(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129652
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】監視システムおよび監視システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/232 20060101AFI20220830BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20220830BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
H04N5/232 290
H04N7/18 D
H04N7/18 E
H04N5/222 100
H04N5/232 990
H04N5/232 030
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021028411
(22)【出願日】2021-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】特許業務法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 慶輔
(72)【発明者】
【氏名】会沢 広地
(72)【発明者】
【氏名】木谷 嘉孝
【テーマコード(参考)】
5C054
5C122
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054CF06
5C054CF07
5C054CG01
5C054EA01
5C054EA05
5C054FC01
5C054FC12
5C054FD07
5C054FE12
5C054FF02
5C054HA19
5C122DA11
5C122EA55
5C122EA58
5C122EA63
5C122EA66
5C122FH11
5C122GA23
5C122GC14
5C122GD01
5C122GD06
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】センタリング位置がずれた際に発生するソフトウェア改修費などのコストを削減し、ソフトウェア改修を原因とするバグの発生を防止する技術を提供する。
【解決手段】監視システムは、監視カメラと、監視システムサーバと、監視端末装置とを備える。そして、監視システムサーバは、ずれ検知動作時に、初期設定時に登録した位置に監視カメラを移動させ、監視カメラが撮影した画像と、初期設定時に監視カメラが撮影した画像とを比較し、監視カメラが撮影した画像と、初期設定時に監視カメラが撮影した画像とのずれが閾値を超えた場合に、キャリブレーションが必要であると判定する。また、監視システムサーバは、初期設定時に、監視端末装置により指示された位置に監視カメラを移動させ、監視端末装置により指示された位置を登録し、監視カメラが撮影した画像を登録する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視カメラと、
監視システムサーバと、
監視端末装置と、
を備える監視システムであって、
前記監視システムサーバは、ずれ検知動作時に、
初期設定時に登録した位置に前記監視カメラを移動させ、
前記監視カメラが撮影した画像と、初期設定時に前記監視カメラが撮影した画像とを比較し、
前記監視カメラが撮影した画像と、初期設定時に前記監視カメラが撮影した画像とのずれが閾値を超えた場合に、キャリブレーションが必要であると判定する、
監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載の監視システムであって、
前記監視システムサーバは、初期設定時に、
前記監視端末装置により指示された位置に前記監視カメラを移動させ、
前記監視端末装置により指示された位置を登録し、
前記監視カメラが撮影した画像を登録する、
監視システム。
【請求項3】
請求項2に記載の監視システムであって、
前記監視システムサーバは、初期設定時に、
前記監視カメラが撮影した画像の中心の所定の領域を閾値だけ拡張した領域を登録し、
前記監視システムサーバは、ずれ検知動作時に、
前記監視カメラが撮影した画像の中心の所定の領域と、初期設定時に登録した画像とを比較し、
前記監視カメラが撮影した画像の中心の所定の領域が、初期設定時に登録した画像に包含されなければ、前記監視カメラが撮影した画像と、初期設定時に前記監視カメラが撮影した画像とのずれが閾値を超えたことを検知する、
監視システム。
【請求項4】
請求項2に記載の監視システムであって、
前記監視システムサーバは、初期設定時に、
前記監視カメラが撮影した画像の中心の所定の領域を登録し、
前記監視システムサーバは、ずれ検知動作時に、
前記監視カメラが撮影した画像の中心の所定の領域を閾値だけ拡張した領域と、初期設定時に登録した画像とを比較し、
前記監視カメラが撮影した画像の中心の所定の領域を閾値だけ拡張した領域が、初期設定時に登録した画像を包含しなければ、前記監視カメラが撮影した画像と、初期設定時に前記監視カメラが撮影した画像とのずれが閾値を超えたことを検知する、
監視システム。
【請求項5】
監視カメラと、
監視システムサーバと、
監視端末装置と、
を備える監視システムの制御方法であって、
ずれ検知動作時に、
前記監視システムサーバが、初期設定時に登録した位置に前記監視カメラを移動させるステップと、
前記監視システムサーバが、前記監視カメラが撮影した画像と、初期設定時に前記監視カメラが撮影した画像とを比較するステップと、
前記監視システムサーバが、前記監視カメラが撮影した画像と、初期設定時に前記監視カメラが撮影した画像とのずれが閾値を超えた場合に、キャリブレーションが必要であると判定するステップと、
を実行する監視システムの制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の監視システムの制御方法であって、
初期設定時に、
前記監視システムサーバが、前記監視端末装置により指示された位置に前記監視カメラを移動させるステップと、
前記監視システムサーバが、前記監視端末装置により指示された位置を登録するステップと、
前記監視システムサーバが、前記監視カメラが撮影した画像を登録するステップと、
を実行する監視システムの制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の監視システムの制御方法であって、
初期設定時に、
前記監視システムサーバが、前記監視カメラが撮影した画像の中心の所定の領域を閾値だけ拡張した領域を登録するステップ、
を実行し、
ずれ検知動作時に、
前記監視システムサーバが、前記監視カメラが撮影した画像の中心の所定の領域と、初期設定時に登録した画像とを比較するステップと、
前記監視システムサーバが、前記監視カメラが撮影した画像の中心の所定の領域が、初期設定時に登録した画像に包含されなければ、前記監視カメラが撮影した画像と、初期設定時に前記監視カメラが撮影した画像とのずれが閾値を超えたことを検知するステップと、
を実行する監視システムの制御方法。
【請求項8】
請求項6に記載の監視システムの制御方法であって、
初期設定時に、
前記監視システムサーバが、前記監視カメラが撮影した画像の中心の所定の領域を登録するステップ、
を実行し、
ずれ検知動作時に、
前記監視システムサーバが、前記監視カメラが撮影した画像の中心の所定の領域を閾値だけ拡張した領域と、初期設定時に登録した画像とを比較するステップと、
前記監視システムサーバが、前記監視カメラが撮影した画像の中心の所定の領域を閾値だけ拡張した領域が、初期設定時に登録した画像を包含しなければ、前記監視カメラが撮影した画像と、初期設定時に前記監視カメラが撮影した画像とのずれが閾値を超えたことを検知するステップと、
を実行する監視システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視システムおよび監視システムの制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
監視システムにおける画面センタリング技術とは、監視カメラが撮影した画像をパーソナルコンピュータなどの監視端末装置のモニタリング画面に表示し、ユーザがモニタリング画面上の任意の位置を例えばマウスでクリックして指定することで、クリックして指定した位置が自動的にモニタリング画面の中心となるように、監視システムのサーバが監視カメラのパン・チルト機構へ制御コマンドを送信して監視カメラの方向を制御する技術である。
【0003】
画面センタリング技術では、監視カメラ固有の制御パラメータを適用した画面センタリング専用の計算式を用いることで、パン・チルト機構の制御量を算出している。そして、画面センタリング技術では、監視カメラのパン・チルト機構の劣化などが原因となり、クリックして指定した位置と画面センタリング後のモニタリング画面の中心とがずれてしまう場合がある。例えば、パン・チルト機構のモータの劣化により、パン・チルト機構に与えた制御量とパン・チルト機構の実際の移動量とがずれてしまう場合がある。
【0004】
特許文献1には、カメラで所定の場所を撮影した参照画像と、参照画像撮影後にカメラで参照画像と同じ場所を撮影した対象画像のエッジを抽出し、エッジ抽出画像を用いて参照画像に対する対象画像のずれ量を算出し、対象画像の画角ずれを補正することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の画面センタリング技術では、センタリング位置がずれるたびに専門の知識を有するエンジニアが制御パラメータを書き直す必要があり、ソフトウェア改修費などのコストが発生するといった課題があった。また、ソフトウェア改修を原因とするバグが発生する可能性があるといった課題もあった。
【0007】
そこで、本発明では、センタリング位置がずれた際に発生するソフトウェア改修費などのコストを削減し、ソフトウェア改修を原因とするバグの発生を防止する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、代表的な本発明の監視システムの一つは、監視カメラと、監視システムサーバと、監視端末装置とを備える。そして、監視システムサーバは、ずれ検知動作時に、初期設定時に登録した位置に監視カメラを移動させ、監視カメラが撮影した画像と、初期設定時に監視カメラが撮影した画像とを比較し、監視カメラが撮影した画像と、初期設定時に監視カメラが撮影した画像とのずれが閾値を超えた場合に、キャリブレーションが必要であると判定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、センタリング位置がずれた際に発生するソフトウェア改修費などのコストを削減し、ソフトウェア改修を原因とするバグの発生を防止することができる。
【0010】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の発明を実施するための形態における説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る監視システムの構成を示す図である。
【
図2】実施形態に係る監視システムサーバの初期設定時の処理を示すフローチャートである。
【
図3】実施形態に係る監視システムサーバのずれ検知動作時の処理を示すフローチャートである。
【
図4】初期設定時に監視カメラが撮影した画像を模式的に示す図である。
【
図5】ずれ検知動作時に監視カメラが撮影した画像を模式的に示す図である。
【
図6】変形例におけるずれ検知動作時に監視カメラが撮影した画像を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
【0013】
図1を参照して、実施形態に係る監視システムの構成について説明する。
図1は、実施形態に係る監視システムの構成を示す図である。
【0014】
監視システムは、監視カメラ101と、ネットワーク102と、監視システムサーバ103と、監視端末装置104から構成されている。
【0015】
監視カメラ101は、撮影した画像を監視端末装置104へ送信することができる。また、監視カメラ101は、撮影した画像を監視システムサーバ103へも送信することができる。
【0016】
ネットワーク102は、監視カメラ101、監視システムサーバ103、監視端末装置104の間で情報を伝送することができる。
【0017】
監視システムサーバ103は、ずれ検知動作時に監視カメラ101が撮影した画像と、初期設定時に監視カメラ101が撮影した画像とを比較して、キャリブレーションの要否を判定することができる。
【0018】
監視端末装置104は、監視カメラ101から受信した画像を表示することができる。
【0019】
監視システムサーバ103は、制御コマンド受信部105と、カメラ制御部106と、画像受信部107と、プリセット位置登録部108と、閾値登録部109と、画像登録部110と、周期登録部111と、画像比較部112と、ずれ検知部113と、キャリブレーション要否判定部114を備える。
【0020】
制御コマンド受信部105は、監視端末装置104が送信した制御コマンドを受信することができる。
【0021】
カメラ制御部106は、監視カメラ101を制御することができる。
【0022】
画像受信部107は、監視カメラ101が送信した画像を受信することができる。
【0023】
プリセット位置登録部108は、画面センタリングのずれ検知を行うためのプリセット位置を登録することができる。プリセット位置は、パン、チルト、フォーカス、ズームの情報を含んでもよい。
【0024】
閾値登録部109は、画面センタリングのずれ検知を行うための閾値を登録することができる。
【0025】
画像登録部110は、初期設定時にプリセット位置において監視カメラ101が撮影した画像を登録することができる。
【0026】
周期登録部111は、画面センタリングのずれ検知を行う時刻や周期を登録することができる。
【0027】
画像比較部112は、ずれ検知動作時にプリセット位置において監視カメラ101が撮影した画像と、初期設定時にプリセット位置において監視カメラ101が撮影した画像とを比較することができる。
【0028】
ずれ検知部113は、ずれ検知動作時にプリセット位置において監視カメラ101が撮影した画像と、初期設定時にプリセット位置において監視カメラ101が撮影した画像とのずれを検知することができる。
【0029】
キャリブレーション要否判定部114は、画面センタリングの制御パラメータのキャリブレーションの要否を判定することができる。
【0030】
監視端末装置104は、画像表示部115と、制御コマンド送信部116を備える。
【0031】
画像表示部115は、監視カメラ101から受信した画像を表示することができる。
【0032】
制御コマンド送信部116は、制御コマンドを監視システムサーバ103へ送信することができる。
【0033】
図2を参照して、実施形態に係る監視システムサーバ103の初期設定時の処理について説明する。
図2は、実施形態に係る監視システムサーバ103の初期設定時の処理を示すフローチャートである。
【0034】
ステップ201では、制御コマンド受信部105が、監視端末装置104から監視カメラ101の移動を指示する制御コマンドを受信する。
【0035】
ステップ202では、カメラ制御部106が、監視端末装置104から受信した制御コマンドに基づいて、監視カメラ101を移動させる。
【0036】
ステップ203では、プリセット位置登録部108が、監視カメラ101の位置を、画面センタリングのずれ検知を行うためのプリセット位置として、登録する。プリセット位置の決定は、ユーザが、監視端末装置104から指示してもよい。
【0037】
ステップ204では、閾値登録部109が、画面センタリングのずれ検知を行うための閾値を登録する。閾値は、ユーザが、監視端末装置104から入力してもよい。
【0038】
ステップ205では、画像登録部110が、プリセット位置において監視カメラ101が撮影した画像を登録する。
【0039】
ステップ206では、周期登録部111が、画面センタリングのずれ検知を行う時刻や周期を登録する。時刻や周期は、ユーザが、監視端末装置104から入力してもよい。
【0040】
図3を参照して、実施形態に係る監視システムサーバ103のずれ検知動作時の処理について説明する。
図3は、実施形態に係る監視システムサーバ103のずれ検知動作時の処理を示すフローチャートである。監視システムサーバ103は、画面センタリングのずれ検知を行う時刻や周期に到達すると、処理を開始する。
【0041】
ステップ301では、カメラ制御部106が、プリセット位置へ監視カメラ101を移動させる。
【0042】
ステップ302では、画像比較部112が、プリセット位置において監視カメラ101が撮影した画像と、初期設定時にプリセット位置において監視カメラ101が撮影した画像とを比較する。
【0043】
ステップ303では、ずれ検知部113が、プリセット位置において監視カメラ101が撮影した画像と、初期設定時にプリセット位置において監視カメラ101が撮影した画像とのずれを検知する。
【0044】
ステップ304では、キャリブレーション要否判定部114が、画面センタリングの制御パラメータのキャリブレーションの要否を判定する。キャリブレーション要否判定部114は、プリセット位置において監視カメラ101が撮影した画像と、初期設定時に監視カメラ101が撮影した画像とのずれが閾値を超えた場合に、キャリブレーションが必要であると判定してステップ305に進み、プリセット位置において監視カメラ101が撮影した画像と、初期設定時に監視カメラ101が撮影した画像とのずれが閾値を超えない場合に、キャリブレーションは不要であると判定して処理を終了する。
【0045】
ステップ305では、監視システムサーバ103が、ずれ検知部113が検知したずれ量に基づいて、キャリブレーションを実施する。
【0046】
図4を参照して、初期設定時の画像登録について説明する。
図4は、初期設定時に監視カメラ101が撮影した画像を模式的に示す図である。
図4は、監視カメラ101が撮影した幅W、高さHの画像の中心(横W/2、縦H/2)に、斜線が施された円形により表現される「所定の領域」と、点が施された円形により表現される「所定の領域を閾値だけ拡張した領域」とが設定されることを示す。
【0047】
「所定の領域」は、ずれ検知動作時に監視カメラ101が撮影した画像と、初期設定時に監視カメラ101が撮影した画像との比較に用いる領域であるため、ずれの検知が可能な広さを有する必要がある。また、「所定の領域を閾値だけ拡張した領域」は、時間が経過しても変化しない被写体を撮影した領域である必要がある。時間が経過しても変化しない被写体としては、監視対象に存在する固定的な建築物や設備などが適している。
【0048】
ユーザは、監視端末装置104を操作して、監視カメラ101を移動させ、監視カメラ101が撮影した画像の中心を時間が経過しても変化しない被写体に合わせて、プリセット位置の決定を指示する。監視端末装置104には、監視カメラ101が撮影した画像に、「所定の領域を閾値だけ拡張した領域」を示す円を重畳して表示してもよい。画像登録部110は、「所定の領域を閾値だけ拡張した領域」を、プリセット位置において監視カメラ101が撮影した画像として、登録する。
【0049】
図5を参照して、ずれ検知動作時の画像比較について説明する。
図5は、ずれ検知動作時に監視カメラ101が撮影した画像を模式的に示す図である。
図5は、監視カメラ101が撮影した幅W、高さHの画像の中心(横W/2、縦H/2)に、斜線が施された円形により表現される「所定の領域」が設定されることを示す。初期設定時の「所定の領域」と「所定の領域を閾値だけ拡張した領域」とは、画像の中心の右上方向にあり、ずれ検知動作時に監視カメラ101が撮影した画像の中心と、初期設定時に監視カメラ101が撮影した画像の中心とがずれていることを示す。
【0050】
画像比較部112は、ずれ検知動作時の「所定の領域」と、初期設定時の「所定の領域を閾値だけ拡張した領域」とを比較する。
図5のように、ずれ検知動作時の「所定の領域」が初期設定時の「所定の領域を閾値だけ拡張した領域」に包含されない場合、ずれ検知部113は、ずれ検知動作時に監視カメラが撮影した画像と、初期設定時に監視カメラが撮影した画像とのずれが閾値を超えたことを検知する。一方、ずれ検知動作時の「所定の領域」が初期設定時の「所定の領域を閾値だけ拡張した領域」に包含される場合、ずれ検知部113は、ずれ検知動作時に監視カメラが撮影した画像と、初期設定時に監視カメラが撮影した画像とのずれが閾値を超えたことを検知しない。
【0051】
(変形例)
上述した画像登録・画像比較では、初期設定時に、「所定の領域を閾値だけ拡張した領域」を、プリセット位置において監視カメラ101が撮影した画像として登録し、ずれ検知動作時に、ずれ検知動作時の「所定の領域」と、初期設定時の「所定の領域を閾値だけ拡張した領域」とを比較した。本変形例における画像登録・画像比較では、初期設定時に、「所定の領域」をプリセット位置において監視カメラ101が撮影した画像として登録し、ずれ検知動作時に、ずれ検知動作時の「所定の領域を閾値だけ拡張した領域」と、初期設定時の「所定の領域」とを比較する。
【0052】
初期設定時の画像登録については、画像登録部110が、「所定の領域」を、プリセット位置において監視カメラ101が撮影した画像として登録すること以外は、上述した初期設定時の画像登録と同様である。
【0053】
図6を参照して、本変形例におけるずれ検知動作時の画像比較について説明する。
図6は、本変形例におけるずれ検知動作時に監視カメラ101が撮影した画像を模式的に示す図である。
図6は、監視カメラ101が撮影した幅W、高さHの画像の中心(横W/2、縦H/2)に、斜線が施された円形により表現される「所定の領域」と、点が施された円形により表現される「所定の領域を閾値だけ拡張した領域」とが設定されることを示す。初期設定時の「所定の領域」は、画像の中心の右上方向にあり、ずれ検知動作時に監視カメラ101が撮影した画像の中心と、初期設定時に監視カメラ101が撮影した画像の中心とがずれていることを示す。
【0054】
画像比較部112は、ずれ検知動作時の「所定の領域を閾値だけ拡張した領域」と、初期設定時の「所定の領域」とを比較する。
図6のように、ずれ検知動作時の「所定の領域を閾値だけ拡張した領域」が初期設定時の「所定の領域」を包含しない場合、ずれ検知部113は、ずれ検知動作時に監視カメラが撮影した画像と、初期設定時に監視カメラが撮影した画像とのずれが閾値を超えたことを検知する。一方、ずれ検知動作時の「所定の領域を閾値だけ拡張した領域」が初期設定時の「所定の領域」を包含する場合、ずれ検知部113は、ずれ検知動作時に監視カメラが撮影した画像と、初期設定時に監視カメラが撮影した画像とのずれが閾値を超えたことを検知しない。
【0055】
本実施形態では、画面センタリングのずれ検知を行うためのプリセット位置を登録し、ずれ検知動作時にプリセット位置において監視カメラが撮影した画像と、初期設定時にプリセット位置において監視カメラが撮影した画像とを比較し、監視カメラが撮影した画像の中心のずれが閾値を超えたことを検知した場合、キャリブレーションを実施する。また、画面センタリングのずれ検知とキャリブレーションは監視システムにより自動的かつ定期的に行われる。そのため、画面センタリングの位置がずれたとしても、改造費などのコストが発生せずにキャリブレーションを実施できる。
【0056】
また、本実施形態では、初期設定時に、「所定の領域を閾値だけ拡張した領域」を、プリセット位置において監視カメラが撮影した画像として登録し、ずれ検知動作時に、ずれ検知動作時の「所定の領域」と、初期設定時の「所定の領域を閾値だけ拡張した領域」とを比較するか、初期設定時に、「所定の領域」をプリセット位置において監視カメラが撮影した画像として登録し、ずれ検知動作時に、ずれ検知動作時の「所定の領域を閾値だけ拡張した領域」と、初期設定時の「所定の領域」とを比較する。そのため、ずれ検知動作時にプリセット位置において監視カメラが撮影した画像と、初期設定時にプリセット位置において監視カメラが撮影した画像とを比較するのに要する処理量を抑えることができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。例えば「所定の領域」は、円形に限らず矩形でもよい。「所定の領域」が矩形の場合、横方向の「閾値」と縦方向の「閾値」とを異なる値にしてもよい。
【符号の説明】
【0058】
101…監視カメラ、102…ネットワーク、103…監視システムサーバ、104…監視端末装置、105…制御コマンド受信部、106…カメラ制御部、107…画像受信部、108…プリセット位置登録部、109…閾値登録部、110…画像登録部、111…周期登録部、112…画像比較部、113…ずれ検知部、114…キャリブレーション要否判定部、115…画像表示部、116…制御コマンド送信部。