(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129411
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】レコメンドシステム、レコメンドシステムのプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220830BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021028056
(22)【出願日】2021-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】520173428
【氏名又は名称】株式会社New Ordinary
(74)【代理人】
【識別番号】100168538
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 来
(72)【発明者】
【氏名】作井 孝至
(72)【発明者】
【氏名】和歌 汰樹
(72)【発明者】
【氏名】古賀 一徳
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】ユーザーがかつては望まなかったようなこと(潜在的な嗜好)に対してユーザーに自発的に選択させて行動を促すことで、ユーザーの行動の偏りを克服・矯正するレコメンドシステムを提供する。
【解決手段】レコメンドシステム100は、ユーザー端末110とサーバ120とを備え、ユーザー端末またはサーバにおいて、人工知能を有したレコメンド手段が、お勧めの行動を促すことであるレコメンドナッジの論理的手法を複数有し、ユーザー端末において入力された情報またはユーザー端末の履歴情報から得られたユーザータイプ傾向情報と、過去のユーザータイプのタイプ別の論理的手法の有効性から得られるタイプ別論理的傾向情報とに基づいて、複数あるレコメンドナッジの論理的手法の中から1つを選択して、選択した論理的手法に沿って商品・サービス・場所をユーザー端末の表示部111に表示してお勧めする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー端末とサーバとを備えてユーザーに対して商品・サービス・場所のいずれかをお勧めするレコメンドシステムであって、
前記ユーザー端末またはサーバにおいて、人工知能を有したレコメンド手段が、お勧めの行動を促すことであるレコメンドナッジの論理的手法を複数有し、
複数のレコメンドナッジの論理的手法は、それぞれ論理的に促し方が異なり、
前記レコメンド手段が、前記ユーザー端末において入力された情報またはユーザー端末の履歴情報から得られたユーザータイプ傾向情報と、過去のユーザータイプのタイプ別の論理的手法の有効性から得られるタイプ別論理的傾向情報とに基づいて、複数あるレコメンドナッジの論理的手法の中から1つを選択して、選択した論理的手法に沿って商品・サービス・場所をユーザー端末の表示部に表示してお勧めする構成であることを特徴とするレコメンドシステム。
【請求項2】
前記レコメンド手段が、視覚的表現であるレコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法を複数有し、
複数のレコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法は、それぞれ視覚の重視事項が異なり、
前記レコメンド手段が、前記ユーザー端末において入力された情報またはユーザー端末の履歴情報から得られたユーザータイプ傾向情報と、過去のユーザータイプのタイプ別の視覚的表現手法の有効性から得られるタイプ別視覚的表現傾向情報とに基づいて、複数あるレコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法の中から1つまたは複数を選択して、選択した視覚的表現手法を、選択した論理的手法と組み合わせて商品・サービス・場所をユーザー端末の表示部に表示する構成であることを特徴とする請求項1に記載のレコメンドシステム。
【請求項3】
前記ユーザー端末またはサーバが、人工知能を有したユーザータイプ分類手段を有し、
前記ユーザータイプ分類手段が、ビッグデータからユーザータイプのクラス分類情報を取得し、ユーザーの個人情報、嗜好情報、行動履歴情報、ソーシャルネットワーキングサービス情報の少なくとも1つからクラス分類情報に基づいてユーザータイプ傾向情報を推定し、
前記レコメンド手段が、推定されたユーザータイプ傾向情報に基づいて、レコメンドナッジの論理的手法、または、レコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法を選択する構成であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレコメンドシステム。
【請求項4】
前記レコメンド手段が、お勧めする商品・サービス・場所を選択する際、複数の商品・サービス・場所についての情報の中から、同じユーザータイプ傾向情報の他のユーザーが選んだもののうち、最も多くの他のユーザーが選んだものを選択してお勧めする構成であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のレコメンドシステム。
【請求項5】
前記ユーザー端末において、ユーザーの行先のカテゴリーについての選択が行われた場合、レコメンド手段が、選択された行先のカテゴリーに応じて、選択した論理的手法に沿って商品・サービス・場所をユーザー端末の表示部に表示してお勧めし、
お気に入り登録の操作、表示された商品・サービス・場所のウェブサイト表示の操作、または、現在位置情報により表示した商品・サービス・場所の位置まで行ったとする判定のいずれかがあったとき、人工知能を有した評価手段が、ユーザータイプのタイプ別の論理的手法の有効性ありと評価する構成であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載のレコメンドシステム。
【請求項6】
ユーザー端末とサーバとを備えてユーザーに対して商品・サービス・場所のいずれかをお勧めするレコメンドシステムのプログラムであって、
前記ユーザー端末またはサーバが、前記ユーザー端末において入力された情報またはユーザー端末の履歴情報からユーザータイプ傾向情報を得るユーザータイプ傾向情報取得ステップと、
前記ユーザー端末またはサーバが、お勧めの行動を促すことであるレコメンドナッジの論理的手法をそれぞれ論理的に促し方が異なる形式で複数有し、得られたユーザータイプ傾向情報と、過去のユーザータイプのタイプ別の論理的手法の有効性から得られるタイプ別論理的傾向情報とに基づいて、複数あるレコメンドナッジの論理的手法の中から1つを選択するレコメンドナッジ選択ステップと、
前記ユーザー端末またはサーバが、選択した論理的手法に沿って商品・サービス・場所をユーザー端末の表示部に表示してお勧めする表示ステップとを具備していることを特徴とするレコメンドシステムのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザー端末とサーバとを備えてユーザーに対して商品・サービス・場所のいずれかをお勧めするレコメンドシステム、および、そのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、購買履歴や閲覧履歴等のユーザーの履歴情報を元にユーザー間の類似性を定義し、定義した類似性に基づいてユーザーが興味を持つと予測されるコンテンツをレコメンド結果として出力する協調フィルタリング方法を用いるレコメントシステム、および、レコメンド方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来のレコメントシステム、および、レコメンド方法は、類似性に着目して、似た趣味・興味の他のユーザーが選択したものを提案する構成であったため、本来、人が持っている多様性がより可視化され浮き彫りになったとき、自分以外の他者への理解と、多様性を受け入れる寛容さが求められ、毎回、自分の趣味・嗜好と同じものを選択していると行動の偏りが生じて多様性が損なわれてしまう虞があった。
【0005】
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、ユーザーがかつては望まなかったようなこと(潜在的な嗜好)に対してユーザーに自発的に選択させて行動を促すことで、ユーザーの行動の偏りを克服・矯正するレコメンドシステム、および、そのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本請求項1に係る発明は、ユーザー端末とサーバとを備えてユーザーに対して商品・サービス・場所のいずれかをお勧めするレコメンドシステムであって、前記ユーザー端末またはサーバにおいて、人工知能を有したレコメンド手段が、お勧めの行動を促すことであるレコメンドナッジの論理的手法を複数有し、複数のレコメンドナッジの論理的手法は、それぞれ論理的に促し方が異なり、前記レコメンド手段が、前記ユーザー端末において入力された情報またはユーザー端末の履歴情報から得られたユーザータイプ傾向情報と、過去のユーザータイプのタイプ別の論理的手法の有効性から得られるタイプ別論理的傾向情報とに基づいて、複数あるレコメンドナッジの論理的手法の中から1つを選択して、選択した論理的手法に沿って商品・サービス・場所をユーザー端末の表示部に表示してお勧めする構成であることにより、前述した課題を解決するものである。
【0007】
本請求項2に係る発明は、請求項1に記載されたレコメンドシステムの構成に加えて、前記レコメンド手段が、視覚的表現であるレコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法を複数有し、複数のレコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法は、それぞれ視覚の重視事項が異なり、前記レコメンド手段が、前記ユーザー端末において入力された情報またはユーザー端末の履歴情報から得られたユーザータイプ傾向情報と、過去のユーザータイプのタイプ別の視覚的表現手法の有効性から得られるタイプ別視覚的表現傾向情報とに基づいて、複数あるレコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法の中から1つまたは複数を選択して、選択した視覚的表現手法を、選択した論理的手法と組み合わせて商品・サービス・場所をユーザー端末の表示部に表示する構成であることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0008】
本請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載されたレコメンドシステムの構成に加えて、前記ユーザー端末またはサーバが、人工知能を有したユーザータイプ分類手段を有し、前記ユーザータイプ分類手段が、ビッグデータからユーザータイプのクラス分類情報を取得し、ユーザーの個人情報、嗜好情報、行動履歴情報、ソーシャルネットワーキングサービス情報の少なくとも1つからクラス分類情報に基づいてユーザータイプ傾向情報を推定し、前記レコメンド手段が、推定されたユーザータイプ傾向情報に基づいて、レコメンドナッジの論理的手法、または、レコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法を選択する構成であることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0009】
本請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載されたレコメンドシステムの構成に加えて、前記レコメンド手段が、お勧めする商品・サービス・場所を選択する際、複数の商品・サービス・場所についての情報の中から、同じユーザータイプ傾向情報の他のユーザーが選んだもののうち、最も多くの他のユーザーが選んだものを選択してお勧めする構成であることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0010】
本請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載されたレコメンドシステムの構成に加えて、前記ユーザー端末において、ユーザーの行先のカテゴリーについての選択が行われた場合、レコメンド手段が、選択された行先のカテゴリーに応じて、選択した論理的手法に沿って商品・サービス・場所をユーザー端末の表示部に表示してお勧めし、お気に入り登録の操作、表示された商品・サービス・場所のウェブサイト表示の操作、または、現在位置情報により表示した商品・サービス・場所の位置まで行ったとする判定のいずれかがあったとき、人工知能を有した評価手段が、ユーザータイプのタイプ別の論理的手法の有効性ありと評価する構成であることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0011】
本請求項6に係る発明は、ユーザー端末とサーバとを備えてユーザーに対して商品・サービス・場所のいずれかをお勧めするレコメンドシステムのプログラムであって、前記ユーザー端末またはサーバが、前記ユーザー端末において入力された情報またはユーザー端末の履歴情報からユーザータイプ傾向情報を得るユーザータイプ傾向情報取得ステップと、前記ユーザー端末またはサーバが、お勧めの行動を促すことであるレコメンドナッジの論理的手法をそれぞれ論理的に促し方が異なる形式で複数有し、得られたユーザータイプ傾向情報と、過去のユーザータイプのタイプ別の論理的手法の有効性から得られるタイプ別論理的傾向情報とに基づいて、複数あるレコメンドナッジの論理的手法の中から1つを選択するレコメンドナッジ選択ステップと、前記ユーザー端末またはサーバが、選択した論理的手法に沿って商品・サービス・場所をユーザー端末の表示部に表示してお勧めする表示ステップとを具備していることにより、前述した課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のレコメンドシステムは、ユーザー端末とサーバとを備えていることにより、ユーザー端末とサーバとの間で通信して、ユーザーに対して商品・サービス・場所をお勧めすることができるばかりでなく、以下のような特有の効果を奏することができる。
【0013】
本請求項1に係る発明のレコメンドシステムによれば、複数のレコメンドナッジの論理的手法の中からユーザーに適したレコメンドナッジが選択されてそれに沿ったお勧めがユーザー端末の表示部に表示されるため、ユーザーは自身の知っている商品・サービス・場所の好みに関わらず、お勧めされた目新しい商品・サービス・場所を選ぼうとする。
つまり、ユーザーの潜在的な嗜好にアプローチしてユーザーの嗜好が拡張されるため、ユーザーがかつては望まなかったようなこと(潜在的な嗜好)に対してユーザーに自発的に選択させて行動を起こさせることができる。
さらに、ユーザー自身の趣味・嗜好から少し離れたものへの選択が促されるため、ユーザーの行動の偏りを克服・矯正することができる。
なお、どのくらい離れた情報をどの割合でレコメンドするかは、初期設定を変更することで、ユーザー自身が自由に変更することができる。
【0014】
本請求項2に係る発明のレコメンドシステムによれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、複数のレコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法の中からユーザーに適したレコメンドユーザーインターフェースが選択されてそれにも沿ったお勧めがユーザー端末の表示部に表示されるため、ユーザーは自身の知っている商品・サービス・場所の好みに関わらず、お勧めされた目新しい商品・サービス・場所に強く関心を持ち、その商品・サービス・場所を選ぼうとする。
つまり、ユーザーの潜在的な嗜好に強くアプローチしてユーザーの嗜好が拡張されるため、ユーザーがかつては望まなかったようなこと(潜在的な嗜好)に対してユーザーにより自発的に選択させて行動を起こさせることができる。
【0015】
本請求項3に係る発明のレコメンドシステムによれば、請求項1または請求項2に係る発明が奏する効果に加えて、ユーザーのタイプのクラス分類が世の中の状況に沿った分類となるため、世の中の状況に沿ったユーザー分類情報を取得することができる。
さらに、ユーザーのタイプについて現時点の情報がユーザータイプ傾向情報に反映されるため、ユーザータイプ傾向情報を精度良く推定することができる。
また、ユーザーの分類やタイプの変化に対応可能となるため、現時点のユーザータイプ傾向情報を精度良く推定することができる。
【0016】
本請求項4に係る発明のレコメンドシステムによれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに係る発明が奏する効果に加えて、同じユーザータイプ傾向情報のユーザーが好む傾向の商品・サービス・場所がお勧めされるため、一見的外れのように感じられるがユーザーの性格面を考慮した商品・サービス・場所をお勧めして「行ってみたらおもしろい。」、「選択してみたら楽しかった。」や「選択してみたらよかった。」などと心地よくユーザーの嗜好の拡張することができる。
【0017】
本請求項5に係る発明のレコメンドシステムによれば、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに係る発明が奏する効果に加えて、レコメンド結果を得られて論理的手法の有効性が評価されるため、ユーザータイプのタイプ別の論理的手法の有効性についての実績を積むことができ、さらに、精度を高めることができる。
【0018】
本請求項6に係る発明のレコメンドシステムのプログラムによれば、請求項1に係る発明が奏する効果と同様、複数のレコメンドナッジの論理的手法の中からユーザーに適したレコメンドナッジが選択されてそれに沿ったお勧めがユーザー端末の表示部に表示されるため、ユーザーは自身の知っている商品・サービス・場所の好みに関わらず、お勧めされた目新しい商品・サービス・場所を選ぼうとする。
つまり、ユーザーの潜在的な嗜好にアプローチしてユーザーの嗜好が拡張されるため、ユーザーがかつては望まなかったようなこと(潜在的な嗜好)に対してユーザーに自発的に選択させて行動を起こさせることができる。
さらに、ユーザー自身の趣味・嗜好から少し離れたものへの選択が促されるため、ユーザーの行動の偏りを克服・矯正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施例であるレコメンドシステムの概念を示す図。
【
図2】本発明の実施例であるレコメンドシステムの動作例を示すチャート図。
【
図3】(A)(B)は本発明の実施例であるレコメンドシステムのユーザータイプの分類例を示す図。
【
図4】(A)~(C)は本発明の実施例であるレコメンドシステムのレコメンドナッジの論理的手法の例を示す図。
【
図5】(A)~(C)は本発明の実施例であるレコメンドシステムのレコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法の例を示す図。
【
図6】(A)(B)は本発明の実施例であるレコメンドシステムのユーザー端末の表示部の表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のレコメンドシステムは、ユーザー端末とサーバとを備え、ユーザー端末またはサーバにおいて、人工知能を有したレコメンド手段が、お勧めの行動を促すことであるレコメンドナッジの論理的手法を複数有し、複数のレコメンドナッジの論理的手法は、それぞれ論理的に促し方が異なり、レコメンド手段が、ユーザー端末において入力された情報またはユーザー端末の履歴情報から得られたユーザータイプ傾向情報と、過去のユーザータイプのタイプ別の論理的手法の有効性から得られるタイプ別論理的傾向情報とに基づいて、複数あるレコメンドナッジの論理的手法の中から1つを選択して、選択した論理的手法に沿って商品・サービス・場所をユーザー端末の表示部に表示してお勧めする構成であることにより、ユーザーは自身の知っている商品・サービス・場所の好みに関わらず、お勧めされた目新しい商品・サービス・場所を選ぼうとして、ユーザーがかつては望まなかったようなこと(潜在的な嗜好)に対してユーザーに自発的に選択させて行動を起こさせるものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
また、本発明のレコメンドシステムのプログラムは、ユーザー端末またはサーバが、ユーザー端末において入力された情報またはユーザー端末の履歴情報からユーザータイプ傾向情報を得るユーザータイプ傾向情報取得ステップと、ユーザー端末またはサーバが、お勧めの行動を促すことであるレコメンドナッジの論理的手法をそれぞれ論理的に促し方が異なる形式で複数有し、得られたユーザータイプ傾向情報と、過去のユーザータイプのタイプ別の論理的手法の有効性から得られるタイプ別論理的傾向情報とに基づいて、複数あるレコメンドナッジの論理的手法の中から1つを選択するレコメンドナッジ選択ステップと、ユーザー端末またはサーバが、選択した論理的手法に沿って商品・サービス・場所をユーザー端末の表示部に表示してお勧めする表示ステップとを具備していることにより、ユーザーは自身の知っている商品・サービス・場所の好みに関わらず、お勧めされた目新しい商品・サービス・場所を選ぼうとして、ユーザーがかつては望まなかったようなこと(潜在的な嗜好)に対してユーザーに自発的に選択させて行動を起こさせるものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
【0021】
例えば、ユーザー端末は、ノート型パーソナルコンピュータ端末、スマートフォン端末、タブレット端末、腕時計型端末、眼鏡型端末など表示部と操作部とを備えて情報を送受信するものであって、所謂インターネットである広域ネットワーク、ローカルネットワーク、電話回線などを含む通信ネットワークによりサーバと接続自在なものであれば如何なるものであっても構わない。
また、サーバは、クラウド環境に作られたクラウドサーバでもよいし、サーバを構成する物理サーバの数は1つでも複数でもよい。
さらに、レコメンドナッジの論理的手法とは、望ましい方向へ人々の行動を変化させるような選択のメカニズムであって、その選択をさせる論理的な考え方をいう。
また、レコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法とは、望ましい方向へ人々の行動を変化させるような選択のメカニズムであって、その視覚的な表現についてのやり方をいう。
商品・サービス・場所の「場所」は、例えば、観光スポットや美術館、山、海など、如何なるものであっても構わない。
【実施例0022】
以下に、本発明の実施例であるレコメンドシステム100について、
図1乃至
図6(B)に基づいて説明する。
ここで、
図1は、本発明の実施例であるレコメンドシステム100の概念を示す図であり、
図2は、本発明の実施例であるレコメンドシステム100の動作例を示すチャート図であり、
図3(A)は、本発明の実施例であるレコメンドシステム100のユーザータイプの分類の仕方の一例を示す図であり、
図3(B)は、本発明の実施例であるレコメンドシステム100のユーザーのユーザータイプ傾向情報TPの推定例を示す図であり、
図4(A)~
図4(C)は、本発明の実施例であるレコメンドシステム100のレコメンドナッジの論理的手法RNの例を示す図であり、
図5(A)~
図5(C)は、本発明の実施例であるレコメンドシステム100のレコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法UIの例を示す図であり、
図6(A)は、本発明の実施例であるレコメンドシステム100のユーザー端末110の表示部111に地図情報およびアイコンを表示させた例を示す図であり、
図6(B)は、本発明の実施例であるレコメンドシステム100のユーザー端末110の表示部111にお勧めを表示した例を示す図である。
【0023】
本発明の実施例であるレコメンドシステム100は、
図1に示すように、ユーザー端末110と、サーバ120と、一例として商品・サービス・場所提供者端末である店舗端末130を備えている。
そして、レコメンドシステム100は、店舗端末130から入力された最新の商品・サービス・場所などの情報について、ユーザーに対して商品・サービス・場所をお勧めするように設けられている。
【0024】
店舗端末130は、店舗の商品・サービス・場所についての情報をサーバ120へ送ることにより、例えば、ソーシャルネットワーキングサービス(以下、SNS)上にアップロードしたり、店舗のウェブサイトの情報を更新する。
また、ユーザーが、ユーザー端末110において、レコメンドシステム100にログインする。
そして、例えば、レコメンドシステム100をユーザーのSNS情報と連携させる設定をしたり、ログイン後にユーザーの性格分析のために、いくつかの質問に回答する。
【0025】
ここで、ユーザー端末110またはサーバ120において、人工知能を有したレコメンド手段が、お勧めの行動を促すことであるレコメンドナッジの論理的手法RNを複数有している。
例えば、複数のレコメンドナッジの論理的手法RNが、サーバ120のデータベース121に設定されている。
複数のレコメンドナッジの論理的手法RNは、それぞれ論理的に促し方が異なっている。
そして、レコメンド手段が、ユーザー端末110において入力された情報の一例である質問に対する回答情報、または、ユーザー端末110の履歴情報の一例であるSNS履歴情報からユーザータイプ傾向情報TPを得る。
ユーザータイプ傾向情報TPの技術的思想としては、ユーザーの性格面やシチュエーション(状況)でタイプを分類できればよい。
【0026】
さらに、レコメンド手段が、得られたユーザータイプ傾向情報TPと、過去のユーザータイプのタイプ別の論理的手法RNの有効性から得られるタイプ別論理的傾向情報とに基づいて、複数あるレコメンドナッジの論理的手法RNの中から1つを選択する。
より具体的には、タイプ別論理的傾向情報は、過去にそれぞれのユーザータイプのタイプ別の論理的手法RNの有効性について評価したものであり、どのユーザータイプ傾向情報TPに対して、どのレコメンドナッジの論理的手法RNが最も有効であるかについての情報を有している。
有効であるとは、レコメンドシステム100において、過去にそのユーザーが自発的にお勧めされた商品・サービス・場所について、お気に入り登録したり、その商品・サービス・場所の提供場所へ行ったと判定したことにより、そのユーザーに対してそのレコメンドナッジの論理的手法RNが効果的だったと評価したことをいう。
ここで、「最も有効」は、所定期間で有効性の評価が最も高かったもの、直近の短期間で有効性の評価について増加傾向の最も高いもののいずれでもよい。
【0027】
そして、レコメンド手段が、ユーザー端末110のユーザーについてのユーザータイプ傾向情報TPに対して、最も有効なレコメンドナッジの論理的手法RNを選択する。
その後、または、これと平行して、ユーザーが、例えば、行先のカテゴリーを選択する操作を行うと、レコメンド手段が、選択した論理的手法RNに沿ってカテゴリーの条件に合う商品・サービス・場所をユーザー端末110の表示部111に表示してお勧めするように構成されている。
【0028】
これにより、複数のレコメンドナッジの論理的手法RNの中からユーザーに適したレコメンドナッジが選択されてそれに沿ったお勧めがユーザー端末110の表示部111に表示される。
その結果、ユーザーは自身の知っている商品・サービス・場所の好みに関わらず、お勧めされた目新しい商品・サービス・場所を選ぼうとする。
つまり、ユーザーの潜在的な嗜好にアプローチしてユーザーの嗜好が拡張される。
その結果、ユーザーがかつては望まなかったようなこと(潜在的な嗜好)に対してユーザーに自発的に選択させて行動を起こさせることができる。
さらに、ユーザー自身の趣味・嗜好から少し離れたものへの選択が促される。
その結果、ユーザーの行動の偏りを克服・矯正することができる。
【0029】
続いて、本発明のレコメンドシステム100の動作について、より詳しく説明する。
図2に示すように、ステップS1では、ユーザータイプ傾向情報取得ステップとして、ユーザー端末110またはサーバ120が、ユーザー端末110において入力された情報またはユーザー端末110の履歴情報からユーザータイプ傾向情報TPを得る。
言い換えると、ユーザーの性格面についてのユーザータイプを判定する。
図3(A)に示すように、ユーザータイプの判定の一例として、ユーザー端末110またはサーバ120が、人工知能を有したユーザータイプ分類手段を有している。
【0030】
そして、ユーザータイプ分類手段が、ビッグデータからユーザータイプのクラス分類情報を取得する。
具体例として、ビッグデータには、施設情報、店舗情報、イベント情報、ユーザーについての情報が含まれている。
そして、ユーザータイプ分類手段が、ビッグデータから、パーソナリティのタイプ分けの一例として、開放性、勤勉性、外向性、協調性、情緒安定性などの要素としたクラス分類情報を取得する。
【0031】
さらに、ユーザータイプ分類手段が、ユーザーの個人情報、嗜好情報、行動履歴情報、SNS情報の少なくとも1つを得て、得た情報からクラス分類情報に基づいてユーザータイプ傾向情報TPを推定する。
ユーザーの個人情報や嗜好情報には、ログイン後にユーザーの性格分析のために、いくつかの質問に回答した際の回答内容の情報や回答時間の情報が含まれる。
具体例として、
図3(B)に示すように、ユーザータイプ分類手段が、ユーザーの個人情報、嗜好情報、行動履歴情報、SNS情報の少なくとも1つを得て、得た情報から、ユーザーの性格面について、開放性、勤勉性、外向性、協調性、情緒安定性の要素でそれぞれ評価する。
そして、例えば、協調性が高い、続いて、情緒安定性、および、開放性が高い傾向があり、他方、外向性が低い傾向があり、効率重視タイプでもあるなどと、ユーザーの性格面についてのユーザータイプ傾向情報TPを推定する。
【0032】
これにより、ユーザーのタイプのクラス分類が世の中の状況に沿った分類となる。
その結果、世の中の状況に沿ったユーザー分類情報を取得することができる。
さらに、ユーザーのタイプについて現時点の情報がユーザータイプ傾向情報TPに反映される。
その結果、ユーザータイプ傾向情報TPを精度良く推定することができる。
また、ユーザーの分類やタイプの変化に対応可能となる。
その結果、現時点のユーザータイプ傾向情報TPを精度良く推定することができる。
【0033】
ステップS2では、レコメンドナッジ選択ステップとして、ユーザー端末110またはサーバ120が、得られたユーザータイプ傾向情報TPと、過去のユーザータイプのタイプ別の論理的手法RNの有効性から得られるタイプ別論理的傾向情報とに基づいて、複数あるレコメンドナッジの論理的手法RNの中から1つを選択する。
ここで、
図4(A)~
図4(C)に示すように、ユーザー端末110またはサーバ120が、お勧めの行動を促すことであるレコメンドナッジの論理的手法RNをそれぞれ論理的に促し方が異なる形式で複数有している。
【0034】
図4(A)に示すように、レコメンドナッジの例その1として、例えば、「多くの人が買っている」ので、残りの個数が短時間で減っていく様子を表示することにより、ユーザーに対して行動を促す論理的な考え方がある。
具体例として、パン屋のクロワッサンについて、例えば『12:15現在、残り「82」個!』の旨、残りの個数をカウントダウンで表示する。
【0035】
また、
図4(B)に示すように、レコメンドナッジの例その2として、例えば、3つの価格帯を表示し、一番促したいものを真ん中の価格帯で表示することにより、ユーザーに対して行動を促す論理的な考え方がある。
具体例として、パン屋のクロワッサンについて、例えば、『選択肢A クロワッサン 120円 選択肢B ○○バターのクロワッサン 400円 選択肢C パンのセット 800円』の旨、3つの価格帯を提示して一番促したいものを真ん中の価格帯で表示する。
【0036】
さらに、
図4(C)に示すように、レコメンドナッジの例その3として、例えば、期間、場所限定の旨を表示することにより、ユーザーに対して行動を促す論理的な考え方がある。
具体例として、パン屋のクロワッサンについて、例えば、『5月1日~5月5日○○公園のマルシェ限定 焼きたてクロワッサン販売!』の旨、期間、場所限定で表示する。
【0037】
例えば、ユーザータイプ傾向情報TPとして、ユーザーの性格面の評価要素のうちの協調性が高い場合、過去の実績に基づくと、
図4(A)に示すレコメンドナッジの例その1が最も有効であるとするタイプ別論理的傾向情報があったとする。
そして、ユーザーのユーザータイプ傾向情報TPとして、ユーザーの性格面の評価要素のうちの協調性が高い場合、ユーザー端末110またはサーバ120が、
図4(A)に示すレコメンドナッジの例その1を選択する。
【0038】
また、例えば、ユーザータイプ傾向情報TPとして、ユーザーの性格面の評価要素のうちの情緒安定性が高い場合、過去の実績に基づくと、
図4(B)に示すレコメンドナッジの例その2が最も有効であるとするタイプ別論理的傾向情報があったとする。
そして、ユーザーのユーザータイプ傾向情報TPとして、ユーザーの性格面の評価要素のうちの情緒安定性が高い場合、ユーザー端末110またはサーバ120が、
図4(B)に示すレコメンドナッジの例その2を選択する。
【0039】
さらに、例えば、ユーザータイプ傾向情報TPとして、ユーザーの性格面の評価要素のうちの外向性および開放性が高い場合、過去の実績に基づくと、
図4(C)に示すレコメンドナッジの例その3が最も有効であるとするタイプ別論理的傾向情報があったとする。
そして、ユーザーのユーザータイプ傾向情報TPとして、ユーザーの性格面の評価要素のうちの外向性および開放性が高い場合、ユーザー端末110またはサーバ120が、
図4(C)に示すレコメンドナッジの例その3を選択する。
なお、理解を容易にするために、1つの評価要素に着目して説明したが、5つの要素を総合的に見て、
図3(B)のチャート形状に基づいて選択するように構成してもよいのは勿論である。
【0040】
ステップS3では、レコメンドユーザーインターフェース選択ステップとして、ユーザー端末110またはサーバ120が、得られたユーザータイプ傾向情報TPと、過去のユーザータイプのタイプ別の視覚的表現手法UIの有効性から得られるタイプ別視覚的表現傾向情報とに基づいて、複数あるレコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法UIの中から1つまたは複数を選択する。
ここで、タイプ別視覚的表現傾向情報は、過去にそれぞれのユーザータイプのタイプ別の視覚的表現手法UIの有効性について評価したものであり、どのユーザータイプ傾向情報TPに対して、どのレコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法UIが最も有効であるかについての情報を有している。
有効であるとは、レコメンドシステム100において、過去にそのユーザーが自発的にお勧めされた商品・サービス・場所について、お気に入り登録したり、その商品・サービス・場所の提供場所へ行ったと判定したことにより、そのユーザーに対してそのレコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法UIが効果的だったと評価したことをいう。
ここで、「最も有効」は、所定期間で有効性の評価が最も高かったもの、直近の短期間で有効性の評価について増加傾向の最も高いもののいずれでもよい。
さらに、ユーザー端末110またはサーバ120が、選択した視覚的表現手法UIを、選択した論理的手法RNと組み合わせる。
【0041】
ここで、
図5(A)~
図5(C)に示すように、ユーザー端末110またはサーバ120が、視覚的表現であるレコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法UIを複数有している。
複数のレコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法UIは、それぞれ視覚の重視事項が異なる。
例えば、複数のレコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法UIが、サーバ120のデータベース121に設定されている。
【0042】
図5(A)に示すように、レコメンドユーザーインターフェースの例その1として、例えば、視覚的に時間を視覚的に強調して表示することにより、ユーザーに対して行動を促す視覚的な表現についてのやり方がある。
具体例として、パン屋のクロワッサンについて、例えば『残り「1時間50分」!』の旨、時間を強調して表示する。
【0043】
また、
図5(B)に示すように、レコメンドユーザーインターフェースの例その2として、視覚的にフォトジェニックな画像を用いて表示することにより、ユーザーに対して行動を促す視覚的な表現についてのやり方がある。
具体例として、パン屋のクロワッサンについて、例えば、移動式パン屋のフォトジェニックな画像を用いて、これをメインで表示する。
【0044】
さらに、
図5(C)に示すように、レコメンドユーザーインターフェースの例その3として、視覚的にカロリー表示を値段表示よりも目立つように表示することにより、ユーザーに対して行動を促す視覚的な表現についてのやり方がある。
具体例として、パン屋のクロワッサンについて、例えば『447.9kcal!』を『180円』より目立つように表示する。
【0045】
その他、レコメンドユーザーインターフェースの例その4として、短い文で心地よい文章で表示することにより、ユーザーに対して行動を促す視覚的な表現についてのやり方がある。
また、レコメンドユーザーインターフェースの例その5として、早めの予約を促す「あと○個」の旨を表示することにより、ユーザーに対して行動を促す視覚的な表現についてのやり方がある。
さらに、レコメンドユーザーインターフェースの例その6として、あと1個でフードロスが無くなる旨を表示することにより、ユーザーに対して行動を促す視覚的な表現についてのやり方がある。
なお、レコメンドユーザーインターフェースの例その7として、視覚だけでなく音声を加えて表示することにより、ユーザーに対して行動を促す視覚的な表現に音声表現を加えたやり方もある。
【0046】
例えば、ユーザータイプ傾向情報TPとして、ユーザーの性格面の評価から効率重視タイプと推定した場合、過去の実績に基づくと、
図5(A)に示すレコメンドユーザーインターフェースの例その1が最も有効であるとするタイプ別視覚的表現傾向情報があったとする。
そして、ユーザーのユーザータイプ傾向情報TPとして、ユーザーの性格面の評価から効率重視タイプと推定した場合、ユーザー端末110またはサーバ120が、
図5(A)に示すレコメンドユーザーインターフェースの例その1を選択する。
【0047】
また、例えば、ユーザータイプ傾向情報TPとして、ユーザーの性格面の評価からビジュアル重視タイプと推定した場合、過去の実績に基づくと、
図5(B)に示すレコメンドユーザーインターフェースの例その2が最も有効であるとするタイプ別視覚的表現傾向情報があったとする。
そして、ユーザーのユーザータイプ傾向情報TPとして、ユーザーの性格面の評価からビジュアル重視タイプと推定した場合、ユーザー端末110またはサーバ120が、
図5(B)に示すレコメンドユーザーインターフェースの例その2を選択する。
【0048】
さらに、例えば、ユーザータイプ傾向情報TPとして、ユーザーの性格面の評価から健康志向タイプと推定した場合、過去の実績に基づくと、
図5(C)に示すレコメンドユーザーインターフェースの例その3が最も有効であるとするタイプ別視覚的表現傾向情報があったとする。
そして、ユーザーのユーザータイプ傾向情報TPとして、ユーザーの性格面の評価から健康志向タイプと推定した場合、ユーザー端末110またはサーバ120が、
図5(C)に示すレコメンドユーザーインターフェースの例その3を選択する。
【0049】
また、例えば、ユーザータイプ傾向情報TPとして、ユーザーの性格面の評価から文系タイプと推定した場合、過去の実績に基づくと、レコメンドユーザーインターフェースの例その4が最も有効であるとするタイプ別視覚的表現傾向情報があったとする。
そして、ユーザーのユーザータイプ傾向情報TPとして、ユーザーの性格面の評価から文系タイプと推定した場合、ユーザー端末110またはサーバ120が、レコメンドユーザーインターフェースの例その4を選択する。
【0050】
さらに、例えば、ユーザータイプ傾向情報TPとして、ユーザーの性格面の評価から心配性タイプと推定した場合、過去の実績に基づくと、レコメンドユーザーインターフェースの例その5が最も有効であるとするタイプ別視覚的表現傾向情報があったとする。
そして、ユーザーのユーザータイプ傾向情報TPとして、ユーザーの性格面の評価から心配性タイプと推定した場合、ユーザー端末110またはサーバ120が、レコメンドユーザーインターフェースの例その5を選択する。
【0051】
また、例えば、ユーザータイプ傾向情報TPとして、ユーザーの性格面の評価から貢献タイプと推定した場合、過去の実績に基づくと、レコメンドユーザーインターフェースの例その6が最も有効であるとするタイプ別視覚的表現傾向情報があったとする。
そして、ユーザーのユーザータイプ傾向情報TPとして、ユーザーの性格面の評価から貢献タイプと推定した場合、ユーザー端末110またはサーバ120が、レコメンドユーザーインターフェースの例その6を選択する。
【0052】
さらに、例えば、ユーザータイプ傾向情報TPとして、ユーザーの性格面の評価から音感タイプと推定した場合、過去の実績に基づくと、レコメンドユーザーインターフェースの例その7が最も有効であるとするタイプ別視覚的表現傾向情報があったとする。
そして、ユーザーのユーザータイプ傾向情報TPとして、ユーザーの性格面の評価から音感タイプと推定した場合、ユーザー端末110またはサーバ120が、レコメンドユーザーインターフェースの例その7を選択する。
【0053】
なお、レコメンドユーザーインターフェース選択ステップS3におけるユーザータイプ傾向情報TPとしてのユーザーの性格面の評価は、レコメンドナッジ選択ステップS2におけるユーザータイプ傾向情報TPとしてのユーザーの性格面の評価と同様でもよいし、それぞれ別の要素に着目して評価をしてもよい。
さらに、レコメンドユーザーインターフェース選択ステップS3におけるレコメンドユーザーインターフェースの選択については、1つに限らず複数選択して組み合わせてもよい。
【0054】
ステップS4では、カテゴリー選択操作判定ステップとして、ユーザー端末110において、ユーザーが行先のカテゴリーを選択する操作を行ったから否かを、ユーザー端末110またはサーバ120が判定する。
操作を行ったと判定した場合はステップS5へ進み、他方、まだしていないと判定した場合はステップS4を繰り返す。
なお、カテゴリー選択操作判定ステップS4は、必須ではない。
【0055】
ステップS5では、
図6(A)および
図6(B)に示すように、表示ステップとして、ユーザー端末110またはサーバ120が、選択した論理的手法RNに沿って、カテゴリーの条件に合う商品・サービス・場所をユーザー端末110の表示部111に表示してお勧めする。
この際、お勧めする商品・サービス・場所の選び方については、一例として、同じユーザータイプ傾向情報TPの最も多くの他のユーザーが選んだもの(最も有効だったもの)を選んでお勧めする。
また、同じユーザータイプ傾向情報TPの他のユーザー、または、
図3(B)に示すチャート形状が同じ傾向のユーザータイプ傾向情報TPの他のユーザーが選んだもの(有効だったもの)のうち、直近の短期間で増加傾向の最も高いものを選択してお勧めするようにしてもよい。
ユーザーがカテゴリー選択操作判定ステップS4においてカテゴリー選択した場合は、そのカテゴリーの条件を満たす範囲内で、同じユーザータイプ傾向情報TPの多くの他のユーザーが選んだもの(有効だったもの)を選んでお勧めする。
例えば、
図6(A)に示すように、ユーザー端末110の現在地情報を取得して、カテゴリー選択の条件の範囲内として、地図情報を表示部111に表示するとともに、その位置から半径1km以内の軽食スタンドをお勧めする。
図6(A)の表示部111に示された地図情報上の3つのアイコンのうち、例えば、一番下のアイコンをタップ操作すると、
図6(B)に示すように、選択されたアイコンの詳細情報が、カテゴリー選択操作判定ステップS4でカテゴリー選択した商品・サービス・場所のお勧めとして表示される。
【0056】
このように、少なくともステップS1、ステップS2、および、ステップS5を具備していることにより、前述したように、複数のレコメンドナッジの論理的手法RNの中からユーザーに適したレコメンドナッジが選択されてそれに沿ったお勧めがユーザー端末110の表示部111に表示される。
その結果、ユーザーは自身の知っている商品・サービス・場所の好みに関わらず、お勧めされた目新しい商品・サービス・場所を選ぼうとする。
つまり、ユーザーの潜在的な嗜好にアプローチしてユーザーの嗜好が拡張される。
その結果、ユーザーがかつては望まなかったようなこと(潜在的な嗜好)に対してユーザーに自発的に選択させて行動を起こさせることができる。
さらに、ユーザー自身の趣味・嗜好から少し離れたものへの選択が促される。
その結果、ユーザーの行動の偏りを克服・矯正することができる。
【0057】
さらに、本実施例では、レコメンドユーザーインターフェース選択ステップS3で説明したように、レコメンド手段が、ユーザー端末110において入力された情報またはユーザー端末110の履歴情報から得られたユーザータイプ傾向情報TPと、過去のユーザータイプのタイプ別の視覚的表現手法UIの有効性から得られるタイプ別視覚的表現傾向情報とに基づいて、複数あるレコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法UIの中から1つまたは複数を選択する。
そして、レコメンド手段が、選択した視覚的表現手法UIを、選択した論理的手法RNと組み合わせて商品・サービス・場所をユーザー端末110の表示部111に表示するように構成されている。
この際、人工知能を有したレコメンド手段が、選択した視覚的表現手法UIを、選択した論理的手法RNと組み合わせるとともに、商品・サービス・場所についての情報を加えてお勧めするコンテンツを自動生成する。
つまり、テキスト、ボタン、画像などを自動で生成する。
【0058】
これにより、複数のレコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法UIの中からユーザーに適したレコメンドユーザーインターフェースが選択されてそれにも沿ったお勧めがユーザー端末110の表示部111に表示される。
その結果、ユーザーは自身の知っている商品・サービス・場所の好みに関わらず、お勧めされた目新しい商品・サービス・場所に強く関心を持ち、その商品・サービス・場所を選ぼうとする。
つまり、ユーザーの潜在的な嗜好に強くアプローチしてユーザーの嗜好が拡張される。
その結果、ユーザーがかつては望まなかったようなこと(潜在的な嗜好)に対してユーザーにより自発的に選択させて行動を起こさせることができる。
【0059】
また、本実施例では、レコメンド手段が、お勧めする商品・サービス・場所を選択する際、複数の商品・サービス・場所についての情報の中から、同じユーザータイプ傾向情報TPの他のユーザーが選んだもののうち、最も多くの他のユーザーが選んだものを選択してお勧めするように構成されている。
つまり、人工知能を有したレコメンド手段が、選択した視覚的表現手法UIを、選択した論理的手法RNと組み合わせるとともに、選択した商品・サービス・場所についての情報を加えてお勧めするコンテンツを自動生成する。
これにより、同じユーザータイプ傾向情報TPのユーザーが好む傾向の商品・サービス・場所がお勧めされる。
その結果、一見的外れのように感じられるがユーザーの性格面を考慮した商品・サービス・場所をお勧めして「行ってみたらおもしろい。」、「選択してみたら楽しかった。」や「選択してみたらよかった。」などと心地よくユーザーの嗜好の拡張することができる。
つまり、ユーザーが自身で調べてもすぐに出せないような商品・サービス・場所がお勧めされるため、心地よくユーザーの嗜好の拡張することができる。
【0060】
また、本実施例では、カテゴリー選択操作判定ステップS4で説明したように、ユーザー端末110において、ユーザーの行先のカテゴリーについての選択が行われた場合、レコメンド手段が、選択された行先のカテゴリーに応じて、選択した論理的手法RNに沿って商品・サービス・場所をユーザー端末110の表示部111に表示してお勧めする。
その後、お気に入り登録の操作、表示された商品・サービス・場所のウェブサイト表示の操作、または、現在位置情報により表示した商品・サービス・場所の位置まで行ったとする判定のいずれかがあったか否かをユーザー端末110またはサーバ120が判定する。
そして、いずれかがあったと判定したとき、人工知能を有した評価手段が、ユーザータイプのタイプ別の論理的手法RNの有効性ありと評価するように構成されている。
つまり、有効のポイント値を加算する。
これにより、レコメンド結果を得られて論理的手法RNの有効性が評価される。
その結果、ユーザータイプのタイプ別の論理的手法RNの有効性についての実績を積むことができ、さらに、精度を高めることができる。
【0061】
なお、本実施例において、ユーザー端末110またはサーバ120が判定などのアクションを実行する旨を説明した。
これについて、サーバ120が実行するのは、所謂、SaaSであるサーバ120によるサービスの提供をする形式の場合であり、他方、ユーザー端末110が実行するのは、ダウンロードしたアプリケーションソフトで実行する形式の場合である。
【0062】
このようにして得られた本発明の実施例であるレコメンドシステム100は、ユーザー端末110とサーバ120とを備え、ユーザー端末110またはサーバ120において、人工知能を有したレコメンド手段が、お勧めの行動を促すことであるレコメンドナッジの論理的手法RNを複数有し、複数のレコメンドナッジの論理的手法RNは、それぞれ論理的に促し方が異なり、レコメンド手段が、ユーザー端末110において入力された情報またはユーザー端末110の履歴情報から得られたユーザータイプ傾向情報TPと、過去のユーザータイプのタイプ別の論理的手法RNの有効性から得られるタイプ別論理的傾向情報とに基づいて、複数あるレコメンドナッジの論理的手法RNの中から1つを選択して、選択した論理的手法RNに沿って商品・サービス・場所をユーザー端末110の表示部111に表示してお勧めする構成であることにより、ユーザーは自身の知っている商品・サービス・場所の好みに関わらず、お勧めされた目新しい商品・サービス・場所を選ぼうとして、ユーザーがかつては望まなかったようなこと(潜在的な嗜好)に対してユーザーに自発的に選択させて行動を起こさせることができる。
【0063】
さらに、レコメンド手段が、視覚的表現であるレコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法UIを複数有し、複数のレコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法UIは、それぞれ視覚の重視事項が異なり、レコメンド手段が、ユーザー端末110において入力された情報またはユーザー端末110の履歴情報から得られたユーザータイプ傾向情報TPと、過去のユーザータイプのタイプ別の視覚的表現手法UIの有効性から得られるタイプ別視覚的表現傾向情報とに基づいて、複数あるレコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法UIの中から1つまたは複数を選択して、選択した視覚的表現手法UIを、選択した論理的手法RNと組み合わせて商品・サービス・場所をユーザー端末110の表示部111に表示する構成であることにより、ユーザーは自身の知っている商品・サービス・場所の好みに関わらず、お勧めされた目新しい商品・サービス・場所に強く関心を持ち、その商品・サービス・場所を選ぼうとして、ユーザーがかつては望まなかったようなこと(潜在的な嗜好)に対してユーザーにより自発的に選択させて行動を起こさせることができる。
【0064】
また、ユーザー端末110またはサーバ120が、人工知能を有したユーザータイプ分類手段を有し、ユーザータイプ分類手段が、ビッグデータからユーザータイプのクラス分類情報を取得し、ユーザーの個人情報、嗜好情報、行動履歴情報、ソーシャルネットワーキングサービス情報の少なくとも1つからクラス分類情報に基づいてユーザータイプ傾向情報TPを推定し、レコメンド手段が、推定されたユーザータイプ傾向情報TPに基づいて、レコメンドナッジの論理的手法RN、または、レコメンドユーザーインターフェースの視覚的表現手法UIを選択する構成であることにより、世の中の状況に沿ったユーザー分類情報を取得するとともに、ユーザータイプ傾向情報TPを精度良く推定することができ、現時点のユーザータイプ傾向情報TPを精度良く推定することができる。
【0065】
さらに、レコメンド手段が、お勧めする商品・サービス・場所を選択する際、複数の商品・サービス・場所についての情報の中から、同じユーザータイプ傾向情報TPの他のユーザーが選んだもののうち、最も多くの他のユーザーが選んだものを選択してお勧めする構成であることにより、一見的外れのように感じられるがユーザーの性格面を考慮した商品・サービス・場所をお勧めして「行ってみたらおもしろい。」、「選択してみたら楽しかった。」や「選択してみたらよかった。」などと心地よくユーザーの嗜好の拡張することができる。
【0066】
また、ユーザー端末110において、ユーザーの行先のカテゴリーについての選択が行われた場合、レコメンド手段が、選択された行先のカテゴリーに応じて、選択した論理的手法RNに沿って商品・サービス・場所をユーザー端末110の表示部111に表示してお勧めし、お気に入り登録の操作、表示された商品・サービス・場所のウェブサイト表示の操作、または、現在位置情報により表示した商品・サービス・場所の位置まで行ったとする判定のいずれかがあったとき、人工知能を有した評価手段が、ユーザータイプのタイプ別の論理的手法RNの有効性ありと評価する構成であることにより、ユーザータイプのタイプ別の論理的手法RNの有効性についての実績を積むことができ、さらに、精度を高めることができる。
【0067】
さらに、本発明の実施例であるレコメンドシステム100のプログラムは、ユーザー端末110またはサーバ120が、ユーザー端末110において入力された情報またはユーザー端末110の履歴情報からユーザータイプ傾向情報TPを得るユーザータイプ傾向情報取得ステップS1と、ユーザー端末110またはサーバ120が、お勧めの行動を促すことであるレコメンドナッジの論理的手法RNをそれぞれ論理的に促し方が異なる形式で複数有し、得られたユーザータイプ傾向情報TPと、過去のユーザータイプのタイプ別の論理的手法RNの有効性から得られるタイプ別論理的傾向情報とに基づいて、複数あるレコメンドナッジの論理的手法RNの中から1つを選択するレコメンドナッジ選択ステップS2と、ユーザー端末110またはサーバ120が、選択した論理的手法RNに沿って商品・サービス・場所をユーザー端末110の表示部111に表示してお勧めする表示ステップS5とを具備していることにより、ユーザーは自身の知っている商品・サービス・場所の好みに関わらず、お勧めされた目新しい商品・サービス・場所を選ぼうとして、ユーザーがかつては望まなかったようなこと(潜在的な嗜好)に対してユーザーに自発的に選択させて行動を起こさせることができるなど、その効果は甚大である。