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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022012927
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】低燃焼性燃料燃焼装置
(51)【国際特許分類】
   F23D 14/24 20060101AFI20220111BHJP
【FI】
F23D14/24 B
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020114893
(22)【出願日】2020-07-02
(71)【出願人】
【識別番号】000211123
【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 克明
(72)【発明者】
【氏名】河本 祐作
(72)【発明者】
【氏名】田口 脩平
(72)【発明者】
【氏名】友澤 健一
(72)【発明者】
【氏名】服部 成真
【テーマコード(参考)】
3K019
【Fターム(参考)】
3K019AA02
3K019AA06
3K019BA02
3K019BD09
(57)【要約】
【課題】 低燃焼性燃料を燃焼用空気と混合させて安定して燃焼できるようにすると共に、低燃焼性燃料の燃焼時における火炎温度が高くなってNOxが発生するのを抑制する。
【解決手段】 低燃焼性燃料Gを噴出させる噴出口11が設けられた燃料供給管11の外周側に、一次燃焼用空気A1を燃料供給管の外周に沿って旋回させながら燃料供給管の送り方向前方に導く一次空気供給管20を設けると共に、一次空気供給管の送り方向下流側の外周側に、二次燃焼用空気A2を一次空気供給管の外周に沿って旋回させながら一次空気供給管の送り方向前方に導く二次空気供給管30を設けた。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低燃焼性燃料を噴出させる噴出口が設けられた燃料供給管の外周側に、一次燃焼用空気を燃料供給管の外周に沿って旋回させながら燃料供給管の送り方向前方に導く一次空気供給管を設けると共に、この一次空気供給管の送り方向下流側の外周側に、二次燃焼用空気を一次空気供給管の外周に沿って旋回させながら一次空気供給管の送り方向前方に導く二次空気供給管を設けたことを特徴とする低燃焼性燃料燃焼装置。
【請求項2】
請求項1に記載の低燃焼性燃料燃焼装置において、前記の低燃焼性燃料がアンモニアであることを特徴とする低燃焼性燃料燃焼装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の低燃焼性燃料燃焼装置において、前記の燃料供給管の先端部に前記の低燃焼燃料を噴出させる噴出口を設け、この噴出口から噴出された低燃焼性燃料を、前記の一次空気供給管内において燃料供給管の外周に沿って旋回されながら燃料供給管の送り方向前方に導かれた一次燃焼用空気と混合させ、前記の低燃焼燃料の一部が残るようにして一次空気供給管内で一次燃焼させ、一次燃焼された後の低燃焼性燃料が残っている一次燃焼ガスを一次空気供給管内から前記の二次空気供給管内に導き、二次空気供給管内において一次空気供給管の外周に沿って旋回されながら一次空気供給管の送り方向前方に導かれた二次燃焼用空気と混合させて、一次燃焼ガスに残っている低燃焼性燃料を二次空気供給管内で二次燃焼させることを特徴とする低燃焼性燃料燃焼装置。
【請求項4】
請求項3に記載の低燃焼性燃料燃焼装置において、前記の燃料供給管の先端部における噴出口として、燃料供給管の先端部の外周に、低燃焼燃料を外周側に放射状に噴出させる複数の噴出口を放射状に設けたことを特徴とする低燃焼性燃料燃焼装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の低燃焼性燃料燃焼装置において、前記の一次空気供給管内に供給される一次燃焼用空気の量と、前記の二次空気供給管内に供給される二次燃焼用空気の量との比が、50:50~20:80の範囲であることを特徴とする低燃焼性燃料燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料供給管を通して供給される低燃焼性燃料を、空気供給管を通して供給される燃焼用空気と混合させて燃焼させる低燃焼性燃料燃焼装置に関するものである。特に、低燃焼性燃料を燃焼用空気と混合させて安定して燃焼できるようにすると共に、燃焼時におけるNOxの発生を抑制するようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料を燃焼用空気と混合させて燃焼させる燃焼装置においては、一般に、燃料として炭化水素系燃料を用いたものが使用されている。
【0003】
しかし、このように燃焼装置において炭化水素系燃料を燃焼用空気と混合させて燃焼させた場合、二酸化炭素などの温室効果ガスが多く発生するという問題があった。
【0004】
このため、近年においては、二酸化炭素などの温室効果ガスを削減することが要望され、燃料に炭化水素系燃料以外のものを用いることが検討されている。
【0005】
また、従来から、燃焼装置における燃料として、低燃焼性燃料のアンモニアを用いることが知られている。しかし、アンモニアは炭化水素系燃料に比べて燃焼性が悪くて、燃焼時に失火しやすく、また燃焼時にNOxが発生しやすくなるという問題があった。
【0006】
そして、従来においては、燃焼性が悪い低燃焼性燃料のアンモニアを燃焼させるにあたって、特許文献1に示されるように、燃料にアンモニアを噴出させるバーナーチップの下流側にディフューザーを配置し、アンモニアを自然吸引された燃焼用空気と一緒にディフューザーの周辺を迂回させて混合させ、このように混合されたアンモニアと燃焼用空気とを、渦流状態にしてディフューザーの上側に滞留させて燃焼させ、アンモニアの燃焼性を高めるようにしたものが提案されている。
【0007】
しかし、特許文献1のように燃焼用空気を自然吸引させる場合、多くのアンモニアを燃焼させる大型の燃焼装置に用いることは困難であり、また前記のようにアンモニアと燃焼用空気とを渦流状態にしてディフューザーの上側に滞留させて、アンモニアを一気に燃焼させるようにした場合、燃焼時における火炎温度が高くなって、NOxの発生が多くなるという問題もあった。
【0008】
また、特許文献2においては、低燃焼性燃料のアンモニアと燃焼用空気とを予混合させて均一化させた後、このように予混合させたガスを、スワラにより旋回させて強く攪拌しながら燃焼させて、アンモニアの燃焼性を高めるようにしたものが提案されている。
【0009】
しかし、特許文献2のように、アンモニアと燃焼用空気とを予混合させたガスを、スワラにより旋回させて強く攪拌しながら燃焼させるようにした場合、特許文献1の場合と同様に、アンモニアが一気に燃焼されて火炎温度が高くなり、NOxの発生が多くなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実公昭50-8257号公報
【特許文献2】特開2016-130619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、アンモニアのような低燃焼性燃料を燃焼用空気と混合させて燃焼させる場合における前記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0012】
すなわち、本発明は、前記のようにアンモニアのような低燃焼性燃料を燃焼用空気と混合させて燃焼させるあたり、低燃焼性燃料を燃焼用空気と適切に混合させて、低燃焼性燃料を安定して燃焼できるようにすると共に、低燃焼性燃料が一気に燃焼されて、燃焼時における火炎温度が高くなってNOxが発生するのを抑制することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る低燃焼性燃料燃焼装置においては、前記のような課題を解決するため、低燃焼性燃料を噴出させる噴出口が設けられた燃料供給管の外周側に、一次燃焼用空気を燃料供給管の外周に沿って旋回させながら燃料供給管の送り方向前方に導く一次空気供給管を設け、この一次空気供給管の送り方向下流側の外周側に、二次燃焼用空気を一次空気供給管の外周に沿って旋回させながら一次空気供給管の送り方向前方に導く二次空気供給管を設けた。
【0014】
そして、本発明に係る低燃焼性燃料燃焼装置においては、前記の低燃焼性燃料にアンモニアを用いるようにしている。
【0015】
ここで、本発明に係る低燃焼性燃料燃焼装置においては、前記の燃料供給管の先端部に前記の低燃焼燃料を噴出させる噴出口を設け、この噴出口から噴出された低燃焼性燃料を、前記の一次空気供給管内において燃料供給管の外周に沿って旋回されながら燃料供給管の送り方向前方に導かれた一次燃焼用空気と混合させ、前記の低燃焼燃料の一部が残るようにして一次空気供給管内で一次燃焼させ、一次燃焼された後の低燃焼性燃料が残っている一次燃焼ガスを一次空気供給管内から前記の二次空気供給管内に導き、二次空気供給管内において一次空気供給管の外周に沿って旋回されながら一次空気供給管の送り方向前方に導かれた二次燃焼用空気と混合させて、一次燃焼ガスに残っている低燃焼性燃料を二次空気供給管内で二次燃焼させるようにすることができる。
【0016】
このように、燃料供給管の先端部に設けた噴出口から噴出された低燃焼性燃料を、一次空気供給管内において燃料供給管の外周に沿って旋回されながら燃料供給管の送り方向前方に導かれた一次燃焼用空気と混合させて、この一次空気供給管内で低燃焼燃料の一部が残るようにして一次燃焼させると、低燃焼性燃料が前記の一次燃焼用空気と十分に混合されて安定して燃焼されるようになると共に、一次燃焼時における火炎温度が高温になるのが防止されて、NOxの発生が抑制される。また、一次燃焼された後の低燃焼性燃料が残っている一次燃焼ガスを、一次空気供給管内から二次空気供給管内に導き、二次空気供給管内において一次空気供給管の外周に沿って旋回されながら一次空気供給管の送り方向前方に導かれた二次燃焼用空気と混合させて、二次空気供給管内で二次燃焼させると、一次燃焼ガスに残っている低燃焼性燃料が二次燃焼用空気と十分に混合されて安定して燃焼されるようになると共に、二段階で燃焼させることによって、二次燃焼時における火炎温度が高温になるのが防止されて、NOxの発生が抑制されるようになる。
【0017】
ここで、前記のように燃料供給管の先端部に噴出口を設けるにあたっては、燃料供給管の先端部の外周に、低燃焼燃料を外周側に噴出させる複数の噴出口を放射状に設けることが好ましい。このようにすると、この放射状に設けた複数の噴出口から燃料供給管の外周側に向けて低燃焼燃料が噴出され、このように噴出された低燃焼燃料が、一次空気供給管により燃料供給管の外周に沿って旋回されながら燃料供給管の送り方向前方に導かれる一次燃焼用空気と十分に混合されて、一次空気供給管内において安定して一次燃焼されるようになる。
【0018】
また、本発明に係る低燃焼性燃料燃焼装置においては、前記の一次空気供給管に供給される一次燃焼用空気の量と、前記の二次空気供給管に供給される二次燃焼用空気の量との比を、50:50~20:80の範囲にすることが好ましい。このようにすると、燃料供給管の先端部の噴出口から噴出された低燃焼性燃料を一次燃焼用空気と混合させて一次空気供給管内で一次燃焼させる際に、低燃焼燃料が一次空気供給管内で完全燃焼されずに低燃焼性燃料の一部が残り、一次燃焼時に、火炎温度か大きく上昇するのが防止されて、NOxが発生するのが抑制される。次いで、一次空気供給管内で一次燃焼された後の低燃焼性燃料が残っている一次燃焼ガスが二次空気供給管内に導かれ、一次燃焼ガスに残っている低燃焼性燃料が、二次空気供給管内において二次燃焼用空気と混合されて二次燃焼されるため、二次燃焼時においても、火炎温度か大きく上昇するのが防止されて、NOxが発生するのが抑制される。
【発明の効果】
【0019】
本発明における低燃焼性燃料燃焼装置においては、前記のように燃料供給管に設けた噴出口から噴出された低燃焼性燃料を、一次空気供給管内において燃料供給管の外周に沿って旋回されながら燃料供給管の送り方向前方に導かれた一次燃焼用空気と混合させて、この一次空気供給管内で低燃焼燃料の一部が残るようにして一次燃焼させ、一次燃焼後の低燃焼性燃料が残っている一次燃焼ガスを、一次空気供給管から前記の二次空気供給管内に導き、二次空気供給管内において一次空気供給管の外周に沿って旋回されながら一次空気供給管の送り方向前方に導かれた二次燃焼用空気と混合させて、この二次空気供給管内で二次燃焼させるようにした。
【0020】
この結果、本発明における低燃焼性燃料燃焼装置においては、燃焼用空気に旋回をかけることによって、燃焼しにくい低燃焼燃料を燃焼用空気とよく攪拌混合させて燃焼させやすくすることができ、さらに低燃焼性燃料を燃焼用空気と混合させて燃焼させる前記の一次燃焼及び二次燃焼の二段階に分けたので、低燃焼性燃料が一気に燃焼されて火炎温度が高温になるということがなくなり、NOxが発生するのが適切に抑制されると共に、低燃焼性燃料が一次燃焼用空気や二次燃焼用空気と十分に混合されて安定して燃焼されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る低燃焼性燃料燃焼装置の構造を示した概略断面説明図である。
図2】同実施形態に係る低燃焼性燃料燃焼装置において、一次空気供給管の部分を縦方向に切断した状態を示した概略縦断面図である。
図3】同実施形態に係る低燃焼性燃料燃焼装置において、二次空気供給管の部分を縦方向に切断した状態を示した概略縦断面図である。
図4】同実施形態に係る低燃焼性燃料燃焼装置において、一次空気供給管に供給される一次燃焼用空気の量と、前記の二次空気供給管に供給される二次燃焼用空気の量との比を変更させてアンモニアガスを燃焼させた場合に、NOxの発生量が変化する状態を示した概略説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係る低燃焼性燃料燃焼装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る低燃焼性燃料燃焼装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
【0023】
この実施形態における低燃焼性燃料燃焼装置においては、図1に示すように、低燃焼性燃料のアンモニアガスGを供給する燃料供給管10の送り方向先端部の外周に、前記のアンモニアガスGを燃料供給管10の外周側に向けて放射状に噴出させる複数の噴出口11を周方向に所要間隔を介するようにして放射状に設けている。
【0024】
また、この燃料供給管10の外周側に、一次空気導入部21から導かれた一次燃焼用空気A1を、図2に示すように、燃料供給管10の接線方向から導入して燃料供給管10の外周に沿って旋回させながら燃料供給管10の先端よりも送り方向前方に導く一次空気供給管20を設けている。
【0025】
また、この一次空気供給管20の送り方向下流側の外周側に、二次用空気導入部31から導かれた二次燃焼用空気A2を、図3に示すように、前記の一次空気供給管20の接線方向から導入して一次空気供給管20の外周に沿って旋回させながら一次空気供給管20の送り方向前方に導く二次空気供給管30を設けている。
【0026】
これらのように、一次燃焼用空気A1や二次燃焼用空気A2を、燃料供給管10や一次空気供給管20の接線方向から導入させることにより、強い旋回力が得られる。
【0027】
ここで、この実施形態における低燃焼性燃料燃焼装置においては、前記の燃料供給管10の送り方向先端部の外周に放射状に設けた各噴出口11から前記のアンモニアガスGを、燃料供給管10の外周側に向けて前記の一次空気供給管20内に放射状に噴出させると共に、前記の一次空気導入部21から一次空気供給管20内に導かれた一次燃焼用空気A1を、燃料供給管10の外周に沿って旋回させながら一次空気供給管20の送り方向先端部に送り、この一次燃焼用空気A1を前記のように各噴出口11から噴出されたアンモニアガスGと混合させながら燃料供給管10の送り方向前方に導くようにしている。
【0028】
そして、このようにアンモニアガスGと一次燃焼用空気A1とが混合されて燃料供給管10の送り方向前方に導かれ混合ガスをスパークプラグ(図示せず)により着火させ、一次燃焼用空気Aの量を理論空気比(μ=1)よりも少なくし、前記のアンモニアガスGの一部が残るようにして、前記の混合ガスを燃料供給管10の送り方向前方における一次空気供給管20内において一次燃焼させるようにしている。
【0029】
次いで、このようにして一次空気供給管20内で一次燃焼させた後のアンモニアガスGが残っている一次燃焼ガスを、一次空気供給管20内から二次空気供給管30内に導くようにしている。
【0030】
そして、このように一次空気供給管20内から二次空気供給管30内に導かれたアンモニアガスGが残っている一次燃焼ガスを、前記のように二次用空気導入部31から二次空気供給管30内に導入されて、前記の一次空気供給管20の外周に沿って旋回されながら一次空気供給管20の送り方向前方に導かれた二次燃焼用空気A2と二次空気供給管30内において混合させて、一次燃焼ガスに残っているアンモニアガスGを二次空気供給管30内において二次燃焼させるようにしている。
【0031】
ここで、前記のように一次空気供給管20内において、一次燃焼用空気A1を燃料供給管10の外周に沿って旋回されながら、燃料供給管10の各噴出口11から放射状に噴出させたアンモニアガスGと混合させると、アンモニアガスGが一次燃焼用空気A1と十分に混合されて、一次空気供給管20内において安定して一次燃焼されるようになり、またアンモニアガスGの一部が残るようにして、混合ガスを一次空気供給管20内において一次燃焼させるため、アンモニアガスGが一次空気供給管20内で完全燃焼されず、一次燃焼時の火炎温度が大きく上昇するのが防止されて、NOxが発生するのが抑制される。
【0032】
また、このように一次燃焼された後のアンモニアガスGが残っている一次燃焼ガスを二次空気供給管30内に導き、アンモニアガスGが残っている一次燃焼ガスを、前記のよう二次空気供給管30内において一次空気供給管20の外周に沿って旋回されながら送られてきた二次燃焼用空気A2と混合させて二次燃焼させると、一次燃焼ガスに残っているアンモニアガスGが二次燃焼用空気A2と十分に混合されて安定して二次燃焼されるようになり、また一次燃焼された後のアンモニアガスGが残っている一次燃焼ガスを二次燃焼させるため、燃焼が二段階に分けられて、二次燃焼時の火炎温度か大きく上昇するのが防止され、NOxが発生するのが抑制される。
【0033】
ここで、前記の一次空気供給管20に供給される一次燃焼用空気A1の量と、前記の二次空気供給管30に供給される二次燃焼用空気A2の量との比を変更させてアンモニアガスGを一次燃焼、二次燃焼させた場合に、発生するNOxの量の変化を調べ、その結果を図4に示した。この結果、一次空気供給管20に供給される一次燃焼用空気A1の量と、前記の二次空気供給管30に供給される二次燃焼用空気A2の量との比を、50:50~20:80の範囲にすることが好ましいことが分かった。このようにすると、NOxの発生量が約300ppm以下に抑制されるようになる。
【0034】
また、図に示す実施形態においては、燃焼装置として、開放型のバーナーの例を示したが、ラジアントチューブ式のバーナーにも利用できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0035】
10 :燃料供給管
11 :噴出口
20 :一次空気供給管
21 :一次空気導入部
30 :二次空気供給管
31 :二次用空気導入部
A1 :一次燃焼用空気
A2 :二次燃焼用空気
G :アンモニアガス(低燃焼性燃料)
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2021-09-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低燃焼性燃料を噴出させる噴出口が設けられた燃料供給管の外周側に、一次燃焼用空気を燃料供給管の外周に沿って旋回させながら燃料供給管の送り方向前方に導く一次空気供給管を設けると共に、この一次空気供給管の送り方向下流側の外周側に、二次燃焼用空気を一次空気供給管の外周に沿って旋回させながら一次空気供給管の送り方向前方に導く二次空気供給管を設け、前記の燃料供給管の先端部の外周に、低燃焼性燃料を外周側に放射状に噴出させる複数の噴出口を放射状に設け、前記の噴出口から噴出された低燃焼性燃料を、前記の一次空気供給管内において燃料供給管の外周に沿って旋回されながら燃料供給管の送り方向前方に導かれる一次燃焼用空気と一緒に旋回させながら混合させて燃料供給管の先端に導き、前記の低燃焼性燃料の一部が残るようにして一次空気供給管内で一次燃焼させ、一次燃焼された後の低燃焼性燃料が残っている一次燃焼ガスを一次空気供給管内から前記の二次空気供給管内に導き、二次空気供給管内において一次空気供給管の外周に沿って旋回されながら一次空気供給管の送り方向前方に導かれた二次燃焼用空気と混合させて、一次燃焼ガスに残っている低燃焼性燃料を二次空気供給管内で二次燃焼させることを特徴とする低燃焼性燃料燃焼装置。
【請求項2】
請求項1に記載の低燃焼性燃料燃焼装置において、前記の低燃焼性燃料がアンモニアであることを特徴とする低燃焼性燃料燃焼装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の低燃焼性燃料燃焼装置において、前記の一次空気供給管内に供給される一次燃焼用空気の量と、前記の二次空気供給管内に供給される二次燃焼用空気の量との比が、50:50~20:80の範囲であることを特徴とする低燃焼性燃料燃焼装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明に係る低燃焼性燃料燃焼装置においては、前記のような課題を解決するため、低燃焼性燃料を噴出させる噴出口が設けられた燃料供給管の外周側に、一次燃焼用空気を燃料供給管の外周に沿って旋回させながら燃料供給管の送り方向前方に導く一次空気供給管を設けると共に、この一次空気供給管の送り方向下流側の外周側に、二次燃焼用空気を一次空気供給管の外周に沿って旋回させながら一次空気供給管の送り方向前方に導く二次空気供給管を設け、前記の燃料供給管の先端部の外周に、低燃焼性燃料を外周側に放射状に噴出させる複数の噴出口を放射状に設け、前記の噴出口から噴出された低燃焼性燃料を、前記の一次空気供給管内において燃料供給管の外周に沿って旋回されながら燃料供給管の送り方向前方に導かれる一次燃焼用空気と一緒に旋回させながら混合させて燃料供給管の先端に導き、前記の低燃焼性燃料の一部が残るようにして一次空気供給管内で一次燃焼させ、一次燃焼された後の低燃焼性燃料が残っている一次燃焼ガスを一次空気供給管内から前記の二次空気供給管内に導き、二次空気供給管内において一次空気供給管の外周に沿って旋回されながら一次空気供給管の送り方向前方に導かれた二次燃焼用空気と混合させて、一次燃焼ガスに残っている低燃焼性燃料を二次空気供給管内で二次燃焼させるようにした。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
また、本発明に係る低燃焼性燃料燃焼装置においては、前記のように燃料供給管の先端部の外周に、低燃焼性燃料を外周側に放射状に噴出させる複数の噴出口を放射状に設け、前記の噴出口から噴出された低燃焼性燃料を、前記の一次空気供給管内において燃料供給管の外周に沿って旋回されながら燃料供給管の送り方向前方に導かれ一次燃焼用空気と一緒に旋回させながら混合させて燃料供給管の先端に導き、前記の低燃焼性燃料の一部が残るようにして一次空気供給管内で一次燃焼させ、一次燃焼された後の低燃焼性燃料が残っている一次燃焼ガスを一次空気供給管内から前記の二次空気供給管内に導き、二次空気供給管内において一次空気供給管の外周に沿って旋回されながら一次空気供給管の送り方向前方に導かれた二次燃焼用空気と混合させて、一次燃焼ガスに残っている低燃焼性燃料を二次空気供給管内で二次燃焼させるようにしている
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
このように、燃料供給管の先端部に設けた噴出口から噴出された低燃焼性燃料を、一次空気供給管内において燃料供給管の外周に沿って旋回されながら燃料供給管の送り方向前方に導かれ一次燃焼用空気と一緒に旋回させながら混合させて燃料供給管の先端に導き、この一次空気供給管内で低燃焼性燃料の一部が残るようにして一次燃焼させると、低燃焼性燃料が前記の一次燃焼用空気と十分に混合されて安定して燃焼されるようになると共に、一次燃焼時における火炎温度が高温になるのが防止されて、NOxの発生が抑制される。また、一次燃焼された後の低燃焼性燃料が残っている一次燃焼ガスを、一次空気供給管内から二次空気供給管内に導き、二次空気供給管内において一次空気供給管の外周に沿って旋回されながら一次空気供給管の送り方向前方に導かれた二次燃焼用空気と混合させて、二次空気供給管内で二次燃焼させると、一次燃焼ガスに残っている低燃焼性燃料が二次燃焼用空気と十分に混合されて安定して燃焼されるようになると共に、二段階で燃焼させることによって、二次燃焼時における火炎温度が高温になるのが防止されて、NOxの発生が抑制されるようになる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
さらに前記のように燃料供給管の先端部の外周に、低燃焼性燃料を外周側に噴出させる複数の噴出口を放射状に設けるようにしたため、この放射状に設けた複数の噴出口から燃料供給管の外周側に向けて低燃焼性燃料が噴出され、このように噴出された低燃焼性燃料が、一次空気供給管により燃料供給管の外周に沿って旋回されながら燃料供給管の送り方向前方に導かれる一次燃焼用空気と一緒に旋回されながら十分に混合されて燃料供給管の先端に導かれ、一次空気供給管内において安定して一次燃焼されるようになる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
また、本発明に係る低燃焼性燃料燃焼装置においては、前記の一次空気供給管に供給される一次燃焼用空気の量と、前記の二次空気供給管に供給される二次燃焼用空気の量との比を、50:50~20:80の範囲にすることが好ましい。このようにすると、燃料供給管の先端部の噴出口から噴出された低燃焼性燃料を一次燃焼用空気と一緒に旋回されながら混合させて一次空気供給管内で一次燃焼させる際に、低燃焼性燃料が一次空気供給管内で完全燃焼されずに低燃焼性燃料の一部が残り、一次燃焼時に、火炎温度か大きく上昇するのが防止されて、NOxが発生するのが抑制される。次いで、一次空気供給管内で一次燃焼された後の低燃焼性燃料が残っている一次燃焼ガスが二次空気供給管内に導かれ、一次燃焼ガスに残っている低燃焼性燃料が、二次空気供給管内において二次燃焼用空気と混合されて二次燃焼されるため、二次燃焼時においても、火炎温度か大きく上昇するのが防止されて、NOxが発生するのが抑制される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
本発明における低燃焼性燃料燃焼装置においては、前記のように燃料供給管に設けた噴出口から噴出された低燃焼性燃料を、一次空気供給管内において燃料供給管の外周に沿って旋回されながら燃料供給管の送り方向前方に導かれ一次燃焼用空気と一緒に旋回させながら混合させて燃料供給管の先端に導き、この一次空気供給管内で低燃焼性燃料の一部が残るようにして一次燃焼させ、一次燃焼後の低燃焼性燃料が残っている一次燃焼ガスを、一次空気供給管から前記の二次空気供給管内に導き、二次空気供給管内において一次空気供給管の外周に沿って旋回されながら一次空気供給管の送り方向前方に導かれた二次燃焼用空気と混合させて、この二次空気供給管内で二次燃焼させるようにした。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
この結果、本発明における低燃焼性燃料燃焼装置においては、燃焼用空気に旋回をかけることによって、燃焼しにくい低燃焼性燃料を燃焼用空気とよく攪拌混合させて燃焼させやすくすることができ、さらに低燃焼性燃料を燃焼用空気と混合させて燃焼させる前記の一次燃焼及び二次燃焼の二段階に分けたので、低燃焼性燃料が一気に燃焼されて火炎温度が高温になるということがなくなり、NOxが発生するのが適切に抑制されると共に、低燃焼性燃料が一次燃焼用空気や二次燃焼用空気と十分に混合されて安定して燃焼されるようになる。