(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130007
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】テラヘルツ発振器
(51)【国際特許分類】
H03B 7/14 20060101AFI20220830BHJP
H01L 21/329 20060101ALI20220830BHJP
H01L 29/861 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
H03B7/14
H01L29/88 S
H01L29/91 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021028929
(22)【出願日】2021-02-25
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、未来社会創造事業、「テラヘルツ半導体デバイスの評価・制御技術の開発と応用」委託研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】田中 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】平岡 友基
(57)【要約】
【課題】モードロックされたマルチモードの発振を可能としたテラヘルツ発振器、即ちパルス光の発振が可能なテラヘルツ発振器を提供する。
【解決手段】共鳴トンネルダイオードを備えたテラヘルツ発振器において、共鳴トンネルダイオードに印加されるバイアス電圧は、テラヘルツ発振器の発振周波数が周波数ジャンプを起こす電圧となるように選択され、共鳴トンネルダイオードに、テラヘルツ発振器の発振光が戻されることで、マルチモード発振が得られる。バイアス電圧は、所定の周波数、例えばfmod=c/2Lで変調されても良い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共鳴トンネルダイオードを備えたテラヘルツ発振器であって、
前記共鳴トンネルダイオードに印加されるバイアス電圧は、前記テラヘルツ発振器の発振周波数が周波数ジャンプを起こす電圧となるように選択され、
前記共鳴トンネルダイオードに、前記テラヘルツ発振器の発振光が戻されることで、マルチモード発振が得られることを特徴とするテラヘルツ発振器。
【請求項2】
前記バイアス電圧は、所定の周波数で変調されることを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ発振器。
【請求項3】
前記テラヘルツ発振器の発振光は、ミラーで反射されて前記共鳴トンネルダイオードに戻され、前記バイアス電圧は、以下の式で表される変調周波数fmod:
fmod=c/2L
cは光速、
Lは共鳴トンネルダイオードとミラーとの間の光路長、
で変調されることを特徴とする請求項2に記載のテラヘルツ発振器。
【請求項4】
前記ミラーの位置を変えて、前記マルチモード発振のモード間隔を制御することを特徴とする請求項3に記載のテラヘルツ発振器。
【請求項5】
前記マルチモード発振は、モードロックされたマルチモードの発振であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のテラヘルツ発振器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は共鳴トンネルダイオードを用いたテラヘルツ発振器に関し、特に、パルス発振が可能なテラヘルツ発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
周波数が0.1THzから10THzのテラヘルツ帯の電磁波は、第6世代移動通信システム(6G)等の大容量高速通信、テラヘルツレーザーやイメージセンサ、テラヘルツ分析装置への応用が期待される。なかでも、テラヘルツ波はX線に比較して人体への影響が少ないため、空港などのX線検査に代わるセキュリティチェック技術として注目されている。従来、テラヘルツ波を発生させる装置は大型かつ高価であることが、普及の妨げになっていたが、近年、共鳴トンネルダイオード(RTD)を用いた半導体のテラヘルツ発振器が開発され、応用が広がっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のテラヘルツ発振器は連続波(CW)を利用するため、スキャナー等には使用できるが、3次元イメージの検出やレーダー等への応用が困難であり、パルス波の供給が可能なテラヘルツ発振器の実用化が望まれていた。
【0005】
そこで、本発明は、モードロックされたマルチモードの発振を可能としたテラヘルツ発振器、即ちパルス光の発振が可能なテラヘルツ発振器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様は、共鳴トンネルダイオードを備えたテラヘルツ発振器であって、
共鳴トンネルダイオードに印加されるバイアス電圧は、テラヘルツ発振器の発振周波数が周波数ジャンプを起こす電圧となるように選択され、
共鳴トンネルダイオードに、テラヘルツ発振器の発振光が戻されることで、マルチモード発振が得られることを特徴とするテラヘルツ発振器である。
【0007】
本発明の他の態様では、バイアス電圧は、所定の周波数で変調される。
【0008】
発振光は、ミラーで反射されて共鳴トンネルダイオードに戻され、バイアス電圧は、以下の式で表される変調周波数fmod:
fmod=c/2L
cは光速、
Lは共鳴トンネルダイオードとミラーとの間の光路長、
で変調されても良い。
【0009】
ミラーの位置を変えて、マルチモード発振のモード間隔を制御しても良い。
【0010】
マルチモード発振は、モードロックされたマルチモードの発振でも良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかるテラヘルツ発振器では、適切なバイアス電圧の設定と戻り光を用いることにより、あるいは適切に変調されたバイアス電圧と戻り光を用いることにより、モードロックされたマルチモードの発振を可能にし、パルス光の発振を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態にかかるテラヘルツ発振器とヘテロダイン検出器を示す。
【
図2】共鳴トンネルダイオード(RTD)発振器の等価回路図を示す。
【
図3】共鳴トンネルダイオード(RTD)の断面構造の一例を示す。
【
図4】共鳴トンネルダイオード(RTD)の動作原理を説明するグラフを示す。
【
図5】外部テラヘルツ光源からの光を注入した場合のテラヘルツ発振器の出力光の発振周波数と強度の関係(スペクトル)を示す。
【
図6】共鳴トンネルダイオード(RTD)のバイアス電圧と発振周波数との関係(F-Vカーブ)を示す。
【
図10】共鳴トンネルダイオード(RTD)のバイアス電圧とモードロッキングとの関係を示す。
【
図11】ミラーの位置が発振光の発振特性に与える影響を表すグラフを示す。
【
図12】バイアス電圧を変調した場合のテラヘルツ発振器の発振特性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、全体が100で表される、本発明の実施の形態にかかるテラヘルツ発振器と、テラヘルツ発振器100の特性を検出するためのヘテロダイン検出器200を示す。テラヘルツ発振器100は、共鳴トンネルダイオード(RTD)発振器10と、コリメータレンズ20、ミラー30、およびワイヤグリッド偏光子40を含む。ミラー30とワイヤグリッド偏光子40との間には、減衰器(Atten)50が測定用に設けられている。ミラー30には、例えばパラボラリックミラー、ハーフミラー、全反射ミラー、多層反射ミラー等が含まれる。
【0014】
テラヘルツ発振器100に含まれる共鳴トンネルダイオード(RTD)発振器10は、基板の上に共鳴トンネルダイオード(RTD)とアンテナが集積された構造からなる。ワイヤグリッド偏光子40および減衰器(Atten)50は、ヘテロダイン検出器200での測定に使用するものであり、実用されるテラヘルツ発振器には無くてもかまわない。
【0015】
図2は、共鳴トンネルダイオード(RTD)発振器10の等価回路図である。
図2では、中央の破線から右側がアンテナ、左側が共鳴トンネルダイオード(RTD)である。共鳴トンネルダイオード(RTD)の印加バイアスを大きくすると、微分負性抵抗(コンダクタンス)が発生する。これにより、共鳴トンネルダイオード(RTD)の微分負性抵抗G
RNDとアンテナの放射抵抗G
ANTが、G
RTD>G
ANTとなって微分負性抵抗が放射抵抗を打ち消した場合に、発振が起きる。発振周波数は、アンテナのインダクタンス成分Lと、アンテナと共鳴トンネルダイオード(RTD)の2つを合わせた容量成分Cにより、LC並列共振で決定される。このときの共振周波数は、以下の式:
fosc=1/2・π・(LC)
1/2
で表される。
【0016】
図3は、共鳴トンネルダイオード(RTD)の断面構造の一例を示す。ここでは、半絶縁性InP(SI-InP)基板の表面の法線方向(
図3の上方向)を上として説明する。
図3の構造では、半絶縁性InP(SI-InP)基板の上に、n
+-GaInAs層が形成され、その上にn-GaInAsのエミッタ層およびエミッタ電極が設けられている。エミッタ層の上には、アンドープGaInAsのスペーサ層で上下を挟まれたAlAs/GaInAs/AlAsからなる量子井戸構造が設けられている。上側のアンドープGaInAsスペーサ層の上には、n-GaAlAsコレクタ層、n
+-GaInAs層が設けられている。上側のn
+-GaInAs層の上にはコレクタ電極が設けられている。エミッタ電極およびコレクタ電極は、例えばAu/Pd/Tiの積層構造からなる。共鳴トンネルダイオード(RTD)の構造や材料はこれに限定されるものではない。
【0017】
図4は、共鳴トンネルダイオード(RTD)の動作原理を説明するグラフであり、横軸がエミッタ-コレクタ電極間に印加されるバイアス電圧、縦軸がエミッタ-コレクタ電極間に流れる電流を示す。共鳴トンネルダイオード(RTD)では、エミッタ電極がコレクタ電極に対して負となるようにバイアス電圧を印加していくと共鳴トンネル効果により電流が流れる。更にバイアス電圧を大きくすると、電流が最大値となった後に、微分負性抵抗(-G
RTD)が表れて電流が減少する。そして、上述のようにG
RTD>G
ANTとなると、発振が起きる。
【0018】
このように、
図1に示すテラヘルツ発振器100では、共鳴トンネルダイオード(RTD)発振器10に含まれる共鳴トンネルダイオード(RTD)のコレクタ-エミッタ電極間に、エミッタ電極が負となるようにバイアス電圧を印加して共鳴トンネルダイオード(RTD)発振器10を発振させることができる。共鳴トンネルダイオード(RTD)発振器10から出射された発振光は、コリメータレンズ20で平行になり、ワイヤグリッド偏光子(WG)40に入射する。ワイヤグリッド偏光子(WG)40では、発振光の一部が測定用にヘテロダイン検出器200方向に分岐する。
【0019】
ワイヤグリッド偏光子(WG)40を通ってミラー30に入射した発振光は、ミラー30で反射される。反射された発振光は、ワイヤグリッド偏光子(WG)40を通過し、コリメータレンズ20を介して、戻り光として共鳴トンネルダイオード(RTD)発振器10に入射する。
【0020】
ここで、「戻り光」とは、テラヘルツ発振器100の発振光のうち、反射されて共鳴トンネルダイオード(RTD)に入射する発振光をいい、発振光の量に対する戻り光の量の割合は、少なくとも発振光の一部が反射されて戻り光として入射すればよく、好ましくは10%~50%となる。
【0021】
ヘテロダイン検出器200では、単一走行キャリアフォトダイオード(UTC-PD)80を用いて局所発振光(LO)を発生させる。局所発振光(LO)は、例えば線幅200kHzのテラヘルツ光である。テラヘルツ発振器100から導入された発振光と、コリメータレンズ60を通った局所発振光(LO)とは、ワイヤグリッド偏光子(WG)70を用いて合波され、フェルミレベル制御バリアダイオード(FMBD)90を用いて検出される。検出した信号のパワースペクトルはスペクトルアナライザ(図示せず)で計測される。
【0022】
図5は、従来から行われていた連続発振光の発振周波数および位相の制御の一例である。
図5では、自身の出力光ではなく、外部テラヘルツ光源からの信号を共鳴トンネルダイオード(RTD)に注入する。注入周波数を変化させると、出力光スペクトルは
図5のように変化する。このように同期用の発振光を外部テラヘルツ光源から注入することにより、自由発振周波数の近傍において、シャープな単一モードの発振(周波数線幅<1Hz)が得られる。また、同期用の発振光の波長を変えることで、連続発振光において発振周波数および位相が制御できる。
【0023】
このように、共鳴トンネルダイオード発振器に外部から基準信号を注入する手法では、連続発振状態における周波数の制御が可能であった。これに対して、本発明では、基準信号ではなく戻り光を共鳴トンネルダイオード発振器に加えることで、連続発振状態ではなくマルチモード発振状態が得られ、さらに共鳴トンネルダイオード発振器に印加するバイアス電圧を所定の範囲に設定することで、モードロックしたパルス発振が得られることを見出した。
【0024】
図6は、共鳴トンネルダイオード(RTD)のコレクタ-エミッタ電極間に印加されるバイアス電圧と、発振光の周波数との関係(F-Vカーブ)を、また
図7はその拡大図を示す。
図6、7の測定は、ミラーによる戻り光を入射しない条件で行った。
図6に示すように、共鳴トンネルダイオード(RTD)のコレクタ-エミッタ電極間に印加するバイアス電圧を、コレクタ電極に対してエミッタ電極が負となる方向に大きくしていくと、発振波長が変化する。そしてバイアス電圧が約471mV近傍において、発光周波数の急激な変化または不連続な変化(ここでは「周波数ジャンプ」とよぶ。)が見られる。
図7の拡大図のように、約297GHzから約299GHzまで、発光周波数の周波数ジャンプが見られる。周波数ジャンプの原因について現時点では明確には分からないが、共鳴トンネルダイオード(RTD)の素子構造内部(例えば発振器がマウントされている基板の裏面)での発振光の反射や、コリメータレンズからの反射が影響すると推測される。
【0025】
図8、9は、印加バイアスを所定の値に設定した場合のテラヘルツ発振器100の発振特性を表し、
図8はミラーからの戻り光無しの場合、
図9はミラーからの戻り光有りの場合を示す。印加バイアスは、
図6の周波数ジャンプの発生する電圧(例えば471mV)とする。またミラーの位置は、以下で述べるように、
図11でマルチモード発振が得られる位置(例えばz=0.8mm)とした。
図8、9は、ヘテロダイン検出器200でダウンコンバートされた信号の、(a)スペクトル、および(b)時間波形の自己相関関数である。
【0026】
図8の戻り光のない場合は、(a)のスペクトルは単一ピークとなり、(b)の自己相関関数は単一周波数のサイン波となる。これは、単一周波数での連続発振を意味する。これに対して、
図9の戻り光の有る場合は、(a)のスペクトルは等間隔(ここでは約1GHz間隔)のマルチピークになり、(b)の自己相関関数は周期的(ここでは約1ns周期)なパルス波形となる。この結果から、モードロック発振が生じていることが分かる。
【0027】
図10は、
図9のマルチモード発振が起きている条件において、共鳴トンネルダイオード(RTD)の印加バイアスとモードロックとの関係を示すグラフである。横軸が印加バイアス、縦軸がモードロックの程度を示す。共鳴トンネルダイオード(RTD)で周波数ジャンプが発生するバイアス電圧(約471.6mV:
図10中に破線で示す)を中心にバイアス電圧を変化させたところ、周波数ジャンプの起きる電圧±約2mVの範囲内でモードロックが得られた。このように、周波数ジャンプの起こるバイアス電圧の付近でモードロックが生じる。
【0028】
図11は、戻り光のミラーの位置が、発振光の発振特性に与える影響を示すグラフであり、横軸はミラーの基準位置(z=0)からの移動距離z、縦軸が発振周波数を示す。共鳴トンネルダイオード(RTD)とミラーとの間の距離Lは、例えば500mmであり、zが大きくなると、基準位置(z=0)からの距離Lも大きくなる。
【0029】
距離zの増加にともなって、発振周波数が分散する領域(縦方向に複数の線が見られる)と、分散しない領域(縦方向に1本の線のみが見られる)が交互に現れる。発振周波数が分散する領域では、マルチモードのパルス発振となり、発振周波数が分散しない領域では、単一モードの連続発振となる。このように、ミラーの位置を変えることにより、連続発振とパルス発振の選択が可能となる。パルス発振の場合のモード間隔Fは、F=c/2L(cは光速、LはRTDとミラーとの間の光路長)となる。
【0030】
図12は、バイアス電圧を変調した場合のテラヘルツ発振器の発振特性であり、(a)はパッシブモードロック(PML)が生じるミラー位置での、(b)はパッシブモードロック(PML)が生じないミラー位置での、テラヘルツ発振器のスペクトルを示す。さらに、下段はバイアス電圧を変調しない場合、上段はバイアス電圧を変調する場合である。バイアス電圧は、周波数ジャンプの発生する電圧(例えば471.6mV)に対して、変調パワー:Pmod=-20dBm、変調周波数:fmod=278MHzで変調を行った。なお、安定なモード同期状態を作るための変調周波数は、おおよそ上述のF=c/2Lと一致する。
【0031】
図12(a)に示すように、パッシブモードロック(PML)が生じるミラー位置では、共鳴トンネルダイオード(RTD)のバイアス電圧にバイアス変調を加えない場合(下段)と、加えた場合(上段)とで、発振モードに特に違いは見られない。
【0032】
一方、
図12(b)に示すように、パッシブモードロック(PML)が生じないミラー位置では、共鳴トンネルダイオード(RTD)の印加バイアスに変調を加えることにより、マルチモード発振となる。このように、変調を加えた印加バイアスと、戻り光の作用でモードロック(ここでは「ハイブリッドモードロック」と呼ぶ。)がかかり、モード間隔も一定となる。
【0033】
このように、バイアス変調を加えた共鳴トンネルダイオード(RTD)の印加バイアスと、戻り光の双方を用いることにより、変調なしのバイアス電圧と戻り光だけではマルチモード発振が得られない条件でも、ハイブリッドモードロックされたマルチモードの発振が安定的に得られるようになる。そして、戻り光の振幅を変えることによりモード間隔も制御できる。
【0034】
このようなモードロックあるいはハイブリッドモードロックされたマルチモード発振光は、例えば周波数コムとして未知の周波数の測定に使用することができる。また、ミラーの位置を変えてモード間隔を制御することにより、外部信号とのクロック同期に使用することも可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、テラヘルツ光通信器、テラヘルツレーダー、イメージング、テラヘルツ分析装置等に適用可能な共鳴トンネルダイオードである。
【符号の説明】
【0036】
10 共鳴トンネルダイオード(RTD)発振器
20 コリメータレンズ
30 ミラー
40 ワイヤグリッド偏光子
50 減衰器
60 コリメータレンズ
70 ワイヤグリッド偏光子
80 単一走行キャリアフォトダイオード(UTC-PD)
90 フェルミレベル制御バリアダイオード(FMBD)
100 テラヘルツ発振器
200 ヘテロダイン検出器