無人散水車両20の目標走行速度は、無人散水車両20の上限速度を含む。無人散水車両20の上限速度とは、無人散水車両20の走行速度の上限値をいう。無人散水車両20は、上限速度を上回らない走行速度で作業現場を走行する。
【0043】
速度条件は、タンク24に収容されている水量と無人散水車両20の走行速度との関係を示す。散水スプレー28から散水されると、タンク24に収容されている水量は減少する。給水場35において水がタンク24に供給されると、タンク24に収容されている水量は増加する。すなわち、タンク24に収容されている水量は、変化する。
【0044】
タンク24に収容されている水量が多いと、無人散水車両20の総重量は重くなる。タンク24に収容されている水量が少ないと、無人散水車両20の総重量は軽くなる。総重量が重い無人散水車両20と総重量が軽い無人散水車両20とが同一条件で走行し、同一条件で制動したとき、総重量が軽い無人散水車両20の制動距離は、総重量が重い無人散水車両20の制動距離よりも短い。そのため、総重量が軽い無人散水車両20は、総重量が重い無人散水車両20よりも高速で走行することが許容される。すなわち、タンク24に収容されている水量が少ない無人散水車両20は、タンク24に収容されている水量が多い無人散水車両20よりも高速で走行することが許容される。
【0045】
速度条件記憶部51には、タンク24に収容されている水量と無人散水車両20の走行速度との関係を示す速度条件が記憶されている。タンク24に収容されている水量が少ない場合、無人散水車両20の走行速度は高い値に設定される。タンク24に収容されている水量が多い場合、無人散水車両20の走行速度は低い値に設定される。速度条件は、無人散水車両20に要求される制動距離に基づいて予め定められる。
【0046】
また、速度条件は、無人散水車両20が走行する走行路36の傾斜角度と無人散水車両20の走行速度との関係を示す。
【0047】
実施形態においては、走行路36の傾斜角度を[%]で表記することとする。例えば、水平方向に100[m]前進したときに10[m]下降する傾斜角度は-10[%]である。傾斜角度が0[%]とは、無人散水車両20が走行する走行路36の路面が水平面と平行であることを意味する。水平方向に100[m]前進したときに10[m]上昇する傾斜角度は+10[%]である。すなわち、下り坂の傾斜角度は、負の値である。上り坂の傾斜角度は、正の値である。下り坂の傾斜角度の絶対値が大きいほど、下り坂が急激であることを意味する。下り坂の傾斜角度の絶対値が小さいほど、下り坂が緩やかであることを意味する。
【0048】
急激な下り坂(傾斜角度の絶対値が大きい下り坂)及び緩やかな下り坂(傾斜角度の絶対値が小さい下り坂)のそれぞれを無人散水車両20が同一条件で走行し、同一条件で制動したとき、緩やかな下り坂における無人散水車両20の制動距離は、急激な下り坂における無人散水車両20の制動距離よりも短い。そのため、緩やかな下り坂を走行する無人散水車両20は、急激な下り坂を走行する無人散水車両20よりも高速で走行することが許容される。
【0049】
速度条件記憶部51には、無人散水車両20が走行する走行路36の傾斜角度と無人散水車両20の走行速度との関係を示す速度条件も記憶されている。緩やかな下り坂の場合、無人散水車両20の走行速度は高い値に設定される。急激な下り坂の場合、無人散水車両20の走行速度は低い値に設定される。速度条件は、無人散水車両20に要求される制動距離に基づいて予め定められる。
【0050】
図5は、実施形態に係る速度条件記憶部51に記憶されている速度条件を説明するための図である。図5に示すグラフにおいて、横軸は無人散水車両20が走行する下り坂の傾斜角度[%]を示し、縦軸は無人散水車両20の走行速度[km/h]を示す。
【0051】
図5に示す例において、速度条件記憶部51には、タンク24に収容されている水量と無人散水車両20の走行速度との関係を示す速度条件が4種類記憶されている。図5において、ラインLaは、タンク24に収容されている水量が第1水量であるときの速度条件を示す。ラインLbは、タンク24に収容されている水量が第1水量よりも少ない第2水量であるときの速度条件を示す。ラインLcは、タンク24に収容されている水量が第2水量よりも少ない第3水量であるときの速度条件を示す。ラインLdは、タンク24に収容されている水量が第3水量よりも少ない第4水量であるときの速度条件を示す。
【0052】
図5に示すように、タンク24に収容されている水量が多いほど走行速度が低くなり、タンク24に収容されている水量が少ないほど走行速度が高くなるように、速度条件が設定される。
【0053】
また、無人散水車両20が走行する下り坂が急激なほど走行速度が低くなり、無人散水車両20が走行する下り坂が緩やかなほど走行速度が高くなるように、速度条件が設定される。図5に示す例においては、傾斜角度が-2[%]以上である場合、4種類の速度条件のそれぞれにおいて、走行速度は一定である。傾斜角度が-2[%]未満である場合、4種類の速度条件のそれぞれにおいて、下り坂が急激なほど走行速度が低くなる。
【0054】
なお、図5に示す例においては、速度条件記憶部51に4種類の速度条件が記憶されていることとした。タンク24に収容されている水量と無人散水車両20の走行速度との関係を示す速度条件は、複数種類記憶されていればよく、5種類以上でもよいし、2種類又は3種類でもよい。また、タンク24に収容されている水量が少ないほど無人散水車両20の走行速度が単調増加してもよい。タンク24に収容されている水量と無人散水車両20の走行速度とは、比例関係でもよい。
【0055】
散水条件記憶部52は、散水スプレー28の散水条件を記憶する。散水条件は、散水スプレー28からの散水の実行及び散水の停止、作業現場において散水スプレー28が散水する散水位置、及び散水スプレー28からの散水量の少なくとも一つを含む。また、無人散水車両20に散水スプレー28が複数設けられる場合、散水条件は、散水を実行する散水スプレー28の数を含む。また、無人散水車両20の複数の位置のそれぞれに散水スプレー28が設置される場合、散水条件は、散水を実行する散水スプレー28の設置位置を含む。散水条件は、管理者により指定される。散水条件は、入力装置9を介して記憶回路42に入力される。散水条件記憶部52は、入力装置9から入力された散水条件を記憶する。
【0056】
なお、散水条件は、作業現場の地形条件に基づいて定められてもよい。例えば、水平な地面の作業現場、傾斜している地面の作業現場、及び傾斜状態が不明な地面の作業現場のそれぞれについて、散水条件が定められてもよい。
【0057】
処理回路43は、水量データ取得部61と、走行データ生成部62と、散水データ生成部63と、出力部64とを有する。
【0058】
水量データ取得部61は、散水のために無人散水車両20のタンク24に収容されている水量を示す水量データを取得する。タンク24に収容されている水量は、水量センサ25Dにより検出される。水量センサ25Dの検出データは、通信システム3を介して管理装置2に送信される。水量センサ25Dの検出データは、タンク24に収容されている水量データを示す。水量データ取得部61は、通信システム3を介して水量センサ25Dからタンク24に収容されている水量を示す水量データを取得する。
【0059】
走行データ生成部62は、水量データ取得部61により取得された水量データに基づいて、無人散水車両20の走行速度を設定する。実施形態において、走行データ生成部62は、タンク24に収容されている水量データ又は水量データ取得部61により取得された水量データに基づいて、無人散水車両20の走行速度を設定する速度設定部として機能する。走行データ生成部62により設定される無人散水車両20の走行速度は、無人散水車両20の走行速度の上限値を示す上限速度を含む。走行データ生成部62は、水量データ取得部61により取得された水量データと、速度条件記憶部51に記憶されている速度条件とに基づいて、無人散水車両20の走行速度を設定する。走行データ生成部62は、タンク24に収容されている水量が多いほど走行速度を低くし、タンク24に収容されている水量が少ないほど走行速度を高くする。
【0060】
上述のように、タンク24に収容されている水量は、変化する。水量データ取得部61は、水量センサ25Dの検出データである水量データを監視する。走行データ生成部62は、水量データ取得部61により取得された水量データに基づいて、無人散水車両20の走行速度を更新する。すなわち、走行データ生成部62は、タンク24に収容されている水量の変化に伴って、無人散水車両20の走行速度を順次更新する。
【0061】
また、走行データ生成部62は、無人散水車両20が走行する走行路36の傾斜角度に基づいて、無人散水車両20の走行速度を設定する。走行データ生成部62は、例えば測量調査により取得された走行路36の下り坂の傾斜角度と、速度条件記憶部51に記憶されている速度条件とに基づいて、無人散水車両20の走行速度を設定する。走行データ生成部62は、無人散水車両20が走行する走行路36の下り坂が急激なほど走行速度を低くし、無人散水車両20が走行する走行路36の下り坂が緩やかなほど走行速度を高くする。
【0062】
図5に示すように、例えば水量センサ25Dにより検出された水量が第1水量であり、下り坂の傾斜角度が-2[%]である場合、走行データ生成部62は、無人散水車両20の走行速度を走行速度V1に設定する。例えば水量センサ25Dにより検出された水量が第1水量であり、下り坂の傾斜角度が-10[%]である場合、走行データ生成部62は、無人散水車両20の走行速度を走行速度V2に設定する。
【0063】
また、走行データ生成部62は、走行速度を含む無人散水車両20の走行条件を示す走行データを生成する。また、走行データ生成部62は、無人運搬車両10の走行条件を示す走行データを生成する。
【0064】
散水データ生成部63は、散水スプレー28を制御するための散水データを生成する。散水データ生成部63は、散水条件記憶部52に記憶されている散水条件に基づいて、散水スプレー28を制御するための散水データを生成する。散水データは、散水スプレー28からの散水の実行及び散水の停止、作業現場において散水スプレー28が散水する散水位置、及び散水スプレー28からの散水量の少なくとも一つを含む。また、散水スプレー28が複数設けられる場合、散水データは、散水を実行する散水スプレー28の数を含む。また、無人散水車両20の複数の位置のそれぞれに散水スプレー28が設置される場合、散水データは、散水を実行する散水スプレー28の設置位置を含む。
【0065】
出力部64は、走行データ生成部62により生成された走行データを無人散水車両20及び無人運搬車両10のそれぞれに送信する。上述のように、タンク24に収容されている水量の変化に伴って、無人散水車両20の走行速度が順次更新される。出力部64は、更新された走行速度を含む走行データを無人散水車両20に送信する。
【0066】
また、出力部64は、散水データ生成部63により生成された散水データを無人散水車両20に送信する。
【0067】
出力部64は、通信インタフェース41から無人散水車両20の制御装置21に走行データ及び散水データを送信する。出力部64は、通信インタフェース41から無人運搬車両10の制御装置11に走行データを送信する。
【0068】
制御装置11は、コンピュータシステムを含む。管理装置2と同様、制御装置11は、通信インタフェース、記憶回路、及び処理回路を有する。制御装置11は、管理装置2から送信された走行データに基づいて、無人運搬車両10を走行させる。
【0069】
制御装置21は、コンピュータシステムを含む。管理装置2と同様、制御装置21は、通信インタフェース、記憶回路、及び処理回路を有する。制御装置21は、走行装置23を制御する走行制御部81と、散水スプレー28を制御する散水制御部82とを有する。走行制御部81は、管理装置2から送信された走行データに基づいて、走行装置23を制御する。散水制御部82は、管理装置2から送信された散水データに基づいて、散水スプレー28を制御する。
【0070】
[走行データ]
図6は、実施形態に係る走行データを説明するための図である。
【0071】
走行データは、無人散水車両20の走行条件を規定する。走行データは、コース点201、走行コース202、無人散水車両20の目標位置、無人散水車両20の目標方位、及び無人散水車両20の目標走行速度を含む。
【0072】
コース点201は、作業現場に複数設定される。コース点201は、無人散水車両20の目標位置を規定する。複数のコース点201のそれぞれに、無人散水車両20の目標方位、及び目標走行速度が設定される。複数のコース点201は、間隔をあけて設定される。コース点201の間隔は、例えば1[m]以上5[m]以下に設定される。コース点201の間隔は、均一でもよいし、不均一でもよい。
【0073】
走行コース202とは、無人散水車両20の目標走行経路を示す仮想線をいう。走行コース202は、複数のコース点201を通過する軌跡によって規定される。無人散水車両20は、走行コース202に従って、作業現場を走行する。
【0074】
無人散水車両20の目標位置とは、コース点201を通過するときの無人散水車両20の目標位置をいう。無人散水車両20の目標位置は、無人散水車両20のローカル座標系において規定されてもよいし、グローバル座標系において規定されてもよい。
【0075】
無人散水車両20の目標方位とは、コース点201を通過するときの無人散水車両20の目標方位をいう。
【0076】
無人散水車両20の目標走行速度とは、コース点201を通過するときの無人散水車両20の目標走行速度をいう。
【0077】
実施形態において、無人散水車両20が走行する走行路36の下り坂の傾斜角度は、隣り合うコース点201の高度差によって規定される。走行データ生成部62は、隣り合うコース点201の高度差に基づいて、無人散水車両20の目標走行速度を設定する。実施形態においては、走行路36の三次元形状が測量調査によって取得される。コース点201の高度は、走行路36の測量調査に基づいて規定される。なお、走行路36の三次元形状がドローンのような飛行体に搭載された三次元計測装置によって計測され、コース点201の高度が三次元計測装置の計測データに基づいて規定されてもよい。
【0078】
走行制御部81は、走行データ及びセンサシステム25の検出データに基づいて、走行装置23を制御する。走行制御部81は、位置センサ25Aの検出データ及び方位センサ25Bの検出データに基づいて、無人散水車両20が走行コース202に従って走行するように、走行装置23を制御する。すなわち、走行制御部81は、コース点201を通過するときに位置センサ25Aにより検出された無人散水車両20の検出位置とコース点201に設定されている無人散水車両20の目標位置との偏差が小さくなるように、走行装置23を制御する。また、走行制御部81は、コース点201を通過するときに方位センサ25Bにより検出された無人散水車両20の検出方位とコース点201に設定されている無人散水車両20の目標方位との偏差が小さくなるように、走行装置23を制御する。また、無人散水車両20は、速度センサ25Cの検出データに基づいて、無人散水車両20が目標走行速度を上回らない走行速度で走行するように、走行装置23を制御する。すなわち、走行制御部81は、コース点201を通過するときに速度センサ25Cにより検出された無人散水車両20の検出走行速度がコース点201に設定されている無人散水車両20の目標走行速度を上回らないように、走行装置23を制御する。
【0079】
無人散水車両20と同様、無人運搬車両10も走行データに基づいて走行する。無人散水車両20の走行データと同様、無人運搬車両10の走行データも、コース点、走行コース102(図3参照)、無人運搬車両10の目標位置、無人運搬車両10の目標方位、及び無人運搬車両10の目標走行速度を含む。無人運搬車両10についての説明は省略する。
【0080】
[無人散水車両の管理方法]
図7は、実施形態に係る無人散水車両20の管理方法を示すフローチャートである。無人散水車両20は、散水スプレー28から散水しながら作業現場を走行する。水量センサ25Dは、タンク24に収容されている水量を検出する(ステップSB1)。
【0081】
水量センサ25Dの検出データは、通信システム3を介して管理装置2に送信される。水量データ取得部61は、水量センサ25Dの検出データを取得する(ステップSA1)。
【0082】
速度条件記憶部51には、タンク24に収容されている水量と無人散水車両20の走行速度との関係を示す速度条件が予め記憶されている。走行データ生成部62は、水量データ取得部61により取得された水量センサ25Dの検出データである水量データと、速度条件記憶部51に記憶されている速度条件とに基づいて、無人散水車両20の走行速度を設定する(ステップSA2)。
【0083】
走行データ生成部62は、ステップSA2において設定した走行速度を含む無人散水車両20の走行データを生成する(ステップSA3)。
【0084】
出力部64は、走行データ生成部62により生成された走行データを送信する。通信インタフェース41は、通信システム3を介して走行データを無人散水車両20に送信する。
【0085】
また、出力部64は、散水データ生成部63により生成された散水データを送信する。通信インタフェース41は、通信システム3を介して散水データを無人散水車両20に送信する。
【0086】
走行制御部81は、管理装置2から送信された走行速度を含む走行データに基づいて、無人散水車両20の走行装置23を制御する。走行制御部81は、無人散水車両20の走行速度が走行データ生成部62により設定された目標走行速度を上回らないように、走行装置23を制御する。
【0087】
散水制御部82は、管理装置2から送信された散水データに基づいて、無人散水車両20の散水スプレー28を制御する。
【0088】
上述の処理が繰り返される。散水スプレー28からの散水によりタンク24に収容されている水量は減少する。水量センサ25Dは、タンク24に収容されている水量を検出する。水量センサ25Dの検出データは、通信システム3を介して管理装置2に順次送信される。水量データ取得部61は、水量センサ25Dの検出データである水量データを監視する。走行データ生成部62は、水量センサ25Dの検出データである水量データに基づいて、目標走行速度を含む走行データを順次更新する。走行制御部81は、更新された走行データを、通信システム3を介して取得する。走行データ生成部62が走行データを更新したとき、走行制御部81は、更新された走行データを取得する。走行制御部81は、走行データが更新される度に走行データを取得する。走行制御部81は、更新された目標走行速度を含む走行データに基づいて、走行装置23を制御する。
【0089】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、散水のために無人散水車両20のタンク24に収容されている水量を示す水量データに基づいて、無人散水車両20の走行速度が設定される。これにより、無人散水車両20の走行速度が柔軟に調整される。タンク24に収容されている水量が少ない場合、無人散水車両20が高速で走行することにより、無人散水車両20は、作業現場の広範囲に短時間で散水することができる。そのため、無人散水車両20の作業効率の低下が抑制される。タンク24に収容されている水量が多い場合、無人散水車両20が低速で走行することにより、無人散水車両20の制動距離が過度に長くなることが抑制される。無人散水車両20は、作業現場に適正に散水することができる。
【0090】
走行データ生成部62は、タンク24に収容されている水量が多いほど走行速度を低くし、タンク24に収容されている水量が少ないほど走行速度を高くする。タンク24に収容されている水量が少ないほど、走行速度が単調増加することにより、無人散水車両20の作業効率の低下が抑制される。タンク24に収容されている水量が多いほど、走行速度が単調減少することにより、無人散水車両20の制動距離が過度に長くなることが抑制される。
【0091】
無人散水車両20に、タンク24に収容されている水量を検出する水量センサ25Dが設けられる。これにより、水量データ取得部61は、水量センサ25Dの検出データである水量データに基づいて、タンク24に収容されている水量を常時監視することができる。
【0092】
速度条件記憶部51には、タンク24に収容されている水量と無人散水車両20の走行速度との関係を示す速度条件が予め記憶されている。速度条件は、無人散水車両20に要求される制動距離に基づいて予め定められる。これにより、走行データ生成部62は、水量センサ25Dの検出データである水量データと速度条件記憶部51に記憶されている速度条件とに基づいて、無人散水車両20の走行速度を適正に設定することができる。
【0093】
走行データ生成部62は、無人散水車両20が走行する下り坂が急激なほど走行速度を低くし、無人散水車両20が走行する下り坂が緩やかなほど走行速度を高くする。タンク24に収容されている水量のみならず、無人散水車両20が走行する傾斜角度も考慮されることにより、無人散水車両20の走行速度が柔軟に調整される。下り坂が緩やかな場合、無人散水車両20が高速で走行することにより、無人散水車両20は作業現場の広範囲に短時間で散水することができる。そのため、無人散水車両20の作業効率の低下が抑制される。下り坂が急激な場合、無人散水車両20が低速で走行することにより、無人散水車両20の制動距離が過度に長くなることが抑制される。無人散水車両20は、作業現場に適正に散水することができる。
【0094】
無人散水車両20の走行条件を示す走行データは、無人散水車両20の走行速度及び走行コース202を含む。これにより、無人散水車両20は、走行データに基づいて、作業現場を適正に走行することができる。
【0095】
タンク24に収容されている水量は、変化する。タンク24に収容されている水量に基づいて走行速度を含む走行データが更新されることにより、無人散水車両20の走行速度が柔軟に調整される。
【0096】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、走行データ生成部62は、走行速度及び走行コース202を含む無人散水車両20の走行データを生成することとした。また、無人散水車両20は、走行速度及び走行コース202を含む走行データに基づいて走行することとした。走行データ生成部62は、無人散水車両20の走行速度を設定し、走行コース202を生成しなくてもよい。無人散水車両20は、走行データ生成部62により設定された走行速度を上回らない走行速度で走行すればよい。
【0097】
上述の実施形態において、制御装置11の機能及び制御装置21の機能の少なくとも一部が管理装置2に設けられてもよいし、管理装置2の機能の少なくとも一部が制御装置11及び制御装置21の一方又は両方に設けられてもよい。例えば、上述の実施形態において、制御装置21が、速度条件記憶部51の機能、水量データ取得部61の機能、及び走行データ生成部62の機能を有してもよい。
【0098】
例えば、無人散水車両20が、走行装置23と、走行装置23に支持される車両本体22と、車両本体22に支持されるタンク24とを備える場合、無人散水車両20の制御装置21が、タンク24に収容されている水量を示す水量データに基づいて、走行装置23の走行速度を設定してもよい。上述の実施形態で説明した速度条件記憶部51が無人散水車両20に設けられている場合、制御装置21は、水量センサ25Dの検出データである水量データと速度条件記憶部51に記憶されている速度条件とに基づいて、走行装置23の走行速度を設定してもよい。制御装置21は、タンク24に収容されている水量が多いほど走行装置23の走行速度を低くし、タンク24に収容されている水量が少ないほど走行装置23の走行速度を高くしてもよい。制御装置21は、走行装置23が走行する下り坂が急激なほど走行装置23の走行速度を低くし、走行装置23が走行する下り坂が緩やかなほど走行装置23の走行速度を高くしてもよい。制御装置21は、タンク24に収容されている水量データに基づいて、走行装置23の走行速度を更新してもよい。
【0099】
上述の実施形態において、水量データ取得部61、走行データ生成部62、散水データ生成部63、及び出力部64のそれぞれが、別々のハードウエアにより構成されてもよい。走行制御部81及び散水制御部82のそれぞれが、別々のハードウエアにより構成されてもよい。
【符号の説明】
【0100】
1…管理システム、2…管理装置、3…通信システム、3A…無線通信機、3B…無線通信機、3C…無線通信機、4…管制施設、5…積込機、6…破砕機、7…給油機、8…給水機、9…入力装置、10…無人運搬車両、11…制御装置、20…無人散水車両、21…制御装置、22…車両本体、23…走行装置、24…タンク、25…センサシステム、25A…位置センサ、25B…方位センサ、25C…速度センサ、25D…水量センサ、26…車輪、26F…前輪、26R…後輪、27…タイヤ、27F…前タイヤ、27R…後タイヤ、28…散水スプレー、29…キャブ、31…積込場、32…排土場、33…駐機場、34…給油場、35…給水場、36…走行路、37…交差点、41…通信インタフェース、42…記憶回路、43…処理回路、51…速度条件記憶部、52…散水条件記憶部、61…水量データ取得部、62…走行データ生成部(速度設定部)、63…散水データ生成部、64…出力部、81…走行制御部、82…散水制御部、102…走行コース、201…コース点、202…走行コース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7