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特開2022-129387シームを有する可撓性カテーテルシャフトフレーム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129387
(43)【公開日】2022-09-05
(54)【発明の名称】シームを有する可撓性カテーテルシャフトフレーム
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20220829BHJP
【FI】
A61M25/00 502
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022025360
(22)【出願日】2022-02-22
(31)【優先権主張番号】17/183,444
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515248931
【氏名又は名称】ニューラヴィ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】デビッド・ベイル
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA01
4C267BB02
4C267BB07
4C267CC08
4C267HH03
4C267HH04
(57)【要約】
【課題】改良されたカテーテル支持フレーム及び製造方法を提供すること。
【解決手段】本明細書の設計は、アセンブリ中にマンドレル上の内側ライナ上をスライドすることを可能にするために半径方向に拡張され得る支持管を有する可撓性及び耐キンク性カテーテルのためのものであることができる。本設計は、遠隔血管閉塞部にアクセスするのに十分可撓性であるが、良好な圧縮剛性及び引張剛性からも利益を得る。設計は、円周方向に不連続なリブ支柱のインターロック構造を有するレーザ切断フレームを有することができる。不連続部は、製造中に半径方向の拡張を可能にするように分離可能な少なくとも1つの連続軸方向シームを形成するように整列させることができる。一連のポリマー外側ジャケットは、フレームの支柱をコーティング又はカプセル化することができ、可変剛性を与え、カテーテルが曲がりくねった解剖学的構造を通して押される間に、インターロック構造の係合解除を防止することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持管、近位端部、及び遠位端部を備える可撓性カテーテルであって、前記支持管が、
前記支持管の長手方向軸の周りに配置された内側ライナと、
複数の円周方向に不連続なリブを備える、長手方向軸に沿った実質的に管状のプロファイルを形成する、軸方向の一連のインターロックセグメントと、
前記インターロックセグメントの前記円周方向に不連続なリブの整列によって形成された1つ以上の軸方向シームと、を備え、
前記1つ以上の軸方向シームが、前記支持管を前記内側ライナの外径よりも大きな拡張内径に半径方向に拡張させることを可能にする、可撓性カテーテル。
【請求項2】
前記インターロックセグメントが各々、
それぞれのリブ支柱から延びる一対のインセット歯を備える頂部半体と、
それぞれのリブ支柱から延び、受容空間を境界付ける一対のアウトセット歯を備える底部半体と、
を備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記底部半体の前記受容空間が、前記頂部半体の前記インセット歯とインターフェースするように構成され、それにより、前記支持管が組み立てられたときに、前記頂部半体と前記底部半体が互いに並置され、前記1つ以上の軸方向シームによって互いに半径方向に分離可能である、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記1つ以上の軸方向シームが、前記底部半体の前記受容空間と前記頂部半体の前記インセット歯との間の前記インターフェースの周囲によって画定される連続間隙である、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記インセット歯及び前記アウトセット歯が、三角形又は四角形形状を備える、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記インセット歯及び前記アウトセット歯が、L字形突起を備える、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記リブの各々を軸方向に連結するスパインを更に備え、前記スパインが非線形プロファイルに従う、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記遠位端部が、血管内処置を行うために構成されたカテーテル口に接続するように構成された、前記長手方向軸にほぼ垂直な面を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記1つ以上の軸方向シームの輪郭が、非線形プロファイルに従う、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
第1の対の隣接するインターロックセグメントの間で測定された第1のセグメントピッチが、第2の対の隣接するインターロックセグメントの間で測定された第2のセグメントピッチとは異なる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項11】
カテーテルシャフト用の可撓性支持管であって、前記支持管が、
前記支持管の長手方向軸に沿って分布する実質的に円形のリブを備える支柱のレーザ切断フレームワークであって、前記リブが前記支持管の周囲に1つ以上の円周方向の不連続部を備える、支柱のレーザ切断フレームワークと、
前記支持管の半径方向の拡張を可能にするように構成された前記リブの前記円周方向の不連続部の整列から形成された1つ以上の軸方向シームと、を備え、
前記支柱のフレームワークの前記リブが、長手方向軸に沿って実質的に管状のプロファイルを有する軸方向の一連のインターロックセグメントを形成し、
前記インターロックセグメントが各々、
それぞれのリブ支柱から延びる一対のインセット歯を備える頂部半体と、
それぞれのリブ支柱から延び、受容空間を境界付ける一対のアウトセット歯を備える底部半体と、
を備える、可撓性支持管。
【請求項12】
前記インターロックセグメントが整列し、それにより、前記支持管が組み立てられたときに、前記頂部半体のインセット歯の各対及び前記底部半体のアウトセット歯の各対が、互いに並置され、前記1つ以上の軸方向シームによって半径方向に分離可能である、請求項11に記載の支持管。
【請求項13】
前記1つ以上の軸方向シームが、前記底部半体の前記アウトセット歯の前記頂部半体の前記インセット歯との前記インターフェースの周囲によって画定される連続間隙である、請求項12に記載の支持管。
【請求項14】
前記1つ以上の軸方向シームが、非線形プロファイルを有する、請求項12に記載の支持管。
【請求項15】
各頂部半体の前記インセット歯及び各底部半体(104)の前記アウトセット歯が、前記支持管の前記長手方向軸に平行な突起を備える、請求項12に記載の支持管。
【請求項16】
前記インセット歯の前記アウトセット歯との係合が、前記支持管の軸方向の拡張を制限する、請求項12に記載の支持管。
【請求項17】
第1の対の隣接するインターロックセグメントの間で測定された第1のセグメントピッチが、第2の対の隣接するインターロックセグメントの間で測定された第2のセグメントピッチとは異なる、請求項11に記載の支持管。
【請求項18】
リブ支柱の第1のリブ幅が、別のリブ支柱の第2のリブ幅とは異なる、請求項11に記載の支持管。
【請求項19】
カテーテルを製造するための方法であって、前記方法が、
第1の適用マンドレルの周りに内側ライナを配置するステップと、
支持管の半径方向の拡張を可能にする軸方向シームを備える前記支持管を形成するステップと、
実質的に管状の第2の特大マンドレルに前記支持管を配置して前記軸方向シームを伸ばすことによって前記支持管を拡張するステップであって、前記特大マンドレルは前記内側ライナの外径よりもわずかに大きな前記外径を有するサイズとする、ステップと、
前記支持管をオーステナイト仕上げ温度未満の温度に冷却するステップと、
前記支持管から前記第2の特大マンドレルを取り外すステップと、
前記半径方向に拡張された支持管を前記内側ライナと前記第1の適用マンドレルの周りに配置するステップと、
複数の外側ポリマージャケットを前記支持管にリフロー又は積層するステップと、
前記内側ライナと前記支持管が前記外側ポリマー層によって結合されたときに、前記第1の適用マンドレルを取り外すステップと、を含む、方法。
【請求項20】
前記支持管をレーザ切断して、複数の円周方向に不連続なリブを形成し、前記円周方向の不連続部を整列させて前記軸方向シームを形成するステップを更に含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的には血管内医療処置中に血管にアクセスするためのデバイス及び方法に関する。より具体的には、本開示は、カテーテルの製造及び組み立てを容易にするために半径方向に拡張することができるカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、血管内医療処置において広範な機能を果たす。カテーテルは、典型的には、身体に挿入することができ、薬物又は他のデバイスを送達し、外科手術を行い、血管から閉塞物を除去するために使用することができ、また様々な他の目的のために使用することができる、医療グレード材料で製造された細い管である。
【0003】
標的部位へのアクセスを困難にし得る、アクセスに関する多くの課題が存在する。神経血管床などの遠隔エリアは、標的血管の直径が小さく、挿入部位から離れており、非常に曲がりくねっているため、従来の技術では困難である。このような部位の血管閉塞を除去するための吸引及び/又はアクセス用カテーテルには、高い曲げ応力にもキンクせずに耐え、ループ及び次第に細くなる血管サイズにも外傷を与えることなく、目標部位にアクセスできる性能が求められる。カテーテルが複数のループを有する激しい経路を通過しなければならないことは珍しくなく、血管のセグメントはわずか数センチの移動の間に連続していくつもの極端な屈曲部を有することがある。
【0004】
カテーテルは、優れた圧縮剛性(押しやすさ、血栓回収器具を引き込んだときの安定性と完全性のため)及び優れた引張剛性(大きな血栓を保持したまま外側シースに回収されるときなど、緊張状態に置かれたときの伸びや変形を避けるため)も備えていなければならない。近位部分から遠位部分への剛性の移行を管理してキンクを避けることは、これらのデバイスにとって重要である。カテーテルは、内腔を介して他のデバイスを容易に送達できるようにもしなければならない。これらの理由から、追従性、可撓性、キンク耐性、及び内部潤滑性が、これらの手順に使用されるカテーテルに関連する重要な設計パラメータであることが多い。しかし、従来のカテーテルの設計者にとって、大きなトレードオフなしにこれらの特性を効果的に組み合わせるのは難しい場合がある。
【0005】
材料を変更するか、又はカテーテルを製造する方式を調節することによって、カテーテルの異なる部分の剛性を特定の用途に合わせて調整することができる。現在のカテーテルの多くは、編組部材の骨格の構成を変える(編組PICカウント又はコイルピッチを変える)、カスタムメイドの機械加工された金属製支持フレームの骨格を利用する、及び/又は周囲の高分子材料のデュロメータ硬度を変えることにより、より硬い材料からより柔らかい材料への移行を制御している。カテーテルシャフトを補強するために使用される編組線のコイルは、多くの場合、非常に微細なサイズの連続した金属製の超弾性体又はステンレス鋼であり、キンクしやすく、均一な製品に必要な一貫性で製造することが困難であり得る。これらの材料は、多大なコスト及び煩雑性ももたらす。
【0006】
補助デバイス(ガイドワイヤ、マイクロカテーテル、血栓回収/ステントリーバデバイスなど)を、結合による過度の摩擦なしに内腔を介して容易に送達することを考慮しなければならない。最近のデバイスの多くは、内部の低摩擦ライナを利用してカテーテル内腔の潤滑性を大幅に高めようとしている。そのようなデバイスは、編組又は金属製の支持フレームの骨格の内径が、構築中にマンドレル上の内側ライナの外径とほぼ同じか、わずかに小さくなければならないため、製造が複雑になることがある。現在の骨格の設計では、組み立て時に過度の摩擦なしにライナの上をスライドさせるために必要な半径方向の拡張ができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の設計は、上述の欠陥に対処するための改良されたカテーテル支持フレーム及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の技術革新は、カテーテルシャフトの長さに沿って軸方向及び横方向の剛性を制御することと、シャフトの下にある支持管を、製造中にマンドレル上のライナ上に組み立てるために半径方向に拡張可能にすることを含む。カテーテルシャフト管は、例えば、ハイポ管から、軸方向に一連の円周方向に不連続なリブに切断することができる。リブは、優れた横方向の可撓性を維持しつつ、シャフトに引張伸びと圧縮短縮の両方に対する良好な耐性を与えるためのインターロック構造を形成することができる。リブの円周方向の不連続性を整列させることにより、長手方向のシームを形成することができ、これによりシャフトのフレームを拡張して、低摩擦の内側ライナとの組み立てを容易にすることができる。この設計では、シャフトの長さに沿って剛性移行を管理して、シャフトの異なる軸方向セグメントにわたって支持管に切り込まれる機構を変更することによってキンクを回避することができる。
【0009】
カテーテルは、支持管、近位端部、及び遠位端部を備えるシャフトを有することができる。支持管は、長手方向軸の周りに配置された内側ライナを有することができる。支持管は、複数の円周方向に不連続なリブ支柱から形成された軸方向一連のインターロックセグメントを有することができる。この構造は、長手方向軸に沿って実質的に管状のプロファイルを作り、内側ライナを通って内部に延びる内腔を画定することができる。いくつかの例では、スパインは、複数のリブの各々を接続することができ、スパインは、リブの円周方向の不連続部のために、支持管の軸の周り及び軸に沿った非線形プロファイルに従う。
【0010】
支持管の円周方向に不連続なリブは、インターロックセグメントのリブ内の軸方向分割の相対的な長手方向の整列により、支持管に1つ以上の軸方向シームを形成することができる。このようにして、支持管は、クラムシェルと同様のシームに沿って半径方向に開くことができる。支持管は、組み立て前に、内側ライナの外径に等しいか、又はわずかに小さな公称の非拡張内径を有することができる。拡張されると、支持管は、内側ライナの外径よりもわずかに大きな拡張内径を有することができる。
【0011】
隣接するインターロックセグメント間の間隔も変化させて、支持管の異なる軸方向部分におけるカテーテルの剛性を調整することができる。一例では、第1の対の隣接するインターロックセグメントの間で測定された第1のセグメントピッチは、第2の対の隣接するインターロックセグメント間で測定された第2のセグメントピッチと同じであり得る。別の例では、第1の対の隣接するインターロックセグメントの間で測定された第1のセグメントピッチは、第2の対の隣接するインターロックセグメント間で測定された第2のセグメントピッチとは異なり得る。
【0012】
インターロックセグメントが軸方向シーム(複数可)の周りで互いに嵌合する方法は、複数の形態をとることができる。一例では、軸方向一連のインターロックセグメントの各々は、それぞれのリブ支柱から延びる一対のインセット歯を有し得る頂部半体を有することができる。これと反対側に、インターロックセグメントは、それらの間の受容空間を画定して境界付けすることができるそれぞれのリブ支柱から延びる一対のアウトセット歯を有する底部半体を有することができる。場合によっては、インターロックセグメントのインセット歯及びアウトセット歯は、三角形、四辺形、又は他の多角形形状を有することができる。他の例では、歯は、実質的にL字形の突起を形成することができる。
【0013】
底部半体の受容空間と頂部半体のインセット歯との間の並置により、半体を互いに相補的に係合するように構成することができる。支持管が組み立てられると、この係合は、1つ以上の軸方向シームの整列した間隙を作り出す。間隙は、シーム(複数可)が支持管の長軸の下方で連続的になるように、底部半体の受容空間と頂部半体のインセット歯との間のインターフェースの周囲によって画定され得る。シームが軸に沿った歯の突起の周りでこの周囲に追従すると、円周方向及び軸方向に非線形のプロファイルを有することができる。スパインは、リブに沿って頂部半体と底部半体との間で交互になった非線形経路に従うこともできる。
【0014】
支持管の遠位端部は、所与の手順の目的に応じて取り付けられたいくつかの異なる先端部又はマウスのいずれかを有するように構成することができる。一つの場合では、遠位端部は、長手方向軸にほぼ垂直な面を特徴とすることができる。面は、最遠位リブ、又はより具体的なリング付きブラケットであることができる。そのような面は、治療用先端部、拡張可能な口、又は他の同様のデバイスの取り付けを可能にすることができる。
【0015】
他の場合には、カテーテルシャフト本体用の可撓性支持管は、支持管の長手方向軸に沿って分布した実質的に円形のリブを形成する支柱のレーザ切断フレームワークを有することができる。リブは、支持管の周囲に1つ以上の円周方向の不連続部を有することができる。個々のリブを連結するために、スパインは、支持管の長軸の長さを延長し、管の周囲、及びリブの不連続部によって形成された間隙をナビゲートすることができる。支持管の遠位端部は、血管内処置を行うためにカテーテル先端部又は口を接続するように構成された面を有することができる。
【0016】
リブの円周方向の不連続部は、整列され得る間隙を作り出して、1つ以上の軸方向シームを形成することができる。1つ以上のシームの連続部は、支持管にある程度の半径方向の拡張能力を与えることができる。この拡張により、支持管は、内側低摩擦ライナの外径よりも小さな公称内径でサイズ決定されることを可能にすることができる。次いで、カテーテルが製造中に組み立てられるときに、支持管は、マンドレル上のライナ上をスライドするように拡張することができる。
【0017】
支柱のフレームワークのリブは、長手方向軸に沿って実質的に管状のプロファイルを有する軸方向一連のインターロックセグメントを形成するようにグループ化することができる。インターロックセグメントは各々、頂部半体及び底部半体を有することができる。いくつかの例では、半体は、長手方向軸を通過する平面と、軸に平行な1つ以上のシームのうちの1つの少なくとも一部分とによって分割することができる。いくつかの例では、一対のインセット歯は、頂部半体上のインターロックセグメントのそれぞれのリブ支柱から延びることができる。同様に、同じインターロックセグメントの対応する底部半体は、それぞれのリブ支柱から延び、受容空間を境界付ける一対のアウトセット歯を有することができる。
【0018】
インターロックセグメントは、整列することができ、それにより、支持管が組み立てられたときに、頂部半体のインセット歯の各対及び底部半体のアウトセット歯の各対が互いに並置され、1つ以上の軸方向シームによって互いに円周方向に分離される。結果として、歯は、ジッパのように互いに嵌合することができるが、互いに固定的に接続され得ない。頂部半体のインセット歯は、底部半体のアウトセット歯によって作成された受容空間内に存在することができる。このように、アウトセット歯の受容空間にインセット歯が重なり合って係合することで、歯が物理的に拡張を阻止するような形状であれば、支持管の軸方向の拡張を制限することもできる。
【0019】
インターロックセグメントの各頂部半体のインセット歯及び各底部半体のアウトセット歯は、支持管の長手方向軸に対して垂直な突起を有することができる。他の例では、歯は、長手方向軸に平行な突起、又は軸に対して平行かつ垂直の両方の突起を有することができる。これらの形状は、歯が受容空間に重なることと組み合わせて、1つ以上の軸方向のシームが、インターロックセグメントの底部半体のアウトセット歯の頂部半体のインセット歯との界面の外周で画定される連続した間隙であることを意味し得る。この周囲は、円周方向及び軸方向に非線形のプロファイルを1つ以上の軸方向シームに与えることができる。シームは、歯の係合による全拡張を制限すると共に、支持管が半径方向に拡張することを可能にする。歯の係合は、支持管の任意の軸方向の拡張を制限することもできる。
【0020】
支持管構造の寸法は、カテーテルの異なる部分の剛性プロファイルを変化させるように変更することもできる。例えば、リブ支柱の第1のリブ幅は、別のリブ支柱の第2のリブ幅と同じであっても異なっていてもよい。同様に、第1の対の隣接するインターロックセグメントの間で測定された第1のセグメントピッチは、第2の対の隣接するインターロックセグメントの間で測定された第2のセグメントピッチと同じであっても異なっていてもよい。
【0021】
寸法態様を超える他の処理を使用して、カテーテルチューブの剛性及び曲げ可撓性を調整することもできる。例えば、一連のポリマージャケットを支持管上にリフローして、下地構造を接合し、カテーテル本体の外面を作成することができる。これらの外側ジャケットは、デュロメータ硬度を変化させることで、近位部では柱の剛性を高め、遠位部では横方向の可撓性を高めることができる。
【0022】
カテーテルを製造するための方法も含むことができる。この方法は、低摩擦内側ライナを第1の適用マンドレル上に位置付けるステップを含むことができる。ライナは、PTFE又は同様のポリマーであり得る。
【0023】
別のステップは、支持管の半径方向の拡張を可能にする軸方向シームを有する支持管を形成することを含むことができる。いくつかの例では、支持管は、適用マンドレル上の内側ライナの外径に等しいか又はそれよりわずかに小さな非拡張内径を有するように、ニチノール(NiTi)などの形状記憶超弾性合金のハイポ管から機械加工することができる。
【0024】
支持管は、近位端部と遠位端部との間に長手方向軸に沿って配置された複数の円周方向に不連続なリブを有するようにレーザ切断することができる。シームは、軸に沿ったリブの円周方向の不連続部の整列を通して形成することができる。したがって、リブは、頂部半体と底部半体の間で交互に配置され、各リブをつなぐ円周方向及び軸方向の非線形プロファイルに沿ったスパインを形成することもできる。
【0025】
軸方向シームは、実質的に管状の第2の特大マンドレル上で支持管を拡張することによって伸ばすことができる。特大のマンドレルは、適用マンドレルの内側ライナの外径よりもわずかに大きな外径を有することができる。次いで、この方法は、特大マンドレル上でレーザ切断された支持管を、少なくとも合金のオーステナイト仕上げ(A)温度未満、理想的にはマルテンサイト仕上げ(M)温度以下に冷却するステップを有することができる。代替として、特大マンドレル上で拡張する前に、支持管を所望の温度に冷却することもできる。次いで、第2の特大マンドレルを取り外すことができ、半径方向に拡張された支持管は、第1の適用マンドレル上の内側ライナの周りに位置付けられる。
【0026】
複数の外側ポリマージャケットは、支持管にリフロー又は積層することができる。ジャケットは、軸方向に直列に配置することができ、デュロメータ硬度が異なる。代替例では、ジャケットは、半径方向直列で適用するか、又は材料のブレンドであることができる。リフロープロセスは、リブ間の間隙を通して流すことによってライナと支持管を接着することができる。次いで、構造体が結合されたら、第1の適用マンドレルを取り外すことができる。
【0027】
本開示の他の態様及び特徴は、以下の詳細な説明を添付の図と併せて考察することで、当業者には明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の上記及び更なる態様を、以下の説明を添付の図面と併せて参照して更に考察する。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、本発明の原理を例示することに主眼が置かれている。図は、限定としてではなく単なる例示として、本発明のデバイスの1つ以上の実装を描写している。
図1】本発明の態様に係る、マンドレル上の拡張可能なカテーテル支持管の図である。
図2】本発明の態様に係る、インターロックセグメントの頂部半体及び底部半体を示す図1の平坦なパターンの表現である。
図3】本発明の態様に係る、支持管の別の例示的な平坦なパターンを示す。
図4】本発明の態様に係る、代替的な拡張可能なカテーテル支持管の図である。
図5】本発明の態様に従って適用された外側ポリマー層を有する可撓性カテーテル支持管を示す。
図6】本発明の態様に係る、例示的な外側ポリマー層構成を示す図5の断面図を示す。
図7】本発明の態様に係る、代替的な外側ポリマー層構成の図である。
図8】本発明の態様に係る、取り付けられた拡張可能な遠位先端部を有する拡張可能なカテーテル支持管の図である。
図9】本発明の態様に係る、取り付けられた拡張可能な遠位先端部を有する拡張可能なカテーテル支持管の別の例を示す。
図10A】本発明の態様に係る、拡張可能なカテーテル支持管の可能な製造方法の図である。
図10B】本発明の態様に係る、拡張可能なカテーテル支持管の可能な製造方法の図である。
図10C】本発明の態様に係る、拡張可能なカテーテル支持管の可能な製造方法の図である。
図10D】本発明の態様に係る、拡張可能なカテーテル支持管の可能な製造方法の図である。
図10E】本発明の態様に係る、拡張可能なカテーテル支持管の可能な製造方法の図である。
図11】本発明の態様に係る、図10A図10Eに示す製造方法のプロセスフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書で提示される設計の目的は、血管用途のための、可変の可撓性及び耐キンク性を備えた細長いカテーテルであり得る。本設計は、遠隔血管閉塞部にアクセスするのに十分な可撓性であるが、良好な圧縮剛性及び引張剛性からもまた利益を得るものである。設計は、近位端部及び遠位端部、並びにそれらの間に延びるレーザ切断支持管フレームを有することができる。支持管フレームは、長手方向の剛性を維持しつつ、製造プロセス中のある程度の半径方向の拡張を可能にするために、少なくとも1つの連続分割シームを有するリブ支柱のインターロック構造を有することができる。フレーム部の内面には、低摩擦インナーライナを配置することができる。外側ポリマー層又は積層ジャケットは、フレームの支柱をコーティング又はカプセル化し、カテーテルが曲がりくねった解剖学的構造を通して押される間、インターロック構造の係合解除を防止することができる。遠位面は、吸引及び血栓回収のために拡張可能な漏斗口などのいくつかのカテーテル先端部のいずれかを接続することを可能にすることができる。
【0030】
カテーテルはまた、比較的低プロファイルのアクセスシース及び外側カテーテルと適合可能であり得、そのため(大腿部アクセスの場合)患者の鼠径部における穿刺創を容易かつ確実に閉鎖することができる。本説明は、多くの場合、神経血管床における機械的血栓除去又は他の治療の文脈においてなされるが、記載されるデバイス及び方法は、他の処置及び他の身体通路においても容易に適合させることができる。
【0031】
ここで、本発明の具体的な実施例を図面を参照して詳細に説明するが、同一の参照番号は、機能的に類似又は同一の要素を示す。冠状血管であるか、肺血管であるか、脳血管であるかによらず、血管系内の様々な血管にアクセスすることには、周知の手技工程及び多くの従来の市販アクセサリ製品の使用を伴う。これらの製品には、実験室や医療処置で広く使用されている、血管造影材、回転式止血弁、ルアー、ガイドワイヤなどが含まれる。それらは名前で具体的に言及されない場合もあるが、これらの又は同様の製品は、以下の説明文において本発明のデバイス及び方法と共に使用される場合、必ずしもそれらの機能及び正確な構成を詳細に記載することはしない。
【0032】
図に戻ると、図1には、患者の血管内の血管内処置に使用するためのカテーテルシャフト支持管フレーム100の図が示されている。支持管は、マンドレル10上の低摩擦内側ライナ160の周りに位置するように示されている。支持管100は、一般に、近位端部112と遠位端部114との間の支柱の管状フレームワークであることができ、内腔119を有する。複数のリブ支柱118は、長手方向軸111の周りに延びる軸方向シリーズを形成することができる。支柱は、例えば、ハイポ管からレーザ切断することができる。別の実施例では、支持管は、射出成形ポリマー支持構造体であることができる。また、付与される歪みを低減するため、特定の平面を中心とした曲げを付勢するか又は捻れを促す機構も支柱フレームワークに組み込むことができる。これにより、カテーテルは優れた横方向の可撓性を維持することができるが、張力で拡張するか、又は圧縮でキンクする傾向はない。
【0033】
リブ支柱118は、円周方向に不連続であることができ、それにより、長手方向シーム116が支持管100の構造を分割してある程度の半径方向の拡張を可能にする。半径方向の拡張は、例えば、製造時に、レーザ切断された支持管構造を拡張して、本明細書に示すように、支持マンドレル10上の内側ライナ160又は他の層の上に適合させることができる場合に有益である。ライナ上で拡張することができなければ、摩擦が大きすぎて、組み立て中にライナ/マンドレル対の上でフレームを効果的にスライドさせることができない。更に、支持管が外部からのライナの直径よりも大きいサイズであった場合、ライナ上に同心円状に座ることができず、得られるカテーテルの壁厚が大きすぎる。
【0034】
次いで、支持管100は、マンドレル上のライナ160の外径162よりも大きな拡張内径108を有することができる。この拘束されていない状態では、拡張されたID 108は、ライナの場合、ODよりもほんのわずかに大きく(0.001インチ、又は最大0.002~0.003インチ)なり得る。
【0035】
シーム116は、支持管100の全長に沿って連続的であり得るが、スパイン126は、シームの半径方向反対側の側面上で円周方向にリブ支柱118を連続して伸ばすことにより、存在することができる。スパイン126は、構造体を長手方向に連結するが、例えば、長手方向軸111に平行に支持管100の長さにわたる連続した直線状のスパイン部材が存在する場合よりも大きな可撓性を可能にすることができる。
【0036】
いくつかの例では、支持管100は、シース又は外側カテーテルの遠位端部から展開されたときに、より大きな半径方向のサイズに拡張することができる拡張可能な先端部310と一体的に形成することができる。拡大された先端部は、吸引効率の改善を提供することができ、容器から取り外され、取り込まれると、捕捉された血栓を徐々に圧縮することも可能にすることができる。
【0037】
図1の支持管100の平坦な切断パターンの例を図2に示す。リブ支柱118のパターンは、一連のインターロックセグメント120、130、140を形成することができる。インターロックセグメントは、図示のように、互いに軸方向に対称であることができ、又はパターンは、不規則性があり、セグメントが対称でないように切断することができる。長手方向軸111は、インターロックセグメント120、130、140のパターンを頂部半体102と底部半体104に分割することができる。両半体は、管が組み立てられたときに他方の半体とインターロックするように構成される機構を有することができ、軸方向の拡張に抵抗しながらシーム116を形成し、カテーテルのバックアップ支持を改善することができる。軸方向剛性は、リブ118を連結するスパイン126によって支援され、支持管100の頂部半体102と底部半体104との間で交互になった非線形経路に従うことができる。
【0038】
例えば、インターロックセグメントの頂部半体102は、図示のように主に正方形である形状で切断された一対のインセット歯103を有することができる。同様に、セグメントの底部半体104は、一対のアウトセット歯105を有することができる。アウトセット歯は、インセット歯103が係合することができる各インターロックセグメントの受容空間106に境界を付けることができる。他の例では、歯は、三角形、四辺形、又は他の多角形形状を有することができ、これらは、インターロックし、カテーテルのトルク応答も改善することができる。
【0039】
頂部半体102のインセット歯103と底部半体104のアウトセット歯105とを連結するための受容空間106は、インセット歯及び受容空間によって作成された間隙のサイズが支持管100の異なる部分の設計パラメータに応じて変化することができるように、異なるインターロックセグメント120、130、140に対して異なるサイズにすることができることが理解され得る。したがって、互いに固定されると、インターロックセグメントは、特定の平面に沿ったアセンブリの可撓性及び/又は付勢曲げに影響を及ぼし得る。
【0040】
支持管100の曲げ剛性は、切断幅とリブ幅を変化させることの組み合わせのいずれかによっても調整することができる。切断幅が一定に保たれる場合(例えば、レーザビームの幅)、リブ幅を変えて曲げ剛性を調整することができる。切断幅が変化する場合、リブ幅は一定に保つか又は変化させてもよく、レーザを使用して材料を除去することができる。レーザビームの切断幅と等しい切断幅を用いることにより、材料片が除去されず、製造コストが大幅に削減されることが理解される。これに対して、レーザを使用して材料片を除去することにより、シャフト設計のより大きなバリエーションを得ることができる。両方のアプローチを組み合わせることで、シャフトの近位端部ではコスト効率の良い切断/加工を行い、遠位端部では所望の可撓性を実現するためにより複雑な切断が必要となるため、よりコスト効率の良いアプローチを行うことができることも理解されよう。例えば、シャフトの近位部分は、SSから切断され、NiTiなどの超弾性合金から切断された遠位部分に接合することができる。この構造は、デバイスの遠位端部にNiTiの利点をもたらすと共に全体的なコストを低減することができ、それは、狭い曲げ曲線における弾力性の増強に必要であり、ある程度の拡張及び回復特性を提供することも必要である。そのようなデバイスの場合、SS及びNiTiの各部分同士は、直接溶接するか、又は白金のマーカーバンドなどのより溶接に適した中間の金属に溶接することによって接合することができる。代替として、レーザ切断されたインターロック機構によって、切り出された両方の管部を長手方向に一体に保持することもできる。外側膜カバー又はジャケットによって管同士を径方向に一体に保持することができる。
【0041】
いくつかの例では、インターロックセグメントの歯の間の軸方向及び半径方向の間隙のサイズが小さいため、血管系を通してナビゲートするのに必要な横方向の可撓性を維持しながら、支持管の伸長及び/又は圧縮に対する抵抗を提供することができる。支持管を外側カテーテルに引き戻す際に、支持管が伸長するのを防止することができ、また、ステントリバー又は別のデバイスを内腔から引き出す際に、束にならないように安定性を保つことができる。
【0042】
図3は、代替の平坦パターンの例を示す。図示のパターンは、実質的にL字型の突起121又はその変形であるインセット歯103及びアウトセット歯105を有しており、周方向及び長手方向の両方でインターロック歯を方向付けることができる。シームの不連続性により、連続した剛性の高いスパイン部材を用いてリブを接続した場合に比べて、カテーテルの屈曲の自由度が格段に向上する。図2に示すパターンと比較して、この歯の向きは、支持管100の半径方向拡張能力のいくつかを制限するコストで、カテーテルが身体通路の狭い屈曲を通してナビゲートされるときに、歯103、105のヒンジを防止するのに役立ち得る。外側ジャケット(図示せず)の積層後、この構造は、抵抗に対して回収されたときに、張力と圧縮の両方で高い有効弾性率及び良好な完全性を提供することができる。
【0043】
支持管100のレーザ切断フレームの様々な寸法パラメータを調整して、図4に見られるように、所望の可撓性性能のためにカテーテルシャフトを調整することもできる。インターロックセグメント間のピッチは、支持管100の構造が、より近位のエリアではより剛性で、より高密度であり、遠位の領域ではより可撓性であるように設計することができる。インターロックセグメントのピッチを測定する1つの方法は、1つのインターロックセグメント130の最遠位リブ124と、隣接するインターロックセグメント140の最遠位リブ134との間で測定された長手方向の距離であり得る。したがって、ピッチは、インターロック能力に影響を与えることなく、所定のインターロックセグメントの分割シーム116の中間長さを変更することができる。
【0044】
例えば、インターロックセグメント130の第1のセグメントピッチ122は、支持管の近位端部112付近で狭く又は短くして、より良好な追従性及びトルク応答を提供することができる。同様に、横方向の可撓性がより懸念される遠位端部114付近では、支持管100は、それらの物理的能力をより最適化するために、第1のセグメントピッチ122よりも大きなインターロックセグメント140の第2のセグメントピッチ132に移行することができる。ピッチの変化は、隣接する受容空間106内でインターロックする歯延長部117間の間隔も変化させる。
【0045】
セグメントピッチ122、132は、代替的に、支持管100の長手方向の長さに沿って連続的に変化することができる。その結果、管の隣接するインターロックセグメント120、130、140は、各連続するセグメントと共に、小さいが漸進的に一定の割合で、徐々に互いに近づくか、又は更に離れることができる。連続的に変化するピッチは、支持管100の長さに沿ってより緩やかな剛性の移行をもたらし、剛性を提供することができる一方で、より高い剛性勾配を有する移行部で別の方法で形成される可能性のあるキンクポイントの形成を防止することができる。この構成は、支持管100の長さ方向にバランスの取れた一貫した押しつけ力又は推力を提供するのにも役立ち、処置中にカテーテルを操作することでオペレータが適切な触覚フィードバックを受けることを確実にすることができる。
【0046】
支持管100の剛性及び可撓性を最適化するために変更することができる別の設計変数は、リブ118を形成する支柱の幅又は断面形状である。例えば、リブの断面を小さくすると、リブ間の空間が大きくなるため、支持管をより容易に屈曲させることができる。図4に示すように、より近位のインターロックセグメント120の支柱のリブ幅141は、別のインターロックセグメント140の第2の、より遠位のリブ幅142よりも大きくすることができる。
【0047】
切断支持管100は、図5に示すように、インターロックセグメントのリブ118の周りに外側ポリマー層180又はジャケットを有することができる。外側ポリマー層180又はジャケットは、PTFE、ポリエーテルブロックアミド(Pebax(登録商標))、又はナイロンなどの様々な医療グレードのポリマーで作ることができる。例えば、カテーテルにカラム強度及び押し込み性を追加するために、近位端112に接近するにつれて、より近位のセグメントが一般により硬くかつ可撓性が低くなるように(デュロメータ硬度、曲げ弾性率などによって)材料を選択できる。同様に、より可撓性の材料のセグメントを遠位に使用することができる。
【0048】
一例では、外側ジャケット180は、レーザ切断されたハイポ管上で、リブ118の間の空間にリフローさせることができる。そのようなプロセスの後、時には、レーザ切断されたリブ支柱118の位置に半径方向に突出した材料が存在することがある。この状況で、シャフトをサイジングダイを通じて引っ張ることにより、支柱よりも上の過剰な材料を全て除去することができ、それにより支持管100シャフトの全体的な外径が所望の送達プロファイルに対して一貫したものになる。代替的には、カテーテルの外面と外側シース又は血管との間の摩擦を低減するために、不均一な又はリブのあるプロファイルが望まれる場合がある。
【0049】
別の例では、外側ポリマー層180は、製造中に支持管100の空間に射出成形することができる。更なる例では、層又はジャケット180は、接着用のプライマ成分を有する接着剤を使用して、支持管100の支柱118に接着することができる。
【0050】
図5のカテーテル本体の壁を通る断面図を図6に示す。PTFEなどの内側ライナ160は、カテーテルの内腔119を通って前進する補助デバイスとの摩擦を低減する利点を提供することができる。上述のように、外側ポリマー層又はジャケット180は、レーザ切断支持管構造にリフロー、射出成形、又は他の方法で接着することができる。
【0051】
レーザ切断支持管100内の空間を介して互いに延びるか、インターフェースするか、又はブレンドすることができる内部及び外部のポリマーコーティングの使用は、インターロックセグメントの歯が塑性変形なしに屈曲しインターロックすることを可能にする助けとなる。したがって、リブ118は、外側ジャケット(複数可)によって課される限定的な制約を有する一方で、ある程度の独立した屈曲能力を有することができる。
【0052】
内側ライナ160及び外側ジャケット180のレイアウト及び構造を変えることができる。例えば、外側ジャケット180の材料は、支持管100の内面まで又はそれを超えて半径方向内側に延びるか、又はリブ支柱118の間にある支持管の内径と外径内の中間位置まで延びることができる。代替的には、外側ジャケット180は、支持管の外径の表面にのみ結合することができる。外径にのみ接合されているジャケット180を有することで、支持管の壁の厚さに対してより半径方向内側に延びるジャケットがカテーテルを剛くすることができるので、支持管のリブ支柱118をより自由に屈曲させることができる。支持管のリブ118の間の充填されていない間隙により、リブは軸方向に自由に動くことができる。剛性の他の変化は、各々が異なる厚さを有する及び/又は異なる材料からできている一連の半径方向ジャケット182の複合体で構成された外側ジャケット180を有することによって達成することができる。半径方向の一連のジャケット182は、カテーテルの様々な軸方向セグメントに対して異なる方法で配置され得ることも理解され得る。
【0053】
前述のように、外側ポリマー層は、軸方向に一連のポリマージャケットから形成することもできる。異なるジャケット又はジャケット183、184、185のセットは、図7に示すように、カテーテルの管状部分の異なる部分に別個の押し込み性及び可撓性の特性を与えるために、支持管100の軸に沿って別個の長さにおいてリブ118の周りに配置され得る。図示の向きは、例証のみによるものであり、限定するものではない。図7は、3つのポリマー外側ジャケット層183、184、185をそれぞれ有する支持管100の一部分を示す。壁厚及び個々の層の長さなどの要因は、支持管100の部分に対する剛性又は可撓性を満たすように変化させることができる。カテーテルが用途に応じて決められた臨界曲げ基準を満たすように、寸法も選択しなければならない。
【0054】
多くの例では、材料は、ジャケット層183、184、185がデュロメータで遠位に減少するように選択することができる。ジャケットを軸方向に連続して構成し、デュロメータ硬度の異なるポリマーを使用することで、カテーテルの全体的な剛性を、近位端部での剛性で押しやすい状態から遠位端での極めて可撓性の状態に移行させることができる。外側ジャケット層の一般的な選択は、PTFE及びPebax(登録商標)であり得るが、はるかに特殊な材料又はブレンドを支持管100の特定の軸方向部分に組み込むことができる。軸方向の剛性及び崩壊に対する抵抗が重要であるカテーテルのより近位部分では、ジャケットセグメントは、ポリイミド、ナイロン、ポリプロピレンなどの好適で堅牢なポリマー、又はより高い密度を有する他の材料から作製することができる。可撓性が必要とされるより遠位の部位の場合、ジャケットセグメントは、例えばポリウレタン、PVC、低密度ポリエチレン(LDPE)、又は好適な弾性率及び柔軟性を有する他のポリマーであってもよい。特定のセグメントのための正しい材料特性を得るため、これらの材料及び他の材料のブレンド、共押出、及び/又は混合物を使用することもできる。
【0055】
ジャケット間の移行部をテーパ状にするか、又はスロット状にして、長手方向に連続して隣接するジャケット間でより緩やかな剛性移行を行うこともできる。ジャケットは、リフロー又は積層のプロセスで適用されると、下地の構造を互いに結合し、滑らかな外観の仕上げを提供することができる。次いで、スロット又は他の機構を、機械加工又は形成ダイを用いて追加することができる。
【0056】
支持管100の遠位端部114において、最遠位のインターロックセグメントに続いて、レーザ切断構造は、長手方向軸111にほぼ垂直な面115を有することができる。面は、別の円形リブ、カラー、又は他の適切なアンカ構造であり得る。そのような面は、治療用先端部、拡張可能な口、又は他の同様のデバイスの取り付けを可能にすることができる。
【0057】
図8は、平坦面115が最終的に独立した円形のリブとして現れる例を示す。平坦面のリブは、最遠位インターロックセグメントへの単一の接続部を有することができる。別の変形例では、複数の接続点を、軸の周りの様々なクロック位置に配置することができる。
【0058】
図8に示される例示的な拡張可能な先端部310は、4つの支持アーム316に接続された4つの遠位フープ315を有することができる支柱のフレームワークである。支持アームは各々、支持管100の遠位端部114に遠位面115への単一の取り付け点を有することができるか、又は接続部を共有することができる。一例では、一対のフープ315は、180度離れた2つの接続部が存在するように、単一の支持アーム316にテーパ状になり得る。次いで、先端部310は、これらの接続部によって作成された平面に沿ってヒンジで動き、屈曲することができる。
【0059】
先端部310は、形状記憶可能物から構成され、外側シース又はカテーテルの遠位端部から展開されたときに自己拡張できるように熱硬化することができる。支持アーム316は、拡大されたセル開口部317を有することができ、これにより、先端フレームの長手方向軸111を中心にしてアームが反対側で短くなったり長くなったりすることができ、デバイスが曲がりくねった血管経路において外側シース又はカテーテルを介して容易に追従することができる。支持アーム316の支柱の分岐は、セル317のない単一の支柱が遠位フープ315と遠位面115とを直接連結する場合よりも、アームがより自由にトルクをかけ屈曲させることも可能にすることができる。
【0060】
多くの例では、先端310によって形成された漏斗形状は、別の非外傷性ポリマージャケット又は膜(図示せず)で覆うことができる。先端部の拡大口により、吸引効率を改善し、不必要な流れを停止させ、血管開口部での引っ掛かりによる血管外傷のリスクを低下させることができる。展開したとき、先端部310は、血管の直径と一致し、血管と密封するのに十分な半径方向の力を有するか、又は十分な流れの制限を作り出すことができ、それにより、吸引の大部分が先端部の近位にある流体ではなく口の遠位にある血液及び血栓に適用される。
【0061】
別の例では、支持管100は、図9に示されるように、閉鎖セル編組に組織化された支柱又はストランドの半径方向アレイを有することができる拡張可能な口先端部410に接続された遠位面115を有することができる。編組は、支持管100の平坦面115に接続され、遠位端部414にフレアし、拘束されていないときに示されるように、長手方向軸111の周りに実質的に円錐形又は漏斗状の形状を形成し、外側シース又はカテーテルを出る際に拡張することができる。
【0062】
編組アレイは、ワイヤから作製されるか又は形状記憶合金から切断されてもよく、それにより、口は、折り畳まれた送達形態から拡張された展開形態へと自己拡張するように熱硬化され得る。口先端部410は、支持管100の遠位端部114に接着又は他の方法で接合することができる。一例では、編組先端部410は、支持管100を取り付けるための単一の円周ジョイント又はリングカラーを有するように製造することができる。代替的には、編組の個々のストランドは、管の遠位面115に直接接合するか、又はポリマージャケット内に埋め込むことができる。
【0063】
別の例では、拡張可能な先端部410は、メッシュの隣接するセルの頂点を介してインターロックされた三角形又は四角形のセル孔415で作られた連続的な多角形パターンを有する閉鎖セルメッシュアレイであることができる。パターンは、ステント用途において一般的に見られるもののうちの1つであってもよく、ここでは、開放血管通路を支持及び保持するために低侵襲性メッシュが使用される。ある場合には、細長い四角形パターンがセル孔415を形成し、局所アレイピークが共有頂点をマークする。パターンは、軸方向及び径方向に繰り返すことができ、隣接する孔415の最遠位のアレイピークは、非外傷性の湾曲した遠位フープ又はクラウン412によって結合されて、拡張可能な先端部410の遠位端部414をマークすることができる。
【0064】
開示された拡張可能なレーザ切断支持管100を利用してカテーテルを製造する方法は、図10A図10Eにグラフで示され、図11のフロー図に更に示されている。図10Aは、支持マンドレル10上に配置された低摩擦ライナ160を示す。マンドレルは、多くは、これらの用途に一般的に使用される銀メッキ銅(SPC)であり得る。代替的には、カテーテルアセンブリの完了後にマンドレルを取り外すことができるように、直径が狭くなるまで延伸する、具体的には延性材料(PEEKなど)を使用することができる。更なるマンドレル材料は、ナイロンコーティングされた銅又はナイロンコーティングされた鋼であり得る。
【0065】
レーザ切断された支持管フレーム100が、図10bに形成されており、このフレームは、連続した長手方向の分割シーム116を有し、支持管のフレームが弾性的に半径方向に拡張することを可能にする。いくつかの例では、支持管フレーム100は、NiTi又は他の形状記憶超弾性合金から切断することができるので、固相変態を、フレームの拘束された直径及び拘束されていない直径を指定するように設計することができる。この拡張により、支持管100は、ライナ160の外径162とほぼ同じサイズの内径を有することができる。リブ118は、長手方向軸111に沿って配置し、変化させることができ、それにより、支持管100は近位端部112の近くで良好な押しやすさと柱の強度を有し、遠位端部114の近くで優れた横方向の可撓性を有する。いくつかの例では、支持管100の遠位端部114に、拡張可能な先端部310を形成又は取り付けることができる。
【0066】
図10cでは、支持管フレーム100は、シームで半径方向に拡張され、特大のマンドレル20の上をスライドする。特大マンドレル20は、例えば、適用マンドレル10上のインナーライナ160の外径162よりも少なくとも0.005インチ大きくすることができる。次いで、支持管100を低温(理想的にはマルテンサイト仕上げ(M)温度に近いかそれ未満)に冷却して、支持管材料をマルテンサイト相に変態させることができる。別の例では、支持管100を最初に冷やしてから、特大のマンドレル20の上に展開することができる。冷やしたままにすると、マルテンサイトへの可逆的な固相変態により、特大のマンドレル20から取り外したときに、支持管100がその拡張した形状を維持することができる。
【0067】
代替的には、特大マンドレル20の周りに薄い外側金属スリーブ(図示せず)を配置することで、冷やすステップを排除することができる。支持管100は、スリーブ/特大マンドレルアセンブリ上で弾性的に拡張され、特大マンドレルを取り外すことができる。スリーブは、支持管を半径方向に拘束し、適用マンドレル10上のインナーライナ160上をスライドさせることができる。スリーブ支持体が取り外されると、支持フレーム100は内側ライナ160上で収縮することができる。
【0068】
拡張した支持管100は、図10dに示すように、SPC適用マンドレル10上の内側ライナ160の上をスライドさせることができる。支持管を拡張させないと、このステップは、多くの摩擦を発生させすぎて、支持管とライナとの間に信頼性と再現性のあるインターフェースを形成することができない。所定の位置にあり、ライナ160と同心であると、外側ポリマー層180を支持管100の上に適用することができる(図10e)。層180は、外側ジャケット183、184、185として所定の位置にリフロー又は積層することができる、軸方向の一連の別個のポリマー押出材であることができる。加えられた熱は、外側ポリマーが支持管の肋骨支柱間の間質部位を充填することを可能にすることができる。
【0069】
同様のプロセスが、図11の方法フロー図で概説されている。この方法の工程は、本明細書に記載され、当業者に既知である例示的なデバイス又は好適な代替物のいずれかによって実装され得る。本方法は、記載されたステップの一部又は全てを有し得るが、多くの場合、ステップは、以下に開示されるものとは異なる順序で実施することができる。
【0070】
図11を参照すると、方法11000は、第1の適用マンドレルの周りに内側ライナを配置するステップ11010を有することができる。ライナは、PTFE又は同様の低摩擦材料であり得る。マンドレルは、完成したカテーテルの所望の内径にほぼ等しいサイズであることができる。次いで、ステップ11020は、本明細書で前述したようにレーザ切断支持管構造を形成することを含むことができる。支持管は、ニチノール又は別の形状記憶超弾性合金であり得るが、これらに限定されない、単一の連続ハイポ管から切断することができる。切断部は、円周方向に不連続な一連のリブを形成することができ、その不連続部は整列して、図10A及びステップ11030に見られるように、支持管の長さにわたる1つ以上の長手方向に連続したシームを形成する。リブは、軸方向に延び、シームの交互の側面上に非線形様式で、支持管のリブの周りの回路経路に従う、スパインによって連結され得る。この構造は、引張荷重及び圧縮荷重の両方に対して良好な軸方向抵抗を提供しながら、支持管のいくつかの半径方向の拡張を可能にすることができる。支持管の内径は、低摩擦インナーライナの外径と同じかそれよりわずかに小さくすることができ、したがって、カテーテルを組み立てたときに構成要素が同心円状に配置される。
【0071】
ステップ11040では、軸方向のシームを伸ばして支持管を弾性的に拡張し、支持管を第2の特大マンドレル上に配置することができる。いくつかの例では、特大マンドレルは、支持管フレームの拡張された内径が、適用マンドレル上の内側ライナの外径よりもわずかに大きくなるようなサイズにすることができる。いくつかの例では、IDはライナのODよりも約0.003~0.005インチ大きくすることができる。特大のマンドレル上で支持管を拡張したら、少なくともA温度未満、理想的には材料のM温度に近いかそれ未満の温度に冷却して、マルテンサイトへの相変化を誘発することができる。マルテンサイト相は熱力学的に安定しているため、ステップ11060で第2の特大マンドレルを取り外す際に支持管を冷やし続け、その拡張状態を維持することができる。
【0072】
次いで、拡張された支持管は、ステップ11070において、第1の適用マンドレル上の内側ライナの周りにスライドされ、その周囲に位置付けられることができる。次いで、様々なデュロメータ硬度の一連の外側ポリマージャケットを支持管にリフローすることができる(ステップ11080)。ジャケットは、軸方向に連続するもの、半径方向に連続するもの、又は何らかの組み合わせであり得る。ジャケット材料の流れは、それらが支持管のリブ支柱をカプセル化し、内側ライナと結合することを可能にすることができる。アセンブリが完了すると、第1の適用マンドレルをステップ11090で取り外すことができる。
【0073】
本発明は、記載された例に必ずしも限定されず、構成及び詳細において変化し得る。「遠位」及び「近位」という用語は、前述の説明を通して使用され、処置している医師に対する位置及び方向を指すことを意味する。したがって、「遠位」又は「遠位に」は、医師に対して離れた位置又は医師から離れる方向を指す。同様に、「近位」又は「近位に」は、医師に対して近い位置又は医師に向かう方向を指す。更に、文脈が明らかに既定しない限り、「a」、「an」、及び「the」という単数形は、複数の指示対象を含む。
【0074】
本明細書で任意の数値や数値の範囲について用いる「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書で述べるその意図された目的に沿って機能することを可能とする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば「約90%」は、71%~99%の値の範囲を指し得る。
【0075】
例示的な実施形態について説明する際、明確にするために、専門用語が利用されている。その結果、全ての可能な組み合わせが列挙されているわけではなく、かかる変更例は、多くの場合、当業者には明らかであり、以下の特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。各用語は、当業者によって理解されるその最も広い意味を有することが企図されており、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく、同様の目的を実現するために同様の様式で作用する全ての技術的な均等物を含むことが意図される。方法の1つ以上の工程への言及は、追加の方法工程又は明示的に識別されたそれらの工程間に介在する方法工程の存在を排除しないことも理解されたい。同様に、方法のいくつかの工程は、開示される技術の範囲から逸脱することなく、本明細書に述べられる順序とは異なる順序で実施することができる。
【0076】
〔実施の態様〕
(1) 支持管、近位端部、及び遠位端部を備える可撓性カテーテルであって、前記支持管が、
前記支持管の長手方向軸の周りに配置された内側ライナと、
複数の円周方向に不連続なリブを備える、長手方向軸に沿った実質的に管状のプロファイルを形成する、軸方向の一連のインターロックセグメントと、
前記インターロックセグメントの前記円周方向に不連続なリブの整列によって形成された1つ以上の軸方向シームと、を備え、
前記1つ以上の軸方向シームが、前記支持管を前記内側ライナの外径よりも大きな拡張内径に半径方向に拡張させることを可能にする、可撓性カテーテル。
(2) 前記インターロックセグメントが各々、
それぞれのリブ支柱から延びる一対のインセット歯を備える頂部半体と、
それぞれのリブ支柱から延び、受容空間を境界付ける一対のアウトセット歯を備える底部半体と、
を備える、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 前記底部半体の前記受容空間が、前記頂部半体の前記インセット歯とインターフェースするように構成され、それにより、前記支持管が組み立てられたときに、前記頂部半体と前記底部半体が互いに並置され、前記1つ以上の軸方向シームによって互いに半径方向に分離可能である、実施態様2に記載のカテーテル。
(4) 前記1つ以上の軸方向シームが、前記底部半体の前記受容空間と前記頂部半体の前記インセット歯との間の前記インターフェースの周囲によって画定される連続間隙である、実施態様2に記載のカテーテル。
(5) 前記インセット歯及び前記アウトセット歯が、三角形又は四角形形状を備える、実施態様2に記載のカテーテル。
【0077】
(6) 前記インセット歯及び前記アウトセット歯が、L字形突起を備える、実施態様2に記載のカテーテル。
(7) 前記リブの各々を軸方向に連結するスパインを更に備え、前記スパインが非線形プロファイルに従う、実施態様1に記載のカテーテル。
(8) 前記遠位端部が、血管内処置を行うために構成されたカテーテル口に接続するように構成された、前記長手方向軸にほぼ垂直な面を有する、実施態様1に記載のカテーテル。
(9) 前記1つ以上の軸方向シームの輪郭が、非線形プロファイルに従う、実施態様1に記載のカテーテル。
(10) 第1の対の隣接するインターロックセグメントの間で測定された第1のセグメントピッチが、第2の対の隣接するインターロックセグメントの間で測定された第2のセグメントピッチとは異なる、実施態様1に記載のカテーテル。
【0078】
(11) カテーテルシャフト用の可撓性支持管であって、前記支持管が、
前記支持管の長手方向軸に沿って分布する実質的に円形のリブを備える支柱のレーザ切断フレームワークであって、前記リブが前記支持管の周囲に1つ以上の円周方向の不連続部を備える、支柱のレーザ切断フレームワークと、
前記支持管の半径方向の拡張を可能にするように構成された前記リブの前記円周方向の不連続部の整列から形成された1つ以上の軸方向シームと、を備え、
前記支柱のフレームワークの前記リブが、長手方向軸に沿って実質的に管状のプロファイルを有する軸方向の一連のインターロックセグメントを形成し、
前記インターロックセグメントが各々、
それぞれのリブ支柱から延びる一対のインセット歯を備える頂部半体と、
それぞれのリブ支柱から延び、受容空間を境界付ける一対のアウトセット歯を備える底部半体と、
を備える、可撓性支持管。
(12) 前記インターロックセグメントが整列し、それにより、前記支持管が組み立てられたときに、前記頂部半体のインセット歯の各対及び前記底部半体のアウトセット歯の各対が、互いに並置され、前記1つ以上の軸方向シームによって半径方向に分離可能である、実施態様11に記載の支持管。
(13) 前記1つ以上の軸方向シームが、前記底部半体の前記アウトセット歯の前記頂部半体の前記インセット歯との前記インターフェースの周囲によって画定される連続間隙である、実施態様12に記載の支持管。
(14) 前記1つ以上の軸方向シームが、非線形プロファイルを有する、実施態様12に記載の支持管。
(15) 各頂部半体の前記インセット歯及び各底部半体(104)の前記アウトセット歯が、前記支持管の前記長手方向軸に平行な突起を備える、実施態様12に記載の支持管。
【0079】
(16) 前記インセット歯の前記アウトセット歯との係合が、前記支持管の軸方向の拡張を制限する、実施態様12に記載の支持管。
(17) 第1の対の隣接するインターロックセグメントの間で測定された第1のセグメントピッチが、第2の対の隣接するインターロックセグメントの間で測定された第2のセグメントピッチとは異なる、実施態様11に記載の支持管。
(18) リブ支柱の第1のリブ幅が、別のリブ支柱の第2のリブ幅とは異なる、実施態様11に記載の支持管。
(19) カテーテルを製造するための方法であって、前記方法が、
第1の適用マンドレルの周りに内側ライナを配置するステップと、
支持管の半径方向の拡張を可能にする軸方向シームを備える前記支持管を形成するステップと、
実質的に管状の第2の特大マンドレルに前記支持管を配置して前記軸方向シームを伸ばすことによって前記支持管を拡張するステップであって、前記特大マンドレルは前記内側ライナの外径よりもわずかに大きな前記外径を有するサイズとする、ステップと、
前記支持管をオーステナイト仕上げ温度未満の温度に冷却するステップと、
前記支持管から前記第2の特大マンドレルを取り外すステップと、
前記半径方向に拡張された支持管を前記内側ライナと前記第1の適用マンドレルの周りに配置するステップと、
複数の外側ポリマージャケットを前記支持管にリフロー又は積層するステップと、
前記内側ライナと前記支持管が前記外側ポリマー層によって結合されたときに、前記第1の適用マンドレルを取り外すステップと、を含む、方法。
(20) 前記支持管をレーザ切断して、複数の円周方向に不連続なリブを形成し、前記円周方向の不連続部を整列させて前記軸方向シームを形成するステップを更に含む、実施態様19に記載の方法。
図1
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図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図11
【外国語明細書】