(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129878
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】塗布機構及び塗布装置
(51)【国際特許分類】
B05C 1/02 20060101AFI20220830BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
B05C1/02 101
B05C11/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021028734
(22)【出願日】2021-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山中 昭浩
【テーマコード(参考)】
4F040
4F042
【Fターム(参考)】
4F040AA02
4F040AB13
4F040AC01
4F040BA04
4F040BA06
4F040CA02
4F040CA05
4F040CA18
4F040DA02
4F040DA14
4F042AA02
4F042BA08
4F042DF09
4F042DH09
(57)【要約】
【課題】塗布針ホルダ及び塗布針を使い捨てにする又は塗布針ホルダ及び塗布針に滅菌処理が必要な場合であっても製造コストを増大させることなく塗布針が塗布面に接触した際の衝撃を緩衝可能な塗布機構を提供する。
【解決手段】塗布機構は、塗布面上に液体材料を塗布する。塗布機構は、塗布針ホルダ固定部と、塗布針ホルダ固定部に着脱可能に取り付けられている塗布針ホルダと、塗布針ホルダに保持されている塗布針と、緩衝機構とを備える。緩衝機構は、塗布針が塗布面に接触した際の衝撃を緩衝可能に構成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布面上に液体材料を塗布する塗布機構であって、
塗布針ホルダ固定部と、
前記塗布針ホルダ固定部に着脱可能に取り付けられている塗布針ホルダと、
前記塗布針ホルダに保持されている塗布針と、
緩衝機構とを備え、
前記緩衝機構は、前記塗布針が前記塗布面に接触した際の衝撃を緩衝可能に構成されている、塗布機構。
【請求項2】
前記塗布機構は、リニアガイドと、弾性部材とを有し、
前記リニアガイドには、前記塗布針ホルダ固定部が前記塗布面に直交している方向にスライド可能に保持されており、
前記弾性部材は、前記塗布面に向かって前記塗布針ホルダ固定部を付勢している、請求項1に記載の塗布機構。
【請求項3】
前記塗布針ホルダ固定部に保持されている第1マグネットと、
前記塗布針ホルダに保持されている第2マグネットとをさらに備え、
前記塗布針ホルダは、樹脂材料により形成されており、
前記塗布針ホルダは、前記第2マグネットが前記第1マグネットに吸着されることにより、前記塗布針ホルダ固定部に着脱可能に取り付けられている、請求項1又は請求項2に記載の塗布機構。
【請求項4】
前記塗布針ホルダ固定部に保持されている第1マグネットと、
前記塗布針ホルダに保持されている第2マグネットとをさらに備え、
前記塗布針ホルダは、非磁性の金属材料により形成されており、
前記塗布針ホルダは、前記第2マグネットが前記第1マグネットに吸着されることにより、前記塗布針ホルダ固定部に着脱可能に取り付けられている、請求項1又は請求項2に記載の塗布機構。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の前記塗布機構を備える、塗布装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布装置及び塗布機構に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2018-20325号公報(特許文献1)に記載の塗布機構は、塗布針ホルダ固定部と、塗布針ホルダと、塗布針とを有している。塗布針ホルダは、塗布針ホルダ固定部に取り付けられている。塗布針は、塗布針ホルダに保持されている。特許文献1に記載の塗布機構は、塗布針が塗布面に接触した際の衝撃を緩衝する機構を有していない。
【0003】
これに対し、特開2015-112577号公報(特許文献2)に記載の塗布機構は、塗布針ホルダと、塗布針固定板と、塗布針とを有している。塗布針ホルダは、可動ベースに取り付けられている。塗布針は、塗布針固定板に保持されている。塗布針ホルダには、ばねと、リニアガイドとが収納されている。リニアガイドは、塗布面に直交している方向にスライド可能に塗布針を保持している。ばねは、塗布針を塗布面に向かって付勢している。これにより、塗布針が塗布面に接触した際の衝撃が緩衝されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-20325号公報
【特許文献2】特開2015-112577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載の塗布機構を疾病の体外診断を行うための診断チップのようにコンタミネーションに対する厳格な管理が求められる用途に適用する場合には、塗布針ホルダ及び塗布針を使い捨てにする又は塗布針ホルダ及び塗布針を滅菌する対応が求められることがある。
【0006】
特許文献2に記載の塗布機構では、塗布針が塗布面に接触した際の衝撃を緩衝するために塗布針ホルダにばね及びリニアガイドが組み込まれているため、塗布針ホルダ及び塗布針を使い捨てにすると、製造コストが増大してしまう。また、特許文献2に記載の塗布機構では、リニアガイドを塗布針ホルダに組み込んでおり、塗布針を塗布針固定板に接着剤で固定しているため、特許文献2に記載の塗布機構では、塗布針ホルダ及び塗布針の滅菌処理が困難である。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本発明は、塗布針ホルダ及び塗布針を使い捨てにする又は塗布針ホルダ及び塗布針に滅菌処理が必要な場合であっても製造コストを増大させることなく塗布針が塗布面に接触した際の衝撃を緩衝可能な塗布機構及び塗布装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の塗布機構は、塗布面上に液体材料を塗布する。塗布機構は、塗布針ホルダ固定部と、塗布針ホルダ固定部に着脱可能に取り付けられている塗布針ホルダと、塗布針ホルダに保持されている塗布針と、緩衝機構とを備える。緩衝機構は、塗布針が塗布面に接触した際の衝撃を緩衝可能に構成されている。
【0009】
上記の塗布機構では、塗布機構が、リニアガイドと、弾性部材とを有していてもよい。リニアガイドには、塗布針ホルダ固定部が塗布面に直交している方向にスライド可能に保持されていてもよい。弾性部材は、塗布面に向かって塗布針ホルダ固定部を付勢していてもよい。
【0010】
上記の塗布機構は、さらに、塗布針ホルダ固定部に保持されている第1マグネットと、塗布針ホルダに保持されている第2マグネットとを備えていてもよい。塗布針ホルダは、樹脂材料により形成されていてもよい。塗布針ホルダは、第2マグネットが第1マグネットに吸着されることにより塗布針ホルダ固定部に着脱可能に取り付けられていてもよい。
【0011】
上記の塗布機構は、さらに、塗布針ホルダ固定部に取り付けられている第1マグネットと、塗布針ホルダに保持されている第2マグネットとを備えていてもよい。塗布針ホルダは、非磁性の金属材料により形成されていてもよい。塗布針ホルダは、第2マグネットが第1マグネットに吸着されることにより塗布針ホルダ固定部に着脱可能に取り付けられていてもよい。
【0012】
本発明の塗布機構は、上記の塗布機構を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明の塗布機構及び塗布装置によると、塗布針ホルダ及び塗布針を使い捨てにする又は塗布針ホルダ及び塗布針に滅菌処理が必要な場合であっても、製造コストを増大させることなく塗布針が塗布面に接触した際の衝撃を緩衝可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】塗布針ホルダ12、塗布針13及び容器15の図示を省略した塗布機構10の斜視図である。
【
図2】塗布針ホルダ12、塗布針13及び容器15の図示を省略した塗布機構10の側面図である。
【
図3】塗布機構10が有する塗布針ホルダ12及び塗布針13の斜視図である。
【
図4】塗布機構10が有する塗布針ホルダ12及び塗布針13の側面図である。
【
図6】塗布機構10Aが有する塗布針ホルダ12及び塗布針13の正面図である。
【
図7】塗布機構10Aが有する塗布針ホルダ12及び塗布針13の背面図である。
【
図8】塗布機構10Aが有する塗布針ホルダ12及び塗布針13の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面では、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0016】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る塗布機構(以下「塗布機構10」とする)を説明する。
【0017】
<塗布機構10の構成>
図1は、塗布針ホルダ12、塗布針13及び容器15の図示を省略した塗布機構10の斜視図である。
図2は、塗布針ホルダ12、塗布針13及び容器15の図示を省略した塗布機構10の側面図である。
図1及び
図2に示されるように、塗布機構10は、駆動機構11を有している。
【0018】
駆動機構11は、例えば、サーボモータ111と、カム112と、軸受113と、カム連結板114と、可動部115と、緩衝機構116と、塗布針ホルダ固定部117と、第1マグネット118とを有している。
【0019】
サーボモータ111は、回転軸111aを有している。回転軸111aは、Z軸に沿って延在している。Z軸は、基板SUBの塗布面に直交している。サーボモータ111は、図示されていないが、後述する電装ボックス27に接続されている。サーボモータ111は、回転軸111aを中心軸回りに回転させる。カム112は、第1面112aと、第2面112bとを有している。第1面112aは、下方を向いている。第2面112bは、上方を向いている。すなわち、第2面112bは、第1面112aの反対面である。
【0020】
第2面112bは、中央部と、外周部とを有している。第2面112bの外周部は、第2面112bの中央部の周囲に位置している。カム112は、第2面112bの中央部において、回転軸111aに取り付けられている。第2面112bと第1面112aとの間の距離は、周方向(回転軸111aの中心軸を中心とする円周に沿う方向)に沿って変動している。第2面112bは、カム112のカム面となっている。
【0021】
軸受113は、その外周面がカム112のカム面(第2面112b)に接触するように配置されている。カム連結板114は、一方端において軸受113に連結されており、他方端において可動部115に連結されている。
【0022】
緩衝機構116は、可動部115に取り付けられている。緩衝機構116は、例えば、リニアガイド116aと、弾性部材116bとを有している。リニアガイド116aは、可動部115に取り付けられている。塗布針ホルダ固定部117は、リニアガイド116aにより、Z軸の方向にスライド可能に保持されている。
【0023】
弾性部材116bは、例えば、コイルばねである。弾性部材116bは、塗布針ホルダ固定部117を、基板SUBの塗布面に向かって付勢している。より具体的には、弾性部材116bは、塗布針ホルダ固定部117を、可動部115に設けられているストッパ115aに押し付けている。第1マグネット118は、塗布針ホルダ固定部117に保持されている。
【0024】
図3は、塗布機構10が有する塗布針ホルダ12及び塗布針13の斜視図である。
図4は、塗布機構10が有する塗布針ホルダ12及び塗布針13の側面図である。
図3及び
図4に示されるように、塗布機構10は、塗布針ホルダ12及び塗布針13をさらに有している。塗布針13は、先端13aと、基端13bとを有している。基端13bは、塗布針13の長手方向における先端13aの反対側の端である。塗布針13の長手方向は、Z軸の方向に沿っている。
【0025】
塗布針13は、塗布針ホルダ12により保持されている。より具体的には、塗布針13は、基端13b側が塗布針ホルダ12に埋設されることにより、塗布針ホルダ12に保持されている。塗布機構10は、第2マグネット14をさらに有している。
【0026】
塗布針ホルダ12は、樹脂材料により形成されている。塗布針13及び第2マグネット14は、例えば、塗布針ホルダ12を構成している樹脂材料とともにインサート成形されることにより、塗布針ホルダ12に保持される。すなわち、塗布針ホルダ12は、塗布針13をZ軸の方向にスライド可能に保持するリニアガイド及び塗布針13を基板SUBの塗布面に向かって付勢する弾性部材を有していない。
【0027】
第2マグネット14は、塗布針ホルダ12に保持されている。
図5は、塗布機構10の斜視図である。
図5に示されるように、塗布針ホルダ12は、塗布針ホルダ固定部117に着脱可能に取り付けられている。より具体的には、塗布針ホルダ12は、第2マグネット14が第1マグネット118に吸着されることにより、塗布針ホルダ固定部117に着脱可能に取り付けられている。
【0028】
塗布機構10は、容器15をさらに有している。容器15は、上端15aと、下端15bとを有している。下端15bは、上端15aの反対側の端である。容器15の内部は、中空になっている。容器15は、上端15aにおいて開口されている。下端15bは、貫通穴が形成されている底壁により閉塞されている。容器15の内部空間には、液体材料が貯留される。先端13aは、上端15aの開口から容器15の内部空間に挿入される。
【0029】
回転軸111aの回転に伴って、カム112が回転する。第2面112bと第1面112aとの間の距離は変動しているため、カム112が回転することにより、軸受113のZ軸の方向における位置が変動する。
【0030】
上記のとおり、可動部115はカム連結板114により軸受113に連結されており、塗布針ホルダ固定部117は可動部115に取り付けられている。また、塗布針ホルダ12は、塗布針ホルダ固定部117に取り付けられている。そのため、軸受113のZ軸の方向における位置が変動することにより、塗布針ホルダ12により保持されている塗布針13のZ軸の方向における位置が変動する。このようにして、駆動機構11は、塗布針13(先端13a)のZ軸の方向における位置を移動させる。
【0031】
駆動機構11が塗布針13を移動させて先端13aを容器15の下端15bを閉塞している底壁に形成されている貫通穴から突出させることにより、先端13aには、容器15内の液体材料が付着する。
【0032】
<塗布機構10の効果>
塗布機構10では、塗布針ホルダ固定部117がリニアガイド116aによりZ軸の方向にスライド可能に保持されているとともに弾性部材116bが塗布針ホルダ固定部117を基板SUBの塗布面に向かって付勢しているため、塗布針13が基板SUBの塗布面に接触した際に塗布針13が基板SUBの塗布面から離れるようにZ軸の方向に沿って動き、塗布針13が基板SUBの塗布面と接触した際の衝撃を緩衝する。
【0033】
また、塗布機構10では、塗布針ホルダ12が樹脂材料により形成されているとともに塗布針13が基板SUBの塗布面に接触した際の衝撃を緩衝するリニアガイド及び弾性部材を有していないため、塗布針ホルダ12及び塗布針13を使い捨てとしても、製造コストの増大を抑制することができる。
【0034】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る塗布機構(以下「塗布機構10A」とする)を説明する。ここでは塗布機構10と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0035】
塗布機構10Aは、駆動機構11と、塗布針ホルダ12と、塗布針13と、第2マグネット14と、容器15とを有している。この点に関して、塗布機構10Aは、塗布機構10と共通している。しかしながら、塗布機構10Aは、塗布針ホルダ12の詳細構成に関して、塗布機構10と異なっている。
【0036】
図6は、塗布機構10Aが有する塗布針ホルダ12及び塗布針13の正面図である。
図6に示されるように、塗布針13は、基端13b側において、塗布針ホルダ12に保持されている。より具体的には、塗布針13は、ねじ12aにより、塗布針ホルダ12に保持されている。塗布針ホルダ12は、非磁性の金属材料により形成されている。非磁性の金属材料の具体例は、アルミニウム又はアルミニウム合金である。
【0037】
図7は、塗布機構10Aが有する塗布針ホルダ12及び塗布針13の背面図である。
図8は、塗布機構10Aが有する塗布針ホルダ12及び塗布針13の側面図である。
図7及び
図8に示されるように、第2マグネット14は、塗布針ホルダ12に保持されている。より具体的には、第2マグネット14は、ねじ12bにより、塗布針ホルダ12に保持されている。なお、塗布機構10Aでは、塗布針ホルダ12が、塗布針13をZ軸の方向にスライド可能に保持するリニアガイド及び塗布針13を基板SUBの塗布面に向かって付勢する弾性部材を有していない。
【0038】
塗布機構10Aは、塗布機構10と同様に緩衝機構116を有しているため、塗布針13が基板SUBの塗布面と接触した際の衝撃を緩衝することができる。
【0039】
塗布針ホルダ12及び塗布針13の滅菌処理を行うためには、塗布針ホルダ12及び塗布針13を高温環境下に保持する必要がある。塗布機構10Aでは、塗布針13がねじ12aで固定されているため、塗布針ホルダ12に接着剤による接合部がない。また、塗布機構10Aでは、塗布針ホルダ12が耐熱性のある金属材料により形成されている。そのため、塗布機構10Aでは、塗布針ホルダ12及び塗布針13を高温環境下において滅菌することにより再利用することができるため、製造コストの増大を抑制できる。
【0040】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る塗布装置(以下「塗布装置100」とする)を説明する。
【0041】
図9は、塗布装置100の斜視図である。
図9に示されるように、塗布機構10と、ベース板21a及び架台21bと、X軸ステージ22と、Y軸ステージ23と、ステージ可動板24と、吸着板25と、Z軸ステージ26と、電装ボックス27と、観察光学系28と、撮像装置29と、制御装置30とを有している。
【0042】
ベース板21a上には、X軸ステージ22が配置されている。X軸ステージ22は、可動部を有しており、可動部をX軸方向に沿って移動させる。ベース板21aには、架台21bが取り付けられている。X軸ステージ22の可動部上には、Y軸ステージ23が配置されている。Y軸ステージ23は、可動部を有しており、可動部をY軸方向に沿って移動させる。なお、Y軸は、X軸に直交している。
【0043】
Y軸ステージ23の可動部上には、ステージ可動板24が配置されている。ステージ可動板24上には、吸着板25が配置されている。吸着板25上には、基板SUBが配置されている。基板SUBは、吸着板25に吸着されることにより、位置が固定されている。X軸ステージ22の可動部及びY軸ステージ23の可動部が移動されることにより、基板SUBのX軸及びY軸に沿う方向における位置が変化される。
【0044】
Z軸ステージ26は、架台21bに取り付けられている。Z軸ステージ26は、可動部を有しており、可動部をZ軸に沿って移動させる。なお、Z軸は、X軸及びY軸に直交しており、鉛直方向に対応している。また、Z軸は、基板SUBの主面に直交している。
【0045】
Z軸ステージ26の可動部には、塗布機構10が取り付けられている。Z軸ステージ26の可動部が移動されることにより、塗布機構10のZ軸の方向における位置が変化される。撮像装置29は、観察光学系28を介して、基板SUBを観察可能である。撮像装置29は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラである。
【0046】
電装ボックス27は、X軸ステージ22、Y軸ステージ23及びZ軸ステージ26並びに塗布機構10に接続されている。電装ボックス27には、X軸ステージ22、Y軸ステージ23及びZ軸ステージ26並びに塗布機構10を駆動するための電装部品が格納されている。
【0047】
制御装置30は、例えば、コンピュータ30aと、モニタ30bと、キーボード30cと、マウス30dとを有している。
【0048】
コンピュータ30aは、例えばパソコンである。コンピュータ30aは、電装ボックス27(より具体的には、電装ボックス27内に格納されている各電装部品)に接続されており、電装ボックス27に対してX軸ステージ22、Y軸ステージ23及びZ軸ステージ26並びに塗布機構10を駆動させるための制御信号を送出する。
【0049】
モニタ30bは、コンピュータ30aに接続されている。モニタ30bには、撮像装置29により撮影された画像及びコンピュータ30aの操作画面が表示される。キーボード30c及びマウス30dは、コンピュータ30aに接続されている。モニタ30bに表示されている操作画面上においてキーボード30c及びマウス30dを用いて各種の入力を行うことにより、コンピュータ30aから、電装ボックス27に対する制御信号が送出される。
【0050】
液体材料を基板SUB上に塗布しようとする際、制御装置30は、まず、基板SUBの被塗布位置が観察光学系28の直下に位置するように、電装ボックス27を介してX軸ステージ22及びY軸ステージ23を駆動させる。
【0051】
次に、観察光学系28及び撮像装置29により、基板SUBの被塗布位置が観察及び確認されるとともに、その観察及び確認の結果に基づいて、基板SUBの被塗布位置が決定される。さらに、キーボード30c及びマウス30dを介して制御装置30に入力された塗布指令に基づいてZ軸ステージ26及び塗布機構10(駆動機構11)が駆動される。
【0052】
その結果、液体材料の付着した先端13aが容器15の下端15bを閉塞している底壁に形成されている貫通穴から突出して液体材料が基板SUBの塗布面に接触し、液体材料の基板SUBへの塗布が行われる。
【0053】
以上のように本発明の実施形態について説明を行ったが、上述の実施形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むことが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0054】
上記の実施形態は、液体材料の塗布機構及び塗布装置に特に有利に適用される。
【符号の説明】
【0055】
10 塗布機構、10A 塗布機構、11 駆動機構、12 塗布針ホルダ、12a ねじ、12b ねじ、13 塗布針、13a 先端、13b 基端、14 第2マグネット、15 容器、15a 上端、15b 下端、21a ベース板、21b 架台、22 X軸ステージ、23 Y軸ステージ、24 ステージ可動板、25 吸着板、27 電装ボックス、28 観察光学系、29 撮像装置、30 制御装置、30a コンピュータ、30b モニタ、30c キーボード、30d マウス、100 塗布装置、111 サーボモータ、111a 回転軸、112 カム、112a 第1面、112b 第2面、113 軸受、114 カム連結板、115 可動部、115a ストッパ、116 緩衝機構、116a リニアガイド、116b 弾性部材、117 塗布針ホルダ固定部、118 第1マグネット、SUB 基板。