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特開2022-129743火災報知システム、制御装置及び端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129743
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】火災報知システム、制御装置及び端末
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
G08B17/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021028551
(22)【出願日】2021-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000111074
【氏名又は名称】ニッタン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】森林 真介
(72)【発明者】
【氏名】増川 忍
(72)【発明者】
【氏名】永柄 雄基
【テーマコード(参考)】
5G405
【Fターム(参考)】
5G405AA01
5G405AA03
5G405AA06
5G405AD02
5G405BA01
5G405CA09
5G405CA20
5G405CA30
5G405CA41
(57)【要約】
【課題】複数の端末が同時にデータを送信することを防ぐ。
【解決手段】制御装置1は、複数の端末2から複数の端末2の状態を示す状態情報を受信する火災報知システムSの制御装置である。制御装置1は、登録済の一以上の登録端末が状態情報を送信可能な登録端末用期間に状態情報を受信する状態情報受信部132と、登録端末用期間と異なる未登録端末用期間において未登録の未登録端末から登録要求を受信する登録要求受信部133と、登録要求を受信した場合に、当該登録要求を送信した未登録端末の登録可否を判定する判定部134と、判定部134が登録可能であると判定した場合に、登録が認められたことを示す登録通知を未登録端末に送信する通知送信部135と、を有する。
【選択図】図4


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末と、前記複数の端末と通信線を介して通信する制御装置と、を備える火災報知システムであって、
前記制御装置は、
登録済の一以上の登録端末が前記登録端末の状態を示す状態情報を送信可能な登録端末用期間に前記状態情報を受信する状態情報受信部と、
前記登録端末用期間と異なる未登録端末用期間において未登録の未登録端末から登録要求を受信する登録要求受信部と、
前記登録要求を受信した場合に、当該登録要求を送信した前記未登録端末の登録可否を判定する判定部と、
前記判定部が登録可能であると判定した場合に、登録が認められたことを示す登録通知を前記未登録端末に送信する通知送信部と、
を有し、
前記端末は、
未登録状態において前記未登録端末用期間に前記登録要求を前記制御装置に送信する端末送信部と、
前記制御装置から前記登録通知を受信する端末受信部と、
前記端末受信部が前記登録通知を受信した後に、前記登録端末用期間において前記状態情報を前記制御装置に送信するように前記端末送信部を制御する送信制御部と、
を有する火災報知システム。
【請求項2】
前記端末送信部は、前記端末のアドレスを含む前記登録要求を前記制御装置に送信し、
前記判定部は、前記登録要求に含まれているアドレスが、前記一以上の登録端末のアドレスと異なることを条件として、前記未登録端末が登録可能であると判定する、
請求項1に記載の火災報知システム。
【請求項3】
前記通知送信部は、前記未登録端末が登録可能であると判定した場合に、前記登録端末が前記状態情報を送信可能な期間である登録端末別期間を示す情報を含む前記登録通知を前記未登録端末に送信し、
前記送信制御部は、前記制御装置から受信した前記登録端末別期間において前記状態情報を前記制御装置に送信するように前記端末送信部を制御する、
請求項1又は2に記載の火災報知システム。
【請求項4】
前記制御装置は、複数の前記登録端末のアドレスと、前記登録端末が前記状態情報を送信可能な期間である登録端末別期間と、を関連付けて記憶する記憶部をさらに有し、
前記判定部は、前記未登録端末が登録可能であると判定した場合に、前記未登録端末のアドレスと、前記未登録端末に通知する前記登録端末別期間とを関連付けて前記記憶部に記憶させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の火災報知システム。
【請求項5】
前記端末は、前記端末送信部が前記登録要求を前記制御装置に送信してから所定の期間が経過するまでに前記端末受信部が前記登録通知を受信しない場合に警告情報を出力する出力部をさらに有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の火災報知システム。
【請求項6】
複数の端末から前記複数の端末の状態を示す状態情報を受信する火災報知システムの制御装置であって、
登録済の一以上の登録端末が前記状態情報を送信可能な登録端末用期間に前記状態情報を受信する状態情報受信部と、
前記登録端末用期間と異なる未登録端末用期間において未登録の未登録端末から登録要求を受信する登録要求受信部と、
前記登録要求を受信した場合に、当該登録要求を送信した前記未登録端末の登録可否を判定する判定部と、
前記判定部が登録可能であると判定した場合に、登録が認められたことを示す登録通知を前記未登録端末に送信する通知送信部と、
を有する制御装置。
【請求項7】
火災報知システムの制御装置に周囲の状態を示す状態情報を送信する端末であって、
前記制御装置に登録されていない未登録状態において、登録済の一以上の登録端末が前記端末の状態を示す状態情報を送信可能な登録端末用期間と異なる未登録端末用期間において、前記制御装置に登録するための登録要求を前記制御装置に送信する端末送信部と、
前記制御装置から、前記端末を登録したことを示す登録通知を受信する端末受信部と、
前記端末受信部が前記登録通知を受信した後に、前記登録端末用期間において前記状態情報を前記制御装置に送信するように前記端末送信部を制御する送信制御部と、
を有する端末。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災報知システム、制御装置及び端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、火災受信機が複数の火災感知器にポーリングすることにより、火災感知器で検出した状態(例えば火災の発生又は煙の発生)を示す状態情報を取得する火災報知システムが知られている。従来の火災受信機は、火災感知器又は中継器等の端末のアドレスを順次指定してポーリングし、指定したアドレスに該当する端末のみが火災受信機に状態情報を送信する(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-035780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
新たな端末が設置された場合に、アドレスの設定が適切に行われておらず既存の端末のアドレスと重複していると、火災受信機が送信したポーリング信号に対して複数の端末が同時に状態情報を送信してしまう場合があるという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、複数の端末が同時にデータを送信することを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の火災報知システムは、複数の端末と、前記複数の端末と通信線を介して通信する制御装置と、を備える火災報知システムであって、前記制御装置は、登録済の一以上の登録端末が前記登録端末の状態を示す状態情報を送信可能な登録端末用期間に前記状態情報を受信する状態情報受信部と、前記登録端末用期間と異なる未登録端末用期間において未登録の未登録端末から登録要求を受信する登録要求受信部と、前記登録要求を受信した場合に、当該登録要求を送信した前記未登録端末の登録可否を判定する判定部と、前記判定部が登録可能であると判定した場合に、登録が認められたことを示す登録通知を前記未登録端末に送信する通知送信部と、を有し、前記端末は、未登録状態において前記未登録端末用期間に前記登録要求を前記制御装置に送信する端末送信部と、前記制御装置から前記登録通知を受信する端末受信部と、前記端末受信部が前記登録通知を受信した後に、前記登録端末用期間において前記状態情報を前記制御装置に送信するように前記端末送信部を制御する送信制御部と、を有する。
【0007】
前記端末送信部は、前記端末のアドレスを含む前記登録要求を前記制御装置に送信し、前記判定部は、前記登録要求に含まれているアドレスが、前記一以上の登録端末のアドレスと異なることを条件として、前記未登録端末が登録可能であると判定してもよい。
【0008】
前記通知送信部は、前記未登録端末が登録可能であると判定した場合に、前記登録端末が前記状態情報を送信可能な期間である登録端末別期間を示す情報を含む前記登録通知を前記未登録端末に送信し、前記送信制御部は、前記制御装置から受信した前記登録端末別期間において前記状態情報を前記制御装置に送信するように前記端末送信部を制御してもよい。
【0009】
前記制御装置は、複数の前記登録端末のアドレスと、前記登録端末が前記状態情報を送信可能な期間である登録端末別期間と、を関連付けて記憶する記憶部をさらに有し、前記判定部は、前記未登録端末が登録可能であると判定した場合に、前記未登録端末のアドレスと、前記未登録端末に通知する前記登録端末別期間とを関連付けて前記記憶部に記憶させてもよい。
【0010】
前記端末は、前記端末送信部が前記登録要求を前記制御装置に送信してから所定の期間が経過するまでに前記端末受信部が前記登録通知を受信しない場合に警告情報を出力する出力部をさらに有してもよい。
【0011】
本発明の第2の態様の制御装置は、複数の端末から前記複数の端末の状態を示す状態情報を受信する火災報知システムの制御装置であって、登録済の一以上の登録端末が前記状態情報を送信可能な登録端末用期間に前記状態情報を受信する状態情報受信部と、前記登録端末用期間と異なる未登録端末用期間において未登録の未登録端末から登録要求を受信する登録要求受信部と、前記登録要求を受信した場合に、当該登録要求を送信した前記未登録端末の登録可否を判定する判定部と、前記判定部が登録可能であると判定した場合に、登録が認められたことを示す登録通知を前記未登録端末に送信する通知送信部と、を有してもよい。
【0012】
本発明の第3の態様の端末は、火災報知システムの制御装置に周囲の状態を示す状態情報を送信する端末であって、前記制御装置に登録されていない未登録状態において、登録済の一以上の登録端末が前記端末の状態を示す状態情報を送信可能な登録端末用期間と異なる未登録端末用期間において、前記制御装置に登録するための登録要求を前記制御装置に送信する端末送信部と、前記制御装置から、前記端末を登録したことを示す登録通知を受信する端末受信部と、前記端末受信部が前記登録通知を受信した後に、前記登録端末用期間において前記状態情報を前記制御装置に送信するように前記端末送信部を制御する送信制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、追加設置した端末のアドレスが、追加設置前の端末のどれか一つのアドレスと重複するミスがあっても、端末へのアクセス時に情報衝突によるシステム誤動作を防げるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】火災報知システムの構成例を示す図である。
図2】制御装置1と複数の端末との間の通信方法を示す図である。
図3】アドレスXの端末が登録された後の通信方法を示す図である。
図4】制御装置の構成を示す図である。
図5】端末の構成を示す図である。
図6】制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図7】端末における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[火災報知システムSの概要]
図1は、火災報知システムSの構成例を示す図である。火災報知システムSは、制御装置1と、複数の端末2と、を備える。制御装置1は、火災受信機に含まれており、制御盤として機能する。制御装置1は、複数の通信線Lに接続されており、通信線Lを介して複数の端末2と接続されている。
【0016】
複数の端末2は、例えば煙感知器2A又は熱感知器2Bのように、火災報知システムSが設置された施設内の火災、発煙又は異臭等の異常な状態を感知するための状態検出端末である。図1に示すように、複数の端末2には複数の防排煙端末器ERに接続された中継器2Cが含まれていてもよい。
【0017】
複数の端末2のそれぞれには固有の識別情報が割り当てられている。例えば、複数の端末2それぞれには固有のアドレス00~FFが割り当てられている。アドレスは、16進数、10進数、2進数又は他の任意の形式でよい。端末2は、アドレスを設定するための設定処理部(不図示)を有しており、例えば端末2が設置される際に、設置者によって端末2のアドレスが設定される。
【0018】
制御装置1は、通信線Lを介して複数の端末2のうちの少なくとも一部の端末2に順次ポーリングすることにより、複数の端末2それぞれが感知した端末2の周囲の状態を示す状態情報を収集する。火災報知システムSにおいては、制御装置1が、予め登録された複数の端末2(以下、「登録端末」という場合がある)に割り当てられた期間に対応する登録端末別期間であるタイムスロットにおいてポーリング信号を送信する。複数の端末2のそれぞれは、自身に割り当てられたタイムスロットにおいてポーリング信号を受信すると、状態情報を含む応答信号を制御装置1に送信する。
【0019】
図2は、制御装置1と複数の端末2との間の通信方法を示す図である。図2に示す例においては、予め登録された複数の端末2が制御装置1に対して応答信号を送信可能な登録端末用期間に、アドレス00からアドレスnまでの端末2それぞれが応答信号を送信可能なタイムスロットが割り当てられている。タイムスロットは、例えば図2に示すTS00、TS01等の期間であり、この期間において、制御装置1がポーリング信号を端末2に送信した後に、端末2が制御装置1に応答信号を送信する。
【0020】
登録端末用期間の後には、制御装置1に登録されていない端末2である未登録端末が、登録を要求するための登録要求を送信することができる未登録端末用期間(ウェイクアップスロットともいう)が設けられている。未登録端末用期間においては、制御装置1はポーリング信号を送信せず、未登録の端末2(図2においてはアドレスXの端末2)が登録要求を制御装置1に送信する。
【0021】
その後、制御装置1は、登録要求を送信した端末2に対して、登録を許可することを示す登録通知、又は登録を許可しないことを示す拒絶通知を未登録端末用期間において送信する。登録通知には、新たに登録された端末2が使用することができるタイムスロットを示す情報が含まれていてもよい。詳細については後述するが、制御装置1は、未登録の端末2のアドレスが、登録済の他の端末2のアドレスと一致していない場合に登録通知を送信し、未登録の端末2のアドレスが、登録済の他の端末2のアドレスと一致している場合に拒絶通知を送信してもよい。
【0022】
図3は、アドレスXの端末2が登録された後の通信方法を示す図である。図3において、新たに登録されたアドレスXの端末2は、タイムスロットxxに割り当てられている。制御装置1は、使用されていない一以上のタイムスロットから選択した任意のタイムスロットを、登録が可能な未登録の端末2に割り当てることができる。
【0023】
このように登録通知を受けてタイムスロットが割り当てられた端末2は、その後、割り当てられたタイムスロットにおいて状態情報を含む応答信号を送信することが可能になる。一方、拒絶通知を受けた端末2は信号の送信をしない。以上のように制御装置1及び端末2が動作することで、制御装置1に登録されていない端末2に設定されたアドレスが、登録済の端末2のアドレスと同じであっても、複数の端末2が同時に信号を送信することを防げる。
以下、制御装置1及び端末2の構成を詳細に説明する。
【0024】
[制御装置1の構成]
図4は、制御装置1の構成を示す図である。制御装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。制御部13は、ポーリング信号送信部131と、状態情報受信部132と、登録要求受信部133と、判定部134と、通知送信部135と、を有する。
【0025】
通信部11は、通信線Lを介して端末2との間で通信するための通信インターフェースを有する。通信部11は、ポーリング信号送信部131が生成したポーリング信号を、通信線Lを介して端末2に送信し、端末2が送信した状態情報を受信し、受信した状態情報を状態情報受信部132に入力する。
【0026】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部12は、複数の端末2に関する情報を記憶する。
【0027】
記憶部12は、例えば、複数の登録端末のアドレスと、登録端末が状態情報を送信可能な期間である登録端末別期間と、を関連付けて記憶する。すなわち、記憶部12は、タイムスロット番号と、当該タイムスロット番号に対応するタイムスロットで信号を送受信できる端末2のアドレスとが関連付けられた登録端末データを記憶する。記憶部12は、複数の端末2から送信された状態情報を、端末2のアドレスに関連付けて記憶してもよい。
【0028】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有しており、各種の処理を実行する。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、ポーリング信号送信部131、状態情報受信部132、登録要求受信部133、判定部134及び通知送信部135として機能する。
【0029】
ポーリング信号送信部131は、登録済の複数の端末2に対してポーリング信号を送信する。ポーリング信号送信部131は、それぞれのタイムスロットにおいて、タイムスロットに関連付けて記憶部12に記憶されたアドレスの端末2に対してポーリング信号を送信する。ポーリング信号には、スタートデータ、アドレスデータ、コマンドデータ、パラメータ、チェックデータ、及びストップデータが含まれる。アドレスデータは、タイムスロットに割り当てられた端末2のアドレスである。チェックデータは、アドレスデータ、コマンドデータ及びパラメータの値が正しく受信できているか否かを端末2が確認するために設けられており、例えばチェックサム又はCRC(Cyclic Redundancy Check)データである。
【0030】
状態情報受信部132は、通信部11を介して、複数の端末2の状態を示す状態情報を複数の端末2から受信する。状態情報受信部132は、登録済の一以上の登録端末が登録端末の状態を示す状態情報を送信可能な登録端末用期間に状態情報を受信する。状態情報受信部132は、登録された端末2から、ポーリング信号を送信したことに応じて送信される応答信号に含まれる状態情報を受信する。応答信号には、スタートデータ、アドレスデータ、パラメータ、チェックデータ、及びストップデータが含まれる。アドレスデータは、応答信号を送信した端末2のアドレスである。
【0031】
登録要求受信部133は、登録端末用期間と異なる未登録端末用期間において未登録の端末2から登録要求を受信する。登録要求には、登録要求を送信した端末2のアドレスが含まれている。
【0032】
判定部134は、登録要求受信部133が登録要求を受信した場合に、当該登録要求を送信した未登録の端末2の登録可否を判定する。判定部134は、例えば、登録要求に含まれているアドレスが、一以上の登録端末のアドレスと異なることを条件として、未登録端末が登録可能であると判定する。
【0033】
具体的には、判定部134は、記憶部12に記憶された登録端末データを参照することにより、登録要求に含まれているアドレスが、登録端末データに含まれているか否かを判定する。判定部134は、登録要求に含まれているアドレスが登録端末データに含まれていない場合に、登録要求を送信した端末2が登録可能であると判定する。判定部134は、登録要求に含まれているアドレスが登録端末データに含まれている場合に、登録要求を送信した端末2が登録可能ではないと判定する。
【0034】
また、判定部134は、未登録端末が登録可能であると判定した場合に、未登録端末のアドレスと、未登録端末に通知する登録端末別期間(すなわちタイムスロット)とを関連付けて記憶部12に記憶させる。また、判定部134は、判定結果を通知送信部135に通知する。なお、判定部134は、登録要求のフォーマットが適切なフォーマットでない場合のように、端末2が正規の端末でないと想定される場合に、登録が可能でないと判定してもよい。
【0035】
通知送信部135は、判定部134が登録可能であると判定した場合に、登録が認められたことを示す登録通知を、登録要求を送信した未登録の端末2に送信する。すなわち、通知送信部135は、登録要求に含まれているアドレスが登録端末データに含まれていない場合に、端末2のアドレスを含む登録通知を端末2に送信する。通知送信部135は、未登録端末が登録可能であると判定した場合に、登録端末が状態情報を送信可能な期間である登録端末別期間を示す情報を含む登録通知を未登録端末に送信する。登録端末別期間を示す情報は、例えばタイムスロット番号である。
【0036】
[端末2の構成]
図5は、端末2の構成を示す図である。端末2は、通信部21と、入力部22と、表示部23と、記憶部24と、制御部25と、を有する。制御部25は、端末受信部251と、端末送信部252と、送信制御部253と、出力部254と、を有する。
【0037】
端末2は、起動モード、登録モード、拒絶モードの3つのモードで動作する。起動モードは、端末2が設置される際の動作モードであり、登録要求を制御装置1に送信するモードである。登録モードは、制御装置1から登録通知を受けた後の動作モードであり、制御装置1からポーリング信号を受信したことに応じて、状態情報を含む応答信号を端末2が送信するモードである。拒絶モードは、制御装置1から拒絶通知を受けた後の動作モードであり、端末2は登録端末用期間において制御装置1に信号を送信せず、警告情報を出力するモードである。
【0038】
通信部21は、通信線Lを介して制御装置1との間で通信するための通信インターフェースを有する。通信部21は、制御装置1が送信したポーリング信号を受信し、受信したポーリング信号を端末受信部251入力する。また、通信部21は、端末送信部252から入力された状態情報及び登録要求を制御装置1に送信する。
【0039】
入力部22は、端末2の周辺の状態を検出したり、端末2を動作させるための情報の入力を受けたりする。入力部22は、例えば、熱感知センサ、煙感知センサ、炎センサ若しくは照度センサである。入力部22は、防排煙端末器を動作させるための情報の入力を受けてもよい。
【0040】
表示部23は、情報を表示する表示装置(例えば発光ダイオード)を含む。表示部23は、出力部254から入力された情報に基づいて表示態様を変化させる。
【0041】
記憶部24は、ROM及びRAM等の記憶媒体を有する。記憶部24は、制御部25が実行するプログラムを記憶する。記憶部24は、予め設定された端末2のアドレスを記憶する。また、記憶部24は、端末2が状態情報を送信可能なタイムスロットの番号を記憶する。さらに、記憶部24は、入力部22が検出した端末2の周辺の状態を示す状態情報を時刻に関連付けて記憶してもよい。
【0042】
制御部25は、例えばCPUを有する。制御部25は、記憶部24に記憶されたプログラムを実行することにより、端末受信部251、端末送信部252、送信制御部253及び出力部254として機能する。
【0043】
端末受信部251は、通信部21を介して、制御装置1が送信した信号を受信する。端末受信部251は、端末2が制御装置1に登録されている場合、制御装置1からポーリング信号を受信する。また、端末受信部251は、端末2が起動モードにおいて登録要求を送信した場合に、制御装置1から登録通知又は拒絶通知を受信する。
【0044】
端末受信部251は、記憶部24に記憶されたアドレスを宛先アドレスとして含むポーリング信号を受信する。端末受信部251は、記憶部24に記憶された自端末のアドレスとポーリング信号に含まれる宛先アドレスとを照合することにより、自端末宛てのポーリング信号であるか否かを判定してもよい。この場合、端末受信部251は、自端末宛てのポーリング信号を受信したと判定した場合に、ポーリング信号を受信したことを端末送信部252に通知する。
【0045】
端末送信部252は、端末2が制御装置1に登録されている場合、ポーリング信号に応じて状態情報を含む応答信号を送信する。端末送信部252は、記憶部24に記憶された状態情報を読み出して、端末2に割り当てられているタイムスロットにおいて状態情報を含む応答信号を送信する。
【0046】
端末送信部252は、端末2が制御装置1に登録されていない未登録状態において、すなわち起動モードにおいて、未登録端末用期間に登録要求を制御装置1に送信する。端末送信部252は、端末2のアドレスを含む登録要求を制御装置1に送信する。端末送信部252は、例えば、送信制御部253からの指示に基づいて登録要求を送信する。端末送信部252は、応答信号を送信可能なタイムスロットの番号が記憶部24に記憶されていないことを条件として登録要求を送信してもよい。
【0047】
送信制御部253は、端末送信部252が状態情報又は登録要求を送信するように制御する。送信制御部253は、例えば、端末受信部251が受信した複数のポーリング信号に含まれているアドレスを監視することにより、未登録端末用期間が始まるタイミング(すなわち登録端末用期間が終わるタイミング)を特定する。送信制御部253は、端末2が制御装置1に登録されていない場合に、未登録端末用期間が始まるタイミングになったことに応じて、登録要求を送信するように端末送信部252に指示する。送信制御部253は、例えば、端末2が使用可能なタイムスロット番号が記憶部24に記憶されていない場合に、登録要求を端末送信部252に送信させる。
【0048】
送信制御部253は、端末2を制御装置1に登録させる指示を外部から受けたことに応じて、端末送信部252に登録要求を送信させてもよい。送信制御部253は、例えば入力部22において登録操作が行われた場合に、端末送信部252に登録要求を送信させる。
【0049】
また、送信制御部253は、端末受信部251が登録通知を受信した後に、登録端末用期間において状態情報を制御装置1に送信するように端末送信部252を制御する。送信制御部253が、登録端末用期間において状態情報を端末受信部251に送信させることで、未登録の端末2が登録要求を送信するタイミングで状態情報を送信することを防げる。
【0050】
制御装置1に複数の端末2が登録されている場合、送信制御部253は、制御装置1から受信した登録端末別期間において状態情報を制御装置1に送信するように端末送信部252を制御する。送信制御部253がこのように動作することで、端末2が制御装置1に登録された後に、制御装置1に登録されている他の端末2と同時に状態情報を制御装置1に送信してしまうことを防げる。
【0051】
送信制御部253は、端末受信部251が拒絶通知を制御装置1から受信した場合、端末送信部252の送信動作を停止させる。すなわち、送信制御部253は、状態情報及び登録要求を端末送信部252に送信させない。送信制御部253がこのように動作することで、端末2のアドレスが、制御装置1に登録されている他の端末2のアドレスと同じである場合に、他の端末2と同時に状態情報を送信してしまうことを防げる。また、端末送信部252が登録要求を長時間にわたって繰り返して送信することで、未登録の他の端末2が登録要求を送信できなくなることを防げる。
【0052】
出力部254は、端末送信部252が登録要求を制御装置1に送信してから所定の期間が経過するまでに端末受信部251が登録通知を受信しない場合に警告情報を出力する。出力部は、所定の期間が経過するまでに端末受信部251が登録通知を受信しない場合に、登録要求を再送するリトライをしてもよい。所定の期間は、登録要求を受信した制御装置1が登録通知を送信するまでに要する時間であり、登録端末用期間と未登録端末用期間とを合わせた時間以上の時間である。
【0053】
出力部254は、所定の期間内に登録通知を受信しない場合、又は拒絶通知を受信した場合に、表示部23の表示態様を変化させるように指示する。表示部23が発光ダイオードを有する場合、出力部254は、登録通知を受信しない場合、又は拒絶通知を受信した場合に発光ダイオードを点灯させる。出力部254がこのように動作することで、端末2を設置する人がアドレスの設定を間違えたことに気付くことが可能になる。
【0054】
[制御装置1及び端末2における処理の流れ]
図6は、制御装置1における処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、制御装置1に電源が投入されて制御装置1が動作を開始した時点から開始している。
【0055】
ポーリング信号送信部131は、登録端末用期間における最小タイムスロットの期間を設定し(S10)、当該タイムスロットに割り当てられている登録済の端末2に対してポーリング信号を送信する(S11)。状態情報受信部132は、当該端末2から状態情報を含む応答信号を受信する(S12)。
【0056】
続いて、ポーリング信号送信部131は、タイムスロットが、登録端末用期間における最終タイムスロットであったか否かを判定し(S13)、最終タイムスロットではなかったと判定すると(S13においてNO)、次のタイムスロットに設定し(S14)、ポーリング信号を送信する(S11)。ポーリング信号送信部131は、最終タイムスロットになるまでS11からS14を繰り返し、S13において最終タイムスロットであると判定すると(S13においてYES)、登録端末用期間が終了したことを登録要求受信部133に通知する。
【0057】
登録要求受信部133は、未登録端末用期間において登録要求の受信を待機する(S15)。登録要求受信部133が登録要求を受信すると(S15においてYES)、判定部134は、登録要求を送信した端末2を登録可能であるか否かを判定する(S16)。判定部134は、登録要求に含まれている端末2のアドレスが登録端末データに含まれていない場合、登録可能であると判定し(S16においてYES)、通知送信部135が登録通知を端末2に送信する(S17)。判定部134は、登録要求に含まれている端末2のアドレスが登録端末データに含まれている場合、登録可能でないと判定し(S16においてNO)、通知送信部135が拒絶通知を端末2に送信する(S18)。
【0058】
制御部13は、制御装置1の電源がオフされるまでの間(S19においてNO)、S10からS18までの処理を繰り返す。以上の手順により、制御装置1は、登録済の端末2の状態を監視しつつ、登録が可能な未登録の端末2を新たに登録したり、登録ができない未登録の端末2の登録を拒絶したりすることができる。
【0059】
図7は、端末2における処理の流れを示すフローチャートである。図7に示すフローチャートは、端末2が設置された時点から開始している。
【0060】
端末2が設置されると、制御部25は起動モードに設定し(S20)、端末受信部251は、制御装置1から受信するポーリング信号を監視することにより、未登録端末用期間が開始したか否かを判定する(S21)。端末受信部251が未登録端末用期間になったと判定した場合(S21においてYES)、端末送信部252は、制御装置1に対して登録要求を送信する(S23)。端末受信部251が未登録端末用期間になったと判定していない場合(S21においてNO)、端末送信部252は登録要求を送信することなく待機する(S22)。
【0061】
端末送信部252が登録要求を送信すると、送信制御部253は、端末受信部251が登録通知を受信するか否かを監視する(S24)。端末受信部251が登録通知を受信した場合(S24においてYES)、送信制御部253は、制御装置1から通知されたタイムスロット番号を記憶部24に記憶させて承認モードに設定する(S25)。その後、送信制御部253は、端末受信部251がポーリング信号を受信した後に、状態情報を含む応答信号を送信するように端末送信部252を制御する(S26)。
【0062】
一方、端末受信部251が登録通知を受信せず拒絶通知を受信した場合(S24においてNO)、送信制御部253は、拒絶モードに設定する(S27)。送信制御部253は、拒絶設定モードにおいて、警告情報を出力するように出力部254を制御し、出力部254は、表示部23を用いて警告情報を出力する(S28)。
【0063】
[火災報知システムSによる効果]
以上説明したように、制御装置1は、登録端末用期間において登録済の端末2とポーリングにより状態情報を取得し、未登録端末用期間において、未登録の端末2から登録要求を受け付ける。そして、制御装置1は、登録要求を送信した端末2のアドレスが、登録済の端末2のアドレスと一致しない場合等のように、端末2が登録可能であると判定した場合に端末2に登録通知を送信し、端末2は登録端末用期間において状態情報を含む応答信号の送信を開始する。制御装置1及び端末2がこのように動作することで、制御装置1に登録されていない端末2のアドレスが適切に設定されていない場合や端末2が正規の端末でない場合であっても、複数の端末2が同時にデータを送信することを防ぐことができる。
【0064】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0065】
1 制御装置
2 端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
21 通信部
22 入力部
23 表示部
24 記憶部
25 制御部
131 ポーリング信号送信部
132 状態情報受信部
133 登録要求受信部
134 判定部
135 通知送信部
251 端末受信部
252 端末送信部
253 送信制御部
254 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7