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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129293
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】袋体
(51)【国際特許分類】
   A45C 3/04 20060101AFI20220829BHJP
【FI】
A45C3/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021027963
(22)【出願日】2021-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】521080934
【氏名又は名称】株式会社romo
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】由良 晃一
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA53
3B045CE07
3B045FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】様々な収容物に対応可能な新規の袋体を提供する。
【解決手段】前胴11と後胴12を接続した袋本体10と、前記袋本体10内にマチを形成可能なマチ形成部20と、を備え、マチ形成部20は、マチに変形可能な変形領域21と、変形領域21を袋本体10の側辺側に固定可能な固定具22と、を有する、袋体である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前胴と後胴を接続した袋本体と、
前記袋本体内にマチを形成可能なマチ形成部と、を備え、
前記マチ形成部は、前記マチに変形可能な変形領域と、
前記変形領域を前記袋本体の側辺側に固定可能な固定具と、を有する、袋体。
【請求項2】
前記固定具は、前記前胴と前記後胴にそれぞれ設けられている、請求項1に記載の袋体。
【請求項3】
前記固定具は、前記袋本体の側辺下部に設けられる第1の固定具と、
前記袋本体の側辺中部に設けられる第2の固定具と、を有する、請求項1又は請求項2に記載の袋体。
【請求項4】
前記袋本体内に設けられる中材を備え、
前記中材は、少なくとも前記変形領域にあたる部分に切欠き部が形成されている、請求項1~3の何れか一項に記載の袋体。
【請求項5】
前記中材は、第1の中材及び第2の中材を有し、
前記第1の中材は、少なくとも前記変形領域にあたる部分に切欠き部が形成されており、前記第2の中材は、前記前胴若しくは前記後胴の一面を覆う大きさに設定されている、請求項4に記載の袋体。
【請求項6】
前記袋本体内に設けられる中材を備え、
前記中材は、少なくとも前記変形領域にあたる部分に可撓部が形成されている、請求項1~3の何れか一項に記載の袋体。
【請求項7】
前記中材は、断熱材である、請求項4~6の何れか一項に記載の袋体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保護の観点から、マイバッグ(客が自ら持参する買い物袋)の使用が推奨されている。このような環境の中、持ち運びが容易で使い勝手を改良した袋体の技術が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、「開口部に提げ手を保有する袋体であって、該袋体の山折りされた底部に、中央に折り目を備えた左右対称となる一対の保形芯を保有し、両該保形芯を該折り目に沿って曲げ、それぞれに二つ折りされた左右対称の両該保形芯を重ね合わせる事によって、二つ折りした該保形芯と同じ形状まで、該袋体を小さくかつ薄く折り畳み携帯できるようにした事を特徴とする袋体」の技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-201868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の袋体は、袋体の側辺下部を底部側に向かって折り曲げることでマチ(襠)を形成する構成となっている。そのため、重量の大きな荷物を収容することで側辺下部の固定部分である底部側に過度な荷重がかかるような場合には、マチの構造が容易に解かれてしまうという問題があった。
【0006】
上述した問題に鑑み、本発明の解決しようとする課題は、様々な収容物に対応可能な新規の袋体を提供することである。
また、本発明の解決しようとする課題は、重量の大きな荷物に対応可能な新規の袋体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決する本発明は、前胴と後胴を接続した袋本体と、前記袋本体内にマチを形成可能なマチ形成部と、を備え、前記マチ形成部は、前記マチに変形可能な変形領域と、前記変形領域を前記袋本体の側辺側に固定可能な固定具と、を有する、袋体である。
【0008】
このように、変形領域を袋本体の側面部に固定することで、重量の大きな収容物を収容した際に、底面全体で収容物の荷重を分散することができ、マチ構造が解けてしまうことを抑制することができる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記固定具は、前記前胴と前記後胴にそれぞれ設けられている。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記固定具は、前記袋本体の側辺下部に設けられる第1の固定具と、前記袋本体の側辺中部に設けられる第2の固定具と、を有する。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記袋本体内に設けられる中材をさらに備え、前記中材は、少なくとも前記変形領域にあたる部分に切欠き部が形成されている。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記中材は、第1の中材及び第2の中材を有し、前記第1の中材は、少なくとも前記変形領域にあたる部分に切欠き部が形成されており、前記第2の中材は、前記前胴若しくは前記後胴の一面を覆う大きさに設定されている。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記袋本体内に設けられる中材をさらに備え、前記中材は、少なくとも前記変形領域にあたる部分に可撓部が形成されている。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記中材は、断熱材である。
【発明の効果】
【0015】
開示した技術によれば、様々な収容物に対応可能な新規の袋体を提供することができる。また、開示した技術によれば、重量の大きな荷物に対応可能な新規の袋体を提供することができる。
【0016】
他の課題、特徴および利点は、図面および特許請求の範囲と共に取り上げられる際に、以下に記載される発明を実施するための形態を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施の形態にかかる袋体のマチを形成した状態を示す説明図である。
図2】実施の形態にかかる袋体をフラットにした状態を示す説明図である。
図3】実施の形態にかかる袋体のマチ形成部の説明図である。
図4】実施の形態にかかる袋体にマチを形成する様子を示す説明図である。
図5】実施の形態にかかる袋体の中材の説明図である。
図6】実施の形態にかかる袋体の使用方法の説明図である。
図7】実施の形態にかかる袋体の使用方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる袋体の好適な実施の形態を詳細に説明する。本発明の技術的範囲は、添付図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、適宜変更が可能である。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
本発明にかかる袋体は、マチを形成した状態と、マチを形成せずにフラットにした状態と、に適宜変形可能なよう構成されている。このように変形可能な構成とすることで、未使用時にはコンパクトに収納することができ、また、収容物に応じて適切な形状に袋体を変形させて運搬することができる。
【0020】
図1は、実施の形態にかかる袋体にマチを形成した状態を示す説明図である。図2は、実施の形態にかかる袋体をフラットにした状態を示す説明図である。
【0021】
実施の形態にかかる袋体は、前胴11と後胴12を接続した袋本体10と、この袋本体10内にマチを形成可能なマチ形成部20と、を備える。すなわち、袋本体10は、前胴11と後胴12が縫い合わされており、マチ形成部20でマチを形成しない場合には、マチなしの袋体となる。
【0022】
また、実施の形態にかかる袋体は、袋本体10内に設けられる中材30と、袋本体10の開口部A側に設けられる持ち手40と、袋本体10に着脱可能なショルダーベルト50と、袋本体10の中央部に設けられるサイドベルト60と、袋本体10の折り畳み時に留め具となる係止具70と、を備えていても良い。
【0023】
袋本体10は、前胴11と後胴12が接続されることで袋状に形成されている。具体的には、袋本体10の底辺部14、右側辺部15、左側辺部16において、前胴11と後胴12とが接続されている。また、袋本体10の天辺部13は、接続されておらず開口部Aが形成されている。また、この開口部Aには、ファスナFやボタン等の開閉手段を設けても良い。
【0024】
マチ形成部20は、マチに変形可能な変形領域21と、この変形領域21を袋本体10の側辺部に固定可能な固定具22と、を有する、本実施の形態にかかるマチ形成部20は、袋本体10の側辺下部に設けられた変形領域21を側辺側(側辺中部)に向けて折り曲げ固定することにより、袋本体10内にマチが形成されるよう構成されている。なお、マチ形成部20は、変形領域21を側辺側に固定可能な構成であれば良く、変形領域21の固定高さに制限はない。
【0025】
図3は、実施の形態にかかる袋体の変形領域21を側面側に折り曲げた状態を示す説明図である。図4は、実施の形態にかかる袋体の変形領域21を側面側に折り曲げる様子を段階的に示す説明図である。
【0026】
図4(a)は、実施の形態にかかる袋体のフラットにした状態を右側辺部15側から示した斜視図である。図4(b)は、変形領域21を変形させマチを形成する様子を右側辺部15側から示した斜視図である。図4(c)は、マチを形成し固定具22を固定する直前の様子を右側辺部15側から示した斜視図である。
【0027】
変形領域21は、マチを形成するように変形可能な構成であればよい。この変形領域21は、例えば、容易に変形する材料を採用することや、変形する折り目に沿って湾曲を容易にする加工を施す等して形成することができる。
【0028】
固定具22は、袋本体10の側辺下部に設けられる第1の固定具221と、袋本体10の側辺中部に設けられる第2の固定具222と、を有する。この第1の固定具221に第2の固定具222が固定されることにより、袋本体10の側辺下部が側辺中部に固定される。これらの固定具22は、前胴11と後胴12とに、それぞれ別々に設けられていることが望ましい。
【0029】
本実施の形態にかかる固定具22として、スナップボタンを採用した形態を図面に示したが、ボタンやフック、面ファスナ、ベルト、バックル等、慣用の固定手段であれば当然に採用することができる。
【0030】
中材30は、前胴11及び後胴12の内部に収容される第1の中材31と、第2の中材32と、を有する。第1の中材31は、袋本体10の変形領域21にあたる部分に切欠き部33が形成されている。第2の中材32は、前胴11若しくは後胴12の一面を覆う大きさに設定されている。
【0031】
このように、変形領域21に対応する位置において、第1の中材31に切欠き部33が形成されていることにより、マチを形成する際に、マチ形成部20を容易に曲げたり撓ませることができる。これにより中材30を設けた場合であっても、容易にマチを形成するよう変形することができる。
【0032】
言い換えれば、中材30は、少なくとも変形領域21にあたる部分に切欠き部33が形成されている。本実施の形態では、切欠き部33を例示したが、その他にも容易に曲げたり撓ませることができる構造であれば採用することができる。例えば、中材30を厚みを薄くすることや、折目等の脆弱加工を施すことで容易に撓むように構成した可撓部を採用しても良いし、袋本体10の天辺部13から固定具22までを覆う中材30を採用して、切欠き部33と同様に容易に曲げたり撓ませ可能なよう構成しても良い。
【0033】
中材30は、断熱材であることが望ましい。中材30に断熱材を用いることで、袋体を保冷バックとして使用することができる。断熱材としては、発泡ポリエチレンやウレタン、エチレン酢酸ビニル(Ethylene-vinyl acetate, EVA)等、慣用の断熱材であれば当然に採用することができる。
【0034】
なお、本実施の形態においては、中材30を2つ(第1の中材31及び第2の中材32)採用した例を示したが、単数であっても良いし、3つ以上の中材30を採用しても良い。
【0035】
持ち手40は、袋本体10の天辺部13周辺に設けられることが望ましい。この持ち手40は、前胴11側や後胴12側のどちらか一方側に設けても良いし、前胴11側と後胴12側との両方に設けても良い。この持ち手40を用いることにより、本実施の形態にかかる袋体を、トートバックのように使用することができる。また、この持ち手40は、長さの異なる複数の持ち手を配置しても良い。
【0036】
ショルダーベルト50は、袋本体10にディーカンDやナスカンN等の接続手段を介して着脱可能に設けられることが望ましい。このショルダーベルト50を用いることにより、本実施の形態にかかる袋体を、ショルダーバックのように使用することができる。
【0037】
図6は、実施の形態にかかるサイドベルト60の使用方法を説明する説明図である。図6(a)は、フラットにした状態の袋体に平状の収容物を収容する様子を示す斜視図である。図6(b)は、サイドベルト60を持って持ち運ぶ様子を示す斜視図である。
【0038】
サイドベルト60は、袋本体10の中央部に設けられることが望ましい。このサイドベルト60は、前胴11側や後胴12側のどちらか一方側に設けても良いし、前胴11側と後胴12側との両方に設けても良い。また、本実施の形態においては、サイドベルト60を右側辺部15から左側辺部16へ向かって横方向に配置しているが、天辺部13から底辺部14へ向かって縦方向に配置しても良い。
【0039】
図6に示すように、サイドベルト60を使用することにより、持ち運びたい収容物がピザや寿司等の平状の場合には、傾けずに持ち運ぶことができる。
【0040】
図7は、実施の形態にかかる係止具70の使用方法の説明図である。図7(a)及び図7(b)は、フラットにした状態の袋体を折りたたむ様子を示す説明図である。図7(c)は、折りたたんだ袋体を係止具70で固定する様子を示す説明図である。
【0041】
係止具70は、本実施の形態にかかる袋体をコンパクトに持ち運ぶ際に用いられる。この係止具70は、袋本体10の何れかの辺に接続されていることが望ましい。このように、袋本体10の何れかの辺に接続されていることで、袋体自体を持ち運ぶ際に収納する必要がなく、紛失することをない。本実施の形態は、ひも状の係止具70を例示したが、ベルトや袋状等、を採用しても良い。
【0042】
本発明にかかる袋体によれば、マチ形成部20が、マチに変形可能な変形領域21と、この変形領域21を袋本体10の側辺部に固定可能な固定具22と、を有することにより、重量の大きな収容物を収容した際にも、マチ構造が解かれてしまうことを抑制することができる。すなわち、ハンモックのように袋本体10の底全体で収容物の荷重を分散させることができ、収容物の荷重が直接的に固定具22に作用することを抑制することを防止する。また、スナップボタン等の垂直に力を付加することで接続を解除する固定具22を採用する場合には、袋本体10の側辺部に固定具22を配置することで、収容物の荷重によって固定具22が解除されてしまうことをさらに抑制することができる。
【0043】
また、本発明にかかる袋体によれば、固定具22が、前胴11と後胴12にそれぞれ設けられていることにより、さらにマチ構造が解かれてしまうことを抑制することができる。すなわち、前胴11と後胴12に荷重を分散させて、重量の大きな収容物を収容した際に、固定具22の接続が解除されることを抑制することができる。また、前胴11と後胴12の接続部(すなわち、右側辺部15及び左側辺部16)に固定具22を設ける場合に比べ、前胴11と後胴12の生地に直接固定出来るため、固定具22を強固に固定することができ、また、容易に固定具22を取り付けることができる。
【0044】
また、本発明にかかる袋体によれば、袋本体10内に設けられる中材30を備え、この中材30は、少なくとも変形領域21にあたる部分に切欠き部33が形成されていることにより、マチ形成部20の機能を損なうことなく、中材30の効果を袋体に付加することができる。すなわち、袋体にクッション性や断熱性を付加したい場合には中材30を採用することが有効であるが、中材30を設けることにより、マチ形成部20の変形を阻害してしまう恐れがある。そのため、変形領域21に対応する位置に切欠き部33を設けることにより、マチ形成部20の機能を阻害することなく、中材30の効果を付加することができる。
【0045】
また、本発明にかかる袋体によれば、中材30は、第1の中材31及び第2の中材32を有し、第1の中材31は、少なくとも変形領域21にあたる部分に切欠き部33が形成されており、第2の中材32は、前胴11若しくは後胴12の一面を覆う大きさに設定されている。これにより、中材30の効果を袋体全体に付与しつつ、マチ形成部20の機能の阻害を抑制することができる。
【符号の説明】
【0046】
10 袋本体
11 前胴
12 後胴
20 マチ形成部
21 変形領域
22 固定具
30 中材
31 第1の中材
32 第2の中材
33 切欠き部
40 持ち手
50 ショルダーベルト
60 サイドベルト
70 係止具

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7