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  • 特開-湯煎ボウル固定具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129323
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】湯煎ボウル固定具
(51)【国際特許分類】
   A47J 36/16 20060101AFI20220829BHJP
   A47J 47/16 20060101ALI20220829BHJP
   A47J 43/28 20060101ALI20220829BHJP
   A47J 36/06 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
A47J36/16 Z
A47J47/16 C
A47J43/28
A47J36/06 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021028019
(22)【出願日】2021-02-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】521081687
【氏名又は名称】林 優那
(74)【代理人】
【識別番号】100196391
【弁理士】
【氏名又は名称】萩森 学
(72)【発明者】
【氏名】林 優那
【テーマコード(参考)】
4B053
4B055
4B066
【Fターム(参考)】
4B053AA03
4B053CA30
4B055AA01
4B055BA06
4B055CA23
4B055CA67
4B055CC26
4B066EE15
(57)【要約】
【課題】湯煎時に、調理材料を入れた内側ボウルと湯を入れた外側ボウルがしっかり固定され調理材料を混ぜる作業がやりやすく、外側ボウルの湯が内側ボウルに入る恐れが無く、さらに様々な大きさのボウルに使用できる湯煎ボウル固定具を提供する。
【解決手段】外側ボウルを載せ、全体が作業台上で滑らずに固定できる防滑シートと、防滑シートに結合しており、先端に内側ボウルを把持する把持具を有し、長さを調節できる2本以上の腕から成る湯煎ボウル固定具。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯煎ボウル固定具であって、
防滑シートと、
該防滑シートに結合した2以上の長さを調節することができる腕を有し、
該腕は端部に把持具を有する
ことを特徴とする湯煎ボウル固定具。
【請求項2】
前記の腕が弾性素材から成ることを特徴とする請求項1に記載の湯煎ボウル固定具。
【請求項3】
前記腕の略中間部に腕長調節機構を有することを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の湯煎ボウル固定具。
【請求項4】
前記の腕が本体マットに結合した部分と把持具を有する部分の2つから成り、
該2つの部分のいずれも中央部分に該腕の長手方向に沿って細長い孔を有しており、
前記の腕長調節機構が該2つの孔と、2枚のワッシャーとボルトとナットから成る
ことを特徴とする請求項1ないし3に記載の湯煎ボウル固定具。
【請求項5】
前記の腕の素材が天然ゴムあるいは合成ゴムであることを特徴とする請求項2ないし4に記載の湯煎ボウル固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理材料を湯煎する際に、湯を入れたボウルと調理材料を入れたボウルを固定する湯煎ボウル固定具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
調理材料を湯煎する際、大きいボウルの上に小さいボウルを浮かせた状態で作業をすることが多い。この時の問題点として、混ぜていると中の小さいボウルが動いて安定せず混ぜにくい、腕がすぐに疲れてしまう、混ぜている時に大きいボウルのお湯や冷水が小さいボウルに入る可能性があるといったことがあげられる。
【0003】
上記の問題を解決するために、湯煎または冷却時で使う大きいボウルと小さいボウルを一体化させ、二つのボウルを固定させる湯煎・冷却器具がいくつか提案されている。(特許文献1、2)。特許文献1に記載の発明は、冷却する際に使用するものである。複数の支持てこが回動するよう放射状に組み合わせてあり、各支持てこの先端に容器を固定するフックを遊動させることのできる構造である。この発明は、冷却するときには優れているが、湯煎をする際に使用するとなると支持てこがボウルの上にあるため、小さいボウルに入れた調理材料を混ぜるという作業をすることが出来ない。
特許文献2に記載の発明は、湯煎する際に使用するものである。大きい外側ボウルと小さい内側ボウルをそれぞれ蓋体と一体化させる構造になっている。この発明は、家庭にあるボウルを使って使用するとなると、決まった大きさのボウルでしか使用することが出来ないため、家庭にある様々な大きさのボウルを使っての使用が不可能である。また、内側ボウルの深さを変えて固定することが出来ないため、調理する量によっては作業効率が下がってしまう恐れがある。さらに、蓋体で内側ボウルと外側ボウルは固定されているが、外側ボウルの下に滑り止めになるようなものがないため、作業をする際外側ボウルが作業台上に固定されず動きやすいため作業がしづらい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】公開実用昭和52-54952
【特許文献2】実開平5-9429
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明が解決しようとする課題は、家庭にある様々なサイズのボウルを使って使用でき、調理材料を混ぜる際に内側の小さいボウルをしっかりと外側の大きいボウルと固定することができ、内側の小さいボウルの固定位置の高さを調節することも可能であり、作業時に外側ボウルが作業台上で滑らず、力を入れずに簡単に作業することが出来る湯煎ボウル固定具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明者は鋭意検討を重ねた結果、大きい外側ボウルと小さい内側ボウルを一体化させた状態にすることにより、内側ボウルが浮いた状態で安定させることが出来ることを見出した。そこで、大きい外側のボウルを作業台上でしっかり固定できる防滑シートと、小さい内側ボウルを固定させる腕から成る構成とした。また、腕の長さを調節可能とし、様々な大きさのボウルにも対応することが出来、小さい内側ボウルの固定高さも調節できるようにした。さらに、腕の先に小さい内側ボウルをしっかりつかむ把持具を取り付ける構成とした。
【0007】
第一の発明は、湯煎ボウル固定具であって、防滑シートと、該防滑シートに結合した2以上の長さを調節することが出来る腕を有し、該腕は端部に把持具を有することを特徴とするものである。
【0008】
第二の発明は、第一の発明に係る湯煎ボウル固定具であって、前記腕が弾性素材から成ることを特徴とするものである。
【0009】
第三の発明は、第一あるいは第二の発明に係る湯煎ボウル固定具であって、前記腕の略中間部に腕長調節機構を有することを特徴とするものである。
【0010】
第四の発明は、第一ないし第三の発明に係る湯煎ボウル固定具であって、前記の腕が本体マットに結合した部分と把持具を有する部分の2つから成り、該2つの部分のいずれも中央部分に該腕の長手方向に沿って細長い孔を有しており、前記の腕長調節機構が該2つの孔と、2枚のワッシャーとボルトとナットから成ることを特徴とするものである。
【0011】
第五の発明は、第二ないし第四の発明に係る湯煎ボウル固定具であって、前記の腕の素材が天然ゴムあるいは合成ゴムであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本願発明に係る湯煎ボウル固定具は、家庭にあるボウルを使って使用出来るもので、調理材料を混ぜる際に内側の小さいボウルがしっかりと外側の大きいボウルと固定することが出来るので、混ぜている時に大きい外側ボウルのお湯や冷水が小さい内側ボウルに入る可能性をなくすことが出来る。また、腕の長さを長くすることによって、内側の小さいボウルの固定の高さを調節することも出来る。さらに、大きいボウルの下に防滑シートがあるため作業台上でも滑らず、力を入れずに簡単に内側の小さいボウルに入れた調理材料を混ぜる作業をすることが出来る。腕の長さをボウルの大きさに合わせて調節できるので様々な大きさのボウルを使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例1を展開したときの平面図である。
図2】実施例1の防滑シートと本体側腕から成る部分である。
図3】実施例1の把持具側腕と把持具から成る部分である。
図4】実施例1の腕長調節機構の説明図である。
図5】実施例1把持具部分の拡大図である。
図6】実施例1を使用している状態の断面図である。
図7】実施例2を展開した時の平面図である。
図8】実施例2を使用している状態の平面図である。
図9】実施例3の把持具部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
つぎに、本発明の実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において様々な変更や修正が可能であることは言うまでもない。
【実施例0015】
図1は、本発明の実施例1を展開したときの平面図である。本実設例に係る湯煎ボウル固定具(1)は、防滑シート(2)と防滑シート(2)に結合した4本の腕(3)を有し、該腕(3)は端部に把持具(4)を有する。該腕(3)は本体腕側(6)と把持具腕側(7)から成っている。本体側腕(6)と把持具側腕(7)には、中央部に長手方向に沿って腕長調節用孔(9)が開けられている。本体側腕(6)と把持具側腕(7)はそれぞれの腕長調節用孔(9)を重ね、両方の孔に通したボルト(8)によって結合されている。腕長調節用孔(9)とボルト(8)は本実施例における腕長調節機構(5)を構成している。防滑シートの素材としては滑りにくく強度のあるものが望ましく、シリコン樹脂、合成ゴムなどが好適である。本実施例の防滑シートの素材はシリコン樹脂である。
【0016】
図2は、本発明の実施例1の防滑シートと本体側腕から成る部分である。防滑シート(2)は大きい外側のボウルをのせるところとなり、作業台上で作業をしている際、滑り止めの役目をする。また、本体側腕(6)の中央部には長手方向に沿って腕長調節用孔(9)が開けられている。
【0017】
図3は、本発明の実施例1の把持具側腕(7)と把持具(4)から成る部分である。把持具側腕(7)の中央部にも長手方向に沿って腕長調節用孔(9)が開けられている。この腕長調節用孔は図2の本体側腕(6)に空けられた腕長調節用孔と同じ形となっている。
【0018】
図4は、本発明の実施例1の腕長調節機構の説明図である。把持具腕側(7)と本体側腕(6)を双方の腕長調節用孔が重なるように重ね、重ねた両方の腕長調節用孔にボルト(8)を通しナット(82)で締めて把持具腕側(7)と本体側腕(6)を固定する。この時ボルト(8)と本体側腕(6)の間と、ナット(82)と把持具側腕(7)の間にワッシャー(81)を挟んでいる。本体側腕の腕長調節用孔と把持具側腕の腕長調節用孔の重なりの程度を調節することにより腕長を使用するボウルの大きさに合わせて調節することができる。
【0019】
図5は、本発明の実施例1把持具部分の拡大図である。把持具(4)は、板バネ(41)と把持具ツマミ(42)を有しており、板バネのボウルをつかむ側には滑り止めシート(10)が貼り付けられている。把持具ツマミ(42)を腕側に押し付けることにより、把持具先端は開き、ボウルの縁を挟むことが出来る。板バネ(41)の弾性により把持具はボウルを強く挟むことができ、滑り止めシート(10)があるためボウルは把持具から容易に外れることはない。
【0020】
図6Aは、本発明の実施例1を使用している状態の断面図である。腕の部分(6、7)が大きい外側ボウル(12)の外面を沿って外側ボウルの縁に至り、外側ボウルの縁を押さえて内側ボウル(11)に至る。そして先端の把持具(4)で小さい内側ボウル(11)の縁を挟む。4本の腕がこのようにして内側ボウルを四方から引っ張ることで外側ボウルと内側ボウルが安定し、かつしっかりと固定される。外側ボウル(12)と内側ボウル(11)の間にはお湯(13)が入っている。また、内側ボウルには調理材料(14)が入っている。また、図6Bは、腕の長さを長くして内側ボウルが外側ボウルに深く沈むように固定の高さを低くした様子である。
【実施例0021】
図7は、本発明の別の実施例を展開した時の平面図である。本実施例は防滑シート(2)と先端に把持具(4)を有する腕(3)から成る。実施例1と異なり、腕(3)の数が3本であり、また腕長調節機構を有さない。3本の腕(3)は、互いの角度が120°になるように防滑シート(2)に結合されている。本実施例の腕の素材はシリコンゴムであり弾性で伸縮性である。従って腕長調節機構は無くても使用するボウルの大きさに合わせて長さが調節可能である。また、腕の数が3本であっても、小さい内側ボウルを安定させた状態でしっかりと固定させられる。
【0022】
図8は、本発明の実施例2を使用している状態の平面図である。外側ボウル(12)は防滑シート(2)の上に置かれ、腕(3)は外側ボウル(12)の縁を押さえて内側ボウル(12)に至り、先端の把持具(4)が内側ボウル(11)の縁を把持している。内側ボウル(11)は3本の腕(3)によって120°間隔の三方から引っ張られ、安定して、かつしっかりと外側ボウルと固定される。
【実施例0023】
図9は、本発明の別の実施例の把持具部分の拡大図である。本実施例は、把持具(4)以外は実施例1と同じである。本実施例の把持具(4)は、バネのついたクリップになっており、把持具ツマミ(42)の一方と把持具側腕(7)が結合されている構成になっている。クリップ本体には、把持具バネ(41)がついているので、把持具ツマミ(42)の部分を強く押さえることで開くことができる。また、クリップの内側には把持具滑り止めシート(10)が全体に貼り付けられているため、ボウルの縁をしっかり把持できる。実施例2の把持具も本実施例の把持具に置き換えることができる。
【符号の説明】
【0024】
1 湯銭ボウル固定具
2 防滑シート
3 腕
4 把持具
41 把持具バネ
42 把持具ツマミ
5 腕長調節機構
6 本体側腕
7 把持具側腕
8 ボルト
81 ワッシャー
82 ナット
9 腕長調節用孔
10 把持具滑り止めシート
11 内側ボウル
12 外側ボウル
13 お湯
14 調理材料
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2021-09-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大きいボウルに湯や氷水などを入れその中に小さいボウルを入れ該小さいボウル中に食材を入れ湯煎を行う時に該大きいボウルと該小さいボウルを固定するための湯煎ボウル固定具であって、
防滑シートと、
該防滑シートに結合した2以上の長さを調節することができる腕を有し、
該腕は端部に小さいボウルの縁部を把持する把持具を有し、
該防滑シート上に湯を入れた大きいボウルを載せ、該大きいボウルの中に湯煎対象の食材を入れた小さいボウルを入れ、該腕を大きいボウルの外側に沿わせ該腕の該把持具で該小さいボウルの縁部を把持することにより該大きいボウルと該小さいボウルを固定する
ことを特徴とする湯煎ボウル固定具。
【請求項2】
前記の腕が弾性素材から成ることを特徴とする請求項1に記載の湯煎ボウル固定具。
【請求項3】
前記腕の略中間部に腕長調節機構を有することを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の湯煎ボウル固定具。
【請求項4】
前記の腕が本体マットに結合した部分と把持具を有する部分の2つから成り、
該2つの部分のいずれも中央部分に該腕の長手方向に沿って細長い孔を有しており、
前記の腕長調節機構が該2つの孔と、2枚のワッシャーとボルトとナットから成る
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の湯煎ボウル固定具。
【請求項5】
前記の腕の素材が天然ゴムあるいは合成ゴムであることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の湯煎ボウル固定具。
【手続補正書】
【提出日】2021-09-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大きいボウルに湯や氷水などを入れその中に小さいボウルを入れ該小さいボウル中に食材を入れ湯煎を行う時に該大きいボウルと該小さいボウルを固定するための湯煎ボウル固定具であって、
防滑シートと、
該防滑シートに結合した2以上の長さを調節することができる腕を有し、
該腕は端部に小さいボウルの縁部を把持する把持具を有し、
該防滑シート上に湯を入れた大きいボウルを載せ、該大きいボウルの中に湯煎対象の食材を入れた小さいボウルを入れ、該腕を大きいボウルの外側に沿わせ該腕の該把持具で該小さいボウルの縁部を把持することにより該大きいボウルと該小さいボウルを固定する
ことを特徴とする湯煎ボウル固定具。
【請求項2】
前記の腕が弾性素材から成ることを特徴とする請求項1に記載の湯煎ボウル固定具。
【請求項3】
前記腕の略中間部に腕長調節機構を有することを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の湯煎ボウル固定具。
【請求項4】
前記の腕が本体マットに結合した部分と把持具を有する部分の2つから成り、
該2つの部分のいずれも中央部分に該腕の長手方向に沿って細長い孔を有しており、
前記の腕長調節機構が該2つの孔と、2枚のワッシャーとボルトとナットから成る
ことを特徴とする請求項3に記載の湯煎ボウル固定具。
【請求項5】
前記の腕の素材が天然ゴムあるいは合成ゴムであることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の湯煎ボウル固定具。