(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129482
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】マンコンベヤ用運搬具のガイド装置及びマンコンベヤの製造方法
(51)【国際特許分類】
B66B 31/00 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
B66B31/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021028157
(22)【出願日】2021-02-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 雅也
(72)【発明者】
【氏名】田浦 靖典
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321AA01
3F321AA09
3F321HA06
(57)【要約】
【課題】 第1マンコンベヤ構造体から第2マンコンベヤ構造体へマンコンベヤの構成部品を運搬することを可能にするマンコンベヤ用運搬具のガイド装置を提供することである。
【解決手段】 マンコンベヤ用運搬具のガイド装置は、第1横方向に並べられる第1及び第2マンコンベヤ構造体に取り付けられ、マンコンベヤの構成部品を運搬する運搬具をガイドする、マンコンベヤ用運搬具のガイド装置であって、第1マンコンベヤ構造体の上方に設置される第1本体部と、第2マンコンベヤ構造体の上方に設置される第2本体部と、第1本体部から第2本体部まで運搬具をガイドする横ガイド部と、を備え、横ガイド部は、第1本体部から第2本体部まで延び、第1本体部及び第2本体部に取り付けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1横方向に並べられる第1及び第2マンコンベヤ構造体に取り付けられ、マンコンベヤの構成部品を運搬する運搬具をガイドする、マンコンベヤ用運搬具のガイド装置であって、
前記第1マンコンベヤ構造体の上方に設置される第1本体部と、
前記第2マンコンベヤ構造体の上方に設置される第2本体部と、
前記第1本体部から前記第2本体部まで前記運搬具をガイドする横ガイド部と、を備え、
前記横ガイド部は、前記第1本体部から前記第2本体部まで延び、前記第1本体部及び前記第2本体部に取り付けられる、マンコンベヤ用運搬具のガイド装置。
【請求項2】
前記横ガイド部は、前記第1本体部及び前記第2本体部に対して着脱可能であり、
前記第1本体部と前記第2本体部とは、分離可能であり、
前記ガイド装置は、前記横ガイド部が前記第1本体部及び前記第2本体部から取り外された状態において、前記第1横方向と交差する第2横方向へ前記運搬具をガイドするために、前記第2横方向へ延びて前記第1本体部に取り付けられる第1縦ガイド部をさらに備える、請求項1に記載のマンコンベヤ用運搬具のガイド装置。
【請求項3】
前記第1横方向と交差する第2横方向へ前記横ガイド部をガイドするために、前記第2横方向へ延びて前記第1本体部に取り付けられる第1縦ガイド部と、
前記第2横方向へ前記横ガイド部をガイドするために、前記第2横方向へ延びて前記第2本体部に取り付けられる第2縦ガイド部と、をさらに備える、請求項1又は2に記載のマンコンベヤ用運搬具のガイド装置。
【請求項4】
前記第1本体部は、前記第1縦ガイド部が取り付けられるベース部と、前記ベース部を支持する柱部と、を備え、
前記柱部は、前記ベース部に着脱可能である、請求項2又は3に記載のマンコンベヤ用運搬具のガイド装置。
【請求項5】
第1横方向に並べられる第1及び第2マンコンベヤ構造体に、請求項1~4の何れか1項に記載のガイド装置を取り付けることと、
マンコンベヤの構成部品を運搬する運搬具を前記第1本体部から前記第2本体部まで前記横ガイド部にガイドさせることによって、前記第1本体部から前記第2本体部まで前記構成部品を運搬することと、を含む、マンコンベヤの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、マンコンベヤ用運搬具のガイド装置及びマンコンベヤの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、マンコンベヤ用運搬具のガイド装置は、マンコンベヤ構造体に取り付けられ、マンコンベヤの構成部品を運搬する運搬具をガイドする。例えば、ガイド装置は、マンコンベヤ構造体の上方に設置される本体部と、運搬具を横方向へガイドするために、横方向へ延びるガイド部とを備えている(例えば、特許文献1)。
【0003】
そして、運搬具がガイド部に横方向へガイドされることによって、マンコンベヤの構成部品が横方向へ搬送される。これにより、マンコンベヤの構成部品を、マンコンベヤ構造体に対して出し入れすることができる。ところで、二つのマンコンベヤ構造体(第1及び第2マンコンベヤ構造体)が並べられている場合があり、マンコンベヤの構成部品を、第1マンコンベヤ構造体から第2マンコンベヤ構造体へ運搬したいという要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、第1マンコンベヤ構造体から第2マンコンベヤ構造体へマンコンベヤの構成部品を運搬することを可能にするマンコンベヤ用運搬具のガイド装置及びマンコンベヤの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
マンコンベヤ用運搬具のガイド装置は、第1横方向に並べられる第1及び第2マンコンベヤ構造体に取り付けられ、マンコンベヤの構成部品を運搬する運搬具をガイドする、マンコンベヤ用運搬具のガイド装置であって、前記第1マンコンベヤ構造体の上方に設置される第1本体部と、前記第2マンコンベヤ構造体の上方に設置される第2本体部と、前記第1本体部から前記第2本体部まで前記運搬具をガイドする横ガイド部と、を備え、前記横ガイド部は、前記第1本体部から前記第2本体部まで延び、前記第1本体部及び前記第2本体部に取り付けられる。
【0007】
また、マンコンベヤ用運搬具のガイド装置においては、前記横ガイド部は、前記第1本体部及び前記第2本体部に対して着脱可能であり、前記第1本体部と前記第2本体部とは、分離可能であり、前記ガイド装置は、前記横ガイド部が前記第1本体部及び前記第2本体部から取り外された状態において、前記第1横方向と交差する第2横方向へ前記運搬具をガイドするために、前記第2横方向へ延びて前記第1本体部に取り付けられる第1縦ガイド部をさらに備える、という構成でもよい。
【0008】
また、マンコンベヤ用運搬具のガイド装置は、前記第1横方向と交差する第2横方向へ前記横ガイド部をガイドするために、前記第2横方向へ延びて前記第1本体部に取り付けられる第1縦ガイド部と、前記第2横方向へ前記横ガイド部をガイドするために、前記第2横方向へ延びて前記第2本体部に取り付けられる第2縦ガイド部と、をさらに備える、という構成でもよい。
【0009】
また、マンコンベヤ用運搬具のガイド装置は、前記第1本体部は、前記第1縦ガイド部が取り付けられるベース部と、前記ベース部を支持する柱部と、を備え、前記柱部は、前記ベース部に着脱可能である、という構成でもよい。
【0010】
また、マンコンベヤの製造方法は、第1横方向に並べられる第1及び第2マンコンベヤ構造体に、前記のガイド装置を取り付けることと、マンコンベヤの構成部品を運搬する運搬具を前記第1本体部から前記第2本体部まで前記横ガイド部にガイドさせることによって、前記第1本体部から前記第2本体部まで前記構成部品を運搬することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】
図2は、マンコンベヤ構造体の要部斜視図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係るガイド装置の斜視図である。
【
図4】
図4は、同実施形態に係るガイド装置の平面図である。
【
図5】
図5は、同実施形態に係るガイド装置の要部正面図である。
【
図6】
図6は、同実施形態に係るガイド装置の要部側面図である。
【
図7】
図7は、同実施形態に係るガイド装置の斜視図であって、本体部が独立して使用された状態を示す図である。
【
図8】
図8は、同実施形態に係るガイド装置の平面図であって、本体部が独立して使用された状態を示す図である。
【
図9】
図9は、同実施形態に係るガイド装置の斜視図であって、本体部がそれぞれ独立して使用された状態を示す図である。
【
図10】
図10は、他の実施形態に係るガイド装置の斜視図である。
【
図11】
図11は、同実施形態に係るガイド装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、マンコンベヤ用運搬具のガイド装置における一実施形態について、
図1~
図9を参照しながら説明する。なお、各図(
図10及び
図11も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0013】
まず、マンコンベヤ用運搬具のガイド装置(以下、単に「ガイド装置」ともいう)の各構成を説明するのに先立って、マンコンベヤの構成について、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
【0014】
図1に示すように、例えば、第1及び第2マンコンベヤ11,12は、第1横方向D1に並べられている。各図において、第1横方向D1は、水平方向であり、第2横方向D2は、水平方向で且つ第1横方向D1と直交する方向であり、第3方向D3は、鉛直方向であって、上下方向D3である。
【0015】
各マンコンベヤ11,12は、例えば、躯体に設置される構造体13,14と、人を第2横方向D2へ搬送する搬送部15と、搬送部15を駆動させる駆動部16と、マンコンベヤ11,12の各部を制御する制御部17とを備えていてもよい。なお、以下で、構造体13,14を区別する場合には、第1マンコンベヤ11の構造体13は、第1マンコンベヤ構造体(以下、「第1構造体」ともいう)13といい、第2マンコンベヤ12の構造体14は、第2マンコンベヤ構造体(以下、「第2構造体」ともいう)14という。
【0016】
搬送部15は、例えば、無端回転する環状のチェーン15aと、チェーン15aに対して第1横方向D1を中心に回転可能に接続され、人が乗る踏面を有する複数のステップ15bとを備えていてもよい。駆動部16は、例えば、ステップ15bが反転するようにチェーン15aが巻き掛けられて且つ第1横方向D1を中心に回転する一対のスプロケット16a,16aと、スプロケット16aを回転させるモータ16bとを備えていてもよい。
【0017】
構造体13,14の構成は、特に限定されないが、例えば、構造体13,14は、トラス構造又はケタ構造とすることができる。例えば、
図1及び
図2に示すように、構造体13,14は、上部を構成する上枠13a,14aと、下部を構成する下枠13b,14bと、上枠13a,14aと下枠13b,14bとを接続する立枠13c,14cとを備えていてもよい。
【0018】
構造体13,14は、例えば、第2横方向D2の端部に配置される構造端部13d,13e,14dと、第2横方向D2の中間部に配置される構造中間部13f,14eとを備えている。例えば、構造端部13d,13e,14dは、第2横方向D2へ延びており、構造中間部13f,14eは、第2横方向D2に対して傾斜する方向へ延びていてる、という構成でもよい。
【0019】
そして、例えば、第1マンコンベヤ11の上側の乗降部11aと第2マンコンベヤ12の下側の乗降部12aとは、上下方向D3において、同じ位置であり、第1横方向D1に並ぶように配置されている。即ち、第1構造体13の上側の構造端部13eと第2構造体14の下側の構造端部14dとは、上下方向D3において、同じ位置であり、第1横方向D1に並ぶように配置されている。
【0020】
なお、
図1及び
図2に係る各マンコンベヤ11,12は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、少なくとも一つのマンコンベヤ11,12は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。なお、
図1及び
図2において、躯体は、図示されていない。
【0021】
次に、ガイド装置の構成について、
図3~
図9を参照しながら説明する。
【0022】
図3及び
図4に示すように、本実施形態に係るガイド装置1は、第1横方向D1に並べられる第1構造体13及び第2構造体14に取り付けられ、マンコンベヤ11,12の構成部品(図示していない)を運搬する運搬具2をガイドする。なお、マンコンベヤ11,12の構成部品は、特に限定されず、マンコンベヤ11,12を構成する部品であればよく、例えば、単体部品でもよく、また、組立部品でもよい。
【0023】
ガイド装置1は、第1構造体13の上方に設置される第1本体部3と、第2構造体14の上方に設置される第2本体部4とを備えている。また、ガイド装置1は、第1本体部3から第2本体部4まで運搬具2をガイドする横ガイド部5と、横ガイド部5をガイドする第1縦ガイド部6及び第2縦ガイド部7とを備えている。
【0024】
第1本体部3は、第1縦ガイド部6が取り付けられるベース部3aと、ベース部3aを下方から支持し、ベース部3aに着脱可能な柱部3bとを備えていてもよい。ベース部3aは、例えば、第1横方向D1に延びる横枠3cと、第2横方向D2に延びる縦枠3dとを備えていてもよい。例えば、柱部3b及び各枠3c,3dは、互いに着脱可能であって、固定具(クランプ、ボルト・ナット等)によって、互いに固定されている、という構成でもよい。
【0025】
第2本体部4は、例えば、第2縦ガイド部7が取り付けられるベース部4aと、ベース部4aを下方から支持し、ベース部4aに着脱可能な柱部4bとを備えていてもよい。ベース部4aは、例えば、第1横方向D1に延びる横枠4cと、第2横方向D2に延びる縦枠4dとを備えていてもよい。例えば、柱部4b及び各枠4c,4dは、互いに着脱可能であって、例えば、固定具(クランプ、ボルト・ナット等)によって、互いに固定されている、という構成でもよい。
【0026】
なお、柱部3b,4bは、例えば、固定具(クランプ、ボルト・ナット等)によって、構造体13,14の上枠13a,14aに固定されている、という構成でもよい。また、柱部3b,4bは、例えば、躯体(具体的には、床)の上に置かれている、という構成でもよい。
【0027】
第1縦ガイド部6及び第2縦ガイド部7は、横ガイド部5を第2横方向D2へガイドするために、それぞれ第2横方向D2へ延びている。そして、第1縦ガイド部6は、第1本体部3に対して不動となるように、第1本体部3のベース部3aに取り付けられており、第2縦ガイド部7は、第2本体部4に対して不動となるように、第2本体部4のベース部4aに取り付けられている。
【0028】
横ガイド部5は、第1本体部3から第2本体部4まで、第1横方向D1へ延びている。そして、横ガイド部5は、第1縦ガイド部6及び第2縦ガイド部7に取り付けられている。これにより、横ガイド部5は、第1縦ガイド部6を介して、第1本体部3に取り付けられており、第2縦ガイド部7を介して、第2本体部4に取り付けられている。
【0029】
横ガイド部5は、第1縦ガイド部6及び第2縦ガイド部7に対して、第2横方向D2へ移動可能である。例えば、横ガイド部5は、運搬具2をガイドするガイド面5a(
図5及び
図6参照)を有するガイド本体5bと、第1縦ガイド部6に接続される第1接続部5cと、第2縦ガイド部7に接続される第2接続部5dとを備えていてもよい。
【0030】
図5及び
図6に示すように、第1接続部5cは、例えば、第1縦ガイド部6のガイド面6a上を転動する転動体5eと、転動体5eを回転可能に支持し、ガイド本体5bに固定される軸支部5fとを備えていてもよい。なお、図示していないが、例えば、第2接続部5dも、第2縦ガイド部7のガイド面上を転動する転動体と、転動体を回転可能に支持し、ガイド本体5bに固定される軸支部とを備えていてもよい。
【0031】
運搬具2は、横ガイド部5に対して第1横方向D1へ移動可能となるように、横ガイド部5に取り付けられている。例えば、運搬具2は、マンコンベヤ11,12の構成部品を吊って昇降させる具本体2aと、横ガイド部5に接続される接続部2bとを備えていてもよい。例えば、接続部2bは、横ガイド部5のガイド面5a上を転動する転動体2cと、転動体2cを回転可能に支持し、具本体2aに固定される軸支部2dとを備えていてもよい。
【0032】
なお、具本体2aは、例えば、接続部2bと分離可能であってもよく、また、例えば、接続部2bと分離不能であってもよい。運搬具2は、特に限定されず、マンコンベヤ11,12の構成部品を運搬できる器具であればよい。例えば、運搬具2は、クレーンとすることができ、また、例えば、具本体2aは、ホイスト、チェーンブロックとすることができる。なお、
図3及び
図4(
図7~
図11も同様)においては、運搬具2の接続部2bのみが図示されている。
【0033】
次に、本実施形態に係る運搬装置(ガイド装置1及び運搬具2)を用いたマンコンベヤ11,12の製造方法について、
図3及び
図4を参照しながら説明する。
【0034】
特に限定されないが、例えば、既設のマンコンベヤ11,12の構成部品(例えば、搬送部15、駆動部16)が撤去される一方で、構造体13,14を再利用しつつ、新たな構成部品を設置することによって、新規のマンコンベヤ11,12が製造(更新)されてもよい。このとき、構成部品が運搬される。具体的には、撤去される構成部品が構造体13,14から搬出され、設置される構成部品が構造体13,14に搬入される。
【0035】
例えば、運搬具2が構成部品を吊り上げ、
図3及び
図4に示すように、縦ガイド部6,7が横ガイド部5を第2横方向D2へガイドすることによって、運搬具2は、構成部品と共に第2横方向D2へ移動する。また、例えば、横ガイド部5が運搬具2を第1横方向D1へガイドすることによって、運搬具2は、構成部品と共に第1横方向D1へ移動する。
【0036】
したがって、例えば、構成部品が、第1構造体13の構造中間部13f、構造端部13e、第2構造体14の構造端部14d、構造中間部14eの順に搬送される場合に、運搬具2は、第1構造体13の構造端部13eから第2構造体14の構造端部14dへ、構成部品を直接に運搬できる。即ち、第1構造体13の構造端部13eから構成部品を一時的に搬出する必要がない。
【0037】
これにより、例えば、構造端部13e,14dの周辺に構成部品を一時的に保管する場所(仮置きスペース)が存在しない場合でも、第1構造体13から第2構造体14へ構成部品を円滑に運搬することができる。なお、当然ながら、運搬具2は、第2構造体14の構造端部14dから第1構造体13の構造端部13eへも、構成部品を直接に運搬できる。
【0038】
次に、本実施形態に係る運搬装置(ガイド装置1及び運搬具2)の異なる使用方法について、
図7及び
図8を参照しながら説明する。
【0039】
例えば、
図1及び
図2のマンコンベヤ11,12とは異なり、
図7に示すように、マンコンベヤ11が、他のマンコンベヤと第1横方向D1で並ぶことなく、設置されている場合もある。このとき、撤去される構成部品が構造体13の構造端部13eから搬出され、設置される構成部品が構造体13の構造端部13eに搬入される。
【0040】
それに対して、横ガイド部5は、第1本体部3及び第2本体部4に対して着脱可能であり、第1本体部3と第2本体部4とは、分離可能である。これにより、
図7及び
図8に示すように、横ガイド部5が本体部3,4から取り外された状態で、第1本体部3は、構造体13の上方に設置される。
【0041】
なお、柱部3bがベース部3aに着脱可能であるため、柱部3bの個数は、必要に応じて、変更することができる。例えば、
図7及び
図8に係るガイド装置1においては、本体部3に対して柱部3bは、6本であることに対して、
図3及び
図4に係るガイド装置1においは、本体部3に対して柱部3bは、5本である。即ち、
図3及び
図4に係るガイド装置1においは、構成部品の運搬路に位置する柱部3bが取り外されている。
【0042】
そして、運搬具2は、第1縦ガイド部6に対して第2横方向D2へ移動可能となるように、第1縦ガイド部6に取り付けられている。これにより、運搬具2が構成部品を吊り上げ、第1縦ガイド部6が運搬具2を第2横方向D2へガイドすることによって、運搬具2は、構成部品と共に第2横方向D2へ移動する。
【0043】
したがって、例えば、マンコンベヤ11の構成部品を構造体13に対して出し入れすることができる。このように、例えば、
図3及び
図4に示すように、第1本体部3と第2本体部4とを組み合わせて使用することができるだけでなく、例えば、
図7及び
図8に示すように、第1本体部3を第2本体部4から独立して使用することもできる。なお、例えば、
図9に示すように、マンコンベヤ11,12が第1横方向D1に並んでいる場合に、第1本体部3及び第2本体部4をそれぞれ独立して使用してもよい。
【0044】
以上より、本実施形態のように、マンコンベヤ11,12の製造方法は、第1横方向D1に並べられる第1及び第2マンコンベヤ構造体13,14に、ガイド装置1を取り付けることと、マンコンベヤ11,12の構成部品を運搬する運搬具2を前記第1本体部3から前記第2本体部4まで前記横ガイド部5にガイドさせることによって、前記第1本体部3から前記第2本体部4まで前記構成部品を運搬することと、を含む、という方法が好ましい。
【0045】
そして、本実施形態のように、マンコンベヤ用運搬具2のガイド装置1は、第1横方向D1に並べられる第1及び第2マンコンベヤ構造体13,14に取り付けられ、マンコンベヤ11,12の構成部品を運搬する運搬具2をガイドする、マンコンベヤ用運搬具2のガイド装置1であって、前記第1マンコンベヤ構造体13の上方に設置される第1本体部3と、前記第2マンコンベヤ構造体14の上方に設置される第2本体部4と、前記第1本体部3から前記第2本体部4まで前記運搬具2をガイドする横ガイド部5と、を備え、前記横ガイド部5は、前記第1本体部3から前記第2本体部4まで延び、前記第1本体部3及び前記第2本体部4に取り付けられる、という構成が好ましい。
【0046】
斯かる構成によれば、横ガイド部5は、第1本体部3から第2本体部4まで延び、第1本体部3及び第2本体部4に取り付けられている。そして、横ガイド部5が第1本体部3から第2本体部4まで運搬具2をガイドすることによって、第1マンコンベヤ構造体13から第2マンコンベヤ構造体14へマンコンベヤ11,12の構成部品を運搬することを可能にする
【0047】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ用運搬具2のガイド装置1においては、前記横ガイド部5は、前記第1本体部3及び前記第2本体部4に対して着脱可能であり、前記第1本体部3と前記第2本体部4とは、分離可能であり、前記ガイド装置1は、前記横ガイド部5が前記第1本体部3及び前記第2本体部4から取り外された状態において、前記第1横方向D1と交差する第2横方向D2へ前記運搬具2をガイドするために、前記第2横方向D2へ延びて前記第1本体部3に取り付けられる第1縦ガイド部6をさらに備える、という構成が好ましい。
【0048】
斯かる構成によれば、横ガイド部5が、第1本体部3及び前記第2本体部4から取り外され、第1本体部3が、第2本体部4から分離され、そして、第1縦ガイド部6は、第1本体部3に取り付けられる。そして、第1縦ガイド部6が第2横方向D2へ延びているため、第1縦ガイド部6が運搬具2を第2横方向D2へガイドすることによって、マンコンベヤ11の構成部品を構造体13に対して出し入れすることができる。
【0049】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ用運搬具2のガイド装置1は、前記第1横方向D1と交差する第2横方向D2へ前記横ガイド部5をガイドするために、前記第2横方向D2へ延びて前記第1本体部3に取り付けられる第1縦ガイド部6と、前記第2横方向D2へ前記横ガイド部5をガイドするために、前記第2横方向D2へ延びて前記第2本体部4に取り付けられる第2縦ガイド部7と、をさらに備える、という構成が好ましい。
【0050】
斯かる構成によれば、横ガイド部5が第1縦ガイド部6及び第2縦ガイド部7に取り付けられることによって、横ガイド部5は、第1縦ガイド部6及び第2縦ガイド部7に第2横方向D2へガイドされる。これにより、横ガイド部5が運搬具2を第1横方向D1へガイドすることによって、運搬具2を第1横方向D1へ移動させることができ、しかも、第1及び第2縦ガイド部6,7が横ガイド部5を第2横方向D2へガイドすることによって、運搬具2を第2横方向D2へ移動させることができる。
【0051】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ用運搬具2のガイド装置1は、前記第1本体部3は、前記第1縦ガイド部6が取り付けられるベース部3aと、前記ベース部3aを支持する柱部3bと、を備え、前記柱部3bは、前記ベース部3aに着脱可能である、という構成が好ましい。
【0052】
斯かる構成によれば、柱部3bがベース部3aに着脱されるため、横ガイド部5が第1本体部3及び第2本体部4に取り付けられた状態と、横ガイド部5が第1本体部3及び第2本体部4から取り外された状態とにおいて、ベース部3aに対する柱部3bの取り付け状態を変更することができる。
【0053】
なお、マンコンベヤ用運搬具2のガイド装置1及びマンコンベヤ11,12の製造方法は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ用運搬具2のガイド装置1及びマンコンベヤ11,12の製造方法は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0054】
(1)上記実施形態に係るガイド装置1は、第2横方向D2へ横ガイド部5をガイドする縦ガイド部6,7を備え、横ガイド部5は、本体部3,4に対して第2横方向D2へ可動である、という構成である。しかしながら、ガイド装置1は、斯かる構成に限られない。
【0055】
例えば、
図10及び
図11に示すように、横ガイド部5は、本体部3,4に対して不動となるように、本体部3,4に取り付けられている(固定されている)、という構成でもよい。なお、特に限定されないが、
図10及び
図11に係るガイド装置1においては、第1本体部3が独立して使用される場合に、横ガイド部5が本体部3,4から取り外された後、
図7~
図9に示すように、縦ガイド部6,7が本体部3,4に取り付けられてもよい。
【0056】
(2)また、上記実施形態に係るガイド装置1においては、横ガイド部5は、本体部3,4に対して着脱可能であり、第1本体部3と第2本体部4とは、分離可能である、という構成である。しかしながら、ガイド装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、横ガイド部5は、本体部3,4に対して取り外し不能である、という構成でもよい。また、例えば、横ガイド部5は、本体部3,4に対して着脱可能である一方で、第1本体部3と第2本体部4とは、分離不能である、という構成でもよい。
【0057】
(3)また、上記実施形態に係るガイド装置1は、(横ガイド部5を介して、又は、直接に)運搬具2を第2横方向D2へガイドする縦ガイド部6,7を備える、という構成である。しかしながら、ガイド装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、ガイド装置1は、運搬具2を第2横方向D2へガイドする縦ガイド部6,7を備えていない、という構成でもよい。
【0058】
(4)また、上記実施形態に係るガイド装置1においては、柱部3bは、ベース部3aに着脱可能である、という構成である。しかしながら、ガイド装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、柱部3bは、ベース部3aに取り外し不能である、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0059】
1…ガイド装置、2…運搬具、2a…具本体、2b…接続部、2c…転動体、2d…軸支部、3…第1本体部、3a…ベース部、3b…柱部、3c…横枠、3d…縦枠、4…第2本体部、4a…ベース部、4b…柱部、4c…横枠、4d…縦枠、5…横ガイド部、5a…ガイド面、5b…ガイド本体、5c…第1接続部、5d…第2接続部、5e…転動体、5f…軸支部、6…第1縦ガイド部、6a…ガイド面、7…第2縦ガイド部、11…第1マンコンベヤ、11a…乗降部、12…第2マンコンベヤ、12a…乗降部、13…第1マンコンベヤ構造体、13a…上枠、13b…下枠、13c…立枠、13d…構造端部、13e…構造端部、13f…構造中間部、14…第2マンコンベヤ構造体、14a…上枠、14b…下枠、14c…立枠、14d…構造端部、14e…構造中間部、15…搬送部、15a…チェーン、15b…ステップ、16…駆動部、16a…スプロケット、16b…モータ、17…制御部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向
【手続補正書】
【提出日】2022-03-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1横方向に並べられる第1及び第2マンコンベヤ構造体に取り付けられ、マンコンベヤの構成部品を運搬する運搬具をガイドする、マンコンベヤ用運搬具のガイド装置であって、
前記第1マンコンベヤ構造体の上方に設置される第1本体部と、
前記第2マンコンベヤ構造体の上方に設置される第2本体部と、
前記第1本体部から前記第2本体部まで前記運搬具をガイドする横ガイド部と、を備え、
前記横ガイド部は、前記第1本体部から前記第2本体部まで延び、前記第1本体部及び前記第2本体部に取り付けられる、マンコンベヤ用運搬具のガイド装置。
【請求項2】
前記横ガイド部は、前記第1本体部及び前記第2本体部に対して着脱可能であり、
前記第1本体部と前記第2本体部とは、分離可能であり、
前記ガイド装置は、前記横ガイド部が前記第1本体部及び前記第2本体部から取り外された状態において、前記第1横方向と交差する第2横方向へ前記運搬具をガイドするために、前記第2横方向へ延びて前記第1本体部に取り付けられる第1縦ガイド部をさらに備える、請求項1に記載のマンコンベヤ用運搬具のガイド装置。
【請求項3】
前記第1横方向と交差する第2横方向へ前記横ガイド部をガイドするために、前記第2横方向へ延びて前記第1本体部に取り付けられる第1縦ガイド部と、
前記第2横方向へ前記横ガイド部をガイドするために、前記第2横方向へ延びて前記第2本体部に取り付けられる第2縦ガイド部と、をさらに備える、請求項1に記載のマンコンベヤ用運搬具のガイド装置。
【請求項4】
前記第1本体部は、前記第1縦ガイド部が取り付けられるベース部と、前記ベース部を支持する柱部と、を備え、
前記柱部は、前記ベース部に着脱可能である、請求項2又は3に記載のマンコンベヤ用運搬具のガイド装置。
【請求項5】
第1横方向に並べられる第1及び第2マンコンベヤ構造体に、請求項1~4の何れか1項に記載のガイド装置を取り付けることと、
マンコンベヤの構成部品を運搬する運搬具を前記第1本体部から前記第2本体部まで前記横ガイド部にガイドさせることによって、前記第1本体部から前記第2本体部まで前記構成部品を運搬することと、を含む、マンコンベヤの製造方法。