(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129527
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】皮膚外用剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9789 20170101AFI20220830BHJP
A61K 36/28 20060101ALI20220830BHJP
A61K 36/23 20060101ALI20220830BHJP
A61K 36/488 20060101ALI20220830BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20220830BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61K36/28
A61K36/23
A61K36/488
A61P17/00
A61Q19/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021028228
(22)【出願日】2021-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000135324
【氏名又は名称】株式会社ノエビア
(72)【発明者】
【氏名】笹岡 美和
【テーマコード(参考)】
4C083
4C088
【Fターム(参考)】
4C083AA082
4C083AA111
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB032
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC302
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC442
4C083AC482
4C083AC582
4C083AC662
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD202
4C083AD282
4C083AD302
4C083AD492
4C083AD572
4C083CC02
4C083CC04
4C083CC05
4C083DD27
4C083DD31
4C083EE12
4C088AB26
4C088AB40
4C088AB59
4C088BA08
4C088MA07
4C088NA14
4C088ZA89
(57)【要約】
【課題】
本発明は特定の植物抽出物を含有したNAD
+産生促進効果を有する皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【解決手段】
下記(A)~(D)を含有する皮膚外用剤を提供する。
(A)ローマカミツレ抽出物
(B)カミツレ抽出物
(C)パセリ抽出物
(D)クズ抽出物
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)~(D)を含有する皮膚外用剤。
(A)ローマカミツレ抽出物
(B)カミツレ抽出物
(C)パセリ抽出物
(D)クズ抽出物
【請求項2】
下記(A)~(D)を有効成分とするNAD+産生促進剤。
(A)ローマカミツレ抽出物
(B)カミツレ抽出物
(C)パセリ抽出物
(D)クズ抽出物
【請求項3】
(A)および(B)から選択される1種又は2種が北海道増毛町湯ノ沢で有機栽培した植物抽出物である請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
(A)および(B)から選択される1種又は2種が北海道増毛町湯ノ沢で有機栽培した植物抽出物である請求項2に記載のNAD+産生促進剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の植物抽出物を含有したNAD+産生促進効果を有する皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)は生体内の様々な酸化還元反応の中心的な役割を果たす補酵素であり、DNA修復やミトコンドリアの機能維持に関わる。NAD+は加齢とともに減少することが知られており(非特許文献1)、NAD+の減少が様々な老化症状や疾患を引き起こすとして、神経変性疾患や代謝性疾患に関わる研究が種々行われている。また、アマチャ抽出物を含有する、NAD+の還元型であるNADHの産生促進剤、及びそのNADH産生促進剤を含有する皮膚外用剤(特許文献1)等が開発されている。
【0003】
植物抽出物を単独で、あるいは併用して皮膚外用剤に配合することは数多く検討されている。しかしながら、特に植物抽出物を併用する場合、植物抽出物を単に併用すれば効果が相乗的に向上するものではなく、相加的に効果が向上するもの、効果を相殺するものなど、その併用による効果は予測不可能な効果である。より少量で、より高い効果の得られる植物抽出物の併用に関するニーズは非常に高い。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Hassina M. et al. Plos One. 2012;7(7):e42357
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は特定の植物抽出物を併用することにより、NAD+の産生が相乗的に増加する効果を発揮する皮膚外用剤および/またはNAD+産生促進剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題を解決する手段は、下記の皮膚外用剤および/またはNAD+産生促進剤を提供することである。
(1)
下記(A)~(D)を含有する皮膚外用剤。
(A)ローマカミツレ抽出物
(B)カミツレ抽出物
(C)パセリ抽出物
(D)クズ抽出物
(2)
下記(A)~(D)を有効成分とするNAD+産生促進剤。
(A)ローマカミツレ抽出物
(B)カミツレ抽出物
(C)パセリ抽出物
(D)クズ抽出物
(3)
(A)および(B)から選択される1種又は2種が北海道増毛町湯ノ沢で有機栽培した植物抽出物である(1)に記載の皮膚外用剤。
(4)
(A)および(B)から選択される1種又は2種が北海道増毛町湯ノ沢で有機栽培した植物抽出物である(2)に記載のNAD+産生促進剤。
【発明の効果】
【0008】
本発明は特定の植物抽出物を併用することにより、NAD+の産生が相乗的に増加する効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、ローマカミツレ抽出物、カミツレ抽出物、パセリ抽出物、及びクズ抽出物を併用することにより、NAD
+の産生が相乗的に増加することを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明を実施するための形態を説明する。
【0011】
[ローマカミツレ]
ローマカミツレ(Anthemis nobilis)は、キク科ローマカミツレ属に属する植物である。
【0012】
本発明で使用するローマカミツレ抽出物は、通常化粧料、皮膚外用剤等に配合されるものを用いることができる。本発明においては北海道増毛町湯ノ沢で有機栽培したローマカミツレから得られる抽出物を用いることもできる。
【0013】
使用し得るローマカミツレの構成部位としては、例えば、葉、茎、花、蕾、地上全草等が挙げられるが、好ましくは花である。
【0014】
市販のローマカミツレ抽出物としては、ROMAN CHAMOMILE HYDROGLYCERIN EXTRACT(BERKEM社製)、ファルコレックス ローマカミツレ B(一丸ファルコス社製)、ローマカミツレ抽出液 BG-50(香栄興業社製)等が挙げられる。
【0015】
本発明の皮膚外用剤への配合量は、皮膚外用剤全量に対し、0.0000001質量%~5質量%が好ましく、0.0000001質量%~1質量%がさらに好ましい。
【0016】
[カミツレ]
カミツレ(Matricaria chamomilla)は、キク科シカギク属に属する植物である。
【0017】
本発明で使用するカミツレ抽出物は、通常化粧料、皮膚外用剤等に配合されるものを用いることができる。本発明においては北海道増毛町湯ノ沢で有機栽培したカミツレから得られる抽出物を用いることもできる。
【0018】
使用し得るカミツレの構成部位としては、例えば、葉、茎、花、蕾、地上全草等が挙げられるが、好ましくは花である。
【0019】
市販のカミツレ抽出物としては、TEGO Natural Matricaria(Evonik Operations GmbH社製)、カミツレエキス-BG(ヤマダ薬研社製)、カミツレ抽出液(丸善製薬社製)、カミツレ抽出液(香栄興業社製)等が挙げられる。
【0020】
本発明の皮膚外用剤への配合量は、皮膚外用剤全量に対し、0.0000001質量%~5質量%が好ましく、0.0000001質量%~1質量%がさらに好ましい。
【0021】
[北海道増毛町湯ノ沢]
北海道の北西部、留萌振興局管内南部にあり、標高1492mの暑寒別岳を含む地域である。本発明においては、増毛町の中でも標高の高い湯の沢地区で栽培することが好ましい。
【0022】
[圃場準備]
定植前に圃場の土壌改質を目的として、有機肥料の施肥を行う。
具体的には、有機肥料として、醗酵鶏糞、油粕、醗酵油粕、骨粉、魚粉、米糠、醗酵米糠、腐葉土、バーク堆肥、苦土石灰、消石灰、ヨウ成リン肥から選択される1種又は2種以上を併用して用いる。
【0023】
醗酵鶏糞、油粕、醗酵油粕、骨粉、魚粉、米糠、醗酵米糠、腐葉土、バーク堆肥、ヨウ成リン肥は、おもに三大栄養素である窒素、リン酸、カリを補給するために使用する。これらは、1種を単独で、若しくは2種以上を併用して用いる。これらの肥料の施肥量は、元の土壌の状態によって増減できる。
【0024】
施肥は、定植前7日以上前に行うことが好ましい。定植前6日以内に行うと、肥料による土壌改善効果が十分ではなく、肥料焼けや、初期の生育不良の原因となる。有機肥料は溝施肥でも、全面施肥でも問題ないが、作業効率の点から全面施肥が好ましい。
【0025】
[定植]
9~12月の積雪がない時期に、株分け又は1~2年、好ましくは1年育苗した苗を定植する。定植は株間20~50cm、畝間30~100cmとすることが栽培効率の点から好ましい。
【0026】
[育成]
春先に、追肥を行うことにより、より成長が見込まれる。また、適宜雑草を除去し、乾燥状態に応じ潅水を行う。
【0027】
[収穫]
ローマカミツレは7~9月頃、カミツレは6~7月頃のそれぞれの開花期にあわせて地上部の収穫を行い、水若しくは湯を用いて洗浄する。保存する場合は、乾燥した条件下で保存する。また、凍結乾燥して保存することも可能である。
【0028】
[パセリ]
パセリ(Petroselinum crispum)は、セリ科オランダゼリ属に属する植物である。
【0029】
本発明で使用するパセリ抽出物は、通常化粧料、皮膚外用剤等に配合されるものを用いることができる。
【0030】
使用し得るパセリの構成部位としては、例えば、葉、茎、花、蕾、地上全草、根等が挙げられるが、好ましくは葉、茎、根である。
【0031】
市販のパセリ抽出物としては、パセリ抽出液(香栄興業社製)、パセリエキス(太陽化学社製)等が挙げられる。
【0032】
本発明の皮膚外用剤への配合量は、皮膚外用剤全量に対し、0.0000001質量%~5質量%が好ましく、0.0000001質量%~1質量%がさらに好ましい。
【0033】
[クズ]
クズ(Pueraria lobata)は、マメ科クズ属に属する植物である。
【0034】
本発明で使用するクズ抽出物は、通常化粧料、皮膚外用剤等に配合されるものを用いることができる。
【0035】
使用し得るクズの構成部位としては、例えば、葉、茎、花、蕾、地上全草、根等が挙げられるが、好ましくは根である。
【0036】
市販のクズ抽出物としては、カッコンエキス N、ファルコレックス カッコン E(いずれも一丸ファルコス社製)等が挙げられる。
【0037】
本発明の皮膚外用剤への配合量は、皮膚外用剤全量に対し、0.0000001質量%~5質量%が好ましく、0.0000001質量%~1質量%がさらに好ましい。
【0038】
[抽出]
上記植物の抽出物を調製する際には、生の植物をそのまま、若しくは乾燥させて用いる。
抽出溶媒としては、水、メタノール,エタノール,プロパノール,イソプロパノール等の低級アルコール、1,3-ブチレングリコール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,グリセリン等の多価アルコール、エチルエーテル,プロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル,酢酸ブチル等のエステル類、アセトン,エチルメチルケトン等のケトン類などの極性有機溶媒を用いることができ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。また、生理食塩水,リン酸緩衝液,リン酸緩衝生理食塩水等を用いてもよい。
上記溶媒による抽出物は、そのままでも用いることができるが、濃縮、乾固したものを水や極性溶媒に再度溶解したり、或いはそれらの皮膚生理機能向上作用を損なわない範囲で脱色、脱臭、脱塩等の精製処理を行ったり、カラムクロマトグラフィーによる分画処理を行った後に用いてもよい。また、抽出物を酸、アルカリ、酵素などを用いて加水分解したものを用いてもよい。また保存のため、精製処理の後凍結乾燥し、用時に溶媒に溶解して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。
抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5~30倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温または還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液から溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られ、この濃縮物をさらに乾燥すると乾燥物が得られる。
【0039】
本発明の皮膚外用剤には、上述の成分の他に、通常の化粧料、医薬部外品に用いられる任意成分を、本発明の効果を阻害しない程度に配合することができる。具体的には、油剤、界面活性剤、増粘剤、防腐剤、香料、保湿剤、抗酸化剤、抗炎症剤、抗菌剤等を挙げることができる。
【0040】
本発明の皮膚外用剤の剤型は、特に限定されず、水系、油系、乳化型等いずれの剤型でもよい。
【0041】
本発明の皮膚外用剤は定法により調製することができる。
【0042】
本発明の皮膚外用剤は、例えば、ローション剤、乳剤、軟膏の剤型で用いることができる。
【0043】
本発明のNAD+産生促進剤は、上記植物抽出物をそのまま用いることができるが、精製水や低級アルコール水溶液、緩衝液等の水性担体、乳濁状担体、ゲル状担体、クリーム等のペースト状担体、粉末状担体等に含有させて、NAD+産生促進剤とすることもできる。
【0044】
本発明のNAD+産生促進剤は、単独でも使用することができるが、化粧料、医薬部外品、医薬品、飲食品などの種々の組成物に配合することにより、NAD+産生促進効果を有する組成物を得ることができる。
【実施例0045】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。
【0046】
まず、実施例等に用いる植物抽出物の調製方法を示す。
【0047】
[ローマカミツレ抽出物]
(1)栽培から収穫
北海道増毛町湯の沢の有機JAS認定圃場にて、ローマカミツレの栽培を行った。9月中旬、定植の1週間前に、有機栽培用鶏糞、有機栽培用米糠、有機栽培用石灰、有機栽培用熔燐、炭酸カルシウム、油粕、バーク堆肥を施肥し、圃場を整備した。定植は株分けした株を株間30cm、畝間90cmとなるように行った。5月上旬、及び7月上旬に、有機栽培用鶏糞、有機栽培用米糠、有機栽培用熔燐、油粕を追肥した。また、適宜雑草を除去した。8月下旬の開花期に花部を収穫し、屋内で風乾した。ある程度乾燥したところで、凍結乾燥を行い、水分を除去した状態で保管した。
(2)ローマカミツレ抽出物の調製
(1)で得られた有機栽培ローマカミツレの花部を乾燥後粉砕し、10質量倍量の95容量%エタノール水溶液に浸漬し、ろ過後ろ液を採取し、エタノールを留去した。凍結乾燥にて抽出物乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末を95容量%エタノール水溶液にエキス純分として0.5質量%となるように溶解後、再度ろ過することにより、ローマカミツレ抽出物を調製した。
【0048】
[カミツレ抽出物]
(1)栽培から収穫
北海道増毛町湯の沢の有機JAS認定圃場にて、カミツレの栽培を行った。秋もしくは春、定植の1週間前に、有機栽培用鶏糞、有機栽培用米糠、有機栽培用石灰、有機栽培用熔燐、炭酸カルシウム、油粕、バーク堆肥を施肥し、圃場を整備した。定植は苗床で育苗した苗を株間30cm、畝間90cmとなるように行った。5月上旬に、有機栽培用鶏糞、有機栽培用米糠、有機栽培用熔燐、油粕を追肥した。また、適宜雑草を除去した。6月下旬の開花期に花部を収穫し、屋内で風乾した。ある程度乾燥したところで、凍結乾燥を行い、水分を除去した状態で保管した。
(2)カミツレ抽出物の調製
(1)で得られた有機栽培カミツレの花部を乾燥後粉砕し、20質量倍量50容量%エタノール水溶液に浸漬し、ろ過後ろ液を採取し、エタノールを留去した。凍結乾燥にて抽出物乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末を50容量%1,3-ブチレングリコールにエキス純分として0.5質量%となるように溶解後、再度ろ過することにより、カミツレ抽出物を調製した。
【0049】
[パセリ抽出物]
乾燥させたパセリの葉を粉砕し、200質量倍量の1,3-ブチレングリコールに浸漬し、ろ過後ろ液を採取し、エキス純分が0.5質量%となるように調整し、パセリ抽出物を調製した。
【0050】
[クズ抽出物]
乾燥させたクズの周皮を除いた根を粉砕し、10質量倍量の無水エタノールに浸漬し、ろ過後ろ液を採取し、溶媒を留去した。得られた抽出物を60質量%1,3-ブチレングリコールにエキス純分として0.3質量%となるように溶解し、クズ抽出物を調製した。
【0051】
[ヒト皮膚線維芽細胞を用いた試験]
ヒト皮膚線維芽細胞を5×105個/ウェルとなるように6ウェルプレートに播種し、0.5%FBSを含むDMEM培地にて24時間培養した。各植物抽出物を所定量添加した0.5%FBSを含むDMEM培地に交換し、37℃、5%CO2インキュベーター内で24時間培養した。採取した細胞から、市販のNAD+測定キット(NAD/NADH Assay Kit-WST)を使用してNADH量および総NAD+/NADH量を測定した。NAD+量は総NAD+/NADH量からNADH量を差し引くことにより算出し、各植物抽出物無添加の場合のNAD+量を1とした相対値で示した。各作用は表1に示した。
【0052】
実施例、比較例は各抽出物のエキス濃度(w/v%)が表1に示す量になるように培地に溶解した。
【0053】
【0054】
表1に示した通り、各植物抽出物単独を添加した比較例1~比較例4と比較し、ローマカミツレ抽出物、カミツレ抽出物、パセリ抽出物、及びクズ抽出物を添加した実施例1では、各植物抽出物の添加エキス濃度が比較例の4分の1量であるにも関わらず、NAD+量が相乗的に増加した。
【0055】
[実施例2]乳液
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)メチルフェニルポリシロキサン 4.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)モノステアリン酸ポリオキシエチレン
ソルビタン(20E.O.) 1.3
(6)モノステアリン酸ソルビタン 1.0
(7)グリセリン 4.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)カルボキシビニルポリマー 0.15
(10)精製水 100とする残部
(11)アルギニン(1質量%水溶液) 20.0
(12)ローマカミツレ抽出物 0.001
(13)カミツレ抽出物 0.01
(14)パセリ抽出物 0.1
(15)クズ抽出物 0.1
製法:(1)~(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)~(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。冷却後40℃にて、(11)~(15)を順次加え、均一に混合する。
【0056】
[実施例3]化粧水
(1)エタノール 15.0(質量%)
(2)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 0.3
(3)香料 0.1
(4)精製水 100とする残部
(5)クエン酸 0.02
(6)クエン酸ナトリウム 0.1
(7)グリセリン 1.0
(8)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(9)ローマカミツレ抽出物 0.0001
(10)カミツレ抽出物 0.0001
(11)パセリ抽出物 0.005
(12)クズ抽出物 0.005
製法:(1)に(2)および(3)を溶解する。さらに(4)~(12)を順次添加した後、十分に攪拌し、均一に混合する。
【0057】
[実施例4]クリーム
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)セタノール 3.6
(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)グリセリン 10.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)アルギニン(20質量%水溶液) 15.0
(10)精製水 100とする残部
(11)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 15.0
(12)ローマカミツレ抽出物 0.001
(13)カミツレ抽出物 0.01
(14)パセリ抽出物 0.05
(15)クズ抽出物 0.05
製法:(1)~(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)~(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。(11)を添加して攪拌後、冷却し40℃にて(12)~(15)を加え、均一に混合する。
【0058】
[実施例5]美容液
(1)精製水 100とする残部(質量%)
(2)グリセリン 10.0
(3)ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(4)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 17.5
(5)アルギン酸ナトリウム(1質量%水溶液) 15.0
(6)モノラウリン酸ポリグリセリル 1.0
(7)マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 3.0
(8)N-ラウロイル-L-グルタミン酸
ジ(フィトステリル-2-オクチルドデシル) 2.0
(9)硬化パーム油 2.0
(10)スクワラン(オリーブ由来) 1.0
(11)ベヘニルアルコール 0.75
(12)ミツロウ 1.0
(13)ホホバ油 1.0
(14)1,3-ブチレングリコール 10.0
(15)L-アルギニン(10質量%水溶液) 2.0
(16)ローマカミツレ抽出物 0.005
(17)カミツレ抽出物 0.005
(18)パセリ抽出物 0.005
(19)クズ抽出物 0.005
製法:(1)~(6)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)~(14)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。次いで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化を行った後、ホモミキサーにて均一に乳化する。冷却後50℃にて(15)を、40℃にて(16)~(19)を加え、均一に混合する。
【0059】
[実施例6]水性ジェル
(1)カルボキシビニルポリマー 0.5(質量%)
(2)精製水 100とする残部
(3)水酸化ナトリウム(10質量%水溶液) 0.5
(4)グリセリン 10.0
(5)1,3-ブチレングリコール 10.0
(6)エタノール 10.0
(7)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(8)香料 0.1
(9)ローマカミツレ抽出物 0.005
(10)カミツレ抽出物 0.005
(11)パセリ抽出物 0.005
(12)クズ抽出物 0.005
製法:(1)を(2)に加え、均一に攪拌した後、(3)を加える。均一に攪拌した後、(4)に予め溶解した(5)を加える。均一に攪拌した後、予め混合しておいた(6)~(12)を加え、均一に攪拌混合する。