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特開2022-129607高周波処置具用ポンプチューブユニット及び送水システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129607
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】高周波処置具用ポンプチューブユニット及び送水システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
A61B18/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021028330
(22)【出願日】2021-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000147785
【氏名又は名称】フォルテ グロウ メディカル株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】521082134
【氏名又は名称】ORTメディカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】アイアット国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】唐澤 幸司
(72)【発明者】
【氏名】竹内 慎一
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK13
4C160KK36
4C160KK57
(57)【要約】
【課題】装置全体を大型化しなくとも、炭酸水を効率的に製造する。
【解決手段】本発明の高周波処置具用ポンプチューブユニットは、ポンプの駆動により、高周波処置具に向けた液体の送り出しを行うポンプチューブを有する高周波処置具用ポンプチューブユニットにおいて、前記高周波処置具は、前記ポンプチューブから送り出された前記液体が流れる可撓性シースと、可撓性シースの先端から突出する高周波ナイフと、を有し、前記ポンプチューブの内径は、前記ポンプチューブから送り出される液体の送り出し量が、前記可撓性シースの先端から吐出される前記液体の吐出量と略同一となるように設定されることを特徴とする。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプの駆動により、高周波処置具に向けた液体の送り出しを行うポンプチューブを有する高周波処置具用ポンプチューブユニットにおいて、
前記高周波処置具は、前記ポンプチューブから送り出された前記液体が流れる可撓性シースと、前記可撓性シースの先端から突出する高周波ナイフと、を有し、
前記ポンプチューブの内径は、前記ポンプチューブから送り出される液体の送り出し量が、前記可撓性シースの先端から吐出される前記液体の吐出量と略同一となるように設定される
ことを特徴とする高周波処置具用ポンプチューブユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の高周波処置具用ポンプチューブユニットにおいて、
前記ポンプは、回転体と、前記回転体の外周縁部に一定角度間隔で配置される複数の押圧部とを有し、
前記ポンプチューブは、前記ポンプに設置され、前記回転体の回転とともに回動する前記複数の押圧部の少なくとも1つのいずれか1つの押圧部による押圧を順次受けることで、前記高周波処置具に向けた液体の送り出しと、新たな液体の引き込みを行うことを特徴とする高周波処置具用ポンプチューブユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の高周波処置具用ポンプチューブユニットにおいて、
前記ポンプチューブの内径は、前記ポンプチューブの内径と前記回転体の1回転当たりのポンプチューブにおける前記液体の送り出し量との関係を示す一次関数に基づいて設定されることを特徴とする高周波処置具用ポンプチューブユニット。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の高周波処置具用ポンプチューブユニットにおいて、
前記可撓性シースの先端から吐出される前記液体の吐出量を80ml/minとし、送水装置における単位時間当たりの送水量を700ml/minとしたとき、前記ポンプチューブの内径を1.8~2.3mmに設定したことを特徴とする高周波処置具用ポンプチューブユニット。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の高周波処置具用ポンプチューブユニットにおいて、
前記ポンプチューブの延出方向における両端部に接続される送水チューブのうち、上流側となる送水チューブに接続され、液体バッグの針注入部に刺し込まれる注入針と、
前記ポンプチューブの延出方向における両端部に接続される送水チューブのうち、下流側となる送水チューブに接続され、内部に疎水性フィルタを有するエア抜き用キャップと、
を有することを特徴とする高周波処置具用ポンプチューブユニット。
【請求項6】
請求項5に記載の高周波処置具用ポンプチューブユニットと、
前記高周波処置具用ポンプチューブユニットの注入針が刺し込まれる針注入部を有する液体バッグと、
前記ポンプチューブが装着されるポンプを有する送水装置と、
前記エア抜き用キャップが外された送水チューブが接続される高周波処置具と、
を有し、
前記送水装置のポンプの駆動時に、前記液体バッグに収納された液体を、前記高周波処置具用ポンプチューブユニットを介して前記高周波処置具に供給し、前記高周波処置具が有する可撓性シースの先端から前記液体を吐出させることを特徴とする送水システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波処置具用ポンプチューブユニット及び送水システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野において、体腔内の目的部位の検査を行う装置として内視鏡が普及している。また、内視鏡を用いた体腔内の目的部位の検査の際に、目的部位の組織や病変部位を切り取る高周波ナイフなどの処置具(以下、高周波処置具)も普及している。高周波処置具は、可撓性シースと、可撓性シース内部に挿通される可撓性コードと、可撓性コードの先端側に設けられるナイフと、ナイフを進退させる操作ハンドルとを備えた装置である。高周波処置具は、高周波電流をナイフに供給する高周波電源装置と接続され、高周波処置具の操作ハンドルに設けた操作ボタンを押下することで、高周波電流がナイフに供給される。また、高周波処置具は、生理食塩水などを収納したシリンジを操作ハンドルに装着可能である。シリンジは、例えば体腔内の目的部位へ生理食塩水を可撓性シースの先端から吐出させて目的部位を洗浄する、又は病変部位を浮き上がらせる際に操作される。
【0003】
ところで、体腔内の目的部位の検査においては、医者等の術者は、一方の手で内視鏡を、他方の手で高周波処置具を操作している。したがって、シリンジの操作は、術者が行うのではなく、看護師などの施術補助者が行っている。なお、シリンジの操作とは、シリンジ本体にプランジャを押し込む操作である。高周波処置具の可撓性シースの内径は例えば0.8~0.9mmと非常に細いことから、プランジャをシリンジ本体に押し込む操作は、力の要る作業となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開2014/061701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
体腔内の目的部位の検査を行う際に高周波処置具を用いる場合、高周波処置具の操作ハンドルにシリンジではなく、送水装置に接続された送水チューブを接続し、送水装置の駆動により、例えば液体バッグ又はタンクに収納された生理食塩水を高周波処置具の可撓性シースの先端から吐出させる方法も考えられている。
【0006】
しかしながら、高周波処置具を、送水チューブを介して送水装置に接続し、送水装置の駆動により、高周波処置具の可撓性シースの先端から生理食塩水を吐出させる場合、予め送水チューブの内部に生理食塩水を充填させる作業が必要で、送水チューブに生理食塩水が充填されるまでにかなりの時間を要する。上述した送水チューブの内径は、高周波処置具の可撓性シースの内径よりも大きいため、送水装置の駆動時には、送水チューブの内圧は大気圧よりも高くなる。送水装置を停止した後、送水チューブの内圧が大気圧まで戻るまでには多くの時間を要する。また、送水チューブの内圧が大気圧まで戻るまでには、高周波処置具の可撓性シースの先端から生理食塩水が出続ける、すなわち水切れが悪いという問題が発生する。したがって、高周波処置具の可撓性シースの先端からの生理食塩水の吐出が停止されるまで、目的部位の周辺における検査や手術を待機する必要がある。その結果、体腔内の目的部位の検査や手術を行う際の効率が悪くなるという問題を引き起こす。
【0007】
本発明は、高周波処置具を用いた検査や手術において、高周波処置具への送水を確実に行い、また、送水装置の停止時における水切れを良くすることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によると、高周波処置具用ポンプチューブユニットは、ポンプの駆動により、高周波処置具に向けた液体の送り出しを行うポンプチューブを有する高周波処置具用ポンプチューブユニットにおいて、前記高周波処置具は、前記ポンプチューブから送り出された前記液体が流れる可撓性シースと、可撓性シースの先端から突出する高周波ナイフと、を有し、前記ポンプチューブの内径は、前記ポンプチューブから送り出される液体の送り出し量が、前記可撓性シースの先端から吐出される前記液体の吐出量と略同一となるように設定されることを特徴とする。
【0009】
また、前記ポンプは、回転体と、前記回転体の外周縁部に一定角度間隔で配置される複数の押圧部とを有し、前記ポンプチューブは、前記ポンプに設置され、前記回転体の回転とともに回動する前記複数の押圧部の少なくとも1つのいずれか1つの押圧部による押圧を順次受けることで、前記高周波処置具に向けた液体の送り出しと、新たな液体の引き込みを行うことを特徴とする。
【0010】
この場合、前記ポンプチューブの内径は、前記ポンプチューブの内径と前記回転体の1回転当たりのポンプチューブの送り出し量との関係を示す一次関数に基づいて設定されることが好ましい。
【0011】
また、前記可撓性シースの先端から吐出される前記液体の吐出量を80ml/minとし、送水装置における単位時間当たりの送水量を700ml/minとしたとき、前記ポンプチューブの内径を1.8~2.3mmに設定したことを特徴とする。
【0012】
また、前記ポンプチューブの延出方向における両端部に接続される送水チューブのうち、上流側となる送水チューブに接続され、液体バッグの針注入部に刺し込まれる注入針と、前記ポンプチューブの延出方向における両端部に接続される送水チューブのうち、下流側となる送水チューブに接続され、内部に疎水性フィルタを有するエア抜き用キャップと、を有することを特徴とする。
【0013】
また、他の観点によると、送水システムは、前記高周波処置具用ポンプチューブユニットの注入針が刺し込まれる針注入部を有する、液体バッグと、前記ポンプチューブが装着されるポンプを有する送水装置と、前記エア抜き用キャップが外された送水チューブが接続される高周波処置具と、を有し、前記送水装置のポンプの駆動時に、前記液体バッグに収納された液体を、前記高周波処置具用ポンプチューブユニットを介して前記高周波処置具に供給し、前記高周波処置具が有する可撓性シースの先端から前記液体を吐出させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、高周波処置具を用いた検査や手術において、高周波処置具への送水を確実に行い、また、送水装置の停止時における水切れを良くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明を実施する送水システムの一構成を示す斜視図である。
図2図2(a)は可撓性シースの先端部の構成を示す図、図2(b)は図2(a)に示すA-A断面図である。
図3】送水装置が有するローラポンプの一構成を示す図である。
図4】ポンプチューブユニットの一構成を示す図である。
図5】ポンプチューブユニットのエア抜き時の状態を示す図である。
図6】ポンプチューブの内径と、ポンプの1回転当たりの送水量との関係を示す図である。
図7図7(a)は内径2.3mmのポンプチューブを用いたときの吐出量の測定結果を示す図、図7(b)は内径2.2mmのポンプチューブを用いたときの吐出量の測定結果、図7(c)は内径2.0mmのポンプチューブを用いたときの吐出量の測定結果、図7(d)は内径1.9mmのポンプチューブを用いたときの吐出量の測定結果、図7(e)は内径1.8mmのポンプチューブを用いたときの吐出量の測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施する送水システムについて、図面を用いて説明する。図1に示すように送水システム10は、高周波処置具15、送水装置16及びポンプチューブユニット17を含む。送水システム10は、一例として、生理食塩水を収納した液体バッグ18から高周波処置具15に向けて送水を行う。
【0017】
高周波処置具15は、内視鏡の鉗子チャンネルに挿通され、後述する可撓性シース21の先端部が内視鏡の挿入部の先端に設けた鉗子口から突出された状態で使用される。また、高周波処置具15は、高周波電源装置と接続され、高周波電源装置からの高周波電流の供給により後述する高周波ナイフ22を高周波で振動させて、体腔内の目的部位の病変の切開や剥離を行う。
【0018】
高周波処置具15は、操作部20、可撓性シース21、高周波ナイフ22、可撓性コード23を含む。操作部20は、本体軸25及びスライダ26を含む。
【0019】
本体軸25は、一方向に延出される軸部材である。本体軸25は、軸線方向における一端部に可撓性シース21が接続される。本体軸25は、軸線方向において、可撓性シース21が接続される一端とは反対側の端部に環状部25aを有する。環状部25aは、高周波処置具15の使用時に、術者の親指を挿通する。
【0020】
本体軸25は、可撓性シース21が接続される一端側において、接続部25bを有する。接続部25bは、後述するポンプチューブユニット17のロックアダプタ66を接続する。これにより、ポンプチューブユニット17から可撓性シース21に生理食塩水を流入させることができる。
【0021】
スライダ26は、本体軸25に嵌合されて、本体軸25の軸線方向に摺動可能な部材である。スライダ26は、可撓性コード23の後端部を連結して保持する。スライダ26に連結される可撓性コード23の後端部は、スライダ26に設けたコネクタ(図示省略)に接続される。なお、コネクタは、高周波電源装置からのケーブルを接続する。これにより、高周波電源装置からの高周波電流が可撓性コード23を介して高周波ナイフ22に供給される。
【0022】
スライダ26は、本体軸25に嵌合される嵌合部26aの両側(詳細には、本体軸25の軸線方向に直交する方向における両側)に、2つの環状部26b,26cを有する。環状部26bは、高周波処置具15の使用時に術者の人差し指を挿通する。環状部26cは、高周波処置具15の使用時に術者の中指を挿通する。
【0023】
図2に示すように、可撓性シース21は、本体軸25に接続される端部とは反対側となる端部(以下、先端部)に、筒部材28を有する。筒部材28は、中央に高周波ナイフ22が挿通される挿通孔28aを有する。なお、挿通孔28aの内径D1は、高周波ナイフ22のロッド部22aの外径D2及び高周波ナイフ22の球状膨出部22bの外径D3よりも大きく設定される。
【0024】
高周波ナイフ22は、ロッド部22a及び球状膨出部22bを含む。ロッド部22aは、可撓性コード23の一端に固定される。また、球状膨出部22bは、体腔内の目的部位に接触した状態で、高周波電源装置からの高周波電流の供給を受けると、高周波で振動して、接触する目的部位を切開する。なお、高周波ナイフ22を、ロッド部22a及び球状膨出部22bを有する構成としているが、高周波ナイフ22の構成はこれに限定されるものではない。
【0025】
可撓性コード23は、可撓性シース21に挿入された状態で、延出方向の一端を操作部20のスライダ26に連結される。また、可撓性コード23は、延出方向の他端に高周波ナイフ22を固定する。可撓性コード23は、スライダ26の摺動により、高周波ナイフ22を可撓性シース21の先端内部に収納する位置と、高周波ナイフ22を可撓性シース21の筒部材28から突出させる位置との間で進退させる。
【0026】
上述した高周波処置具15は、使用時に、術者の親指を本体軸25の環状部25aに、術者の人差し指をスライダ26の環状部26bに、術者の中指をスライダ26の環状部26cに各々挿通した状態で術者に保持される。そして、術者が例えば人差し指及び中指を親指に向けて移動させると、スライダ26が本体軸25の環状部25aに向けて本体軸25の軸線方向に摺動(スライド)する。この動作に合わせて、可撓性シース21の内部に収納された高周波ナイフ22が可撓性シース21の先端に固定された筒部材28から突出する。また、術者が人差し指及び中指を親指から離れる方向に移動させると、スライダ26が本体軸25の環状部25aから離間する方向に、本体軸25の軸線方向に摺動(スライド)する。この動作に合わせて、可撓性シース21の先端に固定された筒部材28から突出した高周波ナイフ22が可撓性シース21の内部に収納される。
【0027】
送水装置16は、自装置が有するローラポンプ30の駆動により、液体バッグ18に貯留される生理食塩水を高周波処置具15に向けて送水する装置である。なお、送水装置16は、不図示のフットスイッチの押圧操作などにより駆動する。
【0028】
図3に示すように、ローラポンプ30は、前面に設けた円弧状のガイド壁32の内側に沿って引き回わした状態となるように、後述するポンプチューブ42を装着する。
【0029】
ローラポンプ30は、回転体35、ローラ36、モータ37を含む。回転体35は、一例として略三角形状の板部材である。なお、回転体35の形状は、軸支するローラ36の数に応じた多角形状の板部材としてもよいし、円板状の部材であってもよい。回転体35は、モータ37の駆動軸37aに固着され、モータ37の駆動時に、図3中反時計方向(B方向)に回転する。
【0030】
ローラ36は、回転体35の回転中心からの距離が同一距離となる位置に各々軸支される。図3においては、ローラ36は、略正三角形状の板部材となる回転体35の各頂点近傍に各々軸支される場合を例示している。つまり、ローラ36は、120°間隔で配置される。
【0031】
ローラ36は、回転体35の回転時に、円弧状のガイド壁32の内側に沿って装着されたポンプチューブ42を円弧状のガイド壁32に向けて押圧しながら(しごきながら)回転する。ローラ36がポンプチューブ42をしごくことにより、ポンプチューブ42の内部の生理食塩水が高周波処置具15に向けて押し出される。また、ポンプチューブ42は、ローラ36によりしごかれた後で元の状態に復帰する。このときに、ポンプチューブ42は、液体バッグ18に収納される生理食塩水を引き込む。上述したように、ローラ36は120°間隔で配置されている。したがって、回転体35が一回転すると、3つのローラ36のすべてのローラにより、上記動作が行われる。
【0032】
ここで、送水装置16における送水量は、例えば内径6.6mm、外径9.7mmのポンプチューブを使用したときに送水される送水量を基準としている。ここで、内径6.6mm、外径9.7mmのポンプチューブを使用したときに送水される送水量は、例えば700ml/minに設定される。このとき、送水装置16における回転体35の回転数は、例えば220rpmである。
【0033】
なお、上述した送水装置16では、複数のローラ36を一定角度間隔で回転体35に軸支したローラポンプ30を設けた場合を説明しているが、例えば、回転体の外方に突出する押圧片を一定角度間隔で、回転体の外周縁部に設けたポンプを備えた送水装置であってもよい。
【0034】
図1に戻って、送水システム10では、液体バッグ18に貯留される生理食塩水は、送水装置16が駆動する間、送水装置16に設置されたポンプチューブユニット17を介して高周波処置具15に送水される。
【0035】
図4に示すように、ポンプチューブユニット17は、フィルタ付き送水チューブ41、ポンプチューブ42、送水チューブ43及びエア抜き用キャップ44を含む。
【0036】
フィルタ付き送水チューブ41は、フィルタ装置51、プラスチックニードル52、送水チューブ53,54を含む。フィルタ装置51は、液体バッグ18から送水される生理食塩水を濾過して、生理食塩水に含まれる異物を除去する。フィルタ装置51は、ケース56、ケース56に収納されるフィルタ本体57を含む。ケース56は、両端が開口された筒状の部材である。ケース56の材質は、透明または半透明の合成樹脂材又はガラスなどである。なお、ケース56は、内径17.0mm、外径20.0mmである。フィルタ本体57は、底面が開口され、円錐面にフィルタ網を形成した略円錐形状の部材である。フィルタ本体57は、略円錐の底面が下流側に配置されるようにケース56の内部に固定される。
【0037】
プラスチックニードル52は、生理食塩水が封入された液体バッグ18の針注入部18aに差し込まれる(図1参照)。プラスチックニードル52は、ポンプチューブユニット17の未使用時には、プラスチックキャップ58が装着されて針部52aを被覆した状態で保持する。プラスチックニードル52は、ポンプチューブユニット17の使用時には、プラスチックキャップ58が取り外されて針部52aを露呈させた状態となる。針部52aは、液体バッグ18の針注入部18aに差し込まれる。
【0038】
プラスチックニードル52の針部52aは、先端に開口52bを有しており、針部52aを液体バッグ18の針注入部18aに差し込むと、針部52aの開口52bから液体バッグ18に収納される生理食塩水がフィルタ付き送水チューブ41に流れ込む。
【0039】
送水チューブ53,54は、例えばポリ塩化ビニル樹脂(PVC)を材質としたチューブである。送水チューブ53は、内径D5=3.4mm、外径D6=5.1mmである。また、送水チューブは、内径D7=2.6mm、外径D8=3.8mmである。
【0040】
送水チューブ53は、チューブの延出方向における一端側をプラスチックニードル52に固着される。また、送水チューブ53は、チューブの延出方向における一端側をフィルタ装置51の上流側に固着したジョイント61に固着される。
【0041】
送水チューブ54は、チューブの延出方法における一端部を、フィルタ装置51の下流側に固着したジョイント62に固着される。また、送水チューブ54は、フィルタ装置51に接続される一端部とは反対側となる端部を、ポンプチューブ42の上流側端部に固着したジョイント64に固着される。
【0042】
ポンプチューブ42は、ローラポンプ30に設けた円弧状のガイド壁32の内周面に沿って引き回される部材である。ポンプチューブ42は、例えばポリ塩化ビニル樹脂(PVC)から製造される。また、ポンプチューブ42の内径D9や外径D10は、ポンプチューブユニット17による送水量が高周波処置具15の可撓性シース21の先端(詳細には、筒部材28の挿通孔28a)から吐出される生理食塩水の吐出量と略同一となるように設定される。詳細にはポンプチューブ42は、内径D9=2.2mm、外径D10=5.5mmである。
【0043】
送水チューブ43は、チューブの延出方向における一端部を、ポンプチューブ42の下流側端部に固着したジョイント65に固着される。また、送水チューブ43は、ジョイント65に固着される端部とは反対側の端部にロックアダプタ(ルアーコネクタ)66を固着する。送水チューブ43は、例えばポリ塩化ビニル樹脂(PVC)から製造される。送水チューブ43は、内径D11=2.6mm、外径D12=3.8mmである。
【0044】
エア抜き用キャップ44は、ロックアダプタ66に装着される。エア抜き用キャップ44は、ポンプチューブユニット17におけるエア抜き作業時に、送水チューブ43から送り出された生理食塩水を貯留し、ポンプチューブユニット17の内部に存在する空気を、エア抜き用キャップが内部に保持する疎水性フィルタを介して排出する。なお、エア抜き用キャップ44は、ポンプチューブユニット17を高周波処置具15に接続する際に、ロックアダプタ66から取り外される。
【0045】
上述したポンプチューブユニット17は、以下のように使用される。まず、ポンプチューブユニット17は、エア抜きされる。環状に巻き回されてバンドやテープなどで留められたポンプチューブユニット17は、プラスチックキャップ58からプラスチックニードル52を取り外される。そして、プラスチックニードル52の針部52aは液体バッグ18の針注入部18aに突き刺される。その後、図5に示すように、液体バッグ18は点滴スタンド70などに吊り下げられる。このとき、ポンプチューブユニット17は、液体バッグ18とともに点滴スタンド70に吊り下げてもよい。
【0046】
この状態においては、液体バッグ18に収納される生理食塩水は、生理食塩水自体の自重により、プラスチックニードル52の針部52aの開口52bに流れ込む。その結果、ポンプチューブユニット17の内部の空気は、プラスチックニードル52の針部52aの開口52bから流れ込む生理食塩水によってエア抜き用キャップ44に向けて移動する。上述したように、エア抜き用キャップ44は疎水性フィルタを有している。したがって、エア抜き用キャップ44に向けて移動する空気は、エア抜き用キャップ44の内部に設けた疎水性フィルタを透過して外部に排出される。一方、生理食塩水は、エア抜き用キャップ44の内部に流れ込むが、生理食塩水は疎水性フィルタを透過できないので、エア抜き用キャップ44の内部に貯留される。エア抜き用キャップ44に生理食塩水が貯留されたことを受けて、ポンプチューブユニット17のエア抜きが終了する。
【0047】
このように、ポンプチューブユニット17のエア抜きは、プラスチックニードル52の針部52aを液体バッグ18の針注入部18aに突き刺した状態で液体バッグ18(又は、液体バッグ18及びポンプチューブユニット17)を吊り下げて保持した後、エア抜き用キャップ44に生理食塩水が貯留されたことを確認するという簡単な作業で済む。
【0048】
エア抜き作業が終了した後、ポンプチューブユニット17のポンプチューブ42は、送水装置16に取り付けられる。ポンプチューブ42を送水装置16に取り付けた後、エア抜き用キャップ44がロックアダプタ66から取り外される。エア抜き用キャップ44が取り外されたロックアダプタ66は、高周波処置具15の接続部25bに接続する。これにより、不図示のフットスイッチの押圧操作により送水装置16を駆動したときに、液体バッグ18に収納された生理食塩水が、ポンプチューブユニット17を介して、高周波処置具15の可撓性シース21の先端から吐出される。これにより、体腔内の目的部位の洗浄や、目的部位に存在する病変を浮き上がらせることができる。また、吐出される生理食塩水の吐出経路に高周波ナイフ22があることから、吐出される生理食塩水によって高周波ナイフ22を冷却することができる。
【0049】
不図示のフットスイッチの押圧操作を停止すると、送水装置16の駆動が停止され、高周波処置具15の可撓性シース21の先端からの生理食塩水の吐出が停止される。このとき、ポンプチューブ42における生理食塩水の送水量を、高周波処置具15の可撓性シース21の先端からの送水量(吐出量)に近づけるように、ポンプチューブ42の内径を設定することで、送水装置16を駆動したときに、ポンプチューブ42の内圧を抑えることができる。ポンプチューブ42の内圧を抑えることで、送水装置16の駆動を停止したときに、高周波処置具15の可撓性シース21の先端からの水垂れの発生を抑制することが可能となる。
【0050】
次に、ポンプチューブ42の選定について説明する。上述したように、送水装置16における送水量は、例えば内径D9=6.6mm、外径D10=9.7mmのポンプチューブを使用したときに送水される送水量、すなわち、例えば700ml/minに設定される。また、送水装置16における回転体35の回転数は220rpmである。
【0051】
図6は、ポンプチューブ42の内径と、送水装置16の回転体35の1回転当たりの送水量との関係をまとめたものである。図6中点線で示す線は、理論値から得られる直線(理論線L1)であり、図6中実線で示す線は、実際に計測を行うことで得られる直線(実測線L2)である。
【0052】
ポンプチューブ42から送り出される液体の送水量は、例えば送水装置16に装着されるポンプチューブ42の内径D9と、ローラポンプ30の回転体35が1回転したときに、ポンプチューブ42がしごかれる長さとから求められることができる。したがって、理論線は、ポンプチューブ42の内径D9と、ポンプチューブ42の内径D9を変化させることで得られる送水量とから求められる。
【0053】
なお、実測線L2は、例えば内径D9=6.6mm、外径D10=9.7mmのポンプチューブ42、内径D9=3.4mm、外径D10=6.7mmのポンプチューブ42及び内径D9=2.6mm、外径D10=5.9mmのポンプチューブ42を用いたときの送水量から求めている。
【0054】
ここで、理論線L1と、実測線L2とにずれが生じているのは、しごかれたポンプチューブ42が元の状態に戻るときに、ポンプチューブ42が液体を吸引する力、すなわち、ポンプチューブ42の弾性力が一定ではないこと、また、吸引される液体とポンプチューブの内周面との間に粘性が作用することが考えられる。
【0055】
例えば高周波処置具15の可撓性シース21の先端に固定される筒部材28の挿通孔28aの内径D1を0.8~0.9mmとしたとき、筒部材28の挿通孔28aから吐出される液体の排水量は、例えば80ml/minであると想定される。この場合、送水装置16の回転体35の1回転当たりの送水量は0.36mlとなる。図6に示す実測線L2を参照すると、ポンプチューブ42の内径は2.3mmである。
【0056】
そこで、内径D9=2.3mm、外径D10=5.6mmのポンプチューブ42及び内径D9=2.2mm、外径D10=5.5mmのポンプチューブ42の他、内径D9=2.0mm、外径D10=5.4mmのポンプチューブ42、内径D9=1.9mm、外径D10=5.4mmのポンプチューブ42及び内径D9=1.8mm、外径D10=5.4mmのポンプチューブ42の計5種類のポンプチューブを用いたポンプチューブユニット17をそれぞれ製造し、これらポンプチューブユニット17を用いて、高周波処置具15の可撓性シース21の先端から吐出する吐出量(送水量)を測定した。同時に、送水装置16を停止したときに、高周波処置具15の可撓性シース21の先端からの水垂れ(残水)の有無を検証した。
【0057】
まず、内径D9=2.3mm、外径D10=5.6mmのポンプチューブ42を採用したポンプチューブユニット17を使用して、液体の吐出量を計測した。また、液体の吐出量は30秒間隔で測定した。また、30秒経過したときの変化量から、高周波処置具15の可撓性シース21の先端から吐出される平均吐出量を求めている。
【0058】
図7(a)に示すように、高周波処置具15の可撓性シース21の先端から吐出される液体の吐出量の平均は47.6mlであった。つまり、1分あたりの液体の吐出量の平均は95.2ml/minである。また、送水装置16を、30秒経過後、60秒経過後、90秒経過後、120秒経過後及び150秒経過後の各々で停止させると、各々の場合で、水垂れはわずかに発生した。
【0059】
次に、内径D9=2.2mm、外径D10=5.5mmのポンプチューブ42を採用したポンプチューブユニット17を使用して、液体の吐出量を計測した。また、液体の吐出量は30秒間隔で測定した。また、30秒経過したときの変化量から、高周波処置具15の可撓性シース21の先端から吐出される平均の吐出量を求めている。
【0060】
図7(b)に示すように、高周波処置具15の可撓性シース21の先端から吐出される液体の吐出量の平均は43.2mlであった。つまり、1分あたりの液体の吐出量の平均は86.4ml/minである。また、送水装置16を、30秒経過後、60秒経過後、90秒経過後、120秒経過後及び150秒経過後の各々で停止させると、各々の場合で、水垂れはわずかに発生した。
【0061】
次に、内径D9=2.0mm、外径D10=5.4mmのポンプチューブ42を採用したポンプチューブユニット17を使用して、液体の吐出量を計測した。また、液体の吐出量は30秒間隔で測定した。また、30秒経過したときの変化量から、高周波処置具15の可撓性シース21の先端から吐出される平均の吐出量を求めている。
【0062】
図7(c)に示すように、高周波処置具15の可撓性シース21の先端から吐出される液体の吐出量の平均は37.4mlであった。つまり、1分あたりの液体の吐出量の平均は74.8ml/minである。また、送水装置16を、30秒経過後、60秒経過後、90秒経過後、120秒経過後及び150秒経過後の各々で停止させると、各々の場合で、水垂れが多少発生した。
【0063】
次に、内径D9=1.9mm、外径D10=5.4mmのポンプチューブ42を採用したポンプチューブユニット17を使用して、液体の吐出量を計測した。また、液体の吐出量は30秒間隔で測定した。また、30秒経過したときの変化量から、高周波処置具15の可撓性シース21の先端から吐出される平均の吐出量を求めている。
【0064】
図7(d)に示すように、高周波処置具15の可撓性シース21の先端から吐出される液体の吐出量の平均は35mlであった。つまり、1分あたりの液体の吐出量の平均は70ml/minである。また、送水装置16を、30秒経過後、60秒経過後、90秒経過後、120秒経過後及び150秒経過後の各々で停止させると、各々の場合で、水垂れはほとんど発生しなかった。
【0065】
最後に、内径D9=1.8mm、外径D10=5.4mmのポンプチューブ42を採用したポンプチューブユニット17を使用して、液体の吐出量を計測した。また、液体の吐出量は30秒間隔で測定した。また、30秒経過したときの変化量から、高周波処置具15の可撓性シース21の先端から吐出される平均の吐出量を求めている。
【0066】
図7(e)に示すように、高周波処置具15の可撓性シース21の先端から吐出される液体の吐出量の平均は31.6mlであった。つまり、1分あたりの液体の吐出量の平均は63.2ml/minである。また、送水装置16を、30秒経過後、60秒経過後、90秒経過後、120秒経過後及び150秒経過後の各々で停止させると、各々の場合で、水垂れはほとんど発生しなかった。
【0067】
以上の結果から、上述した5種類のポンプチューブ42を採用したポンプチューブユニット17の各々で、水垂れの発生が抑制されることがわかった。つまり、ポンプチューブ42の内径D9は1.8~2.3mmの範囲であれば、高周処置具用のポンプチューブユニット17のポンプチューブ42として採用できることがわかった。上述したように、高周波処置具15の可撓性シース21の先端から吐出される液体の吐出量として80ml/minを想定している。したがって、上述した5種類のポンプチューブ42のうち、送水時にポンプチューブ42自体に負荷がかからず、また、水垂れがほぼ発生していない、内径D9=1.9mm、外径D10=5.4mmのポンプチューブ42を採用することが最も適切であると判断できる。
【0068】
なお、図示は省略するが、内径D9=2.6mm、外径D10=5.9mmのポンプチューブ42を用いた場合、液体の吐出量の平均は120ml/minとなる。上述したように、高周波処置具15の可撓性シース21の先端から吐出される液体の吐出量として80ml/minを想定しているので、内径D9=2.6mm、外径D10=5.9mmのポンプチューブ42を採用することは適切ではないと判断できる。
【0069】
なお、高周波処置具15の可撓性シース21の先端から吐出される液体の吐出量として80ml/minを想定した上で、ポンプチューブ42の内径D9及び外径D10を設定する場合について説明しているが、高周波処置具15の可撓性シース21の先端から吐出される液体の吐出量は高周波処置具15における液体の吐出性能によって適宜設定することが可能である。したがって、高周波処理具15における液体の吐出性能がわかっている場合には、図6に示す実測線を用いて、ポンプチューブ42の内径D9を求めることができる。
【0070】
(本実施の形態における効果など)
上記に記載したポンプチューブユニット17は、ローラポンプ30の駆動により、高周波処置具15に向けた液体の送り出しを行うポンプチューブ42を有するポンプチューブユニット17において、高周波処置具15は、ポンプチューブ42から送り出された液体が流れる可撓性シース21と、可撓性シース21の先端から突出する高周波ナイフ22と、を有し、ポンプチューブ42の内径は、ポンプチューブ42から送り出される液体の送り出し量が、可撓性シース21の先端から吐出される液体の吐出量と略同一となるように設定されることを特徴とする。
【0071】
上記構成によれば、ローラポンプ30が駆動したときに、ポンプチューブ42により送り出される液体によるポンプチューブ42の内部の圧力の上昇が抑制される。ポンプチューブ42の内部の圧力の上昇は、ローラポンプ30の停止時における可撓性シース21の先端における水切れの悪さの原因となる。したがって、ポンプチューブ42により送り出される液体によるポンプチューブ42の内部の圧力の上昇を抑えることで、ローラポンプ30の停止時における可撓性シース21の先端における水切れの悪さを改善することができる。
【0072】
また、ローラポンプ30は、回転体35と、回転体35の外周縁部に一定角度間隔で配置される複数のローラ36とを有し、ポンプチューブ42は、ローラポンプ30に設置され、回転体35の回転とともに回動する複数のローラ36の少なくとも1つのいずれか1つによる押圧を順次受けることで、高周波処置具15に向けた液体の送り出しと、新たな液体の引き込みを行うことを特徴とする。
【0073】
この構成によれば、ポンプチューブ42により送り出される液体によるポンプチューブ42の内部の圧力の上昇が抑制されるので、複数のローラ36の各々によってポンプチューブ42がしごかれることでのポンプチューブ42の割れや破損を防止することができる。
【0074】
また、ポンプチューブ42の内径は、ポンプチューブ42の内径と回転体35の1回転当たりのポンプチューブ42による液体の送り出し量との関係を示す一次関数に基づいて設定されることが好ましい。
【0075】
この構成によれば、高周波処置具15の可撓性シース21の先端からの吐出量が分かれば、回転体35の1回転当たりのポンプチューブ42による液体の送り出し量や、ポンプチューブ42の内径を容易に設定することができる。
【0076】
また、可撓性シース21の先端から吐出される液体の吐出量を80ml/minとし、送水装置16における単位時間当たりの送水量を700ml/minとしたとき、ポンプチューブ42の内径を1.8~2.3mmに設定したことを特徴とする。
【0077】
この構成によれば、高周波処置具15の可撓性シース21の先端からの吐出量と、ポンプチューブ42により送り出される送水量を、略同一に設定することができるので、送水装置16の停止時に、高周波処置具15の可撓性シース21の先端における水切れの悪さを改善することができる。
【0078】
また、ポンプチューブ42の延出方向における両端部に接続される送水チューブ43,53のうち、上流側となる送水チューブ53に接続され、液体バッグ18の針注入部18aに刺し込まれるプラスチックニードル52と、ポンプチューブ42の延出方向における両端部に接続される送水チューブ43,53のうち、下流側となる送水チューブ43に接続され、内部に疎水性フィルタを有するエア抜き用キャップ44と、を有することを特徴とする。
【0079】
この構成によれば、プラスチックニードル52を液体バッグ18の針注入部18aに刺し込むだけで、ポンプチューブユニット17のエア抜き作業を簡易に行うことができる。
【0080】
また、他の観点によると、送水システム10は、ポンプチューブユニット17のプラスチックニードル52が刺し込まれる針注入部18aを有する液体バッグと、ポンプチューブ42が装着されるローラポンプ30を有する送水装置16と、エア抜き用キャップ44が外された送水チューブ43が接続される高周波処置具15と、を有し、送水装置16のローラポンプ30の駆動時に、液体バッグ18に収納された液体を、ポンプチューブユニット17を介して高周波処置具15に供給し、高周波処置具15が有する可撓性シース21の先端から液体を吐出させることを特徴とする。
【0081】
この構成によれば、高周波処置具15を用いた検査や手術において、高周波処置具15への送水を確実に行い、また、送水装置16の停止時における水切れを良くすることが可能となる。
【符号の説明】
【0082】
10…送水システム
15…高周波処置具
16…送水装置
17…ポンプチューブユニット
18…液体バッグ
21…可撓性シース
42…ポンプチューブ
44…エア抜き用キャップ
52…プラスチックニードル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7