(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129454
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G08B 21/02 20060101AFI20220830BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20220830BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
G08B21/02
H04N5/232 290
H04N5/225 000
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021028118
(22)【出願日】2021-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129067
【弁理士】
【氏名又は名称】町田 能章
(74)【代理人】
【識別番号】100183162
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 義文
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】兼保 和弘
【テーマコード(参考)】
5C086
5C122
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA33
5C086FA06
5C086FA15
5C122DA09
5C122EA01
5C122FA01
5C122FA06
5C122FH11
5C122FH14
5C122FJ03
5C122HA75
5C122HA81
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】マスクの常時着用を回避して、熱中症の罹患を抑止することができる。
【解決手段】ウェアラブルカメラ100は、カメラ20と、環境情報を取得するセンサ10と、カメラ20により撮像された画像において、人の密集度を測定する密集度測定部61と、センサ10で取得された温度及び湿度と、密集度測定部61で測定された人の密集度とに基づいて、ユーザPが着用するマスクを外すか否かを判定する判定部62と、判定部62によりマスクを外すと判定された場合、当該マスクを外す旨を報知するイヤホン30,表示部40と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と、
環境情報を取得するセンサと、
前記撮像部により撮像された画像において、人の密集度を測定する密集度測定部と、
前記センサで取得された環境情報と、前記密集度測定部で測定された前記人の密集度とに基づいて、ユーザが着用するマスクを外すか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記マスクを外すと判定された場合、当該マスクを外す旨を報知する報知部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記環境情報は、気温、及び湿度の情報の少なくとも何れかを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記報知部は、
音声によって聴覚的に前記マスクを外す旨を報知する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記報知部は、
色の違いによって視覚的に前記マスクを外す旨を報知する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記密集度測定部は、
撮像された前記画像において、遠近法を適用して、前記人の密集度を測定する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記撮像部は、
前記ユーザの正面を含む視野の範囲、又は当該ユーザの周囲を撮像し、
前記密集度測定部は、
前記視野の範囲、又は前記ユーザの周囲において、前記人の密集度を測定する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判定部は、
ユーザの年齢、性別、身長、体重、既往歴の少なくとも何れかに基づいて、前記ユーザが着用するマスクを外すか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
環境情報を取得するステップと、
画像を撮像するステップと、
撮像された前記画像において、人の密集度を測定するステップと、
取得された前記環境情報と、測定された前記人の密集度とに基づいて、ユーザが着用するマスクを外すか否かを判定するステップと、
前記マスクを外すと判定された場合、当該マスクを外す旨を報知するステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
ユーザの身体的な個人情報を格納するサーバと、前記サーバに接続される情報処理装置とを備える情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
撮像部と、
環境情報を取得するセンサと、
前記撮像部により撮像された画像において、人の密集度を測定する密集度測定部と、
前記センサで取得された環境情報と、前記密集度測定部で測定された前記人の密集度とに基づいて、ユーザが着用するマスクを外すか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記マスクを外すと判定された場合、当該マスクを外す旨を報知する報知部と、を備え、
前記判定部は、
前記サーバに格納された前記ユーザの身体的な個人情報に基づいて、当該ユーザが着用するマスクを外すか否かの条件が変更され、当該ユーザごとに判定する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、感染症対策として、外出時には、マスクを着用することが推奨されている。また、マスクの着用は、外出時に限定されるものではなく、例えば、室内であっても、飲食時以外は、マスクを使用することが推奨されることもある。
【0003】
ここで、ウェアラブル端末として利用可能な情報表示装置が開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示された情報表示装置は、顔面を覆う保護具の内部で着用する装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
マスクを常時着用すると、心拍数、呼吸数、血中二酸化炭素、又は、体感温度が上昇し、身体に負担がかかることがある。このため、マスクを常時着用することにより、熱中症に罹る危険性が高くなる。
【0006】
そこで、本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、マスクの常時着用を回避して、熱中症の罹患を抑止することができる、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明の一態様に係る情報処理装置は、撮像部と、環境情報を取得するセンサと、前記撮像部により撮像された画像において、人の密集度を測定する密集度測定部と、前記センサで取得された環境情報と、前記密集度測定部で測定された前記人の密集度とに基づいて、ユーザが着用するマスクを外すか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記マスクを外すと判定された場合、当該マスクを外す旨を報知する報知部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様に係る情報処理方法は、環境情報を取得するステップと、画像を撮像するステップと、撮像された前記画像において、人の密集度を測定するステップと、取得された前記環境情報と、測定された前記人の密集度とに基づいて、ユーザが着用するマスクを外すか否かを判定するステップと、前記マスクを外すと判定された場合、当該マスクを外す旨を報知するステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様に係る情報処理システムは、ユーザの身体的な個人情報を格納するサーバと、前記サーバに接続される情報処理装置とを備える情報処理システムであって、前記情報処理装置は、撮像部と、環境情報を取得するセンサと、前記撮像部により撮像された画像において、人の密集度を測定する密集度測定部と、前記センサで取得された環境情報と、前記密集度測定部で測定された前記人の密集度とに基づいて、ユーザが着用するマスクを外すか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記マスクを外すと判定された場合、当該マスクを外す旨を報知する報知部と、を備え、前記判定部は、前記サーバに格納された前記ユーザの身体的な個人情報に基づいて、当該ユーザが着用するマスクを外すか否かの条件が変更され、当該ユーザごとに判定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、マスクの常時着用を回避して、熱中症の罹患を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係るウェアラブルカメラの概略構成図である。
【
図2A】第1の実施形態に係るウェアラブルカメラの外観を示す外観構成図である。
【
図2B】ユーザがウェアラブルカメラを着用した使用状態を示す説明図である。
【
図3】第1の実施形態に係るウェアラブルカメラが実行するマスクを外す報知処理を示したフローチャートである。
【
図4】第2の実施形態に係る情報処理システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、後述する各実施形態の一部を適宜組み合わせて構成してもよい。
【0013】
<第1の実施形態>
[ウェアラブルカメラの構成]
図1を参照して、第1の実施形態に係るウェアラブルカメラ100(情報処理装置)の構成を説明する。
図1は、第1の実施形態に係るウェアラブルカメラ100の概略構成図である。なお、本実施形態では、情報処理装置の一例として、ウェアラブルカメラ100を適用する場合について説明する。
【0014】
第1の実施形態に係るウェアラブルカメラ100は、センサ10、カメラ20、イヤホン30、表示部40、通信部50、CPU(Central Processing Unit)60、ROM(Read Only Memory)70、及びRAM(Random Access Memory)80を備えて構成されている。
【0015】
センサ10は、環境情報を取得する。センサ10は、例えば、温度センサと湿度センサとを備えて構成される。環境情報には、気温、及び湿度の情報の少なくとも何れかが含まれる。
【0016】
カメラ20(撮像部)は、レンズ(不図示)を介して、ユーザの位置から外の景色を撮像する。カメラ20は、例えば、ユーザの正面を含む視野の範囲、又はユーザの周囲(全方位)を撮像する。ここで、ユーザの正面を含む視野の範囲とは、例えば、片目について、鼻側60度、上側60度、下側75度、耳側100度とすることができる。また、ユーザの周囲については、例えば、360度の全方位とすることができる。なお、ユーザの真後ろは見えないため、見えない角度を除く周囲であってもよい。
【0017】
イヤホン30は、電気信号を音響信号に変換し、ユーザは、直接、耳で音を感じることができる。イヤホン30は、報知部を構成し、音声によって聴覚的にマスクを外す旨をユーザに報知する。イヤホン30は、ワイヤの有無を問わず、ユーザが聴覚で音を感じることができればよい。そのため、イヤホン30は、報知部の一例であり、報知部は、例えば、ヘッドホンやスピーカであってもよい。また、イヤホン30は、任意の構成要素である。
【0018】
表示部40は、ウェアラブルカメラ100の一部に設けられ、電気信号を色信号に変換し、ユーザは、目で色を感じることができる。表示部40は、報知部を構成し、色の違いによって視覚的にマスクを外す旨を報知する。表示部40は、報知部の一例であり、任意の構成要素である。
【0019】
本実施形態では、イヤホン30と表示部40は、後述する判定部62によってマスクを外すと判定された場合、当該マスクを外す旨を報知する。
【0020】
通信部50は、ネットワークインターフェス部を含んで構成される。通信部50は、例えば、LAN(Local Area Network)等のネットワークにウェアラブルカメラ100を接続する。CPU60は、通信部50を介して、ネットワークに接続された外部の機器(例えば、後述するサーバ200)とデータの送受信を実行する。
【0021】
CPU60は、ROM70に格納されている各種プログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現する。具体的には、CPU60は、所定のプログラムを読み出して実行することにより、密集度測定部61、判定部62として機能する。
【0022】
密集度測定部61は、カメラ20により撮像された画像において、人の密集度を測定する機能を有している。密集度測定部61は、例えば、撮像された画像において、遠近法を適用して、人の密集度を測定する。具体的には、密集度測定部61は、撮像された画像において、10m2における人の数を計測し、人の密集度を測定する。本実施形態では、撮像された画像において、遠方の画像まで考慮する必要は無く、例えば、10m2のように、所定の範囲における人の密集度を測定できればよい。そのため、密集度測定部61では、例えば、画像における人の大きさを実際の人の背格好に換算し、概略の人の大きさ(サイズ)に基づいて、密集度を測定することができる。なお、密集度測定部61は、画像内における所定の面積と人の数とから測定できればよく、測定方法に限定されるものではない。また、密集度測定部61は、任意に奥行きを考慮してもよい。
【0023】
判定部62は、センサ10で取得された環境情報と、密集度測定部61で測定された人の密集度とに基づいて、ユーザが着用するマスクを外すか否かを判定する機能を有している。ここで、感染症対策としてのマスクの着用と、熱中症対策としてのマスクの取外しとのバランス(つまり、何れを優先するか)は、システム設計者が予め設定してもよいし、ユーザが設定してもよい。
【0024】
本実施形態では、マスクの着用を原則とし、熱中症に罹るおそれがある場合にマスクを外すことを想定している。この場合、マスクを外すための条件は、様々なバリエーションが想定されるため、システム設計者でもユーザでも、任意に所定の条件を設定できるものとする。
【0025】
判定部62は、例えば、マスクを外す条件として、気温が33[℃]未満、湿度が50[%]未満、かつ、人の密集度が2[人/10m2]未満を満たすとき、熱中症に罹ることを回避するため、マスクを外すと判定する。なお、これらのマスクを外す条件は、RAM80に格納されている。
【0026】
一方、判定部62は、次のいずれかが1つでも、気温が33[℃]以上、湿度が50[%]以上、及び、人の密集度が2[人/10m2]以上となる場合は、熱中症に罹ることが少ないため、マスクを着用すべきと判定する。なお、この数値は例示であり、これに限定されるものではない。例えば、気温が高温になると熱中症に罹りやすくなるため、マスクを外す条件は、二重基準を設けてもいい。
【0027】
ROM70は、ウェアラブルカメラ100を制御する制御プログラムや、各種プログラムを格納する。
【0028】
RAM80は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)により実現され、CPU60が制御プログラムを実行するために必要なデータを一時的に記憶するワーキングメモリや、データの格納として機能する。
【0029】
図2Aは、第1の実施形態に係るウェアラブルカメラ100の外観を示す外観構成図であり、
図2Bは、ユーザPがウェアラブルカメラ100を着用した使用状態を示す説明図である。
【0030】
図2Aに示すように、ウェアラブルカメラ100は、メガネの形状を有しており、
図2Bに示すように、ユーザPは、ウェアラブルカメラ100を顔の上にメガネのように着用することができる。なお、
図1と同一の構成については同一の符号を付し、説明を適宜、省略する。
【0031】
なお、第1の実施形態では、ウェアラブルカメラ100は、情報処理装置の実施形態の一例であり、これに限定されるものではない。例えば、第1の実施形態に係る情報処理装置は、ヘッドセット型で構成されていてもよく、また、スマートフォンで構成されていてもよい。また、情報処理装置がスマートフォンで構成される場合は、ユーザのポケットや自撮り棒など装着されて使用されてもよい。
【0032】
[ウェアラブルカメラの動作]
次に、上記構成からなるウェアラブルカメラ100が実行する報知処理について、
図1及び
図2A,
図2Bを参照しながら、
図3のフローチャートを用いて説明する。
【0033】
図3は、第1の実施形態に係るウェアラブルカメラ100が実行するマスクを外す報知処理を示したフローチャートである。
【0034】
まず、センサ10は、環境情報として、温度と湿度を取得する(ステップS001)。
【0035】
カメラ20は、レンズを介して、ユーザの正面を含む視野の範囲を撮像する(ステップS003)。
【0036】
CPU60の密集度測定部61は、カメラ20により撮像された画像において、人の密集度を測定する(ステップS005)。
【0037】
CPU60の判定部62は、センサ10で取得された温度及び湿度と、密集度測定部61で測定された人の密集度とに基づいて、ユーザPが着用するマスクを外すか否かを判定する(ステップS007)。
【0038】
判定部62は、マスクを外す条件として、例えば、気温が33[℃]未満、湿度が50[%]未満、かつ、人の密集度が2[人/10m2]未満を満たすとき(ステップS009のYes)、マスクを外すと判定し、イヤホン30から音声によって聴覚的にマスクを外す旨を報知する(ステップS011)。
【0039】
具体的には、ウェアラブルカメラ100は、イヤホン30から、「取り外し条件を満たすので、マスクを外してください」と、報知する。また、ウェアラブルカメラ100は、表示部40において、マスクを外すことを許容する「青」又は「緑」色を表示して、マスクを外す旨を報知する。
【0040】
一方、判定部62は、マスクを外す条件を満たさないとき(ステップS009のNo)、マスクを外してはいけないと判定し、ステップS001に戻る。この場合、ユーザは、継続してマスクを着用することになる。
【0041】
以上説明したように、第1の実施形態におけるウェアラブルカメラ100は、センサ10と、カメラ20とを備えて構成されている。CPU60は、密集度測定部61により、カメラ20により撮像された画像において、人の密集度を測定するとともに、判定部62により、センサ10で取得された温度及び湿度と、密集度測定部61で測定された人の密集度とに基づいて、ユーザが着用するマスクを外すか否かを判定する。
【0042】
これにより、第1の実施形態に係るウェアラブルカメラ100は、ユーザにマスクを外す旨を報知することができるので、マスクの常時着用を回避して、熱中症の罹患を抑止することができる。
【0043】
<第2の実施形態>
図4は、第2の実施形態に係る情報処理システム300の概略構成図である。第2の実施形態に係る情報処理システム300は、第1の実施形態に係るウェアラブルカメラ100と、サーバ200とを備えて構成されている。
【0044】
サーバ200は、個人情報データベース201を備えて構成されている。個人情報データベース201には、複数のユーザの身体的な個人情報が、ユーザごとに格納されている。具体的には、個人情報データベース201には、ユーザごとに、年齢、性別、身長、体重、既往歴の少なくとも何れかが格納されている。
【0045】
ここで、第1の実施形態に係るウェアラブルカメラ100は、通信部50を備えているため、例えば、ユーザの身体的な個人情報を格納するサーバ200に、有線又は無線により接続することができる。
【0046】
これにより、第2の実施形態に係る情報処理システム300では、サーバ200に格納されたユーザの身体的な個人情報に基づいて、当該ユーザが着用するマスクを外すか否かの条件を変更することができ、当該ユーザごとに判定することができる。
【0047】
すなわち、情報処理システム300では、ユーザの身体的な個人情報に基づいて、当該ユーザが着用するマスクを外すか否かの条件を、ユーザごとに変更することができる。
【0048】
これにより、例えば、ウェアラブルカメラ100を使用するユーザが、年齢、身長、又は体重により、子供や老人と判別することができ、マスクを外すための条件を緩和することができる。したがって、子供や老人の場合は、通常のユーザが使用するときよりも早期にマスクを外すことが出来るため、子供や老人が熱中症に罹ることを防ぐことができる。
【0049】
また、性別や既往歴を加えることにより、ユーザに適したマスクを外すための条件を、ユーザごとに変更することができるので、多くのユーザが、熱中症の罹患を抑止することができる。
【0050】
以上説明したように、第2の実施形態における情報処理システム300は、サーバ200に格納されたユーザの身体的な個人情報に基づいて、当該ユーザが着用するマスクを外すか否かの条件を変更することができ、当該ユーザごとに個別に判定することができる。
【0051】
このように、第2の実施形態に係る情報処理システム300は、ユーザに適したマスクを外すための条件をユーザごとに設定し、マスクを外すか否かの条件をユーザごとに変更することができるので、より多くのユーザが、熱中症の罹患を抑止することができる。
【0052】
<変形例>
第1の実施形態に係るウェアラブルカメラ100は、判定部62が、マスクを外してもいいと判定して、イヤホン30や表示部40がマスクを外す旨を報知した後(ステップS011)、再びステップS001に戻り、繰り返し実行するようにしてもよい。
【0053】
この場合、例えば、一度、ユーザがマスクを外しても、その後の環境情報の条件や、人の密集度の条件がマスクを外す条件を満たさないとき、マスクを着用すべき旨をユーザに報知することができる。
これにより、ユーザは、マスクの着用を忘れることを防止することができる。
【0054】
また、各実施形態で説明したウェアラブルカメラ100は、マスクを着用しているか否かを検出するセンサを備えていてもよい。当該センサの種類は限定されず、例えばマスクの口を覆う部分や耳にかかる紐に接触してマスクの有無を検出するセンサ、マスクの上部から漏れる息を検出するセンサ、マスクで覆われる部分の温度を検出するセンサなどであってよい。この場合、マスクが装着されているか否かの情報を用いて、実施形態で説明した判定を行うか否かを決定することや、マスクを外す旨の報知を停止するタイミングを決定してもよい。
【0055】
また、ウェアラブルカメラ100に、マスクを固定する構造が設けられていてもよい。ウェアラブルカメラ100がメガネの形状をしているため、ウェアラブルカメラ100は、先センが耳にかかる構造になっている。また、一般的なマスクは耳にかかる構造であるため、先センがマスクの紐を保持することにより、マスクを固定することができる。
【符号の説明】
【0056】
10 センサ
20 カメラ(撮像部)
30 イヤホン(報知部)
40 表示部(報知部)
50 通信部
60 CPU
61 密集度測定部
62 判定部
70 ROM
80 RAM
100 ウェアラブルカメラ
200 サーバ
300 情報処理システム