(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129825
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】外気空調装置
(51)【国際特許分類】
F24F 3/044 20060101AFI20220830BHJP
F24F 3/14 20060101ALI20220830BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
F24F3/044
F24F3/14
F24F7/06 B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021028661
(22)【出願日】2021-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】391022658
【氏名又は名称】パーカーエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095245
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 嘉彦
(72)【発明者】
【氏名】渡部 隆郁
【テーマコード(参考)】
3L053
3L058
【Fターム(参考)】
3L053BB01
3L053BB02
3L053BB04
3L053BC05
3L058BF00
(57)【要約】
【課題】 ヒートポンプの熱交換器が組み込まれ、且つ従来の外気空調装置に比べて構成が簡素な外気空調装置を提供する。
【解決手段】 外気取込口から順次配設された冷却加熱兼用部、加熱部、加湿部を備え、冷却加熱兼用部はヒートポンプの一対の熱交換器の一方であり、ヒートポンプは冷却加熱兼用部に高温冷媒と低温冷媒の何れかを選択的に供給するための四方弁を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気取込口から順次配設された冷却加熱兼用部、加熱部、加湿部を備え、冷却加熱兼用部はヒートポンプの一対の熱交換器の一方であり、ヒートポンプは冷却加熱兼用部に高温冷媒と低温冷媒の何れかを選択的に供給するための四方弁を備えることを特徴とする外気空調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は温度と湿度とを調整した外気を屋内に供給するための外気空調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
塗装ブース、電子機器製造工場や医薬品製造工場等のクリーンルーム等に配設される温度と湿度とを調整した外気を屋内に供給するための外気空調装置であって、外気取込口から順次配設されたプレヒーター、ワッシャー、冷却コイル、再加熱コイルを備え、冷却コイルと再加熱コイルがヒートポンプの吸熱用熱交換器と放熱用熱交換器であることを特徴とする外気空調装置が特許文献1に開示されている。
特許文献1の外気空調装置においては、ヒートポンプの吸熱用熱交換器冷媒流量と放熱用熱交換器冷媒流量とを独立に制御して、屋内に供給する外気の温度と湿度とを適正領域内に制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の外気空調装置には、ヒートポンプの吸熱用熱交換器冷媒流量と放熱用熱交換器冷媒流量とを独立に制御するために、冷媒回路に一対の戻し回路と戻し回路の開度を制御する一対の流量調節弁を配設しており、ヒートポンプの構成が複雑になるという問題がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、温度と湿度とを調整した外気を屋内に供給するための外気空調装置であって、ヒートポンプの熱交換器が組み込まれ、且つ特許文献1の外気空調装置に比べて構成が簡素な外気空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明においては、外気取込口から順次配設された冷却加熱兼用部、加熱部、加湿部を備え、冷却加熱兼用部はヒートポンプの一対の熱交換器の一方であり、ヒートポンプは冷却加熱兼用部に高温冷媒と低温冷媒の何れかを選択的に供給するための四方弁を備えることを特徴とする外気空調装置を提供する。
本発明に係る外気空調装置は、家庭用空調装置と同様の構成を有するヒートポンプの一対の熱交換器の一方を冷却加熱兼用部として備えている。冷却部としての作動と加熱部としての作動は、ヒートポンプが備える四方弁の切換により行う。熱交換器の放熱量と吸熱量の制御はヒートポンプが備える圧縮機の作動を制御することにより行う。
本発明に係る外気空調装置は、従来の外気空調装置と異なり、ヒートポンプの吸熱用熱交換器冷媒流量と放熱用熱交換器冷媒流量とを独立に制御するための、一対の戻し回路と戻し回路の開度を制御する一対の流量調節弁を必要としないので、従来に比べて構成が簡素である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施例に係る外気空調装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1に示すように、塗装ブース、電子機器製造工場や医薬品製造工場等のクリーンルーム等に配設される温度と湿度とを調整した外気を屋内に供給するための外気空調装置1は、外気取込口から順次配設されたフィルター2、冷却加熱兼用部3、電気ヒーター4、加湿部5、ブロア6を備えている。
冷却加熱兼用部3は、圧縮機7a、室外熱交換器7b、膨張弁7c、室内熱交換器7d、四方弁7e、上記機器を相互に連結する冷媒回路7fから構成されるヒートポンプ7の室内熱交換器7dである。
四方弁7eを切り換えることにより、冷却加熱兼用部3を冷却部として作動させる場合は、ヒートポンプ7の冷媒回路7fに矢印方向に冷媒を流して室内熱交換器7dから吸熱し、冷却加熱兼用部3を加熱部として使用する場合は、ヒートポンプ7の冷媒回路7fに二重矢印方向に冷媒を流して室内熱交換器7dから放熱する。室内熱交換器7dの放熱量と吸熱量の制御は圧縮機7aの作動を制御することにより行う。
【0008】
外気空調装1の作動と作用効果とを説明する。
外気が高温多湿の時は冷却加熱兼用部3を冷却部として作動させて外気を冷却除湿すると共に電気ヒーター4を作動させて外気温度を微調整し、外気が低温乾燥の時は冷却加熱兼用部3を加熱部として作動させ及び/又は電気ヒーター4を作動させて外気を加温すると共に加湿部5を作動させて外気を加湿し、その他の外気温度湿度条件の時は冷却加熱兼用部3、電気ヒーター4、加湿部5を適宜に組み合わせて作動させて、塗装ブース、電子機器製造工場や医薬品製造工場等のクリーンルーム等に供給される外気の温度と湿度とを適正領域内に制御する。
外気空調装1においては、ヒートポンプの吸熱用熱交換器と放熱用熱交換器とが直列に配設された従来の外気空調装置と異なり、ヒートポンプの吸熱用熱交換器冷媒流量と放熱用熱交換器冷媒流量とを独立に制御するための一対の戻し回路と戻し回路の開度を制御する一対の流量調節弁の配設が不要なので、従来に比べて構成が簡素である。
【産業上の利用可能性】
【0009】
本発明は、塗装ブース、電子機器製造工場や医薬品製造工場等のクリーンルーム等に供給される外気の温度と湿度とを適正領域に制御するための外気空調装置に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0010】
1 外気空調装置
2 フィルター
3 冷却加熱兼用部
4 電気ヒーター
5 加湿部
6 ブロワー
7 ヒートポンプ
7a 圧縮機
7b 室外熱交換器
7c 膨張弁
7c 室内熱交換器
7e 四方弁
7f 冷媒回路