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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129795
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】光学特性測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/01 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
G01N21/01 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021028619
(22)【出願日】2021-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】518060022
【氏名又は名称】GEE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】蒲原 正広
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB08
2G059DD13
2G059EE01
2G059EE02
2G059FF01
2G059HH02
2G059JJ12
2G059JJ13
2G059KK04
2G059PP04
(57)【要約】
【課題】光源からの照射光の位置や照射光の形状や大きさ等の光の形態を容易に変更することができ、測定時の調整作業に熟練を要さず測定精度を一定に維持することができる光学特性測定装置を提供する。
【解決手段】試料Wを保持するための保持手段1と、保持手段1に保持された試料Wに光を照射可能な光源と、光源から照射された光を試料Wに反射又は透過させて任意の光経路を形成可能な光経路形成手段と、光経路形成手段で形成された光経路に沿って試料Wを反射又は透過した光を検出可能な検出手段9とを具備し、検出手段9で検出した光に基づいて試料Wの光学的特性を評価可能な光学特性測定装置であって、光源は、所望の位置において任意の光を照射可能な投影機2から成るものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を保持するための保持手段と、
前記保持手段に保持された前記試料に光を照射可能な光源と、
前記光源から照射された光を前記試料に反射又は透過させて任意の光経路を形成可能な光経路形成手段と、
前記光経路形成手段で形成された光経路に沿って前記試料を反射又は透過した光を検出可能な検出手段と、
を具備し、前記検出手段で検出した光に基づいて前記試料の光学的特性を評価可能な光学特性測定装置であって、
前記光源は、所望の位置において任意の光を照射可能な投影機から成ることを特徴とする光学特性測定装置。
【請求項2】
前記光経路形成手段は、前記光源及び検出手段が所定位置に固定された状態で任意の前記光経路を形成可能とされたことを特徴とする請求項1記載の光学特性測定装置。
【請求項3】
前記検出手段は、前記試料を反射又は透過した光の輝度分布を検出可能とされたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光学特性測定装置。
【請求項4】
前記光源は、前記試料が配置されたベース部の上方又は下方に設置されるとともに、当該光源から照射された光を前記ベース部上の前記試料に反射させ得る反射鏡が取り付けられたことを特徴とする請求項1~3の何れか1つに記載の光学特性測定装置。
【請求項5】
前記検出手段による検出結果を表示可能とされた表示手段を具備したことを特徴とする請求項1~4の何れか1つに記載の光学特性測定装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記検出手段による検出結果に加え、当該検出結果に基づく視認イメージを表示可能とされたことを特徴とする請求項5記載の光学特性測定装置。
【請求項7】
前記保持手段は、入射した光を前記試料を介して反射、透過又は拡散反射させ得るプリズムが取付可能とされたことを特徴とする請求項1~6の何れか1つに記載の光学特性測定装置。
【請求項8】
前記プリズムは、光の経路を所望角度に屈曲可能な台形状に形成されたことを特徴とする請求項7記載の光学特性測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出手段で検出した光に基づいて試料の光学的特性を評価可能な光学特性測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、試料に光を照射して反射又は透過させ、その反射光又は透過光を検出することにより、試料の光学的特性を評価可能な光学特性測定装置について、例えば特許文献1にて開示されている。かかる従来の光学特性測定装置は、光源(発光体)の光を光ファイバを介して照射装置から試料に向かって照射させるよう構成されており、試料に対して照射装置を任意に移動させることにより、鏡面反射率、拡散反射率、直線透過率及び拡散透過率等を測定可能とされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-144089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術においては、光源からの照射光の位置、形状又は大きさを任意に変更するのが困難とされるとともに、測定対象に応じて光源を移動させる必要があったため、試料や測定対象に応じて照射光の位置や光の形態等を変更する場合、測定時の調整作業に熟練を要するとともに測定精度を一定に維持するのが難しいという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、光源からの照射光の位置や照射光の形状や大きさ等の光の形態を容易に変更することができ、測定時の調整作業に熟練を要さず測定精度を一定に維持することができる光学特性測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、試料を保持するための保持手段と、前記保持手段に保持された前記試料に光を照射可能な光源と、前記光源から照射された光を前記試料に反射又は透過させて任意の光経路を形成可能な光経路形成手段と、前記光経路形成手段で形成された光経路に沿って前記試料を反射又は透過した光を検出可能な検出手段とを具備し、前記検出手段で検出した光に基づいて前記試料の光学的特性を評価可能な光学特性測定装置であって、前記光源は、所望の位置において任意の光を照射可能な投影機から成ることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光学特性測定装置において、前記光経路形成手段は、前記光源及び検出手段が所定位置に固定された状態で任意の前記光経路を形成可能とされたことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の光学特性測定装置において、前記検出手段は、前記試料を反射又は透過した光の輝度分布を検出可能とされたことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1~3の何れか1つに記載の光学特性測定装置において、前記光源は、前記試料が配置されたベース部の上方又は下方に設置されるとともに、当該光源から照射された光を前記ベース部上の前記試料に反射させ得る反射鏡が取り付けられたことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1~4の何れか1つに記載の光学特性測定装置において、前記検出手段による検出結果を表示可能とされた表示手段を具備したことを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の光学特性測定装置において、前記表示手段は、前記検出手段による検出結果に加え、当該検出結果に基づく視認イメージを表示可能とされたことを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1~6の何れか1つに記載の光学特性測定装置において、前記保持手段は、入射した光を前記試料を介して反射、透過又は拡散反射させ得るプリズムが取付可能とされたことを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の光学特性測定装置において、前記プリズムは、光の経路を所望角度に屈曲可能な台形状に形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、光源は、所望の位置において任意の光を照射可能な投影機から成るので、光源からの照射光の位置や照射光の形状や大きさ等の光の形態を容易に変更することができ、測定時の調整作業に熟練を要さず測定精度を一定に維持することができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、光経路形成手段は、光源及び検出手段が所定位置に固定された状態で任意の光経路を形成可能とされたので、測定時の調整作業をより容易に行わせることができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、検出手段は、試料を反射又は透過した光の輝度分布を検出可能とされたので、試料の光学的特性を簡易且つ良好に評価することができる。
【0017】
請求項4の発明によれば、光源は、試料が配置されたベース部の上方又は下方に設置されるとともに、当該光源から照射された光をベース部上の試料に反射させ得る反射鏡が取り付けられたので、装置の設置スペースを小さくすることができる。
【0018】
請求項5の発明によれば、検出手段による検出結果を表示可能とされた表示手段を具備したので、測定時や測定後において検出結果を迅速に把握することができる。
【0019】
請求項6の発明によれば、表示手段は、検出手段による検出結果に加え、当該検出結果に基づく視認イメージを表示可能とされたので、より的確に視覚的なイメージを把握させることができる。
【0020】
請求項7の発明によれば、保持手段は、入射した光を試料を介して反射、透過又は拡散反射させ得るプリズムが取付可能とされたので、プリズムの性質を利用して光を反射又は透過させることができる。
【0021】
請求項8の発明によれば、プリズムは、光の経路を所望角度に屈曲可能な台形状に形成されたので、台形の辺の長さ寸法及び角度を任意に調整することにより、容易に光を所望角度に屈曲させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る光学特性測定装置を示す全体模式図
図2】同光学特性測定装置におけるベース部上の装置構成を示す斜視図
図3】同光学特性測定装置における試料を保持する保持手段に形成されたプリズムを示す模式図
図4】同プリズムを反射する光の経路を示す模式図
図5】同プリズムを透過する光の経路を示す模式図
図6】同プリズムを拡散反射する光の経路を示す模式図
図7】同光学特性測定装置におけるベース部上の装置構成及び光経路を示す平面図
図8図7の光経路を経た光の輝度分布を示す模式図
図9】同光学特性測定装置におけるベース部上の装置構成及び光経路を示す平面図
図10図9の光経路を経た光の輝度分布を示す模式図
図11】同光学特性測定装置における表示手段による表示内容を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る光学特性測定装置は、検出手段で検出した光に基づいて試料の光学的特性を評価可能なもので、図1、2に示すように、本体Fと、保持手段1と、光源としての投光機2と、制御手段3と、光学フィルタ(4、5、6)と、可動偏角手段7と、固定偏角手段8と、ベース部Bと、透過板10及び表示板11(表示手段)とを有して構成されている。
【0024】
本体Fは、暗室を構成するもので、その暗室の内部には本装置を構成する種々の構成部品が配設されている。また、本体Fの内部は、画成板D1、D2によって上下方向に区分けされており、上段に保持手段1等が形成されたベース部B、中段に光源としての投光機2及び下段に制御手段3がそれぞれ配設されている。さらに、本体Fの上段及び中段には、反射鏡M1、M2がそれぞれ取り付けられている。
【0025】
しかるに、本実施形態においては、光源としての投光機2は、試料Wが配置されたベース部Bの下方に設置されるとともに、当該投光機2から照射された光をベース部B上の試料Wに反射鏡M1、M2にて反射させ得るようになっているが、試料Wが配置されたベース部Bの上方に投光機2を設置するとともに、当該投光機2から照射された光をベース部B上の試料Wに反射鏡M1、M2にて反射させ得るよう構成してもよい。
【0026】
投光機2は、スクリーンに画像等を投射可能なプロジェクタと称されるもので、本実施形態においては、保持手段1に保持された試料Wに光を照射可能な光源から成る。この投光機2は、例えば発光ダイオード2光源とするLEDプロジェクタ等から成るもので、制御手段3による制御によって、所望の位置において任意の光(任意の大きさ、形状及び色の光)を照射可能とされている。
【0027】
投光機2の具体例として、例えば、図1に示すように、ランプ等の光源2aと、プリズム2bと、レンズ2c等を有して構成されたものが挙げられる。この場合、光源2aから照射された光を光の三原色(赤・緑・青)に分解し、それぞれに液晶パネルを一つずつ割り当てて透過させる。そして、分解された光は、プリズム2bで合成され、画像を構成する色や形が形成された後、レンズ2cを介して外部に(本実施形態においては、反射鏡M1に向かって)投写されることとなる。
【0028】
制御手段3は、投光機2を制御するパソコン等から成るもので、照射される光を任意に調整して光の照射位置、大きさ、形状、色、強度等の光の形態を任意に調整可能とされている。そして、制御手段3にて制御された投光機2から照射された光は、反射鏡M1及び反射鏡M2をそれぞれ反射した後、上段のベース部Bに対して略平行に照射されることとなる。
【0029】
ベース部Bは、図2に示すように、保持手段1と、光経路形成手段を構成する光学フィルタ(4、5、6)、可動偏角手段7及び固定偏角手段8とが取り付けられたものである。保持手段1は、被測定物である試料Wを保持するためのもので、ベース部Bの所定位置に固定されるとともに、図3~6に示すように、密着手段1aと、プリズム部1bとを有して構成されている。
【0030】
密着手段1aは、プリズム部1bに密着して取り付けられるもので、例えば試料Wとプリズム部1bとの間の空気層を排除して、光学的に接触させるオプティカルボンディングシート(粘着シート)等から成る。なお、密着手段1aは、かかるオプティカルボンディングシートに代えて、光学接着剤やシリコンオイルなど、プリズムと試料Wの屈折率を整合させることができる他の形態の接着剤またはオイルとすることができる。プリズム部1bは、平面視において斜面a、b、短辺c及び長辺dを有した台形状に形成されたプリズムから成り、密着手段1aに固定された試料Wに対して光を反射及び透過し得るようになっている。
【0031】
例えば、試料Wにて光を反射させる場合、図4に示すように、プリズム部1bに入射した光が斜面aにて屈曲し、試料Wに対して所定角度で反射した後、斜面bにて屈曲しつつプリズム部1bから出射することとなる。また、試料Wにて光を透過させる場合、図5に示すように、プリズム部1bの短辺cから入射した光が長辺dから出射し、試料Wを透過するようになっている。さらに、試料Wにて光を拡散反射させる場合、図6に示すように、プリズム部1bに入射した光が斜面aにて屈曲し、試料Wに対して所定角度で反射した後、プリズム部1bの短辺cから出射することとなる。
【0032】
光学フィルタ(4、5、6)は、光を透過させ得るレンズ(4a、5a、6a)を有して構成されており、光学フィルタ(4、5)が試料Wに照射する前の光(入射光)を案内(導光)するとともに、光学フィルタ6が試料Wに照射した後の光(出射光)を案内(導光)するようになっている。レンズ(4a、5a、6a)は、光を通過させて導光させ得るものであれば足り、例えばレンズの他、偏光子や光学薄膜等であってもよい。また、光学フィルタ(4、5、6)は、ベース部Bに取り付けられた摺動レールLa~Lcに沿ってそれぞれスライド可能とされており、任意の位置に設定可能とされている。
【0033】
可動偏角手段7は、光を反射させ得るミラー部7aを具備したもので、摺動レールLbにてスライド可能とされている。また、可動偏角手段7は、ミラー部7aが回転可能とされており、試料Wにて光を透過させる場合(図7参照)の角度と、試料Wにて光を拡散反射させる場合(図9参照)の角度とが調整可能とされている。固定偏角手段8は、光を反射させ得るもので、保持手段1を挟んで可動偏角手段7と対向する位置に固定されている。
【0034】
本実施形態において、光学フィルタ(4、5、6)、可動偏角手段7及び固定偏角手段8は、投光機2(光源)から照射された光を試料Wに反射又は透過させて任意の光経路を形成可能な光経路形成手段を構成している。特に、本実施形態に係る光経路形成手段は、投光機2(光源)及び検出手段9が所定位置に固定された状態で任意の光経路(鏡面反射光経路H1、透過光経路H2及び拡散反射光経路H3)を形成可能とされている。
【0035】
具体的には、測定モード1においては、図7に示すように、光経路形成手段により、光学フィルタ4を通過した光が、試料Wを反射した後、光学フィルタ6を通過する鏡面反射光経路H1(図7中点線で示す経路)と、光学フィルタ5を通過した光が、可動偏角手段7で反射して試料Wを透過した後、固定偏角手段8で反射する透過光経路H2(図7中一点鎖線で示す経路)とが形成される。
【0036】
また、測定モード2においては、図8に示すように、光経路形成手段(この場合、可動偏角手段7のミラー部7aを90°回転させる)により、光学フィルタ4を通過した光が、試料Wを反射した後、光学フィルタ6を通過する鏡面反射光経路H1(図8中点線で示す経路)と、光学フィルタ4を通過した光が、試料Wを拡散反射した後、可動偏角手段7で反射する拡散反射光経路H3(図8中二点鎖線で示す経路)とが形成される。
【0037】
検出手段9は、光経路形成手段で形成された光経路に沿って試料Wを反射又は透過した光を検出可能なもので、例えば本体Fに隣接した位置(別個の暗室等)に設置されたハイパースペクトルカメラ、照度計、輝度計又はデジタルカメラ等から成る。具体的には、本実施形態に係る検出手段9は、本体Hに取り付けられた透過板10を透過した光を検出可能とされており、試料Wを反射又は透過した光の輝度分布を検出可能とされている。
【0038】
例えば測定モード1においては、図8に示すように、鏡面反射光経路H1を経た光と、透過光経路H2を経た光とがそれぞれ輝度分布として検出されるとともに、測定モード2においては、図10に示すように、鏡面反射光経路H1を経た光と、拡散反射光経路H3を経た光とがそれぞれ輝度分布として検出されることとなる。
【0039】
透過板10は、検出手段9で検出される前の光を透過させる透過型スクリーンから成り、透過する光の輝度が大きいとき、当該透過型スクリーンのゲインにより調整することができるようになっている。この透過板10を透過した光は、図11に示すように、光(同図においては、鏡面反射光経路H1の光、及び透過光経路H2の光)の2次元の輝度分布として表示されることとなる。
【0040】
また、透過板10の上部には、表示板10が形成されている。かかる表示板10は、測定項目が表示される表示部11aと、検出手段9による検出結果が表示される表示部11bと、検出手段9による検出結果に基づく視認イメージが表示される表示部11cとを有して構成されている。表示部11aには、測定時の条件(各種パラメータ等)が表示されるとともに、表示部11bには、透過率や反射率の他、光沢度や偏光度についても表示されるようになっている。
【0041】
さらに、表示部11cには、試料Wを実際に部品等に用いた場合において、検出結果に基づく画像や映像等が視認イメージとして表示され、試料Wを所望の部位に使用した場合の映り込みや見栄え等が視覚的に把握できるよう構成されている。これにより、測定時又は測定後において、試料Wの光学特性に基づく視認イメージを的確に把握させることができ、迅速に官能評価を行うことが可能となる。
【0042】
本実施形態に係る光学特性測定装置によれば、光源は、所望の位置において任意の光を照射可能な投影機2から成るので、光源からの照射光の位置や照射光の形状や大きさ等の光の形態を容易に変更することができ、測定時の調整作業に熟練を要さず測定精度を一定に維持することができる。また、本実施形態に係る光経路形成手段は、投光機2(光源)及び検出手段9が所定位置に固定された状態で任意の光経路を形成可能とされたので、測定時の調整作業をより容易に行わせることができる。
【0043】
さらに、本実施形態に係る検出手段9は、試料Wを反射又は透過した光の輝度分布を検出可能とされたので、試料Wの光学的特性を簡易且つ良好に評価することができる。またさらに、投光機2(光源)は、試料Wが配置されたベース部Bの上方又は下方に設置されるとともに、当該投光機2(光源)から照射された光をベース部B上の試料Wに反射させ得る反射鏡(M1、M2)が取り付けられたので、装置の設置スペースを小さくすることができる。
【0044】
また、本実施形態によれば、検出手段9による検出結果を表示可能とされた表示板11(表示手段)を具備したので、測定時や測定後において検出結果を迅速に把握することができる。さらに、本実施形態に係る表示板11(表示手段)は、検出手段9による検出結果に加え、当該検出結果に基づく視認イメージを表示可能とされたので、より的確に視覚的なイメージを把握させることができる。
【0045】
特に、本実施形態によれば、保持手段1は、入射した光を試料Wを介して反射、透過又は拡散反射させ得るプリズム(プリズム部1b)が取付可能とされたので、プリズムの性質を利用して光を反射又は透過させることができる。また、プリズムは、光の経路を所望角度に屈曲可能な台形状に形成されたので、台形の辺の長さ寸法及び角度を任意に調整することにより、容易に光を所望角度に屈曲させることができる。
【0046】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば光経路形成手段を他の部品にて構成したもの又は表示板11を具備しないもの等であってもよい。また、測定モード1、2の他、他の光を検出し得る測定モードを選択可能なものであってもよい。さらに、本実施形態においては、ベース部B及び投光機2が上下2段の位置に配設されているが、スペース上余裕があれば、ベース部B及び投光機2を水平方向に配設するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
光源が所望の位置において任意の光を照射可能な投影機から成る光学特性測定装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 保持手段
1a 密着手段
1b プリズム部
2 投光機(光源)
3 制御手段
4、5、6 光学フィルタ
7 可動偏角手段
7a ミラー部
8 固定偏角手段
9 検出手段
10 透過板
11 表示板(表示手段)
W 試料
B ベース部
F 本体
D 画成板
H1 鏡面反射光経路
H2 透過光経路
H3 拡散反射光経路
M1、M2 反射鏡
La~Lc 摺動レール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11