(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129870
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】回路装置及び回路装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20220830BHJP
H05K 3/40 20060101ALI20220830BHJP
H05K 1/18 20060101ALI20220830BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20220830BHJP
H05K 1/11 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H05K3/40 A
H05K1/18 N
H05K3/34 501B
H05K3/34 501D
H05K3/34 506A
H05K3/34 505F
H05K1/11 A
H05K3/34 501Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021028724
(22)【出願日】2021-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 理生
【テーマコード(参考)】
5E317
5E319
5E336
5E338
【Fターム(参考)】
5E317AA11
5E317BB02
5E317BB12
5E317CC03
5E317CC15
5E317GG07
5E319AA02
5E319AA03
5E319AB01
5E319AB05
5E319AC02
5E319CC22
5E319CC53
5E319GG03
5E336AA07
5E336BB03
5E336BC04
5E336CC52
5E336GG06
5E338AA03
5E338BB04
5E338BB13
5E338BB25
5E338BB75
5E338CD33
5E338EE51
(57)【要約】
【課題】導体層とリードとの間のはんだ付け性を改善することが可能な回路装置を提供する。
【解決手段】回路装置は、第1面と、第1面の反対面である第2面とを有する基板と、リードを有する電気部品と、第1はんだ層と、接続部材とを備える。基板には、第1面から第2面に向かう方向に沿って基板を貫通している貫通穴が形成されている。貫通穴の内壁面は、スルーホールが形成されている導体層により被覆されている。基板は、第1面に、第1配線と、第2配線とを有する。第1配線は、導体層に接続されている第1端部と、第1端部の反対側の端部である第2端部とを含む。第2配線は、第2端部と離間している第3端部を含む。リードは、スルーホールに挿入されている。第1はんだ層は、スルーホール内に充填されていることにより、リードと導体層とを接続している。接続部材は、第2端部と第3端部とを接続している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面の反対面である第2面とを有する基板と、
リードを有する電気部品と、
第1はんだ層と、
接続部材とを備え、
前記基板には、前記第1面から前記第2面に向かう方向に沿って前記基板を貫通している貫通穴が形成されており、
前記貫通穴の内壁面は、スルーホールが形成されている導体層により被覆されており、
前記基板は、前記第1面に、第1配線と、第2配線とを有し、
前記第1配線は、前記導体層に接続されている第1端部と、前記第1端部の反対側の端部である第2端部とを含み、
前記第2配線は、前記第2端部と離間している第3端部を含み、
前記リードは、前記スルーホールに挿入されており、
前記第1はんだ層は、前記スルーホール内に充填されていることにより、前記リードと前記導体層とを接続しており、
前記接続部材は、前記第2端部と前記第3端部とを接続している、回路装置。
【請求項2】
前記接続部材は、ジャンパ抵抗器である、請求項1に記載の回路装置。
【請求項3】
前記接続部材は、ジャンパ線である、請求項1に記載の回路装置。
【請求項4】
前記接続部材は、第2はんだ層である、請求項1に記載の回路装置。
【請求項5】
前記第2端部と前記第3端部とは、櫛歯状に形成されている溝により離間している、請求項4に記載の回路装置。
【請求項6】
前記第2端部と前記第3端部とは、渦巻き状に形成されている溝により離間している、請求項4に記載の回路装置。
【請求項7】
第1面と、前記第1面の反対面である第2面とを有する基板及びリードを有する電気部品を準備する工程と、
前記電気部品を前記基板に取り付ける工程とを備え、
前記基板には、前記第1面から前記第2面に向かう方向に沿って前記基板を貫通している貫通穴が形成されており、
前記貫通穴の内壁面は、スルーホールが形成されている導体層により被覆されており、
前記基板は、前記第1面に、第1配線と、第2配線とを有し、
前記第1配線は、前記導体層に接続されている第1端部と、前記第1端部の反対側の端部である第2端部とを含み、
前記第2配線は、前記第2端部と離間している第3端部を含み、
前記電気部品を前記基板に取り付ける工程は、前記リードが前記スルーホールに挿入されている状態で前記リードと前記導体層とをはんだ付けすることにより行われ、
前記電気部品を前記基板に取り付ける工程の後に前記第1端部と前記第2端部とを接続部材により接続する工程をさらに備える、回路装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路装置及び回路装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1(特開2007-250697号公報)には、多層配線基板が記載されている。特許文献1に記載の多層配線基板は、複数の配線層と、複数の絶縁層とを有する。複数の配線層及び複数の絶縁層は、多層配線基板の厚さ方向に沿って交互に積層されている。多層配線基板には、厚さ方向に沿って多層配線基板を貫通している貫通穴が形成されている。貫通穴の内壁面は、スルーホールが形成されている導体層により被覆されている。電気部品のリードは、スルーホールに挿入されているとともに、はんだ付けが行われることにより導体層に接続されている。
【0003】
複数の配線層には、電源配線層が含まれている。電源配線層は、2つの絶縁層の間において全面にわたって形成されている。そのため、導体層の熱は、電源配線層を通って周囲に拡散されやすい。その結果、導体層の温度が上昇しにくいことがある。
【0004】
導体層の温度が上昇しにくいと、導体層とリードとのはんだ付けが良好に行えないことがある。この問題を解消するために、導体層の周囲にある電源配線層には、サーマルランドが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者らが鋭意検討したところによると、特許文献1に記載の多層配線基板は、導体層とリードとの間のはんだ付け性に改善の余地がある。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本発明は、導体層とリードとの間のはんだ付け性を改善することが可能な回路装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の回路装置は、第1面と、第1面の反対面である第2面とを有する基板と、リードを有する電気部品と、第1はんだ層と、接続部材とを備える。基板には、第1面から第2面に向かう方向に沿って基板を貫通している貫通穴が形成されている。貫通穴の内壁面は、スルーホールが形成されている導体層により被覆されている。基板は、第1面に、第1配線と、第2配線とを有する。第1配線は、導体層に接続されている第1端部と、第1端部の反対側の端部である第2端部とを含む。第2配線は、第2端部と離間している第3端部を含む。リードは、スルーホールに挿入されている。第1はんだ層は、スルーホール内に充填されていることにより、リードと導体層とを接続している。接続部材は、第2端部と第3端部とを接続している。
【0009】
上記の回路装置では、接続部材がジャンパ抵抗であってもよい。上記の回路装置では、接続部材がジャンパ線であってもよい。
【0010】
上記の回路装置では、接続部材が第2はんだ層であってもよい。この場合、第2端部と第3端部とは、櫛歯状に形成されている溝により離間していてもよく、渦巻き状に形成されている溝により離間していてもよい。
【0011】
本発明の回路装置の製造方法は、第1面と、第1面の反対面である第2面とを有する基板及びリードを有する電気部品を準備する工程と、電気部品を基板に取り付ける工程とを備える。基板には、第1面から第2面に向かう方向に沿って基板を貫通している貫通穴が形成されている。貫通穴の内壁面は、スルーホールが形成されている導体層により被覆されている。基板は、第1面に、第1配線と、第2配線とを有する。第1配線は、導体層に接続されている第1端部と、第1端部の反対側の端部である第2端部とを含む。第2配線は、第2端部と離間している第3端部を含む。電気部品を基板に取り付ける工程は、リードがスルーホールに挿入されている状態でリードと導体層とをはんだ付けすることにより行われる。回路装置の製造方法は、電気部品を基板に取り付ける工程の後に第1端部と第2端部とを接続部材により接続する工程をさらに備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明の回路装置及び回路装置の製造方法によると、導体層とリードとの間のはんだ付け性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】回路装置100の製造方法を示す工程図である。
【
図4】準備工程S1における基板10の断面図である。
【
図10】変形例に係る回路装置400の拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。ここでは、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0015】
(第1実施形態)
以下に、第1実施形態に係る回路装置(以下「回路装置100」とする)を説明する。
【0016】
<回路装置100の構成>
図1は、回路装置100の平面図である。
図2は、回路装置100の断面図である。
図1及び
図2に示されるように、回路装置100は、基板10と、電気部品20と、はんだ層30と、接続部材40とを有している。
【0017】
基板10は、例えば、多層配線基板である。基板10は、銅インレイ基板であってもよい。基板10は、第1面10aと、第2面10bとを有している。第1面10a及び第2面10bは、基板10の厚さ方向における端面である。第2面10bは、第1面10aの反対面である。
【0018】
基板10は、複数の配線層11と、複数の絶縁層12とを有している。複数の配線層11及び複数の絶縁層12は、配線層11が第1面10a及び第2面10bに位置するように、基板10の厚さ方向に沿って交互に積層配置されている。このことを別の観点から言えば、第1面10a及び第2面10bに位置する配線層11以外の配線層11は、2つの絶縁層12により挟み込まれている。
【0019】
配線層11は、導電材料により形成されている。導電材料は、例えば金属材料である。金属材料の具体例は、銅(Cu)等である。絶縁層12は、絶縁材料により形成されている。絶縁材料は、例えば樹脂材料である。樹脂材料の具体例は、エポキシ樹脂である。
【0020】
基板10には、貫通穴10cが形成されている。貫通穴10cは、厚さ方向に沿って基板10を貫通している。すなわち、貫通穴10cは、第1面10aから第2面10bに向かう方向に沿って基板10を貫通している。
【0021】
基板10は、導体層13を有している。導体層13は、貫通穴10cの内壁面を被覆している。導体層13は、導電材料により形成されている。導電材料は、例えば金属材料である。金属材料の具体例は、銅である。導体層13には、スルーホール13aが形成されている。スルーホール13aは、厚さ方向に沿って基板10を貫通している。導体層13は、複数の導体層13の各々に接続されている。
【0022】
第1面10a及び第2面10bに位置する配線層11以外の配線層11のうちの少なくとも1つは、電源配線層になっている。この電源配線層は、2つの絶縁層の間において全面にわたって形成されている。この電源配線層には、導体層13の周囲にある部分においてサーマルランド(図示せず)が形成されていてもよい。
【0023】
第1面10aに位置している配線層11は、第1配線14と、第2配線15とを有している。第1配線14は、第1端部14aと、第2端部14bとを有している。第1端部14aは、導体層13に接続されている第1配線14の端部である。第2端部14bは、第1端部14aの反対側の端部である。第2配線15は、第3端部15aを有している。第3端部15aは、第1端部14aと離間している。すなわち、第3端部15aは、第1端部14aと間隔を空けて対向配置されている。
【0024】
電気部品20は、リード21を有している。リード21は、導電材料により形成されており、電気部品20の接続端子として機能する。導電材料は、例えば金属材料である。導電材料の具体例は、銅(銅合金)である。リード21は、スルーホール13aに挿入されている。より具体的には、リード21は、第2面10b側からスルーホール13aに挿入されている。
【0025】
はんだ層30は、はんだにより形成されている。はんだは、例えば、スズ(Sn)を主成分とする合金である。はんだ層30は、スルーホール13a内に充填されている。これにより、リード21は、導体層13に接続されている。
【0026】
接続部材40は、例えばジャンパ抵抗41である。接続部材40(ジャンパ抵抗41)は、第2端部14b及び第3端部15aに接続されている。これにより、第1配線14と第2配線15とが、電気的に導通している。
【0027】
<回路装置100の製造方法>
図3は、回路装置100の製造方法を示す工程図である。
図3に示されるように、回路装置100の製造方法は、準備工程S1と、電気部品取り付け工程S2と、接続部材取り付け工程S3とを有している。電気部品取り付け工程S2は、準備工程S1の後に行われる。接続部材取り付け工程S3は、電気部品取り付け工程S2の後に行われる。
【0028】
準備工程S1では、基板10及び電気部品20が準備される。準備工程S1では、接続部材40(ジャンパ抵抗41)が準備される。
図4は、準備工程S1における基板10の断面図である。
図4に示されるように、準備工程S1では、第2端部14bと第3端部15aとがジャンパ抵抗41により接続されていない。そのため、この段階では、第1配線14が第2配線15と熱的及び電気的に分離されている。
【0029】
電気部品取り付け工程S2では、基板10への電気部品20の取り付けが行われる。電気部品取り付け工程S2では、第1に、リード21がスルーホール13aに挿入される。第2に、リード21がスルーホール13aに挿入されている状態で、リード21の導体層13へのはんだ付けが行われる。このはんだ付けは、例えば、フローはんだ付けにより行われる。但し、リード21の導体層13へのはんだ付け方法は、これに限られない。
【0030】
接続部材取り付け工程S3では、第2端部14b及び第3端部15aが、接続部材40(ジャンパ抵抗41)により接続される。ジャンパ抵抗41による第2端部14b及び第3端部15aの接続は、ジャンパ抵抗41を第2端部14b及び第3端部15aにはんだ付けすることにより行われる。このはんだ付けは、例えば手はんだ(はんだごてを用いたはんだ付け)により行われる。これにより、第1配線14と第2配線15とが電気的に接続され、
図1及び
図2に示される構造の回路装置100が製造される。
【0031】
<回路装置100の効果>
以下において、比較例に係る回路装置を「回路装置200」とする。
図5は、回路装置200の断面図である。
図5には、
図2に対応する位置における回路装置200の断面図が示されている。
図5に示されるように、回路装置200は、基板10と、電気部品20と、はんだ層30とを有している。しかしながら、回路装置200は、接続部材40(ジャンパ抵抗41)を有していない。また、回路装置200は、第1配線14及び第2配線15に代えて、一体形成されている配線16を有している。
【0032】
回路装置200の製造工程でも、リード21がスルーホール13aに挿入されている状態で、リード21と導体層13とのはんだ付けが行われる。回路装置200では第1配線14及び第2配線15に代えて一体形成されている配線16が用いられているため、このはんだ付けが行われている際に、導体層13の熱が配線16を通って拡散されやすい。その結果、はんだ付けが行われている際に導体層13の温度が十分に上昇せず、導体層13及びリード21のはんだ付けが不良となることがある。
【0033】
他方で、回路装置100では、リード21と導体層13との間のはんだ付けが行われている際、導体層13に接続される第1面10aの配線が第1配線14と第2配線15とに分離されているため、導体層13の熱が第2配線15までは拡散されがたい。その結果、回路装置100では、リード21と導体層13との間のはんだ付けが行われている際に、導体層13の温度を上昇させやすい。このように、回路装置100によると、導体層13とリード21との間のはんだ付け性を改善することができる。なお、第1配線14及び第2配線15は、最終的には接続部材40(ジャンパ抵抗41)により電気的に接続されるため、回路装置100は、回路装置200と同様の電気的な機能が実現できる。
【0034】
(第2実施形態)
以下に、第2実施形態に係る回路装置(以下「回路装置300」とする)を説明する。ここでは、回路装置100と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0035】
<回路装置300の構成>
図6は、回路装置300の平面図である。
図7は、回路装置300の側面図である。
図6及び
図7に示されるように、回路装置300は、基板10と、電気部品20と、はんだ層30と、接続部材40とを有している。この点に関して、回路装置300の構成は、回路装置100の構成と共通している。
【0036】
しかしながら、回路装置300では、接続部材40として、ジャンパ抵抗41に代えてジャンパ線42が用いられている。また、回路装置300では、基板10の詳細構成が回路装置100と異なっている。
【0037】
回路装置300では、基板10に、貫通穴10d及び貫通穴10eがさらに形成されている。貫通穴10d及び貫通穴10eは、厚さ方向(第1面10aから第2面10bに向かう方向)に沿って、基板10を貫通している。貫通穴10dと貫通穴10eとの間には第2端部14b及び第3端部15aが配置されている。
【0038】
ジャンパ線42は、第1部分42aと、第2部分42bと、第3部分42cとを有している。第1部分42aは、第1面10aに平行な方向に延在している。第2部分42b及び第3部分42cは、第1面10aから第2面10bに向かう方向に延在している。第2部分42b及び第3部分42cは、それぞれ、第1部分42aの両端に接続されている。すなわち、ジャンパ線42は、コの字型の形状を有している。
【0039】
第2部分42b及び第3部分42cは、それぞれ、貫通穴10d及び貫通穴10eに挿入されている。これにより、第2端部14bと第3端部15aとが、第1部分42aにより接続されている。
【0040】
<回路装置300の製造方法>
回路装置300の製造方法は、準備工程S1、電気部品取り付け工程S2及び接続部材取り付け工程S3を有している点に関して、回路装置100の製造方法と共通している。しかしながら、回路装置300の製造方法は、接続部材取り付け工程S3の詳細に関して回路装置100の製造方法と異なっている。
【0041】
回路装置300の製造方法における接続部材取り付け工程S3では、まず、第2部分42b及び第3部分42cが、貫通穴10d及び貫通穴10eにそれぞれ挿入される。この状態で、第1部分42aと第2端部14b及び第3端部15aとが、はんだ付けにより接続される。
【0042】
<回路装置300の効果>
回路装置300でも、リード21と導体層13との間のはんだ付けが行われている際に導体層13に接続される第1面10aの配線が第1配線14と第2配線15とに分離されており、導体層13の熱が第2配線15までは拡散されがたい。そのため、回路装置300でも、回路装置100と同様に、リード21と導体層13との間のはんだ付けが行われている際に導体層13の温度を上昇させやすく、導体層13とリード21との間のはんだ付け性を改善することができる。
【0043】
(第3実施形態)
以下に、第3実施形態に係る回路装置(以下「回路装置400」とする)を説明する。ここでは、回路装置100と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0044】
<回路装置400の構成>
図8は、回路装置400の平面図である。
図8に示されるように、回路装置300は、基板10と、電気部品20と、はんだ層30と、接続部材40とを有している。この点に関して、回路装置400の構成は、回路装置100の構成と共通している。
【0045】
しかしながら、回路装置400では、接続部材40として、ジャンパ抵抗41に代えてはんだ層43が用いられている。また、回路装置400では、基板10の詳細構成が回路装置100と異なっている。
【0046】
図9は、回路装置400の拡大平面図である。
図9には、第2端部14b及び第3端部15a近傍における回路装置400の拡大された平面図が示されている。
図9中では、はんだ層43が点線により示されている。
図9に示されるように、回路装置400では、第2端部14bと第3端部15aとが、溝17により離間されている。溝17は、平面視において櫛歯状に形成されている。
【0047】
図10は、変形例に係る回路装置400の拡大平面図である。
図10には、
図9に対応する位置における回路装置400の拡大された平面図が示されている。
図10では、はんだ層43が点線により示されている。
図10に示されるように、溝17は、平面視において渦巻き状に形成されていてもよい。
【0048】
図9及び
図10に示されるように、はんだ層43は、第2端部14b上及び第3端部15a上に配置されている。このことを別の観点から言えば、はんだ層43は、第2端部14bと第3端部15aとの間でブリッジしている。これにより、第1配線14と第2配線15とが電気的に接続されている。
【0049】
<回路装置400の製造方法>
回路装置400の製造方法は、準備工程S1、電気部品取り付け工程S2及び接続部材取り付け工程S3を有している点に関して、回路装置100の製造方法と共通している。しかしながら、回路装置400の製造方法は、接続部材取り付け工程S3の詳細に関して回路装置100の製造方法と異なっている。
【0050】
回路装置400の製造方法における接続部材取り付け工程S3では、第2端部14b及び第3端部15aに対するはんだ付けにより接続される。このはんだ付けは、例えば手はんだ(はんだごてを用いたはんだ付け)により行われる。なお、第2端部14bと第3端部15aとが櫛歯状又は渦巻き状に形成されている溝17により離間されている結果、第2端部14bと第3端部15aとの間の間隔が小さくなっているため、上記のはんだ付けの際に、はんだ層43が第2端部14bと第3端部15aとの間でブリッジしやすい。
【0051】
回路装置400でも、リード21と導体層13との間のはんだ付けが行われている際に導体層13に接続される第1面10aの配線が第1配線14と第2配線15とに分離されており、導体層13の熱が第2配線15までは拡散されがたい。そのため、回路装置400でも、回路装置100と同様に、リード21と導体層13との間のはんだ付けが行われている際に導体層13の温度を上昇させやすく、導体層13とリード21との間のはんだ付け性を改善することができる。
【0052】
以上のように本発明の実施形態について説明を行ったが、上記の実施形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は、上記の実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むことが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0053】
上記の実施形態は、電気部品が基板に取り付けられている回路装置に特に有利に適用される。
【符号の説明】
【0054】
10 基板、10a 第1面、10b 第2面、10c,10d,10e 貫通穴、11 配線層、12 絶縁層、13 導体層、13a スルーホール、14 第1配線、14a 第1端部、14b 第2端部、15 第2配線、15a 第3端部、16 配線、17 溝、20 電気部品、21 リード、30 はんだ層、40 接続部材、41 ジャンパ抵抗、42 ジャンパ線、42a 第1部分、42b 第2部分、42c 第3部分、43 はんだ層、100,200,300,400 回路装置、S1 準備工程、S2 電気部品取り付け工程、S3 接続部材取り付け工程。