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特開2022-129468単管把持構造、単管クランプ及び踏板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129468
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】単管把持構造、単管クランプ及び踏板
(51)【国際特許分類】
   E04G 7/16 20060101AFI20220830BHJP
   F16B 7/04 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
E04G7/16 A
F16B7/04 301H
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021028136
(22)【出願日】2021-02-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】513083222
【氏名又は名称】Rtb株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143111
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 秀夫
(74)【代理人】
【識別番号】100189876
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 将晴
(72)【発明者】
【氏名】寺西 良平
【テーマコード(参考)】
3J039
【Fターム(参考)】
3J039AA11
3J039BB01
3J039CA03
(57)【要約】
【課題】
単管を任意の向きに向けることができ、単管の向きを変更可能に仮固定することも、単管の向きが変わらないように本固定することもできる単管把持構造、単管クランプ、踏板を提供する。
【解決手段】 単管を把持する把持体において、把持体をなす把持部材に回動可能に挿通された回動軸部が有する保持部を単管に当接させて、把持体を僅かに絞め込んだ状態では、単管が保持部を介して回動軸部を押圧し、回動軸部の押圧部が把持部材を押圧して、単管の向きを微調整可能に仮固定させ、把持体を絞め込んだ状態では、単管が回動軸部を介して把持部材を押圧するだけでなく、把持部材が単管に広く接するように反って、回動軸部の回動ができない本固定させる構造とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮設用の単管を把持する単管把持構造であって、
第1の把持部材と、第2の把持部材と、回動軸部と、絞込手段とを含み、
第1の把持部材と第2の把持部材の各々が、単管を把持する湾曲部を備え、
第1の把持部材と第2の把持部材の一方の端部が前記湾曲部を近接可能に軸支させ、第1の把持部材と第2の把持部材の他方の端部が絞込手段を備え、
前記回動軸部が、第1の把持部材を押圧させる押圧部と、第1の把持部材の湾曲部よりも単管把持空間に突出された保持部とを有し、第1の把持部材に回動可能に軸支され、
近接させた前記湾曲面に前記単管を抱持させてから前記絞込手段を絞めた状態で、前記単管が、第2の把持部材の湾曲部に広く接し、且つ、少なくとも前記保持部に接し、前記押圧部が第1の把持部材を押圧した状態で、把持した前記単管の向きが微調整可能に仮固定され、
前記絞込手段を絞め込んだ状態で、前記単管が、第2の把持部材の湾曲部に広く接し、且つ、前記保持部に接すると共に第1の把持部材の湾曲部に広く接し、前記押圧部が第1の把持部材を押圧した状態で、把持した前記単管の向きが変更不能に本固定される、
ことを特徴とする単管把持構造。
【請求項2】
前記保持部が、座金体からなり、
前記座金体が、前記回動軸部に装着される、
ことを特徴とする請求項1に記載の単管把持構造。
【請求項3】
前記保持部が、前記単管に接する端面に、中心から放射状に十文字をなす方向に角度表示手段を有し、
前記角度表示手段が、前記単管が乗り越え可能とされる筋体である、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の単管把持構造。
【請求項4】
一対の把持体からなり、並んだ単管を交差させて把持させる単管クランプであって、
各々の把持体を回動させる回動軸部が、一方の把持体の把持部材に固着され、
他方の把持体が、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の単管把持構造を有し、
他方の把持体が、前記絞込手段の絞め込みに応じて、一方の把持体に対して任意の角度で仮固定又は本固定可能である、
ことを特徴とする単管クランプ。
【請求項5】
一対の把持体からなり、並んだ単管を交差させて把持させる単管クランプであって、
各々の把持体を回動させる回動軸部が、各々の把持体の把持部材に遊嵌され、
各々の把持体が、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の単管把持構造を有し、
本固定させた一方の把持体に対して、他方の把持体が、前記絞込手段の絞め込みに応じて、一方の把持体に対して任意の角度で仮固定又は本固定可能である、
ことを特徴とする単管クランプ。
【請求項6】
仮設用の階段をなす、単管に側面を固定される踏板であって、
前記踏板の側端面に、請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の単管把持構造を有している、
ことを特徴とする踏板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮設用の単管を把持する単管把持構造、単管クランプ及び踏板に関する。具体的には、単管と称されている仮設用の円断面形状の鋼管を把持する単管把持構造であって、単管を任意の向きに向けることができ、単管を把持する把持部材を絞め込む絞込手段の絞め込み程度によって、単管の向きを変更可能に仮固定することも、単管の向きが変わらないように固定(以下、本固定という。)することもできる単管把持構造、単管クランプ及び踏板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、単管が、垂直部材、水平部材又は斜め部材として使用され、単管クランプにより連結されて、工事用の仮設足場等が構築されている。単管クランプは、背面同士が連結された一対の把持体からなり、各々の把持体が単管を把持し、並んだ単管が連結されている。
【0003】
把持された2本の単管の交差角度が直交となる単管クランプは直交クランプと称され、把持された2本の単管の交差角度が固定されていない単管クランプが自在クランプと称されている。自在クランプで把持させた2本の単管を所定の角度で交差させるためには、2本の単管に斜め部材をなす単管を連結させ、所定の角度がかわらないように固定させている。
【0004】
特許文献1には、直交クランプ、自在クランプが混在することにより、現場における組立作業や単管クランプの保管管理が煩雑となることを解消させるために、自在クランプでありながら、直交クランプとしても、2本の単管を平行にさせる平行クランプとしても、使い分けることができる単管クランプの技術が開示されている。
【0005】
この技術によれば、把持体を連結させる連結棒側面のカム面9に、把持体内部に設けたカムストッパー7を当接させることにより、一種類だけの自在クランプでも、把持させる2本の単管の向きを直交又は平行に連結させることができる。しかし、この技術によれば2本の単管を交差させる角度が限られ、その構造が複雑になると共に、カム面とカムストッパーが当接しない中間角度で固定することができないという課題があった。
【0006】
特許文献2には、がたつきをなくし優れた強度で単管を保持することを課題とした単管クランプの技術が開示されている。この技術によれば、単管クランプをなす一対の把持体の基部に筒体9を挿通し、一方の把持体の基部には筒体を溶接固定し、他方の把持体の基部には係合リング12を溶接固定し、他方の把持体を挿通した筒体の端面には環状係合部材10を溶接させている。
【0007】
この技術によれば、係合リング12の凸部と環状係合部材10の凹部が係合する位置で、単管クランプに抱持させた単管の向きが決定され、2本の単管の向きを、直交又は平行以外の前記係合する位置に応じた向きとすることができる。しかし、係合リング12と環状係合部材10とが係合する角度以外の任意の角度で単管を交差させることができないだけでなく、単管クランプの構造が複雑で、製造も困難になるという課題があった。
【0008】
これらの技術以外にも、単管クランプの回転を規制させる嵌合部材12を、把持体内部に傾動させるように備えさせた実開平05-52094号に記載の技術、単管クランプの回転を規制させる回転規制部材31を、把持体外部に沿って進退させるように備えさせた特開平11-107524号に記載の技術等があった。これらの技術は、把持体の内外に追加部材を備えさせて、把持させる2本の単管が交差する向きを限定することにより、自在クランプを直交クランプとしても平行クランプとしても使用できるようにさせた技術であった。
【0009】
しかし、これらの技術は、交差する向きを任意の向きで固定することまではできず、部材数が多くなり、製造が煩雑になるだけでなく、屋外において風雨に長期間暴露されることにより、可動部材が滑らかに動かなくなる可能性があった。
【0010】
特許文献5には、単管クランプを連結させる連結具をパイプ移動阻止空間に臨ませることにより、2本のパイプが相互に回動するのを阻止させ、パイプを固定した状態から移動させないとする技術が開示されている。その例として、パイプに接する連結具の面をU字形状とした例、表裏面に複数の溝を刻設した円盤を固定部の開口部に嵌め込んで溶接して固定させる例が示されている。
【0011】
しかし、この技術によれば、連結具により、パイプ相互が回動することを阻止されてしまうため、一人の作業員が、パイプの一方の端部を仮固定しておき、その作業員が他方の端部に移動し、他方の端部においてパイプ相互の交差角度を微調整することができない。更に、円盤に放射方向に複数の溝が設けられているため、刻設された溝が咬合される溝と溝の中間の任意の交差角度には固定できないという課題があった。
【0012】
仮設工事の作業員が減少する傾向にあり、仮設足場等の構築は、少ない作業員により、簡単かつ安全に構築できることが求められている。例えば、地山の法面に沿って仮設階段用の踏板を取り付ける単管を設置する場合や、落下防止用ロープを引っ掛ける単管を鉄骨梁に設置する場合等には、現地の状況に応じて、一人の作業員だけでも単管が設置できるとよい。
【0013】
しかし、従来は、地山の法面の勾配が一定でないため、自在クランプの取付け位置と交差角度を調整しながら、地山の上方と下方の夫々の位置で複数の作業員が、地山の法面に沿って単管を設置していた。更に、仮設階段の場合には、踏板が水平になるように、仮設階段をなす踏板の側部に備えられた単管クランプの向きを予め角度調整しておいてから単管に装着させる必要があり、仮設階段を構築するにも手間がかかっていた。
【0014】
また、作業員の落下防止仮設をなす単管を鉄骨梁に設置する場合は、高所かつ狭所における危険作業であるため、簡単かつ安全に作業できる単管クランプが求められていた。更に、仮設足場を解体する際には、従来の自在クランプは、単管の両端を支えていた単管クランプの一方を外すと、支えていた単管が垂れ落ちて事故が発生しやすいという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】実開平03-035148号公報
【特許文献2】特開平04-306355号公報
【特許文献3】実開平05-52094号公報
【特許文献4】特開平11-107524号公報
【特許文献5】特開2011-26816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
そこで本発明は、単管クランプの構造を複雑としなくても、一人の作業員により、単管の交差角度を限定させず、仮固定の状態とすることができ、仮固定の状態では向きを微調整することができ、本固定の状態では固定がゆるむことがない単管把持構造を提供することを課題とした。更に、この単管把持構造を有し、簡単かつ安全に作業できる単管クランプ及び踏板を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、単管を把持する把持体において、把持体をなす把持部材に回動可能に挿通された回動軸部が有する保持部を単管に当接させて、把持体を僅かに絞め込んだ状態では、単管が保持部を介して回動軸部を押圧し、回動軸部の押圧部が把持部材を押圧して仮固定され、把持体を強く絞め込んだ状態では回動軸部の回動ができないように本固定される構造とさせたことを、最も主要な特徴としている。
【0018】
本発明の第1の発明は、仮設用の単管を把持する単管把持構造であって、第1の把持部材と、第2の把持部材と、回動軸部と、絞込手段とを含み、第1の把持部材と第2の把持部材の各々が、単管を把持する湾曲部を備え、第1の把持部材と第2の把持部材の一方の端部が前記湾曲部を近接可能に軸支させ、第1の把持部材と第2の把持部材の他方の端部が絞込手段を備え、前記回動軸部が、第1の把持部材を押圧させる押圧部と、第1の把持部材の湾曲部よりも単管把持空間に突出された保持部とを有し、第1の把持部材に回動可能に軸支され、近接させた前記湾曲面に前記単管を抱持させてから前記絞込手段を絞めた状態で、前記単管が、第2の把持部材の湾曲部に広く接し、且つ、少なくとも前記保持部に接し、前記押圧部が第1の把持部材を押圧した状態で、把持した前記単管の向きが微調整可能に仮固定され、前記絞込手段を絞め込んだ状態で、前記単管が、第2の把持部材の湾曲部に広く接し、且つ、前記保持部に接すると共に第1の把持部材の湾曲部に広く接し、前記押圧部が第1の把持部材を押圧した状態で、抱持した前記単管の向きが変更不能に本固定されることを特徴としている。
【0019】
仮設用の単管クランプは、背面で連結された一対の把持体からなり、各把持体は第1と第2の把持部材を備えている。本発明の第1の発明の単管把持構造は、単管クランプ等をなす把持体に適用される把持構造であり、仮固定した状態では抱持した単管の向きを微調整することができ、本固定した状態では抱持した単管の向きが変更できない構造である。
【0020】
第1と第2の把持部材は、夫々の一方の端部で軸支され、向い合う面に単管を把持する窪んだ湾曲部を有している。第1の把持部材の他方の端部には先方にナットが螺合された螺子軸体が傾動可能に装着され、第2の把持部材の他方の端部には先方が分岐され、螺子軸体を挟む二股部を有し、二股部と螺子軸体とナットとが絞込手段をなしていればよいが、絞込手段の形態は限定されない。
【0021】
回動軸部は、第1の把持部材を貫通し、第1の把持部材を回動軸部に対して回動可能とさせると共に、単管に当接される保持部と第1の把持部材に接する押圧部とを備えている。保持部は、湾曲部より僅かに単管把持空間に突出されている。保持部は、回動軸部の先端部であってもよく、回動軸部の先端に装着される保持部材であってもよい。単管クランプに把持された単管は、回動軸部の横断面に平行な面に回動される。
【0022】
第1と第2の把持部材の向い合った湾曲部を開放させた状態とし、その開放部から単管を差し入れて、第1と第2の把持体の湾曲部がなす単管把持空間を狭め単管を把持させる。そして二股部に螺子軸体を挟むように螺子軸体を傾動させ、ナットを締めて単管を把持させる。
【0023】
ナットを締め込んで、湾曲部がなす単管把持空間を狭めると、第2の把持部材の湾曲部の広い面が単管に当接すると共に保持部が押圧され、押圧部が第1の把持部材を押圧して、回動軸部の回転が拘束され、単管の向きが仮固定された状態とされる。この絞め込み程度では、第1の把持部材側では、主に保持部だけが単管に当接しているだけなので、抱持した単管の先方をハンマー等により軽打すると単管の向きを微調整することができる。保持部以外に第2の把持部材の湾曲部の一部が単管に接することがあってもよいことは勿論のことである。
【0024】
更に、ナットを締め込んで、第2の把持部材を第1の把持部材に向けて絞め込むと、第1の把持部材が変形し、保持部だけでなく湾曲部が広く接するようになり、抱持した単管の向きが変わらないように本固定される。抱持した単管の向きを微調整する必要がある場合には仮固定の状態まで絞め込んでおき、単管の向きを微調整すればよい。単管の向きを変える必要がない場合には、最初から強く絞め込み本固定の状態とすればよい。
【0025】
第1の発明によれば、単管把持構造を複雑な構造にしないで、作業員が一人でも、単管の向きを微調整することも、単管の向きが変わらないように固定することもできると共に、単管の向きを任意の向きに固定することができるという従来にない有利な効果を奏する。更に、単管の両端を支えていた単管クランプの一方を外しても、他方の単管クランプが単管を固定させているため、単管が垂れ落ちないという効果を奏する。
【0026】
本発明の第2の発明は、第1の発明の単管把持構造において、前記保持部と前記押圧部とが、座金体からなり、前記座金体が、前記回動軸部に装着されることを特徴としている。座金体が複数枚からなっていてもよく、座金体の一部が単管把持空間に突出されて保持部とされ、座金体の一部が押圧部とされればよい。
【0027】
従来の自在クランプの把持体は、湾曲部が単管を把持した状態で、回動軸部が単管から離間しているため、回動軸部が回転自在とされている。第2の発明によれば、座金体を保持部と押圧部となし、湾曲部よりもわずかに突出させ、単管に押圧された座金体が第1の把持部材を押圧し、第1の把持部材に対して回動軸部の回動を抑制させている。第2の発明によれば、従来の単管クランプに座金体を装着させるだけでよく、従来の単管クランプ資材を有効に活用できるという効果を奏する。
【0028】
本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明の単管把持構造において、前記保持部が、前記単管に接する端面に、中心から放射状に十文字をなす方向に角度表示手段を有し、前記角度表示手段が、前記単管が乗り越え可能とされる筋体であることを特徴としている。
【0029】
筋体は、単管の向きを変える際に、区切りのいい角度であることが、手触りで判別できる程度の微小な高さの筋体であればよく、深さ約1mmの溝体、高さ約0.5mmの並んだ凸条体等であればよい。単管が乗り越え可能な筋体の高さとされているため、直交クランプ又は平行クランプとして使うための手掛かりが付きやすいと共に、単管を任意の角度に回動させることが容易である。
【0030】
本発明の第4の発明は、一対の把持体からなり、並んだ単管を交差させて把持させる単管クランプであって、各々の把持体を回動させる回動軸部が、一方の把持体の把持部材に固着され、他方の把持体が、第1から第3の発明の単管把持構造を有し、他方の把持体が、前記絞込手段の絞め込みに応じて、一方の把持体に対して任意の角度で仮固定又は本固定可能であることを特徴としている。
【0031】
第4の発明は、回動軸部が一方の把持体に固着された単管クランプの他方の把持体に適用される。回動軸部が一方の把持体に固着されているため、他方の把持体の向きを調整する際に、一方の把持体においては回動軸部が回動しない。他方の把持体の絞め込みだけで単管の交差角度が決定でき、平行クランプ又は直行クランプの適用に好適である。
【0032】
本発明の第5の発明は、一対の把持体からなり、並んだ単管を交差させて把持させる単管クランプであって、各々の把持体を回動させる回動軸部が、各々の把持体の把持部材に遊嵌され、各々の把持体が、第1から第3の発明の単管把持構造を有し、本固定させた一方の把持体に対して、他方の把持体が、前記絞込手段の絞め込みに応じて、一方の把持体に対して任意の角度で仮固定又は本固定可能であることを特徴としている。
【0033】
第5の発明では、単管クランプをなす各々の把持体が第1から第3の発明の単管把持構造を備えている。仮設足場を構築する敷地環境や建物の形状などに応じて、把持体の絞め込みに優先順位をつけなければならない場合でも、第5の発明の単管クランプによれば、把持体のいずれを先に本固定してもよく、仮設足場の構築が容易であるという効果を奏する。
【0034】
本発明の第6の発明は、仮設用の階段をなす、単管に側面を固定される踏板であって、前記踏板の側端面に、第1又は第2の発明の単管把持構造を有していることを特徴としている。
【0035】
地山や堤防等の法面に構築される仮設階段は、踏板の両側に単管を配設させておき、単管に踏板がクランプにより固定されている。従来は、予め踏板が水平になるようにクランプの向きを調整してから、踏板を単管にクランプで固定する必要があった。しかし、第6の発明の踏板によれば、予め踏板が水平になるようにクランプの向きを調整しておかなくても、踏板を単管に装着しながら、踏板が水平になるように仮固定又は本固定すればよく、作業手間が著しく軽減されるという効果を奏する。
【発明の効果】
【0036】
・本発明の第1の発明の単管把持構造によれば、単管把持構造を複雑な構造にしないで、作業員が一人でも、単管の向きを微調整することも、単管の向きが変わらないように固定することもできると共に、単管の向きを任意の向きに固定することができるという従来にない有利な効果を奏する。更に、単管の両端を支えていた単管クランプの一方を外しても、他方の単管クランプが単管を固定させているため、単管が垂れ落ちないという効果を奏する。
・第2の発明の単管把持構造によれば、従来の単管クランプに座金体を装着させるだけでよく、従来の単管クランプ資材を有効に活用できるという効果を奏する。
・第3の発明の単管把持構造によれば、直交クランプ又は平行クランプとして使うための手掛かりが付きやすいと共に、単管を任意の角度に回動させることが容易である。
【0037】
・第4の発明の単管クランプによれば、他方の把持体の向きを調整する際に、一方の把持体においては回動軸部が回動しない。他方の把持体の絞め込みだけで単管の交差角度が決定でき、平行クランプ又は直行クランプの適用に好適である。
・第5の発明の単管クランプによれば、把持体のいずれを先に本固定してもよく、仮設足場の構築が容易であるという効果を奏する。
・第6の発明の踏板によれば、予め踏板が水平になるようにクランプの向きを調整しておかなくても、踏板を単管に装着しながら、踏板が水平になるように仮固定又は本固定すればよく、作業手間が著しく軽減されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】単管クランプの説明図(実施例1)。
図2】単管クランプの説明図(実施例2)。
図3】単管クランプの説明図(実施例3)。
図4】座金体の説明図(実施例4)。
図5】座金体の説明図(実施例5)。
図6】クランプの説明図(実施例6)。
図7】踏板の説明図(実施例7)。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の単管把持構造は、単管を把持する一対の把持部材の向かい合う内面を湾曲部とさせ、一方の把持部材の湾曲部を広く単管に接しさせる。そして他方の把持部材の湾曲部から回動軸部の天面を僅かに突出させて保持部とし、クランプの絞め込み程度に応じて、保持部だけに主として単管が接した状態では仮固定の状態とされ単管の交差角度が微調整可能とされ、保持部と湾曲部が広く単管に接した状態では本固定とされ単管の交差角度が変更不能とされることを最も主要な特徴としている。
【実施例0040】
実施例1の単管クランプ1は、同一の形状からなる一対の把持体100,100が回動軸部10に貫通され連結され、把持する一対の単管の交差角度が自在とされている。図1(A)図は単管クランプ1の斜視図を示し、図1(B)図は断面図を示している。なお、理解を容易にするため、図1(A)図においては一方の把持体を破線で示し、図1(B)図においては回動軸部10と一方の単管20のみを実線で示している。
【0041】
いずれの把持体も板体が湾曲されてなり、第1の把持部材110と第2の把持部材120と絞込手段を有し、回動軸部10により軸動可能に連結されている。第1の把持部材110と第2の把持部材120は、夫々の側壁111,121の向かい合う頂部に、単管を把持する湾曲部を有し、一方の端部において軸支されている。
【0042】
第1の把持部材110の他方の端部は、先方にナット112が螺着され、傾動される螺子軸体113を軸支させ、第2の把持部材120の他方の端部が、先方に前記螺子軸部を挟持させる二股部122を有している。ナット112が螺着された螺子軸体113と二股部122が絞込手段とされている。前記湾曲部がなす単管把持空間200に単管20が差し入れられて、軸支された第2の把持部材120が第1の把持部材110に向けて軸動され、前記二股部122に前記螺子軸部113が挟まれた状態とされ、ナット112が絞め込まれて単管20が把持される。
【0043】
回動軸部10は筒体300と一対の環状体310,310とからなり、一対の把持体100,100が向かい合う背面に形成された孔311に挿通され、一対の把持体を回動可能に軸支させる。前記筒体300が前記孔311に挿通されてから、一対の把持体の単管把持空間200,200の夫々から筒体300に環状体310,310が嵌め込まれて、筒体300の両端が加締め潰される(図1(B)図参照)。加締め潰された状態で、夫々の単管把持空間に、筒体の天面301が僅かに突出された状態とされる。突出高さ(α)は、0.5mmから1.0mmが好適であるが限定されない。
【0044】
この実施例においては、夫々の環状体310,310が押圧部とされ、加締め潰された筒体の天面301が保持部とされる。把持体の単管把持空間200を開放させて単管20を差し入れて、螺子軸体113を二股部122に嵌めてナット112を絞め込んで、絞込手段により単管把持空間200を狭くしていくと、第2の把持部材120の湾曲部をなす側壁121の頂部が、単管20に広く接する。一方、第1の把持部材の湾曲部114から、単管把持空間200に保持部をなす筒体の天面301が突出されているため、単管20は筒体300を押圧し、筒体300が環状体310を押圧し、第1の把持部材110が引き寄せられて、単管20が仮固定された状態となる。
【0045】
長く伸びる単管の一方の端部を仮固定させ、他方の端部を片持ち状態としても、単管は垂れ落ちることがなく、一人の作業員が作業する場合でも、作業員は他方の端部に移動してから、他方の端部をハンマー等で軽打することにより単管の向きを微調整することができる。なお、仮固定させる絞め込み強さは、単管が保持した状態からずれない程度とされればよく、把持部材をなす板材の形状・材質又は側壁の頂部の表面粗さ等に応じて作業員により調整されればよい。
【0046】
単管が仮固定された状態から、絞込手段を更に絞め込むと、保持部を中心にして第1の把持部材110が変形し、第1の把持部材の側壁111の湾曲部の天部が広く単管に接すると共に、第1の把持部材110が単管把持空間に向けて引き寄せられ、第1の把持部材110が環状体310に強く押圧され、単管20と筒体300と環状体310と第1の把持部材110が一体とされ、抱持した単管の向きを変えることができない状態の本固定となる。
【実施例0047】
実施例2では、図2を参照して仮固定と本固定の状態をより詳細に説明する。図2(A)図は単管把持空間200を開放して単管20を差し入れた状態を示し、図2(B)図は単管を仮固定させた状態を示し、図2(C)図は単管を本固定させた状態を示している。
【0048】
実施例2は、第1の把持部材110に、鍔部410を有する軸体420が回動軸部400として挿通された状態とされている。第1の把持部材110から延出された回動軸部は、他の被固定物、例えば仮設構造物、家具、自動車等の移動体等の限定されない対象物に固定される。実施例2の単管クランプ2の回動軸部400が有する鍔部410は、第1の把持部材110が回動軸部400から外れることを防止させる。回動軸部の天面411が保持部とされている。
【0049】
第2の把持部材の湾曲部を第1の把持部材の湾曲部から離間させ、単管把持空間200を開放させ、単管を単管把持空間に差し入れた状態で、単管20は少なくとも回動軸部の天面411に接している(図2(A)図)。第1の把持部材の水平方向の回動の状態、垂直方向の傾きの状態に応じて、第1の把持部材の湾曲部114のいずれかの位置に接していてもよい。
【0050】
第2の把持部材120で単管20を覆い単管把持空間200を閉めて、第1の把持部材の端部に軸動可能とされている螺子軸体113を傾動させて第2の把持部材の二股部122に嵌め込み、ナット112を締め込むと、第2の把持部材の湾曲部124が広く単管に接すると共に、単管が強く保持部をなす回動軸部の天面411を押圧し、第1の把持部材110が引き上げられて鍔部410を押圧した状態となり、単管と回動軸部と第1の把持部材が一体とされ仮固定された状態となる(図2(B)図)。この状態で単管は主として保持部をなす回動軸部の天面411に接するが、単管把持空間200における位置に応じて、第1の把持部材の湾曲部114に接していてもよい。
【0051】
この状態から更にナット112を締め込んで、第1の把持部材110と第2の把持部材120で単管20を絞め込むと、第1の把持部材110は、回動軸部が単管に接している位置を中心にして左右が上方に湾曲されるように変形される。そうすると、単管は回動軸部の天面411だけでなく、変形した湾曲部115に広く接するようになり、単管20と回動軸部400と第1の把持部材110がより強く一体化され、回動させられない本固定の状態とされる(図2(C)図)。第1の把持部材の湾曲部が広く接するとは湾曲部全体が接することがなくてもよいことは勿論のことである。
【実施例0052】
実施例3は、単管クランプ3の回動軸部を実線で示し、第1と第2の把持部材については破線で示し、図3を参照して説明する(実施例4も同様に示している)。実施例3の単管クランプ3は背面で接した一対の把持体101,102からなっている。図上下方に示された把持体102の第1の把持部材116の背面の中央部が鍛造加工により筒体117とされ、一方の把持体101の第1の把持部材の背面に貫通された孔118に挿通される。
【0053】
孔に挿通された筒体117に、環状体312が嵌め込まれてから、筒体の天部119が加締められて保持部とされる。筒体の天部119は、単管把持空間200にわずかに突出される。単管クランプ3は、筒体に対して一方の把持体101だけが回動可能とされる。図3では省略しているが、把持体102に把持される単管の軸に対して、平行方向と直交方向に角度表示手段をなす、単管が乗り越え可能とされる筋体を、筒体の天面119に形成させておくと、直交クランプ又は平行クランプとして使用しやすく好適である。
【実施例0054】
実施例4では、一方の把持体に他方の把持体を回動させる加締められた連結軸が備えられた自在クランプに、本発明の単管把持構造を備えさせる座金体を装着させた単管クランプ4を、図4を参照して説明する。単管クランプ4は、図上下方の把持体103の背面の中央部が鍛造加工されて、上方の把持体104の背面に備えられた孔313に挿入されてから、反り曲げられた連結軸314とされ、一対の把持体103,104が一体にされている。
【0055】
単管クランプ4においては、反り曲げられた連結軸314の天面に、複数枚の薄い円盤315が座金体とされ添着され、円盤315の天面が保持部として単管把持空間に突出される。他方の把持体に添着された円盤316から前記孔313を通して螺子が延び、円盤315を固定させている。この形状の自在クランプは製造事業者により、湾曲部の側壁の起立した高さが異なっているが、単管クランプ4の単管把持構造によれば、薄い円盤315を重ねて、その天面が僅かに単管把持空間200に突出した状態とされればよく、側壁の起立高さが異なる単管クランプにも適用可能である。
【実施例0056】
実施例5では、同一形状の把持体105,106を筒体からなる連結軸500で連結させた単管クランプ5を、容易に直交クランプ又は平行クランプとさせる座金体を含んだ単管把持構造を、図5を参照して説明する。図5(A)図は、一方の把持体105の連結部の平面図を示し、図5(B)図は図5(A)図のA-A断面図を示し、図5(C)図は図5(A)図のB-B断面図を示し、図5(D)図は他方の把持体106の連結部の見上げ図を示している。
【0057】
単管クランプ5は、一対の把持体105,106の向い合う面に形成された孔に筒体が挿嵌され、筒体の両端が加締め潰されて連結軸500(図5(C)図参照)とされ、連結軸500に対して各々の把持体105,106が回動自在とされている。単管クランプ5の単管把持構造においては、連結軸500と第1の把持体105に装着された十文字の方向に溝510が刻設された方向規制円盤501と高さ調整板502と、第2の把持体に装着された回転規制板503と、連結バネ504とが回動軸部をなしている。方向規制円盤が保持部とされ、高さ調整板が押圧部とされている。
【0058】
回転規制板503は矩形形状をなし、両側縁が第2の把持体の側壁111に当接し、第2の把持体の中で回転が規制されている。回転規制板には矩形孔505が穿孔され、矩形孔505の側縁に接するように、先方が二股とされた幅広の連結バネ504が装着され、連結バネ504も回転が規制される。連結バネは、二股基部に先方を縮める操作部と抜け止めを兼ねる指あて部506を有し、二股先方部の夫々に外方に反った爪部507を有している。
【0059】
方向規制円盤501は、中心から放射状に十文字の方向をなすように、深さ約0.5mmから1mmのV字形状の溝510を刻設させた円盤であり、方向規制円盤501と高さ調整板502が座金体をなしている。また十文字をなす一つの方向に前記爪部507を引っ掛ける爪係部508が刻設されている。高さ調整板と方向規制円盤が第1の把持体側の連結軸にあてがわれ、回転規制板が第2の把持体側の連結軸にあてがわれ、連結バネ504の二股先方部が回転規制板の矩形孔505に差し込まれ、連結軸500を通って、夫々の爪部507が方向規制円盤の爪係部508に引っ掛けられて、回動軸部は構成される。
【0060】
連結バネ504が、回転規制板504と連結軸500と高さ調整板502と方向規制円盤501とを貫通し一体化させた状態で(図5(C)図)、方向規制円盤の天面が、第1の把持体の第1の把持部の湾曲部より僅かに単管把持空間に突出され、保持部とされる。突出寸法(α)は約0.5mmから1.0mmとされればよい。高さ調整板502の厚さは、連結軸天面から側壁の湾曲部頂部までの高低差に応じて、前記の突出寸法とされる板厚とされればよい。回動軸部は、第2の把持体106に対して回転が規制されているため、十文字の方向に刻設された溝510は、第2の把持体106に把持される単管と同一の方向又は直交する方向に向いた状態とされる。
【0061】
単管クランプ5において、第1の把持体105において単管が十文字の方向に延びる溝に当接した状態では、第1と第2の把持体に把持された単管の向きは平行又は直交に限られる。単管が溝に当たった手応えに応じて、平行クランプ又は直交クランプとして使い分けることが容易である。更に、溝510の深さが浅いため、単管の向きを微調整することも容易であり、単管の向きを限定しないで、仮固定又は本固定することができる。
【実施例0062】
実施例6では、断面が略コ字形状とされた金具600とボルト601とからなる固定具に回動軸部620が固着された単管クランプ6を、図6を参照して説明する。図6(A)図は、単管クランプ6の側面図を示し、図6(B)図は、傾斜した鉄骨梁610に仮設用の落下防止手摺を装着させた状態を示している。略コ字形状とされた金具600は、開放部においてH形鋼のフランジ、作業台等にボルト601により固定される。
【0063】
回動軸部620は、中間部に押圧部をなす鍔部630を有し、先端が保持部をなすように単管把持空間に僅かに突出された状態で把持体の第1の把持部材640を装着させ、略コ字形状をなす金具600の側方の面に溶接により固着される。実施例6の単管クランプ6は、勾配が異なっている鉄骨梁でも手摺用の手摺子をなす単管21を、容易に垂直に固定できる(図6(B)図)。手摺子をなす単管21には、他の実施例で説明した2本の単管を把持する単管クランプ(1~5)により、鉄骨勾配に沿って落下防止用の手摺をなす単管22を把持させればよい。
【0064】
組み立てた単管21,22を解体する場合においても、各々の単管把持体が単管を仮固定又は本固定させているため、一本の単管の両端を把持する一方の単管クランプをゆるめて開放させても、他方の側の単管クランプが単管を仮固定又は本固定させているため、単管が垂れ落ちることがない。これにより、垂れ落ちた単管に指を挟む事故が防止される。
【実施例0065】
実施例7では、地山に設置する仮設用の階段を設置するための踏板700を、図7を参照して説明する。仮設用の踏板700には、金属板に千鳥状に切れ目を入れ引き伸ばしたひし形形状又は亀甲状の孔あき板710が使用されている。踏板700は、孔あき板710の周囲を金属製の枠体720で囲んでいる。実施例7の踏板700は、その側方の枠体710の側面に、本発明の単管把持構造を備えた単管クランプ7を備えている(図7(A)図参照)。
【0066】
踏板の両側部の単管クランプ7の回動軸部は、単管把持空間に僅かに突出された保持部と第1の把持部材を押圧させる押圧部を有している。地山に打設された縦部材をなす単管23に、地山に沿う勾配をなすように、斜めに平行に左右に単管24,24が連結されて配設される(図6(B)図参照)。そして左右に配設された単管24に、踏板面が水平をなすように踏板700が架設される。
【0067】
踏板は、略水平にした状態で、その一方の単管24に、踏板700の一方の単管クランプ7を仮固定させ、踏板の向きを略水平な状態に仮固定させる。そして他方の単管24に、踏板の他方の単管クランプ7を装着させ、その状態で精度よく踏板面が水平であることを確認し本固定する。他方の単管クランプ7を装着させる際に、踏板面の水平を修正する必要がある場合には、仮固定させておいた踏板面をハンマーなどで軽打して踏板面を精度良く水平にさせてから本固定すればよい。
【0068】
(その他)
・上述した実施例は、本発明の実施態様の一例であり、単管把持構造をなす構成部材の素材、形状、寸法は限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更は、当然本発明の技術的範囲に含まれる。
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記した説明に限られず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0069】
1,2,3,4,5,6,7:単管クランプ、
10:回動軸部、20,21,22,23,24:単管、
100,101,102,103,104,105,106:把持体、
110,116:第1の把持部材、120:第2の把持部材、
111:側壁、112:ナット、113:螺子軸体、114:第1の把持部材の湾曲部、
115:変形した湾曲部、117:筒体、118:孔、119:筒体の天部、
121:側壁、122:二股部、124:第2の把持部材の湾曲部、
200:単管把持空間、300:筒体、301:天面、310,312:環状体、
311,313:孔、314:連結軸、315,316:円盤、
400:回動軸部、410:鍔部、411:回動軸部の天面、420:軸体、
500:連結軸、501:方向規制円盤、502:高さ調整板、
503:回転規制板、504:連結バネ、505:矩形孔、506:指あて部、
507:爪部、508:爪係部、510:溝、600:金具、601:ボルト、
610:鉄骨梁、620:回動軸部、630:鍔部、640:第1の把持部材、
700:踏板、710:孔あき板、720:枠体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-05-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
仮設用の単管を把持する単管把持構造において、
第1の把持部材と、第2の把持部材と、回動軸部と、絞込手段とを含み、
第1の把持部材と第2の把持部材の各々が、単管を把持する湾曲部を備え、
第1の把持部材と第2の把持部材の一方の端部が前記湾曲部を近接可能に軸支され、第1の把持部材と第2の把持部材の他方の端部が絞込手段を備え、
前記回動軸部が、第1の把持部材を押圧させる押圧部と、第1の把持部材の湾曲部よりも単管把持空間に突出された保持部とを有し、第1の把持部材に回動可能に軸支された単管把持構造であって、
近接させた前記湾曲面に前記単管を抱持させてから前記絞込手段を絞めた状態で、前記単管が、第2の把持部材の湾曲部に広く接し、且つ、少なくとも前記保持部に接し、前記押圧部が第1の把持部材を押圧した状態で、把持した前記単管の向きが微調整可能に仮固定され、
前記絞込手段を絞め込んだ状態で、前記単管が、第2の把持部材の湾曲部に広く接し、且つ、前記保持部に接すると共に第1の把持部材の湾曲部に広く接し、前記押圧部が第1の把持部材を押圧した状態で、把持した前記単管の向きが変更不能に本固定される、
ことを特徴とする単管把持構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
本発明の第1の発明は、仮設用の単管を把持する単管把持構造において、第1の把持部材と、第2の把持部材と、回動軸部と、絞込手段とを含み、第1の把持部材と第2の把持部材の各々が、単管を把持する湾曲部を備え、第1の把持部材と第2の把持部材の一方の端部が前記湾曲部を近接可能に軸支され、第1の把持部材と第2の把持部材の他方の端部が絞込手段を備え、前記回動軸部が、第1の把持部材を押圧させる押圧部と、第1の把持部材の湾曲部よりも単管把持空間に突出された保持部とを有し、第1の把持部材に回動可能に軸支された単管把持構造であって、近接させた前記湾曲面に前記単管を抱持させてから前記絞込手段を絞めた状態で、前記単管が、第2の把持部材の湾曲部に広く接し、且つ、少なくとも前記保持部に接し、前記押圧部が第1の把持部材を押圧した状態で、把持した前記単管の向きが微調整可能に仮固定され、前記絞込手段を絞め込んだ状態で、前記単管が、第2の把持部材の湾曲部に広く接し、且つ、前記保持部に接すると共に第1の把持部材の湾曲部に広く接し、前記押圧部が第1の把持部材を押圧した状態で、把持した前記単管の向きが変更不能に本固定されることを特徴としている。