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特開2022-129356コンベヤベルトおよびコンベヤベルトの延伸方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129356
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】コンベヤベルトおよびコンベヤベルトの延伸方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 15/30 20060101AFI20220829BHJP
   F16G 3/04 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
B65G15/30 Z
F16G3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196909
(22)【出願日】2021-12-03
(31)【優先権主張番号】P 2021027906
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592192907
【氏名又は名称】日建リース工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000228707
【氏名又は名称】日本コンベヤ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】布村 進
(72)【発明者】
【氏名】添田 良介
(72)【発明者】
【氏名】光崎 貴志
(72)【発明者】
【氏名】橋本 裕司
(72)【発明者】
【氏名】亀井 健
【テーマコード(参考)】
3F024
【Fターム(参考)】
3F024AA19
3F024CA04
3F024CB04
3F024CB09
3F024CB14
(57)【要約】
【課題】ベルトを継ぎ足して延伸を行う場合にも、継手部の(引張り)強度を向上させることが可能なコンベヤベルトを提供する。
【解決手段】このコンベヤベルト100は、ベルト本体1および延伸ベルト2を備え、延伸ベルト2をベルト本体1に連結することにより、延伸することが可能なコンベヤベルトであって、ベルト本体1および延伸ベルト2の各々は、ベルト本体1および延伸ベルト2を補強する芯体帆布層10、20と、芯体帆布層10、20を被覆して保護する芯体カバー層11a、11b、21a、22aと、を含み、芯体帆布層10、20には、ベルト本体1および延伸ベルト2の長手方向の端部に配置され、芯体帆布層10、20と同一の材料により構成された面状の継手部12、22が設けられ、ベルト本体1および延伸ベルト2は、互いの継手部12、22に共通芯材3が取り付けられることにより、連結するように構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルト本体および延伸ベルトを備え、前記延伸ベルトを前記ベルト本体に連結することにより、延伸することが可能なコンベヤベルトであって、
前記ベルト本体および前記延伸ベルトの各々は、
前記ベルト本体および前記延伸ベルトを補強する芯体帆布層と、
前記芯体帆布層を被覆して保護する芯体カバー層と、を含み、
前記芯体帆布層には、前記ベルト本体および前記延伸ベルトの長手方向の端部に配置され、前記芯体帆布層と同一の材料または前記芯体帆布層と同質あるいは前記芯体帆布層よりも高強度の材料により構成された面状の継手部が設けられ、
前記ベルト本体および前記延伸ベルトは、互いの前記継手部に連結部材が取り付けられることにより、連結するように構成されている、コンベヤベルト。
【請求項2】
前記ベルト本体および前記延伸ベルトの各々の前記継手部は、前記継手部の端部を折り返して、前記芯体帆布層に接合することにより、前記ベルト本体および前記延伸ベルトの各々の短手方向から見て、環状に形成され、
前記ベルト本体および前記延伸ベルトは、前記ベルト本体の環状の前記継手部、および、前記延伸ベルトの前記継手部に棒状の前記連結部材が通されることにより、連結するように構成されている、請求項1に記載のコンベヤベルト。
【請求項3】
前記ベルト本体および前記延伸ベルトの各々の前記継手部は、前記ベルト本体および前記延伸ベルトの厚み方向から見て、くし歯状に形成されている、請求項1または2に記載のコンベヤベルト。
【請求項4】
前記ベルト本体および前記延伸ベルトの各々の前記継手部は、前記芯体帆布層自体に対する加工により、前記芯体帆布層に直接形成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のコンベヤベルト。
【請求項5】
前記ベルト本体および前記延伸ベルトの各々の前記継手部は、前記芯体帆布層とは別部材により形成され、前記芯体帆布層に直接接合されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のコンベヤベルト。
【請求項6】
前記ベルト本体および前記延伸ベルトの各々の前記芯体帆布層は、多層構造を有しており、
前記ベルト本体および前記延伸ベルトの各々の前記継手部は、前記多層構造の前記芯体帆布層に挟み込まれた状態で、前記芯体帆布層に直接接合されている、請求項5に記載のコンベヤベルト。
【請求項7】
前記芯体帆布層と同質あるいは前記芯体帆布層よりも高強度の材料は、レーヨン、ビニロン、ナイロン、または、ポリエステルを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のコンベヤベルト。
【請求項8】
前記ベルト本体の前記継手部と前記延伸ベルトの前記継手部との各々を、個別に被覆して保護する継手部カバー層をさらに備える、請求項1~7のいずれか1項に記載のコンベヤベルト。
【請求項9】
前記ベルト本体および前記延伸ベルトの各々は、折り返された前記継手部に沿って前記継手部を外周側から覆うように配置された補強材を含む、請求項2に記載のコンベヤベルト。
【請求項10】
前記ベルト本体の前記継手部は、
前記ベルト本体の長手方向の一端に配置された第1継手部と、
前記ベルト本体の長手方向の他端に配置され、前記第1継手部に連結可能な第2継手部と、を含み、
前記延伸ベルトの前記継手部は、
前記延伸ベルトの長手方向の一端に配置され、前記第1継手部に連結可能な第3継手部と、
前記延伸ベルトの長手方向の他端に配置され、前記第2継手部に連結可能な第4継手部と、を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のコンベヤベルト。
【請求項11】
トンネル坑内に設置されて使用されるトンネル用コンベヤベルトである、請求項1~10のいずれか1項に記載のコンベヤベルト。
【請求項12】
前記ベルト本体および前記延伸ベルトは、前記ベルト本体の前記継手部と、前記延伸ベルトの前記継手部とのくし歯同士が交互に噛み合うように係合した状態で前記連結部材により、連結するように構成されている、請求項3に記載のコンベヤベルト。
【請求項13】
前記連結部材は、前記くし歯同士が交互に噛み合うように係合した前記ベルト本体の前記継手部および前記延伸ベルトの前記継手部に通される共通芯材を含む、請求項12に記載のコンベヤベルト。
【請求項14】
前記連結部材は、第1穴部および第2穴部を有する連結金具と、前記第1穴部に通される棒状の第1芯材と、前記第2穴部に通される棒状の第2芯材とを含み、
前記ベルト本体の前記継手部および前記延伸ベルトの前記継手部は、環状に形成され、
前記ベルト本体および前記延伸ベルトは、前記ベルト本体および前記延伸ベルトの長手方向において前記ベルト本体の前記継手部と前記延伸ベルトの前記継手部とを対面させた状態で、前記ベルト本体の前記継手部および前記連結金具の前記第1穴部に前記第1芯材が通されるとともに、前記延伸ベルトの前記継手部および前記連結金具の前記第2穴部に前記第2芯材が通されることにより、連結するように構成されている、請求項1~11のいずれか1項に記載のコンベヤベルト。
【請求項15】
前記連結金具は、少なくとも、前記ベルト本体および前記延伸ベルトの短手方向において、前記ベルト本体の前記継手部および前記延伸ベルトの前記継手部の一方端部に1つ、および、他方端部に1つ配置されている、請求項14に記載のコンベヤベルト。
【請求項16】
前記ベルト本体の前記継手部および前記延伸ベルトの前記継手部は、前記ベルト本体および前記延伸ベルトの厚み方向から見て、くし歯状に形成され、
前記連結金具は、前記ベルト本体の前記継手部および前記延伸ベルトの前記継手部の前記一方端部および前記他方端部に加えて、前記ベルト本体のくし歯状の前記継手部および前記延伸ベルトのくし歯状の前記継手部の隙間部分にも配置されている、請求項15に記載のコンベヤベルト。
【請求項17】
前記第1芯材および前記第2芯材の各々の端部近傍に取り付けられ、前記第1芯材の前記継手部および前記第2芯材が前記継手部から抜けることを防止する抜け止め部材をさらに備える、請求項14~16のいずれか1項に記載のコンベヤベルト。
【請求項18】
延伸ベルトをベルト本体に連結することにより延伸するコンベヤベルトの延伸方法であって、
前記ベルト本体および前記延伸ベルトの各々の長手方向の端部において、前記ベルト本体および前記延伸ベルトの各々を補強する芯体帆布層に、前記芯体帆布層と同一の材料または前記芯体帆布層と同質あるいは前記芯体帆布層よりも高強度の材料により構成された面状の継手部を設ける工程と、
前記ベルト本体および前記延伸ベルトの各々の前記継手部に連結部材を取り付けて、前記延伸ベルトを前記ベルト本体に連結することにより、延伸する工程とを備える、コンベヤベルトの延伸方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤベルトおよびコンベヤベルトの延伸方法に関し、特に、ベルトを継ぎ足して延伸を行うコンベヤベルトおよびコンベヤベルトの延伸方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ベルトを継ぎ足して延伸を行うコンベヤベルトおよびコンベヤベルトの延伸方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、ベルトを継ぎ足して延伸を行うコンベヤベルトが開示されている。コンベヤベルトは、帆布により形成された補強芯体層と、補強芯体層に対して接合により埋め込まれたワイヤーにより形成された線状の継手部とを備えている。また、コンベヤベルトに継ぎ足される延伸ベルトも、補強芯体層と、補強芯体層に対して接合により埋め込まれたワイヤーにより形成された線状の継手部とを備えている。コンベヤベルトと、継ぎ足される延伸ベルトとは、互いの線状の継手部に共通の棒状の連結部材が取り付けられることにより連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3428498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のコンベヤベルトでは、継手部がワイヤーによって線状に形成されていることから、コンベヤベルトに張力が付与された場合に、線状の継手部と補強芯体層との接合箇所に力が集中して大きな力が作用することになる。このためコンベヤベルトの張力に対する継手部の接合強度(引張り強度)を十分に確保することができない場合があるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ベルトを継ぎ足して延伸を行う場合にも、継手部の(引張り)強度を向上させることが可能なコンベヤベルトおよびコンベヤベルトの延伸方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明によるコンベヤベルトは、ベルト本体および延伸ベルトを備え、延伸ベルトをベルト本体に連結することにより、延伸することが可能なコンベヤベルトであって、ベルト本体および延伸ベルトの各々は、ベルト本体および延伸ベルトを補強する芯体帆布層と、芯体帆布層を被覆して保護する芯体カバー層と、を含み、芯体帆布層には、ベルト本体および延伸ベルトの長手方向の端部に配置され、芯体帆布層と同一の材料または芯体帆布層と同質あるいは芯体帆布層よりも高強度の材料により構成された面状の継手部が設けられ、ベルト本体および延伸ベルトは、互いの継手部に連結部材が取り付けられることにより、連結するように構成されている。
【0008】
この発明のコンベヤベルトでは、上記のように、芯体帆布層に、ベルト本体および延伸ベルトの長手方向の端部に配置され、芯体帆布層と同一の材料または芯体帆布層と同質あるいは芯体帆布層よりも高強度の材料により構成された面状の継手部を設け、ベルト本体および延伸ベルトを、互いの継手部に連結部材が取り付けられることにより、連結されるように構成する。これによって、継手部が面状に形成されるので、従来のような継手部が線状に形成される場合と比較して、継手部と芯体帆布層とが繋がる部分(境界)を比較的大きく確保することができる。その結果、継手部と補強材としての芯体帆布層との境界に力が集中して大きな力が作用することを抑制することができる。また、継手部を芯体帆布層と同一の材料または芯体帆布層と同質あるいは芯体帆布層よりも高強度の材料により構成することによって、継手部を芯体帆布層と同等の引張り強度に形成することができる。以上により、ベルトを継ぎ足して延伸を行う場合にも、コンベヤベルトの継手部の(引張り)強度を向上させることができる。
【0009】
上記発明によるコンベヤベルトにおいて、好ましくは、ベルト本体および延伸ベルトの各々の継手部は、継手部の端部を折り返して、芯体帆布層に接合することにより、ベルト本体および延伸ベルトの各々の短手方向から見て、環状に形成され、ベルト本体および延伸ベルトは、ベルト本体の環状の継手部、および、延伸ベルトの継手部に共通の連結部材が通されることにより、連結するように構成されている。このように構成すれば、継手部の端部を折り返して、芯体帆布層に接合するとともに、環状に形成された継手部に共通の連結部材を通すだけで、容易に、ベルト本体と延伸ベルトとを連結することができる。また、継手部が芯体帆布層と同一の材料または芯体帆布層と同質あるいは芯体帆布層よりも高強度の材料により構成されることから、継手部と芯体帆布層とを強固に接合することができる。
【0010】
上記発明によるコンベヤベルトにおいて、好ましくは、ベルト本体および延伸ベルトの各々の継手部は、ベルト本体および延伸ベルトの厚み方向から見て、くし歯状に形成されている。このように構成すれば、くし歯状の継手部により互いの継手部の作用する張力をバランスよく分散させることができるので、コンベヤベルトの継手部の(引張り)強度をより向上させることができる。また、連結箇所の継手部同士のベルト幅方向の相対的な位置ずれを抑制することができる。
【0011】
上記発明によるコンベヤベルトにおいて、好ましくは、ベルト本体および延伸ベルトの各々の継手部は、芯体帆布層自体に対する加工により、芯体帆布層に直接形成されている。このように構成すれば、芯体帆布層と継手部とが別部材である場合と比較して、芯体帆布層と継手部との境界の接合面を削減することができる。
【0012】
上記発明によるコンベヤベルトにおいて、好ましくは、ベルト本体および延伸ベルトの各々の継手部は、芯体帆布層とは別部材により形成され、芯体帆布層に直接接合されている。このように構成すれば、芯体帆布層とは別部材の継手部と、芯体帆布層とを、他の層を介して間接的に接合する場合と比較して、継手部と芯体帆布層との接合強度を高めることができる。
【0013】
この場合、好ましくは、ベルト本体および延伸ベルトの各々の芯体帆布層は、多層構造を有しており、ベルト本体および延伸ベルトの各々の継手部は、多層構造の芯体帆布層に挟み込まれた状態で、芯体帆布層に直接接合されている。このように構成すれば、継手部を芯体帆布層により挟み込むことによって、継手部と芯体帆布層との接合箇所の面積を大きく確保することができるので、継手部と芯体帆布層との接合強度をより高めることができる。
【0014】
上記発明によるコンベヤベルトにおいて、好ましくは、芯体帆布層と同質あるいは芯体帆布層よりも高強度の材料は、レーヨン、ビニロン、ナイロン、または、ポリエステルを含む。このように構成すれば、継手部を芯体帆布層と同質あるいは芯体帆布層よりも高強度の材料であるレーヨン、ビニロン、ナイロン、または、ポリエステルにより構成し編み方や芯線数等を変えることによって、継手部を芯体帆布層と同等あるいは芯体帆布層よりも高強度に形成することが可能となる。その結果、ベルトを継ぎ足して延伸を行う場合にも、コンベヤベルトの継手部の(引張り)強度を向上させることを実現することができる。
【0015】
上記発明によるコンベヤベルトにおいて、好ましくは、ベルト本体の継手部と延伸ベルトの継手部との各々を、個別に被覆して保護する継手部カバー層をさらに備える。このように構成すれば、継手部カバー層により、搬送物による摩耗や異物の付着などによって、芯体カバー層から露出した継手部(連結部分)が、劣化することを抑制することができる。
【0016】
上記継手部の端部を折り返して芯体帆布層に接合することにより、継手部を環状に形成する構成において、好ましくは、ベルト本体および延伸ベルトの各々は、折り返された継手部に沿って継手部を外周側から覆うように配置された補強材を含む。このように構成すれば、継手部に沿って継手部を外周側から覆う補強材により、連結箇所を多層構造にすることができるので、コンベヤベルトの継手部の(引張り)強度をより向上させることができる。
【0017】
上記発明によるコンベヤベルトにおいて、好ましくは、ベルト本体の継手部は、ベルト本体の長手方向の一端に配置された第1継手部と、ベルト本体の長手方向の他端に配置され、第1継手部に連結可能な第2継手部と、を含み、延伸ベルトの継手部は、延伸ベルトの長手方向の一端に配置され、第1継手部に連結可能な第3継手部と、延伸ベルトの長手方向の他端に配置され、第2継手部に連結可能な第4継手部と、を含む。このように構成すれば、ベルト延伸時に、ベルト本体の第1継手部と第2継手部とが連結される状態から、第1継手部と第2継手部との連結を解除して、ベルト本体の第1継手部と延伸ベルトの第3継手部とが連結されるとともに、ベルト本体の第2継手部と延伸ベルトの第4継手部とが連結される状態に、容易に変更することができる。すなわち、ベルト本体が第1継手部と第2継手部とを予め備えていることによって、トンネル坑内などの作業現場でベルト本体に第1継手部および第2継手部を形成する手間を省くことができる。したがって、コンベヤベルトの延伸作業を短時間で容易に行うことができる。
【0018】
上記発明によるコンベヤベルトにおいて、好ましくは、トンネル坑内に設置されて使用されるトンネル用コンベヤベルトである。このように構成すれば、長尺のコンベヤベルトが必要とされるトンネル坑内において、ベルトを継ぎ足して延伸を行う場合にも、コンベヤベルトの継手部の(引張り)強度を向上させることができる。
【0019】
上記ベルト本体および延伸ベルトの各々の継ぎ手部がくし歯状に形成される構成において、好ましくは、ベルト本体および延伸ベルトは、ベルト本体の継手部と、延伸ベルトの継手部とのくし歯同士が交互に噛み合うように係合した状態で連結部材により、連結するように構成されている。このように構成すれば、ベルト本体と延伸ベルトとの間の接合構造において、ベルト本体の継手部と延伸ベルトの継手部とに作用する張力をバランスよく分散させることができるので、コンベヤベルトの引張り強度をより一層向上させることができる。
【0020】
この場合、好ましくは、連結部材は、くし歯同士が交互に噛み合うように係合したベルト本体の継手部および延伸ベルトの継手部に通される共通芯材を含む。このように構成すれば、ベルト本体および延伸ベルトの長手方向において交互に配置されるベルト本体の継手部および延伸ベルトの継手部に、共通芯材を通すだけで、ベルト本体および延伸ベルトを容易に連結することができるとともに、簡易な構成によりベルト本体および延伸ベルトを連結することができる。
【0021】
上記発明によるコンベヤベルトにおいて、好ましくは、連結部材は、第1穴部および第2穴部を有する連結金具と、第1穴部に通される棒状の第1芯材と、第2穴部に通される棒状の第2芯材とを含み、ベルト本体の継手部および延伸ベルトの継手部は、環状に形成され、ベルト本体および延伸ベルトは、ベルト本体および延伸ベルトの長手方向においてベルト本体の継手部と延伸ベルトの継手部とを対面させた状態で、ベルト本体の継手部および連結金具の第1穴部に第1芯材が通されるとともに、延伸ベルトの継手部および連結金具の第2穴部に第2芯材が通されることにより、連結するように構成されている。このように構成すれば、連結金具、第1芯材および第2芯材により、ベルト本体および延伸ベルトの長手方向において、ベルト本体の継手部と延伸ベルトの継手部とを対面させた状態で連結することができる。その結果、ベルト本体および延伸ベルトの短手方向(幅方向)においてベルト本体の継手部と延伸ベルトの継手部とを交互に噛み合わせて配置する場合と比較して、ベルト本体の継手部の幅および延伸ベルトの継手部の幅をより大きくすることが可能となり、ベルト本体の継手部および延伸ベルトの継手部の引張強度をより高めることができる。
【0022】
この場合、好ましくは、連結金具は、少なくとも、ベルト本体および延伸ベルトの短手方向において、ベルト本体の継手部および延伸ベルトの継手部の一方端部に1つ、および、他方端部に1つ配置されている。このように構成すれば、ベルト本体および延伸ベルトの張力を受ける構成である連結金具が、ベルト本体および延伸ベルトの短手方向において、ベルト本体の継手部および延伸ベルトの継手部を挟み込みように配置されるため、ベルト本体および延伸ベルトの連結状態を安定して保持することができる。
【0023】
上記連結金具がベルト本体および延伸ベルトの継手部の一方端部および他方端部に1つずつ設けられる構成において、好ましくは、ベルト本体の継手部および延伸ベルトの継手部は、ベルト本体および延伸ベルトの厚み方向から見て、くし歯状に形成され、連結金具は、ベルト本体の継手部および延伸ベルトの継手部の一方端部および他方端部に加えて、ベルト本体のくし歯状の継手部および延伸ベルトのくし歯状の継手部の隙間部分にも配置されている。このように構成すれば、ベルト本体のくし歯状の継手部および延伸ベルトのくし歯状の継手部の隙間部分にも連結金具が配置されるので、ベルト本体および延伸ベルトの連結状態をより安定して保持することができる。
【0024】
上記連結部材が連結金具と第1芯材と第2芯材とを含む構成において、好ましくは、第1芯材および第2芯材の各々の端部近傍に取り付けられ、第1芯材および第2芯材の各々が継手部から抜けることを防止する抜け止め部材をさらに備える。このように構成すれば、抜け止め部材により、第1芯材および第2芯材の脱落を防止することができるので、第1芯材および第2芯材の取り付け状態を安定して保持することができる。
【0025】
この発明によるコンベヤベルトの延伸方法は、延伸ベルトをベルト本体に連結することにより延伸するコンベヤベルトの延伸方法であって、ベルト本体および延伸ベルトの各々の長手方向の端部において、ベルト本体および延伸ベルトの各々を補強する芯体帆布層に、芯体帆布層と同一の材料または芯体帆布層と同質あるいは芯体帆布層よりも高強度の材料により構成された面状の継手部を設ける工程と、ベルト本体および延伸ベルトの各々の継手部に連結部材を取り付けて、延伸ベルトをベルト本体に連結することにより、延伸する工程とを備える。
【0026】
この発明のコンベヤベルトの延伸方法では、上記のように、ベルト本体および延伸ベルトの各々の長手方向の端部において、ベルト本体および延伸ベルトの各々を補強する芯体帆布層に、芯体帆布層と同一の材料または芯体帆布層と同質あるいは芯体帆布層よりも高強度の材料により構成された面状の継手部を設ける工程と、ベルト本体および延伸ベルトの各々の継手部に連結部材を取り付けて、延伸ベルトをベルト本体に連結することにより、延伸する工程とを設ける。これによって、継手部が面状に形成されるので、従来のような継手部が線状に形成される場合と比較して、継手部と芯体帆布層とが繋がる部分(境界)を比較的大きく確保することができる。その結果、継手部と補強材としての芯体帆布層との境界に力が集中して大きな力が作用することを抑制することができる。また、継手部を芯体帆布層と同一の材料または芯体帆布層と同質あるいは芯体帆布層よりも高強度の材料により構成することによって、継手部を芯体帆布層と同等の引張り強度に形成することができる。以上により、ベルトを継ぎ足して延伸を行う場合にも、コンベヤベルトの継手部の(引張り)強度を向上させることが可能なコンベヤベルトの延伸方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、上記のように、ベルトを継ぎ足して延伸を行う場合にも、継手部の(引張り)強度を向上させることが可能なコンベヤベルトおよびコンベヤベルトの延伸方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】第1(第2~第4)実施形態によるコンベヤベルトを備える延伸コンベヤの概要を示した模式図である。
図2】第1実施形態によるコンベヤベルトのベルト本体に延伸ベルトを継ぎ足して延伸する方法の手順について説明するための模式図である。
図3】第1実施形態によるコンベヤベルトの分解斜視図である。
図4】第1実施形態によるコンベヤベルトの平面図である。
図5】第1実施形態によるコンベヤベルトの継手部の形成方法の手順について説明するための図である。
図6】第2実施形態によるコンベヤベルトの分解斜視図である。
図7】第2実施形態によるコンベヤベルトの継手部の形成方法の手順について説明するための図である。
図8】第3実施形態によるコンベヤベルトの分解斜視図である。
図9】第3実施形態によるコンベヤベルトの継手部の形成方法の手順について説明するための図である。
図10】第4実施形態によるコンベヤベルトの分解斜視図である。
図11】第4実施形態によるコンベヤベルトの継手部の形成方法の手順について説明するための図である。
図12】第5実施形態によるコンベヤベルトの分解斜視図である。
図13】第5実施形態によるコンベヤベルトの平面図である。
図14】第5実施形態によるコンベヤベルトの継手部の形成方法の手順について説明するための図である。
図15】第5実施形態によるコンベヤベルトの第1(2)芯材を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
[第1実施形態]
図1図5を参照して、第1実施形態によるコンベヤベルト100の構成について説明する。コンベヤベルト100は、トンネル坑内で使用されるトンネル用コンベヤベルトである。コンベヤベルト100は、延伸コンベヤCの一構成要素である。
【0031】
図1に示す延伸コンベヤCは、トンネル坑内に設置される長尺の掘削ズリEMの搬送装置であり、トンネル掘削時に生じた掘削ズリEMをコンベヤベルト100に載置してトンネル坑口付近まで搬送するように構成されている。掘削ズリEMとは、トンネル掘削時に地山から掘削された岩塊、土砂などである。
【0032】
(延伸コンベヤの構成)
延伸コンベヤCは、環状のコンベヤベルト100と、坑口側のヘッドプーリ装置101と、切羽(掘削面)側のテールプーリ装置102と、ベルト格納装置103と、ベルト駆動装置104とを備えている。
【0033】
ヘッドプーリ装置101は、坑口側においてコンベヤベルト100が巻回されるヘッドプーリ101aを有している。テールプーリ装置102は、切羽(掘削面)側においてコンベヤベルト100が巻回されるテールプーリ102aを有している。
【0034】
すなわち、延伸コンベヤCは、切羽側のテールプーリ102aと坑口側のヘッドプーリ101aとの間に巻回したコンベヤベルト100により、掘削ズリEMを運搬する運搬システムである。なお、発生した掘削ズリEMは、ホイールローダ等の運搬車両Hによってかき集められて、自走式のクラッシャーCRにより搬送可能なサイズまで細かく破砕された後、テールプーリ装置102に積み込まれる。
【0035】
ここで、ヘッドプーリ装置101(ヘッドプーリ101a)は、坑口付近に固定設置されている。一方、テールプーリ装置102(テールプーリ102a)は、移動可能に構成され、切羽の前進に伴ってトンネルの深部に前進する。テールプーリ装置102(テールプーリ102a)の前進に伴いコンベヤベルト100が延伸される。
【0036】
ベルト格納装置103は、ヘッドプーリ装置101とテールプーリ装置102との間に配置されている。コンベヤベルト100に予め確保された延伸しろ(余剰長さ)の部分を、複数対のプーリ103a、103bに巻回させて保持している。ベルト格納装置103は、複数対のプーリ103a、103bにより、コンベヤベルト100をミアンダ状に巻回して格納している。ベルト格納装置103は、対になるプーリ103a、103b間の距離を縮小すること(103aと103bとを近づけること)により、コンベヤベルト100を延伸させるように構成されている。
【0037】
ベルト駆動装置104は、テールプーリ装置102、ヘッドプーリ装置101およびベルト格納装置103に巻回されたコンベヤベルト100を駆動する駆動装置である。ベルト駆動装置104は、たとえば油圧モータなどにより回転駆動するドライブプーリ104aを有し、コンベヤベルト100が巻回されたドライブプーリ104aを回転駆動することにより、コンベヤベルト100を循環させるように構成されている。
【0038】
(コンベヤベルトの構成)
図1に示すコンベヤベルト100は、ベルト格納装置103によって張力が付与されている。また、コンベヤベルト100は、延伸コンベヤCの各装置の間において、ローラを備えたコンベヤフレームFによって支持されている。
【0039】
コンベヤベルト100(ベルト本体1)は、ベルト格納装置103による延伸に加えて、ベルト格納装置103によるコンベヤベルト100の延伸が限界または略限界に達した場合に、新たなベルト(延伸ベルト2)を継ぎ足して延伸することが可能に構成されている(図2参照)。
【0040】
ここで、以降の説明において参照する図3図5(第2実施形態以降の図6図15)では、コンベヤベルト100の厚み方向をZ方向により示し、コンベヤベルト100の長手方向をX方向により示し、コンベヤベルト100の短手方向(幅方向)をY方向により示す。
【0041】
図3図5に示すコンベヤベルト100は、ベルト本体1と、延伸ベルト2と、棒状の共通芯材3と、ベルト本体1と延伸ベルト2との連結箇所を被覆して保護する継手部カバー層4とを備えている。ベルト本体1と延伸ベルト2とは、同様の連結構造を有している。なお、図3(第2実施形態以降の図6図8および図10)では、理解容易化のために、継手部カバー層4の図示を省略して簡略化した構成を示している。共通芯材3は、特許請求の範囲の「連結部材」の一例である。
【0042】
図2Aに示すようにトンネルの掘削作業の初期においては、延伸コンベヤCには、ベルト本体1のみが設置されている。なお、この状態では、ベルト本体1の第1継手部12aと、ベルト本体1の第2継手部12bとが連結されている(図1および図2A参照)。
【0043】
そして、図2Bに示すように、トンネルの掘削作業が進むにつれて、ベルト格納装置103による延伸が限界(略限界)に達した場合に、すなわち、ベルト本体1の余剰分が少なくなった場合などに、ベルト本体1の第1継手部12aとベルト本体1の第2継手部12bとの結合が解除される。
【0044】
そして、図2Cに示すように、延伸ベルト2がベルト本体1に継ぎ足される(連結される)。この際、ベルト本体1の第1継手部12aと、延伸ベルト2の第3継手部22aとが連結される。また、ベルト本体1の第2継手部12bと、延伸ベルト2の第4継手部22bとが連結される。
【0045】
(ベルト本体の構成)
図3図5に示すベルト本体1は、芯体帆布層10と、芯体カバー層11a、11bと、第1継手部12aおよび第2継手部12bを含む継手部12とを備えている。
【0046】
〈ベルト本体の「芯体帆布層」の構成〉
芯体帆布層10は、帆布により形成されている。芯体帆布層10は、ベルト本体1の引張強度を高めて補強するための層である。芯体帆布層10は、コンベヤベルト100の長手方向および短手方向の略全体に設けられている。芯体帆布層10は、矩形状に形成されている。芯体帆布層10は、単層構造を有している。
【0047】
〈ベルト本体の「芯体カバー層」の構成〉
芯体カバー層11aおよび芯体カバー層11bは、ゴムにより形成されている。芯体カバー層11aは、コンベヤベルト100の厚み方向の一方側(Z1方向)から、芯体帆布層10を被覆して保護している。芯体カバー層11bは、コンベヤベルト100の厚み方向の他方側(Z2方向)から、芯体帆布層10を被覆して保護している。すなわち、芯体カバー層11aおよび芯体カバー層11bは、芯体帆布層10を挟み込んでいる。芯体カバー層11aおよび芯体カバー層11bは、同一の矩形状に形成されている。
【0048】
一例ではあるが、芯体カバー層11aおよび芯体カバー層11bは、芯体カバー層11aに加硫接合されている。また、芯体カバー層11aおよび芯体カバー層11bは、コンベヤベルト100の短手方向(Y方向)の両側において、芯体カバー層11aを介することなく互いに直接加硫接合されている。なお、加硫接合には硫黄が用いられ、加硫接合における加熱および加圧によりゴム分子構造を変化させゴム分子を絡み合わせることで超弾性素材が形成される。
【0049】
〈ベルト本体の「第1継手部」および「第2継手部」の構成〉
第1継手部12aは、ベルト本体1の長手方向の一端に配置されている。第2継手部12bは、ベルト本体1の長手方向の他端に配置されている。第2継手部12bは、第1継手部12aと同様の構成を有しているため、以下では、主に第1継手部12aについて説明する。なお、延伸ベルト2の第3継手部22aおよび第4継手部22bも、第1継手部12aと同様の構成を有している。
【0050】
第1継手部12aは、芯体帆布層10に対する加工により、芯体帆布層10に直接形成されている。したがって、第1継手部12aは、芯体帆布層10と同一の材料により面状に形成されている。なお、一例ではあるが、第1継手部12aの幅方向(Y方向)の大きさは、少なくとも、コンベヤベルト100の厚み(Z方向の大きさ)よりも大きい。
【0051】
ここで、ベルト本体1の第1継手部12aの形成方法について説明する。
【0052】
まず、図5Aに示すように、芯体帆布層10の長手方向の一端を、芯体カバー層11a、11bから露出させる。すなわち、芯体帆布層10の長手方向の一端を、芯体カバー層11a、11bよりも長く確保する。そして、芯体帆布層10の長手方向の一端に、短手方向(Y方向)に等間隔で並ぶ複数の矩形状の切り込みNを形成する。
【0053】
次に、図5Bに示すように、芯体帆布層10の長手方向の一端を折り返して、芯体カバー層11a、11bで挟み込み、芯体帆布層10の長手方向の一端に複数(4つ)の環状部Rを形成する。複数(4つ)の環状部Rは、短手方向(Y方向)に1列で並ぶ。この際、折り返した芯体帆布層10の一方面は芯体帆布層10自体に当接し、折り返した芯体帆布層10の他方面は芯体カバー層11aに当接する。
【0054】
次に、図5Cに示すように、折り返した芯体帆布層10の長手方向の一端と、芯体帆布層10自体および芯体カバー層11a、11bとを接合する。以上で第1継手部12aが形成される。露出した継手部12(12a、12b)を継手部カバー層4により被覆して保護する。その後、図5Dに示すように、形成された第1継手部12aは、共通芯材3により、延伸ベルト2の第3継手部22aと連結される。なお、連結された第1継手部および第3継手部を、継手部カバー層をさらに外周側から覆う最外周カバー層(図示せず)により被覆してもよい。
【0055】
図4に示すように、第1継手部12aは、ベルト本体1の厚み方向(Z方向)から見て、複数の切り込みNおよび複数の環状部Rがベルト本体1の短手方向(Y方向)に交互に並ぶことにより、くし歯状に形成されている。
【0056】
第1継手部12aは、第2継手部12bに連結可能に構成されている。また、第1継手部12aは、第2継手部12bに代えて、延伸ベルト2の第3継手部22aに連結可能に構成されている。
【0057】
詳細には、第1継手部12aおよび第2継手部12bは、くし歯同士が交互に噛み合うように係合した状態(互いの環状部Rが交互に並ぶように配置した状態)で共通芯材3が環状部Rに通されることにより、連結するように構成されている。同様に、第1継手部12aおよび第2継手部12bは、くし歯同士が交互に噛み合うように係合した状態で共通の共通芯材3が環状部Rに通されることにより、連結するように構成されている。なお、連結時において、第1継手部12aの複数の環状部Rと、第2継手部12bの複数の環状部Rとは、短手方向(Y方向)において略隙間なく交互に配置される。
【0058】
第1継手部12aおよび第2継手部12bは、トンネルの掘削作業の開始前に工場などで予めベルト本体1に設けられる構成である。すなわち、第1継手部12aおよび第2継手部12bは、トンネルの掘削作業の途中において、ベルト本体1に設けられる構成ではない。しかしながら、第1継手部12aおよび第2継手部12bを、トンネル坑内で事後的にベルト本体1に設けてもよい。
【0059】
(延伸ベルトの構成)
図3および図4に示す延伸ベルト2は、ベルト本体1への継ぎ足しにより、コンベヤベルト100を延伸するための構成である。なお、上記の通り、延伸ベルト2は、説明済みのベルト本体1と同様の連結構造を有しているため、以下では延伸ベルト2について簡単に述べる。
【0060】
延伸ベルト2は、芯体帆布層20と、芯体カバー層21a、21bと、第3継手部22aおよび第4継手部22bを含む継手部22を備えている。
【0061】
第3継手部22aは、コンベヤベルト100を延伸するために、第2継手部12bとの連結が解除された第1継手部12aに連結可能に構成されている。また、第4継手部22bは、コンベヤベルト100を延伸するために、第1継手部12aとの連結が解除された第2継手部12bに連結可能に構成されている。
【0062】
延伸ベルト2は、トンネルの掘削作業の開始前に工場などで予め製造される構成である。すなわち、延伸ベルト2は、トンネルの掘削作業の途中において、トンネル坑内で製造される構成ではないが、トンネル坑外で事前にまたは坑内で事後的に延伸ベルト2本体に設けてもよい。
【0063】
(共通芯材の構成)
棒状の共通芯材3は、細長い円柱状または楕円(長円)柱状に形成されている。共通芯材3は、コンベヤベルト100の短手方向に延びる状態で、第1継手部12aの環状部Rおよび第2継手部12bの環状部Rに通されて、第1継手部12aおよび第2継手部12bを連結するように構成されている。共通芯材3は、環状部Rから抜けることがないように、両端に抜け止め部材を有している。
【0064】
なお、第1継手部12aおよび第2継手部12bは、帆布により形成されており、コンベヤベルト100に張力が付与された際に、共通芯材3の外形に沿った形状に変形することが可能である。したがって、共通芯材3は、第1継手部12aおよび第2継手部12bに通された状態で、第1継手部12aおよび第2継手部12bに対して面接触により当接する。
【0065】
すなわち、従来のようなワイヤーや金具などの線状の継手部材によりベルトを連結する場合と比較して、コンベヤベルト100は、芯体帆布層10に対して局所的に大きな力が作用することを避けることができる。
【0066】
また、共通芯材3は、第1継手部12aおよび第3継手部22aを連結するように構成されている。また、共通芯材3は、第2継手部12bおよび第4継手部22bを連結するように構成されている。
【0067】
(継手部カバー層の構成)
継手部カバー層4は、ゴムにより形成されている。継手部カバー層4は、ベルト本体1と延伸ベルト2の夫々継手部(12a、22a)を形成した時に櫛状の継手部(12a、22a)を被覆して保護層を形成しておく。この場合トンネル坑内の延伸作業で継手部カバー層4の被覆作業は省略できる。さらに、上記の最外周カバー層により、ベルト本体と延伸ベルトとを連結した状態の継手部および連結部材を被覆して保護するように構成してもよい。この場合、トンネル坑内の延伸作業で最外周カバー層の被覆作業が必要である。この最外周カバー層は、第1継手部と第2継手部との連結を解除する際には、取り除かれる。なお、最外周カバー層は、たとえば、継手部カバー層と同質の材料により形成される。
【0068】
(コンベヤベルトの延伸方法)
次に、コンベヤベルト100(ベルト本体1)の延伸方法について説明する。
【0069】
まず、図5を参照して上記の「第1継手部12aの形成方法」において説明したように、工場において、予めベルト本体1の芯体帆布層10に継手部12を設ける。同様に、延伸ベルト2の芯体帆布層10に継手部22を設ける。そして、第1継手部12aと第2継手部12bとを連結して、ベルト本体1を環状にする(図2A参照)。
【0070】
次に、図2Bに示すようにコンベヤベルト100の継ぎ足しによる延伸が必要になった段階で、ベルト本体1の第1継手部12aと第2継手部12bとの連結を解除する。この際、最外周カバー層が施工されている場合には、第1継手部および第2継手部を被覆する最外周カバー層を取り除く必要がある。その後、第1継手部12aおよび第2継手部12bに通されている共通芯材3を抜き取る。そして、第1継手部12aと第2継手部12bとを離間させる。
【0071】
次に、図2Cに示すようにベルト本体1の第1継手部12aと、延伸ベルト2の第3継手部22aとを、共通芯材3により連結する。また、ベルト本体1の第2継手部12bと、延伸ベルト2の第4継手部22bとを、共通芯材3により連結する。以上でコンベヤベルト100(ベルト本体1)が延伸される。
【0072】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0073】
第1実施形態では、上記のように、芯体帆布層10、20に、ベルト本体1および延伸ベルト2の長手方向の端部に配置され、芯体帆布層10、20と同一の材料または芯体帆布層10、20と同質あるいは芯体帆布層10、20よりも高強度の材料により構成された面状の継手部12、22を設け、ベルト本体1および延伸ベルト2を、互いの継手部12、22に共通の連結部材(共通芯材3)が取り付けられることにより、連結されるように構成する。これによって、継手部12、22が面状に形成されるので、従来のような継手部が線状に形成される場合と比較して、継手部12、22と芯体帆布層10、20とが繋がる部分(境界)を比較的大きく確保することができる。その結果、継手部12、22と補強材としての芯体帆布層10、20との境界に力が集中して大きな力が作用することを抑制することができる。また、継手部12、22を芯体帆布層10、20と同一の材料または芯体帆布層10、20と同質あるいは芯体帆布層10、20よりも高強度の材料により構成することによって、継手部12、22を芯体帆布層10、20と同等の引張り強度に形成することができる。以上により、ベルトを継ぎ足して延伸を行う場合にも、コンベヤベルト100の継手部12、22の(引張り)強度を向上させることができる。
【0074】
第1実施形態では、上記のように、ベルト本体1および延伸ベルト2の各々の継手部12、22は、継手部12、22の端部を折り返して、芯体帆布層10、20に(加硫)接合することにより、ベルト本体1および延伸ベルト2の各々の短手方向から見て、環状に形成され、ベルト本体1および延伸ベルト2は、ベルト本体1の環状の継手部12、および、延伸ベルト2の継手部22に共通の連結部材(共通芯材3)が通されることにより、連結するように構成されている。これによって、継手部12、22の端部を折り返して、芯体帆布層10、20に(加硫)接合するとともに、環状に形成された継手部12、22に共通の連結部材(共通芯材3)を通すだけで、容易に、ベルト本体1と延伸ベルト2とを連結することができる。また、継手部12、22が芯体帆布層10、20と同一の材料または芯体帆布層10、20と同質あるいは芯体帆布層10、20よりも高強度の材料により構成されることから、継手部12、22と芯体帆布層10、20とを(加硫接合により)強固に接合することができる。
【0075】
第1実施形態では、上記のように、ベルト本体1および延伸ベルト2の各々の継手部12、22は、ベルト本体1および延伸ベルト2の厚み方向から見て、くし歯状に形成されている。これによって、くし歯状の継手部12、22により互いの継手部12、22の作用する張力をバランスよく分散させることができるので、コンベヤベルト100の継手部12、22の(引張り)強度をより向上させることができる。また、連結箇所の継手部12、22同士のベルト幅方向の相対的な位置ずれを抑制することができる。
【0076】
第1実施形態では、上記のように、ベルト本体1および延伸ベルト2の各々の継手部12、22は、芯体帆布層10、20自体に対する加工により、芯体帆布層10、20に直接形成されている。これによって、芯体帆布層10、20と継手部12、22とが別部材である場合と比較して、芯体帆布層10、20と継手部12、22との境界の接合面を削減することができる。
【0077】
第1実施形態では、上記のように、ベルト本体1の継手部12と延伸ベルト2の継手部22との各々を、個別に被覆して保護する継手部カバー層4をさらに備える。これによって、継手部カバー層4により、搬送物による摩耗や異物の付着などによって、芯体カバー層11a、11b、21a、21bから露出した継手部12、22(連結部分)が、劣化することを抑制することができる。
【0078】
第1実施形態では、上記のように、ベルト本体1の継手部12は、ベルト本体1の長手方向の一端に配置された第1継手部12aと、ベルト本体1の長手方向の他端に配置され、第1継手部12aに連結可能な第2継手部12bと、を含み、延伸ベルト2の継手部22は、延伸ベルト2の長手方向の一端に配置され、第1継手部12aに連結可能な第3継手部22aと、延伸ベルト2の長手方向の他端に配置され、第2継手部12bに連結可能な第4継手部22bと、を含む。これによって、ベルト延伸時に、ベルト本体1の第1継手部12aと第2継手部12bとが連結される状態から、第1継手部12aと第2継手部12bとの連結を解除して、ベルト本体1の第1継手部12aと延伸ベルト2の第3継手部22aとが連結されるとともに、ベルト本体1の第2継手部12bと延伸ベルト2の第4継手部22bとが連結される状態に、容易に変更することができる。すなわち、ベルト本体1が第1継手部12aと第2継手部12bとを予め備えていることによって、トンネル坑内などの作業現場でベルト本体1に第1継手部12aおよび第2継手部12bを形成する手間を省くことができる。したがって、コンベヤベルト100の延伸作業を短時間で容易に行うことができる。
【0079】
第1実施形態では、上記のように、コンベヤベルト100は、トンネル坑内に設置されて使用されるトンネル用コンベヤベルトである。これによって、長尺のコンベヤベルト100が必要とされるトンネル坑内において、ベルトを継ぎ足して延伸を行う場合にも、コンベヤベルト100の継手部12、22の(引張り)強度を向上させることができる。
【0080】
第1実施形態では、上記のように、ベルト本体1および延伸ベルト2は、ベルト本体1の継手部12と、延伸ベルト2の継手部22とのくし歯同士が交互に噛み合うように係合した状態で連結部材(共通芯材3)により、連結するように構成されている。これによって、ベルト本体1と延伸ベルト2との間の接合構造において、ベルト本体1の継手部12と延伸ベルト2の継手部22とに作用する張力をバランスよく分散させることができるので、コンベヤベルト100の引張り強度をより一層向上させることができる。
【0081】
第1実施形態では、上記のように、連結部材は、くし歯同士が交互に噛み合うように係合したベルト本体1の継手部12および延伸ベルト2の継手部22に通される共通芯材3を含む。これによって、ベルト本体1および延伸ベルト2の長手方向において交互に配置されるベルト本体1の継手部12および延伸ベルト2の継手部22に、共通芯材3を通すだけで、ベルト本体1および延伸ベルト2を容易に連結することができるとともに、簡易な構成によりベルト本体1および延伸ベルト2を連結することができる。
【0082】
[第2実施形態]
次に、図1図6および図7を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、ベルト本体1の継手部12を芯体帆布層10に対する加工により直接形成するとともに、延伸ベルト2の継手部22を芯体帆布層20に対する加工により直接形成した上記第1実施形態とは異なり、ベルト本体201の継手部212を芯体帆布層10とは別部材とするとともに、延伸ベルト202の継手部222を芯体帆布層20とは別部材とする例について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付して図示するとともに説明を省略する。
【0083】
図1図6および図7に示す第2実施形態のコンベヤベルト200は、ベルト本体201と、延伸ベルト202とを備えている。
【0084】
ベルト本体201は、継手部212を有している。継手部212は、芯体帆布層10とは別部材により形成され、芯体帆布層10に直接(加硫)接合されている。継手部212には、展開した状態で、X方向の中央に配置され、Y方向に等間隔で並ぶ複数の矩形状の切り込みNが形成されている。そして、継手部212は、環状部Rが形成されるように折り曲げられた状態で、芯体帆布層10を挟み込むようにして、芯体帆布層10の両面に直接当接した状態で、配置されている。継手部212は、芯体カバー層11aおよび芯体カバー層11bにより被覆されている。
【0085】
継手部212は、芯体帆布層10と同一の材料または芯体帆布層10と同質あるいは芯体帆布層10よりも高強度の材料により形成されている。芯体帆布層10と同質あるいは芯体帆布層10よりも高強度の材料とは、たとえば、レーヨン、ビニロン、ナイロン、または、ポリエステルなどであり、芯体帆布層10と同等の強度あるいは芯体帆布層10よりも高強度の材料である。
【0086】
延伸ベルト202は、継手部222を有している。延伸ベルト202の継手部222は、ベルト本体201の継手部212と同様の構成を有している。
【0087】
ここで、ベルト本体201の継手部212の形成方法について説明する。
【0088】
まず、図7Aに示すように、芯体帆布層10とは別部材の継手部212に切り込みN(図6参照)を形成して、継手部212を折り曲げる。次に、図7Bに示すように、折り曲げた継手部212により、芯体帆布層10の長手方向の端部を直接挟み込む。次に、図7Cに示すように、継手部212および芯体帆布層10を芯体カバー層11a、11bにより挟み込んで(加硫)接合する。最後に、露出した継手部を継手部カバー層4により被覆する。また、ベルト本体201の継手部と延伸ベルト202の継手部を連結した状態で、最外周カバー層により連結箇所を被覆してもよい。
【0089】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0090】
第2実施形態では、上記のように、ベルト本体201および延伸ベルト202の各々の継手部は、芯体帆布層10、20とは別部材により形成され、芯体帆布層10、20に直接接合されている。これによって、芯体帆布層10、20とは別部材の継手部212、222と、芯体帆布層10、20とを、他の層を介して間接的に接合する場合と比較して、継手部212、222と芯体帆布層10、20との接合強度を高めることができる。
【0091】
第2実施形態では、上記のように、芯体帆布層10、20と同質あるいは芯体帆布層10、20よりも高強度の材料は、レーヨン、ビニロン、ナイロン、または、ポリエステルを含む。これによって、継手部212、222を芯体帆布層10、20と同質あるいは芯体帆布層10、20よりも高強度の材料であるレーヨン、ビニロン、ナイロン、または、ポリエステルにより構成し編み方や芯線数等を変えることによって、継手部212、222を芯体帆布層10、20と同等あるいは芯体帆布層10、20よりも高強度に形成することが可能となる。その結果、ベルトを継ぎ足して延伸を行う場合にも、コンベヤベルト200の継手部212、222の(引張り)強度を向上させることを実現することができる。
【0092】
[第3実施形態]
次に、図1図8および図9を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、芯体帆布層10を単層構造とした上記第1(第2)実施形態とは異なり、芯体帆布層310を多層構造にする例について説明する。なお、上記第1(第2)実施形態と同様の構成は、第1(第2)実施形態と同じ符号を付して図示するとともに説明を省略する。
【0093】
図1図8および図9に示す第3実施形態のコンベヤベルト300は、ベルト本体301と、延伸ベルト302とを備えている。
【0094】
ベルト本体301は、芯体帆布層310を備えている。芯体帆布層310は、多層構造を有している。詳細には、芯体帆布層310は、上帆布層310aと、中央帆布層310bと、下帆布層310cとを含む三層構造を有している。
【0095】
なお、ベルト本体301の継手部は、上記第2実施形態の継手部212と同様の構成である。
【0096】
延伸ベルト302は、芯体帆布層320を備えている。延伸ベルト302の芯体帆布層320は、ベルト本体301の芯体帆布層310と同様の3層構造を有している。
【0097】
ここで、ベルト本体301の継手部212の形成方法について説明する。
【0098】
まず、図9Aに示すように、芯体帆布層310とは別部材の継手部212に切り込みN(図8参照)を形成して、継手部212を折り曲げる。次に、図9Bに示すように、折り曲げた継手部212により、中央帆布層310bの長手方向の端部を直接挟み込む。この際、継手部212のX方向の一端が、中央帆布層310bおよび上帆布層310aにより直接挟み込まれる。また、継手部212のX方向の他端が、中央帆布層310bおよび下帆布層310cにより直接挟み込まれる。次に、図9Cに示すように、継手部212および多層構造の芯体帆布層310を芯体カバー層11a、11bにより挟み込んで(加硫)接合する。最後に、露出した継手部212を継手部カバー層4により被覆する。また、ベルト本体の継手部と延伸ベルトの継手部を連結した後に最外周カバー層により連結箇所を被覆してもよい。
【0099】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0100】
第3実施形態では、上記のように、ベルト本体301および延伸ベルト302の各々の芯体帆布層310、320は、多層構造を有しており、ベルト本体301および延伸ベルト302の各々の継手部212、222は、多層構造の芯体帆布層310、320に挟み込まれた状態で、芯体帆布層310、320に直接接合されている。これによって、継手部212、222を芯体帆布層310、320により挟み込むことによって、継手部212、222と芯体帆布層310、320との接合箇所の面積を大きく確保することができるので、継手部212、222と芯体帆布層310、320との接合強度をより高めることができる。
【0101】
[第4実施形態]
次に、図1図10および図11を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、上記第1実施形態の構成に加えて、補強材401a、402aを備える例について説明する。なお、上記第1(第3)実施形態と同様の構成は、第1(第3)実施形態と同じ符号を付して図示するとともに説明を省略する。
【0102】
図1図10および図11に示す第4実施形態のコンベヤベルト400は、ベルト本体401と、延伸ベルト402とを備えている。
【0103】
ベルト本体401は、補強材401aを備えている。
【0104】
継手部412は、芯体帆布層310(310a、310b、310c)の中央帆布層310bに対する加工により、芯体帆布層310に直接形成されている。したがって継手部412は芯体帆布層310と同一の材料によって面状に形成されている。補強材401aは、継手部412を補強するための構成である。補強材401aは、帆布により形成されている。補強材401aは、継手部412に沿って、継手部412に直接当接した状態で、継手部412を外周側から覆うように構成されている。なお、補強材401aは、継手部412と同様の形状に形成されている。
【0105】
延伸ベルト402は、補強材402aを備えている。延伸ベルト402の補強材402aは、ベルト本体401の補強材401aと同様の構成である。
【0106】
ここで、ベルト本体401の継手部412の形成方法について説明する。
【0107】
まず、図11Aに示すように、中央帆布層310bを露出(突出)させて継手部412に切り込みN(図10参照)を形成して、継手部412を折り返す。次に、図11Bに示すように、折り返した継手部412を、中央帆布層310b自身に当接し接合する。この際、中央帆布層310bの端面は、上帆布層310aの端面に当接する。
【0108】
次に、図11Cに示すように、継手部412に沿って継手部412を外周側から覆うように補強材401aを配置する。この際、補強材401aを継手部412に直接当接させる。なお、補強材401aは、継手部412の外周面の略全面に当接する。補強材401aは、接合面を長くしておき、芯体帆布層310の上帆布層310aおよび下帆布層310cに夫々接合する、即ち、補強材401aの引張荷重は中央帆布層310bではなく、上帆布層310aと下帆布層310cとに分散して伝達することで継手強度を向上させる。次に、図11Dに示すように、継手部412および多層構造の芯体帆布層310を芯体カバー層11a、11bにより挟み込んだ状態で(加硫)接合する。最後に、露出した継手部412を継手部カバー層4により被覆する。また、ベルト本体の継手部と延伸ベルトの継手部を連結した後に最外周カバー層により連結箇所を被覆してもよい。
【0109】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0110】
第4実施形態では、上記のように、ベルト本体401および延伸ベルト402の各々は、折り返された継手部412、422に沿って継手部412、422を外周側から覆うように配置された補強材401a、402aを含む。これによって、継手部412、422に沿って継手部412、422を外周側から覆う補強材401a、402aにより、連結箇所を多層構造にすることができるので、コンベヤベルト400の継手部412、422の(引張り)強度をより向上させることができる。
【0111】
[第5実施形態]
次に、図12図15を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。この第5実施形態では、ベルト本体1および延伸ベルト2の短手方向(Y方向)において、ベルト本体1の継手部12と延伸ベルト2の継手部22とを交互に配置した上記第1実施形態の構成とは異なり、ベルト本体501および延伸ベルト502の長手方向(X方向)において、ベルト本体501の継手部512と延伸ベルト502の継手部522とを対面させる例について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付して図示するとともに説明を省略する。
【0112】
図12および図13に示す第5実施形態のコンベヤベルト500は、ベルト本体501と、延伸ベルト502と、複数の連結金具5と、棒状の第1芯材6と、棒状の第2芯材7と、抜け止め部材Pとを備えている。連結金具5、第1芯材6および第2芯材7は、特許請求の範囲の「連結部材」の一例である。
【0113】
(ベルト本体の構成)
ベルト本体501は、芯体帆布層10と、芯体カバー層11a、11bと、継手部512とを備えている。
【0114】
継手部512は、くし歯状に形成されている。くし歯状の継手部512の隙間部分CL(溝部分)には、連結金具5が配置される。連結金具5の厚み(Y方向の大きさ)は、継手部512の幅よりも小さい。ベルト本体501の短手方向(Y方向)において、隙間部分CL(溝部分)は、連結金具5と略同じの大きさを有している。一方、Y方向において、第1実施形態のくし歯状の継手部12の隙間部分(溝部分)は、少なくとも第1実施形態の継手部12よりも大きい(図4参照)。
【0115】
したがって、Y方向において、第5実施形態の隙間部分CL(溝部分)は、第1実施形態のくし歯状の継手部12の隙間部分(溝部分)よりも小さい。すなわち、ベルト本体501の短手方向(Y方向)において、継手部512は、第1実施形態の継手部12よりもより大きな範囲に設けられている。
【0116】
ここで、図14を参照して、ベルト本体501の継手部512の形成方法について説明する。
【0117】
まず、第1実施形態の図5Aのように、ベルト本体501の長手方向(X方向)の一端に、ベルト本体501の短手方向(Y方向)に等間隔で並ぶ複数の矩形状の切り込み(隙間部分CL)を形成する。この状態を図14Aに示す状態とする。
【0118】
そして、図14Aの状態から図14Bの状態となるように、芯体帆布層10の長手方向(X方向)の一端において、芯体カバー層11aを剥離して、芯体帆布層10を芯体カバー層11aから露出させる。この際、芯体カバー層11bについては剥離させない。なお、上記の切り込み(隙間部分CL)を形成する工程と、芯体カバー層11aを剥離する工程とは前後逆であってもよい。
【0119】
次に、図14Cに示すように、芯体帆布層10の長手方向の一端を芯体カバー層11a側に折り返して、露出した芯体帆布層10同士を接触させて接合する。この場合、接合後に、芯体帆布層10が露出したままにならないように、露出した芯体帆布層10の全体を芯体カバー層11bが覆うように、芯体帆布層10の長手方向の一端を芯体カバー層11a側に折り返す。以上の結果、芯体帆布層10の長手方向の一端に環状の継手部512が形成される。
【0120】
ここで、継手部512の芯体帆布層10は、芯体カバー層11bに外周側から覆われるため、第1実施形態の継手部12のような芯体帆布層10を覆う継手部カバー層4(図5参照)を別途設ける必要がない。このため、ベルト本体501は、第1実施形態の継手部12のように継手部カバー層4を設ける工程を削減できる分、作業効率を向上させることができる。
【0121】
(延伸ベルトの構成)
図12に示すように、延伸ベルト502は、芯体帆布層20と、芯体カバー層21a、21bと、継手部522とを備えている。延伸ベルト502は、説明済みのベルト本体501と同様の連結構造を有しているため、説明を省略する。
【0122】
(連結金具の構成)
連結金具5は、ベルト本体501の短手方向(Y方向)を厚み方向とする平板状の楕円(長円)形状に形成されている。連結金具5は、ベルト本体501の長手方向(X方向)に並ぶ第1穴部5aおよび第2穴部5bを有している。第1穴部5aは、厚み方向(Y方向)に貫通する穴であり、第1芯材6が通される穴である。第2穴部5bは、厚み方向(Y方向)に貫通する貫通穴であり、第2芯材7が通される穴である。なお、第1穴部5aおよび第2穴部5bは、連結金具5に設けられた一対の構成である。
【0123】
第1穴部5aは、真円形状ではなく、内側に通される第1芯材6の外形に合わせた楕円状(長円状)に形成されている。第1穴部5aは、僅かな隙間を隔てて第1芯材6と嵌合するように構成されている。このため、第1穴部5aは、内側に通される第1芯材6の連結金具5に対する回動を規制するように構成されている。その結果、第1芯材6は、後述する回動中心軸線αがX方向に延びる状態で保持される。
【0124】
第2穴部5bは、真円形状ではなく、内側に通される第2芯材7の外形に合わせた楕円状(長円状)に形成されている。第2穴部5bは、僅かな隙間を隔てて第2芯材7と嵌合するように構成されている。このため、第2穴部5bは、内側に通される第2芯材7の連結金具5に対する回動を規制するように構成されている。その結果、第2芯材7は、後述する回動中心軸線αがX方向に延びる状態で保持される。
【0125】
連結金具5は、少なくとも、ベルト本体501および延伸ベルト502の短手方向(Y方向)において、ベルト本体501の継手部512および延伸ベルト502の継手部522の一方端部500aに1つ、および、他方端部500bに1つ配置されている。
【0126】
また、連結金具5は、ベルト本体501の継手部512および延伸ベルト502の継手部522の一方端部500aおよび他方端部500bに加えて、ベルト本体501のくし歯状の継手部512および延伸ベルト502のくし歯状の継手部522の隙間部分CL(溝部分)にも配置されている。
【0127】
(第1芯材および第2芯材の構成)
図12および図15に示す第1芯材6および第2芯材7は同様の構成を備えているため、以下では、第1芯材6について詳細に説明し、第2芯材7については簡単に説明する。
【0128】
第1芯材6は、ベルト本体501の短手方向(Y方向)において交互に配置された連結金具5の第1穴部5a、および、ベルト本体501の継手部512に通される部材である。
【0129】
ベルト本体501の短手方向(Y方向)において、第1芯材6は、複数に分割されている。具体的には、ベルト本体501の短手方向(Y方向)において、第1芯材6は、第1部材6aと、第2部材6bと、第3部材6cとの3つの部材に分割されている。
【0130】
第1部材6aと第2部材6bとの接続箇所には、第1部材6aと第2部材6bとを互いに回動可能に接続する回動接続部60が設けられている。この回動接続部60は、ベルト本体501の長手方向(X方向)に延びる回動中心軸線αを有する回動軸60aを含んでいる。すなわち、第1部材6aと第2部材6bとは、回動接続部60において、屈曲可能なように互いに接続されている。なお、第2部材6bと第3部材6cとの接続箇所にも、回動接続部60が設けられている。
【0131】
第1芯材6は、回動接続部60により、第1芯材6が通されたベルト本体501が舟形のコンベヤローラ(図示せず)に載置された際に、回動接続部60で第1芯材6自体を屈曲させてベルト本体501を曲げることにより、舟形のコンベヤローラのトラフ角度に沿ってベルト本体501を配置するように構成されている。なお、回動接続部を設けることなく、第1芯材を細く形成することなどにより、第1芯材を湾曲しやすくして、舟形のコンベヤローラのトラフ角度に沿ってベルト本体を配置してもよい。
【0132】
第2芯材7は、延伸ベルト502の短手方向(Y方向)において交互に配置された連結金具5の第2穴部5b、および、延伸ベルト502の継手部522に通される部材である。
【0133】
第2芯材7は、第1部材7aと、第2部材7bと、第3部材7cとの3つの部材に分割されている。第1部材7aと第2部材7bとの接続箇所、および、第2部材7bと第3部材7cとの接続箇所には、回動軸70aを含む回動接続部70が設けられている。第2芯材7の回動接続部70は、上記の第1芯材6の回動接続部60と同一の構成を有している。
【0134】
第1芯材6および第2芯材7の両端部近傍には、抜け止め部材Pを挿通するための貫通穴Tが設けられている。抜け止め部材Pは、貫通穴Tに挿通された際に弾性変形して、弾性変形によって生じる復元力を利用して貫通穴Tへの係合状態を維持するように構成されている。抜け止め部材Pは、ベルト本体501から第1芯材6が脱落すること、および、延伸ベルト502から第2芯材7が脱落することを防止するための部材である。抜け止め部材Pは、たとえば、スナップピンにより構成される。
【0135】
抜け止め部材Pが貫通穴Tに挿通されることにより、第1芯材6はベルト本体501に対するY方向の移動が規制され、第2芯材7は延伸ベルト502に対するY方向の移動が規制される。その結果、第1穴部5aおよびベルト本体501の継手部512に対する第1芯材6の挿通状態、および、第2穴部5bおよび延伸ベルト502の継手部522に対する第2芯材7の挿通状態が維持される。
【0136】
(ベルト本体および延伸ベルトの連結手順)
図12および図13を参照して、ベルト本体501および延伸ベルト502の連結手順について説明する。
【0137】
まず、ベルト本体501および延伸ベルト502は、ベルト本体501および延伸ベルト502の長手方向(X方向)において、ベルト本体501の継手部512と延伸ベルト502の継手部522とを対面させる。
【0138】
次に、ベルト本体501および延伸ベルト502の短手方向(Y方向)の一方端部500a、他方端部500bおよび隙間部分CL(溝部分)に連結金具5を配置する。
【0139】
次に、ベルト本体501の継手部512および連結金具5の第1穴部5aに第1芯材6を通すとともに、延伸ベルト502の継手部522および連結金具5の第2穴部5bに第2芯材7を通すことにより、ベルト本体501と延伸ベルト502とを連結する。
【0140】
次に、抜け止め部材Pが第1芯材6および第2芯材7に取り付けられ、第1芯材6および第2芯材7の脱落が防止される。なお、連結されたベルト本体501の継手部512および延伸ベルト502の継手部522などを、外周側から覆う最外周カバー層(図示せず)により被覆してもよい。
【0141】
(第5実施形態の効果)
第5実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0142】
第5実施形態では、上記のように、連結部材は、第1穴部5aおよび第2穴部5bを有する連結金具5と、第1穴部5aに通される棒状の第1芯材6と、第2穴部5bに通される棒状の第2芯材7とを含み、ベルト本体501の継手部512および延伸ベルト502の継手部522は、環状に形成され、ベルト本体501および延伸ベルト502は、ベルト本体501および延伸ベルト502の長手方向においてベルト本体501の継手部512と延伸ベルト502の継手部522とを対面させた状態で、ベルト本体501の継手部512および連結金具5の第1穴部5aに第1芯材6が通されるとともに、延伸ベルト502の継手部522および連結金具5の第2穴部5bに第2芯材7が通されることにより、連結するように構成されている。これによって、連結金具5、第1芯材6および第2芯材7により、ベルト本体501および延伸ベルト502の長手方向において、ベルト本体501の継手部512と延伸ベルト502の継手部522とを対面させた状態で連結することができる。その結果、ベルト本体および延伸ベルトの短手方向(幅方向、すなわちY方向)においてベルト本体の継手部と延伸ベルトの継手部とを交互に噛み合わせて配置する場合と比較して、ベルト本体501の継手部512の幅および延伸ベルト502の継手部522の幅をより大きくすることが可能となり、ベルト本体501の継手部512および延伸ベルト502の継手部522の引張強度をより高めることができる。
【0143】
第5実施形態では、上記のように、連結金具5は、少なくとも、ベルト本体501および延伸ベルト502の短手方向において、ベルト本体501の継手部512および延伸ベルト502の継手部522の一方端部500aに1つ、および、他方端部500bに1つ配置されている。これによって、ベルト本体501および延伸ベルト502の張力を受ける構成である連結金具5が、ベルト本体501および延伸ベルト502の短手方向において、ベルト本体501の継手部512および延伸ベルト502の継手部522を挟み込みように配置されるため、ベルト本体501および延伸ベルト502の連結状態を安定して保持することができる。
【0144】
第5実施形態では、上記のように、ベルト本体501の継手部512および延伸ベルト502の継手部522は、ベルト本体501および延伸ベルト502の厚み方向から見て、くし歯状に形成され、連結金具5は、ベルト本体501の継手部512および延伸ベルト502の継手部522の一方端部500aおよび他方端部500bに加えて、ベルト本体501のくし歯状の継手部512および延伸ベルト502のくし歯状の継手部522の隙間部分CLにも配置されている。これによって、ベルト本体501のくし歯状の継手部512および延伸ベルト502のくし歯状の継手部522の隙間部分CLにも連結金具5が配置されるので、ベルト本体501および延伸ベルト502の連結状態をより安定して保持することができる。
【0145】
第5実施形態では、上記のように、第1芯材6および第2芯材7の各々の端部近傍に取り付けられ、第1芯材6および第2芯材7の各々が継手部512、522から抜けることを防止する抜け止め部材Pをさらに備える。これによって、抜け止め部材Pにより、第1芯材6および第2芯材7の脱落を防止することができるので、第1芯材6および第2芯材7の取り付け状態を安定して保持することができる。
【0146】
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0147】
たとえば、上記第1~5実施形態では、継手部に4つの環状部(くし歯)を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、継手部に4つとは異なる数(偶数、奇数のいずれでもよい)の環状部(くし歯)を設けてもよい。
【0148】
また、上記第1~5実施形態では、第1(第3)継手部の環状部(くし歯)の数と、第2(第4)継手部の環状部(くし歯)の数とが同数である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1(第3)継手部の環状部(くし歯)の数と、第2(第4)継手部の環状部(くし歯)の数とが異なっていてもよい。
【0149】
また、上記第1~5実施形態では、第1(第2~第4)継手部の複数の環状部(くし歯)の各形状が同じである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1(第2~第4)継手部の複数の環状部(くし歯)の各形状が互いに異なっていてもよい。
【0150】
また、上記第1、第2および第5実施形態では芯体帆布層を単層構造とし、上記第3および第4実施形態では芯体帆布層を3層構造とした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、芯体帆布層を2層構造または4層構造以上としてもよい。
【0151】
また、上記第1~第5実施形態では、ベルト本体に、第1継手部と第2継手部とのセット(連結箇所)を1組のみ設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ベルト本体に、第1継手部と第2継手部とのセット(連結箇所)を複数組設けてもよい。
【0152】
また、上記第1~5実施形態では、継手部の各環状部(くし歯)を、同一形状にした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、継手部の各環状部(くし歯)を、互いに異なる形状にしてもよい。
【0153】
また、上記第1~5実施形態では、コンベヤベルトがトンネルで使用される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、コンベヤベルトが工場などで使用されてもよい。
【0154】
また、上記第1~5実施形態では、矩形状の切り込みを設けて継手部を形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、楕円形など、矩形状とは異なる形状の切り込みを設けて継手部を形成してもよい。
【符号の説明】
【0155】
1、201、301、401、501 ベルト本体
2、202、302、402、502 延伸ベルト
3 共通芯材(連結部材)
4 継手部カバー層
5 連結金具(連結部材)
5a (連結金具の)第1穴部
5b (連結金具の)第2穴部
6 第1芯材(連結部材)
7 第2芯材(連結部材)
10、20、310、320 芯体帆布層
11a、11b、21a、21b 芯体カバー層
12、22、212、222、412、422、512、522 継手部
12a 第1継手部
12b 第2継手部
22a 第3継手部
22b 第4継手部
100、200、300、400、500 コンベヤベルト
401a、402a 補強材
500a 一方端部
500b 他方端部
CL 隙間部分
P 抜け止め部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15