(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130027
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】個体識別バンド、バンド基材、及びバンド基材の使用方法
(51)【国際特許分類】
A41D 20/00 20060101AFI20220830BHJP
G09F 3/06 20060101ALI20220830BHJP
A44C 5/00 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
A41D20/00
G09F3/06
A44C5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021028967
(22)【出願日】2021-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 一茂
【テーマコード(参考)】
3B011
【Fターム(参考)】
3B011AA10
3B011AB09
3B011AC00
(57)【要約】
【課題】周長を長くすることができるリストバンドを提供する。
【解決手段】個体識別バンドは、第1環状部と、第2環状部と、を有し、第1環状部の一部が共通部として第2環状部の一部を構成し、共通部に破断部が設けられる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1環状部と、
第2環状部と、
を有し、
前記第1環状部の一部が共通部として前記第2環状部の一部を構成し、
前記共通部に破断部が設けられる、
個体識別バンド。
【請求項2】
請求項1に記載の個体識別バンドであって、
前記破断部は、ミシン目である、
個体識別バンド。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の個体識別バンドであって、
前記第1環状部は、周長を調整可能である、
個体識別バンド。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の個体識別バンドであって、
前記第1環状部の周長は、前記第2環状部の周長よりも長い、
個体識別バンド。
【請求項5】
請求項1に記載の個体識別バンドを製造するための帯状のバンド基材であって、
長手方向において一端側から順に設けられた第1固定部、第2固定部、前記第1固定部に固定される第1被固定部、及び前記第2固定部に固定される第2被固定部と、
前記第1固定部と前記第2固定部との間に設けられた前記破断部としての切取線と、
を有するバンド基材。
【請求項6】
請求項5に記載のバンド基材であって、
前記切取線は、ミシン目である、
バンド基材。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のバンド基材であって、
前記第1被固定部は、前記長手方向に複数設けられる、
バンド基材。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか1つに記載のバンド基材であって、
前記第1固定部は、通し孔であり、
前記第1被固定部は、前記バンド基材の他端側を前記通し孔に挿通させた状態で前記通し孔に係止される被係止部である、
バンド基材。
【請求項9】
請求項8に記載のバンド基材であって、
前記被係止部は、前記バンド基材の両側縁から前記バンド基材の幅方向中心側に向かってそれぞれ延びる2つの切込線である、
バンド基材。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のバンド基材であって、
前記通し孔は、前記バンド基材の幅方向に延びる切り目である、
バンド基材。
【請求項11】
請求項5から10のいずれか1つに記載のバンド基材であって、
前記第2固定部は、前記バンド基材の一方の面に設けられ、
前記第2被固定部は、前記バンド基材の他方の面に設けられた粘着部である、
バンド基材。
【請求項12】
請求項5から11のいずれか1つに記載のバンド基材であって、
前記第2固定部から前記第1被固定部までの長さは、前記第1被固定部から前記第2被固定部までの長さよりも長い、
バンド基材。
【請求項13】
請求項5から12のいずれか1つに記載のバンド基材の使用方法であって、
前記第1固定部から前記第1被固定部までを被着体に巻き付けて、前記第1被固定部を前記第1固定部に固定するとともに前記第2被固定部を前記第2固定部に固定し、
その後に、前記破断部で破断させる、
バンド基材の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個体識別バンド、バンド基材、及びバンド基材の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1の巻付け領域及び第2の巻付け領域に、第1の貼合わせ位置ガイド及び第2の貼合わせ位置ガイドをそれぞれ設けて、帯状のバンド基材の両端部の裏面同士を貼り合わせるようにしたリストバンドが開示されている。
【0003】
上記のリストバンドは、最初は第1の巻付け領域の一部及び第2の巻付け領域のそれぞれの裏面同士を貼り合わせ、ついで第1の巻付け領域の残りの部分の裏面を第2の巻付け領域の表面に貼り合わせることで、使用者の手首や足首の大きさに合わせてちょうどよい大きさのリング状に巻き付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、新生児の手首や足首に取り付ける個体識別バンドとして上記のリストバンドを用いることが考えられる。しかしながら、新生児は、成長して手首等が太くなった場合に巻き付け部の周長を当初よりも長くする必要があるところ、上記のリストバンドは、手首等に巻き付けた後に巻き付け部の周長を長くすることができない。
【0006】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、個体識別バンドの巻き付け部の周長を長くすることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様によれば、第1環状部と、第2環状部と、を有し、前記第1環状部の一部が共通部として前記第2環状部の一部を構成し、前記共通部に破断部が設けられる、個体識別バンドが提供される。
【発明の効果】
【0008】
上記態様によれば、共通部を破断部で破断させることで、第1環状部よりも周長が長い1つの環状部が形成される。すなわち、個体識別バンドの巻き付け部の周長を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る個体識別バンドの斜視図である。
【
図2】個体識別バンドを製造するためのバンド基材について説明するための図である。
【
図3】バンド基材の使用方法における第1手順について説明するための図である。
【
図4】バンド基材の使用方法における第2手順について説明するための図である。
【
図5】バンド基材の使用方法における第3手順について説明するための図である。
【
図6】周長を長くした個体識別バンドを示す図である。
【
図7】変形例に係るバンド基材について説明するための図である。
【
図9】第2固定部及び第2被固定部の変形例について説明するための図である。
【
図10】破断部の変形例について説明するための図である。
【
図11】破断用切込について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態に係る個体識別バンド100について説明する。
【0011】
個体識別バンド100は、新生児の取り違えを防止するために用いられる。具体的には、個体識別バンド100は、新生児の手首や足首に巻き付けて使用される。
【0012】
個体識別バンド100は、
図1に示すように、第1環状部110(
図5の二点鎖線部参照)と、第1環状部110の外側に形成される第2環状部120(
図5の一点鎖線部参照)と、を有する。第1環状部110は、新生児の手首等に巻き付けられる巻き付け部であり、第2環状部120よりも周長が長い。
【0013】
個体識別バンド100は、第1環状部110の一部が共通部130(
図5の破線部参照)として第2環状部120の一部を構成している。共通部130には、破断部としての切取線12が設けられる。本実施形態では、切取線12はミシン目である。
【0014】
共通部130を切取線12で破断させると、第1環状部110における共通部130以外の部分と第2環状部120における共通部130以外の部分とで周長が定まる1つの環状部が形成される(
図6参照)。当該環状部は、第1環状部110よりも周長が長い。つまり、個体識別バンド100は、共通部130を切取線12で破断させることで、巻き付け部の周長を長くすることができる。
【0015】
これによれば、新生児が成長して手首等が太くなっても、最初に取り付けた個体識別バンド100を継続して使用することができる。よって、コストの低減、廃棄物の低減、個体識別バンドを付け替える作業の手間の低減が可能となる。また、個体識別バンドを付け替える際の作業ミスのリスクも回避できる。
【0016】
図2は、個体識別バンド100を製造するためのバンド基材10について説明するための図である。具体的には、
図2は、バンド基材10の連続体MLを表面側から見た図である。
【0017】
個体識別バンド100は、連続体MLから切り取ったバンド基材10を組み立てることで製造される。言い換えると、バンド基材10は、個体識別バンド100を構成する。
【0018】
図2に示すように、連続体MLは帯状である。バンド基材10は、連続体MLの幅方向において隣接して2つ設けられ、連続体MLの長手方向において一定の間隔毎に複数設けられる。
【0019】
バンド基材10(連続体ML)の材料は、合成樹脂である。具体的には、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリウレタン、シリコーン等の樹脂フィルム単体又はこれら樹脂フィルムを複数積層してなる多層フィルムを使用することができる。
【0020】
バンド基材10では、これらの材料に白色顔料を混入したり表面側に塗布したりして、不透明性、印字適性、及び平滑性等を加味している、そのため、バンド基材10は、耐候性、耐水性、及び印字適性に優れている。
【0021】
バンド基材10としては、合成樹脂以外にも、厚紙、上質紙、中質紙、又はこれらに塗工層を適宜形成したコート紙等の紙基材を用いることができる。また、バンド基材10の表面側に感熱発色層を設けることで、サーマルプリンタで印字を行うことができるようにしてもよい。
【0022】
バンド基材10は、外形線30で連続体MLから切り離すことで、単体のバンド基材10として取り出すことができる。
【0023】
外形線30は、連続体MLの厚さ方向に略半分の深さで形成したハーフカットの切り目である。外形線30は、連続体MLの表面側から形成してもよいし、裏面側から形成してもよい。
【0024】
また、外形線30は、例えば、連続体MLの厚さ方向に完全に切断された切り目、すなわちスリットを所々切断されていない状態で設ける所謂点留めで構成してもよいし、ハーフカットと点留めとを組み合わせて構成してもよい。
【0025】
バンド基材10は、帯状であって、長手方向において一端側から順に、第1固定部としての通し孔11と、切取線12と、第2固定部としての貼付領域13と、通し孔11に固定される第1被固定部としての被係止部14と、貼付領域13に固定される第2被固定部としての粘着部15と、を有する。
【0026】
貼付領域13から被係止部14までの長さは、被係止部14から粘着部15までの長さよりも長い。なお、本実施形態では、被係止部14が3つ設けられているが、全ての被係止部14は、この長さ関係を満たす位置に設けられる。
【0027】
バンド基材10の他端側は一端側と比べて幅が狭い狭幅部16となっており、被係止部14及び粘着部15は、狭幅部16に設けられる。
【0028】
また、バンド基材10は、貼付領域13と被係止部14との間が、図示しないプリンタによって個体識別情報を印字するための印字領域17になっている。
【0029】
図2では、新生児の母親の氏名(佐藤花子)、新生児に割り当てられたID番号(20210123A)、及びID番号を表すバーコードが個体識別情報として印字領域17に印字されている。
【0030】
プリンタによるバンド基材10への印字は、
図2に矢印で示す搬送方向に連続体MLを搬送しながら行われる。本実施形態では、連続体MLの幅方向において隣接して2つのバンド基材10が設けられるので、
図2に示すように、1度の印字で2つのバンド基材10に亘って同じバーコードを含む個体識別情報を印字することができる。
【0031】
これにより、手首用の個体識別バンド100を構成するバンド基材10と足首用の個体識別バンド100を構成するバンド基材10とがプリンタから同時に発行される。これら2つのバンド基材10でそれぞれ構成される2つの個体識別バンド100を用いることで、新生児の取り違えが防止される。
【0032】
通し孔11は、バンド基材10の幅方向に延びる切り目(スリット)である。バンド基材10の幅方向における通し孔11の長さは、狭幅部16の幅よりも長い。これにより、
図1に示すように、狭幅部16を通し孔11に挿通させることができるようになっている。
【0033】
被係止部14は、バンド基材10の両側縁からバンド基材10の幅方向中心側に向かってそれぞれ延びる2つの切込線で構成される。
【0034】
通し孔11は、両端部がバンド基材10の他端側に近づく方向に折れ曲がるように形成される。また、被係止部14を構成する切込線は、バンド基材10の幅方向中心側がバンド基材10の他端側に近づく方向に折れ曲がるように形成される。
【0035】
これにより、
図1に示すように、狭幅部16を通し孔11に挿通させた状態で、被係止部14を通し孔11に係止させることができる。すなわち、被係止部14が通し孔11に固定された状態を実現できる。
【0036】
被係止部14を通し孔11に固定した状態では、
図1、
図5に示すように、バンド基材10における通し孔11から被係止部14までの部分が第1環状部110を構成する。
【0037】
貼付領域13は、バンド基材10の一方の面である表面に設けられる。本実施形態では、貼付領域13であることを示す位置合わせマーク18がバンド基材10に予め印刷されている。
【0038】
粘着部15は、バンド基材10の他方の面である裏面に設けられる。粘着部15は、例えば、両面テープである。また、粘着部15は、バンド基材10の裏面に粘着剤を塗布して形成してもよい。粘着部15には、必要に応じてセパレータが仮着される。なお、粘着部15を両面テープとする場合は、バンド基材10を連続体MLから分離した後でバンド基材10の裏面に取り付けてもよい。
【0039】
粘着部15は、狭幅部16を通し孔11に挿通させた状態で、狭幅部16の端部を位置合わせマーク18に重ね合わせて貼付領域13に貼り付けられる。これにより、
図1に示すように、粘着部15が貼付領域13に固定された状態となる。
【0040】
被係止部14を通し孔11に固定し、且つ、粘着部15を貼付領域13に固定した状態では、
図1、
図5に示すように、バンド基材10における通し孔11から貼付領域13までの部分(共通部130)とバンド基材10における被係止部14から粘着部15までの部分とが第2環状部120を構成する。
【0041】
続いて、バンド基材10の使用方法について説明する。
図3は、バンド基材10の使用方法における第1手順について説明するための図である。
図4は、バンド基材10の使用方法における第2手順について説明するための図である。
図5は、バンド基材10の使用方法における第3手順について説明するための図である。
図6は、周長を長くした個体識別バンド100を示す図である。
【0042】
第1手順では、
図3に示すように、新生児の手首等の被着体Bにバンド基材10を巻き付けて他端側である狭幅部16を通し孔11に挿通させ、被係止部14を通し孔11に固定する。
【0043】
上述したように、本実施形態では、バンド基材10に長手方向に複数の被係止部14が設けられる。そのため、通し孔11に固定される被係止部14は、新生児の手首等の太さに合わせて複数の被係止部14の中から選択される。つまり、バンド基材10に被係止部14を複数設けることで、個体識別バンド100の第1環状部110の周長を調整可能としている。なお、被係止部14の数は適宜変更可能である。
【0044】
第2手順では、
図4に示すように、粘着部15を貼付領域13に貼り付ける。これにより、バンド基材10の貼付領域13に粘着部15が固定される。なお、第2手順が完了した時点で、個体識別バンド100が完成する。
【0045】
第3手順では、
図5に示すように、個体識別バンド100の共通部130を切取線12で破断させる。第3手順は、新生児が成長して手首等が太くなってから実行することが想定される。
【0046】
第3手順を実行した結果、
図6に示すように、第1環状部110よりも周長が長い1つの環状部が形成され、被着体Bと個体識別バンド100との隙間が増大する。すなわち、個体識別バンド100の巻き付け部の周長を長くすることができる。具体的には、大環状部の周長は、バンド基材10における貼付領域13から粘着部15までの部分の長さで定まる。これにより、新生児が成長して手首等が太くなっても、最初に取り付けた個体識別バンド100を継続して使用することができる。
【0047】
続いて、
図7、
図8を参照しながら変形例に係るバンド基材200について説明する。
【0048】
図7は、変形例に係るバンド基材200について説明するための図である。具体的には、
図7は、バンド基材200の連続体ML2を表面側から見た図である。
図8は、
図7のVIII-VIII断面図である。
【0049】
以下では、バンド基材10及び連続体MLとの相違点について主に説明し、バンド基材10及び連続体MLと同様の構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0050】
図7に示すように、バンド基材200は、連続体ML2の幅方向において隣接して2つ設けられ、連続体ML2の長手方向において隣り合う2つのバンド基材200の端部同士が重なるように複数設けられる。
【0051】
図8に示すように、バンド基材200(連続体ML2)は、表面基材201と裏面基材202とを粘着剤層203を介して積層して構成される。裏面基材202はセパレータである。
【0052】
表面基材201及び裏面基材202の材料は、バンド基材10と同様の材料を採用することができる。
【0053】
粘着剤層203の材料は、必要な強度の粘着度あるいは接着度を有する任意のタイプの粘着剤を採用することができ、一般糊や強粘着糊等が好ましい。
【0054】
続いて、バンド基材200の外形線230について、連続体ML2の長手方向において隣り合う2つのバンド基材200a、200bを例として説明する。
【0055】
図8に示すように、バンド基材200aの外形線230のうちバンド基材200bと重なる部分(外形線230a)は、連続体ML2の厚さ方向において表面基材201及び粘着剤層203を切断するハーフカットである。
【0056】
また、バンド基材200bの外形線230のうちバンド基材200aと重なる部分(外形線230b)は、連続体ML2の厚さ方向において裏面基材202を切断するハーフカットである。
【0057】
バンド基材200の外形線230のうち隣り合うバンド基材200と重ならない部分の構成は、バンド基材10の外形線30と同様である。
【0058】
以上のように構成された連続体ML2からバンド基材200を切り離すと、狭幅部16の端部の粘着剤層203が露出して第2被固定部としての粘着部215が形成される。
【0059】
これによれば、両面テープを取り付けたり粘着剤を塗布したりする必要がないので、作業の手間の低減が可能となる。また、セパレータを剥がすことにより発生する廃棄物も低減できる。また、バンド基材200を、表面基材201として印字適性や耐擦過性に優れた材料を選択し、中間の粘着剤層203を介して人体側となる裏面基材202として柔軟性や通気性、抗菌性に優れた材料を選択した複合基材として構成できる。よって、装着感や衛生管理上優れた個体識別バンド100を実現できる。
【0060】
以上のように構成された個体識別バンド100、バンド基材10、200の主な作用効果についてまとめて説明する。
【0061】
個体識別バンド100は、第1環状部110と、第2環状部120と、を有し、第1環状部110の一部が共通部130として第2環状部120の一部を構成し、共通部130に切取線12が設けられる。
【0062】
これによれば、共通部130を切取線12で破断させることで、第1環状部110よりも周長が長い1つの環状部が形成される。すなわち、個体識別バンド100の巻き付け部の周長を長くすることができる。
【0063】
切取線12はミシン目である。
【0064】
これによれば、破断部を容易に設けることができる。また、共通部130を容易に破断させることができる。
【0065】
第1環状部110は、周長を調整可能である。
【0066】
これによれば、被着体Bの太さに合わせて個体識別バンド100を取り付けることができる。
【0067】
第1環状部110の周長は、第2環状部120の周長よりも長い。
【0068】
これによれば、第1環状部110を被着体Bに巻き付ける巻き付け部とすることができる。
【0069】
個体識別バンド100を製造するための帯状のバンド基材10、200は、長手方向において一端側から順に設けられた通し孔11、貼付領域13、通し孔11に固定される被係止部14、及び貼付領域13に固定される粘着部15、215と、通し孔11と貼付領域13との間に設けられた切取線12と、を有する。切取線12はミシン目である。
【0070】
これによれば、巻き付け部の周長を長くすることができる個体識別バンド100を容易に製造できる。
【0071】
被係止部14は、バンド基材10、200の長手方向に複数設けられる。
【0072】
これによれば、被着体Bの太さに合わせて個体識別バンド100を取り付けることができる。
【0073】
被係止部14は、バンド基材10、200の他端側を通し孔11に挿通させた状態で通し孔11に係止される。
【0074】
これによれば、被係止部14を通し孔11に容易に固定できる。
【0075】
被係止部14は、バンド基材10、200の両側縁からバンド基材10、200の幅方向中心側に向かってそれぞれ延びる2つの切込線である。
【0076】
これによれば、被係止部14を容易に設けることができる。
【0077】
通し孔11は、バンド基材10、200の幅方向に延びる切り目(スリット)である。
【0078】
これによれば、通し孔11を容易に設けることができる。
【0079】
貼付領域13は、バンド基材10、200の表面に設けられ、粘着部15、215は、バンド基材10、200の裏面に設けられる。
【0080】
これによれば、粘着部15、215を貼付領域13に容易に固定できる。
【0081】
貼付領域13から被係止部14までの長さは、被係止部14から粘着部15、215までの長さよりも長い。
【0082】
これによれば、貼付領域13から被係止部14までの部分を、被着体Bに巻き付ける巻き付け部、すなわち第1環状部110とすることができる。
【0083】
バンド基材10、200を使用する際は、通し孔11から被係止部14までを被着体Bに巻き付けて、被係止部14を通し孔11に固定するとともに粘着部15、215を貼付領域13に固定し、その後に、切取線12で破断させる。
【0084】
これによれば、個体識別バンド100を容易に製造できる。また、切取線12で破断させることで、第1環状部110よりも周長が長い1つの環状部が形成される。すなわち、個体識別バンド100の巻き付け部の周長を長くすることができる。
【0085】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0086】
例えば、上記実施形態では、個体識別バンド100を新生児に用いる場合について説明した。しかしながら、個体識別バンド100は、新生児以外に用いてもよい。例えば、成人に用いることもできるし、人間以外の動物に用いることもできる。
【0087】
また、上記実施形態では、第2固定部が貼付領域13であり、第2被固定部が粘着部15ある場合について説明した。しかしながら、
図9に示すように、第2固定部と第2被固定部とを孔19、20で構成し、孔19と孔20とを重ねた状態でクリップ等を通して固定する構成してもよい。なお、この場合は、位置合わせマーク18は不要である。
【0088】
また、上記実施形態では、個体識別バンド100の破断部が切取線12である場合、具体的にはミシン目である場合について説明した。しかしながら、破断部は、他の部位よりも容易に共通部130を破断させることができるように構成されていればよく、バンドを容易に破断させることができるようにするための既知の様々な構成を採用することができる。
【0089】
また、
図10に示すように、破断部は、通し孔11に連続する切取線(ミシン目)21としてもよい。これによれば、共通部130を破断部で破断した後に、個体識別バンド100から不要部分を取り外すことができる。
【0090】
また、
図11に示すように、バンド基材10の貼付領域13に、破断用切込22を設けてもよい。これによれば、粘着部15を貼付領域13から引き剥がした際に破断用切込22が開裂してバンド基材10が破損する。よって、個体識別バンド100が再利用されることを防止できる。
【0091】
また、上記実施形態では、連続体ML、ML2の幅方向において隣接して2つのバンド基材10、200が設けられる場合について説明した。しかしながら、連続体ML、ML2の幅方向に設けられるバンド基材10、200の数は適宜変更可能である。
【0092】
また、上記実施形態では、第2環状部120が第1環状部110の外側に形成された個体識別バンド100について説明した。しかしながら、個体識別バンドは、第2環状部が第1環状部の内側に形成されてもよい。
【符号の説明】
【0093】
10 バンド基材
11 通し孔(第1固定部)
12 切取線(破断部、ミシン目)
13 貼付領域(第2固定部)
14 被係止部(第1被固定部)
15 粘着部(第2被固定部)
16 狭幅部
17 印字領域
18 位置合わせマーク
19 孔
20 孔
21 切取線
22 破断用切込
30 外形線
100 個体識別バンド
110 第1環状部
120 第2環状部
130 共通部
200 バンド基材
200a バンド基材
200b バンド基材
201 表面基材
202 裏面基材
203 粘着剤層
215 粘着部(第2被固定部)
230 外形線
230a 外形線
230b 外形線
B 被着体
ML 連続体
ML2 連続体