(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129855
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】断線検出装置および制御装置
(51)【国際特許分類】
G01R 31/00 20060101AFI20220830BHJP
G01R 31/50 20200101ALI20220830BHJP
【FI】
G01R31/00
G01R31/50
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021028701
(22)【出願日】2021-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤田 慎幸
(72)【発明者】
【氏名】一瀬 雄太
【テーマコード(参考)】
2G014
2G036
【Fターム(参考)】
2G014AA02
2G014AB33
2G014AB56
2G014AB57
2G014AC15
2G014AC18
2G036AA19
2G036BB06
2G036BB07
2G036BB20
2G036CA06
2G036CA08
2G036CA10
(57)【要約】
【課題】断線の検出精度を上げることが可能な断線検出装置および制御装置を提供する。
【解決手段】断線検出装置は、入力端子およびグランド接続端子を有するコントロールユニットと、両端子を有し、両端子の一方が配線を介して入力端子に接続され、両端子の他方が配線を介してグランドに接続されるスイッチと、スイッチと並列に接続された抵抗と、を備える断線検出装置であって、スイッチと抵抗とは、加締めにより互いに接続される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子およびグランド接続端子を有するコントロールユニットと、
両端子を有し、両端子の一方が配線を介して前記入力端子に接続され、両端子の他方が前記配線を介してグランドに接続されるスイッチと、
前記スイッチと並列に接続された抵抗と、
を備える断線検出装置であって、
前記スイッチと前記抵抗とは、加締めにより互いに接続される、
断線検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の断線検出装置の検出結果を表示部に表示させる制御を実行する制御部を備える、制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、断線検出装置および制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、断線検出装置は、電源ラインに異常温度スイッチを直列に挿入した回路において、異常温度スイッチのグランド側の電圧を複数の抵抗で分圧してマイコンの入力ポートに直接入力するように構成されている(例えば、特許文献1を参照)。これにより、分圧回路の回路異常の有無を検出することが可能となる。
【0003】
抵抗の両端子のそれぞれから延在する信号線がグランド側に接続されている。例えば、
図1に示すように、信号線とグランド側とはジョイントコネクタ1で接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、信号線がジョイントコネクタ1とジョイントコネクタ1との間で断線した場合、抵抗2を介して通電可能なため、断線を検出できない区間3が存在する。これにより、断線の検出精度が低下するという問題がある。
【0006】
本開示の目的は、断線の検出精度を上げることが可能な断線検出装置および制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本開示における断線検出装置は、
入力端子およびグランド接続端子を有するコントロールユニットと、
両端子を有し、両端子の一方が配線を介して前記入力端子に接続され、両端子の他方が前記配線を介してグランドに接続されるスイッチと、
前記スイッチと並列に接続された抵抗と、
を備える断線検出装置であって、
前記スイッチと前記抵抗とは、加締めにより互いに接続される。
【0008】
制御装置は、上記断線検出装置の検出結果を表示部に表示させる制御を実行する制御部を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、断線の検出精度を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、従来の断線検出装置の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施の形態に係る断線検出装置の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、断線位置が描かれた断線検出装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図2は、本開示の実施の形態に係る断線検出装置10の一例を示す図である。
図2に示すように、断線検出装置10は、コントロールユニット11と、検出部12とを有している。コントロールユニット11は、CPU(Central Processing Unit)(不図示)および駆動回路(不図示)を有し、電力供給指令と、配線Lの電位とに基づいて配線Lの断線検出を行う。ここでは、配線Lは、電力供給用の配線L1および抵抗接続用の配線L2をいう。
【0012】
CPUは、配線Lの断線検出のため、検出部12を通して得られる電圧値を監視する。
【0013】
駆動回路は、配線L1を介して抵抗20に電力を供給する。ここで、抵抗20は、スイッチ13に連動する機器が有する抵抗である。
【0014】
コントロールユニット11は、入力端子11aおよびグランド接続端子11bを有している。入力端子11aは配線L1および検出部12を介して抵抗20の一方の端子20aに接続されている。抵抗20の他方の端子20bはグランドに接続されている。また、グランド接続端子11bは、グランドに接続されている。
【0015】
検出部12は、スイッチ13と、抵抗14とを備えている。スイッチ13と抵抗14とは並列に接続されている。以下の説明で、スイッチ13と抵抗14とが並列に接続された回路を「並列回路」という。
【0016】
スイッチ13は、例えば、操作者(ユーザー)の操作によりON/OFFされるスイッチである。スイッチ13の一方の端子13aは配線L1の他端に接続されている。
【0017】
スイッチ13の他方の端子13bは、配線L1を介して抵抗20の一方の端子20aに接続されている。
【0018】
並列回路においては、スイッチ13の一方の端子13aと抵抗14の一方の端子14aから延ばされた配線L2とが互いに接続される。スイッチの他方の端子13bと抵抗14の他方の端子14bから延ばされた配線L2とが互いに接続される。以下の説明で、一方の端子13aと配線L2とが互いに接続された部位、および、他方の端子13bと配線L2とが互いに接続された部位のそれぞれを「分岐部」という。
【0019】
分岐部15にはダブル加締めが用いられている。具体的には、分岐部15においては、スイッチ13の一方の端子13aと配線L2とはダブル加締めにより互いに接続されている。また、スイッチ13の他方の端子13bと配線L2とはダブル加締めにより互いに接続されている。なお、ダブル加締めは公知の方法により行われるため、その説明を省略する。
【0020】
次に、断線検出方法の一例ついて
図3を参照して説明する。
図3は、断線位置が描かれた断線検出装置10の一例を示す図である。
図3に断線位置を「×」で示す。
【0021】
(正常時)
配線L(L1およびL2)が断線していない場合(正常時)、スイッチ13がONされると、電流はスイッチ13側と抵抗14側とに分流する。これにより、検出部12を通して得られる電圧値Vは、スイッチ13側の内部抵抗にかかる電圧値Vaとなる。内部抵抗の抵抗値Ra、内部抵抗側に分流された電流値Iaとした場合、電圧値Va=Ia*Raとなる。したがって、CPUは、正常時の電圧値Va(=Ia*Ra)を正常値とし、正常値Vaに基づいて配線Lの断線を監視する。
【0022】
(断線時)
配線L1が位置P1で断線した場合、スイッチ13がONされても、検出部12には電流が流れない。これにより、検出部12を通して得られる電圧値Vは、「0」となる。したがって、CPUは、検出部12を通して得られる電圧値Vが「0」となり、正常値Vaと異なることで、配線Lの断線を検出する。
【0023】
また、配線L2が位置P2で断線した場合、スイッチ13がONされると、電流はスイッチ13側のみに流れる。これにより、検出部12を通して得られる電圧値Vは、スイッチ13側の内部抵抗にかかる電圧値Vbとなる。内部抵抗側のみに流れる電流値Ibとした場合、電圧値Vb=Ib*Raとなる。したがって、CPUは、検出部12を通して得られる電圧値VがVbとなり、正常値Vaと異なることで、配線Lの断線を検出する。
【0024】
以上により、CPUは、検出部12を通して得られる電圧値Vが正常値Vaと異なることで、配線L(L1,L2)の断線を検出することが可能となる。
【0025】
制御装置(不図示)は、CPUの断線検出結果を例えば表示装置(不図示)に表示させる制御を実行する制御部(不図示)を備える。断線検出結果が表示装置に表示されるため、操作者(ユーザー)は断線の有無を視認することが可能となる。
【0026】
上記実施の形態に係る断線検出装置10は、入力端子11aおよびグランド接続端子11bを有するコントロールユニット11と、両端子を有し、両端子の一方が配線Lを介して入力端子11aに接続され、両端子の他方が配線L1を介してグランドに接続されるスイッチ13と、スイッチ13と並列に接続された抵抗14と、を備える断線検出装置であって、スイッチ13の一方の端子13aと抵抗14の一方の端子14aから延ばされた配線L2とは、ダブル加締めにより互いに接続される。また、スイッチ13の他方の端子13bと抵抗14の他方の端子14bから延ばされた配線L2とは、ダブル加締めにより互いに接続される。
【0027】
上記構成により、一方の端子13aと配線L2とが接続される部位、および、他方の端子13bと配線L2とが接続される部位のそれぞれである分岐部15にジョイントコネクタを使用しないで、ダブル加締めを採用することで、断線を検出できない区間(例えば、
図1に示す区間3など)を省くことが可能となる。これにより、配線L1,L2のいずれの位置が断線しても、断線検出されるため、断線の検出精度を上げることが可能となる。
【0028】
なお、上記実施の形態では、断線検出装置10を電力供給用の配線の断線に適用したが、信号線の断線に適用してもよい。
【0029】
その他、上記実施の形態は、何れも本開示の実施をするにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本開示は、断線の検出精度を上げることが要求される制御装置に好適に利用される。
【符号の説明】
【0031】
1 ジョイントコネクタ
2 抵抗
3 区間
10 断線検出装置
11 コントロールユニット
12 検出部
13 スイッチ
13a 一方の端子
13b 他方の端子
14 抵抗
14a 一方の端子
14b 他方の端子
15 分岐部
20 抵抗
20a 一方の端子
20b 他方の端子