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特開2022-129263無人車両の管理システム、及び無人車両の管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129263
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】無人車両の管理システム、及び無人車両の管理方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20220829BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20220829BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20220829BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
G05D1/02 P
G05D1/02 S
G08G1/01 E
G01C21/34
G08G1/09 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021027917
(22)【出願日】2021-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 恵之
(72)【発明者】
【氏名】平中 貴士
(72)【発明者】
【氏名】長川 研太
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
5H301
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB02
2F129BB20
2F129BB21
2F129EE52
2F129EE54
2F129FF02
2F129GG01
2F129GG11
2F129GG16
2F129GG18
5H181AA27
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC14
5H181DD04
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF12
5H181FF13
5H181FF17
5H181LL01
5H181LL02
5H181MA41
5H181MA48
5H181MC27
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301KK03
5H301KK07
5H301LL03
5H301LL06
5H301LL07
5H301LL08
5H301LL12
5H301LL14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】作業現場において渋滞の発生を抑制すること。
【解決手段】無人車両10の管理システムは、作業現場の走行路36を走行する複数の無人車両の走行状況から渋滞の発生を予測する渋滞予測部と、渋滞の発生が予測されたときに、渋滞の原因となる無人車両が走行路から分岐する待避路38に進入するように第1誘導指令を出力する誘導指令部と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業現場の走行路を走行する複数の無人車両の走行状況から渋滞の発生を予測する渋滞予測部と、
渋滞の発生が予測されたときに、渋滞の原因となる無人車両が前記走行路から分岐する待避路に進入するように第1誘導指令を出力する誘導指令部と、を備える、
無人車両の管理システム。
【請求項2】
前記渋滞予測部は、前記走行路を走行する第1無人車両及び前記第1無人車両よりも前方を走行する第2無人車両のそれぞれの走行状況に基づいて、予め定められている時間後に前記第1無人車両と前記第2無人車両との距離が予め定められている距離閾値以下になると予測されたときに、前記第2無人車両を原因として渋滞が発生すると予測する、
請求項1に記載の無人車両の管理システム。
【請求項3】
前記第1無人車両の走行条件を示す第1コースデータを生成する第1コースデータ生成部を備え、
前記第1コースデータ生成部は、前記第1無人車両が前記走行路を第1走行速度で走行するように、前記第1コースデータを生成する、
請求項2に記載の無人車両の管理システム。
【請求項4】
前記第2無人車両の走行条件を示す第2コースデータを生成する第2コースデータ生成部を備え、
前記第2コースデータ生成部は、前記第2無人車両が前記走行路を第2走行速度で走行するように、前記第2コースデータを生成する、
請求項2又は請求項3に記載の無人車両の管理システム。
【請求項5】
前記第2コースデータは、前記第2無人車両の目標走行経路を示す走行コースを含み、
前記走行コースは、前記走行路及び前記待避路のそれぞれに設定される、
請求項4に記載の無人車両の管理システム。
【請求項6】
前記第2コースデータ生成部は、前記第2無人車両が前記待避路を前記第2走行速度又は前記第1走行速度よりも低い走行速度で走行するように、前記第2コースデータを生成する、
請求項4又は請求項5に記載の無人車両の管理システム。
【請求項7】
前記第2コースデータ生成部は、前記第2無人車両が前記待避路において停車するように、前記第2コースデータを生成する、
請求項4又は請求項5に記載の無人車両の管理システム。
【請求項8】
前記誘導指令部は、前記第1無人車両が前記待避路に存在する前記第2無人車両を追い抜いた後、前記第2無人車両が前記待避路から前記走行路に進入するように第2誘導指令を出力する、
請求項2から請求項7のいずれか一項に記載の無人車両の管理システム。
【請求項9】
前記第1無人車両は、無人運搬車両であり、
前記第2無人車両は、無人散水車両である、
請求項2から請求項8のいずれか一項に記載の無人車両の管理システム。
【請求項10】
作業現場の走行路を走行する複数の無人車両の走行状況から渋滞の発生を予測することと、
渋滞の発生が予測されたときに、渋滞の原因となる無人車両を前記走行路から分岐する待避路に進入させることと、を含む、
無人車両の管理方法。
【請求項11】
前記走行路を走行する第1無人車両及び前記第1無人車両よりも前方を走行する第2無人車両のそれぞれの走行状況に基づいて、予め定められている時間後に前記第1無人車両と前記第2無人車両との距離が予め定められている距離閾値以下になると予測されたときに、前記第2無人車両を原因として渋滞が発生すると予測する、
請求項10に記載の無人車両の管理方法。
【請求項12】
前記第1無人車両は、前記第1無人車両の走行条件を示す第1コースデータに基づいて、前記走行路を第1走行速度で走行し、
前記第2無人車両は、前記第2無人車両の走行条件を示す第2コースデータに基づいて、前記走行路を第2走行速度で走行する、
請求項11に記載の無人車両の管理方法。
【請求項13】
前記第2コースデータは、前記第2無人車両の目標走行経路を示す走行コースを含み、
前記走行コースは、前記走行路及び前記待避路のそれぞれに設定される、
請求項12に記載の無人車両の管理方法。
【請求項14】
前記第2無人車両は、前記待避路を前記第2走行速度又は前記第1走行速度よりも低い走行速度で走行する、
請求項12又は請求項13に記載の無人車両の管理方法。
【請求項15】
前記第2無人車両は、前記待避路において停車する、
請求項11から請求項14のいずれか一項に記載の無人車両の管理方法。
【請求項16】
前記第1無人車両が前記待避路に存在する前記第2無人車両を追い抜いた後、前記第2無人車両を前記待避路から前記走行路に進入させる、
請求項11から請求項15のいずれか一項に記載の無人車両の管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無人車両の管理システム、及び無人車両の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、鉱山のような広域の作業現場においては、無人車両が稼働する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-164280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業現場においては、高速で走行する無人車両と低速で走行する無人車両とが混在して稼働する場合がある。低速で走行する無人車両に起因して、作業現場において無人車両の渋滞が発生する可能性がある。
【0005】
本開示は、作業現場において渋滞の発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、作業現場の走行路を走行する複数の無人車両の走行状況から渋滞の発生を予測する渋滞予測部と、渋滞の発生が予測されたときに、渋滞の原因となる無人車両が走行路から分岐する待避路に進入するように第1誘導指令を出力する誘導指令部と、を備える、無人車両の管理システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、作業現場において渋滞の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る作業現場の管理システムを示す模式図である。
図2図2は、実施形態に係る無人運搬車両を示す斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る無人散水車両を示す斜視図である。
図4図4は、実施形態に係る作業現場を示す模式図である。
図5図5は、実施形態に係る作業現場の管理システムを示す機能ブロック図である。
図6図6は、実施形態に係る第1コースデータを説明するための図である。
図7図7は、実施形態に係る第2コースデータを説明するための図である。
図8図8は、実施形態に係る誘導指令部の処理を説明するための図である。
図9図9は、実施形態に係る誘導指令部の処理を説明するための図である。
図10図10は、実施形態に係る誘導指令部の処理を説明するための図である。
図11図11は、実施形態に係る無人車両の管理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[管理システムの概要]
図1は、実施形態に係る無人車両の管理システム1を示す模式図である。管理システム1は、作業現場で稼働する無人車両を管理する。無人車両とは、運転者による運転操作によらずに無人で稼働する作業車両をいう。実施形態において、作業現場で稼働する無人車両は、第1無人車両10と第2無人車両20とを含む。
【0011】
実施形態において、第1無人車両10は、無人運搬車両である。第2無人車両20は、無人散水車両である。以下の説明において、第1無人車両10を適宜、無人運搬車両10、と称し、第2無人車両20を適宜、無人散水車両20、と称する。
【0012】
無人運搬車両10は、無人で作業現場を走行して積荷を運搬する。無人運搬車両10として、無人ダンプトラックが例示される。無人運搬車両10に運搬される積荷として、作業現場において掘削された掘削物が例示される。
【0013】
無人散水車両20は、無人で作業現場を走行して散水する。無人散水車両20として、無人散水トラックが例示される。無人散水車両20は、作業現場において粉塵又は砂埃が拡散することを抑制するために散水する。
【0014】
管理システム1は、管理装置2と、通信システム3とを備える。管理装置2は、作業現場の管制施設4に設置される。管制施設4に管理者が存在する。
【0015】
無人運搬車両10は、制御装置11を有する。無人散水車両20は、制御装置21を有する。管理装置2と制御装置11と制御装置21とは、通信システム3を介して無線通信する。管理装置2に無線通信機3Aが接続される。制御装置11に無線通信機3Bが接続される。制御装置21に無線通信機3Cが接続される。通信システム3は、無線通信機3A、無線通信機3B、及び無線通信機3Cを含む。
【0016】
[無人運搬車両]
図2は、実施形態に係る無人運搬車両10を示す斜視図である。図1及び図2に示すように、無人運搬車両10は、無線通信機3Bと、制御装置11と、車両本体12と、走行装置13と、ダンプボディ14と、センサシステム15とを備える。
【0017】
車両本体12は、車体フレームを含む。車両本体12は、走行装置13に支持される。車両本体12は、ダンプボディ14を支持する。
【0018】
走行装置13は、無人運搬車両10を走行させるための駆動力を発生する。走行装置13は、無人運搬車両10を減速又は停止させるための制動力を発生する。走行装置13は、無人運搬車両10を旋回させるための操舵力を発生する。走行装置13は、無人運搬車両10を前進又は後進させる。走行装置13は、車輪16を含む。車輪16にタイヤ17が装着される。車輪16は、前輪16Fと、後輪16Rとを含む。タイヤ17は、前輪16Fに装着される前タイヤ17Fと、後輪16Rに装着される後タイヤ17Rとを含む。タイヤ17が作業現場の路面に接触した状態で車輪16が回転することにより、無人運搬車両10は、作業現場を走行する。
【0019】
ダンプボディ14は、積荷が積載される部材である。ダンプボディ14の少なくとも一部は、車両本体12よりも上方に配置される。
【0020】
センサシステム15は、位置センサ15Aと、方位センサ15Bと、速度センサ15Cと、障害物センサ15Dとを含む。位置センサ15Aは、無人運搬車両10の位置を検出する。無人運搬車両10の位置は、全地球航法衛星システム(GNSS)を利用して検出される。位置センサ15Aは、GNSS受信機を含み、無人運搬車両10のグローバル座標系の位置を検出する。方位センサ15Bは、無人運搬車両10の方位を検出する。方位センサ15Bとして、ジャイロセンサが例示される。速度センサ15Cは、無人運搬車両10の走行速度を検出する。速度センサ15Cとして、車輪16の回転を検出するパルスセンサが例示される。障害物センサ15Dは、無人運搬車両10の周囲の障害物を検出する。障害物センサ15Dは、非接触で障害物を検出する。障害物センサ15Dとして、レーザセンサ(LIDAR:Light Detection and Ranging)又はレーダセンサ(RADAR:Radio Detection and Ranging)が例示される。
【0021】
[無人散水車両]
図3は、実施形態に係る無人散水車両20を示す斜視図である。図1及び図3に示すように、無人散水車両20は、無線通信機3Cと、制御装置21と、車両本体22と、走行装置23と、タンク24と、センサシステム25と、散水スプレー28とを備える。
【0022】
車両本体22は、車体フレームを含む。車両本体22は、走行装置23に支持される。車両本体22は、タンク24を支持する。
【0023】
実施形態において、車両本体22にキャブ29が設けられる。キャブ29は、車両本体22の前部に設けられる。運転者は、キャブ29に搭乗して、無人散水車両20の運転操作を実施することができる。例えば無人散水車両20の保守又は点検を実施する場合、運転者は、無人散水車両20の運転操作を実施する。実施形態において、無人散水車両20は、少なくとも作業現場において散水するときに無人で稼働する。なお、無人散水車両20にキャブ29は設けられなくてもよい。
【0024】
走行装置23は、無人散水車両20を走行させるための駆動力を発生する。走行装置23は、無人散水車両20を減速又は停止させるための制動力を発生する。走行装置23は、無人散水車両20を旋回させるための操舵力を発生する。走行装置23は、無人散水車両20を前進又は後進させる。走行装置23は、車輪26を含む。車輪26にタイヤ27が装着される。車輪26は、前輪26Fと、後輪26Rとを含む。前輪26Fは操舵輪であり、後輪26Rは駆動輪である。なお、前輪26F及び後輪26Rの両方が操舵輪でもよい。前輪26F及び後輪26Rの両方が駆動輪でもよい。前輪26Fが駆動輪で後輪26Rが操舵輪でもよい。タイヤ27は、前輪26Fに装着される前タイヤ27Fと、後輪26Rに装着される後タイヤ27Rとを含む。タイヤ27が作業現場の路面に接触した状態で車輪26が回転することにより、無人散水車両20は、作業現場を走行する。
【0025】
タンク24は、散水のための水を貯蔵する部材である。タンク24の少なくとも一部は、車両本体22よりも上方に配置される。
【0026】
センサシステム25は、位置センサ25Aと、方位センサ25Bと、速度センサ25Cと、障害物センサ25Dとを含む。位置センサ25Aは、無人散水車両20の位置を検出する。無人散水車両20の位置は、全地球航法衛星システム(GNSS)を利用して検出される。位置センサ25Aは、GNSS受信機を含み、無人散水車両20のグローバル座標系の位置を検出する。方位センサ25Bは、無人散水車両20の方位を検出する。方位センサ25Bとして、ジャイロセンサが例示される。速度センサ25Cは、無人散水車両20の走行速度を検出する。速度センサ25Cとして、車輪26の回転を検出するパルスセンサが例示される。障害物センサ25Dは、無人散水車両20の周囲の障害物を検出する。障害物センサ25Dは、非接触で障害物を検出する。障害物センサ25Dとして、レーザセンサ(LIDAR:Light Detection and Ranging)又はレーダセンサ(RADAR:Radio Detection and Ranging)が例示される。
【0027】
散水スプレー28は、タンク24の水を噴射する。散水スプレー28は、タンク24の後部に配置される。散水スプレー28は、無人散水車両20の後方に散水する。実施形態において、散水スプレー28は、複数設けられる。複数の散水スプレー28は、タンク24の後部において無人散水車両20の車幅方向に間隔をあけて配置される。車幅方向とは、無人散水車両20が直進状態のときの車輪26の回転軸と平行な方向をいう。
【0028】
[作業現場]
図4は、実施形態に係る作業現場を示す模式図である。作業現場として、鉱山又は採石場が例示される。鉱山とは、鉱物を採掘する場所又は事業所をいう。採石場とは、石材を採掘する場所又は事業所をいう。作業現場において、無人運搬車両10及び無人散水車両20のそれぞれが稼働する。
【0029】
実施形態において、作業現場は、鉱山である。鉱山として、金属を採掘する金属鉱山、石灰石を採掘する非金属鉱山、又は石炭を採掘する石炭鉱山が例示される。
【0030】
作業現場に、積込場31、排土場32、駐機場33、給油場34、給水場35、走行路36、交差点37、及び待避路38が設けられる。
【0031】
積込場31とは、無人運搬車両10に積荷を積載する積込作業が実施されるエリアをいう。積込場31において、積込機5が稼働する。積込機5として、油圧ショベルが例示される。
【0032】
排土場32とは、無人運搬車両10から積荷が排出される排出作業が実施されるエリアをいう。排土場32に、破砕機6が設けられる。
【0033】
駐機場33とは、無人運搬車両10及び無人散水車両20の少なくとも一方が駐機されるエリアをいう。
【0034】
給油場34とは、無人運搬車両10及び無人散水車両20の少なくとも一方が給油されるエリアをいう。給油場34に、燃料を供給する給油機7が設けられる。
【0035】
給水場35とは、無人散水車両20が給水されるエリアをいう。給水場35において、散水のための水がタンク24に供給される。給水場35に、タンク24に水を供給する給水機8が設けられる。
【0036】
走行路36とは、積込場31、排土場32、駐機場33、給油場34、及び給水場35の少なくとも一つに向かう無人車両が走行するエリアをいう。走行路36は、少なくとも積込場31と排土場32とを繋ぐように設けられる。実施形態において、走行路36は、積込場31、排土場32、駐機場33、給油場34、及び給水場35のそれぞれに繋がる。
【0037】
交差点37とは、複数の走行路36が交わるエリア又は1つの走行路36が複数の走行路36に分岐するエリアをいう。
【0038】
待避路38とは、走行路36から分岐するように設けられたエリアをいう。実施形態において、待避路38は、走行路36の傍らに設けられる。待避路38は、走行路36の傍らに間隔をあけて複数設けられる。走行路36を走行する無人散水車両20は、走行路36から待避路38に進入することができる。待避路38に存在する無人散水車両20は、待避路38から走行路36に進入することができる。
【0039】
[管理システム]
図5は、実施形態に係る作業現場の管理システム1を示す機能ブロック図である。管理システム1は、管理装置2と、通信システム3と、制御装置11と、制御装置21とを有する。
【0040】
管理装置2は、コンピュータシステムを含む。管理装置2は、入力装置9に接続される。管理装置2は、通信インタフェース41と、記憶回路42と、処理回路43とを有する。
【0041】
入力装置9は、処理回路43に接続される。入力装置9は、管制施設4の管理者に操作される。入力装置9は、管理者の操作に基づいて、入力データを生成する。入力装置9により生成された入力データは、処理回路43に入力される。入力装置9として、タッチパネル、コンピュータ用キーボード、マウス、又は操作ボタンが例示される。なお、入力装置9は、光学センサを含む非接触型入力装置でもよいし、音声入力装置でもよい。
【0042】
通信インタフェース41は、処理回路43に接続される。通信インタフェース41は、管理装置2と制御装置11及び制御装置21の少なくとも一方との間の通信を制御する。通信インタフェース41は、通信システム3を介して制御装置11及び制御装置21の少なくとも一方と通信する。
【0043】
記憶回路42は、処理回路43に接続される。記憶回路42は、データを記憶する。記憶回路42として、不揮発性メモリ又は揮発性メモリが例示される。不揮発性メモリとして、ROM(Read Only Memory)又はストレージが例示される。ストレージとして、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)又はソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)が例示される。揮発性メモリとして、RAM(Random Access Memory)が例示される。
【0044】
処理回路43は、演算処理及び制御指令の出力処理を実施する。処理回路43として、プロセッサが例示される。プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)が例示される。コンピュータプログラムが記憶回路42に記憶される。処理回路43は、記憶回路42からコンピュータプログラムを取得して実行することにより、所定の機能を発揮する。
【0045】
処理回路43は、第1コースデータ生成部61と、第2コースデータ生成部62と、渋滞予測部63と、誘導指令部64と、散水データ生成部65と、第1出力部66と、第2出力部67とを有する。
【0046】
第1コースデータ生成部61は、作業現場に設定される無人運搬車両10の走行条件を示す第1コースデータを生成する。第1コースデータ生成部61は、入力装置9からの入力データに基づいて、第1コースデータを生成してもよい。
【0047】
図6は、実施形態に係る第1コースデータを説明するための図である。第1コースデータは、無人運搬車両10の走行条件を規定する。第1コースデータは、コース点101、走行コース102、無人運搬車両10の目標位置、無人運搬車両10の目標方位、及び無人運搬車両10の目標走行速度を含む。
【0048】
コース点101は、交差点37を含む走行路36に複数設定される。また、コース点101は、積込場31、排土場32、駐機場33、及び給油場34のそれぞれに複数設定される。コース点101は、無人運搬車両10の目標位置を規定する。複数のコース点101のそれぞれに、無人運搬車両10の目標方位及び目標走行速度が設定される。複数のコース点101は、間隔をあけて設定される。コース点101の間隔は、例えば1[m]以上5[m]以下に設定される。コース点101の間隔は、均一でもよいし、不均一でもよい。
【0049】
走行コース102とは、無人運搬車両10の目標走行経路を示す仮想線をいう。走行コース102は、複数のコース点101を通過する軌跡によって規定される。無人運搬車両10は、走行コース102に従って、作業現場を走行する。
【0050】
無人運搬車両10の目標位置とは、コース点101を通過するときの無人運搬車両10の目標位置をいう。無人運搬車両10の目標位置は、無人運搬車両10のローカル座標系において規定されてもよいし、グローバル座標系において規定されてもよい。
【0051】
無人運搬車両10の目標方位とは、コース点101を通過するときの無人運搬車両10の目標方位をいう。
【0052】
無人運搬車両10の目標走行速度とは、コース点101を通過するときの無人運搬車両10の目標走行速度をいう。無人運搬車両10の目標走行速度は、無人運搬車両10の走行速度の上限値を示す上限速度(制限速度)を含む。無人運搬車両10は、上限速度を上回らない走行速度で作業現場を走行する。
【0053】
第2コースデータ生成部62は、作業現場に設定される無人散水車両20の走行条件を示す第2コースデータを生成する。第2コースデータ生成部62は、入力装置9からの入力データに基づいて、第2コースデータを生成してもよい。
【0054】
図7は、実施形態に係る第2コースデータを説明するための図である。第2コースデータは、無人散水車両20の走行条件を規定する。第2コースデータは、コース点201、走行コース202、無人散水車両20の目標位置、無人散水車両20の目標方位、及び無人散水車両20の目標走行速度を含む。コース点201は、走行路36に複数設定される。また、コース点201は、積込場31、排土場32、駐機場33、給油場34、給水場35、及び待避路38のそれぞれに複数設定される。無人散水車両20の走行コース202とは、無人散水車両20の目標走行経路を示す仮想線をいう。無人散水車両20の目標走行速度とは、コース点201を通過するときの無人散水車両20の目標走行速度をいう。無人散水車両20の目標走行速度は、無人散水車両20の走行速度の上限値を示す上限速度(制限速度)を含む。無人散水車両20は、上限速度を上回らない走行速度で作業現場を走行する。第1コースデータの機能と第2コースデータの機能とは、同様である。第2コースデータについての説明は省略する。
【0055】
なお、無人運搬車両10の目標走行速度(上限速度)と無人散水車両20の目標走行速度(上限速度)とは、異なる。無人散水車両20の目標走行速度(上限速度)は、無人運搬車両10の目標走行速度よりも、低い。
【0056】
渋滞予測部63は、作業現場の走行路36を走行する複数の無人車両の走行状況から走行路36における渋滞の発生を予測する。
【0057】
渋滞予測部63は、例えば走行路36を走行する無人運搬車両10及び無人運搬車両10よりも前方を走行する無人散水車両20のそれぞれの走行状況に基づいて、予め定められている時間後に無人運搬車両10と無人散水車両20との距離が予め定められている距離閾値以下になると予測されたときに、無人散水車両20を原因として渋滞が発生すると予測する。
【0058】
誘導指令部64は、予め定められている第1条件が成立したときに、走行路36を走行する無人散水車両20が走行路36から待避路38に進入するように第1誘導指令を出力する。誘導指令部64は、例えば渋滞予測部63により渋滞の発生が予測されたときに、渋滞の原因となる無人車両が走行路36から分岐する待避路38に進入するように第1誘導指令を出力する。誘導指令部64は、無人散水車両20を原因とする渋滞の発生が予測されたときに、渋滞の原因となる無人散水車両20が走行路36から待避路38に進入するように第1誘導指令を出力する。誘導指令部64は、予め定められている第2条件が成立したときに、待避路38に存在する無人散水車両20が待避路38から走行路36に進入するように第2誘導指令を出力する。
【0059】
散水データ生成部65は、散水スプレー28を制御するための散水データを生成する。散水データは、散水スプレー28からの散水の実行及び散水の停止、作業現場において散水スプレー28が散水する散水位置、及び散水スプレー28からの単位時間当たりの散水量の少なくとも一つを含む。散水スプレー28が散水する散水位置は、散水スプレー28が散水する散水エリアを含む。また、散水スプレー28が無人散水車両20に複数設けられる場合、散水データは、散水を実行する散水スプレー28の数を含む。また、無人散水車両20の複数の位置のそれぞれに散水スプレー28が設置される場合、散水データは、散水を実行する散水スプレー28の設置位置を含む。散水データ生成部65は、入力装置9からの入力データに基づいて、散水データを生成してもよい。
【0060】
第1出力部66は、第1コースデータ生成部61により生成された第1コースデータを無人運搬車両10に出力する。第1出力部66は、通信インタフェース41から無人運搬車両10の制御装置11に第1コースデータを送信する。
【0061】
第2出力部67は、第2コースデータ生成部62により生成された第2コースデータを無人散水車両に20に出力する。第2出力部67は、通信インタフェース41から無人散水車両20の制御装置21に第2コースデータを送信する。
【0062】
第2出力部67は、誘導指令部64から出力された第1誘導指令及び第2誘導指令の少なくとも一方を無人散水車両20に出力する。第2出力部67は、通信インタフェース41から無人散水車両20の制御装置21に第1誘導指令及び第2誘導指令の少なくとも一方を送信する。
【0063】
第2出力部67は、散水データ生成部65により生成された散水データを無人散水車両20に出力する。第2出力部67は、通信インタフェース41から無人散水車両20の制御装置21に散水データを送信する。
【0064】
制御装置11は、コンピュータシステムを含む。管理装置2と同様、制御装置11は、通信インタフェース、記憶回路、及び処理回路を有する。制御装置11は、走行装置13を制御する走行制御部71を有する。走行制御部71は、管理装置2から送信された第1コースデータに基づいて、走行装置13を制御する。
【0065】
制御装置21は、コンピュータシステムを含む。管理装置2と同様、制御装置21は、通信インタフェース、記憶回路、及び処理回路を有する。制御装置21は、走行装置23を制御する走行制御部81と、散水スプレー28を制御する散水制御部82とを有する。走行制御部81は、管理装置2から送信された第2コースデータに基づいて、走行装置23を制御する。走行制御部81は、管理装置2から送信された第1誘導指令及び第2誘導指令の少なくとも一方に基づいて、走行装置23を制御する。散水制御部82は、管理装置2から送信された散水データに基づいて、散水スプレー28を制御する。
【0066】
走行制御部71は、第1コースデータ及びセンサシステム15の検出データに基づいて、走行装置13を制御する。走行制御部71は、位置センサ15Aの検出データ及び方位センサ15Bの検出データに基づいて、無人運搬車両10が走行コース102に従って走行するように、走行装置13を制御する。
【0067】
すなわち、走行制御部71は、コース点101を通過するときに位置センサ15Aにより検出された無人運搬車両10の検出位置とコース点101に設定されている無人運搬車両10の目標位置との偏差が小さくなるように、走行装置13を制御する。
【0068】
また、走行制御部71は、コース点101を通過するときに方位センサ15Bにより検出された無人運搬車両10の検出方位とコース点101に設定されている無人運搬車両10の目標方位との偏差が小さくなるように、走行装置13を制御する。
【0069】
また、走行制御部71は、速度センサ15Cの検出データに基づいて、無人運搬車両10が目標走行速度で走行するように、走行装置13を制御する。すなわち、走行制御部71は、コース点101を通過するときに速度センサ15Cにより検出された無人運搬車両10の検出走行速度とコース点101に設定されている無人運搬車両10の目標走行速度との偏差が小さくなるように、走行装置13を制御する。
【0070】
上述のように、無人運搬車両10の目標走行速度は、無人運搬車両10の上限速度を含む。走行制御部71は、速度センサ15Cの検出データに基づいて、無人運搬車両10が上限速度を上回らない走行速度で走行するように、走行装置13を制御する。すなわち、走行制御部71は、コース点101を通過するときに速度センサ15Cにより検出された無人運搬車両10の検出走行速度がコース点101に設定されている無人運搬車両10の上限速度を上回らないように、走行装置13を制御する。
【0071】
走行制御部81は、第2コースデータ及びセンサシステム25の検出データに基づいて、走行装置23を制御する。走行制御部81は、位置センサ25Aの検出データ及び方位センサ25Bの検出データに基づいて、無人散水車両20が走行コース202に従って走行するように、走行装置23を制御する。
【0072】
すなわち、走行制御部81は、コース点201を通過するときに位置センサ25Aにより検出された無人散水車両20の検出位置とコース点201に設定されている無人散水車両20の目標位置との偏差が小さくなるように、走行装置23を制御する。
【0073】
また、走行制御部81は、コース点201を通過するときに方位センサ25Bにより検出された無人散水車両20の検出方位とコース点201に設定されている無人散水車両20の目標方位との偏差が小さくなるように、走行装置23を制御する。
【0074】
また、走行制御部81は、速度センサ25Cの検出データに基づいて、無人散水車両20が目標走行速度で走行するように、走行装置23を制御する。すなわち、走行制御部81は、コース点101を通過するときに速度センサ25Cにより検出された無人散水車両20の検出走行速度とコース点201に設定されている無人散水車両20の目標走行速度との偏差が小さくなるように、走行装置23を制御する。
【0075】
上述のように、無人散水車両20の目標走行速度は、無人散水車両20の上限速度を含む。走行制御部81は、速度センサ25Cの検出データに基づいて、無人散水車両20が上限速度を上回らない走行速度で走行するように、走行装置23を制御する。すなわち、走行制御部81は、コース点201を通過するときに速度センサ25Cにより検出された無人散水車両20の検出走行速度がコース点201に設定されている無人散水車両20の上限速度を上回らないように、走行装置23を制御する。
【0076】
[誘導指令部の処理]
図8図9、及び図10のそれぞれは、実施形態に係る誘導指令部64の処理を説明するための図である。
【0077】
無人運搬車両10は、作業現場の走行路36を第1走行速度V1で走行する。第1走行速度V1は、無人運搬車両10の実際の走行速度である。第1コースデータ生成部61は、無人運搬車両10が走行路36を目標走行速度で走行するように、第1コースデータを生成する。無人運搬車両10は、第1コースデータ生成部61から送信された第1コースデータに基づいて、走行路36を第1走行速度V1で走行する。
【0078】
無人散水車両20は、作業現場の走行路36を第2走行速度V2で走行する。第2走行速度V2は、無人散水車両20の実際の走行速度である。第2コースデータ生成部62は、無人散水車両20が走行路36を目標走行速度で走行するように、第2コースデータを生成する。無人散水車両20は、第2コースデータ生成部62から送信された第2コースデータに基づいて、走行路36を第2走行速度V2で走行する。
【0079】
また、無人散水車両20は、作業現場の走行路36に散水しながら走行路36を第2走行速度V2で走行する。散水データ生成部65は、無人散水車両20が走行路36に散水しながら走行するように、散水データを生成する。無人散水車両20は、散水データ生成部65から送信された散水データに基づいて、走行路36に散水しながら走行路36を第2走行速度V2で走行する。なお、無人散水車両20は、散水することなく走行路36を第2走行速度V2で走行してもよい。
【0080】
なお、無人運搬車両10の実際の走行速度である第1走行速度V1と無人運搬車両10の目標走行速度とは、必ずしも一致しない場合がある。例えば、無人運搬車両10が上り坂を走行する場合、無人運搬車両10の実際の走行速度は、目標走行速度を下回る可能性がある。同様に、無人散水車両20の実際の走行速度である第2走行速度V2と無人散水車両20の目標走行速度とは、必ずしも一致しない場合がある。
【0081】
誘導指令部64は、予め定められている第1条件が成立したときに、走行路36を走行する無人散水車両20が走行路36から待避路38に進入するように第1誘導指令を出力する。
【0082】
図8は、第1条件が成立した状態を示す。第1条件は、作業現場の走行路36を走行する無人運搬車両10及び無人散水車両20の走行状況から渋滞の発生が予測されたときを含む。
【0083】
無人散水車両20が無人運搬車両10の前方を走行することは、無人運搬車両10の走行コース102と無人散水車両20の走行コース202とが、同一の走行路36に設定されることを含む。また、無人散水車両20が無人運搬車両10の前方を走行することは、同一の走行路36において、走行コース102と走行コース202とが平行に設定されること、又は走行コース102と走行コース202とが重複するように設定されることを含む。
【0084】
渋滞の発生が予測されたときは、走行路36を走行する無人運搬車両10及び無人運搬車両10よりも前方を走行する無人散水車両20のそれぞれの走行状況に基づいて、予め定められている時間後に無人運搬車両10と無人散水車両20との距離が予め定められている距離閾値以下になると予測されたときを含む。
【0085】
誘導指令部64は、作業現場の走行路36を第1走行速度V1で走行する無人運搬車両10の走行状況及び無人運搬車両10よりも前方を第1走行速度V1よりも低い第2走行速度V2で走行する無人散水車両20の走行状況から渋滞の発生が予測されたときに、無人散水車両20が走行路36から分岐する待避路38に進入するように、無人散水車両20に第1誘導指令を出力する。
【0086】
図9は、無人散水車両20が待避路38に進入した状態を示す。第2コースデータ生成部62は、無人散水車両20の第2コースデータ(走行コース202)が待避路38に設定されるように、第2コースデータを生成する。無人散水車両20の走行コース202は、走行路36及び待避路38のそれぞれに設定される。
【0087】
第2コースデータ生成部62は、無人散水車両20が待避路38を第1走行速度V1よりも低い走行速度で走行するように、第2コースデータを生成する。無人散水車両20は、第2コースデータ生成部62から送信された第2コースデータに基づいて、待避路38を第2走行速度V2又は第1走行速度V1よりも低い走行速度で走行する。
【0088】
なお、第2コースデータ生成部62は、無人散水車両20が待避路38において停車するように、第2コースデータを生成してもよい。無人散水車両20は、第2コースデータ生成部62から送信された第2コースデータに基づいて、待避路38において停車してもよい。
【0089】
無人散水車両20が待避路38を第2走行速度V2又は第1走行速度V1よりも低い走行速度で走行する場合、待避路38は、低速走行レーンとして機能する。無人散水車両20が待避路38において停車する場合、待避路38は、待避所として機能する。
【0090】
無人運搬車両10は、第1コースデータに基づいて、走行路36を第1走行速度V1で走行する。第1コースデータは、待避路38に設定されない。無人運搬車両10は、待避路38に進入することなく、走行路36を第1走行速度V1で走行する。
【0091】
無人散水車両20が待避路38において低速で走行又は停車している状態で、無人運搬車両10が走行路36を高速で走行するので、無人運搬車両10は、無人散水車両20を追い抜くことができる。
【0092】
誘導指令部64は、予め定められている第2条件が成立したときに、待避路38に存在する無人散水車両20が待避路38から走行路36に進入するように第2誘導指令を出力する。
【0093】
図10は、第2条件が成立した状態を示す。第2条件は、無人運搬車両10が待避路38に存在する無人散水車両20を追い抜いたことを含む。
【0094】
無人運搬車両10が無人散水車両20を追い抜いたことは、無人運搬車両10が走行路36に設定されている走行コース102に従って走行し、無人散水車両20が待避路38から走行路36に進入した後に走行路36に設定されている走行コース202に従って走行したとき、無人運搬車両10が第2走行速度V2で走行する無人散水車両20よりも前方を第1走行速度V1で走行することを含む。
【0095】
誘導指令部64は、無人運搬車両10の位置センサ15Aの検出データと無人散水車両20の位置センサ25Aの検出データとに基づいて、無人運搬車両10が無人散水車両20を追い抜いたか否かを判定することができる。すなわち、誘導指令部64は、作業現場における無人運搬車両10と無人散水車両20との相対位置に基づいて、無人運搬車両10が無人散水車両20を追い抜いたか否かを判定する。
【0096】
無人運搬車両10が無人散水車両20の前方を走行することは、無人運搬車両10の走行コース102と無人散水車両20の走行コース202とが、同一の走行路36に設定されることを含む。また、無人運搬車両10が無人散水車両20の前方を走行することは、同一の走行路36において、走行コース102と走行コース202とが平行に設定されること、又は走行コース102と走行コース202とが重複するように設定されることを含む。
【0097】
誘導指令部64は、無人運搬車両10が待避路38に存在する無人散水車両20を追い抜いた後、無人散水車両20が待避路38から走行路36に進入するように第2誘導指令を出力する。第2コースデータ生成部62は、無人散水車両20を待避路38から走行路36に進入させるための第2コースデータを生成する。
【0098】
無人散水車両20は、管理装置2から第2コースデータ及び第2誘導指令のそれぞれを受信する。無人散水車両20は、第2誘導指令を受信した後、第2コースデータに基づいて、待避路38から走行路36に進入する。
【0099】
高速で走行する無人運搬車両10が低速で走行する無人散水車両20を追い抜くことができるので、作業現場の走行路36において渋滞の発生が抑制される。
【0100】
[無人車両の管理方法]
図11は、実施形態に係る無人車両の管理方法を示すフローチャートである。
【0101】
第1コースデータ生成部61は、無人運搬車両10の第1コースデータを生成する。第1出力部66は、第1コースデータ生成部61により生成された第1コースデータを無人運搬車両10に送信する。無人運搬車両10は、第1コースデータに基づいて、走行路36を第1走行速度V1で走行する(ステップS1)。
【0102】
第2コースデータ生成部62は、無人散水車両20の第2コースデータを生成する。第2出力部67は、第2コースデータ生成部62により生成された第2コースデータを無人散水車両20に送信する。また、散水データ生成部65により散水データが生成された場合、第2出力部67は、散水データを無人散水車両20に送信する。無人散水車両20は、第2コースデータに基づいて、走行路36を第2走行速度V2で走行する。また、無人散水車両20は、散水データを受信した場合、散水データに基づいて、走行路36を走行しながら走行路36に散水する(ステップS2)。
【0103】
渋滞予測部63は、作業現場の走行路36を走行する無人運搬車両10及び無人運搬車両10よりも前方を走行する無人散水車両20のそれぞれの走行状況から渋滞の発生を予測する(ステップS3)。
【0104】
例えば、渋滞予測部63は、作業現場の走行路36を走行する無人運搬車両10及び無人運搬車両10よりも前方を走行する無人散水車両20のそれぞれの走行状況に基づいて、予め定められている時間後に無人運搬車両10と無人散水車両20との距離が予め定められている距離閾値以下になると予測されたときに、無人散水車両20を原因として渋滞が発生すると予測する。
【0105】
誘導指令部64は、第1条件が成立したか否かを判定する。すなわち、誘導指令部64は、走行路36において無人散水車両20が無人運搬車両10の前方を走行し、走行路36における無人運搬車両10と無人散水車両20との予め定められている時間後の距離が予め定められている距離閾値以下になったか否かを判定して、渋滞が発生すると予測されるか否かを判定する(ステップS4)。
【0106】
ステップS4において、第1条件が成立していないと判定された場合(ステップS4:No)、ステップS1及びステップS2の処理に戻る。
【0107】
ステップS4において、第1条件が成立したと判定した場合(ステップS4:Yes)、誘導指令部64は、無人散水車両20が走行路36から待避路38に進入するように、無人散水車両20に第1誘導指令を出力する(ステップS5)。
【0108】
無人散水車両20は、第1誘導指令に基づいて、走行路36から待避路38に進入する。無人散水車両20は、待避路38を第2走行速度V2又は第2走行速度V2よりも低い第1走行速度よりも低い走行速度で走行する。なお、無人散水車両20は、待避路38において停車してもよい(ステップS6)。
【0109】
無人運搬車両10は、待避路38に進入することなく、走行路36を第1走行速度V1で走行する。
【0110】
誘導指令部64は、第2条件が成立したか否かを判定する。すなわち、誘導指令部64は、無人運搬車両10が待避路38に存在する無人散水車両20を追い抜いたか否かを判定する(ステップS7)。
【0111】
ステップS7において、第2条件が成立していないと判定された場合(ステップS7:No)、ステップS6の処理に戻る。
【0112】
ステップS7において、第2条件が成立したと判定した場合(ステップS7:Yes)、誘導指令部64は、無人散水車両20が待避路38から走行路36に進入するように、無人散水車両20に第2誘導指令を出力する(ステップS8)。
【0113】
無人散水車両20は、第2誘導指令に基づいて、待避路38から走行路36に進入する。走行路36において、無人散水車両20は、無人運搬車両10の後方を走行する(ステップS9)。
【0114】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、作業現場の走行路36を走行する複数の無人車両の走行状況から渋滞の発生が予測される。渋滞の原因が無人散水車両20であると予測される場合、渋滞の原因となる無人散水車両20が走行路36から分岐する待避路38に進入するように第1誘導指令が出力される。これにより、無人運搬車両10は、走行路36における走行を継続することにより、無人散水車両20を追い抜くことができる。したがって、作業現場の走行路36において渋滞の発生が抑制される。
【0115】
作業現場の走行路36を第1走行速度V1で走行する無人運搬車両10が無人運搬車両10よりも前方を走行する無人散水車両20に接近すると予測されたときに、無人散水車両20が走行路36から分岐する待避路38に進入するように、無人散水車両20に第1誘導指令が出力される。これにより、無人運搬車両10は、走行路36における走行を継続することにより、無人散水車両20を追い抜くことができる。したがって、作業現場の走行路36において渋滞の発生が抑制される。
【0116】
第1誘導指令が出力される第1条件は、走行路36における無人運搬車両10と無人散水車両20との予め定められている時間後の距離が予め定められている距離閾値以下になったことを含む。これにより、第1条件が適正に定められ、無人散水車両20が無人運搬車両10を追い抜かせる必要があるときに、第1誘導指令が出力される。
【0117】
第2誘導指令が出力される第2条件は、走行路36を走行する無人運搬車両10が待避路38に存在する無人散水車両20を追い抜いたことを含む。これにより、第2条件が適正に定められ、走行路36において無人散水車両20が無人運搬車両10の後方を走行することができる。
【0118】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、第1コースデータが生成されなくてもよい。無人運搬車両10は、第1コースデータに基づかずに走行路36を第1走行速度V1で走行してもよい。上述の実施形態において、第2コースデータが生成されなくてもよい。無人散水車両20は、第2コースデータに基づかずに走行路36を第2走行速度V2で走行してもよい。無人散水車両20は、第2コースデータに基づかずに待避路38を第2走行速度V2又は第1走行速度V1よりも低い走行速度で走行したり待避路38において減速したり停車したりしてもよい。
【0119】
上述の実施形態において、制御装置11の機能及び制御装置21の機能の少なくとも一部が管理装置2に設けられてもよいし、管理装置2の機能の少なくとも一部が制御装置11及び制御装置21の一方又は両方に設けられてもよい。例えば、上述の実施形態において、制御装置11が第1コースデータ生成部61の機能及び渋滞予測部63の機能を有してもよい。制御装置21が第2コースデータ生成部62の機能、渋滞予測部63の機能、誘導指令部64の機能、及び散水データ生成部65の機能を有してもよい。
【0120】
上述の実施形態において、第1コースデータ生成部61、第2コースデータ生成部62、渋滞予測部63、誘導指令部64、散水データ生成部65、第1出力部66、及び第2出力部67のそれぞれが、別々のハードウエアにより構成されてもよい。
【0121】
上述の実施形態においては、第1無人車両10が無人運搬車両であり、第2無人車両20が無人散水車両であることとした。第1無人車両10及び第2無人車両20の両方が無人運搬車両でもよい。第1無人車両10が走行路36を第1走行速度V1で走行する無人運搬車両であり、第2無人車両20が走行路36を第2走行速度V2で走行する無人運搬車両でもよい。また、第1無人車両10及び第2無人車両20の両方が無人散水車両でもよい。第1無人車両10が走行路36を第1走行速度V1で走行する無人散水車両であり、第2無人車両20が走行路36を第2走行速度V2で走行する無人散水車両でもよい。
【符号の説明】
【0122】
1…管理システム、2…管理装置、3…通信システム、3A…無線通信機、3B…無線通信機、3C…無線通信機、4…管制施設、5…積込機、6…破砕機、7…給油機、8…給水機、9…入力装置、10…無人運搬車両(第1無人車両)、11…制御装置、12…車両本体、13…走行装置、14…ダンプボディ、15…センサシステム、15A…位置センサ、15B…方位センサ、15C…速度センサ、15D…障害物センサ、16…車輪、16F…前輪、16R…後輪、17…タイヤ、17F…前タイヤ、17R…後タイヤ、20…無人散水車両(第2無人車両)、21…制御装置、22…車両本体、23…走行装置、24…タンク、25…センサシステム、25A…位置センサ、25B…方位センサ、25C…速度センサ、25D…障害物センサ、26…車輪、26F…前輪、26R…後輪、27…タイヤ、27F…前タイヤ、27R…後タイヤ、28…散水スプレー、29…キャブ、31…積込場、32…排土場、33…駐機場、34…給油場、35…給水場、36…走行路、37…交差点、38…待避路、41…通信インタフェース、42…記憶回路、43…処理回路、61…第1コースデータ生成部、62…第2コースデータ生成部、63…渋滞予測部、64…誘導指令部、65…散水データ生成部、66…第1出力部、67…第2出力部、71…走行制御部、81…走行制御部、82…散水制御部、101…コース点、102…走行コース、201…コース点、202…走行コース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11