(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022129939
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】業務実施補助装置
(51)【国際特許分類】
B42D 15/00 20060101AFI20220830BHJP
B42D 1/00 20060101ALI20220830BHJP
G16H 80/00 20180101ALI20220830BHJP
【FI】
B42D15/00 331Z
B42D1/00 H
G16H80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021028828
(22)【出願日】2021-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000205306
【氏名又は名称】大阪シーリング印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003007
【氏名又は名称】特許業務法人謝国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】白川 舞
(72)【発明者】
【氏名】相田 智孝
(72)【発明者】
【氏名】池田 由佳
(72)【発明者】
【氏名】西田 あゆみ
(72)【発明者】
【氏名】柴田 みお
(72)【発明者】
【氏名】澤山 慶次
(72)【発明者】
【氏名】米田 友規子
(72)【発明者】
【氏名】平田 義二
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA13
(57)【要約】
【課題】 業務の実施者と業務の対象者との間で円滑な意思疎通を図ることができる業務実施補助装置の提供。
【解決手段】 業務実施補助装置100は、第1業務実施補助装置101、及び、第2業務実施補助装置103を有している。第1業務実施補助装置101の主要業務内容表示領域101a〜101qには、主要業務について、店員と客との間で意思疎通を図る必要がある内容が、対応言語表示領域101rに表示される言語を用いて表示される。主要業務内容表示領域101a〜101qに表示される業務対象者の意思を示す項目の表示は、他の項目の表示とは明確に区別されて、例えば、所定距離だけ離れて、配置される。これにより、指差し等によって、業務の実施者は、業務の対象者と円滑に意思疎通を図ることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務の実施者と前記業務の対象者との間の意思疎通を補助する業務実施補助装置であって、
前記業務の内容を表示する業務内容表示領域であって、前記対象者の意思を確認する文言、及び/又は、前記対象者の意思を示す文言を有する業務内容表示領域、
前記文言を表示する際に用いる言語を表示する対応言語表示領域、
を有する業務実施補助装置。
【請求項2】
請求項1に係る業務実施補助装置において、
前記対象者の意思を示す文言は、他の前記対象者の意思を示す文言とは、明確に区別されて配置されること、
を特徴とする業務実施補助装置。
【請求項3】
請求項1、又は、請求項2に係る業務実施補助装置において、
前記業務として、多くの前記業務が発生する時の前記業務のうち、前記実施者と前記対象者との間で意思疎通を図る必要があり、頻繁に発生するものである主要業務を対象とする第1業務実施補助装置、
及び、
前記主要業務以外の前記業務のうち、前記実施者と前記対象者との間で意思疎通を図る必要がある詳細業務を対象とする第2業務実施補助装置。
【請求項4】
請求項3に係る業務実施補助装置において、
前記第1業務実施補助装置は、
前記対応言語表示領域に表示される前記言語ごとに用意され、
前記第2業務実施補助装置は、
前記対応言語表示領域に表示される異なる言語が統合され、複数の子葉を有する冊子であること、
を特徴とする業務実施補助装置。
【請求項5】
請求項4に係る業務実施補助装置において、
前記第1業務実施補助装置の前記業務内容表示領域は、
所定時の業務順番に沿って配置されること、
を特徴とする業務実施補助装置。
【請求項6】
請求項4、又は、請求項5に係る業務実施補助装置において、
前記第2業務実施補助装置は、
所定の筆記具を用いて描画でき、及び/又は、所定の消去具を用いて消去できるように構成されている描画領域、
を有する業務実施補助装置。
【請求項7】
請求項6に係る業務実施補助装置において、
前記描画領域は、
未使用時に折りたたまれていること、
を特徴とする業務実施補助装置。
【請求項8】
請求項4~請求項7のいずれかに係る業務実施補助装置において、
前記第2業務実施補助装置は、
前記対象者の意思を表示する文言の表記、及び、前記対象者の意思を数字で表示する0~9の数字表示を表示する意思表示補助領域、
を有する業務実施補助装置。
【請求項9】
請求項8に係る業務実施補助装置において、
前記意思表示補助領域は、
未使用時に折りたたまれていること、
を特徴とする業務実施補助装置。
【請求項10】
電子デバイスを、業務実施補助装置として機能させる業務実施補助プログラムであって、
前記電子デバイスを、
業務の実施者と前記業務の対象者との間の意思疎通を補助する業務実施補助装置であって、
前記業務の内容を表示する業務内容表示領域であって、前記対象者の意思を確認する文言、及び/又は、前記対象者の意思を示す文言を有する業務内容表示領域、
前記文言を表示する際に用いる言語を表示する対応言語表示領域、
を有する業務実施補助装置として機能させる、
業務実施補助プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務を実施する際に使用する業務実施補助装置に関し、特に、業務の実施者と業務の対象者との間の意思疎通を補助するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の業務実施補助装置について、
図5に示す聴覚障害者用コミュニケーションカードを用いて説明する。カード本体2に、聴覚障害者が健常者に自己の意思を伝えるべく指で指し示す、予め想定した複数の言葉3や事柄4と、健常者が聴覚障害者に自己の意思を伝えるべく指で指し示す、予め想定した複数の言葉5や事柄6とを同一の面に表示する。カード本体2に表示された言葉3、5や事柄4、6を交互に指で指し示すことを通して聴覚障害者と健常者との間において相互に意思の疎通を図ることができるようにする。また、展開及び折り畳み自在とし、折り畳んだ状態で携行し、使用時において展開し得るようにする。これにより、聴覚障害者と健常者とが一枚のカードを通して円滑にコミュニケーションを行うことができる聴覚障害者用コミュニケーションカードを提供する(以上、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の聴覚障害者用コミュニケーションカードには、以下に示すような改善すべき点がある。前述の聴覚障害者用コミュニケーションカードは、聴覚障害者とのコミュニケーションという特定の場面での使用に限定され、その他の場面で用いることは難しい、という改善すべき点がある。
【0005】
また、聴覚障害者用コミュニケーションカードに表示されている言語は、日本語が前提であるため、言語により意思疎通を図ることが難しい聴覚障害者の外国人には適用できない、という改善すべき点がある。さらに、言語により意思疎通が図りにくいという点では、聴覚障害者でない一般の外国人も同様である。
【0006】
そこで、本発明は、業務の実施者と業務の対象者との間で円滑な意思疎通を図ることができる業務実施補助装置を提供することを目的とする。
【発明が解決しようとするための手段】
【0007】
本発明の目的は、以下の発明により達成される。
(1)
業務の実施者と前記業務の対象者との間の意思疎通を補助する業務実施補助装置であって、
前記業務の内容を表示する業務内容表示領域であって、前記対象者の意思を確認する文言、及び/又は、前記対象者の意思を示す文言を有する業務内容表示領域、
前記文言を表示する際に用いる言語を表示する対応言語表示領域、
を有する業務実施補助装置。
(2)
(1)に係る業務実施補助装置において、
前記対象者の意思を示す文言は、他の前記対象者の意思を示す文言とは、明確に区別されて配置されること、
を特徴とする業務実施補助装置。
(3)
(1)、又は、(2)に係る業務実施補助装置において、
前記業務として、多くの前記業務が発生する時の前記業務のうち、前記実施者と前記対象者との間で意思疎通を図る必要があり、頻繁に発生するものである主要業務を対象とする第1業務実施補助装置、
及び、
前記主要業務以外の前記業務のうち、前記実施者と前記対象者との間で意思疎通を図る必要がある詳細業務を対象とする第2業務実施補助装置。
(4)
(3)に係る業務実施補助装置において、
前記第1業務実施補助装置は、
前記対応言語表示領域に表示される前記言語ごとに用意され、
前記第2業務実施補助装置は、
前記対応言語表示領域に表示される異なる言語が統合され、複数の子葉を有する冊子であること、
を特徴とする業務実施補助装置。
(5)
(4)に係る業務実施補助装置において、
前記第1業務実施補助装置の前記業務内容表示領域は、
所定時の業務順番に沿って配置されること、
を特徴とする業務実施補助装置。
(6)
(4)、又は、(5)に係る業務実施補助装置において、
前記第2業務実施補助装置は、
所定の筆記具を用いて描画でき、及び/又は、所定の消去具を用いて消去できるように構成されている描画領域、
を有する業務実施補助装置。
(7)
(6)に係る業務実施補助装置において、
前記描画領域は、
未使用時に折りたたまれていること、
を特徴とする業務実施補助装置。
(8)
(4)~(7)のいずれかに係る業務実施補助装置において、
前記第2業務実施補助装置は、
前記対象者の意思を表示する文言の表記、及び、前記対象者の意思を数字で表示する0~9の数字表示を表示する意思表示補助領域、
を有する業務実施補助装置。
(9)
(8)に係る業務実施補助装置において、
前記意思表示補助領域は、
未使用時に折りたたまれていること、
を特徴とする業務実施補助装置。
(10)
電子デバイスを、業務実施補助装置として機能させる業務実施補助プログラムであって、
前記電子デバイスを、
業務の実施者と前記業務の対象者との間の意思疎通を補助する業務実施補助装置であって、
前記業務の内容を表示する業務内容表示領域であって、前記対象者の意思を確認する文言、及び/又は、前記対象者の意思を示す文言を有する業務内容表示領域、
前記文言を表示する際に用いる言語を表示する対応言語表示領域、
を有する業務実施補助装置として機能させる、
業務実施補助プログラム。
【発明の効果】
【0008】
本発明における課題を解決するための手段及び発明の効果を以下に示す。
【0009】
本発明に係る業務実施補助装置は、業務の実施者と前記業務の対象者との間の意思疎通を補助する業務実施補助装置であって、前記業務の内容を表示する業務内容表示領域であって、前記対象者の意思を確認する文言、及び/又は、前記対象者の意思を示す文言を有する業務内容表示領域、前記文言を表示する際に用いる言語を表示する対応言語表示領域、を有する。
【0010】
これにより、業務の実施者は、言語により意思疎通を図りにくい業務の対象者とも、円滑に意思疎通をはかることができる。
【0011】
本発明に係る業務実施補助装置では、前記対象者の意思を示す文言は、他の前記対象者の意思を示す文言とは、明確に区別されて配置されること、を特徴とする。
【0012】
これにより、業務の実施者は、指差し等の文言の特定により、業務の対象者の意思を容易に確認することができる。
【0013】
本発明に係る業務実施補助装置では、前記業務として、多くの前記業務が発生する時の前記業務のうち、前記実施者と前記対象者との間で意思疎通を図る必要があり、頻繁に発生するものである主要業務を対象とする第1業務実施補助装置、及び、前記主要業務以外の前記業務のうち、前記実施者と前記対象者との間で意思疎通を図る必要がある詳細業務を対象とする第2業務実施補助装置、を有する。
【0014】
これにより、第1業務実施補助装置と第2業務実施補助装置とを使い分けることによって、業務の実施者は、業務の対象者との意思疎通を、円滑に図ることができる。
【0015】
本発明に係る業務実施補助装置では、前記第1業務実施補助装置は、前記対応言語表示領域に表示される前記言語ごとに用意され、前記第2業務実施補助装置は、前記対応言語表示領域に表示される異なる言語が統合され、複数の子葉を有する冊子であること、を特徴とする。
【0016】
これにより、頻繁に使用することを想定していない第2業務実施補助装置を、言語ごとに用意する必要がないため、業務実施補助装置を容易に管理できる。
【0017】
本発明に係る業務実施補助装置では、前記第1業務実施補助装置の前記業務内容表示領域は、所定時の業務順番に沿って配置されること、を特徴とする。
【0018】
これにより、第1業務実施補助装置を用いることによって、業務の実施者は、意思疎通を図ることが難しい業務の対象者であっても、主要業務を円滑に実施できる。
【0019】
本発明に係る業務実施補助装置では、前記第2業務実施補助装置は、所定の筆記具を用いて描画でき、及び/又は、所定の消去具を用いて消去できるように構成されている描画領域、を有する。
【0020】
これにより、多様な業務が想定される詳細業務であっても、描画領域を用いて、筆談で意思疎通を図ることができるため、業務の実施者と業務の対象者とは、円滑に意思疎通を図ることができる。
【0021】
本発明に係る業務実施補助装置では、前記描画領域は、未使用時に折りたたまれていること、を特徴とする。
【0022】
これにより、未使用時には、第2業務実施補助装置をコンパクトにできる。
【0023】
本発明に係る業務実施補助装置では、前記第2業務実施補助装置は、前記対象者の意思を表示する文言の表記、及び、前記対象者の意思を数字で表示する0~9の数字表示を表示する意思表示補助領域、を有する。
【0024】
これにより、業務の実施者は、意思表示補助領域を指差し等の数字の特定により、業務の対象者の数字関する意思を容易に確認することができる。
【0025】
本発明に係る業務実施補助装置では、前記意思表示補助領域は、未使用時に折りたたまれていること、を特徴とする。
【0026】
これにより、未使用時には、第2業務実施補助装置をコンパクトにできる。
【0027】
本発明に係る業務実施補助プログラムは、電子デバイスを、業務実施補助装置として機能させる業務実施補助プログラムであって、前記電子デバイスを、業務の実施者と前記業務の対象者との間の意思疎通を補助する業務実施補助装置であって、前記業務の内容を表示する業務内容表示領域であって、前記対象者の意思を確認する文言、及び/又は、前記対象者の意思を示す文言を有する業務内容表示領域、前記文言を表示する際に用いる言語を表示する対応言語表示領域、を有する業務実施補助装置として機能させる。
【0028】
これにより、業務の実施者は、電子デバイスを介して、言語により意思疎通を図りにくい業務の対象者とも、円滑に意思疎通をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明に係る業務実施補助装置の一実施例である業務実施補助装置100を示す図である。
【
図2】第1業務実施補助装置101の表面を示す図である。
【
図3】第1業務実施補助装置101の裏面を示す図である。
【
図4】第2業務実施補助装置103を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明していく。
【実施例0031】
業務実施補助装置は、コンビニエンスストアにおける会計時等、業務の実施者である店員が、業務の対象者である客と意思疎通を図ることが難しい場合、例えば、客が聴覚障害者、外国人である場合や、マスク越しの会話を互いに聞き取りにくい場合、に使用され、両者の間で円滑な意思疎通を図ることができるようにして、結果として、業務を円滑に実施できるように補助するものである。以下においては、本発明に係る業務実施補助装置について、コンビニエンスストアで用いる業務実施補助装置100を例に説明する。
【0032】
第1 業務実施補助装置100の構成
図1に、業務実施補助装置100の構成を示す。業務実施補助装置100は、第1業務実施補助装置101、及び、第2業務実施補助装置103を有している。第1業務実施補助装置101は、店員が、主要な業務に関して、客と意思疎通を図る際に、最初に、用いるものである。第2業務実施補助装置103は、第1業務実施補助装置101では、十分に、店員と客との間で意思疎通が図れない場合に用いるものである。以下において、第1業務実施補助装置101、第2業務実施補助装置103について、説明する。
【0033】
第2 第1業務実施補助装置101の構成
第1業務実施補助装置101の一面を
図2、及び、
図3に示す。第1業務実施補助装置101は、シート形状を有している。第1業務実施補助装置101は、主要業務内容表示領域101a〜101q、及び、対応言語表示領域101rを有している。
【0034】
主要業務内容表示領域101a〜101qには、主要業務について、店員と客との間で意思疎通を図る必要がある内容が表示される。対応言語表示領域101rには、主要業務内容表示領域101a~101qに文言が表示される場合に用いられる言語が表示される。例えば、
図2に示す第1業務実施補助装置101では、対応言語表示領域101rに「日本語」が表示されおり、主要業務内容表示領域101a~101qにおいて表示される文言については、「日本語」で表示される。よって、店員は、客に合わせて、対応言語表示領域101rに表示されている言語の第1業務実施補助装置101を選択することによって、客との意思疎通を容易に図ることができる。
【0035】
ここで、主要業務について説明する。コンビニエンスストアにおいては、店員と客との間の意思疎通の多くは、会計時に、必要となる。これは、コンビニエンスストアにおける業務の多くは会計と関連しており、また、物販以外に多岐にわたる業務が存在することが一因である。そこで、多岐にわたる業務のうち、多くの業務が発生する会計時の業務のうち、店員と客との間で意思疎通を図る必要があるもので、頻繁に発生するものを主要業務としている。
【0036】
図2に示す第1業務実施補助装置101では、物販の会計時の主要業務として、「ポイントカード」、「支払方法」、「レジ袋の要否」を設定している。また、特定物の物販に付随する会計時の主要業務として「弁当温めの要否」、「飲食物の付属物の要否」、「たばこ」、及び、「飲み物」を設定している。さらに、「物販以外の会計業務」、「付帯施設利用」を設定している。さらに、業務実施補助装置100に対して、追加の、又は、代替の、「他の意思疎通手段」の提示している。
【0037】
例えば、物販の会計時の主要業務「ポイントカード」に関して、店員と客との間で意思疎通を図る必要がある業務が主要業務記述領域101aに表示される。主要業務記述領域101aには、店員が客に対して、ポイントカードを利用するか否かの意思を確認する表示として文言「ポイントカードをお持ちですか?」、及び、ポイントカードのイラストが表示されている。
【0038】
また、客がポイントカードを利用するか否かの意思を示す項目の表示として文言「はい」、「いいえ」が表示される。客が意思表示を表す項目が複数存在する場合については、他の項目とは明確に区別されて、例えば、所定距離だけ離れて、配置される。これにより、客は、指さしによって、明確に、自らの意思を表示でき、また、店員は、客の意思表示を、正確に、把握できる。客は、ポイントカードを使用する場合、主要業務記述領域101aに表示されている「はい」、「いいえ」を指さすことによって、自身の意思を店員に伝える。
【0039】
主要業務「ポイントカード」に関する業務以外の物販の会計時の主要業務に関し、主要業務「支払方法」に関する業務が主要業務記述領域101bに、「レジ袋の要否」に関する業務が主要業務記述領域101cに、それぞれ記述される。なお、各記述領域における詳細な説明は省略する。
【0040】
物販の会計時の主要業務については、物販の会計時の業務順番に沿って、主要業務「ポイントカード」、「支払方法」、「レジ袋の要否」が、この順番で上から下に向かって隣接して配置されている。
【0041】
さらに、特定物の物販の会計時の主要業務に付随する業務として、「弁当温めの要否」に関する業務が主要業務記述領域101dに、「飲食物の付属物の要否」に関する業務が主要業務記述領域101eに、「たばこ」に関する業務が主要業務記述領域101jに、「飲み物」に関する業務が主要業務記述領域101gに、それぞれ、表示される。
【0042】
さらに、物販以外の会計時の主要業務「物販以外の会計業務」に関する業務が主要業務記述領域101fに、「付帯施設利用」に関する業務が主要業務記述領域101hに、それぞれ表示される。主要業務記述領域101fには、「物販以外の会計業務」の主たるもの「お支払いサービス(公共料金など)」、「インターネット決済」、「宅配便の受付・受取」、「チケット決済」、「郵便関連(はがきなどの購入)」が、番号付けて列挙表示されている。主要業務記述領域101hには、付帯施設として、手洗いが表示されている。
【0043】
なお、主要業務記述領域101jに表示される「たばこ」に関する業務、及び、主要業務記述領域101gに表示される「飲み物」に関する業務については、追加の意思疎通が必要であるため、対応する項目を、他の第1業務実施補助装置に表示する。なお、本実施例においては、第1業務実施補助装置101の裏面を、他の第1業務実施補助装置として用いている。
【0044】
他の第1業務実施補助装置である第1業務実施補助装置101の裏面を、
図3に示す。特定物の物販の会計時の主要業務としての「たばこ」に関する追加の項目が主要業務記述領域101jに表示される。主要業務記述領域101jには、たばこの購入に必要な、客の意思を確認する項目、購入希望の銘柄、購入数量、年齢確認、及び、年齢確認証明が、それぞれ、文言「ご希望のたばこの番号を教えてください。」、「いくつ必要ですか?」、「確認画面にタッチしてください。」、「年齢確認できるものはありますか?」として表示される。なお、意思表示に関する小目については、他の項目とは、明確に区別されて、配置される。
【0045】
また、購入希望の銘柄については、銘柄に対応付けられている番号を示すためのタイル状の数字表示が数量指示領域101kに表示される。また、購入希望数量については、購入希望数量を示すためのタイル状の数字表示が数量指示領域101mに表示される。タイル状の数字表示については、隣接する他の数字表示と明確に区別できるように、各数字表示が配置される。
【0046】
特定物の物販の会計時の主要業務としての「飲み物」に関する追加の項目が主要業務記述領域101nに表示される。主要業務記述領域101nは、さらに、商品メニュー表示領域101p、及び、機械使用方法表示領域101qを有している。商品メニュー表示領域101pには、購入できる飲み物の商品がメニュー表示で表示される。また、機械使用方法表示領域101qには、飲み物を購入の際に使用する機械の使用方法がイラスト等で、表示される。商品メニュー表示領域101pにおける商品のメニュー表示においては、ある品目が、他の品目とは明確に区別できるように表示される。客は、購入希望の商品をメニュー表示から指差しすることによって、自身の意思を表示できるとともに、店員は客の購入希望商品を確認できる。また、客は、機械の使用方法を、機械使用方法表示領域101qのイラスト等により確認できるとともに、店員は、必要であれば、イラスト等を指さしながら説明できる。
【0047】
図1、及び、
図2に示す第1業務実施補助装置101では、表示する文言を日本語で表示している一方、他の言語、例えば、英語や中国語で表示した第1業務実施補助装置101を用意しておく。全ての第1業務実施補助装置101においては、文言における言語表記以外は同じとすることによって、店員、及び、客は、それぞれが理解できる第1業務実施補助装置101を用いることによって、意思疎通を容易に図ることができる。
【0048】
第3 第2業務実施補助装置103の構成
第1業務実施補助装置101に記述されない主要業務以外の業務である詳細業務については、第2業務実施補助装置103に記述される。第1業務実施補助装置101を用いるだけでは、店員と客との間で意思疎通が図れなかった詳細業務については、第2業務実施補助装置103を用いる。
【0049】
図4に第2業務実施補助装置103を示す。第2業務実施補助装置103は、複数の子葉を有する冊子として形成される。第2業務実施補助装置103は、詳細業務記述領域103a、描画領域103b、意思表示補助領域103c、対応言語表示領域103rを有している。
【0050】
詳細業務記述領域103aには、詳細業務についての店員と客との間の意思疎通を補助する項目が表示される。対応言語表示領域103rには、詳細業務内容表示領域103aに文言が表示される場合に用いられる言語が表示される。なお、第1業務実施補助装置101においては、対応言語表示領域101rに表示される言語ごとに、互いに独立したシートとして用意したが、第2業務実施補助装置103においては、対応言語表示領域103rに表示される異なる言語が統合され、複数の子葉を有する冊子として用意している。
【0051】
詳細業務記載領域103aには、詳細業務の内容が、対応言語記述領域103rに表示されている言語で記載されている。なお、
図4においては、詳細業務記載領域103aについては、詳細な表示を省略している。
【0052】
描画領域103bは、第2業務実施補助装置103の表紙の一端に配置される。描画領域103bは、未使用時には、内部に折り畳まれている。描画領域103bは、いわゆるホワイトボードのように、所定の筆記具を用いて、文字、イラスト等を描画し、所定の消去具を用いて、消去できるように構成されている。なお、描画領域103bには、所定の筆記具、及び、消去具が、予め、備えてある。
【0053】
意思表示補助領域103cは、詳細業務記載領域103aに記載されている業務に対して、客が意思表示をする際に、意思表示を補助するために用いられる。意思表示補助領域103cは、第2業務実施補助装置103の表紙の描画領域103bが配置されていない他の一端に配置される。意思表示補助領域103cは、未使用時には、内部に折り畳まれている。
【0054】
意思表示補助領域103cには、文言表示「はい」、「いいえ」、「わかりません」が、対応言語記述領域103rに表示されている言語で記載されている。これらのいずれかを、例えば、指差すことにより、客は、肯定的な意思表示、否定的な意思表示、及び、内容が理解できない意思表示を、容易に示すことができる。また、意思表示補助領域103cには、数字表示「0」〜「9」が、タイル状に表示されている。これらのいずれかを、例えば、指差すことにより、客は、数量等を容易に示すことができる。
【0055】
[その他の実施形態]
(1)主要業務、詳細業務:前述の実施例1においては、コンビニエンスストアで発生する業務を対象とした業務実施補助装置100を示したが、例示のものに限定されない。例えば、スーパーマーケットや、一般小売店等で使用するものであってもよい。また、工場やスポーツ施設等で使用するものであってもよい。これらの場合、業務実施補助装置100を使用する業種や場所に応じて、発生する業務を特定し、業務実施補助装置100に表示すればよい。
【0056】
(2)文言の表示:前述の実施例1においては、業務実施補助装置100で表示する文言を対応言語表示領域101r、103rで表示する言語で表示するとしたが、対応言語表示領域101r、103rで表示する言語での表示に加えて、他の言語での表示を併記するようにしてもよい。例えば、対応言語表示領域101r、103rで使用する言語が「英語」であっても、「日本語」を使用した表示を併記してもよい。
【0057】
(3)業務実施補助装置の使用場所:前述の実施例1においては、コンビニエンスストアの会計時に使用する業務実施補助装置100を示したが、その他の場合で使用するものであってもよい。この場合、発生する業務を特定し、業務実施補助装置100に表示すればよい。
【0058】
(4)描画領域:前述の実施例1においては、第2業務実施補助装置103に描画領域103bを配置したが、描画領域103bを配置しなくてもよい。また、描画領域103bを、第1業務実施補助装置101に配置するようにしてもよい。
【0059】
また、第2業務実施補助装置103では、描画領域103bを表紙の一端に配置したが、冊子に対して独立て形成し、第2業務実施補助装置に収納できるようにしてもよい。
【0060】
(5)意思表示補助領域103c:前述の実施例1においては、前述の実施例1においては、第2業務実施補助装置103に意思表示補助領域103cを配置したが、意思表示補助領域103cを配置しなくてもよい。また、意思表示補助領域103cを、第1業務実施補助装置101に配置するようにしてもよい。
【0061】
また、前述の第2業務実施補助装置103では、意思表示補助領域103cを表紙の一端に配置したが、冊子に対して独立して形成し、第2業務実施補助装置に収納できるようにしてもよい。
【0062】
(6)電子デバイスを用いた使用:前述の実施例1においては、業務実施補助装置100をシートや冊子の有体物として示したが、それぞれの内容を表示できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、スマートフォンや、会計時に使用するレジスターに付随するディスプレイ、テーブルや柱に設置されるディスプレイ等、電子デバイスを業務実施補助装置として機能させる業務実施補助プログラムを用いて、ディスプレイに表示するようにしてもよい。この場合、
図2、及び、
図3に示す第1業務実施補助装置101の表示、及び、
図4に示す第2業務実施補助装置103の表示を、デジタル化し、デジタル化した表示を、電子デバイスを用いて、ディスプレイに表示すればよい。