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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130055
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】電気集塵装置
(51)【国際特許分類】
   B03C 3/74 20060101AFI20220830BHJP
   B03C 3/40 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
B03C3/74 Z
B03C3/40 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021029007
(22)【出願日】2021-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391022614
【氏名又は名称】学校法人幾徳学園
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 幸平
(72)【発明者】
【氏名】中川 匡
(72)【発明者】
【氏名】當山 広幸
(72)【発明者】
【氏名】瑞慶覧 章朝
(72)【発明者】
【氏名】袴田 大樹
【テーマコード(参考)】
4D054
【Fターム(参考)】
4D054AA03
4D054BA02
4D054BC31
4D054DA09
4D054DA11
(57)【要約】
【課題】排ガスに含まれる粒子状物質をマイクロ波により燃焼させる場合、マイクロ波のエネルギー効率を向上させることが望ましい。
【解決手段】排ガスに含まれる粒子状物質が堆積する底板を有し、底板に複数の第1スリットが設けられた捕集部と、マイクロ波が伝搬する内部空間を有する伝搬部と、を備え、上面視において、複数の第1スリットは内部空間と重なる位置に配置され、マイクロ波は、内部空間から複数の第1スリットを通じて捕集部に伝搬する、電気集塵装置を提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガスに含まれる粒子状物質が堆積する底板を有し、前記底板に複数の第1スリットが設けられた捕集部と、
マイクロ波が伝搬する内部空間を有する伝搬部と、
を備え、
上面視において、前記複数の第1スリットは前記内部空間と重なる位置に配置され、
前記マイクロ波は、前記内部空間から前記複数の第1スリットを通じて前記捕集部に伝搬する、
電気集塵装置。
【請求項2】
前記粒子状物質を帯電させる帯電部と、
帯電した前記粒子状物質を集塵する集塵部と、
をさらに備え、
前記捕集部は、前記集塵部の下方に配置され、
前記底板には、前記集塵部により集塵された前記粒子状物質が堆積する、
請求項1に記載の電気集塵装置。
【請求項3】
前記伝搬部は、前記底板の面内方向、且つ、前記複数の第1スリットの長辺に交差する方向である第1方向において、前記複数の第1スリットと予め定められた距離、離隔して設けられた第1マイクロ波導入口を有し、
前記マイクロ波は、前記第1マイクロ波導入口を通じて前記内部空間に導入され、
前記第1方向における、前記第1マイクロ波導入口から前記複数の第1スリットのうちの1つの第1スリットまでの距離が大きいほど、前記第1方向における前記複数の第1スリットのそれぞれの幅が大きい、
請求項2に記載の電気集塵装置。
【請求項4】
前記伝搬部は、前記底板の面内方向、且つ、前記複数の第1スリットの長辺に交差する方向である第1方向において、前記複数の第1スリットと予め定められた距離、離隔して設けられた第1マイクロ波導入口を有し、
前記マイクロ波は、前記第1マイクロ波導入口を通じて前記内部空間に導入され、
前記第1方向における、前記第1マイクロ波導入口から前記複数の第1スリットのうちの1つの第1スリットまでの距離が大きいほど、前記複数の第1スリットのうち前記第1方向において隣り合う一の第1スリットと他の第1スリットとの間隔が小さい、
請求項2に記載の電気集塵装置。
【請求項5】
前記捕集部は、前記底板と交差し、前記内部空間に面し、上面視において前記第1マイクロ波導入口から最も離隔して配置された第1の側板をさらに有し、
前記第1の側板には、第2スリットが設けられている、
請求項3または4に記載の電気集塵装置。
【請求項6】
前記第1方向と交差する方向における前記伝搬部の幅は、前記第1マイクロ波導入口から前記複数の第1スリットにかけて広がっている、請求項3から5のいずれか一項に記載の電気集塵装置。
【請求項7】
前記伝搬部は、前記内部空間に面し、上面視において前記第1方向に延伸する外側板と、前記外側板に設けられた第2マイクロ波導入口と、をさらに有する、請求項3から6のいずれか一項に記載の電気集塵装置。
【請求項8】
前記伝搬部は、前記内部空間に面し、前記底板の下方に設けられた外底板と、前記外底板に設けられた第3マイクロ波導入口と、をさらに有する、請求項3から7のいずれか一項に記載の電気集塵装置。
【請求項9】
前記第1マイクロ波導入口には、前記伝搬部の外部から前記内部空間に導入されるマイクロ波が通過するマイクロ波導入管が接続され、
前記マイクロ波導入管は、前記マイクロ波の進行方向に交差する方向に窪んだ第1凹部を有し、
前記第1凹部の深さは、前記マイクロ波の波長の1/4である、
請求項3から8のいずれか一項に記載の電気集塵装置。
【請求項10】
前記集塵部は、集塵電極を有し、
前記集塵電極は、前記捕集部から前記集塵部への方向に交差する方向に窪んだ第2凹部を有し、
前記第2凹部の深さは、前記マイクロ波の波長の1/4である、
請求項2から9のいずれか一項に記載の電気集塵装置。
【請求項11】
前記帯電部および前記集塵部は、前記排ガスが通過する配管に設けられ、
前記捕集部は、前記配管の下方に配置されている、
請求項2から10のいずれか一項に記載の電気集塵装置。
【請求項12】
前記捕集部は、前記底板と交差し前記内部空間に面する第2の側板をさらに有し、
前記底板から前記第2の側板にわたり、前記複数の第1スリットが延伸して設けられている、
請求項1から11のいずれか一項に記載の電気集塵装置。
【請求項13】
前記底板の上面に設けられ、前記複数の第1スリットのうち少なくとも一つの第1スリットを覆う被覆材をさらに備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の電気集塵装置。
【請求項14】
前記被覆材が、前記少なくとも一つの第1スリットの内部に設けられている、請求項13に記載の電気集塵装置。
【請求項15】
前記被覆材の上面には、前記第1スリットに対応する窪みが設けられている、請求項14に記載の電気集塵装置。
【請求項16】
前記被覆材が前記底板の上面から着脱可能である、請求項13から15のいずれか一項に記載の電気集塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「帯電粒子を捕集する捕集部と、集塵部に導入するマイクロ波を発生し、集塵部に捕集された帯電粒子をマイクロ波により燃焼させるマイクロ波発生部と、を備える電気集塵装置を提供する」と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]国際公開第2020/084934号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
排ガスに含まれる粒子状物質をマイクロ波により燃焼させる場合、マイクロ波のエネルギー効率を向上させることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、電気集塵装置を提供する。電気集塵装置は、排ガスに含まれる粒子状物質が堆積する底板を有し、底板に複数の第1スリットが設けられた捕集部と、マイクロ波が伝搬する内部空間を有する伝搬部と、を備える。上面視において、複数の第1スリットは内部空間と重なる位置に配置される。マイクロ波は、内部空間から複数の第1スリットを通じて捕集部に伝搬する。
【0005】
電気集塵装置は、粒子状物質を帯電させる帯電部と、帯電した粒子状物質を集塵する集塵部と、をさらに備えてよい。捕集部は、集塵部の下方に配置されてよい。底板には、集塵部により集塵された粒子状物質が堆積してよい。
【0006】
伝搬部は、底板の面内方向、且つ、複数の第1スリットの長辺に交差する方向である第1方向において、複数の第1スリットと予め定められた距離、離隔して設けられた第1マイクロ波導入口を有してよい。マイクロ波は、第1マイクロ波導入口を通じて内部空間に導入されてよい。第1方向における、第1マイクロ波導入口から複数の第1スリットのうちの1つの第1スリットまでの距離が大きいほど、第1方向における複数の第1スリットのそれぞれの幅が大きくてよい。
【0007】
伝搬部は、底板の面内方向、且つ、複数の第1スリットの長辺に交差する方向である第1方向において、複数の第1スリットと予め定められた距離、離隔して設けられた第1マイクロ波導入口を有してよい。マイクロ波は、第1マイクロ波導入口を通じて内部空間に導入されてよい。第1方向における、第1マイクロ波導入口から複数の第1スリットのうちの1つの第1スリットまでの距離が大きいほど、複数の第1スリットのうち第1方向において隣り合う一の第1スリットと他の第1スリットとの間隔が小さくてよい。
【0008】
捕集部は、底板と交差し、内部空間に面し、上面視において第1マイクロ波導入口から最も離隔して配置された第1の側板をさらに有してよい。第1の側板には、第2スリットが設けられていてよい。
【0009】
第1方向と交差する方向における伝搬部の幅は、第1マイクロ波導入口から複数の第1スリットにかけて広がっていてよい。
【0010】
伝搬部は、内部空間に面し、上面視において第1方向に延伸する外側板と、外側板に設けられた第2マイクロ波導入口と、をさらに有してよい。
【0011】
伝搬部は、内部空間に面し、底板の下方に設けられた外底板と、外底板に設けられた第3マイクロ波導入口と、をさらに有してよい。
【0012】
第1マイクロ波導入口には、伝搬部の外部から内部空間に導入されるマイクロ波が通過するマイクロ波導入管が接続されてよい。マイクロ波導入管は、マイクロ波の進行方向に交差する方向に窪んだ第1凹部を有してよい。第1凹部の深さは、マイクロ波の波長の1/4であってよい。
【0013】
集塵部は、集塵電極を有してよい。集塵電極は、捕集部から集塵部への方向に交差する方向に窪んだ第2凹部を有してよい。第2凹部の深さは、マイクロ波の波長の1/4であってよい。
【0014】
帯電部および集塵部は、排ガスが通過する配管に設けられてよい。捕集部は、配管の下方に配置されていてよい。
【0015】
捕集部は、底板と交差し内部空間に面する第2の側板をさらに有してよい。底板から第2の側板にわたり、複数の第1スリットが延伸して設けられていてよい。
【0016】
電気集塵装置は、底板の上面に設けられ、複数の第1スリットのうち少なくとも一つの第1スリットを覆う被覆材をさらに備えてよい。
【0017】
被覆材は、少なくとも一つの第1スリットの内部に設けられていてよい。
【0018】
被覆材の上面には、第1スリットに対応する窪みが設けられていてよい。
【0019】
被覆材は、底板の上面から着脱可能であってよい。
【0020】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一つの実施形態に係る電気集塵装置100の一例を示す図である。
図2】本発明の一つの実施形態に係る電気集塵装置100および電気集塵システム200のブロック図の一例を示す図である。
図3図1に示される電気集塵装置100の上面視における一例を示す図である。
図4図3に示されるa-a'線における断面の一例を示す図である。
図5図1に示される電気集塵装置100の上面視における他の一例を示す図である。
図6図1に示される電気集塵装置100の上面視における他の一例を示す図である。
図7図1に示される電気集塵装置100の上面視における他の一例を示す図である。
図8図7における底板11の近傍の側面視における一例を示す図である。
図9図1に示される電気集塵装置100の他の一例を示す図である。
図10図1に示される電気集塵装置100の他の一例を示す図である。
図11図1に示される電気集塵装置100の上面視における他の一例を示す図である。
図12図1に示される電気集塵装置100の下面視における一例を示す図である。
図13図1に示される電気集塵装置100の上面視における他の一例を示す図である。
図14図13に示されるa-a'線における断面の一例を示す図である。
図15図3における第1マイクロ波導入口22の近傍の拡大図である。
図16図4における第1マイクロ波導入口22の近傍の拡大図である。
図17図1に示される電気集塵装置100における集塵部40の内部の拡大図である。
図18図17における集塵電極41の拡大図である。
図19図17における集塵電極41の他の拡大図である。
図20】電気集塵装置100の配置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0023】
図1は、本発明の一つの実施形態に係る電気集塵装置100の一例を示す図である。電気集塵装置100は、捕集部10および伝搬部20を備える。電気集塵装置100は、集塵部40を備えてよい。捕集部10は、底板11を有する。伝搬部20は、マイクロ波が伝搬する内部空間21を有する。本例において、伝搬部20は第1マイクロ波導入口22を有する。
【0024】
本明細書においては、X軸、Y軸およびZ軸の直交座標軸を用いて技術的事項を説明する場合がある。本明細書において、底板11の板面に平行な面をXY面とし、底板11の板面に垂直な方向をZ軸方向とする。XY面は水平面であってよく、Z軸方向は重力方向に平行であってよい。本明細書において、XY面内における所定の方向をX軸方向とし、XY面内においてX軸に直交する方向をY軸方向とする。
【0025】
本明細書においては、Z軸方向において集塵部40の側を「上」、伝搬部20の側を「下」と称する。本例においてはZ軸方向を重力方向としているが、「上」、「下」の方向は重力方向に限定されない。本明細書において上面視とは、電気集塵装置100をZ軸方向に集塵部40から伝搬部20の方向に見た場合を指す。本例において、捕集部10は集塵部40の下方に配置されている。本明細書において下面視とは、電気集塵装置100をZ軸方向に伝搬部20から集塵部40の方向に見た場合を指す。本明細書において側面視とは、電気集塵装置100をXY面内方向に見た場合を指す。
【0026】
図2は、本発明の一つの実施形態に係る電気集塵装置100および電気集塵システム200のブロック図の一例を示す図である。本例において、電気集塵システム200は、マイクロ波発生部91、動力装置92および電気集塵装置100を備える。動力装置92は、燃料を燃焼することにより排ガス30を発生する。動力装置92は、例えばエンジンである。排ガス30には、粒子状物質(PM:Particle Matter)32が含まれる。粒子状物質32は、ブラックカーボンとも称される。粒子状物質32は、化石燃料の不完全燃焼により発生する。粒子状物質32は、炭素を主成分とする微粒子である。
【0027】
電気集塵装置100は、帯電部90を備えてよい。帯電部90は、粒子状物質32を帯電させる。帯電部90は、マイナスコロナ放電によりマイナスイオンを発生してよい。帯電部90は、当該マイナスイオンにより粒子状物質32を帯電させてよい。
【0028】
集塵部40は、帯電した粒子状物質32を集塵する。捕集部10は、粒子状物質32を捕集する。捕集部10の底板11(図1参照)には、集塵部40により集塵された粒子状物質32が堆積する。図1に示されるとおり、本例において、捕集部10は集塵部40の下方に配置されている。本例において、底板11には、集塵部40から捕集部10に落下した粒子状物質32が堆積する。
【0029】
マイクロ波発生部91は、マイクロ波93を発生する。捕集部10に捕集された粒子状物質32は、マイクロ波93により燃焼する。マイクロ波93は、300MHzから300GHzの周波数を有する電磁波である。
【0030】
図3は、図1に示される電気集塵装置100の上面視における一例を示す図である。図3においては、集塵部40は省略されている。第1マイクロ波導入口22には、マイクロ波導入管94が接続されていてよい。本例において、伝搬部20の外部から内部空間21に導入されるマイクロ波93は、マイクロ波導入管94を通過する。
【0031】
底板11は、上面96および下面98を有する。上面96には、粒子状物質32が堆積する。底板11には、複数の第1スリット80が設けられている。本例においては、底板11には9つの第1スリット80が設けられている。第1スリット80は、上面96から下面98にわたり、底板11を貫通している。本例の第1スリット80は、長辺81および短辺82を有する矩形状である。
【0032】
底板11の面内方向、且つ、第1スリット80の長辺81に交差する方向を、第1方向dr1とする。本例においては、第1方向dr1は長辺81に直交する方向であり、短辺82に平行な方向である。本例においては、第1方向dr1はY軸方向に平行である。底板11の面内方向、且つ、第1スリット80の短辺82に交差する方向を、第2方向dr2とする。本例においては、第2方向dr2は短辺82に直交する方向であり、長辺81に平行な方向である。本例においては、第2方向dr2はX軸方向に平行である。
【0033】
本例において、捕集部10は、第1の側板15、第2の側板12および第3の側板18を有する。本例において、捕集部10は、2つの第2の側板12(第2の側板12-1および第2の側板12-2)を有する。第2の側板12-1および第2の側板12-2は、第2方向dr2において捕集空間97(後述)を挟んで対向している。
【0034】
本例の第1の側板15および第3の側板18は、上面視において第2方向dr2に延伸している。本例の第2の側板12は、上面視において第1方向dr1に延伸している。第1の側板15、第2の側板12および第3の側板18のうち、第1の側板15は、第1方向dr1において第1マイクロ波導入口22から最も離隔して配置されている。
【0035】
本例において、第1の側板15は外側面16および内側面17を含み、第2の側板12は外側面13および内側面14を含み、第3の側板18は外側面19および内側面99を含む。本例において、捕集部10は捕集空間97を有する。捕集空間97は、底板11の上面96の上方の空間であって、内側面17、内側面14および内側面99に囲まれた空間である。
【0036】
第1の側板15、第2の側板12および第3の側板18は、内部空間21に面していてよい。本例においては、第1の側板15の外側面16、第2の側板12の外側面13および第3の側板18の外側面19が、内部空間21に面している。
【0037】
第1の側板15、第2の側板12および第3の側板18は、底板11と交差していてよい。本例においては、第1の側板15、第2の側板12および第3の側板18は、底板11と直交している。
【0038】
本例において、伝搬部20は天板24、外底板25、外側板23および外側板33を有する。外底板25は、Z軸方向において天板24の下方に配置され、且つ、天板24と離隔して配置されている。天板24、外底板25、外側板23および外側板33は、内部空間21に面している。
【0039】
本例において、天板24および外底板25の板面は、XY面に平行に配置されている。本例において、伝搬部20は2つの外側板23(外側板23-1および外側板23-2)を有する。本例において、伝搬部20は2つの外側板33(外側板33-1および外側板33-2)を有する。本例の外側板23は、上面視において第1方向dr1に延伸している。本例の外側板33は、上面視において第2方向dr2に延伸している。
【0040】
外側板23は、内側面26を含む。外側板33は、内側面36を含む。内部空間21は、Z軸方向において天板24と外底板25とに挟まれ、且つ、XY面内において内側面26および内側面36に囲まれた空間である。
【0041】
底板11および第1スリット80は、上面視において、伝搬部20の内部空間21と重なる位置に配置されている。本例において、底板11の下面98は、内部空間21に接している。本例において、捕集部10の捕集空間97と伝搬部20の内部空間21とは、第1スリット80を介して連通している。
【0042】
内部空間21の第1方向dr1および第2方向dr2における幅を、それぞれ幅Wp1および幅Wp2とする。幅Wp1は、幅Wp2と異なっていてよく、等しくてもよい。幅Wp1は、1000mm以上1300mm以下であってよい。幅Wp2は、50mm以上500mm以下であってよい。
【0043】
捕集空間97の第1方向dr1および第2方向dr2における幅を、それぞれ幅Wc1および幅Wc2とする。幅Wc1は、幅Wc2と異なっていてよく、等しくてもよい。幅Wc1は、800mm以上1000mm以下であってよい。幅Wc2は、50mm以上450mm以下であってよい。
【0044】
幅Wc1は、幅Wp1よりも小さくてよく、幅Wp1と等しくてもよい。幅Wc2は、幅Wp2よりも小さくてよく、幅Wp2と等しくてもよい。
【0045】
本例において、マイクロ波93は、第1マイクロ波導入口22を通じて内部空間21に導入される。マイクロ波93は、第1方向dr1における第1マイクロ波導入口22の位置において、第1方向dr1に導入されてよい。第1マイクロ波導入口22は、第1方向dr1において複数の第1スリット80と予め定められた距離、離隔して設けられていてよい。当該予め定められた距離を、距離ds1とする。
【0046】
第1方向dr1に導入されたマイクロ波93は、上面視において内部空間21をXY面内に放射状に伝搬しやすい。このため、第1マイクロ波導入口22が第1スリット80と距離ds1離隔して設けられていることにより、XY面内における第1スリット80の位置において、マイクロ波93が一様になりやすくなる。マイクロ波93が一様であるとは、マイクロ波93の進行方向が、XY面内およびZ軸方向において、特定の進行方向に偏っていない状態を指す。距離ds1は、マイクロ波93の波長の0.2倍以上400倍以下であってよく、0.4倍以上200倍以下であってもよい。
【0047】
マイクロ波93は、内部空間21から複数の第1スリット80を通じて捕集部10の捕集空間97に伝搬する。XY面内における第1スリット80の位置において、マイクロ波93が一様であることにより、マイクロ波93は第1スリット80を通じて捕集空間97に均一に伝搬しやすくなる。これにより、底板11に堆積した粒子状物質32に対して、上面96における粒子状物質32の位置にかかわらず、マイクロ波93が均一に照射されやすくなる。このため、粒子状物質32がマイクロ波93により効率的に燃焼されやすくなる。
【0048】
第1スリット80の長辺81は、内部空間21にマイクロ波93が導入される方向(本例においては第1方向dr1)に交差する方向に配置されてよい。これにより、長辺81が、マイクロ波93が導入される方向に平行な方向に配置される場合よりも、粒子状物質32がマイクロ波93により効率的に燃焼されやすくなる。
【0049】
本例においては、内部空間21に導入されたマイクロ波93が内部空間21において放射状に伝搬し、放射状に伝搬したマイクロ波93が複数の第1スリット80を通じて捕集空間97に伝搬する。このため、本例においては、マイクロ波93は1つの第1マイクロ波導入口22から内部空間21に導入されればよい。このため、マイクロ波発生部91により発生されたマイクロ波93が通過するマイクロ波導入管94は、1つでよい。マイクロ波導入管94は高価である場合がある。本例においては、マイクロ波導入管94が1つでよいので、マイクロ波導入管94が複数配置される場合よりも、電気集塵システム200(図2参照)のコストが低減されやすくなる。
【0050】
第1スリット80の第1方向dr1における幅を、幅W1とする。幅W1は、短辺82の幅である。幅W1は、マイクロ波93の波長の0.1倍以上40倍以下であってよい。幅W1は、15mm以上40mm以下であってよい。
【0051】
第1方向dr1において隣り合う一の第1スリット80と他の第1スリット80との間隔の幅を、幅W2とする。本例においては、複数の第1スリット80の全てにわたり、第1方向dr1において隣り合う一の第1スリット80と他の第1スリット80との間隔の幅W2は、等しい。幅W2は、幅W1の2.0倍以上10.0倍以下であってよい。幅W2は、50mm以上200mm以下であってよい。
【0052】
第1スリット80の第2方向dr2における幅を、幅W3とする。幅W3は、長辺81の幅である。本例においては、複数の第1スリット80の全てにわたり、長辺81の幅W3は等しい。幅W3は、マイクロ波93の波長の1/2以上であってよい。マイクロ波93の周波数が2.45GHzである場合、幅W3は61.3mm以上であってよい。
【0053】
図4は、図3に示されるa-a'線における断面の一例を示す図である。a-a'線は、マイクロ波導入管94、外側板33-2、第1マイクロ波導入口22、天板24、外底板25、内部空間21、第3の側板18、集塵部40、捕集空間97、第1の側板15および外側板33-1を通るYZ断面である。図4において、集塵部40がハッチングにて示されている。ただし、図4において、集塵部40における集塵電極は、省略されている。本例において、集塵部40において集塵された粒子状物質32は、底板11の上面96に落下する。
【0054】
捕集部10の上端を、上端Ehとする。図4において、Z軸方向における上端Ehの位置が、粗い破線にて示されている。Z軸方向において、上端Ehの位置は、伝搬部20における天板24の上面の位置と一致していてよい。捕集部10は、伝搬部20の内部に配置されていてよい。底板11の下面98は、内部空間21に接していてよい。
【0055】
外底板25の上面を、上面27とする。第1方向dr1および第2方向dr2に直交する方向を、第3方向dr3とする。本例においては、第3方向dr3はZ軸方向と同じである。
【0056】
底板11の下面98は、第3方向dr3において上面27と予め定められた距離、離隔して配置されていてよい。当該予め定められた距離を、距離ds2とする。上述したとおり、第1方向dr1に導入されたマイクロ波93は、上面視において内部空間21をXY面内に放射状に伝搬しやすい。このため、下面98が上面27から距離ds2離隔して配置されていることにより、内部空間21に導入されたマイクロ波93は、第3方向dr3に内部空間21から捕集空間97への方向に進みやすくなる。図4において、内部空間21から捕集空間97への方向に進むマイクロ波93が、破線矢印にて示されている。
【0057】
距離ds2は、マイクロ波93の波長の200倍以下であってよく、100倍以下であってもよい。距離dsは、250mm以下であってよく、200mm以下であってもよい。
【0058】
集塵部40の少なくとも一部は、Z軸方向において捕集部10と重なるように配置されていてよい。本例においては、Z軸方向における底板11の上面96から捕集部10の上端Ehまでの間において、集塵部40の一部と捕集部10とが重なるように配置されている。
【0059】
図5は、図1に示される電気集塵装置100の上面視における他の一例を示す図である。第1方向dr1において、第1マイクロ波導入口22に最も近接して配置された第1スリット80を第1スリット80-1とし、最も離隔して配置された第1スリット80を第1スリット80-9とする。第1スリット80-1~第1スリット80-9の幅W1を、それぞれ幅W1-1~幅W1-9とする。
【0060】
本例においては、第1方向dr1における、第1マイクロ波導入口22から複数の第1スリット80のうちの1つの第1スリット80までの距離が大きいほど、第1方向dr1における複数の第1スリット80のそれぞれの幅が大きい。即ち、第1スリット80-1から第1スリット80-9に至るほど、幅W1が大きい。9つの幅W1のうち、幅W1-1が最も小さく、幅W1-9が最も大きい。これにより、9つの幅W1が全て等しい場合(即ち図3に示される場合)よりも、マイクロ波93の損失が抑制されやすくなる。
【0061】
図6は、図1に示される電気集塵装置100の上面視における他の一例を示す図である。本例においては、底板11に10個の第1スリット80が設けられている。第1方向dr1において、第1マイクロ波導入口22に最も近接して配置された第1スリット80を第1スリット80-1とし、最も離隔して配置された第1スリット80を第1スリット80-10とする。本例においては、1つの第1スリット80の幅W1(図3参照)は、10個の第1スリット80にわたり等しい。
【0062】
第1方向dr1において隣り合う第1スリット80-kと第1スリット80-(k+1)との間隔の幅を、幅W2-kとする。ここで、kは1以上9以下の整数である。本例においては、第1方向dr1における、第1マイクロ波導入口22から複数の第1スリット80のうちの1つの第1スリット80までの距離が大きいほど、複数の第1スリット80のうち第1方向dr1において隣り合う一の第1スリット80と他の第1スリット80との間隔が小さい。即ち、本例においては、kが大きいほど幅W2-kが小さい。これにより、8つの幅W2が全て等しい場合(即ち図3に示される場合)よりも、マイクロ波93の損失が抑制されやすくなる。
【0063】
図7は、図1に示される電気集塵装置100の上面視における他の一例を示す図である。本例の電気集塵装置100は、被覆材83をさらに備える点で、図3に示される電気集塵装置100と異なる。図7において、被覆材83がハッチングで示されている。
【0064】
本例において、被覆材83は底板11の上面96(図4参照)に設けられている。即ち、本例において、被覆材83は捕集空間97に配置されている。被覆材83は、複数の第1スリット80のうち少なくとも一つの第1スリット80を覆っていてよい。本例においては、被覆材83は、全ての(9つの)第1スリット80を覆っている。
【0065】
粒子状物質32(図4参照)は、被覆材83を通過しない。マイクロ波93は、被覆材83を透過する。被覆材83におけるマイクロ波93の透過率および吸収率は、それぞれ90%以上および10%未満であってよい。被覆材83は、例えばグラスウール等の断熱材、セラミックファイバおよび石英ガラスの少なくとも1つである。
【0066】
動力装置92(図2参照)から排出される排ガス30(図2参照)の温度は、300℃~400℃である場合がある。このため、粒子状物質32の温度も、300℃~400℃である場合がある。マイクロ波93により粒子状物質32が燃焼される場合、燃焼によりさらに温度が上昇する場合がある。このため、被覆材83の耐熱温度は、800℃以上であることが好ましい。
【0067】
図8は、図7における底板11の近傍の側面視における一例を示す図である。図8は、電気集塵装置100をX軸方向に見た図である。図8は、1つの第1スリット80の近傍を拡大した図である。
【0068】
被覆材83の上面および下面を、それぞれ上面87および下面86とする。本例において、被覆材83の下面86は、底板11の上面96に接して設けられている。
【0069】
被覆材83は、少なくとも一つの第1スリット80の内部に設けられていてよい。被覆材83は底板11の上面96から下面98への方向に突出した凸部84を有してよい。凸部84は、第1スリット80の内部に設けられてよい。凸部84が第1スリット80の内部に設けられているとは、凸部84が、第3方向dr3において上面96と下面98との間に配置されている状態を指す。被覆材83が第1スリット80の内部に設けられることにより、被覆材83が底板11の上面96に固定されやすくなる。
【0070】
被覆材83の上面87には、第1スリット80に対応する窪み85が設けられていてよい。窪み85とは、被覆材83の上面87に設けられた窪みであって、被覆材83の上面87から下面86への方向に窪んだ、被覆材83の窪みである。窪み85が第1スリット80に対応するとは、窪み85の第1方向dr1における少なくとも一部と、第1スリット80の第1方向dr1における少なくとも一部とが、同じ位置に配置されている状態を指す。本例においては、窪み85の第1方向dr1における全体と、第1スリット80の第1方向dr1における全体とが、同じ位置に配置されている。
【0071】
被覆材83の上面87に窪み85が設けられている場合、被覆材83の上面87に落下した粒子状物質32は、窪み85に堆積しやすくなる。窪み85は、第1スリット80に対応しているので、窪み85に堆積した粒子状物質32は、第1スリット80を内部空間21から捕集空間97への方向に進行するマイクロ波93により、燃焼しやすくなる。このため、上面87に窪み85が設けられない場合よりも、電気集塵装置100における粒子状物質32の燃焼効率が向上しやすくなる。
【0072】
図8においては、1つの第1スリット80の近傍が示されているが、図7に示される複数の第1スリット80のうち少なくとも一つの第1スリット80の内部に、凸部84が設けられてよい。複数の第1スリット80の全ての内部に、凸部84が設けられてもよい。被覆材83の上面87には、複数の第1スリット80の少なくとも一つの第1スリット80に対応する窪み85が設けられていてよい。被覆材83の上面87には、複数の第1スリット80のそれぞれに対応する複数の窪み85が設けられていてもよい。
【0073】
被覆材83は、底板11の上面96から着脱可能であってよい。上述したとおり、被覆材83は、例えばグラスウール等の断熱材、セラミックファイバおよび石英ガラスの少なくとも1つである。被覆材83が、例えばグラスウール等の断熱材である場合、底板11の上面96に配置された被覆材83に対して上面96から下面98への方向へ押圧力が印加された場合、被覆材83の一部であって第1スリット80の上方に配置された被覆材83の当該一部は、第1スリット80の内部に侵入しやすい。これにより、被覆材83には凸部84が生じやすく、且つ、被覆材83の上面87には、第1スリット80に対応する窪み85が生じやすい。
【0074】
図9は、図1に示される電気集塵装置100の他の一例を示す図である。図9は、図1に示される電気集塵装置100を第2の側板12-1から第2の側板12-2への方向(図3参照)に見た場合の一例である。ただし、図9において伝搬部20の外側板23(図3参照)は省略されている。図9において、図4に示される集塵部40のハッチングは省略されている。
【0075】
本例においては、第1スリット80が第2の側板12にも設けられている。本例の電気集塵装置100は、係る点で図3に示される電気集塵装置と異なる。第2の側板12に設けられた第1スリット80は、第2の側板12の外側面13から内側面14(図3参照)にわたり、第2の側板12を貫通している。
【0076】
複数の第1スリット80は、底板11から第2の側板12にわたり、延伸して設けられていてよい。複数の第1スリットは、底板11から第2の側板12-1にわたり延伸して設けられていてよく、底板11から第2の側板12-2(図3参照)にわたり延伸して設けられていてよい。
【0077】
複数の第1スリット80が第2の側板12にも設けられていることにより、内部空間21を第2方向dr2(図3参照)に伝搬するマイクロ波93(図3および図4参照)は、第2の側板12に設けられた第1スリット80を通じて捕集空間97へ伝搬しやすくなる。これにより、複数の第1スリット80が底板11のみに設けられている場合(即ち図3の例の場合)よりもさらに、粒子状物質32がマイクロ波93により燃焼されやすくなる。
【0078】
底板11の上面96に被覆材83が設けられる場合(即ち図7の例の場合)、当該被覆材83は、第2の側板12の内側面14(図3参照)にも設けられてよい。第2の側板12の内側面14に被覆材83が設けられる場合、当該被覆材83は、図8に示される例と同様に、第2の側板12に設けられた第1スリット80の内部に設けられてよい。
【0079】
図10は、図1に示される電気集塵装置100の他の一例を示す図である。図10は、図1に示される電気集塵装置100を第1の側板15から第3の側板18への方向(図3参照)に見た場合の一例である。ただし、図10において伝搬部20の外側板33(図3参照)は省略されている。図10において、図4に示される集塵部40のハッチングは省略されている。
【0080】
本例において、第1の側板15には第2スリット88が設けられている。本例の電気集塵装置100は、係る点で図3に示される電気集塵装置と異なる。第2スリット88は、第1の側板15の外側面16から内側面17(図3参照)にわたり、第1の側板15を貫通している。
【0081】
第1の側板15には、複数の第2スリット88が設けられてよい。第2スリット88の長辺は、第2方向dr2に平行に設けられてよく、第3方向dr3に平行に設けられてもよい。本例においては、第2スリット88の長辺は、第2方向dr2に平行に設けられている。
【0082】
第2スリット88が第1の側板15に設けられていることにより、伝搬部20の内側面36-1(図3参照)において反射したマイクロ波93は、第2スリット88を通じて捕集空間97へ伝搬しやすくなる。これにより、複数の第1スリット80が底板11のみに設けられている場合(即ち図3の例の場合)よりもさらに、粒子状物質32がマイクロ波93により燃焼されやすくなる。
【0083】
底板11の上面96に被覆材83が設けられる場合(即ち図7の例の場合)、当該被覆材83は、第1の側板15の内側面17(図3参照)にも設けられてよい。第1の側板15の内側面17に被覆材83が設けられる場合、当該被覆材83は、図8に示される例と同様に、第2スリット88の内部に設けられてよい。
【0084】
図11は、図1に示される電気集塵装置100の上面視における他の一例を示す図である。本例の電気集塵装置100においては、伝搬部20は、外側板23に設けられた第2マイクロ波導入口61をさらに有する。本例の電気集塵装置100は、係る点で図3に示される電気集塵装置100と異なる。
【0085】
伝搬部20は、複数の第2マイクロ波導入口61を有してよい。本例の伝搬部20は、2つの第2マイクロ波導入口61(第2マイクロ波導入口61―1および第2マイクロ波導入口61―2)を有する。本例においては、外側板23-1に第2マイクロ波導入口61-1が設けられ、外側板23-2に第2マイクロ波導入口61-2が設けられている。
【0086】
第2マイクロ波導入口61には、マイクロ波導入管60が接続されてよい。本例においては、第2マイクロ波導入口61-1にマイクロ波導入管60-1が接続され、第2マイクロ波導入口61-2にマイクロ波導入管60-2が接続されている。本例において、伝搬部20の外部から内部空間21に導入されるマイクロ波93は、マイクロ波導入管94およびマイクロ波導入管60を通過する。
【0087】
第1マイクロ波導入口22を通じて内部空間21に導入されるマイクロ波93の方向と、第2マイクロ波導入口61を通じて内部空間21に導入されるマイクロ波93の方向とは、異なっていてよい。本例においては、第1マイクロ波導入口22を通じて内部空間21に導入されるマイクロ波93の方向は、第1方向dr1である。本例において、第2マイクロ波導入口61-1を通じて内部空間21に導入されるマイクロ波93の方向は第2方向dr2であり、第2マイクロ波導入口61-2を通じて内部空間21に導入されるマイクロ波93の方向は、第2方向dr2に平行且つ第2方向dr2と反対の方向である。第1マイクロ波導入口22を通じて内部空間21に導入されるマイクロ波93の方向と第2マイクロ波導入口61を通じて内部空間21に導入されるマイクロ波93の方向とが異なっていることにより、内部空間21においてマイクロ波93がより一様になりやすくなる。
【0088】
本例においては、捕集部10の第2の側板12に第1スリット80が設けられている(図9参照)ことが好ましい。第2マイクロ波導入口61を通じて内部空間21にマイクロ波93が導入され、且つ、第2の側板12に第1スリット80が設けられていることにより、捕集空間97において捕集された粒子状物質32が、より効率的に燃焼されやすくなる。
【0089】
図12は、図1に示される電気集塵装置100の下面視における一例を示す図である。本例の電気集塵装置100においては、伝搬部20は、外底板25に設けられた第3マイクロ波導入口63をさらに有する。本例の電気集塵装置100は、係る点で図11に示される電気集塵装置100と異なる。
【0090】
第3マイクロ波導入口63には、マイクロ波導入管62が接続されてよい。本例において、伝搬部20の外部から内部空間21に導入されるマイクロ波93は、マイクロ波導入管94、マイクロ波導入管60およびマイクロ波導入管62を通過する。
【0091】
第3マイクロ波導入口63を通じて内部空間21に導入されるマイクロ波93の方向は、第1マイクロ波導入口22を通じて内部空間21に導入されるマイクロ波93の方向、および、第2マイクロ波導入口61を通じて内部空間21に導入されるマイクロ波93の方向と異なっていてよい。これにより、内部空間21においてマイクロ波93が、図11に示される例よりもさらに一様になりやすくなる。本例においては、第3マイクロ波導入口63を通じて内部空間21に導入されるマイクロ波93の方向は、第3方向dr3(図4参照)である。
【0092】
第3マイクロ波導入口63は、下面視において、捕集部10の底板11と重なる位置に配置されてよい。これにより、第3マイクロ波導入口63を通じて内部空間21に導入されるマイクロ波93は、捕集空間97に導入されやすくなる。これにより、捕集空間97において捕集された粒子状物質32が、より効率的に燃焼されやすくなる。
【0093】
図13は、図1に示される電気集塵装置100の上面視における他の一例を示す図である。本例においては、第1方向dr1と交差する方向における伝搬部20の幅が、第1マイクロ波導入口22から複数の第1スリット80にかけて広がっている。本例の電気集塵装置100は、係る点で図11に示される電気集塵装置100と異なる。第1方向dr1と交差する方向とは、第1スリット80の長辺81と平行な方向であってよい。本例においては、第2方向dr2における伝搬部20の幅が、第1マイクロ波導入口22から複数の第1スリット80にかけて、テーパー状に広がっている。
【0094】
図14は、図13に示されるa-a'線における断面の一例を示す図である。本例においては、第3方向dr3における伝搬部20の幅も、第1マイクロ波導入口22から複数の第1スリット80にかけて広がっている。即ち、本例においては、第1マイクロ波導入口22から複数の第1スリット80にかけての内部空間21の形状が、ホーン状である。このため、図3および図4に示される例よりも、マイクロ波93の利得が大きくなりやすくなる。
【0095】
図15は、図3における第1マイクロ波導入口22の近傍の拡大図である。マイクロ波導入管94は、第1凹部50を有してよい。第1凹部50は、マイクロ波93の進行方向(本例においてはY軸方向)に交差する方向(本例においては集塵部40から捕集部10への方向)に窪んでいる。
【0096】
図16は、図4における第1マイクロ波導入口22の近傍の拡大図である。本例の第1凹部50は、集塵部40から捕集部10への方向(図4参照)に窪んでいる。第1凹部50の深さを、深さdp1とする。
【0097】
深さdp1は、マイクロ波93(図3等参照)の波長の1/4であってよい。これにより、マイクロ波93の進行方向における第1凹部50よりも内部空間21側において、マイクロ波導入管94から内部空間21への方向に進行するマイクロ波93と、内部空間21からマイクロ波導入管94への方向に進行するマイクロ波93とが打ち消し合う。深さdp1がマイクロ波93の波長の1/4であることにより、第1凹部50から内部空間21の方向へ反射するマイクロ波93の反射率が向上しやすくなる。これにより、捕集部10における粒子状物質32が効率的に燃焼されやすくなる。第1凹部50は、マイクロ波93の進行波と反射波とを打ち消す、いわゆるチョーク構造であってよい。
【0098】
図17は、図1に示される電気集塵装置100における集塵部40の内部の拡大図である。ただし図17においては、図1における、集塵部40を示す実線、捕集部10および伝搬部20は省略されている。集塵部40は、集塵電極41を有してよい。集塵部40は、複数の集塵電極41を有してよい。本例の集塵部40は、7つの集塵電極41(集塵電極41―1~集塵電極41-7)を有する。
【0099】
集塵電極41は、板状であってよい。本例においては、板状の集塵電極41の板面が、XZ面に平行に配置されている。集塵電極41には、排ガス30が通過する複数の開口42が設けられていてよい。開口42は、板状の集塵電極41の厚さ方向(Y軸方向)に板面を貫通している。本例においては、排ガス30は集塵電極41の板面に交差する方向に、集塵部40の内部を通過する。本例においては、排ガス30は、集塵電極41-1から集塵電極41-7への方向に集塵部の内部を通過する。
【0100】
隣り合う集塵電極41の一方は電源43に接続されてよく、他方は接地されてよい。本例においては、集塵電極41-1、集塵電極41-3、集塵電極41-5および集塵電極41-7は電源43に接続され、集塵電極41-2、集塵電極41-4および集塵電極41-6は接地されている。帯電した粒子状物質32(図4参照)は、隣り合う集塵電極41の間に発生する電位差により、接地された方の集塵電極41に集塵される。本例においては、集塵された粒子状物質32は、捕集部10に落下する。
【0101】
集塵電極41は、第2凹部44を有してよい。本例において、第2凹部44は、板状の集塵電極41板面の厚さ方向に窪んで設けられている。第2凹部44は、捕集部10から集塵部40への方向(本例においてはZ軸方向)に交差する方向(本例においてはY軸方向)に窪んでいる。
【0102】
図18は、図17における集塵電極41の拡大図である。図18は、1つの集塵電極41を、板面の厚さ方向に見た図である。第2凹部44は、集塵電極41を板面の厚さ方向に見た場合において、長辺45および短辺46を有する矩形状であってよい。第2凹部44の長辺45は、捕集部10から集塵部40への方向(本例においてはZ軸方向)に交差してよい。本例においては、長辺45は捕集部10から集塵部40への方向に直交している。第2凹部44は、捕集部10から集塵部40への方向において、捕集部10と開口42との間に配置されてよい。
【0103】
図19は、図17における集塵電極41の他の拡大図である。図19は、1つの集塵電極41を、板面に平行な方向に見た図である。本例の第2凹部44は、集塵電極41を板面に平行な方向に見た場合において、板面の厚さ方向に窪んでいる。第2凹部44の板面からの深さを、深さdp2とする。
【0104】
深さdp2は、マイクロ波93(図3等参照)の波長の1/4であってよい。これにより、第2凹部44よりも上方において、捕集部10から集塵部40への方向に進行するマイクロ波93と、集塵部40から捕集部10への方向に進行するマイクロ波93とが打ち消し合う。深さdp2がマイクロ波93の波長の1/4であることにより、第2凹部44から捕集部10への方向へ反射するマイクロ波93の反射率が向上しやすくなる。これにより、捕集部10における粒子状物質32が効率的に燃焼されやすくなる。
【0105】
上述したとおり、第2凹部44は、捕集部10から集塵部40への方向において、捕集部10と開口42との間に配置されてよい。これにより、第2凹部44よりも開口42側にマイクロ波93が進行しにくくなる。第2凹部44は、マイクロ波93の進行波と反射波とを打ち消す、いわゆるチョーク構造であってよい。
【0106】
図20は、電気集塵装置100の配置の一例を示す図である。動力装置92により排出された排ガス30は、配管110を通過する。帯電部90および集塵部40は、排ガス30が通過する配管110に設けられてよい。帯電部90および集塵部40は、配管110の内部における排ガス30の流路に設けられてよい。図20において、電気集塵装置100の範囲が一点鎖線の枠にて示されている。帯電部90は集塵部40よりも、配管110における排ガス30の流路の上流に設けられてよい。これにより、帯電部90により帯電させられた粒子状物質32が、集塵部40により集塵される。
【0107】
捕集部10は、配管110の下方に配置されてよい。伝搬部20は、配管110の下方に配置されてよい。粒子状物質32は、配管110の外部において、マイクロ波93(図3参照)により燃焼されてよい。
【0108】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0109】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0110】
10・・・捕集部、11・・・底板、12・・・側板、13・・・外側面、14・・・内側面、15・・・側板、16・・・外側面、17・・・内側面、18・・・側板、19・・・外側面、20・・・伝搬部、21・・・内部空間、22・・・第1マイクロ波導入口、23・・・外側板、24・・・天板、25・・・外底板、26・・・内側面、27・・・上面、30・・・排ガス、32・・・粒子状物質、33・・・外側板、36・・・内側面、40・・・集塵部、41・・・集塵電極、42・・・開口、43・・・電源、44・・・第2凹部、45・・・長辺、46・・・短辺、50・・・第1凹部、60・・・マイクロ波導入管、61・・・第2マイクロ波導入口、62・・・マイクロ波導入管、63・・・第3マイクロ波導入口、80・・・第1スリット、81・・・長辺、82・・・短辺、83・・・被覆材、84・・・凸部、86・・・下面、87・・・上面、88・・・第2スリット、90・・・帯電部、91・・・マイクロ波発生部、92・・・動力装置、93・・・マイクロ波、94・・・マイクロ波導入管、96・・・上面、97・・・捕集空間、98・・・下面、99・・・内側面、100・・・電気集塵装置、110・・・配管、200・・・電気集塵システム
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